JP5426141B2 - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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この発明は、基板を処理する基板処理装置に関する。処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板などが含まれる。
半導体装置や液晶表示装置などの製造工程では、半導体ウエハや液晶表示装置用ガラス基板などの基板を処理するための基板処理装置が用いられる。基板を1枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置は、たとえば、隔壁で区画された処理室内に、基板を水平に保持して回転させるスピンチャックと、スピンチャックに保持された基板の上面に処理液を供給する処理液ノズルとを備えている。
この基板処理装置で基板を処理する場合は、たとえば、スピンチャックによって基板を回転させつつ、当該基板の上面中央部に向けて処理液ノズルから処理液を連続吐出させる。処理液ノズルから吐出された処理液は、基板の上面中央部に着液し、基板の回転による遠心力を受けて、基板の上面周縁部に向かって瞬時に広がっていく。これにより、基板の上面全域に処理液が供給され、基板の上面に処理液による処理が行われる。また、処理液による処理が行われた後は、スピンチャックによって基板を高速回転させる。これにより、基板に付着している処理液を遠心力によって振り切って当該基板を乾燥させる乾燥処理(スピンドライ)が行われる。
特開2006−351805号公報
前記のような構成で処理液による処理や乾燥処理などを行う場合、パーティクルなどの異物が基板の上面に向かって飛散してくることがある。したがって、異物が基板の上面に付着して当該基板が汚染されるおそれがある。また、処理室内に漂う処理液のミストが基板の上面に付着して当該基板が汚染されるおそれがある。
この発明は、かかる背景のもとでなされたものであり、基板の汚染を抑制または防止することができる基板処理装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板(W)を保持する基板保持手段(3)と、前記基板保持手段に保持された基板の中央部近傍に位置するように配置された、基板よりも小さい柱状の気体吐出ノズ(6)と、前記気体吐出ノズルに気体を供給する気体供給手段(18)とを含み、前記気体吐出ノズルの外表面の一部である外周面で環状に開口するスリット状の第1の気体吐出口(55)が前記気体吐出ノズルに形成されており、前記気体供給手段から供給された気体を吐出する第2の気体吐出口(54)が前記基板保持手段に保持された基板に対向する前記気体吐出ノズルの下面に形成されており、前記気体吐出ノズルは、前記第1の気体吐出口から前記基板保持手段に保持された基板の周縁部に向けて基板に沿って気体を放射状に吐出することにより、基板を覆うための気体の流れを形成する、基板処理装置である。
なお、この項において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すものとする。
この発明によれば、気体吐出ノズルの気体吐出口から気体を放射状に吐出させることにより、気体吐出ノズルを中心として放射状に広がる気体の流れを形成することができる。また、気体吐出ノズルが基板の中央部近傍に位置するように配置されているので、基板に沿って広がる気体の流れを形成して、この気体の流れによって基板を覆うことができる。これにより、基板に向かって飛散してくるパーティクルなどの異物や処理液のミストから基板を保護して、当該異物や処理液のミストが基板に付着することを抑制または防止することができる。したがって、パーティクルなどの異物や処理液のミストにより基板が汚染されることを抑制または防止することができる。しかも、気体吐出ノズルは、基板よりも小さい柱状であるので、基板処理装置の大型化を抑制しつつ、基板の汚染を抑制または防止することができる。
さらに、気体吐出口から気体を放射状に吐出させることにより、気体吐出ノズルを頂点として基板の周縁部に向かって広がる錐体状の気体の流れを形成することができる。したがって、気体吐出ノズルと基板との間の空間をこの錐体状の気体の流れによって取り囲んでその周囲の空間から隔離することができる。これにより、気体吐出ノズルと基板との間の空間にパーティクルなどの異物や処理液のミストが進入することを抑制または防止することができる。そのため、異物や処理液のミストが基板に付着して当該基板が汚染されることを一層確実に抑制または防止することができる。
さらに、気体吐出口がスリット状に形成されているので、気体吐出口から気体を勢いよく吐出(噴射)させることができる。これにより、気体吐出ノズルから離れた位置でも気体の流れを維持することができ、気体吐出ノズルから離れた位置でも基板を確実に保護することができる。また、気体吐出口が環状に形成されているので、気体吐出口から気体を吐出させることにより、気体吐出ノズルを中心として放射状に広がる気体の流れを容易に形成することができる。たとえば、前記気体吐出ノズルが柱状に形成されている場合には、前記スリット状の気体吐出口は、気体吐出ノズルの側面に開口していてもよい。
前記基板処理装置は、前記基板保持手段に保持された基板を回転させる回転手段(10)をさらに含み、前記基板保持手段は、基板の周端面に沿うように配置され、当該基板を保持する複数の保持部材(9)を有し、前記気体吐出ノズルは、前記気体吐出口から前記複数の保持部材の周囲に向けて気体を吐出することにより、当該複数の保持部材およびこれらの保持部材に保持された基板を覆うための気体の流れを形成するように形成されていてもよい。
この発明によれば、基板の周端面に沿うように配置された複数の保持部材によって基板を保持することができる。また、これらの保持部材とともに、保持された基板を回転手段によって回転させることができる。さらに、気体吐出口から気体を放射状に吐出させることにより、気体吐出ノズルを頂点として複数の保持部材の周囲に向かって広がる錐体状の気体の流れを形成することができる。これにより、基板保持手段に保持された基板および複数の保持部材を気体の流れにより取り囲まれた空間に位置させることができる。したがって、基板と気体吐出ノズルとの間の空間、および複数の保持部材の周囲の空間を気体の流れによってその周囲の空間から隔離して、これらの空間を清浄に保つことができる。そのため、回転手段によって基板および複数の保持部材を回転させたときに保持部材の周囲の気流が乱れて、保持部材の周囲の雰囲気が基板の近傍の空間に進入したとしても、進入した雰囲気が清浄にされているため、この雰囲気に晒されることにより基板が汚染されることを抑制または防止することができる。
また、請求項に記載の発明のように、前記第1の気体吐出口からは斜め下方向または水平方向に気体が吐出されてもよい。
また、請求項に記載の発明のように、前記基板処理装置は、前記第1の気体吐出口から気体を吐出することにより前記基板の上面を前記第1の気体吐出口から吐出された気体によって覆う被覆工程を実施すると共に、前記第2の気体吐出口から気体を吐出することにより前記基板の上方の雰囲気を前記第2の気体吐出口から吐出された気体に置換する雰囲気置換工程を前記被覆工程と並行して実施してもよい。
また、請求項に記載の発明のように、前記基板処理装置は、前記第1の気体吐出口から気体を吐出することにより前記基板の上面を前記第1の気体吐出口から吐出された気体によって覆う被覆工程を開始し、その後、前記第2の気体吐出口から気体を吐出することにより前記基板の上方の雰囲気を前記第2の気体吐出口から吐出された気体の雰囲気に置換する雰囲気置換工程を開始してもよい。
また、請求項に記載の発明のように、前記気体供給手段から前記気体吐出ノズルに供給される気体は、不活性ガス、乾燥空気およびクリーンエアのいずれかであってもよい。
