以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、本発明の実施形態において、X軸、Y軸、およびZ軸は互いに直交し、X軸およびY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。
[実施形態1]
図1および図2を参照して、本発明の実施形態1に係る基板処理システム100を説明する。基板処理システム100は基板Wを処理する。基板Wは、例えば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display:FED)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、または、太陽電池用基板である。基板Wは、例えば、略円板状である。
まず、図1を参照して基板処理システム100を説明する。図1は、基板処理システム100を示す模式的平面図である。図1に示すように、基板処理システム100は、インデクサーユニットU1と、処理ユニットU2とを有する。インデクサーユニットU1は、複数の基板収容器Cと、インデクサーロボットIRとを含む。処理ユニットU2は、複数の基板処理装置1と、成分液キャビネット100Aと、搬送ロボットCRと、受渡部PSとを含む。成分液キャビネット100Aは、処理液を収容する。複数の基板処理装置1の各々は、処理液供給部9を備える。成分液キャビネット100A内の処理液は、いずれかの処理液供給部9によって、対応する基板処理装置1に供給される。処理液供給部9の詳細については、図2を参照して後述する。
基板収容器Cの各々は、複数枚の基板Wを積層して収容する。インデクサーロボットIRは、複数の基板収容器Cのうちのいずれかの基板収容器Cから未処理の基板Wを取り出して、基板Wを受渡部PSに渡す。そして、受渡部PSには、基板収容器Cから取り出された基板Wが載置される。搬送ロボットCRは、受渡部PSから未処理の基板Wを受け取って、複数の基板処理装置1のうちのいずれかの基板処理装置1に基板Wを搬入する。
そして、基板処理装置1は、未処理の基板Wを処理する。基板処理装置1は、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉型である。実施形態1では、基板処理装置1は、処理液によって基板Wを処理する。具体的には例えば、基板処理装置1は、エッチング液によって基板Wをエッチング処理する。
基板処理装置1による処理後に、搬送ロボットCRは、処理済みの基板Wを基板処理装置1から取り出して、基板Wを受渡部PSに渡す。そして、受渡部PSには、基板処理装置1で処理された処理済みの基板Wが載置される。インデクサーロボットIRは、受渡部PSから処理済みの基板Wを受け取り、この後、複数の基板収容器Cのうちのいずれかの基板収容器Cに基板Wを収容する。
次に、図2を参照して基板処理装置1を説明する。図2は、基板処理装置1を示す模式的断面である。図2に示すように、基板処理装置1は、チャンバー3と、基板保持部5と、基板回転部7と、処理液供給部9と、複数のカップ部11と、複数のカップ移動機構15と、排出ポート17と、遮蔽部19と、遮蔽部動作機構21とを有する。
チャンバー3は略箱形状を有する。チャンバー3は天板部3aを有する。チャンバー3は、基板保持部5、基板回転部7、処理液供給部9、複数のカップ部11、遮蔽部19、および遮蔽部動作機構21を収容する。
基板保持部5は、基板Wを水平に保持する。具体的には、基板保持部5は、スピンベース51と、複数のチャック部材53とを有する。複数のチャック部材53はスピンベース51に設けられる。複数のチャック部材53は基板Wを水平な姿勢で保持する。スピンベース51は、略円板状であり、水平な姿勢で複数のチャック部材53を支持する。
基板回転部7は、中心軸AXを中心として基板Wと基板保持部5とを一体に回転させる。中心軸AXはZ軸方向に沿って延びる。換言すれば、中心軸AXは鉛直方向に沿って延びる。中心軸AXは基板Wの上下方向に延びる。具体的には、基板回転部7は、モーター71と、シャフト73とを有する。シャフト73はスピンベース51に結合される。モーター71は、シャフト73を介して中心軸AXを中心としてスピンベース51を回転させる。その結果、複数のチャック部材53に保持された基板Wが中心軸AXを中心として回転する。
処理液供給部9は、基板Wに処理液を供給する。処理液は、例えば、DHF(希フッ化水素酸)、ポリマー除去液またはエッチング液である。エッチング液は、例えば、基板Wとの間で発熱反応を発生する液体である。エッチング液は、例えば、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)またはフッ硝酸を含む。本実施形態では、処理液供給部9は、基板Wにエッチング液を供給する。具体的には、処理液供給部9は、処理液ノズル91と、処理液供給機構93とを有する。処理液供給機構93は、処理液ノズル91に接続され、処理液ノズル91に処理液を供給する。処理液供給機構93は、バルブV1、流量調整バルブV2、ポンプPa、タンク94および配管P1を有する。処理液ノズル91には処理液が流通する。そして、処理液ノズル91は、基板Wの回転中に、基板Wの上面Waに向けて処理液を吐出する。なお、処理液供給部9は、「エッチング液供給部」の一例に相当する。
配管P1は処理液ノズル91に接続される。配管P1は処理液ノズル91に処理液を供給する。
