JP6555706B2 - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents

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この発明は、基板処理方法および基板処理装置に関する。処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板等が含まれる。
半導体装置や液晶表示装置などの製造工程では、半導体ウエハや液晶表示装置用ガラス基板などの基板を1枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置が用いられる。枚葉式の基板処理装置は、たとえば、基板を水平に保持して回転させる基板保持機構と、基板保持機構に保持された基板の上面に薬液を供給するノズルとを備えている。
特許文献1には、薬液のパドル処理が開示されている。この薬液のパドル処理では、基板保持機構によって基板の回転速度を零または低速にしながら、薬液ノズルから基板の上面中央部に向けて薬液を吐出させる。これにより、基板の上面に薬液の液膜が形成される。薬液の液膜が基板の上面全域に拡がった後は、基板への処理液の供給が停止される。
薬液のパドル処理では、基板の上面に薬液の液膜が保持(形成)された後、基板への薬液の供給が停止されるから、薬液の消費量の低減を図りながら、基板の上面を処理することができる。
特開2013−206984号公報
特許文献1のパドル処理では、基板上における薬液の保持は、専ら重力および表面張力に依存している。そのため、薬液の液膜が基板上に安定して保持されておらず、そのため、液膜に含まれる薬液量が少ない。基板の上面に供給された薬液は、時間の経過に伴って劣化(つまり、薬液に含まれる薬効成分の量が減少)する。したがって、液膜に含まれる薬液量が少ない場合には、比較的短時間のうちに、液膜中の薬効成分が存在しなくなり、その結果、薬液の液膜の処理性能は短時間のうちに低下する。したがって、特許文献1に記載のパドル処理では、薬液処理を、基板の上面に良好に施すことができない。
このような課題は、基板の回転速度を零または低速するパドル処理に限らず、基板の回転速度をそれ以上の速度で回転させる場合の処理にも共通する。
仮に、薬液の液膜の薬液量を従来よりも増大できれば、薬液の液膜に薬効成分が長時間存在するから、薬液の処理性能が高く維持され、薬液処理を基板の上面に良好に施すことができ、望ましい。
そこで、この発明の目的は、基板の上面に保持される薬液の液膜の薬液量を増大させることが可能であり、これにより、薬液処理を、基板の上面に良好に施すことができる、基板処理方法および基板処理装置を提供することである。
前記の目的を達成するための請求項1に記載の発明は、基板保持手段によって水平姿勢に保持されている基板の上面に薬液を供給して、前記基板の上面の全域を覆う薬液の液膜を形成する液膜形成工程と、前記液膜の周縁部の全周に向かう環状の気流であって、前記液膜の周縁部から流出しようとする薬液と干渉して前記液膜の周縁部を前記基板の上面中央部に向けて押すことにより、前記周縁部からの薬液の流出を抑制または阻止する気流を形成する気流形成工程とを含む、基板処理方法を提供する。
この方法によれば、基板の上面に薬液の液膜が形成される。また、基板周辺から、液膜の周縁部に向かう気流が形成され、この気流が、液膜の周縁部の薬液を基板の中央部に向けて押す。そのため、基板の周縁部からの薬液の流出を効果的に抑制でき、比較的多量の薬液を基板の上面に溜めることができる。これにより、液膜の薬液量を増大させることが可能である。ゆえに、薬液処理を、基板の上面に良好に施すことができる。
請求項2に記載の発明は、前記気流形成工程によって形成される前記気流は、前記基板の上面周縁部の周囲の領域において上方に向けて流れる上向きの気流を含む、請求項1に記載の基板処理方法である。
この明細書において、「上方に向けて流れる上向きの気流」とは、鉛直上方に向けて流れる気流だけでなく、鉛直方向に対して傾斜する傾斜方向に沿って流れる気流を含む趣旨である。この傾斜方向は、基板の上面中央部側に向けて傾斜する方向であってもよいし、基板の周縁部に沿う方向に向けて傾斜する方向であってもよい。
この方法によれば、基板の周縁部の周囲に上向きの気流が形成される。基板の上面の薬液が上向きの気流を乗り越えることは困難であるから、この上向きの気流によって、基板の上面周縁部から基板の側方への薬液の移動が阻止される。そのため、基板の上面周縁部において薬液が堰き止められる。これにより、液膜の周縁部を嵩高く保持できるから、液膜の厚みを分厚くすることも可能である。その結果、液膜の薬液量を、より一層増大させることが可能である。
請求項3に記載の発明は、前記気流形成工程によって形成される前記気流は、前記基板の側方から前記液膜の周縁部に向かう内向きの気流を含む、請求項1または2に記載の基板処理方法である。
この明細書において、「基板の側方から薬液の液膜の周縁部に向かう内向きの気流」とは、水平に向けて流れる気流だけでなく、水平に対して傾斜する傾斜方向に沿って流れる気流を含む趣旨である。この傾斜方向は、気流の流通方向に向かうに従って上方に向かう方向であってもよいし、気流の流通方向に向かうに従って下方に向かう方向であってもよい。
薬液の液膜に含まれる薬液の劣化度合いが、当該液膜の内部で偏っていることがある。このような薬液の液膜では、液膜中の薬効成分の面内分布が不均一であり、このような薬液の液膜を用いて基板の上面を処理すると、基板の上面に処理ムラが生じるおそれがある。
この方法によれば、基板の側方から薬液の液膜の周縁部に向かう内向きの気流が形成される。内向きの気流は、液膜の周縁部の薬液に気体を吹き付ける。気体を吹き付けられた薬液は、基板の中央部に向けて強い力で押されて、基板の中央部に向けて移動する。これにより、液膜に含まれる薬液を撹拌できる。ゆえに、液膜に含まれる薬液を、液膜の内部で混合することができ、これにより、液膜中の薬効成分の分布を均一に近づけることができる。これにより、基板の上面に対し薬液処理を均一に施すことができる。
請求項4に記載の発明は、前記液膜形成工程に並行して、前記基板を鉛直方向に延びる回転軸線まわりに回転させる基板回転工程をさらに含み、前記内向きの気流は、前記基板の上面周縁部において、前記内向きの気流の線速度方向が、前記基板の回転半径方向の内向きの成分を有する、請求項3に記載の基板処理方法である。
この方法によれば、基板の回転による遠心力を受けて、液膜の周縁部の薬液は、基板周縁部から基板外に流出しようとする。薬液の液膜の周縁部に向けて流れる内向きの気流の線速度方向が、基板の回転半径方向の内向きの成分を有しているので、基板の上面周縁部から基板外に流出しようとする薬液を、基板の上面中央部に向けて強い力で押すことができる。これにより、より多量の薬液を基板の上面に溜めることが可能であり、薬液の液膜の薬液量を増大させることが可能である。
請求項5に記載の発明は、前記気流形成工程によって形成される前記気流は、筒状をなしている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理方法である。
この明細書において、「筒状」は、円筒状、コーン状、角形筒状を含む趣旨である。
この方法によれば、前記気流が筒状をなしているから、基板の全周に亘って、上面周縁部からの薬液の流出を抑制できる。これにより、基板の上面に保持される液膜の薬液量を、より一層増大させることが可能である。
前記の目的を達成するための請求項6に記載の発明は、基板保持手段によって水平姿勢に保持されている基板の上面に薬液を供給して、前記基板の上面の全域を覆う薬液の液膜を形成する液膜形成工程と、前記液膜の周縁部の全周に向かう環状の気流によって、前記周縁部から流出しようとする薬液と干渉して前記液膜の周縁部を前記基板の上面中央部に向けて押し、前記周縁部からの薬液の流出を抑制または阻止することにより前記液膜の厚みを厚くする液膜厚増加工程とを含む、基板処理方法を提供する。
この方法によれば、請求項1に関連して説明した作用効果と同等の作用効果を奏する。
請求項に記載の発明は、前記液膜形成工程は、前記基板の回転を停止させながら、または基板の上面に薬液をパドル状に保持可能な所定のパドル速度で前記基板を回転させながら、前記基板の上面に薬液を供給するパドル工程を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の基板処理方法である。
基板の回転速度が零またはパドル速度である場合、基板の上面の薬液に作用する遠心力が零または小さい。加えて、基板には、液膜の周縁部の薬液を基板の中央部に向けて押す気流が形成される。これにより、液膜に含まれる薬液の量をより一層増大できる。
請求項に記載の発明は、前記液膜形成工程は、前記基板の上面と、前記基板の上面に対向するように配置された対向面との間の空間を薬液により液密状態にすることにより前記液膜を形成する、請求項1〜のいずれか一項に記載の基板処理方法である。
この構成によれば、基板の上面と対向面との間の空間を薬液により液密状態にすることにより、基板の上面に液膜が形成される。この場合、液膜の厚みを分厚く形成できるから、液膜に含まれる薬液量をより一層増大できる。
請求項に記載の発明は、前記液膜が基板の上面の全域を覆った後に、前記基板への薬液の供給を停止する薬液供給停止工程をさらに含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の基板処理方法である。
この方法によれば、基板の上面に薬液の液膜が形成された後、基板の上面への薬液の供給が停止される。液膜に多量の薬液が含まれるから、液膜に薬液を補充しなくても、薬液の処理性能が高く維持される。これにより、薬液の消費量の低減を図りつつ、薬液処理を、基板の上面に良好に施すことができる。
前記の目的を達成するための請求項10に記載の発明は、基板を水平姿勢に保持する基板保持手段と、前記基板の上面に薬液を供給するための薬液供給手段と、前記基板の上面周縁部または当該上面周縁部の周囲の領域に向けて気体を吐出するための気体吐出手段と、前記薬液供給手段および前記気体吐出手段を制御する制御装置とを含み、前記制御装置は、前記薬液供給手段によって、前記基板の上面に薬液を供給して、前記基板の上面の全域を覆う薬液の液膜を形成する液膜形成工程と、前記気体吐出手段によって、前記液膜の周縁部の全周に向かう環状の気流であって、前記液膜の周縁部から流出しようとする薬液と干渉して前記液膜の周縁部を前記基板の上面中央部に向けて押すことにより、前記周縁部からの薬液の流出を抑制または阻止する気流を形成する気流形成工程とを実行する、基板処理装置を提供する。この構成によれば、請求項1に関連して説明した作用効果と同等の作用効果を奏する。
前記の目的を達成するための請求項11に記載の発明は、基板を水平姿勢に保持する基板保持手段と、前記基板の上面に薬液を供給するための薬液供給手段と、前記基板の上面周縁部または当該上面周縁部の周囲の領域に向けて気体を吐出するための気体吐出手段と、前記薬液供給手段および前記気体吐出手段を制御する制御装置とを含み、前記制御装置は、前記薬液供給手段によって、前記基板の上面に薬液を供給して、前記基板の上面の全域を覆う薬液の液膜を形成する液膜形成工程と、前記気体吐出手段から吐出される環状の気流によって、前記液膜の周縁部から流出しようとする薬液と干渉して前記周縁部を前記基板の上面中央部に向けて押し、前記周縁部からの薬液の流出を抑制または阻止することにより前記液膜の厚みを厚くする液膜厚増加工程とを実行する、基板処理装置を提供する。この構成によれば、請求項1に関連して説明した作用効果と同等の作用効果を奏する。
