JP2003203893A - 基板処理装置及び基板処理方法 - Google Patents

基板処理装置及び基板処理方法

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JP2003203893A
JP2003203893A JP2002000604A JP2002000604A JP2003203893A JP 2003203893 A JP2003203893 A JP 2003203893A JP 2002000604 A JP2002000604 A JP 2002000604A JP 2002000604 A JP2002000604 A JP 2002000604A JP 2003203893 A JP2003203893 A JP 2003203893A
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wafer
substrate
processing
spin chuck
liquid
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JP2002000604A
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Shinichiro Araki
真一郎 荒木
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Tokyo Electron Ltd
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Tokyo Electron Ltd
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Publication date
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波振動子等の振動発生機器を追加して設
置することなく,処理液に微振動を与えることができる
基板処理装置及び基板処理方法を提供する。 【解決手段】 基板Wに処理液を供給し,基板Wを回転
させて処理する基板処理装置において,基板Wを保持す
るスピンチャック71と,前記スピンチャック71の回
転を司るサーボ機構90を備え,前記サーボ機構90の
制御系の安定度を低下させ,又は制御系を不安定にする
ことにより,基板Wに供給した処理液に振動を与えて処
理することとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,例えば半導体ウェ
ハやLCD基板用ガラス等の基板を洗浄処理などする基
板処理装置及び基板処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体デバイスの製造プロセスに
おいては,半導体ウェハ(以下,「ウェハ」という。)
に対して処理液を供給し,現像,塗布,洗浄等の処理を
行う処理システムが使用されている。かような処理シス
テムに備えられる枚葉式の基板処理装置は,略水平に保
持したウェハに対して,処理液の供給機構からノズル等
により処理液を供給し,処理液によって所定の処理を施
すものである。この基板処理装置には,ウェハを保持す
ると共に水平面内で回転させることができるスピンチャ
ックが備えられ,これによりウェハを回転保持し,処理
面上に供給された処理液を遠心力により処理面全体に拡
散させて処理する。スピンチャックは例えばサーボモー
タによって回転駆動される。即ち,例えばスピンチャッ
クに巻回したベルトをサーボモータによって周動させる
ことにより,スピンチャック及びウェハを回転させる構
成となっている。サーボモータの回転は,回転速度を制
御量として目標値の変化に追従するサーボ機構によって
制御される。また,処理レシピ等を記憶したコンピュー
タがサーボ機構に接続され,このコンピュータの命令に
従って,処理に応じた回転速度の目標値が設定されるよ
うになっている。
【0003】さらに,かかる枚葉式基板処理装置にあっ
ては,ウェハの処理面上に供給される処理液に微小振動
を与え,処理液による処理を促進させる方法が用いられ
る。即ち,例えばウェハを洗浄処理する場合は洗浄性能
が向上し,薬液処理を行う場合は薬液の化学反応を促進
させることができる。これにより,ウェハの処理効率の
向上を図るようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,従来の
基板処理装置においては,処理液に微小振動を与えるた
めには,上記の構成装置の他に振動を発生させる機器を
追加して設置する必要があった。例えば,ウェハに微小
振動を与える微小振動発生装置や超音波振動子等を備え
たり,あるいは,処理液の供給機構にメガソニック器等
を設け,微小振動を与えた処理液をウェハに供給するよ
うにしていた。
【0005】従って,本発明の目的は,超音波振動子等
の振動発生機器を追加して設置することなく,処理液に
微小振動を与えることができる基板処理装置及び基板処
理方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に,本発明によれば,基板に処理液を供給し,基板を回
転させて処理する基板処理装置であって,基板を保持す
るスピンチャックと,前記スピンチャックの回転を司る
サーボ機構を備え,前記サーボ機構の制御系の安定度を
低下させ,又は制御系を不安定にすることにより,基板
に供給した処理液に振動を与えて処理することを特徴と
する,基板処理装置が提供される。かかる基板処理装置
にあっては,振動発生機器を追加して設置しなくても,
処理液による処理を促進させ,振動発生機器によって振
動を与えた場合と同様の効果を得ることができる。
【0007】また,前記制御系のゲイン余裕を変化させ
る機能を備え,前記ゲイン余裕を安定状態でなくなる値
に変更することにより,前記制御系の安定度を低下さ
せ,又は制御系を不安定にすることが好ましい。さら
に,前記サーボ機構はサーボモータとエンコーダを備え
ることが好ましい。