また、請求項に記載の発明のように、前記基板処理装置は、前記基板の上面に処理液の液膜を形成する液膜形成手段(4、5、21、121)をさらに含んでいてもよい。
また、請求項に記載の発明のように、前前記第2の気体吐出口から吐出される気体を前記第2の気体吐出口に導く気体供給流路であって、上流端の開口面積が下流端の開口面積よりも狭い気体供給流路が、前記気体吐出ノズルに形成されていてもよい。
請求項に記載の発明は、基板保持手段によって基板を保持する基板保持工程と、前記基板の上面にリンス液の液膜を形成する液膜形成工程と、前記液膜形成工程で形成された前記リンス液の液膜をIPA液の液膜に置換するIPA置換工程と、前記基板の中央部近傍に位置するように配置され、前記基板上面の中央部に対向した、前記基板よりも小さい柱状の気体吐出ノズルの外表面の一部である外周面で環状に開口するスリット状の第1の気体吐出口から前記基板の周縁部に向けて前記基板に沿って気体を放射状に吐出することにより、前記基板の周縁部に向かって放射状に広がる基板を覆うための気体の流れを形成し、前記基板上面および当該基板上面に形成された前記液膜を、気体供給手段から前記気体吐出ノズルに供給され前記第1の気体吐出口から吐出された気体で被覆する被覆工程と、前記被覆工程と並行して、前記気体供給手段から前記気体吐出ノズルに供給された気体を、前記基板に対向する前記気体吐出ノズルの下面で開口する第2の気体吐出口から前記基板の中心部に向けて吐出することにより、前記基板および液膜の上方の雰囲気を前記第2の気体吐出口から吐出された気体により置換するパージ工程と、を含む、基板処理方法である。
請求項に記載の発明のように、前記第1の気体吐出口からは斜め下方向または水平方向に気体が吐出されてもよい。
また、請求項10に記載の発明のように、前記パージ工程において、気体は、前記基板上の前記IPAの液膜が部分的に排除されて前記基板の上面が部分的に露出しない圧力で、前記第2の気体吐出口から前記基板の中心部に向けて吐出されてもよい。
また、請求項11に記載の発明のように、前記基板処理方法は、前記基板を回転させて前記基板上の液体を排除することにより、前記被覆工程およびパージ工程と並行して前記基板を乾燥させる乾燥工程をさらに含んでいてもよい。
また、請求項12に記載の発明のように、前記気体供給手段から前記気体吐出ノズルに供給される気体は、不活性ガス、乾燥空気およびクリーンエアのいずれかであってもよい。
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置のレイアウトを示す図解的な平面図である。
この基板処理装置は、半導体ウエハ等の基板Wを1枚ずつ処理する枚葉型の装置であり、各種の処理を基板Wに対して施すことができる。基板処理装置は、インデクサブロックB1と、インデクサブロックB1に結合された処理ブロックB2とを備えている。
インデクサブロックB1は、キャリア保持部P1と、インデクサロボットIRと、インデクサロボット移動機構M1(以下では、「IR移動機構M1」という。)とを備えている。キャリア保持部P1は、複数枚の基板Wを収容できるキャリアCを保持することができる。キャリアCは、所定の配列方向U(以下「キャリア配列方向U」という。)に沿って配列された状態で、キャリア保持部P1に保持される。IR移動機構M1は、キャリア配列方向Uに沿ってインデクサロボットIRを水平に移動させることができる。
また、インデクサロボットIRは、第1上アームの先端に取り付けられた第1上ハンドH1と、第1下アームの先端に取り付けられた第1下ハンドH2とを備えている。第1上ハンドH1および第1下ハンドH2は、上下方向に高さをずらして配置されており、互いに干渉しないようにされている。図1では、第1上ハンドH1および第1下ハンドH2が上下に重なり合っている。インデクサロボットIRは、各ハンドH1,H2によって基板Wを保持することができる。インデクサロボットIRは、キャリアCに対向する位置で、当該キャリアCに対して処理済の基板Wを搬入する搬入動作、および未処理の基板Wを当該キャリアCから搬出する搬出動作を行うことができる。
一方、処理ブロックB2は、それぞれ基板Wを一枚ずつ処理する複数の処理ユニット1と、センターロボットCRとを備えている。本実施形態では、処理ユニット1がたとえば8つ設けられており、処理ユニット1は2つずつ上下に積層され、これらの処理ユニット1が、平面視においてセンターロボットCRを取り囲むように配置されている。(図1では上段の4つの処理ユニット1のみを示している。)各処理ユニット1では、たとえば、洗浄等の処理が基板Wに対して行われる。
また、センターロボットCRは、第2上アームの先端に取り付けられた第2上ハンドH3と、第2下アームの先端に取り付けられた第2下ハンドH4とを備えている。第2上ハンドH3および第2下ハンドH4は、上下方向に高さをずらして配置されており、互いに干渉しないようにされている。図1では、第2上ハンドH3および第2下ハンドH4が上下に重なり合っている。センターロボットCRは、各ハンドH3,H4によって基板Wを保持することができる。
センターロボットCRは、各処理ユニット1に対して未処理の基板Wを搬入する搬入動作、および処理済の基板Wを各処理ユニット1から搬出する搬出動作を行うことができる。さらに、センターロボットCRは、インデクサロボットIRから未処理の基板Wを受け取ることができ、処理済の基板WをインデクサロボットIRに渡すことができる。
キャリアCに収容された未処理の基板Wは、インデクサロボットIRによって保持され、搬出される。そして、インデクサロボットIRからセンターロボットCRに未処理の基板Wが受け渡され、センターロボットCRによって、何れかの処理ユニット1に未処理の基板Wが搬入される。センターロボットCRは、インデクサロボットIRから受け渡される基板Wを複数の処理ユニット1に順次搬入していく。
一方、処理ユニット1で処理された処理済の基板Wは、センターロボットCRによって処理ユニット1から搬出される。そして、センターロボットCRからインデクサロボットIRに処理済の基板Wが受け渡され、インデクサロボットIRによって、処理済の基板WがキャリアC内に搬入される。センターロボットCRは、複数の処理ユニット1から処理済の基板Wを順次搬出していく。このようにして、複数枚の基板Wが処理される。
図2は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置に備えられた処理ユニット1の概略構成を示す模式図である。
各処理ユニット1は、図示しない隔壁で区画された処理室2内に、1枚の基板Wを水平に保持して回転させるスピンチャック3(基板保持手段)と、スピンチャック3に保持された基板Wの上面に処理液としての薬液を供給するための薬液ノズル4と、スピンチャック3に保持された基板Wの上面に処理液としてのリンス液を供給するためのリンス液ノズル5と、基板W上で気体を吐出する気体吐出ノズル6とを備えている。
スピンチャック3は、鉛直な方向に延びる回転軸7と、回転軸7の上端に水平に取り付けられた円盤状のスピンベース8と、このスピンベース8上に配置された複数個の挟持部材9(保持部材)と、回転軸7に連結されたモータ10(回転手段)とを備えている。複数個の挟持部材9は、スピンベース8の上面周縁部において基板Wの外周形状に対応する円周上で適当な間隔を空けて配置されている。スピンチャック3は、各挟持部材9を基板Wの周端面に当接させることにより当該基板Wを挟持して、スピンベース8の上方で水平な姿勢で基板Wを保持することができる。複数個の挟持部材9によって基板Wを保持した状態で、モータ10の駆動力を回転軸7に入力することにより、基板Wの中心を通る鉛直な軸線まわりに基板Wを回転させることができる。モータ10は、制御部11(図1および図2参照)により制御されるようになっている。