請求項1に記載の発明は、前記気体吐出手段は、前記基板の上面周縁部の周囲の領域に向けて上向きに気体を吐出する第1の気体吐出手段を含む、請求項10または11に記載の基板処理装置である。この構成によれば、請求項2に関連して説明した作用効果と同等の作用効果を奏する。
請求項1に記載の発明は、前記気体吐出手段は、前記基板の側方から前記液膜の周縁部に向けて内向きに気体を吐出する第2の気体吐出手段を含む、請求項10〜12のいずれか一項に記載の基板処理装置である。この構成によれば、請求項3に関連して説明した作用効果と同等の作用効果を奏する。
請求項1に記載の発明は、前記基板処理装置は、前記基板の上面周縁部に所定のクリアランスを隔てて対向配置させられる周縁部対向面を有する対向部材をさらに含み、前記気体吐出手段は、前記クリアランスに向けて気体を吐出する、請求項10〜13のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、クリアランスによって、気体吐出手段から吐出された気体のクリアランスへの流入が制限されるので、これにより、気流を液膜に作用させ易い。
請求項1に記載の発明は、前記周縁部対向面は、前記基板の上面周縁部から前記基板の側方に流出する薬液を前記基板の上面へ案内する、請求項1に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、クリアランスが気流によって塞がれる。そのため、基板の上面周縁部から基板の側方へと移動した薬液は、周縁部対向面によって基板の上面へと案内され、薬液の液膜に戻される。そのため、基板の上面からの薬液が流出しない。したがって、基板の上面に薬液を多量に溜めることができる。
請求項1に記載の発明は、前記気体吐出手段は、前記基板の上面周縁部の全周または当該上面周縁部の周囲の領域の全周に対向するリング状の気体吐出口を含む、請求項10〜15のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、気体吐出口を、前記基板の上面周縁部の全周または当該上面周縁部の周囲の領域の全周に対向するリング状に設けることにより、薬液の液膜の周縁部に向かう筒状の気流を形成することができる。気流の形状が筒状をなしていると、基板の全周に亘って、上面周縁部からの薬液の流出を抑制できる。これにより、基板の上面に保持される薬液の液膜の薬液量を、より一層増大させることが可能である。
本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置の構成を模式的に示す図である。 スピンチャックおよび気体吐出ノズルの構成を示す平面図である。 第1の実施形態に係る基板処理装置によって実行される処理例の概略を示すタイムチャートである。 前記処理例に含まれる薬液パドル工程における基板の状態を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る基板処理装置の構成を図解的に示す図である。 第2の気体吐出口から吐出される不活性ガスによって形成される気流を説明するための模式的な図である。 第2の実施形態に係る基板処理装置によって実行される薬液パドル工程における基板の状態を示す図解的な断面図である。 前記薬液パドル工程における基板の状態を示す図解的な平面図である。 本発明の第3の実施形態に係る基板処理装置の構成を図解的に示す図である。 第3の気体吐出口から吐出される不活性ガスによって形成される気流を説明するための模式的な図である。 第3の実施形態に係る基板処理装置によって実行される処理例の概略を示すタイムチャートである。 第3の実施形態に係る基板処理装置によって実行される薬液パドル工程における基板の状態を示す図解的な断面図である。 第3の実施形態の第1の変形例に係る基板処理装置によって実行される薬液パドル工程における基板の状態を示す図解的な断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る基板処理装置の構成を図解的に示す図である。 第4の実施形態に係る基板処理装置によって実行される処理例の概略を示すタイムチャートである。 第4の実施形態に係る気流の流れを図解的に示す側面図である。 第4の実施形態に係る基板処理装置によって実行される薬液パドル工程における基板の状態を示す図解的な断面図である。 本発明の第2の変形例を説明するための図である。 本発明の第3の変形例を説明するための図である。 本発明の第4の変形例を説明するための図である。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置1の構成を模式的に示す図である。図2は、スピンチャック(基板保持手段)3および第1の気体吐出ノズル22の構成を示す平面図である。
基板処理装置1は、円形の半導体ウエハ等の基板Wのデバイス形成領域側の表面に対して、処理流体としての処理液(薬液およびリンス液)を用いた処理(洗浄処理やエッチング処理など)を施すための枚葉型の装置である。
図1に示すように、基板処理装置1は、隔壁(図示しない)により区画された処理室2と、処理室2内に収容され、基板Wを保持して回転させるスピンチャック3と、スピンチャック3に保持されている基板Wの表面(上面)に薬液(たとえばフッ酸(HF))を供給するための薬液供給ユニット(薬液供給手段)4と、スピンチャック3に保持されている基板Wの表面(上面)にリンス液を供給するためのリンス液を供給するためのリンス液供給ユニット5と、スピンチャック3に保持されている基板Wの側方に向けて上向きに気体を吐出する第1の気体吐出ユニット(第1の気体吐出手段)7と、スピンチャック3を取り囲む円筒状の処理カップ8と、基板処理装置1に備えられた装置の動作やバルブの開閉を制御する制御装置9とを含む。
スピンチャック3として、基板Wを水平方向に挟んで基板Wを水平に保持する挟持式のものが採用されている。具体的には、スピンチャック3は、スピンモータ(基板回転手段)10と、このスピンモータ10の駆動軸と一体化されたスピン軸11と、スピン軸11の上端に略水平に取り付けられた円板状のスピンベース12とを含む。スピンチャック3は、基板Wを回転軸線A1まわりに回転させる。
図2に示すように、スピンベース12の上面には、その周縁部に複数個(3個以上。図2では6個)の挟持部材13が配置されている。複数個の挟持部材13は、スピンベース12の上面周縁部において、基板Wの外周形状に対応する円周上で適当な間隔を空けて配置されている。図2には、スピンチャック3に基板Wが非保持の状態を示している。
また、スピンチャック3としては、挟持式のものに限らず、たとえば、基板Wの裏面を真空吸着することにより、基板Wを水平な姿勢で保持し、さらにその状態で鉛直な回転軸線まわりに回転することにより、スピンチャック3に保持された基板Wを回転させる真空吸着式のもの(バキュームチャック)が採用されてもよい。
図1に示すように、薬液供給ユニット4は、薬液を基板Wの上面に向けて吐出する薬液ノズル14と、薬液ノズル14が先端部に取り付けられたノズルアーム15と、ノズルアーム15を移動させることにより、薬液ノズル14を移動させるノズル移動ユニット16とを含む。
薬液ノズル14は、たとえば、連続流の状態で薬液を吐出するストレートノズルであり、たとえば基板Wの上面に垂直な方向に薬液を吐出する垂直姿勢でノズルアーム15に取り付けられている。ノズルアーム15は水平方向に延びており、スピンチャック3の周囲で鉛直方向に延びる揺動軸線(図示しない)まわりに旋回可能に設けられている。
薬液供給ユニット4は、薬液ノズル14に薬液を供給するための第1の薬液配管17と、第1の薬液配管17を開閉する第1の薬液バルブ18とを含む。第1の薬液バルブ18が開かれると、薬液供給源からの薬液(たとえばフッ酸)が、第1の薬液配管17から薬液ノズル14に供給される。これにより、薬液ノズル14から薬液が吐出される。
ノズル移動ユニット16は、揺動軸線まわりにノズルアーム15を旋回させることにより、平面視で基板Wの上面中央部を通る軌跡に沿って薬液ノズル14を水平に移動させる。ノズル移動ユニット16は、処理位置とホーム位置との間で、薬液ノズル14を水平に移動させる。薬液ノズル14の処理位置は、薬液ノズル14から吐出された薬液が、基板Wの上面中央部に着液するような位置である。薬液ノズル14のホーム位置は、平面視でスピンチャック3の外側に設定された位置である。
薬液ノズル14は、薬液ノズル14の吐出口が基板Wの上面中央部に向けて固定的に配置された固定ノズルであってもよい。
リンス液供給ユニット5は、スピンチャック3に保持されている基板Wに向けてリンス液を吐出するリンス液ノズル19と、リンス液ノズル19にリンス液を供給する第1のリンス液配管20と、第1のリンス液配管20からリンス液ノズル19へのリンス液の供給および供給停止を切り替える第1のリンス液バルブ21とを含む。リンス液ノズル19は、この実施形態では、リンス液ノズル19の吐出口が静止された状態でリンス液を吐出する固定ノズルである。リンス液供給ユニット5は、リンス液ノズル19を移動させることにより、基板Wの上面に対するリンス液の着液位置を移動させるリンス液ノズル移動装置を備えていてもよい。
第1のリンス液バルブ21が開かれると、第1のリンス液配管20からリンス液ノズル19に供給されたリンス液が、リンス液ノズル19から基板Wの上面中央部に向けて吐出される。リンス液は、たとえば、純水(脱イオン水:Deionzied Water)である。リンス液は、純水に限らず、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水および希釈濃度(たとえば、10〜100ppm程度)の塩酸水のいずれかであってもよい。
第1の気体吐出ユニット7は、リング状の第1の気体吐出ノズル22と、不活性ガス供給源からの不活性ガスを第1の気体吐出ノズル22に供給するための第1のガス配管23と、第1のガス配管23を開閉する第1のガスバルブ24とを含む。
不活性ガス供給源から供給される不活性ガスとして、たとえば窒素ガス(N)を例示できる。不活性ガスは、窒素ガスやアルゴンガス(Ar)等の狭義の不活性ガスの他、エアーなどの周囲に影響を与えないガスを含む。
第1の気体吐出ノズル22は、スピンチャック3の周囲を包囲するように配置されている。第1の気体吐出ノズル22は、図2に示すようにリング状(無端状)の第1のノズル体25と、第1のノズル体25の上端面に形成されたリング状の第1の気体吐出口26とを有している。第1の気体吐出ノズル22は、処理カップ8に支持されていてもよいし、ノズルアーム15とは別の専用の支持部材(図示しない)に支持されていてもよい。第1の気体吐出口26は、スピンチャック3に保持される基板Wよりも上下方向に関し下方に配置されている。第1の気体吐出口26は、スピンチャック3に保持される基板Wの側方に設定されるリング状領域(基板Wの上面周縁部の周囲の領域)27に向けて、リング状領域27の下方から、上向きかつリング状の不活性ガスを吐出する。この実施形態では、第1の気体吐出口26からの不活性ガスの吐出方向は、鉛直上向きである。