処理液ノズル91に対する処理液の供給開始および供給停止は、バルブV1によって切り替えられる。具体的には、バルブV1は、開閉バルブであり、開状態と閉状態とに切り替え可能である。開状態とは、処理液ノズル91に向かって配管P1内を流れる処理液を通過させる状態のことである。閉状態とは、配管P1から処理液ノズル91への処理液の供給を停止する状態のことである。
流量調整バルブV2は、処理液ノズル91に供給される処理液の流量を調整する。バルブV1が開状態になると、処理液が、流量調整バルブV2の開度に対応する流量で配管P1から処理液ノズル91に供給される。その結果、処理液ノズル91から処理液が吐出される。開度は、流量調整バルブV2が開いている程度を示す。
タンク94は、処理液を収容する。ポンプPaは、タンク94内の処理液を配管P1に送る。
複数のカップ部11の各々は、基板Wから飛散した処理液を受ける。複数のカップ部11は、基板保持部5の周囲に配置され、中心軸AXに対して回転対称となる形状を有している。例えば、複数のカップ部11の各々は略円筒形状を有する。
複数のカップ部11の各々は、受液位置と退避位置との間で上昇または下降する。受液位置は、カップ部11が基板Wと径方向RDに対向する位置を示す。カップ部11は、受液位置に位置するときに、基板Wから飛散した処理液を受ける。径方向RDは中心軸AXに対する径方向を示し、中心軸AXに直交する。一方、退避位置は、受液位置よりも下方の位置を示す。
具体的には、基板Wを処理液で処理するときには、少なくとも1つのカップ部11が受液位置に位置する。そして、基板Wが基板保持部5と一体に回転され、処理液ノズル91から基板Wの上面Waに処理液が供給される。処理液は基板Wの回転による遠心力によって基板Wの上面Waに沿って流れ、基板Wの端縁部から径方向RD外方に向けて飛散される。カップ部11は、基板Wの端縁部から飛散した処理液を受ける。そして、処理液は、カップ部11の内壁面110を伝って流下し、排出ポート17から排出される。
複数のカップ移動機構15は、それぞれ、複数のカップ部11に対応して配置される。カップ移動機構15は、受液位置と退避位置との間で、対応するカップ部11を上昇または下降させる。カップ移動機構15は、例えば、電動モーターおよびボールねじを含む。
遮蔽部19は、基板Wの上面Waに対して軸方向ADに対向する。そして、遮蔽部19は、基板Wの上面Wa全体を覆って、基板Wの上方を遮蔽する。軸方向ADは中心軸AXに平行な方向を示す。軸方向ADはZ軸方向に沿って延びる。換言すれば、軸方向ADは鉛直方向に沿って延びる。なお、遮蔽部19は、「蓋部」の一例に相当する。
遮蔽部19は、遮蔽板19aと、軸部19bと、遮蔽板19aの略中央部に形成された穴部Sbとを有する。遮蔽板19aは、中心軸AXを中心として、径方向RD外方に拡がっている。遮蔽板19aは略円板状である。遮蔽板19aは、基板Wの上面Waに対して軸方向ADに対向する。そして、遮蔽板19aは、基板Wの上面Wa全体を覆って、基板Wの上方を遮蔽する。軸部19bは遮蔽板19aに固定される。軸部19bは、中心軸AXを中心として遮蔽板19aと共に回転する。軸部19bは、例えば、略円筒状である。穴部Sbは、軸部19bおよび遮蔽板19aを貫通して中心軸AXに沿って延びる。処理液ノズル91は穴部Sbに配置されている。遮蔽板19aは、穴部Sbの中心が中心軸AXに略一致するように配置される。
遮蔽部動作機構21は、保持部61と、昇降機構62とを有する。保持部61は、略水平に延びる棒状のアームである。保持部61の一方の端部は遮蔽板19aに接続され、他方の端部は昇降機構62に接続される。なお、遮蔽部動作機構21は、「移動部」の一例に相当する。
遮蔽部動作機構21は、軸方向ADに沿って遮蔽部19を鉛直方向に上昇または下降させる。具体的には、遮蔽部動作機構21は、近接位置と退避位置との間で、遮蔽部19を鉛直方向に上昇または下降させる。近接位置は、遮蔽部19が下降して基板Wの上面Waに所定間隔をあけて近接する位置を示す。図2では、遮蔽部19は近接位置に位置する。退避位置は、近接位置よりも上方であって、遮蔽部19が上昇して基板Wから離間している位置を示す。基板Wを処理液で処理するときには、遮蔽部動作機構21は、遮蔽部19を近接位置に移動する。
具体的には、遮蔽部動作機構21は、保持部61と、昇降機構62とを有する。昇降機構62は、遮蔽部19を保持部61と共に、上昇または下降させる。昇降機構62は、例えば、電動モーターおよびボールねじを含む。遮蔽部動作機構21は、例えば、電動モーターおよびボールねじを含む。
なお、遮蔽部19の遮蔽板19aは回転してもよい。遮蔽板19aが回転する場合、遮蔽部動作機構21は、遮蔽部回転機構を有する。遮蔽部回転機構は、中心軸AXを中心として遮蔽部19を回転させる。具体的には、遮蔽部回転機構は、遮蔽部19を基板保持部5と同期回転させる。同期回転は、基板保持部5と同じ方向に同じ回転速度で回転することを示す。遮蔽部回転機構は、例えば、電動モーターを含む。
基板処理装置1は、ガス供給機構22と、ファンフィルタユニット24とをさらに有していてもよい。チャンバー3はガス供給機構22を収容する。
ガス供給機構22は気体を穴部Sbに供給する。気体は、例えば、酸素を含まない気体である。また、気体は、例えば、窒素等の不活性ガスである。ガス供給機構22は、バルブV3、流量調整バルブV4、ポンプPb、タンク22aおよび配管P2を含む。なお、ガス供給機構22は、「気体供給部」の一例に相当する。
配管P2は穴部Sbに接続される。配管P2は穴部Sbに気体を供給する。