【0008】また,本発明によれば,基板に処理液を供
給し,基板を回転させて処理する基板処理方法であっ
て,前記基板の回転速度に遅速を与えることにより,基
板に供給した処理液に振動を与えて処理することを特徴
とする,基板処理方法が提供される。さらに,基板に処
理液を供給して処理する基板処理方法であって,前記基
板の回転速度に遅速を与えることにより,基板に供給し
た処理液に振動を与えて処理することを特徴とする,基
板処理方法が提供される。かかる基板処理方法にあって
は,振動発生機器を追加して設置する必要がない。
【0009】さらに,基板を保持するスピンチャックの
回転を司るサーボ機構の制御系の安定度を低下させ,又
は不安定にすることにより,基板に供給した処理液に振
動を与えることが好ましい。また,前記制御系のゲイン
余裕を変化させることにより,前記制御系の安定度を低
下させ,又は制御系を不安定にすることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下,本発明の好ましい実施の形
態を,基板の一例としてウェハの表面を洗浄する基板処
理装置としての基板洗浄ユニットに基づいて説明する。
図1は,本実施の形態にかかる基板洗浄ユニット12,
13,14,15を組み込んだ洗浄処理システム1の平
面図である。図2は,その側面図である。この洗浄処理
システム1は,ウェハWに洗浄処理及び洗浄処理後の熱
的処理を施す洗浄処理部2と,洗浄処理部2に対してウ
ェハWを搬入出する搬入出部3から構成されている。
【0011】搬入出部3は,複数枚,例えば25枚のウ
ェハWが所定の間隔で略水平に収容可能な容器(キャリ
アC)を載置するための載置台6が設けられたイン・ア
ウトポート4と,載置台6に載置されたキャリアCと洗
浄処理部2との間でウェハの受け渡しを行うウェハ搬送
装置7が備えられたウェハ搬送部5と,から構成されて
いる。
【0012】ウェハWはキャリアCの一側面を通して搬
入出され,キャリアCの側面には開閉可能な蓋体が設け
られている。また,ウェハWを所定間隔で保持するため
の棚板が内壁に設けられており,ウェハWを収容する2
5個のスロットが形成されている。ウェハWは表面(半
導体デバイスを形成する面)が上面(ウェハWを水平に
保持した場合に上側となっている面)となっている状態
で各スロットに1枚ずつ収容される。
【0013】イン・アウトポート4の載置台6上には,
例えば,3個のキャリアを水平面のY方向に並べて所定
位置に載置することができるようになっている。キャリ
アCは蓋体が設けられた側面をイン・アウトポート4と
ウェハ搬送部5との境界壁8側に向けて載置される。境
界壁8においてキャリアCの載置場所に対応する位置に
は窓部9が形成されており,窓部9のウェハ搬送部5側
には,窓部9をシャッター等により開閉する窓部開閉機
構10が設けられている。
【0014】この窓部開閉機構10は,キャリアCに設
けられた蓋体もまた開閉可能であり,窓部9の開閉と同
時にキャリアCの蓋体も開閉する。窓部9を開口してキ
ャリアCのウェハ搬入出口とウェハ搬送部5とを連通さ
せると,ウェハ搬送部5に配設されたウエハ搬送装置7
のキャリアCへのアクセスが可能となり,ウェハWの搬
送を行うことが可能な状態となる。
【0015】ウェハ搬送部5に配設されたウエハ搬送装
置7は,Y方向とZ方向に移動可能であり,かつ,X―
Y平面内(θ方向)で回転自在に構成されている。ま
た,ウェハ搬送装置7は,ウェハWを把持する取出収納
アーム11を有し,この取出収納アーム11はX方向に
スライド自在となっている。こうして,ウェハ搬送装置
7は,載置台6に載置された全てのキャリアCの任意の
高さのスロットにアクセスし,また,洗浄処理部2に配
設された上下2台のウェハ受け渡しユニット16,17
にアクセスして,イン・アウトポート4側から洗浄処理
部2側へ,逆に洗浄処理部2側からイン・アウトポート
4側へウェハWを搬送することができるようになってい
る。
【0016】洗浄処理部2は,主ウェハ搬送装置18
と,ウェハ搬送部5との間でウェハWの受け渡しを行う
ためにウェハWを一時的に載置するウェハ受け渡しユニ
ット16,17と,本実施の形態にかかる4台の基板洗
浄ユニット12,13,14,15と,洗浄処理後のウ
ェハWを加熱処理する3台の加熱ユニット及び加熱され
たウェハWを冷却する冷却ユニットからなる加熱・冷却
部19とを備えている。主ウェハ搬送装置18は,ウェ
ハ受け渡しユニット16,17,基板洗浄ユニット1
2,13,14,15,加熱・冷却部19の全てのユニ
ットにアクセス可能に配設されている。
【0017】また,洗浄処理部2は,洗浄処理システム
1全体を稼働させるための電源である電装ユニット23
と,洗浄処理システム1内に配設された各種装置及び洗
浄処理システム1全体の動作制御を行う機械制御ユニッ
ト24と,基板洗浄ユニット12,13,14,15に
送液する所定の処理液を貯蔵する薬液貯蔵ユニット25
とが配設されている。電装ユニット23は図示しない主
電源と接続される。洗浄処理部2の天井部には,各ユニ
ット及び主ウェハ搬送装置18に,清浄な空気をダウン
フローするためのファンフィルターユニット(FFU)
26が配設されている。
【0018】電装ユニット23と薬液貯蔵ユニット25
と機械制御ユニット24を洗浄処理部2の外側に設置す
ることによって,又は外部に引き出すことによって,こ
の面(Y方向)からウェハ受け渡しユニット16,1
7,主ウェハ搬送装置18,加熱・冷却部19のメンテ
ナンスを容易に行うことが可能である。
【0019】ウェハ受け渡しユニット16,17は,い
ずれもウェハ搬送部5との間でウェハWの受け渡しを行
うためにウェハWを一時的に載置するものであり,これ
らウェハ受け渡しユニット16,17は上下2段に積み
重ねられて配置されている。例えば,下段のウェハ受け
渡しユニット17は,イン・アウトポート4側から洗浄
処理部2側へ搬送するウェハWを載置するために用い,
上段のウェハ受け渡しユニット16は,洗浄処理部2側
からイン・アウトポート4側へ搬送するウェハWを載置
するために用いることができる。
【0020】ファンフィルターユニット(FFU)26