第1のガスバルブ24が開かれると、不活性ガス供給源からの不活性ガスが第1のガス配管23を通って第1の気体吐出ノズル22に供給され、第1の気体吐出口26からリング状領域27に向けてリング状に不活性ガスが吐出される。
図3は、基板処理装置1によって実行される処理例の概略を示すタイムチャートである。図4は、前記処理例に含まれる薬液パドル工程(ステップS3)における基板Wの状態を示す断面図である。図4では、薬液の液膜29形成中の状態(すなわち、薬液の吐出状態)を示している。
基板処理装置1によって実行される処理例として、基板Wの表面(処理対象面)に形成された酸化膜をエッチングにより除去する洗浄処理を例に挙げる。以下、図1および図3を参照しつつ、処理例について説明する。図4については、適宜参照する。
この洗浄処理の実行に際しては、搬送ロボット(図示しない)が制御されて、処理室2内に未処理の基板Wが搬入される(ステップS1)。
基板Wは、その表面を上方に向けた状態でスピンチャック3に受け渡される。このとき、基板Wの搬入の妨げにならないように、薬液ノズル4は、スピンチャック3の側方に設定されたホーム位置に配置されている。
スピンチャック3に基板Wが保持されると、制御装置9はスピンモータ10を制御して、基板Wを回転軸線A1まわりに回転開始させる(ステップS2)。基板Wは予め定めるパドル速度(たとえば、0〜50rpmの範囲内で、たとえば30rpm)に維持される。
基板Wの回転速度がパドル速度に達すると、次いで、制御装置9は、基板Wの上面に当該上面を覆う薬液の液膜29をパドル状に保持する薬液パドル工程(ステップS3)の実行を開始する。この明細書において、「パドル速度」とは、基板Wの上面に保持される液を、次に述べる「パドル状」に保持できる基板Wの回転速度であり、零または低速である。また、「パドル状」とは、基板Wの上面の液(薬液)に零または小さな遠心力しか作用せず、その結果、基板Wの上面に液が表面張力および重力により滞留して液膜を形成する状態をいう。この状態においては、基板Wの上面の液膜に作用する遠心力が、基板Wの上面と液膜との間で作用する表面張力および重力の和よりも小さいかあるいは拮抗している。
また、基板Wの回転速度がパドル速度に達すると、制御装置9は、第1のガスバルブ24を開いて、第1の気体吐出ノズル22の第1の気体吐出口26から不活性ガスをリング状かつ鉛直上向きに吐出する(ステップS4)。このときの第1の気体吐出口26からの不活性ガスの吐出流量は、たとえば50L/min(リットル/分)に設定されている。第1の気体吐出口26から吐出された不活性ガスは、スピンチャック3に保持された基板Wの側方を鉛直上方に向けて流れ、これにより、基板Wの側方に、基板Wの周囲を包囲する円筒状の鉛直上向きの気流(上向きの気流)28が形成される(気流形成工程)。気流28はカーテン状に形成されている。
また、基板Wの回転速度がパドル速度に達すると、制御装置9は、ノズル移動ユニット16を制御して、薬液ノズル14を基板Wの上方に移動させ、薬液ノズル14を基板Wの回転中心上(回転軸線A1上)に配置させる。
薬液ノズル14が基板Wの上面中央部の上方に配置されると、制御装置9は、第1の薬液バルブ18を開き、薬液ノズル14から基板Wの上面中央部に向けて薬液(たとえばフッ酸)を吐出する(ステップS5)。
基板Wの上面中央部に供給された薬液は、基板Wの上面中央部に着液し、後続の薬液によって押されて基板W上を外方に広がっていく。基板Wがパドル速度で回転しているから、薬液に作用する遠心力は小さい。そのため、基板Wに供給された薬液は、基板Wの周囲に飛散せずに基板W上に溜まる。これにより、基板Wの上面の全域に、薬液の液膜29がパドル状に保持される(ステップS3:薬液パドル工程(液膜形成工程))。
また、薬液パドル工程(ステップS3)では、気流28により、気流28の内側の空間が、気流28の外側から遮断される。基板W上の液膜29に含まれる薬液が気流28を乗り越えて当該気流28の内外を移動することは困難であるから、気流28によって、基板Wの上面周縁部30から基板Wの側方への薬液の移動が阻止される。すなわち、気流28によって、基板Wの上面周縁部30の全周において薬液が堰き止められ、そのため、基板Wの上面周縁部30からの薬液の流出はほとんどない。そのため、液膜29の周縁部29Aが嵩高く保持される。したがって、基板Wの上面に、厚みの分厚い液膜29が形成される。この場合、基板Wの側方に気流28を形成しない場合の薬液の液膜(図4に二点鎖線で図示)の厚みt0と比較して、基板Wの上面に形成される液膜29の厚みt1が分厚い。
薬液の吐出開始から予め定める時間が経過すると、制御装置9は、第1の薬液バルブ18を閉じて、薬液ノズル14からの薬液の吐出を停止する。また、制御装置9は、ノズル移動ユニット16を制御して、薬液吐出停止後の薬液ノズル14を、ホーム位置に戻す。
薬液の吐出停止後も、基板Wの回転速度は、パドル速度に維持されている。また、第1の気体吐出口26からの不活性ガスの吐出も続行されており、そのため、基板Wの周囲を包囲する円筒状の気流28も引き続き形成されている。したがって、薬液の液膜29の厚みは、分厚い(厚みがt1)まま維持されている。
分厚い液膜29を用いて、基板Wの上面が洗浄処理される。分厚い液膜29は、薬液の液膜29に含まれる薬液量が、基板Wの側方に気流28を形成しない場合の液膜(図4に二点鎖線で図示)と比較して多く、そのため、薬液の液膜29に薬効成分が長時間存在するから、液膜29の薬液処理性能が高い。このような分厚い液膜29を用いるから、薬液パドル工程(ステップS3)における薬液処理効率(洗浄効率)を向上させることができる。
薬液の吐出停止から予め定める時間が経過すると、制御装置9は、スピンモータ10を制御して基板Wの回転速度を、パドル速度から液処理速度(たとえば約300rpm)まで上昇させ、この液処理速度に維持する。これにより、基板Wの上面の薬液は、基板Wの回転による遠心力を受けて基板Wの上面周縁部30から飛散し、その結果、基板Wの上面から液膜29は消滅する。
次いで、リンス液を基板Wに供給するリンス工程(ステップS7)が行われる。具体的には、制御装置9は、第1のリンス液バルブ21を開いて、リンス液ノズル19からのリンス液を、基板Wの上面中央部に向けて吐出する。基板Wの上面中央部に着液したリンス液は、基板Wの回転による遠心力を受けて基板Wの上面を基板Wの上面周縁部30に向けて流れる。これにより、基板Wの上面の全域において薬液が洗い流される。基板Wの上面に供給されたリンス液は、基板Wの上面周縁部30から基板Wの側方に向けて飛散し、処理カップ8に受け止められた後、排液処理される。リンス液の吐出開始から予め定める期間が経過すると、制御装置9は、第1のリンス液バルブ21を閉じてリンス液の吐出を停止する。これにより、リンス工程(ステップS7)が終了する。
リンス工程(ステップS7)の終了後、制御装置9は、第1のリンス液バルブ21を閉じてリンス液ノズル19からのリンス液の吐出を停止する。その後、制御装置9は、スピンモータ10を制御して基板Wを高回転速度(たとえば約1000rpm)まで加速させ、この高回転速度に維持する(ステップS8:スピンドライ工程)。これにより、基板Wに付着しているリンス液が振り切られて基板Wが乾燥される。スピンドライ工程(ステップS8)が予め定める期間に亘って行われると、制御装置9は、スピンモータ10を駆動して、スピンチャック3の回転(基板Wの回転)を停止させる。これにより、1枚の基板Wに対する洗浄処理が終了し、搬送ロボットによって、処理済みの基板Wが処理室2から搬出される(ステップS9)。
以上により第1の実施形態によれば、薬液パドル工程(ステップS3)において、基板Wの上面にパドル状の薬液の液膜29が形成される。また、基板Wの側方に、基板Wの周囲を包囲する鉛直上向きの気流28が形成される。基板Wの上面の薬液が気流28を乗り越えて当該気流28の内外を移動することは困難であるから、気流28によって、基板Wの上面周縁部30から基板Wの側方への薬液の移動が阻止される。そのため、基板Wの上面周縁部30において薬液を堰き止めることができ、基板Wの上面周縁部30からの薬液の流出を効果的に抑制できる。これにより、液膜29の周縁部29Aを嵩高く保持できるから、液膜29の厚みを分厚くでき、その結果、液膜29に含まれる薬液量を、より一層増大させることができる。これにより、液膜29の処理性能を高く維持できるから、薬液処理の処理効率を向上できる。
また、気流28が円筒状をなしているから、基板Wの上面周縁部30の全周において薬液を堰き止めることができる。これにより、薬液の液膜29の厚みを全体的に分厚くできる。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る基板処理装置201の構成を図解的に示す図である。図6は、第2の気体吐出口226から吐出される不活性ガスによって形成される気流(内向きの気流)228を説明するための模式的な図である。
基板処理装置201は、基板処理装置1と同様に、基板Wの表面に対して、処理流体としての処理液を用いた処理を施すための枚葉型の装置である。
第2の実施形態において、第1の実施形態と共通する部分には、図1〜図4の場合と同一の参照符号を付し説明を省略する。第2の実施形態に係る基板処理装置201が、第1の実施形態に係る基板処理装置1と相違する点は、第1の気体吐出ユニット7に代えて、第2の気体吐出ユニット207を設けた点である。第2の気体吐出ユニット207は、スピンチャック3に保持されている基板W上の薬液の液膜229の周縁部229A(図7参照)に向けて斜め下方内向きに不活性ガスを吹き付けるためのものである。
第2の気体吐出ユニット207は、リング状の第2の気体吐出ノズル222と、不活性ガス供給源からの不活性ガスを第2の気体吐出ノズル222に供給するための第2のガス配管223と、第2のガス配管223を開閉する第2のガスバルブ224とを含む。
第2の気体吐出ノズル222は、スピンチャック3の上方の空間を包囲するように配置されている。第2の気体吐出ノズル222は、リング状の第2のノズル体225と、第2のノズル体225に形成されたリング状(無端状)の第2の気体吐出口226とを有している。第2の気体吐出ノズル226は、処理カップ8に支持されていてもよいし、ノズルアーム15とは別の専用の支持部材(図示しない)に支持されていてもよい。第2の気体吐出口226は、基板Wの側方の上方の位置に配置されている。第2のガスバルブ224が開かれると、不活性ガス供給源からの不活性ガスが第2のガス配管223を通って第2の気体吐出ノズル222に供給され、これにより、第2の気体吐出口226の円周方向各所から内向きかつ斜め下向きかつリング状に不活性ガスが吐出される。具体的には、図6に示すように、第2の気体吐出口226から、スピンチャック3に保持される基板Wの上面周縁部30に向かう吐出方向D2に向けて不活性ガスが吐出される。