穴部Sbに対する気体の供給開始および供給停止は、バルブV3によって切り替えられる。具体的には、バルブV3は、開閉バルブであり、開状態と閉状態とに切り替え可能である。開状態とは、穴部Sbに向かって配管P2内を流れる気体を通過させる状態のことである。閉状態とは、配管P2から穴部Sbへの気体の供給を停止する状態のことである。
流量調整バルブV4は、穴部Sbに供給される気体の流量を調整する。バルブV3が開状態になると、気体が、流量調整バルブV4の開度に対応する流量で配管P2から穴部Sbに供給される。その結果、穴部Sbから気体が吐出される。開度は、流量調整バルブV4が開いている程度を示す。
タンク22aは、気体を収容する。ポンプPbは、タンク22a内の気体を配管P2に送る。
ファンフィルタユニット24は、気体をチャンバー3の内部に供給する。具体的には、ファンフィルタユニット24は、基板処理装置1の天板部3aに配置される。そして、ファンフィルタユニット24は、遮蔽板19aの上方から基板保持部5に向かうダウンフローを発生させる。さらに具体的には、ファンフィルタユニット24はファンおよびフィルタを有する。そして、ファンフィルタユニット24は、ファンによって基板処理装置1の外部空気を取り込み、フィルタを介してチャンバー3の内部に外部空気を供給する。外部空気はクリーンエアーである。なお、基板処理装置1はクリーンルームに設置されている。
次に、図1~図3を参照して、制御部101について説明する。図3は、本発明の実施形態1に係る基板処理装置1のブロック図である。図3に示すように、基板処理装置1は、制御部101をさらに備える。制御部101は、基板処理装置1の各種動作を制御する。制御部101は、インデクサーロボットIR、搬送ロボットCR、処理液供給部9、ガス供給機構22と、基板回転部7と、遮蔽部動作機構21と、カップ移動機構15とを制御する。具体的には、制御部101は、インデクサーロボットIR、搬送ロボットCR、処理液供給部9、ガス供給機構22と、基板回転部7と、遮蔽部動作機構21と、カップ移動機構15とに制御信号を送信することによって、インデクサーロボットIR、搬送ロボットCR、処理液供給部9、ガス供給機構22と、基板回転部7と、遮蔽部動作機構21と、カップ移動機構15とを制御する。制御部101は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ101aと、記憶装置101bとを含む。記憶装置101bは、データおよびコンピュータープログラムを記憶する。データは、レシピデータを含む。レシピデータは、複数のレシピを示す情報を含む。複数のレシピの各々は、基板Wの処理内容および処理手順を規定する。記憶装置101bは、半導体メモリーのような主記憶装置と、半導体メモリーおよび/またはハードディスクドライブのような補助記憶装置とを含む。記憶装置101bは、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。
具体的には、プロセッサ101aは、インデクサーロボットIRを制御して、インデクサーロボットIRが受渡部PSから処理済みの基板Wを受け取って、複数の基板収容器Cのうちのいずれかの基板収容器Cに基板Wを収容させることができる(図1参照)。
プロセッサ101aは、搬送ロボットCRを制御して、搬送ロボットCRが受渡部PSから未処理の基板Wを受け取って、複数の基板処理装置1のうちのいずれかの基板処理装置1に基板Wを搬入させることができる。
プロセッサ101aは、処理液供給部9のバルブV1を制御して、バルブV1の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、プロセッサ101aは、処理液供給部9のバルブV1を制御して、バルブV1を開状態にさせることによって、処理液ノズル91に向かって配管P1内を流れる処理液を通過させることができる。また、プロセッサ101aは、処理液供給部9のバルブV1を制御して、バルブV1を閉状態にさせることによって、処理液ノズル91に向かって配管P1内を流れる処理液の供給を停止させることができる。
プロセッサ101aは、ポンプPaを制御して、タンク94内の処理液を配管P1に送ることができる。
プロセッサ101aは、処理液供給部9の流量調整バルブV2を制御して、処理液ノズル91に供給される処理液の流量を調整することができる。具体的には、プロセッサ101aは、処理液供給部9の流量調整バルブV2の開度を調整することによって、処理液ノズル91に供給される処理液の流量を調整することができる。
プロセッサ101aは、ガス供給機構22のバルブV3を制御して、バルブV3の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、プロセッサ101aは、ガス供給機構22のバルブV3を制御して、バルブV3を開状態にさせることによって、処理液ノズル91に向かって配管P2内を流れる気体を通過させることができる。また、プロセッサ101aは、ガス供給機構22のバルブV3を制御して、バルブV3を閉状態にさせることによって、処理液ノズル91に向かって配管P2内を流れる気体の供給を停止させることができる。
プロセッサ101aは、ガス供給機構22の流量調整バルブV4を制御して、処理液ノズル91に供給される気体の流量を調整することができる。具体的には、プロセッサ101aは、ガス供給機構22の流量調整バルブV4の開度を調整することによって、処理液ノズル91に供給される気体の流量を調整することができる。
プロセッサ101aは、ポンプPbを制御して、タンク22a内の気体を配管P2に送ることができる。