からのダウンフローの一部は,ウェハ受け渡しユニット
16,17と,その上部の空間を通ってウェハ搬送部5
に向けて流出する構造となっている。これにより,ウェ
ハ搬送部5から洗浄処理部2へのパーティクル等の侵入
が防止され,洗浄処理部2の清浄度が保持されるように
なっている。
【0021】主ウェハ搬送装置18は,図示しないモー
タの回転駆動力によって回転可能な筒状支持体30と,
筒状支持体30の内側に沿ってZ方向に昇降自在に設け
られたウェハ搬送体31とを有している。ウェハ搬送体
31は,筒状支持体30の回転に伴って一体的に回転さ
れるようになっており,それぞれ独立して進退移動する
ことが可能な多段に配置された3本の搬送アーム34,
35,36を備えている。
【0022】基板洗浄ユニット12,13,14,15
は,図2に示すように,上下2段で各段に2台ずつ配設
されている。図1に示すように,基板洗浄ユニット1
2,13と基板洗浄ユニット14,15とは,その境界
をなしている壁面41に対して対称な構造を有している
が,対称であることを除けば,各基板洗浄ユニット1
2,13,14,15は概ね同様の構成を備えている。
そこで,基板洗浄ユニット12を例として,その構造に
ついて詳細に以下に説明することとする。
【0023】図3は,基板洗浄ユニット12の平面図で
ある。基板洗浄ユニット12のユニットチャンバー45
内には,ウェハWを収納して処理液によって処理する基
板処理部としてのアウターチャンバー46と,薬液アー
ム格納部47と,リンス乾燥アーム格納部48とを備え
ている。ユニットチャンバー45には開口50が形成さ
れ,開口50を図示しない開閉機構によって開閉するユ
ニットチャンバー用メカシャッター51が設けられてお
り,例えば搬送アーム34によって基板洗浄ユニット1
2に対して開口50からウェハWが搬入出される際に
は,このユニットチャンバー用メカシャッター51が開
くようになっている。ユニットチャンバー用メカシャッ
ター51はユニットチャンバー45の内部から開口50
を開閉するようになっており,ユニットチャンバー45
内が陽圧になったような場合でも,ユニットチャンバー
45内部の雰囲気が外部に漏れ出ない。
【0024】アウターチャンバー46には開口52が形
成され,開口52を図示しないシリンダ駆動機構によっ
て開閉するアウターチャンバー用メカシャッター53が
設けられており,例えば搬送アーム34によってアウタ
ーチャンバー46に対して開口52からウェハWが搬入
出される際には,このアウターチャンバー用メカシャッ
ター53が開くようになっている。アウターチャンバー
用メカシャッター53はアウターチャンバー46の内部
から開口52を開閉するようになっており,アウターチ
ャンバー46内が陽圧になったような場合でも,アウタ
ーチャンバー46内部の雰囲気が外部に漏れ出ない。ま
た,薬液アーム格納部47には開口54が形成され,開
口54を図示しない駆動機構によってアウターチャンバ
ー46の内部から開閉する薬液アーム格納部用シャッタ
ー55が設けられている。薬液アーム格納部47をアウ
ターチャンバー46と雰囲気隔離するときは,この薬液
アーム格納部用シャッター55を閉じる。リンス乾燥ア
ーム格納部48には開口56が形成され,開口56を図
示しない駆動機構によってアウターチャンバー46の内
部から開閉するリンス乾燥アーム格納部用シャッター5
7が設けられている。リンス乾燥アーム格納部48をア
ウターチャンバー46と雰囲気隔離するときは,このリ
ンス乾燥アーム格納部用シャッター57を閉じる。
【0025】薬液アーム格納部47内には,薬液とN2
を吐出する薬液供給ノズル61及びIPAと純水を吐出
するリンスノズル62を備えた薬液供給系アーム60が
格納されている。薬液供給系アーム60は,処理時以外
はアウターチャンバー46内に収納されて待避し,処理
時は,アウターチャンバー46内に収納されているウェ
ハWの少なくとも中心から周縁部までをスキャンする。
また,薬液アーム格納部47には薬液供給系アーム洗浄
装置66が備えられ,待避中の薬液供給系アーム60を
洗浄することができる。薬液アーム格納部47は常時薬
液雰囲気となるため,耐食性の部品が使用されている。
なお,薬液供給系アーム60に第2の薬液を吐出可能な
薬液供給ノズルを適宜備えても良い。
【0026】リンス乾燥アーム格納部48内には,N2
を吐出するN2供給ノズル64及びIPAと純水を吐出
するリンスノズル65を備えたリンス乾燥アーム63が
格納されている。リンス乾燥アーム63は,処理時以外
はアウターチャンバー46内に収納されて待避し,処理
時は,アウターチャンバー46内に収納されているウェ
ハWの少なくとも中心から周縁部までをスキャンする。
リンス乾燥アーム格納部48は,薬液雰囲気ではない
が,耐食性の部品を使用しても良い。リンス乾燥アーム
格納部48にはリンス乾燥アーム洗浄装置67が備えら
れ,待避中のリンス乾燥アーム63を洗浄することがで
きる。
【0027】図4に示すように,アウターチャンバー4
6内には,ウェハWを収納するインナーカップ70と,
このインナーカップ70内で,例えばウェハW表面を上
面にして,ウェハWを回転自在に保持するスピンチャッ
ク71と,スピンチャック71により支持されたウェハ
W上面(ウェハW表面)に対して相対的に移動するトッ
ププレート72を備えている。アウターチャンバー46
には,スピンチャック71により支持されたウェハWが
位置する高さに傾斜部73が形成され,ウェハWは傾斜
部73に包囲されるようになっている。また,アウター
チャンバー用メカシャッター53の上部は傾斜部73の
一部となっている。スピンチャック71に対してウェハ
Wを授受させる際には,アウターチャンバー用メカシャ
ッター53を開き,ウェハWを水平に移動させる。
【0028】スピンチャック71は,ウエハWを保持す
るチャック本体75と,チャック本体75の底部に接続
された回転筒体76とを備える。チャック本体75内に
は,スピンチャック71により支持されたウェハW下面
(ウェハW裏面)に対して相対的に移動するアンダープ
レート77が配置されている。