図6に示すように、第2の気体吐出口226の円周方向各所からの不活性ガスは、基板Wの上面周縁部30上に対して吐出方向D2に入射し、基板Wの上面に形成された薬液の液膜229の周縁部229Aに吹き付けられる。吐出方向D2は、基板Wの上面に対して傾いている。基板Wの上面と吐出方向D2とがなす角度(入射角度)θV2(図6参照)は、たとえば、30〜60度の範囲内における所定の角度に設定されている。また、吐出方向D2は、平面視において基板Wの法線方向(回転方向R)に対して回転軸線A1の方に傾斜している。基板Wの接線方向と吐出方向D2とがなす角度(入射角度)θH2(図8参照)は、たとえば、45〜70度の範囲内における所定の鋭角に設定されている。すなわち、第2の気体吐出口226の円周方向各所は、平面視において、基板Wの回転中心(中心軸線A1)からずれた位置に向けて不活性ガスを吐出する。第2の気体吐出口226からの不活性ガスの吐出により、基板Wの側方から、基板Wの上面周縁部30に向かう円筒状の気流228が形成される。図6に示すように、内向きの気流228は、下方に向かうに従って小径になる円筒状(すなわち、コーン状)のプロファイルを有している。
基板処理装置201では、図3に示す処理例と同等の処理が実行させられる。処理室2内に未処理の基板Wが搬入された後(図3のステップS1)、制御装置9はスピンモータ10を制御して、基板Wを回転開始させる(図3のステップS2)。次いで、薬液パドル工程(図3のステップS3)、リンス工程(図3のステップS7)およびスピンドライ工程(図3のステップS8)が順次実行される。スピンドライ工程(ステップS8)の実行後は、基板Wの回転が停止させられ、その後、処理済みの基板Wが処理室2から搬出される(図3のステップS9)。
図7は、基板処理装置201によって実行される薬液パドル工程(ステップS3)における基板Wの状態を示す図解的な断面図である。図8は、薬液パドル工程(ステップS3)における基板Wの状態を示す図解的な平面図である。図3および図5を参照して、薬液パドル工程(ステップS3)について説明する。また、図7および図8は適宜参照する。
薬液パドル工程(ステップS3)では、制御装置9は、第2のガスバルブ224を開いて、第2の気体吐出ノズル222の第2の気体吐出口226から不活性ガスを、リング状かつ斜め下向きに吐出する(ステップS4)。このときの第2の気体吐出口226からの不活性ガスの吐出流量は、たとえば50L/minに設定されている。第2の気体吐出口226から吐出された不活性ガスは、図7および図8に示すように、スピンチャック3に保持された基板Wの上面周縁部30に吹き付けられる。これにより、基板Wの側方から、基板Wの上面周縁部30に向かう円筒状の気流228が形成される(気流形成工程)。気流228はカーテン状に形成されている。
また、制御装置9は、ノズル移動ユニット16を制御して、薬液ノズル14を基板Wの上方に移動させ、薬液ノズル14を基板Wの回転中心上(回転軸線A1上)に配置させる。また、薬液ノズル14が基板Wの上面中央部の上方に配置されると、制御装置9は、第1の薬液バルブ18を開き、薬液ノズル14から基板Wの上面中央部に向けて薬液(たとえばフッ酸)を吐出する(ステップS5)。
基板Wの上面中央部に供給された薬液は、基板Wの上面中央部に着液し、後続の薬液によって押されて基板W上を外方に広がっていく。基板Wがパドル速度で回転しているから、薬液に作用する遠心力は小さい。そのため、基板Wに供給された薬液は、基板Wの周囲に飛散せずに基板W上に溜まる。これにより、基板Wの上面の全域に、薬液の液膜229がパドル状に保持される。
また、筒状の気流228は、基板Wの側方から液膜229の周縁部229Aに向けて流れ、基板Wの全周において、液膜229の周縁部229Aに含まれる薬液に不活性ガスを吹き付ける。吐出方向D2が、平面視において基板Wの接線方向(回転方向R)に対して回転軸線A1の方に鋭角に傾斜しているので、気流228の線速度方向DLが、基板Wの回転半径方向の内向きの成分を有している。
基板Wの回転による遠心力を受けて、液膜229の周縁部229Aに含まれる薬液は、基板Wの上面周縁部30から基板W外に流出しようとする。しかしながら、気流228の線速度方向DLが基板Wの回転半径方向の内向きの成分を有しているので、気流228によって不活性ガスを吹き付けられた薬液は、基板Wの上面中央部に向けて強い力で押され、基板Wの上面中央部に向けて流れる。これにより、基板Wの全周において、基板Wの上面周縁部30からの薬液の流出が抑制できる。
基板Wの全周において、基板Wの上面周縁部30からの薬液の流出が抑制されるので、液膜229の周縁部229Aは比較的嵩高く保持される。したがって、基板Wの上面に、厚みの分厚い液膜229が形成される。この場合、基板Wの側方に気流228を形成しない場合の液膜(図7に二点鎖線で図示)の厚みt0と比較して、基板Wの上面に形成される液膜229の厚みt2はやや分厚い。
薬液の吐出開始から予め定める時間が経過すると、制御装置9は、第1の薬液バルブ18を閉じて、薬液ノズル14からの薬液の吐出を停止する。また、制御装置9は、ノズル移動ユニット16を制御して、薬液吐出停止後の薬液ノズル14を、ホーム位置に戻す。
薬液の吐出停止後も、基板Wの回転速度は、パドル速度に維持されている。また、第2の気体吐出口226からの不活性ガスの吐出も続行されており、そのため、基板Wの側方から、基板Wの上面周縁部30に向かう円筒状の気流228も引き続き形成されている。したがって、液膜229の厚みは、やや分厚い(厚みがt2)まま維持されている。
やや分厚い液膜229を用いて、基板Wの上面が洗浄処理される。液膜229に含まれる薬液量が、基板Wの側方に気流228を形成しない場合の薬液の液膜(図7に二点鎖線で図示)と比較して多く、そのため、液膜229に薬効成分が長時間存在するから、液膜229の薬液処理性能が高い。このような分厚い液膜229を用いるから、薬液パドル工程(ステップS3)における薬液処理効率を向上させることができる。
また、不活性ガスを吹き付けられた薬液は、基板Wの上面中央部に向く方向(図8に破線で示す矢印の方向)に向けて強い力で押され、基板Wの上面中央部に向けて移動する。気流228によって、液膜229に含まれる薬液を撹拌できるので、劣化している薬液と劣化していない薬液とを混合することができ、ゆえに、液膜229中の薬効成分の分布を均一化できる。これにより、薬液パドル工程(ステップS3)において、基板Wの上面に対し薬液処理を均一に施すことができる。
薬液の吐出停止から予め定める時間が経過すると、制御装置9は、スピンモータ10を制御して基板Wの回転速度を、パドル速度から液処理速度(たとえば約300rpm)まで上昇させ、この液処理速度に維持する。これにより、基板Wの上面の薬液は、基板Wの回転による遠心力を受けて基板Wの上面周縁部30から飛散し、その結果、基板Wの上面から液膜229は消滅する。これにより、薬液パドル工程(ステップS3)は終了する。
以上により第2の実施形態によれば、薬液パドル工程(ステップS3)において、基板Wの上面にパドル状の薬液の液膜229が形成される。また、基板Wの側方から液膜229の周縁部229Aに向けて流れる筒状の気流228が形成される。気流228によって不活性ガスを吹き付けられた薬液は、基板Wの上面中央部に向けて押され、基板Wの上面中央部に向けて流れる。これにより、液膜229に含まれる薬液が撹拌される。ゆえに、液膜229に含まれる薬液を、液膜229の内部で混合することができ、これにより、液膜229中の薬効成分の分布を均一化できる。これにより、基板Wの上面に対し薬液処理を均一に施すことができる。
また、液膜229の周縁部229Aに含まれる薬液は、基板Wの上面周縁部30から基板W外に流出しようとする。しかしながら、液膜229の周縁部229Aに向けて流れる気流228が、その線速度方向DLが基板Wの回転半径方向の内向きの成分を有しているので、基板Wの上面周縁部30から基板W外に流出しようとする薬液を、回転軸線A1に向けて押すことができる。これにより、基板Wの上面周縁部30からの薬液の流出を抑制でき、これにより、液膜229に含まれる薬液量を、増大させることができる。これにより、液膜229の処理性能を高く維持できるから、薬液処理の処理効率を向上できる。
図9は、本発明の第3の実施形態に係る基板処理装置301の構成を図解的に示す図である。図10は、第3の気体吐出口326から吐出される不活性ガスによって形成される気流328を説明するための模式的な図である。
基板処理装置301は、基板処理装置1と同様に、基板Wの表面に対して、処理流体としての処理液を用いた処理を施すための枚葉型の装置である。
第3の実施形態において、第1の実施形態と共通する部分には、図1〜図4の場合と同一の参照符号を付し説明を省略する。第3の実施形態に係る基板処理装置301が、第1の実施形態に係る基板処理装置1と相違する主たる点は、スピンチャック3に保持された基板Wの上面に対向する第1の対向部材303を設けた点、および第1の気体吐出ユニット7に代えて、第3の気体吐出ユニット(第1の気体吐出手段、第2の気体吐出手段)307を設けた点である。
第1の対向部材303は、円板状である。第1の対向部材303の直径は、基板Wの直径よりも大きい。第1の対向部材303は、第1の対向部材303の中心軸線がスピンチャック3の回転軸線A1上に位置するように水平に配置されている。
第1の対向部材303の下面は、スピンチャック3に保持されている基板Wの上面に対向している。第1の対向部材303は、ホルダ304によって水平な姿勢で支持されている。
図9に示すように、第1の対向部材303は、水平に配置された円板状の対向部305と、対向部305の外周縁に設けられた筒状部306とを含む。筒状部306は、対向部305の外周縁から斜め下方に延びており、回転軸線A1を通る鉛直面で切断した断面形状が外側斜め上方に凸の略円弧状をなしている。
筒状部306の下端部306Aの内径が、筒状部306の下端部306Aの最大内径であり、この内径が基板Wの直径よりも大きい。対向部305の下面308は、基板Wの上面中央部に対向している。筒状部306の内周面(周縁部対向面)320は、基板Wの上面周縁部30に対向している。筒状部306の内周面320は、全周に亘って対向部305の下面308に連なっており、対向部305の下面308の外周縁から下方に延びている。
また、基板処理装置301は、薬液供給ユニット4(図1参照)およびリンス液供給ユニット5(図1参照)に代えて、基板Wの上面に薬液およびリンス液を選択的に供給する処理液供給ユニット(薬液供給手段)309を備えている。
図9に示すように、処理液供給ユニット309は、第1の対向部材303の中心軸線(回転軸線A1)に沿って延びる筒状の処理液ノズル310を含む。処理液ノズル310は、ホルダ304内に収容されている。処理液ノズル310は、第1の対向部材303の中心軸線に沿って延びる中心軸ノズルを構成している。
図9に示すように、処理液供給ユニット309は、処理液ノズル310の上端部に接続された処理液配管311と、処理液配管311を介して処理液ノズル310に接続された処理液供給装置312とを含む。処理液供給装置312は、処理液配管311に接続された第2の薬液配管313と、第2の薬液配管313を開閉するための第2の薬液バルブ314と、処理液配管311に接続された第2のリンス液配管315と、第2のリンス液配管315を開閉するための第2のリンス液バルブ316とを含む。処理液供給装置312は、処理液ノズル310に薬液およびリンス液を選択的に供給する。処理液ノズル310に供給された処理液(薬液またはリンス液)は、処理液ノズル310の下端で開口する処理液吐出口317から吐出される。処理液吐出口317は、基板Wの上面中央部の上方に配置されている。処理液ノズル310は、処理液吐出口317からたとえば真下に向けて処理液を吐出する。