なお、スピンチャック3としては、このような構成のものに限らず、たとえば、基板Wの下面(裏面)を真空吸着することにより基板Wを水平な姿勢で保持して、さらにその状態で鉛直な軸線まわりに回転することにより、その保持した基板Wを回転させることができる真空吸着式のもの(バキュームチャック)が採用されてもよい。
薬液ノズル4は、吐出口が下方に向けられた状態で、スピンチャック3よりも上方に配置されている。薬液ノズル4には、薬液バルブ12が介装された薬液供給管13を介して図示しない薬液供給源からの薬液が供給される。薬液ノズル4は、薬液供給源から供給される薬液をスピンチャック3に保持された基板Wの上面に向けて吐出することができる。これにより、基板Wの上面に薬液を供給することができる。
同様に、リンス液ノズル5は、吐出口が下方に向けられた状態で、スピンチャック3よりも上方に配置されている。リンス液ノズル5には、リンス液バルブ14が介装されたリンス液供給管15を介して図示しないリンス液供給源からのリンス液が供給される。リンス液ノズル5は、リンス液供給源から供給されるリンス液をスピンチャック3に保持された基板Wの上面に向けて吐出することができる。これにより、基板Wの上面にリンス液を供給することができる。
薬液ノズル4に供給される薬液としては、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、フッ酸、アンモニア水、過酸化水素水、有機酸(たとえばクエン酸、蓚酸など)、有機アルカリ(たとえば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなど)、界面活性剤、腐食防止剤のうちの少なくとも1つを含む液を例示することができる。また、リンス液ノズル5に供給されるリンス液としては、純水(脱イオン水)、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水や、希釈濃度(たとえば、10〜100ppm程度)の塩酸水などを例示することができる。
気体吐出ノズル6は、スピンチャック3に保持される基板Wよりも小径の円柱状の部材である。気体吐出ノズル6は、その中心軸線が鉛直となるようにスピンチャック3の上方で支持アーム16に支持されている。気体吐出ノズル6は、ほぼ水平な方向に沿って気体を放射状に吐出することができ、さらに、下方に向けて気体を吐出することができる。気体吐出ノズル6には、第1気体バルブ17が介装された第1気体供給管18(気体供給手段)と、第2気体バルブ19が介装された第2気体供給管20とが接続されている。気体吐出ノズル6には、各気体供給管18,20を介して図示しない気体供給源からの気体が供給される。気体吐出ノズル6に供給される気体としては、たとえば、不活性ガスの一例である窒素ガスが用いられている。気体としては、不活性ガスに限らず、たとえば乾燥空気やクリーンエア(清浄化された空気)などのその他の気体であってもよい。
また、気体吐出ノズル6には、処理液を吐出するための処理液ノズル21が取り付けられている。処理液ノズル21は、その一部が気体吐出ノズル6の内部に配置されている。処理液ノズル21には、処理液バルブ22が介装された処理液供給管23が接続されており、この処理液供給管23を介して図示しない処理液供給源からの処理液が供給される。処理液ノズル21に供給される処理液としては、たとえば、IPA(イソプロピルアルコール)が用いられている。IPAは、純水よりも揮発性の高い有機溶剤の一例であり、純水を容易に溶け込ませることができる。処理液ノズル21は、下方に向けてIPAを吐出することができる。また、純水よりも揮発性の高い有機溶剤の例としてIPA以外にも、たとえば、HFE(ハイドロフロロエーテル)、メタノール、エタノール、アセトンおよびTrans-1,2ジクロロエチレンのうちの少なくとも1つを含む液を用いることができる。また、単体成分のみからなるものを用いてもよいし、他の成分と混合されたものを用いてもよく、たとえば、IPAと純水の混合液や、IPAとHFEの混合液を用いてもよい。
また、支持アーム16は、スピンチャック3の側方に設けられた鉛直な揺動軸線まわりに揺動可能にされている。支持アーム16は、ノズル揺動機構24によってその揺動軸線まわりに揺動される。ノズル揺動機構24によって支持アーム16を揺動させることにより、気体吐出ノズル6を支持アーム16の揺動軸線まわりに揺動させて、水平移動させることができる。これにより、スピンチャック3に保持された基板Wの上方に気体吐出ノズル6を配置したり、スピンチャック3の上方から気体吐出ノズル6を退避させたりすることができる。支持アーム16の揺動軸線は、スピンチャック3に保持された基板Wの中央部上方を通る所定の軌跡に沿って気体吐出ノズル6が水平移動するように設定されている。したがって、ノズル揺動機構24は、気体吐出ノズル6をスピンチャック3に保持された基板Wの中央部上方に位置させることができる。
気体吐出ノズル6がスピンチャック3に保持された基板Wの上方に位置する状態で、処理液ノズル21からIPAを吐出させることにより、基板Wの上面にIPAを供給することができる。さらに、スピンチャック3に保持された基板Wの上方で処理液ノズル21からIPAを吐出させつつ、気体吐出ノズル6を水平移動させることにより、基板W上におけるIPAの着液位置を移動させることができる。すなわち、この実施形態では、基板W上での処理液の着液位置が固定された固定ノズルとして処理液ノズル21を機能させることもできるし、基板W上での処理液の着液位置を移動させて基板Wを処理液によりスキャンするスキャンノズルとして処理液ノズル21を機能させることもできる。
また、支持アーム16には、支持アーム16を鉛直方向に昇降させることができるノズル昇降機構25が連結されている。支持アーム16を鉛直方向に昇降させることにより、気体吐出ノズル6を鉛直方向に昇降させることができる。したがって、気体吐出ノズル6がスピンチャック3に保持された基板Wの中央部上方に位置する状態で、支持アーム16を昇降させることにより、気体吐出ノズル6を基板Wの上面中央部に近接させたり、基板Wの上方に退避させたりすることができる。ノズル昇降機構25は、気体吐出ノズル6が基板Wの上面中央部に近接する近接位置(図5参照)と、近接位置よりも上方に位置する上方位置(図2に示す位置)との間で気体吐出ノズル6を昇降させることができる。
ノズル揺動機構24およびノズル昇降機構25は、それぞれ、制御部11により制御される。また、薬液バルブ12などの処理ユニット1に備えられたバルブの開閉は、制御部11により制御される。
図3は、気体吐出ノズル6の図解的な縦断面図であり、図4は、気体吐出ノズル6の図解的な底面図である。以下では、図3および図4を参照して、気体吐出ノズル6の構成について具体的に説明する。
気体吐出ノズル6は、筒状をなす外構成部材26と、外構成部材26の内部に嵌め込まれた内構成部材27とを備えている。外構成部材26は、前述の支持アーム16によって支持されており、内構成部材27は、外構成部材26に保持されている。外構成部材26は、上方部材28および下方部材29からなるものであり、上方部材28に支持アーム16が連結されている。
上方部材28は、カップ状をなしており、その開口が下方となるように倒立状態で配置されている。上方部材28は、円筒状をなす周壁部30と、周壁部30の一端(図3では、上端)から内方に延びる環状の底部31と、周壁部30の他端から外方に延びる環状のフランジ部32とを含む。上方部材28には、周壁部30をその径方向に貫通する第1雌ねじ孔33と、底部31の中心部に位置する第2雌ねじ孔34とが形成されている。第1雌ねじ孔33には、第1継ぎ手35がねじ込まれており、この第1継ぎ手35を介して第1気体供給管18が上方部材28に接続されている。また、第2雌ねじ孔34には、内構成部材27がねじ込まれており、これによって、内構成部材27が外構成部材26に連結されている。