【0029】チャック本体75の上部には,ウェハWの
周縁部を裏面から複数箇所において支持するための図示
しない支持ピンと,保持部材80が装着されている。保
持部材80は,ウェハWの周縁に当接するようにチャッ
ク本体75の上面に設置され,図3に示すように,ウェ
ハWの周囲において中心角が120°となるように3箇
所に配置されており,それら3つの保持部材80によ
り,ウェハWを周縁から保持できるようになっている。
スピンチャック71が回転するとき,3つの保持部材8
0は周縁からウェハWを保持し,ウェハWはスピンチャ
ック71と共に回転する。
【0030】回転筒体76の外周面には,サーボモータ
85の回転動作を回転筒体76に伝達する伝達機構であ
るベルト84が巻回されている。また,ベルト84は,
サーボモータ85のモータ軸86に巻回されている。従
って,サーボモータ85によってモータ軸86を回転さ
せると,ベルト84がモータ軸86と回転筒体76との
間を周動するので,これにより回転筒体76が回転し,
ひいてはスピンチャック71全体及びスピンチャック7
1に保持されたウェハWが回転するようになっている。
サーボモータ85は,サーボ機構90の制御系(サーボ
系)によって回転を制御される。
【0031】図5は,サーボ機構90の主な構成を示
す。サーボモータ85の回転を制御し,ベルト84を介
してスピンチャック71の回転を制御するサーボ機構9
0は,サーボモータ85,サーボモータ85の回転速度
を検出する検出器としてのロータリエンコーダ92,ド
ライバ93を備えている。ドライバ93は,サーボドラ
イバコンピュータ95に配線接続されており,ディジタ
ル・アナログ(D/A)変換器101,加算器102,
サーボアンプ103,駆動回路104,周波数・電圧
(F/V)変換器106,および入出力部107を備え
ている。従って,サーボ機構90によってサーボモータ
85の回転速度を制御する制御系であるサーボ系は,サ
ーボモータ85,ロータリエンコーダ92,サーボドラ
イバコンピュータ95,D/A変換器101,加算器1
02,サーボアンプ103,駆動回路104,F/V変
換器106,および入出力部107から構成されてい
る。サーボドライバコンピュータ95は,装置コントロ
ーラコンピュータ96に配線接続され,装置コントロー
ラコンピュータ96から通常動作指令及びゲイン変更指
令を与えられる。
【0032】D/A変換器101には,入出力部107
を介してサーボドライバコンピュータ95より回転速度
量目標値つまりスピンチャック71又はサーボモータ8
5の回転すべき速度の指示が入力される。回転速度量目
標値はD/A変換器101でアナログの回転速度信号に
変換され,この回転速度信号がサーボアンプ103で増
幅されたのち駆動回路104に入力され,回転速度信号
に対応した駆動回路104の出力電流によってサーボモ
ータ85が回転動作し,モータ軸86にベルト84を介
して結合されたスピンチャック71が所定の回転速度で
回転するようになっている。スピンチャック71の回転
方向は,サーボモータ85の回転方向に対応する。
【0033】モータ軸86にはロータリエンコーダ92
も結合され,このロータリエンコーダ92よりサーボモ
ータ85の回転速度・回転量に応じた周波数・パルス数
のパルス信号EPが発生される。このパルス信号EP
は,速度フィードバック信号としてF/V変換器106
を介してアナログ信号の形で加算器102に与えられ
る。
【0034】サーボ機構90の制御系においては,加算
器102で回転速度信号と速度フィードバック信号との
差分に応じた誤差信号が生成され,この誤差信号に応じ
てサーボモータ85が駆動されることにより,サーボモ
ータ85が所定の回転速度で回転し,ひいてはスピンチ
ャック71が所定の回転速度で回転するようになってい
る。
【0035】サーボドライバコンピュータ95は,上記
のようにスピンチャック71の回転速度の目標値を表す
指示を入出力部107に入力する外に,ロータリエンコ
ーダ92よりパルス信号PAを受け取る。ロータリエン
コーダ92のパルス信号PAの周波数は,サーボモータ
85の実際の回転速度に対応し,ひいてはスピンチャッ
ク71の実際の回転速度に対応している。サーボドライ
バコンピュータ95は,このパルス信号PAを受け取る
ことによって,サーボモータ85及びスピンチャック7
1の実際の回転速度を監視する。
【0036】装置コントローラコンピュータ96は,サ
ーボモータ85の回転の開始及び終了,回転速度等の通
常の回転動作に関する通常動作指令を,サーボ機構90
に対して与える機能を備えている。例えば,装置コント
ローラコンピュータ96からサーボドライバコンピュー
タ95に対して回転速度量などの通常動作指令を与える
と,入出力部107に対してサーボドライバコンピュー
タ95より回転速度量目標値が入力される。
【0037】また,装置コントローラコンピュータ96
は,サーボ系のゲイン余裕を変更するゲイン変更指令,
即ちスピンチャック71の回転速度に遅速を生じさせる
指令を,サーボ機構90に対して与える機能を備えてい
る。装置コントローラコンピュータ96からサーボドラ
イバコンピュータ95に対してサーボ系のゲイン余裕を
変更するゲイン変更指令を与えると,例えば図5に示す
ように,サーボドライバコンピュータ95から,駆動回
路104が有する系の伝達関数を変化させる指令が,入
出力部107を介して駆動回路104に対して与えられ
るようにする。これによりサーボ系全体の伝達関数が変
化し,サーボ系のゲイン余裕が変更される。サーボ系の
ゲイン余裕を無くすとサーボ系は不安定となり,サーボ
モータ85の実際の回転速度は目標値に対して微小振動
し,スピンチャック71の回転速度に遅速が生じる。サ
ーボ系のゲイン余裕を小さな値にすると,サーボ系の安
定度は低下し,この場合も,サーボモータ85の実際の
回転速度は目標値に対して微小振動し,スピンチャック
71の回転速度に遅速が生じる。また,サーボ系のゲイ
ン余裕を大きな値にするとサーボ系の安定度は向上し,
サーボモータ85の実際の回転速度は目標値に対して安
定して追従し,スピンチャック71が安定した回転速度
で回転する。