第2のリンス液バルブ316が閉じられた状態で第2の薬液バルブ314が開かれると、薬液供給源からの薬液(たとえばフッ酸)が第2の薬液配管313から処理液配管311に供給され、処理液吐出口317から薬液が吐出される。また、第2の薬液バルブ314が閉じられた状態で第2のリンス液バルブ316が開かれると、リンス液供給源からのリンス液が第2のリンス液配管315から処理液配管311に供給され、処理液吐出口317からリンス液が吐出される。
第3の気体吐出ユニット307は、リング状(無端状)の第3の気体吐出ノズル322と、不活性ガス供給源からの不活性ガスを第3の気体吐出ノズル322に供給するための第3のガス配管323と、第3のガス配管323を開閉する第3のガスバルブ324とを含む。第3の気体吐出ノズル322は、リング状の第3のノズル体325と、第3のノズル体325に形成されたリング状の第3の気体吐出口326とを有している。第3の気体吐出ノズル322は第1の対向部材303に結合されている。すなわち、第3の気体吐出ノズル322は第1の対向部材303に支持されている。
図9に示すように、第1の対向部材303には、ホルダ304を介して対向部材昇降ユニット318が結合されている。対向部材昇降ユニット318は、第1の対向部材303の筒状部306が、スピンチャック3に保持されている基板Wの上面周縁部30(図12参照)に近接する処理位置(図9に示す位置)と、処理位置の上方に設定された退避位置(図9に二点鎖線で示す位置)との間で第1の対向部材303を昇降させる。第1の対向部材303の昇降に応じて、第1の対向部材303も昇降する。対向部材昇降ユニット318は、リニアガイドやボールねじ等の駆動部品を含む。たとえば、ホルダ304の周囲には、ホルダ304を包囲する、耐薬性を有する樹脂(たとえばポリテトラフルオロエチレン (PTFE:polytetrafluoroethylene))製のベローズが設けられており、このベローズで囲まれた空間に、前記の駆動部品が収容されている。
第1の対向部材303が処理位置まで下降させられている状態では、第3の気体吐出ノズル322はスピンチャック3の周囲を包囲するように配置される。この状態で、第3の気体吐出口326は、基板Wの側方の下方に配置されている。第3のガスバルブ324が開かれると、不活性ガス供給源からの不活性ガスが第3のガス配管323を通って第3の気体吐出ノズル322に供給され、これにより、第3の気体吐出口326の円周方向各所から、内向きかつ斜め上向きに不活性ガスが吐出される。不活性ガスはリング状に吐出される。
具体的には、第3の気体吐出口326から、後述するクリアランスC1(基板Wの上面周縁部の周囲の領域。図12参照)に向かう吐出方向D3に向けて不活性ガスが吐出される。吐出方向D3は、基板Wの上面に対して傾いている。基板Wの上面と吐出方向D3とがなす角度(入射角度)は、たとえば、30〜60度の範囲内における所定の角度に設定されている。また、吐出方向D3は、平面視において基板Wの周縁部の法線方向に沿っている。第3の気体吐出口326の円周方向各所は、平面視において、基板Wの回転中心(中心軸線A1)に向けて不活性ガスを吐出する。これにより、図10に示すように、基板Wの側方の下方位置から、クリアランスC1に向かう円筒状の気流328が形成される。円筒状の気流328は、上方に向かうに従って小径になる円筒状(すなわち、コーン状)のプロファイルを有している。
図11は、基板処理装置301によって実行される処理例の概略を示すタイムチャートである。図12は、前記処理例に含まれる薬液パドル工程(ステップS13)における基板Wの状態を示す断面図である。図12では、薬液の液膜329形成中の状態(すなわち、薬液の吐出状態)を示している。
図11に示す処理例は、図3に示す処理例と同様、基板Wの表面に形成された酸化膜をエッチングにより除去する洗浄処理の処理例である。基板処理装置301で実行される処理例は、図3に示す処理例と同等の処理であるが、第1の対向部材303を昇降させるステップ(ステップS13およびS18)を含む点で、図3に示す処理例と相違している。以下、図9および図11を参照しつつ、処理例について説明する。図12については、適宜参照する。
処理室2内に未処理の基板Wが搬入される(ステップS11)。基板Wの搬入の際には、第1の対向部材303が退避位置に退避されている。基板Wの搬入後、制御装置9はスピンモータ10を制御して基板Wを回転開始させる(ステップS12)。ステップS11およびS12の各ステップは、図3に示すステップS1およびS2のそれぞれと同等の処理である。
その後、制御装置9は、対向部材昇降ユニット318を制御して、第1の対向部材303を下降させ、処理位置に配置する(ステップS13)。その状態で、薬液パドル工程(ステップS14)が実行させられる。図12に示すように、第1の対向部材303が処理位置に配置させられた状態では、筒状部306の内周面(周縁部対向面)320と、基板Wの上面周縁部30とは、所定のクリアランスC1を隔てて対向している。クリアランスC1は、第1の対向部材303および基板Wの円周方向の全域に亘って設けられており、その間隔がたとえば2mmに設定されている。また、第1の対向部材303が処理位置に配置させられた状態では、リング状の第3の気体吐出口326が、リング状のクリアランスC1に対向している。
第1の対向部材303および処理液ノズル310は、基板Wの回転に依らずに静止している。また、第1の対向部材303が処理位置に配置させられた状態では、処理液ノズル310の処理液吐出口317は、基板Wの回転中心上(回転軸線A1上)に位置している。
薬液パドル工程(ステップS14)では、制御装置9は、第3のガスバルブ324を開いて、第3の気体吐出口326から、不活性ガスを、リング状かつ斜め上向きに吐出する(ステップS15)。このときの第3の気体吐出口326からの不活性ガスの吐出流量は、たとえば50L/minに設定されている。第3の気体吐出口326から吐出された不活性ガスは、図12に示すように、クリアランスC1に向けて吹き付けられる。これにより、クリアランスC1の内部に、円筒状の斜め上向きの気流(上向きの気流、内向きの気流)328が形成される(気流形成工程)。気流328は、膜状の気体カーテンであり、基板Wの周囲を包囲するように設けられる。クリアランスC1によって、気体吐出口326から吐出された不活性ガスのクリアランスC1への流入が制限されるので、これにより、気流328を液膜329に作用させ易い。
また、制御装置9は、第2のリンス液バルブ316を閉じたまま第2の薬液バルブ314を開いて、処理液吐出口317から基板Wの上面中央部に向けて薬液(たとえばフッ酸)を吐出する(ステップS16)。
基板Wの上面中央部に供給された薬液は、基板Wの上面中央部に着液し、後続の薬液によって押されて基板W上を外方に広がっていく。基板Wがパドル速度で回転しているから、薬液に作用する遠心力は小さい。そのため、基板Wに供給された薬液は、基板Wの周囲に飛散せずに基板W上に溜まる。これにより、基板Wの上面の全域に、薬液の液膜329がパドル状に保持される(ステップS17:液膜形成工程)。
また、気流328により、気流328の内側の空間が、気流328の外側から遮断される。基板W上の液膜329に含まれる薬液が気流328を乗り越えて当該気流328の内外を移動することは困難であるから、気流328によって、基板Wの上面周縁部30から基板Wの側方への薬液の移動が阻止される。すなわち、気流328によって、基板Wの上面周縁部30の全周において薬液が堰き止められ、そのため、基板Wの上面周縁部30からの薬液の流出はほとんどない。そのため、液膜329の周縁部329Aが嵩高く保持される。したがって、基板Wの上面に、厚みの分厚い液膜329が形成される。この場合、基板Wの側方に気流328を形成しない場合の液膜(図12に二点鎖線で図示)の厚みt0と比較して、基板Wの上面に形成される液膜329の厚みt3が分厚い。
また、不活性ガスを吹き付けられた薬液は、基板Wの上面中央部に向けて強い力で押され、基板Wの上面中央部に向けて移動する。気流328によって、液膜329に含まれる薬液を撹拌できるので、劣化している薬液と劣化していない薬液とを混合することができ、ゆえに、液膜329に含まれる薬液の薬効成分の分布を均一化できる。
薬液の吐出開始から予め定める時間が経過すると、制御装置9は、第2の薬液バルブ314を閉じて、処理液吐出口317からの薬液の吐出を停止する。
薬液の吐出停止後も、基板Wの回転速度は、パドル速度に維持されている。また、第3の気体吐出口326からの不活性ガスの吐出も続行され、かつ第1の対向部材303が処理位置に配置されているから、基板Wの周囲を包囲する円筒状の気流328も引き続き形成されている。したがって、液膜329の厚みは、分厚い(厚みがt3)まま維持されている。
分厚い液膜329を用いて、基板Wの上面が洗浄処理される。分厚い液膜329は、液膜329に含まれる薬液量が、基板Wの側方に気流328を形成しない場合の液膜(図12に二点鎖線で図示)と比較して多く、そのため、液膜329に薬効成分が長時間存在するから、液膜329の薬液処理性能が高い。このような分厚い液膜329を用いるから、薬液パドル工程(ステップS14)における薬液処理効率を向上させることができる。
薬液の吐出停止から予め定める時間が経過すると、制御装置9は、スピンモータ10を制御して基板Wの回転速度を、パドル速度から液処理速度(たとえば約300rpm)まで上昇させ、この液処理速度に維持する。これにより、基板Wの上面の薬液は、基板Wの回転による遠心力を受けて基板Wの上面周縁部30から飛散し、その結果、基板Wの上面から液膜329は消滅する。
また、制御装置9は、対向部材昇降ユニット318を制御して、第1の対向部材303を退避位置まで上昇させる(ステップS18)。次いで、リンス液を基板Wに供給するリンス工程(ステップS19)が行われる。具体的には、第1の対向部材303が退避位置にある状態で、制御装置9は、第2の薬液バルブ314を閉じたまま第2のリンス液バルブ316を開いて、処理液吐出口317から基板Wの上面中央部に向けてリンス液を吐出する。リンス液の吐出開始から予め定める期間が経過すると、制御装置9は、第2のリンス液バルブ316を閉じてリンス液の吐出を停止する。これにより、リンス工程(ステップS19)が終了する。
次いで、スピンドライ工程(ステップS20)が実行され、その後、基板Wの回転が停止させられ、処理済みの基板Wが処理室2から搬出される(ステップS21)。ステップS19およびS20の各ステップは、図3に示すステップS8およびS9のそれぞれと同等の処理である。
以上により第3の実施形態によれば、薬液パドル工程(ステップS14)において、基板Wの上面にパドル状の液膜329が形成される。また、基板Wの上面周縁部30と第1の対向部材303の内周面320との間のクリアランスC1に、基板Wの周囲を包囲する斜め上向きの気流328が形成される。基板Wの上面の薬液が気流328を乗り越えて当該気流328の内外を移動することは困難であるから、気流328によって、基板Wの上面周縁部30から基板Wの側方への薬液の移動が阻止される。そのため、基板Wの上面周縁部30において薬液を堰き止めることができ、基板Wの上面周縁部30からの薬液の流出を効果的に抑制できる。これにより、液膜329の周縁部329Aを嵩高く保持できるから、液膜329の厚みを分厚くでき、その結果、液膜329に含まれる薬液量を、より一層増大させることができる。これにより、液膜329の処理性能を高く維持できるから、薬液処理の処理効率を向上できる。