プロセッサ101aは、基板回転部7を制御して、基板回転部7の回転数を変更することができる。具体的には、プロセッサ101aは、基板回転部7のモーター71の回転数を変更することによって、基板回転部7の回転数を変更することができる。
プロセッサ101aは、遮蔽部動作機構21を制御して、遮蔽部19の位置を変更することができる。具体的には、プロセッサ101aは、遮蔽部動作機構21を制御して、遮蔽部19を鉛直方向に上昇させることによって、遮蔽部19の位置を退避位置に変更することができる。一方、プロセッサ101aは、遮蔽部動作機構21を制御して、遮蔽部19を鉛直方向に下降させることによって、遮蔽部19の位置を近接位置に変更することができる。
プロセッサ101aは、カップ移動機構15を制御して、カップ部11の位置を変更することができる。具体的には、プロセッサ101aは、カップ移動機構15を制御して、カップ部11を鉛直方向に上昇させることによって、カップ部11の位置を受液位置に変更することができる。一方、プロセッサ101aは、カップ移動機構15を制御して、カップ部11を鉛直方向に下降させることによって、カップ部11の位置を退避位置に変更することができる。
次に、図2~図6を参照して、実施形態1に係る基板処理方法を説明する。図4および図5は、実施形態1に係る基板処理方法を示すフローチャートである。図6は、基板Wと液膜Lとの模式図である。図4および図5に示すように、基板処理方法は、ステップS101~ステップS128を含む。図4および図5に示すステップS101~ステップS128の処理が実行されることによって、基板Wの処理が行われる。
ステップS101:基板処理装置1に基板Wが搬入される。具体的には、基板Wが、インデクサーロボットIR、搬送ロボットCR(図1)によって基板収容器Cから基板処理装置1に搬入される。ステップS101終了の後、処理は、ステップS102に進む。
ステップS102:基板処理装置1は、基板Wを基板保持部5によって水平に保持する。具体的には、制御部101は、基板Wを水平に保持するように基板保持部5を制御する。ステップS102は、「基板保持工程」の一例に相当する。ステップS102終了の後、処理は、ステップS103に進む。
ステップS103:基板Wの回転を開始する。具体的には、制御部101は、基板Wの回転を開始するように、基板回転部7を制御する。より具体的には、制御部101が、基板回転部7のモーター71を回転させることによって、基板Wの回転を開始する。基板Wの回転数は、例えば、800rpmである。ステップS103終了の後、処理は、ステップS104に進む。
ステップS104:DHF供給工程が行われる。処理液供給部9は、基板Wの上面Waに向けて基板WにDHF(希フッ化水素酸)を吐出する。基板Wの上面WaにDHFが供給されると、基板Wの上面Waに形成されている自然酸化膜が除去される。ステップS104終了の後、処理は、ステップS106に進む。
ステップS106:リンス液供給工程が行われる。処理液供給部9は、基板Wの上面Waに向けて基板Wにリンス液を供給する。リンス液は、例えば、炭酸水である。基板Wの上面Waにリンス液が供給されることによって、基板Wが洗浄される。また、リンス液が炭酸水である場合、リンス液が供給されることによって、基板Wの除電が行われる。ステップS106終了の後、処理は、ステップS108に進む。
ステップS108:遮蔽部19によって基板Wの上方を閉塞し、処理空間Saを形成する。具体的には、遮蔽板19aが退避位置から近接位置へと下方に移動する。その結果、図2に示すように、処理空間Saが形成される。処理空間Saは、基板Wを処理するための空間である。ステップS108は、「空間形成工程」の一例に相当する。空間形成工程は、後述する液膜形成工程(ステップS112)よりも前に行われる。ステップS108終了の後、処理は、ステップS110に進む。
ステップS110:ガス供給機構22が、処理空間Saに酸素を含まない気体を供給する。具体的には、ガス供給機構22が、処理空間Saに不活性ガスを供給する。不活性ガスは、例えば、窒素である。処理空間Saに酸素を含まない気体が供給されることによって、酸素濃度を処理空間の外部に比べて低くすることができる。これにより、処理空間Saを低酸素の空間とすることができる。ステップS110は、「気体供給工程」の一例に相当する。ステップS110終了の後、処理は、図5に示すステップS112に進む。
ステップS112:液膜形成工程が行われる。基板Wの上面Waにエッチング液を供給して基板Wの上面Waを覆うエッチング液の液膜を形成する。具体的には、制御部101は、基板Wの上面Waにエッチング液を供給して基板Wの上面Waを覆うエッチング液の液膜を形成するように処理液供給部9を制御する。具体的には、制御部101は、処理液供給部9の流量調整バルブV2の開度を調整し、基板Wの上面Waにエッチング液の流量を増やすことによって、エッチング液の液膜を形成する。液膜形成工程が行われると、図6(a)に示すように、基板Wの上面Waがエッチング液の液膜Lで覆われる。液膜Lの厚さは、厚さd1である。ステップS112は、「液膜形成工程」の一例に相当する。ステップS112終了の後、処理は、ステップS114に進む。