【0038】このように,装置コントローラコンピュー
タ96は,サーボ系のゲイン余裕を変化させるゲイン変
更指令を与えることによりサーボ系の安定度を変化させ
る機能を有し,これにより,スピンチャック71により
保持されたウェハWの回転速度に遅速が生じる状態と,
回転速度に遅速が生じず安定した回転速度で回転する状
態とを切り替えることができる。スピンチャック71の
回転速度に遅速が生じると,スピンチャック71により
保持されたウェハWに供給された処理液に微小振動が生
じる。処理液がウェハWの処理面上において微小振動す
ることにより,例えば,処理液の化学反応が促進する。
また,処理液の処理の効果が向上する。従って,ウェハ
Wの処理効率の向上を図ることができる。即ち,超音波
振動子等の振動発生機器を用いて処理液に微小振動を与
えた場合と同様の効果が得られる。
【0039】アンダープレート77は,回転筒体76内
からチャック本体75へ貫挿するアンダープレートシャ
フト110上に接続されている。アンダープレートシャ
フト110は,水平板111の上面に固着されており,
この水平板111は,アンダープレートシャフト110
と一体的に,エアシリンダー等からなる昇降機構112
により鉛直方向に昇降させられる。また,アンダープレ
ート77は,下降してウェハW下面から離れる位置(退
避位置)と,上昇してウェハW下面に近接する位置(処
理位置)とに上下に移動自在である。なお,アンダープ
レート77を所定高さに固定する一方で,回転筒体76
に図示しない昇降機構を接続させて,スピンチャック7
1全体を鉛直方向に昇降させることにより,アンダープ
レート77をウェハW下面に対して相対的に上下に移動
自在にしても良い。また,アンダープレート77には,
例えば洗浄薬液や純水などの処理液や乾燥ガス(N2ガ
ス)等の処理流体を供給する下面供給路115が,アン
ダープレートシャフト110内を貫通して設けられてい
る。
【0040】インナーカップ70は,下降してスピンチ
ャック71をインナーカップ70の上端よりも上方に突
出させてウェハWを授受させる状態と,スピンチャック
71及びウェハWを包囲し,ウェハW両面に供給した洗
浄薬液や処理流体等が周囲に飛び散ることを防止する状
態とに上下に移動自在である。インナーカップ70を下
降させてスピンチャック71に対してウェハWを授受さ
せる場合,アンダープレート77を待機位置に位置さ
せ,トッププレート72を退避位置に位置させる。そう
すれば,アンダープレート77とトッププレート72と
の間には,スピンチャック71に対するウェハWの授受
に十分な隙間が形成される。インナーカップ70の底部
には,インナーカップ70内の液滴を排液する図示しな
いインナーカップ排出管が接続されている。
【0041】トッププレート72は,トッププレート回
転軸120の下端に接続されており,水平板121に設
置された回転軸モータ122によって回転する。トップ
プレート回転軸120は,水平板121の下面に回転自
在に保持され,この水平板121は,アウターチャンバ
ー46上部に固着されたエアシリンダー等からなる回転
軸昇降機構123により鉛直方向に昇降する。従って,
トッププレート72は,回転軸昇降機構123の稼動に
より,スピンチャック71により保持されたウェハW上
面から離れた位置(退避位置)と,ウェハW上面に形成
された薬液の液膜に接触しない位置であってこのウェハ
W上面に対して近接した位置(処理位置)とに上下に移
動自在である。また,トッププレート72には,例えば
N2ガス,薬液等を供給する上面供給路125が,トッ
ププレート回転軸120内を貫通して設けられている。
アウターチャンバー46上部には,アウターチャンバー
46内部にN2ガスを供給するN2ガス供給手段126
が備えられている。
【0042】なお,洗浄処理システム1に備えられた他
の基板洗浄ユニット13,14,15も,基板洗浄ユニ
ット12と同様の構成を有し,処理液によりウェハWを
洗浄することができる。
【0043】さて,この洗浄処理システム1において,
先ず図示しない搬送ロボットにより未だ洗浄されていな
いウェハWを例えば25枚ずつ収納したキャリアCがイ
ン・アウトポート4に載置される。そして,このイン・
アウトポート4に載置されたキャリアCから取出収納ア
ーム11によって一枚ずつウェハWが取り出され,取出
収納アーム11から主ウェハ搬送装置18にウェハWが
受け渡される。そして,例えば搬送アーム34によって
ウェハWは各基板洗浄ユニット12,13,14,15
に適宜搬入され,ウェハWに付着しているパーティクル
などの汚染物質が洗浄,除去される。こうして所定の洗
浄処理が終了したウェハWは,再び主ウェハ搬送装置1
8によって各基板洗浄ユニット12,13,14,15
から適宜搬出され,取出収納アーム11に受け渡され
て,再びキャリアCに収納される。
【0044】ここで,代表して基板洗浄ユニット12で
の洗浄について説明する。図4に示すように,先ず基板
洗浄ユニット12のユニットチャンバー用メカシャッタ
ー51が開き,また,アウターチャンバー46のアウタ
ーチャンバー用メカシャッター53が開く。そして,ウ
ェハWを保持した搬送アーム34を開口50,52から
アウターチャンバー46内に進入させる。インナーカッ
プ70は下降してチャック本体75を上方に相対的に突
出させる。トッププレート72は予め上昇して退避位置
に位置している。アンダープレート77は予め下降して
退避位置に位置している。また,薬液アーム格納部用シ
ャッター55とリンス乾燥アーム格納部用シャッター5
7は閉じている。
【0045】主ウェハ搬送装置18は,搬送アーム34
を移動させてスピンチャック71の支持ピンの上にウェ
ハWを載置し,スピンチャック71は,半導体デバイス
が形成されるウェハW表面を上面にしてウェハWを支持
する。ウェハWをスピンチャック71に受け渡した後,
搬送アーム34はアウターチャンバー46及びユニット
チャンバー用メカシャッター51の内部から退出し,退
出後,ユニットチャンバー用メカシャッター51とアウ
ターチャンバー用メカシャッター53が閉じられる。ま
た,インナーカップ70は上昇し,チャック本体75及