周壁部30の内周面は、周壁部30の軸方向に関して階段状に形成されており、周壁部30の内径は、下方にいくに従って段階的に大きくなっている。この実施形態では、周壁部30の内径が、2段階で大きくなるように形成されており、周壁部30の上端部、中間部および下端部の内径がそれぞれ異なる大きさにされている。
下方部材29は、平面視円環状をなす板状の部材であり、上方部材28と同軸になるように、上方部材28の下端部に連結されている。下方部材29の内径は、周壁部30の下端部の内径とほぼ同じ大きさにされており、下方部材29の内周面は、その全周にわたって周壁部30の下端部の内周面に段差なく連なっている。また、下方部材29の下面は、外方に向かって(下方部材29の中心軸線から離れるに従って)一定の傾斜角度で緩やかに下方に傾斜する傾斜面にされている。
一方、内構成部材27は、円柱状部材36、筒状部材37および平板状部材38からなるものであり、外構成部材26の内部に下方から嵌め込まれている。円柱状部材36、筒状部材37および平板状部材38は、それぞれ同軸となるように配置されており、円柱状部材36の下端部に筒状部材37の上端部が連結され、筒状部材37の下端部に平板状部材38が連結されている。円柱状部材36、筒状部材37および平板状部材38は、外構成部材26に対して同軸となるように配置されている。
円柱状部材36は、外周面に雄ねじが形成された円柱状の雄ねじ部39と、雄ねじ部39の下方に配置され外周面が雄ねじ部39よりも外方に張り出した円柱状の張り出し部40と、張り出し部40よりも小径で張り出し部40の下端から下方に突出する円柱状の突出部41とを有している。雄ねじ部39、張り出し部40および突出部41は、同軸となるように一体的に形成されている。
雄ねじ部39は、底部31に形成された第2雌ねじ孔34に下方からねじ込まれており、その上端部が底部31よりも上方に突出している。この突出した部分(雄ねじ部39の上端部)に、ロックナット42が取り付けられており、これによって、内構成部材27が外構成部材26に強固に連結されている。
また、張り出し部40は、上方部材28の上端部の内方に位置しており、その外径は、上方部材28の上端部の内径(周壁部30の上端部の内径)よりもやや小さくされている。張り出し部40の外周面には、その周方向に延びる環状溝が形成されており、この環状溝に封止部材としてのOリング43が収容されている。上方部材28と張り出し部40との間は、Oリング43によって封止されている。
また、円柱状部材36には、円柱状部材36を軸方向に貫通する2つの貫通孔(中心貫通孔44およびノズル挿通孔45)が形成されている。中心貫通孔44は、円柱状部材36の中心軸線に沿って形成されており、ノズル挿通孔45は、当該中心軸線から離れた位置に形成されている。
中心貫通孔44の上端部には、雌ねじが形成されており、この雌ねじにねじ込まれた第2継ぎ手46を介して第2気体供給管20が円柱状部材36に接続されている。また、中心貫通孔44の下端は、円柱状部材36の下面中央部に位置する開口となっている。第2気体供給管20から中心貫通孔44に供給された窒素ガスは、中心貫通孔44の下端から下方に向けて吐出される。
また、ノズル挿通孔45は、円柱状部材36の上端から下方に向かって鉛直に延びており、その下端部が円柱状部材36の中心軸線側に傾斜している。処理液ノズル21は、ノズル挿通孔45に挿通されており、その一部がノズル挿通孔45の下端部に倣って円柱状部材36の中心軸線側に傾斜している。処理液ノズル21の一部は、円柱状部材36から下方に突出しており、筒状部材37の内部に位置している。
筒状部材37は、その上端部が円柱状部材36に連結された円筒部47と、円筒部47の内部空間を円筒部47の軸方向に仕切る円板状の仕切り板48とを有している。円筒部47は、その上端から下端にわたって内径が一定とされており、その上端部が突出部41に外嵌している。また、円筒部47の外径は、その上端から中間部にかけて一定とされており、その下端部において他の部分よりも大きくなっている。円筒部47の外周面は、その軸方向に関して階段状に形成されている。
円筒部47は、外構成部材26の内部に収容されており、円筒部47の外周面と外構成部材26の内周面との間には、全周にわたって隙間が形成されている。より具体的には、円筒部47と外構成部材26との間には、上方円筒空間S1と、この上方円筒空間S1の下端から外方に向かって水平に延びる環状空間S2と、この環状空間S2の外周縁から鉛直下方に延びる下方円筒空間S3とが形成されている。
上方円筒空間S1には、その周方向の所定位置から第1気体供給管18からの窒素ガスが供給されるようになっており、第1気体供給管18から供給された窒素ガスは、上方円筒空間S1内を周方向に流れて上方円筒空間S1に行き渡る。上方円筒空間S1内に窒素ガスが行き渡った後は、上方円筒空間S1から環状空間S2に窒素ガスが供給され、さらに、環状空間S2から下方円筒空間S3に窒素ガスが供給される。そして、後述するように、下方円筒空間S3に供給された窒素ガスが気体吐出ノズル6の下端部(気体吐出口55)からその周囲に向かって放射状に吐出される。
図3に示すように、上方円筒空間S1の厚み(周方向の任意の位置における径方向への長さ)は、環状空間S2の厚み(鉛直方向への長さ)および下方円筒空間S3の厚みよりも大幅に大きくなっている。また、環状空間S2の厚みおよび下方円筒空間S3の厚みは、ほぼ同じ大きさにされている。すなわち、円筒部47と外構成部材26との間における窒素ガスの流路面積は、上方円筒空間S1と環状空間S2との連結部において大幅に減少されており、それよりも下流側ではほぼ一定にされている。したがって、上方円筒空間S1から環状空間S2および下方円筒空間S3に窒素ガスを供給するときに、環状空間S2および下方円筒空間S3の全周にわたって均一に窒素ガスを供給することができる。また、環状空間S2および下方円筒空間S3内での窒素ガスの流速を上方円筒空間S1内での窒素ガスの流速よりも高めることができる。これにより、気体吐出ノズル6の下端部(気体吐出口55)からその周囲に向かって窒素ガスを勢いよくほぼ均一な流速で等方的に吐出(噴射)させることができる。
仕切り板48は、円筒部47と一体的に形成されており、円筒部47の中間部において、その内部空間を軸方向に仕切っている。図4に示すように、仕切り板48には、小径の貫通孔49がその全域にわたって多数形成されており、気体が仕切り板48を厚み方向に通過できるようになっている。また、仕切り板48の中心部付近には、処理液ノズル21を挿通させるためのノズル挿通孔50が形成されている。処理液ノズル21の下端は、ノズル挿通孔50を通って仕切り板48の下方に位置しており、平板状部材38よりも下方に突出しないようにされている。処理液ノズル21は、仕切り板48の下方からIPAを吐出することができる。
円筒部47の内部空間において仕切り板48よりも上方に位置する上方空間S4は、図3に示すように、中心貫通孔44に連通している。したがって、第2気体供給管20から気体吐出ノズル6に供給された窒素ガスは、中心貫通孔44を通って上方空間S4に供給される。そして、上方空間S4に窒素ガスが溜まり、この溜まった窒素ガスが仕切り板48に形成された多数の貫通孔49から下方に向けて吐出される。このように、窒素ガスを上方空間S4に溜めることにより、各貫通孔49から均一な流量で窒素ガスを吐出させることができる。また、上方空間S4の流路面積が中心貫通孔44の流路面積よりも大きくなっているので、中心貫通孔44から上方空間S4に窒素ガスが流れる過程で窒素ガスの圧力を低下させて、各貫通孔49から緩やかに窒素ガスを吐出させることができる。
平板状部材38は、図4に示すように、平面視円環状をなす板状の部材であり、その内周部分に相当する円環状の連結部51と、連結部51よりも厚みが薄く、連結部51の外周面から外方に延びる円環状の鍔部52とを有している。連結部51には、複数の皿ねじ53が下方から取り付けられており、これらの皿ねじ53によって、平板状部材38が筒状部材37の下端部に連結されている。皿ねじ53は、その頭部が連結部51の内部に収容されており、平板状部材38の下面よりも下方に突出しないようにされている。