また、気流328が円筒状をなしているから、基板Wの上面周縁部30の全周において薬液を堰き止めることができる。これにより、液膜329の厚みを全体的に分厚くできる。
また、不活性ガスを吹き付けられた薬液は、基板Wの上面中央部に向けて押され、基板Wの上面中央部に向けて移動する。すなわち、気流328によって、液膜329に含まれる薬液を撹拌できる。ゆえに、液膜329中の薬効成分の分布を均一化できる。これにより、薬液パドル工程(ステップS3)において、基板Wの上面に対し薬液処理を均一に施すことができる。
図13は、第3の実施形態の第1の変形例に係る基板処理装置によって実行される薬液パドル工程(ステップS14)における基板Wの状態を示す図解的な断面図である。
第1の変形例では、第1の対向部材303(図9参照)に代えて、第2の対向部材353が設けられている。第2の対向部材353は、水平に配置された円板状の対向部355と、対向部355の外周縁に設けられた筒状部356とを含む。筒状部356の回転軸線A1を通る鉛直面で切断した断面形状は外側横向きに凸の半円形状をなしている。
対向部355の直径は、基板Wの直径と略同等である。筒状部356の下端部356Aの径は、基板Wの直径よりも大きい。したがって、筒状部356の最大径は、基板Wの直径よりも大きい。対向部355の下面358は、基板Wの上面に対向している。筒状部356の内周面(周縁部対向面)370は、全周に亘って対向部355の下面358に連なっている。第2の対向部材353が処理位置まで下降されている状態で、筒状部356の下端部356Aが、基板Wの上面周縁部30とクリアランス(基板Wの上面周縁部の周囲の領域)C2を介して隔てられている。クリアランスC2は、第2の対向部材353および基板Wの円周方向の全域に亘って設けられており、その間隔がたとえば2mmに設定されている。
また、第2の対向部材353が処理位置まで下降されている状態では、第3の気体吐出ノズル322はスピンチャック3の周囲を包囲するように配置されており、この状態で、第3の気体吐出口326は、筒状部356の内周面370と基板Wの上面周縁部30との間のクリアランスC2に対向して配置されている。
薬液パドル工程(ステップS14)では、第3の気体吐出口326から吐出される不活性ガスが、クリアランスC2に向けて吹き付けられる。これにより、クリアランスC2の内部に、円筒状の斜め上向きの気流328が形成され(気流形成工程)、リング状のクリアランスC2が、円筒状の気流328によって塞がれる。このときの第3の気体吐出口326からの不活性ガスの吐出流量は、たとえば50L/minに設定されている。
液膜329の周縁部329Aに含まれる薬液は、基板Wの上面周縁部30から基板Wの側方に流出しようとする。しかしながら、クリアランスC2が気流328によって塞がれているので、基板Wの上面周縁部30から基板Wの側方に流出した薬液は、筒状部356の下端部356Aに捕獲され、断面半円状の筒状部356の内周面370によって巻き上げられて、液膜329に戻される。これにより、液膜329に含まれる薬液量を多く保つことができる。
図14は、本発明の第4の実施形態に係る基板処理装置401の構成を図解的に示す図である。
第4の実施形態において、第1の実施形態と共通する部分には、図1〜図4の場合と同一の参照符号を付し説明を省略する。第4の実施形態に係る基板処理装置401が、第1の実施形態に係る基板処理装置1と相違する主たる点は、スピンチャック3に保持された基板Wの上面に対向するカバー部材403を設けた点、および第1の気体吐出ユニット7に代えて、第4の気体吐出ユニット407(第1の気体吐出手段、第2の気体吐出手段)を設けた点である。
カバー部材403は、円板状である。カバー部材403の直径は、基板Wの直径よりも大きいが、スピンベース12の直径よりは小さい。カバー部材403は、カバー部材403の中心軸線がスピンチャック3の回転軸線A1上に位置するように水平に配置されている。カバー部材403の下端部(下端部406A)の直径は、複数の挟持部材13を通る円400(図2に二点鎖線で図示)の直径とほぼ同じ大きさである。
カバー部材403の下面は、スピンチャック3に保持されている基板Wの上面に対向している。カバー部材403の上面には、回転軸線A1上に沿う支軸404が固定されている。支軸404は中空に形成されており、その内部には、処理液ノズル410が挿通されている。カバー部材403には、支軸404を介してカバー部材回転ユニット451が結合されている。カバー部材回転ユニット451は、カバー部材403および支軸404を回転軸線A1まわりに回転させる。
支軸404は、昇降可能な昇降部材452によって上方から支持されている。支軸404の外周面には、その上端部に径方向外方に向けて突出する円環状のフランジ部404Aが形成されている。昇降部材452は、フランジ部404Aの下面と当接可能な支持爪453を備えている。支持爪453の内周縁は、フランジ部404Aの外周縁よりも小径とされている。フランジ部404Aの下面と支持爪453との係合により、支軸404が昇降部材452に支持される。
昇降部材452には、昇降部材452を昇降させる昇降部材昇降ユニット418が結合されている。昇降部材昇降ユニット418が駆動されることにより昇降部材452が昇降し、これにより、カバー部材403が、複数の挟持部材13の上面13Aに載置される支持される処理位置(図14に実線にて図示)と、処理位置からカバー部材403の上方に大きく退避した退避位置(図14に二点鎖線にて図示)との間で昇降されるようになっている。
カバー部材403は、水平に配置された円板状の対向部405と、対向部405の外周縁に設けられた筒状部406とを含む。筒状部406は、対向部405の外周縁から斜め下方に延びており、回転軸線A1を通る鉛直面で切断した断面形状が外側斜め上方に凸の略円弧状をなしている。筒状部406の下端部406A(図17参照)の内径が、筒状部406の最大内径であり、この内径が基板Wの直径と略同等とされている。対向部405の下面(対向面)408は、基板Wの上面中央部に対向している。筒状部406の下端面(下端部406Aの下面)が、複数の挟持部材13の上面13Aに対向している。
筒状部406の内周面420は、全周に亘って対向部405の下面408に連なっており、対向部405の下面408の外周縁から下方に延びている。筒状部406の内周面420は、断面形状が上に凸の略円弧状をなす湾曲面である。
また、基板処理装置401は、薬液供給ユニット4(図1参照)およびリンス液供給ユニット5(図1参照)に代えて、基板Wの上面に薬液およびリンス液を選択的に供給する処理液供給ユニット(薬液供給手段)409を備えている。
処理液供給ユニット409は、カバー部材403の中心軸線(回転軸線A1)に沿って延びる筒状の処理液ノズル410を含む。処理液ノズル410は、支軸404内に挿通されている。処理液ノズル410は、支軸404とは別部材で設けられたケース(図示しない)によって保持されている。ケースは、カバー部材403および支軸404と共に昇降する。したがって、処理液ノズル410は、カバー部材403および支軸404と共に昇降する。
また、ケースが、カバー部材回転ユニット451とは連結されていない。したがって、処理液ノズル410は、カバー部材403および支軸404が回転軸線A1まわりに回転する際、静止している。処理液ノズル410は、カバー部材403の中心軸線に沿って延びる中心軸ノズルを構成している。
また、処理液供給ユニット409は、処理液ノズル410の上端部に接続された処理液配管411と、処理液配管411を介して処理液ノズル410に接続された処理液供給装置412とを含む。処理液供給装置412は、処理液配管411に接続された第3の薬液配管413と、第3の薬液配管413を開閉するための第3の薬液バルブ414と、処理液配管411に接続された第3のリンス液配管415と、第3のリンス液配管415を開閉するための第3のリンス液バルブ416とを含む。処理液供給装置412は、処理液ノズル410に薬液およびリンス液を選択的に供給する。処理液ノズル410に供給された処理液(薬液またはリンス液)は、処理液ノズル410の下端で開口する処理液吐出口417から吐出される。処理液吐出口417は、基板Wの上面中央部の上方に配置されている。処理液ノズル410は、処理液吐出口417からたとえば真下に向けて処理液を吐出する。
第3のリンス液バルブ416が閉じられた状態で第3の薬液バルブ414が開かれると、薬液供給源からの薬液(たとえばフッ酸)が第3の薬液配管413から処理液配管411に供給され、処理液吐出口417から薬液が吐出される。また、第3の薬液バルブ414が閉じられた状態で第3のリンス液バルブ416が開かれると、リンス液供給源からのリンス液が第3のリンス液配管415から処理液配管411に供給され、処理液吐出口417からリンス液が吐出される。
第4の気体吐出ユニット407は、リング状の第4の気体吐出ノズル422と、不活性ガス供給源からの不活性ガスを第4の気体吐出ノズル422に供給するための第4のガス配管423と、第4のガス配管423を開閉する第4のガスバルブ424とを含む。第4の気体吐出ノズル422は、リング状の第4のノズル体425と、第4のノズル体425に形成されたリング状(無端状)の第4の気体吐出口426とを有している。
第4の気体吐出ノズル422はカバー部材403に結合されている。すなわち、第4の気体吐出ノズル422はカバー部材403に支持されている。カバー部材403の昇降に応じて、カバー部材403も昇降する。また、カバー部材403の回転に応じて、第4の気体吐出ユニット407も回転する。
第2の対向部材403が処理位置まで下降させられている状態で、第4の気体吐出ノズル422はスピンチャック3の周囲を包囲するように配置されている。第4の気体吐出口426は、基板Wの側方の下方の位置に配置されている。第4のガスバルブ424が開かれると、不活性ガス供給源からの不活性ガスが第4のガス配管423を通って第4の気体吐出ノズル422に供給され、これにより、第4の気体吐出口426の円周方向各所から内向きかつ斜め上向きに向けて不活性ガスが吐出される。不活性ガスはリング状に吐出される。
具体的には、第4の気体吐出口426から、カバー部材403の下端部406Aと基板Wの上面周縁部30との間に向かう吐出方向D4に向けて不活性ガスが吐出される。吐出方向D4は、基板Wの上面に対して傾いている。基板Wの上面と吐出方向D4とがなす角度(入射角度)は、たとえば、30〜60度の範囲内における所定の角度に設定されている。また、吐出方向D4は、平面視において基板Wの周縁部の法線方向に沿っている。すなわち、第4の気体吐出口426の円周方向各所は、平面視において、基板Wの回転中心(中心軸線A1)に向けて不活性ガスを吐出する。これにより、基板Wの側方の下方位置から、カバー部材403の下端部406Aと基板Wの上面周縁部30との間に向かう円筒状の気流(上向きの気流、内向きの気流)428が形成される。内向きの気流428は、気流328(図10参照)と同様に上方に向かうに従って小径になる円筒状(すなわち、コーン状)のプロファイルを有している。
図15は、基板処理装置401によって実行される処理例の概略を示すタイムチャートである。図16は、前記処理例に含まれる薬液パドル工程(ステップS34)における基板Wの状態を示す断面図である。図17では、薬液の液膜429形成中の状態(すなわち、薬液の吐出状態)を示している。