びウェハWを囲んだ状態となる。
【0046】次いでアンダープレート77は,チャック
本体75内の処理位置に上昇する。図4に示すように,
処理位置に移動したアンダープレート77とスピンチャ
ック71により支持されたウェハW下面(ウェハW裏
面)の間には,例えば0.5〜3mm程度の隙間が形成
される。一方,下面供給路75により薬液をアンダープ
レート77とウェハW下面の間に供給し,狭い隙間にお
いて薬液をウェハW下面の全体に押し広げ,ウェハW下
面全体に均一に接触する薬液の液膜を形成する。隙間全
体に薬液の液膜を形成すると,薬液の供給を停止してウ
ェハW下面を洗浄処理する。
【0047】このようにウェハWの下面に薬液を供給す
る一方で,薬液アーム格納部用シャッター55が開き,
薬液供給系アーム60がウェハWの上方に回動する。薬
液供給系アーム60は,スピンチャック71で保持され
たウェハWの少なくとも中心から周縁部までをスキャン
し,薬液を供給する。また,ウェハWをスピンチャック
71により回転させ,ウェハW上面に薬液を液盛りして
薬液の液膜を均一に形成する。
【0048】ウェハW上面にも薬液の液膜が形成される
と,薬液供給系アーム60は薬液アーム格納部47内に
移動し,薬液アーム格納部用シャッター55が閉じる。
トッププレート72は処理位置まで下降し,ウェハW上
面に形成された薬液の液膜の間に隙間が形成される。こ
のようにウェハWの上方をトッププレート72によって
覆うことにより,薬液の液膜から薬液が蒸発することを
防ぐようになっている。また,トッププレート72と薬
液の液膜を接触させてもよい。この場合,トッププレー
ト72とウェハW上面との間に薬液の液膜を確実に形成
することができる。
【0049】図6は,ウェハWの各処理に要する時間と
各処理におけるスピンチャック71の回転数との関係の
概要を表すグラフであり,縦軸はスピンチャック71の
回転速度を,横軸は時間を示している。図6に示すよう
に,薬液処理中は,スピンチャック71は,薬液の液膜
の形状が崩れない程度の比較的低速の回転速度(例えば
10〜30rpm程度)にて例えば2〜5分間,ウェハ
Wを回転させる。ウェハWの回転により薬液の液膜内に
液流が発生し,この液流により,薬液の液膜内の淀みを
防止すると共に洗浄効率が向上する。
【0050】サーボドライバコンピュータ95は,スピ
ンチャック71の回転速度の目標値を表す指示を,入出
力部107へ入力する。一方,薬液処理中に適宜,装置
コントローラコンピュータ96よりサーボドライバコン
ピュータ95及び入出力部107を介してサーボ系のゲ
イン余裕を小さくするゲイン変更指令を与えてサーボ系
の安定度を低下させる。又は,ゲイン余裕を無くすゲイ
ン変更指令を与えてサーボ系を不安定にする。すると,
スピンチャック71及びウェハWの回転速度に遅速が生
じる。これにより,ウェハW下面においては,アンダー
プレート77に対するウェハW下面の相対的な回転速度
に遅速が与えられ,ウェハW下面とアンダープレート7
7との間の隙間に供給された薬液の液膜中に液流が発生
すると共に微小振動が生じる。一方,ウェハW上面にお
いては,ウェハW上面の回転速度に遅速が生じることに
より,ウェハW上面に形成された薬液の液膜は慣性力を
受け,液膜中に液流が発生すると共に微小振動が生じ
る。このように,供給された薬液がウェハWの処理面上
で微小振動することにより,薬液の化学反応が促進され
る。従って,ウェハWの処理効率の向上を図ることがで
きる。スピンチャック71が安定した回転速度で回転す
る安定状態に戻すときは,サーボ系のゲイン余裕を大き
な値にするゲイン変更指令を与えて,サーボ系の安定度
を向上させる。
【0051】また,ウェハWの回転を間欠的に行っても
良い。例えば所定時間,所定の回転速度でウェハWを回
転させた後,スピンチャック71の回転稼働を所定時間
停止させてウェハWを静止させ,その後に再びウェハW
を回転させる。このようにウェハWの回転と回転停止を
繰り返すと,薬液をウェハW下面全体に容易に拡散させ
ることができる。この場合も,適宜,サーボ系のゲイン
余裕を小さくするゲイン変更指令を与えてサーボ系の安
定度を低下させ,又はゲイン余裕を無くすゲイン変更指
令を与えてサーボ系を不安定にし,スピンチャック71
及びウェハWの回転速度に遅速を与えて薬液を微小振動
させる。もちろん,ウェハWを全く回転させずに静止し
た状態に保って洗浄処理を施すことも可能である。
【0052】薬液の液膜の形状が崩れそうになった場合
等には,下面供給路75及び上面供給路125から新液
を供給して薬液の液膜の形状を適宜修復する。ウェハW
の薬液処理は既に供給された薬液により行い,液膜形成
後は新液の供給を控えて薬液の消費量を節約する。な
お,ウェハWの回転により薬液の液膜の液滴をアンダー
プレート77の周縁から滴り落とす一方で,下面供給路
75及び上面供給路125から薬液を継続的に供給する
ことにより,薬液の液膜内を常に真新しい薬液に置換し
て好適な薬液処理を実施することも可能である。この場
合も,新液をなるべく静かに供給して薬液の省液化を図
ると良い。また,適宜,サーボ系のゲイン余裕を小さく
するゲイン変更する指令を与えてサーボ系の安定度を低
下させ,又はゲイン余裕を無くすゲイン変更指令を与え
てサーボ系を不安定にし,スピンチャック71及びウェ
ハWの回転速度に遅速を与えて,常に新しい薬液に微小
振動させる。
【0053】薬液処理中は,アウターチャンバー46上
部に備えられたN2供給手段126より,トッププレー
ト72の上部にN2を供給し,ダウンフローを形成す
る。トッププレート72上面とアウターチャンバー46
の間の空間をN2によって満たされるので,薬液の液膜
から蒸発してトッププレート72の周囲から上昇する薬
液雰囲気が,トッププレート72の上部の空間に回り込
まない。従って,薬液処理後,アウターチャンバー46
内の上部に薬液が残留することを防ぐことができる。ま
た,ウェハWの表面にウォーターマークができにくい効
果がある。
【0054】ウェハWの薬液処理が終了すると,トップ
プレート72は回転しながら上昇する。即ち,回転させ
ることによりトッププレート72に付着した薬液を振り