平板状部材38の内径(連結部51の内径)は、円筒部47の内径とほぼ同じ大きさにされており、平板状部材38の内周面は、その全周にわたって円筒部47の内周面に段差なく連なっている。また、連結部51の外径は、円筒部47の下端部の外径とほぼ同じ大きさにされており、連結部51の外周面は、その全周にわたって円筒部47の下端部の外周面に段差なく連なっている。さらに、平板状部材38の外径(鍔部52の外径)は、下方部材29の外径とほぼ同じ大きさにされており、平板状部材38および下方部材29は、同軸となるように配置されている。
平板状部材38の下面(連結部51および鍔部52の下面)は、水平面に沿う円環状の平坦面とされており、気体吐出ノズル6の最下端に位置している。第2気体供給管20から気体吐出ノズル6に供給された窒素ガスは、中心貫通孔44および筒状部材37の内部空間を通って平板状部材38の下面中央部から下方に向けて吐出される。平板状部材38の下面中央部に形成された開口は、下方に向けて窒素ガスを吐出する下面吐出口54となっている。
また、鍔部52の上面は、外方に向かって(平板状部材38の中心軸線から離れるに従って)一定の傾斜角度で緩やかに下方に傾斜する傾斜面にされている。鍔部52の上面の傾斜角度は、下方部材29の下面の傾斜角度にほぼ等しくされており、鍔部52の上面および下方部材29の下面は、鉛直方向に一定間隔を隔てて対向している。鍔部52と下方部材29との間には、外方に向かって一定の傾斜角度で緩やかに下方に傾斜する環状空間S5が形成されている。環状空間S5は、下方円筒空間S3の下端から外方に向かって延びており、下方円筒空間S3に連通されている。
第1気体供給管18から気体吐出ノズル6に供給された窒素ガスは、外構成部材26と筒状部材37との間(上方円筒空間S1、環状空間S2および下方円筒空間S3)を通って環状空間S5に供給され、環状空間S5内を外方に向かって流れていく。そして、環状空間S5の外周縁から気体吐出ノズル6の周囲に向けて吐出される。また、環状空間S5が外方に向かって下方に傾斜しているので、環状空間S5の外周縁からは、斜め下方に向けて窒素ガスが吐出される。環状空間S5の外周縁は、気体吐出ノズル6の外周面において開口する円筒状の気体吐出口55となっている。また、上方円筒空間S1、環状空間S2、下方円筒空間S3および環状空間S5は、気体が流通する気体流通路となっている。
気体吐出口55は、気体吐出ノズル6の下端部に位置しており、当該下端部を全周にわたって取り囲んでいる。したがって、気体吐出ノズル6からは、当該気体吐出ノズル6を中心として360度にわたるほぼ水平な全ての方向に窒素ガスが吐出される。また、図3に示すように、気体吐出口55の幅(鉛直方向への長さ)は小さくされており、気体吐出口55は、気体吐出ノズル6の外周面(側面)に沿ってその周方向に延びるスリット状の吐出口にされているので、流速を低下させずに勢いよく気体吐出口55から窒素ガスを吐出(噴射)させることができる。
気体吐出口55の幅は、外構成部材26と内構成部材27とを軸方向に相対移動させることにより調整することができる。より具体的には、ロックナット42を緩めて、第2雌ねじ孔34と雄ねじ部39とを相対回転させることにより、気体吐出口55の幅を変更することができる。そして、再びロックナット42を締め付けることにより、気体吐出口55の幅を固定することができる。
図5は、気体吐出口55からの窒素ガスの吐出状態の一例を説明するためのスピンチャック3および気体吐出ノズル6の図解的な側面図である。また、図6および図7は、それぞれ、窒素ガスが吹き付けられているときの基板Wの周縁部の図解的な拡大図である。
気体吐出口55から窒素ガスを吐出させることにより、気体吐出ノズル6を中心としてほぼ水平な方向に放射状に広がる窒素ガスの流れ(気流)を形成することができる。また、気体吐出口55から吐出された窒素ガスは、層状となって広がっていくので、気体吐出口55の幅に対応するほぼ一定の厚みを持った窒素ガスの流れ(気体の幕)が気体吐出ノズル6の周囲に形成される。したがって、気体吐出ノズル6を基板Wの上面中央部に近接させた状態で、気体吐出口55から窒素ガスを吐出させることにより、基板Wの上面に沿う窒素ガスの流れを形成して、基板Wの上面を窒素ガスの流れ(気体の幕)によって覆うことができる。
この実施形態では、図5に示すように、気体吐出ノズル6が基板Wの中央部上方に位置する状態で、スピンチャック3に保持された基板Wの上面周縁部に向かう斜め下方の方向に気体吐出口55から窒素ガスが放射状に吐出されるようになっている。したがって、気体吐出ノズル6の周囲には、気体吐出ノズル6を頂点として下方に広がるほぼ円錐状の窒素ガスの流れが形成される。気体吐出口55から吐出された窒素ガスは、層状のまま基板Wの上面周縁部に達しており、気体吐出ノズル6と基板Wとの間の空間を取り囲んでいる。したがって、気体吐出ノズル6と基板Wとの間の空間は窒素ガスの流れによってその周囲の空間から隔離されている。また、スピンチャック3に保持された基板Wの上面は、その全域が気体吐出ノズル6および窒素ガスの流れによって覆われている。
基板Wの上面全域を気体吐出ノズル6および窒素ガスの流れによって覆うことにより、基板Wの上面に向かって飛散してくるパーティクルなどの異物から基板Wを保護することができる。また、処理室2内に漂う処理液のミストが基板Wの上面に達して、基板Wの上面に付着することを抑制または防止することができる。これにより、基板Wの汚染を抑制または防止することができる。また、気体吐出ノズル6と基板Wとの間の空間をその周囲の空間から隔離することにより、気体吐出ノズル6と基板Wとの間の空間にパーティクルなどの異物や処理液のミストが進入することを抑制または防止することができる。これにより、パーティクルなどの異物や処理液のミストが基板Wに付着することを一層確実に抑制または防止することができる。
さらに、気体吐出ノズル6が基板Wの中央部上方に位置する状態で、気体吐出口55から窒素ガスを放射状に吐出させつつ、下面吐出口54から下方に向けて窒素ガスを吐出させることにより、窒素ガスの流れによって取り囲まれた空間から空気を追い出して、基板Wの上方の雰囲気を窒素ガス雰囲気に置換することができる(窒素ガスパージ)。これにより、基板Wの上方の雰囲気が窒素ガス雰囲気にされた状態で基板Wを処理することができる。
基板Wの中央部上方で気体吐出口55から窒素ガスを吐出させるとき、吐出された窒素ガスは、図6に示すように層状のまま基板Wの上面外周縁に当たるように(図6において、上面外周縁を●で示す。)、または基板Wの上面外周縁に当たらずにその近傍を通過するようにされていてもよいし、図7に示すように、層状のまま基板Wの上面周縁部に吹き付けられて、当該上面周縁部に沿って水平に広がっていくようにされていてもよい。吐出された窒素ガスが基板Wの上面外周縁に当たるようにした場合、および基板Wの上面周縁部に吹き付けられるようにした場合には、基板Wの上方の空間を気体吐出ノズル6および窒素ガスの流れにより密閉して、その周囲の空間からパーティクルなどの異物や処理液のミストが基板Wの上方の空間に進入することを一層確実に抑制または防止することができる。これにより、基板Wの汚染を一層確実に抑制または防止することができる。
また、基板Wの上面外周縁または基板Wの上面周縁部に窒素ガスを吹き付けるのであれば、デバイス形成面である表面が上に向けられた状態で基板Wがスピンチャック3に保持されている場合であっても、窒素ガスが吹き付けられる部分は、デバイス形成領域の外方の領域である非デバイス形成領域であるので、基板Wの品質に影響を与えることなく基板Wの処理を行うことができる。むろん、非デバイス形成面である裏面が上に向けられた状態で基板Wがスピンチャック3に保持されている場合には、その上面外周縁または上面周縁部に窒素ガスが吹き付けられても、基板Wの品質に影響を与えることはない。