ステップS114:パドル工程が行われる。具体的には、基板Wの回転数を第1回転数R1とする。具体的には、制御部101は、基板Wの回転数が第1回転数R1となるように、基板回転部7を制御する。具体的には、制御部101が、基板回転部7のモーター71を制御して、基板回転部7のモーター71の回転数を第1回転数R1にする。第1回転数R1は、例えば、10rpm以上100rpm以下である。第1回転数R1は、数10rpmが好ましい。パドル工程において、基板Wの回転数は比較的小さい。したがって、エッチング液の液膜が基板Wの上面Waを覆った状態を維持することができる。液膜が基板Wの上面Waを覆った状態を維持することによって、基板Wのエッチングを促進することができる。また、基板Wの上面Waのエッチング液が振り切られないので、エッチング液の消費を低減することができる。なお、パドル工程において、基板Wの回転を停止してもよい。具体的には、制御部101は、基板Wの回転を停止するように、基板回転部7を制御してもよい。より具体的には、制御部101が、基板回転部7のモーター71を制御して、モーター71を停止させることによって、基板Wの回転を停止する。ステップS114は、「パドル工程」の一例に相当する。ステップS114終了の後、処理は、ステップS116に進む。
ステップS116:エッチング液排出工程が行われる。具体的には、基板Wの回転数を第2回転数R2とする。より具体的には、制御部101は、基板Wの回転数が第2回転数R2となるように、基板回転部7を制御する。さらに具体的には、制御部101が、基板回転部7のモーター71を制御して、基板回転部7のモーター71の回転数を第2回転数R2にする。第2回転数R2は、第1回転数R1よりも大きい。第2回転数R2は、例えば、200rpm以上である。基板Wを比較的高速で回転させることによって、基板Wの上面Waを覆っているエッチング処理液の一部が、基板Wの周囲に振り切られる。その結果、図6(b)に示すように、基板Wの上面Waのエッチング液の液膜Lでの厚みが低減される。具体的には、液膜Lの厚さが厚さd1から厚さd2に低減する。ステップS116は、「エッチング液排出工程」の一例に相当する。ステップS116終了の後、処理は、ステップS118に進む。
ステップS118:エッチング液排出工程に引き続き、エッチング液補充工程が行われる。具体的には、基板Wの回転数を第3回転数R3とする。より具体的には、制御部101は、基板Wの回転数が第3回転数R3となるように、基板回転部7を制御する。さらに具体的には、制御部101が、基板回転部7のモーター71を制御して、基板回転部7のモーター71の回転数を第3回転数R3にする。第3回転数R3は、第2回転数R2よりも小さい。第3回転数R3は、例えば、10rpm以上100rpm以下である。第3回転数R3は、数10rpmが好ましい。なお、エッチング液補充工程において、基板Wの回転を停止してもよい。具体的には、制御部101は、基板Wの回転を停止するように、基板回転部7を制御してもよい。より具体的には、制御部101が、基板回転部7のモーター71を制御して、モーター71を停止させることによって、基板Wの回転を停止する。エッチング液補充工程において、さらに、基板Wの上面Waにエッチング液を供給して、液膜Lの厚みを増大させる。具体的には、制御部101は、基板Wの上面Waにエッチング液を供給して液膜Lの厚みを増大させるように処理液供給部9を制御する。より具体的には、制御部101は、処理液供給部9の流量調整バルブV2の開度を調整し、基板Wの上面Waにエッチング液の流量を増やすことによって、液膜Lも厚みを増大させる。その結果、図6(c)に示すように、液膜Lの厚さが厚さd2から厚さd3に増加する。すなわち、基板Wの上面Waに、エッチング液が補充される。ステップS118は、「エッチング液補充工程」の一例に相当する。ステップS118終了の後、処理は、ステップS120に進む。
ステップS120:制御部101は、エッチングが終了したか否かを判定する。制御部101が、エッチングが終了していないと判定した場合(ステップS120:No)、処理は、ステップS116に戻る。そして、再び、ステップS116のエッチング液排出工程と、ステップS118のエッチング液補充工程が行われる。一方、制御部101が、エッチングが終了したと判定した場合(ステップS120:Yes)、処理はステップS122に進む。このように、制御部101が、エッチングが終了したと判定するまで、ステップS116のエッチング液排出工程と、ステップS118のエッチング液補充工程とが繰り返し行われる。
制御部101は、例えば、エッチング処理を開始してからの経過時間(以下、経過時間と記載する)が所定の時間を超えたか否かに基づいてエッチング処理が終了したか否かを判定する。具体的には、制御部101は、経過時間が所定の時間を超えたと判定した場合、エッチングが終了したと判定する。一方、制御部101は、経過時間が所定の時間を超えていないと判定した場合、エッチングが終了していないと判定する。
また、例えば、制御部101は、ステップS116のエッチング液排出工程と、ステップS118のエッチング液補充工程とが繰り返し行われた回数(以下、繰り返し回数と記載する)が所定の回数を超えたか否かに基づいてエッチング処理が終了したか否かを判定する。具体的には、制御部101は、繰り返し回数が所定の回数を超えたと判定した場合、エッチングが終了したと判定する。一方、制御部101は、繰り返し回数が所定の回数を超えていないと判定した場合、エッチングが終了していないと判定する。
ステップS122:処理液供給部9は、基板Wの上面Waに向けて基板Wにリンス液を供給する。リンス液は、例えば、炭酸水である。基板Wの上面Waにリンス液が供給されることによって、基板W上のエッチング液が洗い流される。ステップS122終了の後、処理は、ステップS124に進む。
ステップS124:乾燥工程が行われる。具体的には、基板Wを回転させることによって、基板Wを乾燥させる。ステップS124終了の後、処理は、ステップS126に進む。