落とす。液滴はインナーカップ排出管へ排液される。ま
た,スピンチャック71を例えば2000rpmにて5
秒間回転させる。そして,ウェハWに液盛りされた薬液
が振り落とされて,インナーカップ排出管へ排液され
る。薬液の液滴はインナーカップ排出管によって排液さ
れた後,図示しない薬液循環手段によって回収,再利用
される。これにより,省薬液が達成される。さらに,薬
液を振り落とす際にサーボ系のゲイン余裕を変化させ,
スピンチャック71及びウェハWの回転速度に遅速を与
えても良い。これにより,ウェハWから薬液が効果的に
振り落とされ,処理効率の向上を図ることができる。
【0055】回転によるウェハWの薬液振り落とし時,
または,その後において,さらに薬液供給系アーム60
からウェハWに対してN2ガスを供給しても良い。つま
り,薬液アーム格納部用シャッター55を開き,薬液供
給系アーム60をウェハWの上方に回動させ,ウェハW
の少なくとも中心から周縁までをスキャンさせながら,
薬液供給系アーム60から例えば10秒間,N2ガスを
供給する。このようなN2ガスの供給によって,薬液の
液滴をウェハWの外周に排出し,ウェハWの表面から薬
液の液滴を取り除くことができる。薬液の液滴はインナ
ーカップ排出管によって排液された後,図示しない薬液
循環手段によって回収,再利用される。これにより,省
薬液が達成される。薬液除去終了後は,薬液供給系アー
ム60を薬液アーム格納部47内に移動させ,薬液アー
ム格納部用シャッター55を閉じる。
【0056】次に,リンス乾燥アーム格納部用シャッタ
ー57が開き,リンス乾燥アーム63がウェハWの上方
に回動する。薬液アーム格納部用シャッター55は閉じ
たまま薬液アーム格納部47の密閉状態を保ち,薬液供
給系アーム60の薬液供給ノズル61から発生する薬液
雰囲気がウェハWとリンス乾燥アーム63を汚染するこ
とを防止する。リンス乾燥アーム63は,例えば100
0rpmの回転速度にて回転しているウェハWの少なく
とも中心から周縁までをスキャンしながら,例えば1分
間,ウェハWの上面にIPAを1liter/minで
供給する。さらに,IPA供給中にサーボ系のゲイン余
裕を変化させ,スピンチャック71及びウェハWの回転
速度に遅速を与えても良い。これにより,IPAの処理
性能が向上し,ウェハの処理効率の向上を図ることがで
きる。なお,以上のようなIPAを使用した処理は,薬
液処理に使用した薬液の性質によっては省略しても良
い。
【0057】次いでリンス乾燥アーム63はウェハWの
上面をスキャンしながら,例えば2分間,1liter
/minの純水を供給する。また,ウェハWを薬液処理
するときよりも高速(例えば500〜1000rpm程
度)に回転させる。高速回転しているウェハWに純水を
供給することにより,供給した純水をウェハW上面全体
に均一に拡散させることができる。こうしてウェハWを
純水によってリンス処理し,ウェハWから薬液を洗い流
す。さらに,純水供給中にサーボ系のゲイン余裕を変化
させ,スピンチャック71及びウェハWの回転速度に遅
速を与えることにより,ウェハWに供給した純水に微小
振動を与える。これにより,純水の洗浄性能が向上し,
ウェハの処理効率の向上を図ることができる。処理に供
された純水はアウターチャンバー排出管によって排液さ
れる。なお,以上のような純水を使用したリンス処理
は,薬液の性質によっては省略しても良い。
【0058】リンス処理後,ウェハWをリンス処理する
ときよりも高速(例えば1500rpm程度)に回転さ
せてウェハWをスピン乾燥させる。また,必要に応じ
て,リンス乾燥アーム63によりウェハW上面にN2ガ
スを供給しても良い。N2ガス供給後は,リンス乾燥ア
ーム63をリンス乾燥アーム格納部48内に移動させ,
リンス乾燥アーム格納部用シャッター57を閉じる。さ
らに,スピン乾燥中にサーボ系のゲイン余裕を変化さ
せ,スピンチャック71及びウェハWの回転速度に遅速
を与えても良い。これにより,ウェハWから純水を効果
的に振り切り,処理効率の向上を図ることができる。
【0059】その後,基板洗浄ユニット12内からウェ
ハWを搬出する。ユニットチャンバー用メカシャッター
51とアウターチャンバー用メカシャッター53が開
き,ウェハ搬送装置18が例えば搬送アーム34を装置
内に進入させてウェハW下面を支持する。次いで,搬送
アーム34がスピンチャック71の支持ピンからウェハ
Wを離して受け取り,装置内から退出する。
【0060】かかる基板洗浄ユニット12によれば,処
理中に,ウェハWの回転速度に遅速が生じる状態と,ウ
ェハWの回転速度に遅速が生じず安定した回転速度で回
転する状態とを適宜切り替えることが可能である。つま
り,装置コントローラコンピュータ96からゲイン変更
指令を与えて,サーボ系のゲイン余裕を小さくすること
によりサーボ系の安定度を低下させ,又はゲイン余裕を
無くしてサーボ系を不安定にすることにより,スピンチ
ャック71及びスピンチャック71により保持されたウ
ェハWの回転速度に遅速を与えることができる。これに
より,薬液処理においては薬液がウェハWの処理面にお
いて微小振動し,薬液の化学反応を促進させる。薬液振
り落とし,スピン乾燥処理においては,ウェハWから処
理液が効果的に振り落とされる。IPA処理において
は,IPAの処理性能が向上する。純水を供給する際に
は,純水がウェハWの処理面において微小振動し,純水
の洗浄性能が向上する。従って,超音波振動子等の振動
発生機器を追加して設置することなく,薬液,純水等の
処理液に微小振動を与え,ウェハの処理効率の向上を図
ることができる。
【0061】以上,本発明の好適な実施の形態の一例を
示したが,本発明はここで説明した形態に限定されな
い。例えば,基板洗浄ユニット12にスクラバを備え,
ウェハWをスクラブ洗浄するようにしても良い。
【0062】ウェハWを回転させずに処理を施す場合
も,ウェハWに回転方向の振動を与えることにより,ウ
ェハWに供給した処理液に振動を与えて処理するように
しても良い。例えば,スピンチャック71の回転を0r
pmに近い低速に行う回転速度の指示を,装置コントロ