直径が300mmの円形基板の上面周縁部に窒素ガスを吹き付けるときの具体的な数値を図3を参照しつつ例示すると、気体吐出口55は、高さH1(気体吐出口55の幅)が4mm〜6mm、好ましくは4mmで直径D1が100mmの円筒状をなしており、その下端縁は、気体吐出ノズル6の下面(平板状部材38の下面)から1mm上がった所に位置している。また、環状空間S5は、外方に向かって気体吐出ノズル6の下面に対して5度以下の傾斜角度で下方に傾斜しており、気体吐出口55からは、5度以下の吐出角度で基板Wの上面周縁部に向けて斜め下方に窒素ガスが吐出される。さらに、気体吐出口55からは、その中心軸線が基板Wの回転軸線上に配置され、気体吐出ノズル6の下面と基板Wの上面との鉛直方向への間隔が4mmとなる位置で窒素ガスが吐出される。このとき、気体吐出口55の高さH1が4mmであれば窒素ガスの吐出流量は、300L/minに設定される。
このような条件で、気体吐出口55から窒素ガスを吐出させると、吐出された窒素ガスは、厚みが殆ど増減しない状態で放射状に広がっていき、層状のまま基板Wの上面周縁部に達する。そして、図7に示すように、基板Wの上面周縁部に窒素ガスが吹き付けられて、吹き付けられた窒素ガスが基板Wの上面周縁部に沿って水平に広がっていく。したがって、基板Wの上面において周縁部よりも内方の部分は、その上方に空間が形成された状態で、気体吐出ノズル6および窒素ガスの流れによって覆われる。また、基板Wの上面周縁部は、当該周縁部に沿って窒素ガスが流れていく状態で、窒素ガスの流れによって覆われる。
前記の条件において、気体吐出口55の高さH1は、必ずしも4mm〜6mmでなくてもよいが、気体吐出口55の高さH1を大きくしたときに窒素ガスの流れが基板の上面周縁部まで維持されるようにするには、窒素ガスの流速が一定値以上となるように窒素ガスの吐出流量を増加させなければならない。そのため、気体吐出口55の高さH1を大きくすると窒素ガスの消費量が増加してしまう。したがって、窒素ガスの消費量を低減する観点から気体吐出口55の高さH1は6mm以下であることが好ましい。また、気体吐出口55の高さH1が4mm未満であると、窒素ガスの流れの厚みが薄くなるので、窒素ガスの流れが基板の上面周縁部まで維持されないおそれがある。そのため、基板Wの上面全域を確実に覆うためには、気体吐出口55の高さH1が4mm以上であることが好ましい。したがって、これらの点を考慮すると、前記の条件において気体吐出口55の高さH1は、4mmであることが最も好ましい。
また、気体吐出口55から窒素ガスの吐出角度は、必ずしも5度以下でなくてもよいが、気体吐出口55から基板Wの上面周縁部に向けて斜め下方に窒素ガスを吐出させる場合、基板Wと気体吐出ノズル6との鉛直方向への間隔は、その吐出角度を増加させるほど大きくなる。したがって、気体吐出口55からの窒素ガスの吐出角度を増加させると、基板Wと気体吐出ノズル6との間の空間が大きくなる。そのため、基板Wと気体吐出ノズル6との間の雰囲気を窒素ガスによってパージするときに、その供給流量を増加させなければならない。したがって、基板Wと気体吐出ノズル6との間の雰囲気を少ない供給流量で窒素ガスによってパージするには、気体吐出口55からの窒素ガスの吐出角度は5度以下であることが好ましい。
図8は、基板処理装置による基板Wの処理の一例を説明するための工程図である。以下では、図2、図5および図8を参照して、基板Wの処理の一例について説明する。
未処理の基板Wは、図示しない搬送ロボットによって処理室2に搬入され、デバイス形成面である表面をたとえば上に向けてスピンチャック3に渡される。基板Wが処理室2に搬入されるとき、気体吐出ノズル6などの処理室2内の構成は、スピンチャック3の上方から退避されており、搬送ロボットや基板Wに衝突しないようにされている。
次に、基板Wの表面を薬液としてのフッ酸により処理する薬液処理が行われる(ステップS1)。具体的には、制御部11によりモータ10が制御されて、スピンチャック3に保持された基板Wが所定の回転速度で回転させられる。そして、制御部11により薬液バルブ12が開かれて、薬液ノズル4から基板Wの上面に向けてフッ酸が吐出される。吐出されたフッ酸は、基板Wの上面に着液し、基板Wの回転による遠心力を受けて基板W上を外方に広がっていく。これにより、基板Wの上面全域にフッ酸が供給され、基板Wの表面に対する薬液処理が行われる。
次に、基板Wの表面をリンス液としての純水により洗い流すリンス処理が行われる(ステップS2)。具体的には、制御部11により薬液バルブ12が閉じられた後、リンス液バルブ14が開かれて、リンス液ノズル5から回転状態の基板Wの上面に向けて純水が吐出される。これにより、基板Wの上面全域に純水が供給され、基板Wに付着しているフッ酸が純水によって洗い流される。このようにして、基板Wの表面に対するリンス処理が行われる。
次に、基板W上で純水の液膜を保持させた状態で処理を進める純水によるパドル処理が行われる(ステップS3)。具体的には、リンス液ノズル5からの純水の吐出が継続された状態で、制御部11によりモータ10が制御されて、基板Wが停止状態、または低速回転状態(たとえば10〜30rpm程度の回転速度で回転させられている状態)にされる。基板Wが停止状態、または低速回転状態にされることにより、基板W上から排出される純水の量が減少し、基板W上に純水が溜まっていく(液盛り)。これにより、基板W上に純水の液膜が形成され、基板Wの上面全域がこの液膜によって覆われる。
基板Wが停止状態、または低速回転状態にされてから所定時間経過した後は、リンス液ノズル5からの純水の吐出が停止され、基板W上で純水の液膜が保持された状態が所定時間維持される。これにより、基板Wの表面に対する純水によるパドル処理が行われる。
次に、基板W上の純水の液膜をIPAに置換させるIPA置換処理が行われる(ステップS4)。具体的には、制御部11によりリンス液バルブ14が閉じられた後、ノズル揺動機構24が制御されて、気体吐出ノズル6がスピンチャック3に保持された基板Wの上方に配置される。このとき気体吐出ノズル6は、上方位置(図2に示す位置)に配置されている。
次に、制御部11が処理液バルブ22を開いて、スピンチャック3に保持された基板Wの上面中央部に向けて処理液ノズル21からIPAを吐出させる。また、処理液ノズル21からIPAが吐出されている間、制御部11によりモータ10が制御されて、停止状態、または低速回転状態の基板Wが所定の回転速度まで加速されていく。
処理液ノズル21から吐出されたIPAは、基板Wの上面中央部に着液した後、基板Wの回転による遠心力を受けて加速しながら基板W上を外方に向かって移動していく。そのため、基板W上に保持された純水の液膜は、次々と供給されるIPAによって外方に押し流されていき、基板W上の純水の液膜は基板Wの上面中央部から外方に向けて徐々にIPAに置換されていく。そして、基板W上から純水が排出され、基板W上の液体が純水からIPAに置換される。これにより、基板W上にIPAの液膜が形成される。
このとき基板Wの回転速度は1000rpmまで加速され、その回転速度を維持しつつ基板Wに対するIPAの供給が所定時間にわたって行われる。これにより、基板Wの上面に残留している純水がIPAに置換される。その後、制御部11により処理液バルブ22が閉じられて、処理液ノズル21からのIPAの吐出が停止される。また、IPAによる置換処理において、気体吐出ノズル6を基板Wに近接させずにその上方に位置させることにより、気体吐出ノズル6の下端部がIPAの液膜に埋没することを抑制または防止することができる。
次に、窒素ガスの流れを形成して、この窒素ガスの流れによって基板Wの上面を覆う被覆処理が行われる(ステップS5)。具体的には、基板W上に保持されたIPAの液膜の膜厚を減少させるために、制御部11によりモータ10が制御されて、基板Wの回転速度が高められる。これにより、基板W上のIPAが外方に振り切られて、基板W上のIPAの液量が減少する。したがって、基板W上に保持されたIPAの液膜の膜厚が減少する。