ステップS126:基板Wの回転を停止する。具体的には、制御部101は、基板Wの回転を停止するように、基板回転部7を制御する。より具体的には、制御部101が、基板回転部7のモーター71を制御して、モーター71を停止させることによって、基板Wの回転を停止する。ステップS126終了の後、処理は、ステップS128に進む。
ステップS128:基板処理装置1から基板Wが搬出される。ステップS128終了の後、処理は、終了する。
図6(a)~図6(c)に示すように、パドル工程と、エッチング液排出工程と、エッチング液補充工程とにおいて、液膜Lが基板Wの上面Waに形成された状態が維持されている。
図7を参照して、実施形態1に係る基板処理方法の一例を説明する。図7は、基板処理方法の一例を説明するための図である。図7において、横軸は、時刻を示す。縦軸において、DHFは、DHFの供給(ON)と、供給の停止(OFF)とを示す。リンス液は、リンス液の供給(ON)と、供給の停止(OFF)とを示す。TMAHは、TMAHの供給(ON)と、供給の停止(OFF)とを示す。回転数は、基板Wの回転数を示す。密閉位置は、遮蔽部19の位置を示す。具体的には、密閉位置において、OFFが退避位置を示し、ONが近接位置を示す。
図7に示すように、時刻t1において~時刻t2において、DHF供給工程(図4のステップS104)が行われる。DHF供給工程では、基板Wの回転数は、回転数Raとなる。回転数Raは、例えば、800rpmである。
時刻2において、遮蔽部19の位置が、退避位置から近接位置へと下方に移動する。
時刻t2~時刻t3において、リンス液供給工程(図4のステップS106)が行われる。リンス液供給工程では、基板Wの回転数は、回転数Raとなる。回転数Raは、例えば、800rpmである。
時刻t3~時刻t4において、液膜形成工程(図5のステップS112)が行われる。液膜形成工程では、基板Wの回転数は、回転数Raとなる。回転数Raは、例えば、800rpmである。
時刻t4~時刻t6において、パドル工程(図5のステップS114)が行われる。パドル工程では、基板Wの回転数は、第1回転数R1となる。第1回転数R1は、例えば、10rpmである。時刻t5おいて、エッチング液の供給を停止する。
時刻t6~時刻t7において、エッチング液排出工程(図5のステップS116)が行われる。エッチング液排出工程では、基板Wの回転数は、第2回転数R2となる。第2回転数R2は、例えば、300rpmである。
時刻t7~時刻t8において、エッチング液補充工程(図5のステップS118)が行われる。エッチング液補充工程では、基板Wの回転数は、第3回転数R3となる。第3回転数R3は、例えば、10rpmである。エッチング液補充工程において、必要な量のエッチング液の補充が完了すると、基板Wの上面Waにエッチング液の供給を停止する。
その後、エッチング処理が終了するまで、エッチング液排出工程と、エッチング液補充工程とが繰り返し行われる。換言すると、エッチング液補充工程において、基板Wの上面Waにエッチング液を間欠的に供給する。具体的には、時刻t8~時刻t9において、エッチング液排出工程が行われる。その後、時刻t9~時刻t10において、エッチング液補充工程が行われる。その後、時刻t10~時刻t11において、エッチング液排出工程が行われる。その後、時刻t11~時刻t12において、エッチング液補充工程が行われる。
時刻12において、遮蔽部19の位置が、近接位置から退避位置へと上方に移動する。
エッチング処理が終了すると、時刻t12~時刻t13において、リンス液供給工程(図5のステップS122)が行われる。リンス液供給工程では、基板Wの回転数は、回転数Raとなる。回転数Raは、例えば、800rpmである。
時刻t13~時刻t14において、乾燥工程(図5のステップS124)が行われる。乾燥工程では、基板Wの回転数は、回転数Rbとなる。回転数Rbは、例えば、1500rpmである。
以上、図1~図7を参照して説明したように、エッチング液排出工程において、第1回転数R1よりも高い第2回転数R2で液膜の厚みを低減させる。また、第2回転数R2よりも低い第3回転数R3で液膜の厚みを増大させる。劣化したエッチング液を排出した後に、新鮮なエッチング液を補充するため、エッチング液の置換を効率的に行うことができエッチング液の消費を抑制しつつ、エッチング液を新鮮なものに置換することができる。
また、エッチング液補充工程において、本実施形態に例示されるように、基板Wの上面Waに必要な量のエッチング液が供給されると、エッチング液の供給を停止させても良い。これにより、エッチング液の消費を低減することができる。
また、基板処理方法において、エッチング液排出工程とエッチング液補充工程とを繰り返し行う。したがって、エッチング液の濃度が低下する等、エッチング液が劣化しても、当該劣化したエッチング液が効率的に新鮮なエッチング液に置換される。これにより、エッチング液の消費量を抑制しつつ、エッチング効率を向上させることができる。
また、液膜形成工程よりも前に、空間形成工程を包含する。空間形成工程において、蓋部(遮蔽部19)によって基板Wの上方を閉塞し、基板Wを処理するための処理空間Saを形成する。したがって、基板Wにおける気流を抑制することができる。その結果、基板Wの上面Waに液膜が形成された状態を維持することができる。
また、気体供給工程において、処理空間Saに酸素を含まない気体を供給し、酸素濃度を処理空間Saの外部に比べて低くする。エッチング液がTMAHである場合、TMAHの酸素濃度の低下を抑制することができる。