図16に示す処理例は、図3に示す処理例と同様、基板Wの表面に形成された酸化膜をエッチングにより除去する洗浄処理の処理例である。基板処理装置401で実行される処理例は、図3に示す処理例と同等の処理であるが、カバー部材403を昇降させるステップ(ステップS32およびS38)を含む点、および基板Wの上面に対し、薬液により液密処理を行う点で、図3に示す処理例と相違している。以下、図14および図15を参照しつつ、処理例について説明する。図16および図17については、適宜参照する。
処理室2内に未処理の基板Wが搬入される(ステップS31)。基板Wの搬入の際には、カバー部材403が退避位置に退避されている。ステップS31は、図3に示すステップS1と同等の処理である。
基板Wの搬入後、制御装置9は、昇降部材昇降ユニット418を制御して、カバー部材403を下降させ、カバー部材403の下端部406Aを各挟持部材13の上面13Aに載置する。これにより、カバー部材403が処理位置に配置されると共に、カバー部材403が挟持部材13の上面13Aとの摩擦係合により、複数の挟持部材13に支持される(ステップS32)。
図16に示すように、カバー部材403が処理位置に配置させられた状態では、カバー部材403の下端部406Aと基板Wの上面周縁部30との間において隣り合う挟持部材13の間に隙間(基板Wの上面周縁部の周囲の領域、クリアランス)432が形成されている。各隙間432は、カバー部材403および基板Wの上面で区画された上処理空間431に連通している。隙間432は、複数の挟持部材13を除いて円周方向の全域に亘って設けられている。隙間432の間隔は、たとえば2mmに設定されている。また、図17に示すように、カバー部材403が処理位置に配置させられた状態では、リング状の第4の気体吐出口426が、隙間432に対向している(図17では1つの隙間432のみ図示)。
図14および図15に示すように、カバー部材403の載置後、制御装置9はスピンモータ10を制御して基板Wを回転開始させる(ステップS33)。ステップS33は、図3に示すステップS3と同等の処理である。このとき、基板Wの回転速度がパドル速度と低速であるので、カバー部材403と挟持部材13との摩擦係合は外れず、そのため、カバー部材403も基板Wと一体的に回転する。また、カバー部材403の処理状態では、処理液ノズル410の処理液吐出口417は、基板Wの回転中心上(回転軸線A1上)に位置している。
その状態で、薬液液密工程(ステップS34)が実行させられる。薬液液密工程(ステップS34)では、制御装置9は、第4のガスバルブ424を開いて、第4の気体吐出口426から不活性ガスを、リング状かつ斜め上向きに吐出する(ステップS35)。このときの第4の気体吐出口426からの不活性ガスの吐出流量は、たとえば50L/minに設定されている。第4の気体吐出口426から吐出された不活性ガスは、図12に示すように、複数の隙間432に向けて吹き付けられる。これにより、複数の隙間432の内部に、円筒状の斜め上向きの気流428が形成される(気流形成工程)。
また、制御装置9は、第3のリンス液バルブ416を閉じたまま第3の薬液バルブ414を開いて、処理液吐出口417から基板Wの上面中央部に向けて薬液(たとえばフッ酸)を吐出する(ステップS36)。処理液吐出口417からの薬液は、基板Wの上面とカバー部材403の下面419とで挟まれた上処理空間431を、処理液吐出口417を中心として放射状に拡がる。処理液吐出口417からの薬液の吐出が続行されると、やがて、上処理空間431に薬液が充填する。この状態で、上処理空間431が薬液により液密状態にされる。これにより、基板Wの上面の全域に、液膜429に保持される(ステップS37:液膜形成工程)。上処理空間431に対する薬液の供給に伴って、上処理空間431から薬液が溢れる。上処理空間431から溢れる薬液は、隙間432から通してスピンチャック3の側方へ流出し、処理カップ8によって受け止められた後、図外の排液処理設備へ導かれる。
基板Wの側方から隙間432に向かう気流428が形成されている。そのため、気流428が、基板Wの側方から隙間432に向けて不活性ガスを吹き付ける。上処理空間431を隙間432から流出しようとしている薬液は、気流428によって基板Wの上面中央部に向けて強い力で押され、基板Wの上面中央部側に向けて移動する。そのため、隙間432からの薬液の流出を抑制できる。これにより、上処理空間431を薬液の液密状態に保つことができ、これにより、基板Wの上面に、厚みの分厚い液膜429を円滑に形成できる。
また、気流428によって、液膜429に含まれる薬液を撹拌できるので、劣化している薬液と劣化していない薬液とを混合することができ、ゆえに、液膜429中の薬効成分の分布を均一化できる。これにより、薬液液密工程(ステップS34)において、基板Wの上面に対し薬液処理を均一に施すことができる。
上処理空間431が薬液により液密状態にされてから予め定める時間が経過すると、制御装置9は、第3の薬液バルブ414を閉じて、処理液ノズル410からの薬液の吐出を停止する。また、制御装置9は、昇降部材昇降ユニット418を制御して、第3の対向部材303を退避位置まで上昇させる(ステップS38)。これにより、第3の対向部材303と基板Wとの間が広がる結果、基板Wの上面から液膜429が消滅する。
その後、制御装置9は、スピンモータ10を制御して基板Wの回転速度を、パドル速度から液処理速度(たとえば約300rpm)まで上昇させ、この液処理速度に維持する。
次いで、リンス液を基板Wに供給するリンス工程(ステップS39)が行われる。具体的には、カバー部材403が退避位置にある状態で、制御装置9は、第4の薬液バルブ414を閉じたまま第3のリンス液バルブ416を開いて、処理液吐出口417から基板Wの上面中央部に向けてリンス液を吐出する。リンス液の吐出開始から予め定める期間が経過すると、制御装置9は、第3のリンス液バルブ416を閉じてリンス液の吐出を停止する。これにより、リンス工程(ステップS39)が終了する。
次いで、スピンドライ工程(ステップS40)が実行され、その後、基板Wの回転が停止させられ、処理済みの基板Wが処理室2から搬出される(ステップS41)。ステップS40およびS41の各ステップは、図3に示すステップS8およびS9のそれぞれと同等の処理である。
以上により第4の実施形態によれば、薬液液密工程(ステップS34)において、上処理空間431に薬液が供給されると共に、基板Wの側方から隙間432に向かう気流428が形成される。そのため、隙間432からの薬液の流出を抑制できる。これにより、基板Wの上面に、厚みの分厚い液膜429を円滑に形成できる。
また、気流428によって、液膜429に含まれる薬液を撹拌できるので、劣化している薬液と劣化していない薬液とを混合することができ、ゆえに、液膜429に含まれる薬液の薬効成分の分布を均一化できる。これにより、薬液液密工程(ステップS34)において、基板Wの上面に対し薬液処理を均一に施すことができる。
以上、この発明の4つの実施形態について説明したが、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。
たとえば、第3および第4の実施形態において、吐出方向D3,D4を、平面視において基板Wの法線方向に対し傾斜させてもよい。具体的には、平面視において基板Wの接線方向(回転方向R)に対して回転軸線A1の方に鋭角に傾斜させる。この場合、基板Wの上面周縁部30から基板W外に流出しようとする薬液を、回転軸線A1に向けて強い力で押すことができる。これにより、より多量の薬液を基板Wの上面に溜めることが可能であり、液膜329,429に含まれる薬液量を増大させることが可能である。
また、気流328,428の線速度方向DLが、基板Wの回転方向Rに対し鋭角で傾斜しているので、気流328,428によって、基板Wの上面の薬液を、その流れと傾斜する方向に押すことができる。これにより、基板Wの上面の液膜329,429に含まれる薬液を、より一層良好に撹拌することができる。
また、第1の実施形態において、気流28を、基板Wの上面周縁部30において、気流28の線速度方向が、鉛直方向に対し回転方向Rに沿う方向に傾斜していてもよい。この場合、気流28の線速度方向DLが、鉛直方向に対し傾斜しているので、気流28によって、基板Wの上面の薬液を、その流れと傾斜する方向に押すことができる。これにより、基板Wの上面の液膜29に含まれる薬液を撹拌することができる。
また、第2実施形態において、薬液パドル工程(ステップS3)における基板Wの回転速度が極めて低い場合には、気流228の線速度方向DLが、回転軸線A1に向かう方向であってもよい。
また、各実施形態において、気体吐出口26,226,326,426が、基板Wの周縁部(上面周縁部30を含む)の全周に対向するリング状であるとして説明したが、リング状の吐出口でなく、多数の吐出口をリング状に並置したものであってもよい。
また、気体吐出口26,226,326,426は、基板Wの周縁部の全周に対向するものに限られず、基板Wの周縁部の一部に対向するように設けられていてもよい。
また、第1〜第3実施形態の薬液パドル工程(ステップS3,S14)において、基板Wをパドル速度で回転させるとして説明したが、前述のパドル速度よりもやや速い速度(たとえば100rpm)で回転させることも可能である。この場合、基板Wの回転速度が増大するために、基板Wの上面の液膜29,229,329に遠心力が作用し、基板Wの上面からの薬液の流出が促進するから、液膜29,229,329の厚みは、前述の薬液パドル工程(ステップS3,S14)よりも薄くなる。しかしながら、基板Wを回転させることで、基板Wの上面に保持される液膜29,229,329に薬液の流れを形成できるから、液膜29,229,329に含まれる薬液を撹拌することができる。そのため、液膜29,229,329中の薬効成分の分布を、よりより一層均一化でき、これにより、基板Wの上面に対し薬液処理を均一に施すことができる。
また、基板Wの回転速度を、リンス工程(ステップS7,S19)と同等の回転速度とすることもできる。この場合には、基板Wの回転中は、薬液を吐出し続ける必要がある。
また、第1〜第3の実施形態の薬液パドル工程(ステップS3,S14)および第4実施形態の薬液液密工程(ステップS34)において、基板Wを回転させずに静止状態に維持するようにしてもよい。
また、第3および第4の実施形態において、第3および第4の気体吐出ノズル322,422が、第1および第2の対向部材303,353に支持されておらず、処理カップ8や専用の支持部材など支持されていてもよい。
また、第3実施形態において、第1および第2の対向部材303,353には、筒状部356があれば足り、対向部355は必ずしも必要でなく省略することも可能である。
また、前述の各実施形態では、気体吐出口26,226,326,426が気体吐出ノズル22,222,322,422に設けられていると説明したが、気体吐出口は、ノズル以外に設けられていてもよく、たとえば、基板Wの周辺部材によって区画されていてもよい。