次に、制御部11によりノズル昇降機構25が制御されて、気体吐出ノズル6が上方位置から近接位置(図5に示す位置)に移動させられる。これにより、気体吐出ノズル6の下面が基板Wに近接する位置でその上面中央部に対向する。また、このとき基板W上のIPAの液膜は、その膜厚が減少されているので、気体吐出ノズル6の下端部をIPAの液膜に埋没させずに、基板Wの上面中央部に対向させることができる。
次に、制御部11により第1気体バルブ17が開かれて、基板Wの中央部上方に位置する気体吐出口55からスピンチャック3に保持された基板Wの上面周縁部に向けて窒素ガスが放射状に吐出される。気体吐出口55から窒素ガスを吐出させるタイミングは、たとえば、気体吐出ノズル6が上方位置から近接位置に移動する前であってもよいし、気体吐出ノズル6が近接位置に移動した後であってもよい。
気体吐出口55から放射状に窒素ガスを吐出させることにより、前述のように、気体吐出ノズル6を頂点として下方に広がる円錐状の窒素ガスの流れが形成され、基板Wの上面全域が気体吐出ノズル6および窒素ガスの流れによって覆われる(被覆処理)。また、基板Wと気体吐出ノズル6との間の空間が窒素ガスの流れによって取り囲まれ、その周囲の空間から隔離される。
次に、基板Wの上方の空間から空気を追い出して、基板Wの上方の雰囲気を窒素ガス雰囲気に置換するパージ処理が行われる(ステップS6)。具体的には、気体吐出口55から窒素ガスを吐出させた状態で、制御部11が第2気体バルブ19を開いて、図5に示すように、基板Wの中央部上方に位置する下面吐出口54から下方に向けて窒素ガスを吐出させる。
下面吐出口54から吐出された窒素ガスは、基板Wと気体吐出ノズル6との間の空間に供給され、後続の窒素ガスによって押されて外方に向かって広がっていく。したがって、基板Wと気体吐出ノズル6との間の空間に存在する空気は、下面吐出口54から吐出された窒素ガスによって押し流され、外方へと移動していく。そして、下面吐出口54から吐出された窒素ガスの圧力によって窒素ガスの流れを通過して基板Wと気体吐出ノズル6との間の空間から追い出される。これにより、基板Wの上方の空間から空気が追い出され、基板Wの上方の雰囲気が窒素ガス雰囲気に置換される(パージ処理)。
前述のように、下面吐出口54から吐出される窒素ガスは、気体吐出ノズル6内においてその圧力が弱められたものである。したがって、下面吐出口54から基板Wの上面に向けて窒素ガスが吹き付けられたとしても、基板W上からIPAの液膜が部分的に排除され、基板Wの上面が部分的に露出されることはない。そのため、基板W上面の部分的な乾燥などに起因して、基板Wの品質が低下することはない。
次に、基板Wを乾燥させる乾燥処理(スピンドライ)が行われる(ステップS7)。具体的には、制御部11によりモータ10が制御されて、基板Wが高回転速度(たとえば数千rpm)で回転させられる。これにより、基板W上のIPAに大きな遠心力が作用して、当該IPAが外方へと移動する。そして、窒素ガスの流れを通過して基板Wの周囲に振り切られる。これにより、基板W上からIPAが排除され、基板Wが乾燥する。基板Wの高速回転が所定時間にわたって続けられた後は、モータ10の回転が停止され、スピンチャック3による基板Wの回転が停止される。また、下面吐出口54および気体吐出口55からの窒素ガスの吐出が停止され、気体吐出ノズル6がスピンチャック3の側方に退避させられる。その後、処理済みの基板Wが、搬送ロボットによって処理室2から搬出される。
このように、乾燥処理において、基板Wを気体吐出ノズル6および窒素ガスの流れによって上方から覆うことにより、パーティクルなどの異物や処理液のミストから基板Wの上面を保護して、基板Wの上面にこれらのものが付着することを抑制または防止することができる。したがって、パーティクルなどの異物や処理液のミストによって基板Wが汚染されることを抑制または防止することができる。また、基板Wの上方の雰囲気を窒素ガス雰囲気にした状態で基板Wを乾燥させることにより、ウォータマークなどの乾燥不良が基板Wに生じることを抑制または防止することができる。さらに、基板W上の純水をIPAに置換してから当該基板Wを乾燥させることにより、置換させずに乾燥させた場合に比べて、速やかに基板Wを乾燥させることができる。
以上のように本実施形態では、基板Wの中央部上方に気体吐出ノズル6を位置させた状態で、気体吐出口55から放射状に窒素ガスを吐出させることにより、気体吐出ノズル6を中心として広がる窒素ガスの流れを形成することができる。そして、この窒素ガスの流れおよび気体吐出ノズル6によって基板Wの上面全域を覆って、パーティクルなどの異物や処理液のミストから基板Wの上面を保護することができる。これにより、パーティクルなどの異物や処理液のミストが基板Wに付着して当該基板Wが汚染されることを抑制または防止することができる。
また、気体吐出ノズル6は、スピンチャック3に保持される基板Wよりも直径が小さな比較的小型の部材であるので、処理ユニット1の大型化を抑制することができる。特に、本実施形態では、基板処理装置に複数の処理ユニット1が備えられているので、個々の処理ユニット1の大型化を抑制することにより、基板処理装置全体としての大型化を大幅に抑制することができる。
具体的には、本実施形態のように、水平に離れた複数の場所に処理ユニット1が配置されている場合であっても、個々の処理ユニット1の大型化を抑制することにより、基板処理装置のフットプリント(占有面積)の増加を大幅に抑制することができる。また、本実施形態のように、処理ユニット1が上下に積層されている場合であっても、個々の処理ユニット1の大型化を抑制することにより、基板処理装置の高さの増加を大幅に抑制することができる。
基板処理装置の高さに関しては、気体吐出ノズル6がスピンチャック3の側方に退避するようにされているので、スピンチャック3の上方に気体吐出ノズル6を退避させるための空間を設けなくてもよく、そのため、処理ユニット1の高さの増加を一層抑制することができる。したがって、基板処理装置の高さの増加を大幅に抑制することができる。
この発明の実施の形態の説明は以上であるが、この発明は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。たとえば、前述の実施形態では、スピンチャック3に保持された基板Wの上面周縁部に向かう斜め下方の方向に気体吐出口55から窒素ガスが放射状に吐出されるようになっている場合について説明したが、これに限らない。具体的には、たとえば、図9に示すように、複数の挟持部材9の周囲に向かう斜め下方の方向に気体吐出口55から窒素ガスが放射状に吐出されるようになっていてもよいし、図10に示すように、水平方向に気体吐出口55から窒素ガスが放射状に吐出されるようになっていてもよい。
複数の挟持部材9の周囲に向けて気体吐出口55から窒素ガスを吐出させた場合には、気体吐出ノズル6を頂点として広がる円錐状の窒素ガスの流れを形成することができ、この窒素ガスの流れにより取り囲まれた空間に、スピンチャック3に保持された基板Wおよび複数の挟持部材9を位置させることができる。したがって、基板Wと気体吐出ノズル6との間の空間、および複数の挟持部材9の周囲の空間を窒素ガスの流れによってその周囲の空間から隔離することができ、これらの空間を清浄に保つことができる。そのため、スピンチャック3に保持された基板Wを回転させたときに、挟持部材9の回転によってその周囲の気流が乱れて、挟持部材9の周囲の雰囲気が基板Wの近傍の空間に進入したとしても、進入した雰囲気が清浄にされているため、この雰囲気に晒されることにより基板Wが汚染されることを抑制または防止することができる。また、基板Wの上面だけでなく、下面および周端面も窒素ガスの流れによって保護することができるので、基板W全体の汚染を抑制または防止することができる。