なお、図7を参照して基板処理方法では、パドル工程と、エッチング液補充工程とにおいて、基板Wを回転させていたが、パドル工程と、エッチング液補充工程とにおいて、基板Wを停止させてもよい。
図8を参照して、実施形態1に係る基板処理方法の他例について説明する。図8は、基板処理方法の他例を説明するための図である。パドル工程と、エッチング液補充工程とにおいて、基板Wの回転を停止させる点を除いて、図8に示す基板処理方法は、図7に示す基板処理方法と同様であるため、重複部分については説明を省略する。
図8に示すように、時刻t4~t6において、パドル工程が行われる。具体的には、パドル工程において、基板Wの回転数(第1回転数R1)が0となり、基板Wの回転が停止する。
時刻t7~時刻t8、時刻t9~時刻t10、および時刻t11~時刻t12において、エッチング液補充工程が行われる。具体的には、エッチング液補充工程において、基板Wの回転数(第3回転数R3)が0となり、基板Wの回転が停止する。
なお、図7および図8を参照して基板処理方法では、エッチング液補充工程において、基板Wの上面Waにエッチング液を間欠的に供給していたが、エッチング液補充工程において、基板Wの上面Waにエッチング液を供給し続けてもよい。また、エッチング液排出工程において、基板Wの上面Waへのエッチング液の供給を停止していたが、エッチング液排出工程において、基板Wの上面Waへエッチング液を供給してもよい。
図9を参照して、実施形態1に係る基板処理方法の他例について説明する。図9は、基板処理方法の他例を説明するための図である。エッチング液補充工程において、基板Wの上面Waにエッチング液を供給し続ける点と、エッチング液排出工程において、基板Wの上面Waへエッチング液を供給する点とを除いて、図9に示す基板処理方法は、図7に示す基板処理方法と同様であるため、重複部分については説明を省略する。
図9に示すように、時刻t6~t7、時刻t8~時刻t9、および時刻t10~時刻t11において、エッチング液補充工程が行われる。ここでは、エッチング液補充工程において、基板Wの上面Waにエッチング液を供給し続ける。
時刻t5~t6、時刻t7~時刻t8、および時刻t9~時刻t10において、エッチング液排出工程が行われる。ここでは、エッチング液排出工程において、基板Wの上面Waにエッチング液を供給し続ける。
[実施形態2]
図10および図11を参照して、本発明の実施形態2に係る基板処理装置1Aを説明する。基板処理装置1Aが基板回転部7によって遮蔽部19Bを回転させる点で、実施形態2は実施形態1と主に異なる。以下、実施形態2が実施形態1と異なる点を主に説明する。
図10は、実施形態2に係る基板処理装置1Aを示す模式的断面図である。
処理液供給機構93とガス供給機構22とは、実施形態1に係る処理液供給機構93とガス供給機構22と同様な構成を有する。
基板処理装置1Aの基板保持部5Aは、図2に示す基板保持部5の構成に加えて、複数の係合部41Bをさらに有する。複数の係合部41Bは、中心軸AXを中心として略等角度間隔にて、スピンベース51の上面の外周部に周方向CDに配置される。複数の係合部41Bは、複数のチャック部材53よりも径方向RDの外方に配置される。複数の係合部41Bの各々は、スピンベース51の上面から上方に向かって略垂直に突出する。
また、遮蔽部19Bは、図2に示す遮蔽部19の構成に加えて、複数の係合部41Aと、フランジ部19dとをさらに有する。
複数の係合部41Aは、中心軸AXを中心として略等角度間隔にて、遮蔽板19aの下面の外周部に周方向CDに配置される。複数の係合部41Aは、それぞれ、複数の係合部41Bと軸方向ADに対向している。複数の係合部41Aの各々は、遮蔽板19aの下面から下方に向かって略垂直に突出する。複数の係合部41Aの各々は、上方に向かって凹む凹部(不図示)を有している。
具体的には、遮蔽部19Bの複数の係合部41Aは、基板保持部5Aと係合する。遮蔽部19Bは、複数の係合部41Aが基板保持部5Aと係合することにより基板保持部5Aと一体となって回転する。
さらに具体的には、遮蔽部19Bの複数の係合部41Aの凹部に、それぞれ、基板保持部5Aの複数の係合部41Bが嵌合する。その結果、遮蔽部19Bは、基板保持部5の回転にともなって基板保持部5と同期回転する。
フランジ部19dは、軸部19bの上端部から径方向RD外方に環状に広がる。フランジ部19dは、例えば、中心軸AXを中心とする略円環板状である。
遮蔽部動作機構21Xは、軸方向ADに沿って遮蔽部19Bを上昇または下降させる。具体的には、遮蔽部動作機構21Xは、近接位置と退避位置との間で、遮蔽部19Bを上昇または下降させる。近接位置および退避位置は、それぞれ、実施形態1の近接位置および退避位置と同様である。図10では、遮蔽部19Bは近接位置に位置する。遮蔽部19Bが近接位置に位置する場合には、複数の係合部41Aは、それぞれ、複数の係合部41Bに係合している。一方、遮蔽部19Bが退避位置に位置する場合には、複数の係合部41Aは、それぞれ、複数の係合部41Bから離間している。基板Wを処理液で処理するときには、遮蔽部動作機構21Xは、遮蔽部19Bを近接位置に移動する。
具体的には、遮蔽部動作機構21Xは、保持部61と、昇降機構62とを有する。昇降機構62は、遮蔽部19Bを保持部61と共に、上昇または下降させる。昇降機構62は、例えば、電動モーターおよびボールねじを含む。