たとえば、図18に示す第2の変形例のように、スピンベース12の周縁部から上方に向けて突出する環状の突出部501と基板Wの周端面とによって、リング状の気体吐出口502が区画されていてもよい。具体的には、スピン軸11内に下面ノズル505が挿通されており、下面ノズル505の先端の吐出口505Aが、スピンベース12を上下に貫通して、挟持部材(図示しない)によって支持された基板Wの下面中央部に対向している。下面ノズル505の吐出口505Aから吐出された不活性ガスは、基板Wの下面とスピンベース12の上面との空間をスピンベース12の周縁部に流れ、気体吐出口502からリング状に吐出する。気体吐出口502から吐出される不活性ガスにより円筒状(コーン状)の気流503が形成され、この気流503が、基板Wの上面の薬液の液膜504の周縁部504Aに向けて流れる。
また、図19に示す第3の変形例のように、基板Wを挟持しながら基板Wを回転させる挟持部材511をベース512から分離する場合に、非回転のベース512の周縁部に設けられる筒状部材513と基板Wの周端面とによって、リング状の気体吐出口514が区画されていてもよい。筒状部材513は、回転軸線A1を通る鉛直面で切断した断面形状が、回転軸線A1側を向く円弧状をなしている。挟持部材511には、モータ等の駆動ユニット518が結合されている。また、ベース512は非回転であり、ベース512を支持する支持軸519内に下面ノズル517が挿通されており、下面ノズル517の先端の吐出口517Aが、ベース512を上下に貫通して、挟持部材511によって支持された基板Wの下面中央部に対向している。下面ノズル517の吐出口517Aから吐出された不活性ガスは、基板Wの下面とベース512の上面との空間をベース512の周縁部に流れ、筒状部材513によってベース512の内側方向に向く方向に反転されて、気体吐出口514からリング状に吐出する。気体吐出口514から吐出される不活性ガスにより気流515が形成され、この気流515が、基板Wの上面の薬液の液膜516の周縁部516Aに向けて流れる。
また、図20に示す第4の変形例のように、基板Wの周縁部に対向してリング状部材521,526を配置する場合、リング状部材521,526に気体吐出口が形成されていてもよい。たとえば、親水性材料からなるリング状部材521は、基板Wの周端面を包囲するように配置される。リング状部材521の内部には、不活性ガスが流通するコーン状のガス流通路524が形成されており、ガス流通路524がリング状部材521の上面に開口している。ガス流通路524を流通する不活性ガスは、気体吐出口522からリング状に吐出する。気体吐出口522から吐出される不活性ガスにより円筒状(コーン状)の気流523が形成され、この気流523が、基板Wの上面の薬液の液膜525の周縁部525Aに向けて流れる。
また、疎水性材料からなるリング状部材526は、図20に二点鎖線で示すように、基板W上の液膜525の周囲を包囲するように配置される。この場合、リング状部材526にガス流通路が形成され、ガス流通路がリング状部材526の内周面に開口して、気体吐出口を形成していてもよい。気体吐出口から吐出される不活性ガスにより気流が形成され、この気流が、基板Wの上面の薬液の液膜525の周縁部525Aに向けて流れる。
また、基板Wの上面に液膜状に保持される薬液として、フッ酸を例示したが、それ以外の薬液(エッチング液、無機薬液、有機薬液、ポリマー除去液)を薬液として用いることができる。具体的には、薬液としては、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、アンモニア水、過酸化水素水、リン酸、酢酸、有機酸(たとえばクエン酸、蓚酸など)、有機アルカリ(たとえば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなど)、界面活性剤、腐食防止剤のうちの少なくとも1つを含む液を例示することができる。
また、前述の実施形態では、基板Wが円板状である場合について説明したが、基板Wは、四角形状であってもよい。この場合、気体吐出ユニット7,207,307,407から吐出される気体は、四角筒状であってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 基板処理装置
3 スピンチャック(基板保持手段)
4 薬液供給ユニット(薬液供給手段)
7 第1の気体吐出ユニット(第1の気体吐出手段)
9 制御装置
10 スピンモータ(基板回転手段)
22 第1の気体吐出ノズル
26 気体吐出口
27 リング状領域(基板の上面周縁部の周囲の領域)
28 気流(上向きの気流)
29 薬液の液膜
29A 周縁部
201 基板処理装置
222 第2の気体吐出ノズル
226 気体吐出口
228 気流(内向きの気流)
229 薬液の液膜
229A 周縁部
301 基板処理装置
303 第1の対向部材
307 第3の気体吐出ユニット(第1の気体吐出手段、第2の気体吐出手段)
309 処理液供給ユニット(薬液供給手段)
320 内周面(周縁部対向面)
322 第3の気体吐出ノズル
326 気体吐出口
328 気流(上向きの気流、内向きの気流)
329 薬液の液膜
329A 周縁部
353 第2の対向部材
370 内周面(周縁部対向面)
401 基板処理装置
403 カバー部材
407 第4の気体吐出ユニット(第1の気体吐出手段、第2の気体吐出手段)
408 下面(対向面)
409 処理液供給ユニット(薬液供給手段)
428 気流(上向きの気流、内向きの気流)
429 薬液の液膜
429A 周縁部
432 隙間(基板の上面周縁部の周囲の領域、クリアランス)
A1 回転軸線
C1 クリアランス(基板の上面周縁部の周囲の領域、クリアランス)
C2 クリアランス(基板の上面周縁部の周囲の領域、クリアランス)
DL 線速度方向
W 基板

Claims (16)

  1. 基板保持手段によって水平姿勢に保持されている基板の上面に薬液を供給して、前記基板の上面の全域を覆う薬液の液膜を形成する液膜形成工程と、
    前記液膜の周縁部の全周に向かう環状の気流であって、前記液膜の周縁部から流出しようとする薬液と干渉して前記液膜の周縁部を前記基板の上面中央部に向けて押すことにより、前記周縁部からの薬液の流出を抑制または阻止する気流を形成する気流形成工程とを含む、基板処理方法。
  2. 前記気流形成工程によって形成される前記気流は、前記基板の上面周縁部の周囲の領域において上方に向けて流れる上向きの気流を含む、請求項1に記載の基板処理方法。
  3. 前記気流形成工程によって形成される前記気流は、前記基板の側方から前記液膜の周縁部に向かう内向きの気流を含む、請求項1または2に記載の基板処理方法。
  4. 前記液膜形成工程に並行して、前記基板を鉛直方向に延びる回転軸線まわりに回転させる基板回転工程をさらに含み、
    前記内向きの気流は、前記基板の上面周縁部において、前記内向きの気流の線速度方向が、前記基板の回転半径方向の内向きの成分を有する、請求項3に記載の基板処理方法。
  5. 前記気流形成工程によって形成される前記気流は、筒状をなしている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  6. 基板保持手段によって水平姿勢に保持されている基板の上面に薬液を供給して、前記基板の上面の全域を覆う薬液の液膜を形成する液膜形成工程と、
    前記液膜の周縁部の全周に向かう環状の気流によって、前記周縁部から流出しようとする薬液と干渉して前記液膜の周縁部を前記基板の上面中央部に向けて押し、前記周縁部からの薬液の流出を抑制または阻止することにより前記液膜の厚みを厚くする液膜厚増加工程とを含む、基板処理方法。
  7. 前記液膜形成工程は、前記基板の回転を停止させながら、または基板の上面に薬液をパドル状に保持可能な所定のパドル速度で前記基板を回転させながら、前記基板の上面に薬液を供給するパドル工程を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  8. 前記液膜形成工程は、前記基板の上面と、前記基板の上面に対向するように配置された対向面との間の空間を薬液により液密状態にすることにより前記液膜を形成する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  9. 前記液膜が基板の上面の全域を覆った後に、前記基板への薬液の供給を停止する薬液供給停止工程をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  10. 基板を水平姿勢に保持する基板保持手段と、
    前記基板の上面に薬液を供給するための薬液供給手段と、
    前記基板の上面周縁部または当該上面周縁部の周囲の領域に向けて気体を吐出するための気体吐出手段と、
    前記薬液供給手段および前記気体吐出手段を制御する制御装置とを含み、
    前記制御装置は、
    前記薬液供給手段によって、前記基板の上面に薬液を供給して、前記基板の上面の全域を覆う薬液の液膜を形成する液膜形成工程と、
    前記気体吐出手段によって、前記液膜の周縁部の全周に向かう環状の気流であって、前記液膜の周縁部から流出しようとする薬液と干渉して前記液膜の周縁部を前記基板の上面中央部に向けて押すことにより、前記周縁部からの薬液の流出を抑制または阻止する気流を形成する気流形成工程とを実行する、基板処理装置。
  11. 基板を水平姿勢に保持する基板保持手段と、
    前記基板の上面に薬液を供給するための薬液供給手段と、
    前記基板の上面周縁部または当該上面周縁部の周囲の領域に向けて気体を吐出するための気体吐出手段と、
    前記薬液供給手段および前記気体吐出手段を制御する制御装置とを含み、
    前記制御装置は、
    前記薬液供給手段によって、前記基板の上面に薬液を供給して、前記基板の上面の全域を覆う薬液の液膜を形成する液膜形成工程と、
    前記気体吐出手段から吐出される環状の気流によって、前記液膜の周縁部から流出しようとする薬液と干渉して前記周縁部を前記基板の上面中央部に向けて押し、前記周縁部からの薬液の流出を抑制または阻止することにより前記液膜の厚みを厚くする液膜厚増加工程とを実行する、基板処理装置。
  12. 前記気体吐出手段は、前記基板の上面周縁部の周囲の領域に向けて上向きに気体を吐出する第1の気体吐出手段を含む、請求項10または11に記載の基板処理装置。
  13. 前記気体吐出手段は、前記基板の側方から前記液膜の周縁部に向けて内向きに気体を吐出する第2の気体吐出手段を含む、請求項10〜12のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  14. 前記基板処理装置は、前記基板の上面周縁部に所定のクリアランスを隔てて対向配置させられる周縁部対向面を有する対向部材をさらに含み、
    前記気体吐出手段は、前記クリアランスに向けて気体を吐出する、請求項10〜13のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  15. 前記周縁部対向面は、前記基板の上面周縁部から前記基板の側方に流出する薬液を前記基板の上面へ案内する、請求項14に記載の基板処理装置。
  16. 前記気体吐出手段は、前記基板の上面周縁部の全周または当該上面周縁部の周囲の領域の全周に対向するリング状の気体吐出口を含む、請求項10〜15のいずれか一項に記載の基板処理装置。
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