また、前述の実施形態では、処理液ノズル21内に1つの流路が形成されていて、処理液ノズル21から1種類の処理液(IPA)が吐出される場合について説明したが、これに限らない。たとえば図11に示すような、複数の流路をその内部に有するノズルを処理液ノズルとして採用してもよい。この図11に示す処理液ノズル121は、その長手方向に延びるそれぞれ分離された3つの流路56をその内部に有していて、3つの流路56に供給された処理液をその一端に形成された3つの処理液吐出口57からそれぞれ吐出することができる。したがって、3つの流路56にそれぞれ異なる種類の処理液を供給すれば、処理液ノズル121から複数種の処理液を吐出させることができる。また、いずれかの流路56に気体を供給すれば、処理液ノズル121から処理液だけでなく気体を吐出させることもできる。したがって、前述の実施形態の気体吐出ノズル6において中心貫通孔44と処理液ノズル21を設ける代わりに処理液ノズル121を円柱状部材36に挿入し、いずれかの流路56から窒素ガスを吐出し、他のいずれかの流路56からIPAを吐出する構成としてもよい。また、残りの流路56からは純水を吐出させるようにして、リンス処理を行えるようにしてもよく、その場合はリンス液ノズル5を省くことができる。
さらに、前述の実施形態では、リンス処理の後にIPA置換処理を行い、その後スピンドライ処理を行う処理プロセスにおいて、気体吐出ノズル6を用いたが、これ以外の処理プロセスであってもよい。たとえば、リンス処理後にIPA置換処理を行わないでスピンドライ処理を行う処理プロセスにおいて、スピンドライ処理を行う際に気体吐出ノズル6から窒素ガスを吐出するようにしてもよい。
また、前述の実施形態では、基板Wが、円形基板である場合について説明したが、基板Wとしては、円形基板に限らず、たとえば長方形基板などの多角形基板であってもよい。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
本発明の一実施形態に係る基板処理装置のレイアウトを示す図解的な平面図である。 本発明の一実施形態に係る基板処理装置に備えられた処理ユニットの概略構成を示す模式図である。 気体吐出ノズルの図解的な縦断面図である。 気体吐出ノズルの図解的な底面図である。 気体吐出口からの窒素ガスの吐出状態の一例を説明するためのスピンチャックおよび気体吐出ノズルの図解的な側面図である。 窒素ガスが吹き付けられているときの基板の周縁部の図解的な拡大図である。 窒素ガスが吹き付けられているときの基板の周縁部の図解的な拡大図である。 基板処理装置による基板の処理の一例を説明するための工程図である。 気体吐出口からの窒素ガスの吐出状態の他の例を説明するためのスピンチャックおよび気体吐出ノズルの図解的な側面図である。 気体吐出口からの窒素ガスの吐出状態のさらに他の例を説明するためのスピンチャックおよび気体吐出ノズルの図解的な側面図である。 本発明の他の実施形態に係る処理液ノズルの図解的な外観図である。
符号の説明
3 スピンチャック
6 気体吐出ノズル
9 挟持部材
10 モータ
18 第1気体供給管
55 気体吐出口
W 基板

Claims (12)

  1. 基板を保持する基板保持手段と、
    前記基板保持手段に保持された基板の中央部近傍に位置するように配置された、基板よりも小さい柱状の気体吐出ノズと、
    前記気体吐出ノズルに気体を供給する気体供給手段とを含み、
    前記気体吐出ノズルの外表面の一部である外周面で環状に開口するスリット状の第1の気体吐出口が前記気体吐出ノズルに形成されており、前記気体供給手段から供給された気体を吐出する第2の気体吐出口が前記基板保持手段に保持された基板に対向する前記気体吐出ノズルの下面に形成されており、前記気体吐出ノズルは、前記第1の気体吐出口から前記基板保持手段に保持された基板の周縁部に向けて基板に沿って気体を放射状に吐出することにより、基板を覆うための気体の流れを形成する、基板処理装置。
  2. 前記第1の気体吐出口からは斜め下方向または水平方向に気体が吐出される、請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記第1の気体吐出口から気体を吐出することにより前記基板の上面を前記第1の気体吐出口から吐出された気体によって覆う被覆工程を実施すると共に、前記第2の気体吐出口から気体を吐出することにより前記基板の上方の雰囲気を前記第2の気体吐出口から吐出された気体に置換する雰囲気置換工程を前記被覆工程と並行して実施する、請求項に記載の基板処理装置。
  4. 前記第1の気体吐出口から気体を吐出することにより前記基板の上面を前記第1の気体吐出口から吐出された気体によって覆う被覆工程を開始し、その後、前記第2の気体吐出口から気体を吐出することにより前記基板の上方の雰囲気を前記第2の気体吐出口から吐出された気体の雰囲気に置換する雰囲気置換工程を開始する、請求項に記載の基板処理装置。
  5. 前記気体供給手段から前記気体吐出ノズルに供給される気体は、不活性ガス、乾燥空気およびクリーンエアのいずれかである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  6. 前記基板の上面に処理液の液膜を形成する液膜形成手段をさらに含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  7. 前記第2の気体吐出口から吐出される気体を前記第2の気体吐出口に導く気体供給流路であって、上流端の開口面積が下流端の開口面積よりも狭い気体供給流路が、前記気体吐出ノズルに形成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  8. 基板保持手段によって基板を保持する基板保持工程と、
    前記基板の上面にリンス液の液膜を形成する液膜形成工程と、
    前記液膜形成工程で形成された前記リンス液の液膜をIPA液の液膜に置換するIPA置換工程と、
    前記基板の中央部近傍に位置するように配置され、前記基板上面の中央部に対向した、前記基板よりも小さい柱状の気体吐出ノズルの外表面の一部である外周面で環状に開口するスリット状の第1の気体吐出口から前記基板の周縁部に向けて前記基板に沿って気体を放射状に吐出することにより、前記基板の周縁部に向かって放射状に広がる基板を覆うための気体の流れを形成し、前記基板上面および当該基板上面に形成された前記液膜を、気体供給手段から前記気体吐出ノズルに供給され前記第1の気体吐出口から吐出された気体で被覆する被覆工程と、
    前記被覆工程と並行して、前記気体供給手段から前記気体吐出ノズルに供給された気体を、前記基板に対向する前記気体吐出ノズルの下面で開口する第2の気体吐出口から前記基板の中心部に向けて吐出することにより、前記基板および液膜の上方の雰囲気を前記第2の気体吐出口から吐出された気体により置換するパージ工程と、を含む、基板処理方法。
  9. 前記第1の気体吐出口からは斜め下方向または水平方向に気体が吐出される、請求項に記載の基板処理方法。
  10. 前記パージ工程において、気体は、前記基板上の前記IPAの液膜が部分的に排除されて前記基板の上面が部分的に露出しない圧力で、前記第2の気体吐出口から前記基板の中心部に向けて吐出される、請求項に記載の基板処理方法。
  11. 前記基板を回転させて前記基板上の液体を排除することにより、前記被覆工程およびパージ工程と並行して前記基板を乾燥させる乾燥工程をさらに含む、請求項8〜10のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  12. 前記気体供給手段から前記気体吐出ノズルに供給される気体は、不活性ガス、乾燥空気およびクリーンエアのいずれかである、請求項8〜11のいずれか一項に記載の基板処理方法。
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