保持部61は遮蔽部19Bを保持する。保持部61は、保持部本体611と、本体支持部612と、フランジ支持部613と、支持部接続部614とを有する。保持部本体611は、遮蔽部19Bのフランジ部19dの上方を覆う。本体支持部612は、略水平に延びる棒状のアームである。本体支持部612の一方の端部は保持部本体611に接続され、他方の端部は昇降機構62に接続される。支持部接続部614は、フランジ支持部613と保持部本体611とをフランジ部19dの周囲にて接続する。フランジ支持部613は、遮蔽部19Bが退避位置に位置するときに、遮蔽部19Bのフランジ部19dに下側から接して支持する。一方、図10に示すように、フランジ支持部613は、遮蔽部19Bが近接位置に位置するときに、遮蔽部19Bのフランジ部19dから離間する。その結果、遮蔽部19Bが回転可能になる。
次に、図11を参照して処理液供給部9を説明する。図11は、処理液供給部9を示す模式的側面図である。図11に示すように、実施形態2では、処理液供給部9の処理液ノズル91は、処理液流路931と、2つのガス流路371とを有する。処理液流路931は、処理液供給機構93に接続される。2つのガス流路371は、ガス供給機構22に接続される。
処理液供給機構93は処理液を処理液ノズル91に供給する。具体的には、処理液供給機構93は処理液を処理液流路931に供給する。処理液流路931に供給された処理液は、処理液ノズル91の下端面に設けられた吐出口931aから下方へと吐出される。
ガス供給機構22は気体を処理液ノズル91に供給する。具体的には、ガス供給機構22は、2つのガス流路371に気体を供給する。ガス供給機構22は、例えば、2つのガス流路371に、窒素等の不活性ガスを供給する。
処理液ノズル91の中央部のガス流路371に供給された気体は、処理液ノズル91の下端面に設けられた下面噴射口371aから下方に向けて噴射される。一方、処理液ノズル91の外周部のガス流路371に供給された気体は、処理液ノズル91の側面に設けられた複数の側面噴射口371bから周囲に噴射される。したがって、実施形態2によれば、気体を基板Wに効果的に供給できる。
本実施形態でも、実施形態1と同様に、エッチング効率を向上させることができる。
[実施形態3]
図12を参照して、本発明の実施形態3に係る基板処理装置1を説明する。基板処理装置1が、遮蔽部19と、遮蔽部動作機構21とを備えない点で、実施形態3は実施形態1と主に異なる。以下、実施形態3が実施形態1と異なる点を主に説明する。
図12は、実施形態3に係る基板処理装置1を示す模式的断面図である。図12に示すように、基板処理装置1は、遮蔽部19と、遮蔽部動作機構21とを備えない。
処理液供給部9は、処理液ノズル91と、処理液供給機構93と、ノズル移動部95とを有する。
処理液供給機構93は、実施形態1の処理液供給機構93と同様な構成を有する。
ノズル移動部95は、回動軸線AX2の回りに回動して、処理液ノズル91の処理位置と待機位置との間で、処理液ノズル91を水平に移動させる。回動軸線AX2はZ軸方向に沿って延びる。換言すれば、回動軸線AX2は鉛直方向に沿って延びる。処理位置は、基板Wの上方の位置を示す。待機位置は、基板保持部5およびカップ部11よりも外側の位置を示す。
図5および図13を参照して、実施形態3に係る基板処理方法について説明する。図13は、実施形態3に係る基板処理方法を示すフローチャートである。基板処理方法は、図13に示すステップS101~ステップS106および図5に示すステップS112~ステップS128を含む。図13に示すステップS101~ステップS106および図5に示すステップS112~ステップS128の処理が実行されることによって、基板Wの処理が行われる。
本実施形態では、空間形成工程(ステップS108)および気体供給工程(ステップS110)が行われない。すなわち、図13に示すリンス液供給工程(ステップS106)が行われた後、処理は、図5に示す液膜形成工程(ステップS112)に進む。
本実施形態でも、実施形態1および実施形態2と同様に、エッチング効率を向上させることができる。
以上、図面(図1~図13)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)~(4))。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(1)実施形態1~3では、パドル工程の第1回転数R1と、エッチング液補充工程の第3回転数R3とは同じであったが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1回転数R1と第3回転数R3とは異なっていてもよい。例えば、第1回転数R1が第3回転数R3よりも大きくてもよい。あるいは、第1回転数R1が第3回転数R3よりも小さくてもよい。
(2)実施形態1~3では、液膜形成工程における基板Wの回転数Raは、パドル工程の第1回転数R1と異なっていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、回転数Raと第1回転数R1とは同じであってもよい。
(3)実施形態1~3では、パドル工程において、エッチング液を基板Wに供給していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、パドル工程において、エッチング液を基板Wに供給しなくてもよい。
(4)実施形態1~3では、処理液がエッチング液である例について説明したが、処理液はリンス液または洗浄液であってもよい。リンス液は、例えば、純水または炭酸水である。洗浄液は、例えば、SC1(アンモニア過酸化水素水混合液)液、SC2(塩酸過酸化水素水混合液)液、IPA(イソプロピルアルコール)である。