ーラコンピュータ96よりサーボドライバコンピュータ
95へ入力する。一方,装置コントローラコンピュータ
96よりサーボドライバコンピュータ95に対してサー
ボ系のゲイン余裕を変化させるゲイン変更指令を与え,
サーボ系の安定度を低下させる。又はゲイン余裕を無く
すゲイン変更指令を与えてサーボ系を不安定にする。こ
れにより,スピンチャック71及びウェハWの回転速度
に遅速を生じさせ,ウェハWに回転方向の振動を与える
ようにする。
【0063】なお,ウェハWを静止させて保持し,アン
ダープレート77をウェハW下面に対して相対的に回転
速度に遅速を与えて回転させても良い。即ち,アンダー
プレート77の回転を司るサーボ機構を備え,そのサー
ボ機構の制御系のゲイン余裕を小さくすることにより制
御系の安定度を低下させる。又はゲイン余裕を無くす指
令を与えて制御系を不安定にする。この場合も,ウェハ
W下面とアンダープレート77との間の隙間全体に形成
された薬液の液膜に微小振動を与えることが可能であ
る。また,トッププレート72と薬液の液膜を接触させ
た場合,トッププレート72をウェハW上面に対して相
対的に回転速度に遅速を与えて回転させても良い。即
ち,トッププレート72の回転を司るサーボ機構を備
え,そのサーボ機構の制御系のゲイン余裕を小さくする
ことにより制御系の安定度を低下させる。又はゲイン余
裕を無くす指令を与えて制御系を不安定にする。この場
合,ウェハW上面とトッププレート72との間の隙間全
体に形成された薬液の液膜に微小振動を与えることが可
能である。
【0064】本発明は処理液を供給して洗浄処理を施す
基板処理装置に限定されず,その他の種々の処理液など
を用いて他の処理を基板に対して施すものであっても良
い。また,基板は半導体ウェハに限らず,その他のLC
D基板用ガラスやCD基板,プリント基板,セラミック
基板などであっても良い。
【0065】
【発明の効果】本発明の基板処理装置及び基板処理方法
によれば,サーボ機構の制御系のゲイン余裕を小さくす
ることにより制御系の安定度を低下させ,又はゲイン余
裕を無くす指令を与えて制御系を不安定にして,スピン
チャック及び基板の回転速度に遅速を与えることができ
る。これにより,超音波振動子等の振動発生機器を追加
して設置することなく,処理液に微小振動を与え,基板
の処理効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】洗浄処理システムの平面図である。
【図2】洗浄処理システムの側面図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかる基板洗浄ユニット
の平面図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかる基板洗浄ユニット
の断面図である。
【図5】サーボ機構の制御系を示すブロック図である。
【図6】ウェハの各処理に要する時間と各処理における
スピンチャックの回転速度との関係の概要を説明するグ
ラフである。
【符号の説明】
C キャリア W ウェハ 1 洗浄処理システム 2 洗浄処理部 3 搬入出部 12,13,14,15 基板洗浄ユニット 34,35,36 搬送アーム 45 ユニットチャンバー 46 アウターチャンバー 47 薬液アーム格納部 48 リンス乾燥アーム格納部 60 薬液供給系アーム 63 リンス乾燥アーム 70 インナーカップ 71 スピンチャック 72 トッププレート 76 回転筒体 75 チャック本体 77 アンダープレート 80 保持部材 84 ベルト 85 サーボモータ 86 モータ軸 90 サーボ機構 92 ロータリエンコーダ 93 ドライバ 95 サーボドライバコンピュータ 96 装置コントローラコンピュータ 101 ディジタル・アナログ(D/A)変換器 102 加算器 103 サーボアンプ 104 駆動回路 106 周波数・電圧(F/V)変換器 107 入出力部 110 アンダープレートシャフト

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に処理液を供給し,基板を回転させ
    て処理する基板処理装置であって,基板を保持するスピ
    ンチャックと,前記スピンチャックの回転を司るサーボ
    機構を備え,前記サーボ機構の制御系の安定度を低下さ
    せ,又は制御系を不安定にすることにより,基板に供給
    した処理液に振動を与えて処理することを特徴とする,
    基板処理装置。
  2. 【請求項2】 前記制御系のゲイン余裕を変化させる機
    能を備え,前記ゲイン余裕を安定状態でなくなる値に変
    更することにより,前記制御系の安定度を低下させ又は
    制御系を不安定にすることを特徴とする,請求項1に記
    載の基板処理装置。
  3. 【請求項3】 前記サーボ機構はサーボモータとエンコ
    ーダを備えることを特徴とする,請求項1又は2に記載
    の基板処理装置。
  4. 【請求項4】 基板に処理液を供給し,基板を回転させ
    て処理する基板処理方法であって,前記基板の回転速度
    に遅速を与えることにより,基板に供給した処理液に振
    動を与えて処理することを特徴とする,基板処理方法。
  5. 【請求項5】 基板に処理液を供給して処理する基板処
    理方法であって,前記基板に回転方向の振動を与えるこ
    とにより,基板に供給した処理液に振動を与えて処理す
    ることを特徴とする,基板処理方法。
  6. 【請求項6】 基板を保持するスピンチャックの回転を
    司るサーボ機構の制御系の安定度を低下させ,又は制御
    系を不安定にすることにより,基板に供給した処理液に
    振動を与えることを特徴とする,請求項4又は5に記載
    の基板処理方法。
  7. 【請求項7】 前記制御系のゲイン余裕を変化させるこ
    とにより,前記制御系の安定度を低下させ,又は制御系
    を不安定にすることを特徴とする,請求項6に記載の基
    板処理方法。
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