JP5308211B2 - 基板処理装置 - Google Patents

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この発明は、基板を処理する基板処理装置に関する。処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板などが含まれる。
半導体装置や液晶表示装置などの製造工程では、半導体ウエハや液晶表示装置用ガラス基板などの基板を処理するための基板処理装置が用いられる。基板を1枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置は、たとえば、隔壁で区画された処理室内に、基板を水平に保持して回転させるスピンチャックと、スピンチャックに保持された基板の上面に処理液を供給する処理液ノズルとを備えている。
この基板処理装置による基板の処理では、たとえば、回転状態の基板の上面中央部に向けて処理液ノズルから処理液が吐出される。処理液ノズルから吐出された処理液は、基板の上面中央部に着液し、基板の回転による遠心力を受けて、基板の上面周縁部に向かって瞬時に広がっていく。これにより、基板の上面全域に処理液が供給され、基板の上面に処理液による処理が行われる。処理液による処理が行われた後は、スピンチャックによって基板を高速回転させて当該基板を乾燥させる乾燥処理(スピンドライ)が行われる。
特開2006−351805号公報
前記のような構成で処理液による処理や乾燥処理が行われる場合、パーティクルなどの異物が基板の上面に向かってくることがある。したがって、基板の上面に異物が付着して当該基板が汚染されるおそれがある。また、処理室内に漂う処理液の飛沫やミストが基板の上面に付着して当該基板が汚染されるおそれがある。
この発明は、かかる背景のもとでなされたものであり、基板の汚染を抑制または防止することができる基板処理装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板(W)を保持する基板保持手段(8)と、前記基板保持手段に保持された基板の中央部近傍に配置された、基板よりも小さい柱状の気体吐出ノズル(11)と、前記気体吐出ノズルに気体を供給する気体供給手段(23、25)とを含み、前記気体吐出ノズルは、前記基板保持手段に保持された基板に直交する方向に延びる筒状の外周面と、前記外周面で開口する環状の第1気体吐出口(43)と、前記外周面で開口しており前記第1気体吐出口よりも前記基板保持手段側に配置された環状の第2気体吐出口(66)とを含み、気体が基板の一方の主面に沿って基板の周縁部まで外方に広がるように前記第1および第2気体吐出口のそれぞれから気体を放射状に吐出する、基板処理装置(1)である。なお、この項において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すものとする。
この発明によれば、環状の第1気体吐出口と、第1気体吐出口よりも基板保持手段側に配置された環状の第2気体吐出口とが気体吐出ノズルに設けられており、気体吐出ノズルが基板保持手段に保持された基板の中央近傍に配置されている。したがって、気体供給手段から気体吐出ノズルに気体を供給して、第2気体吐出口から気体を吐出させることにより、第2気体吐出口から基板の一方の主面に沿って放射状に広がる気流を形成することができる。そのため、第2気体吐出口から気体を吐出させることにより、基板の一方の主面に到達するパーティクルなどの異物、処理液の飛沫やミストから基板を保護して、基板が汚染されることを抑制または防止することができる。
同様に、第1気体吐出口から気体を吐出させることにより、第1気体吐出口から基板の一方の主面に沿って放射状に広がる気流を形成することができる。したがって、第1および第2気体吐出口の両方の気体吐出口から気体を吐出させることにより、層状に重なり合う2つの気流を形成して、この2つの気流によって基板の一方の主面を覆うことができる。これにより、2つの気流によって基板の一方の主面をより確実に保護することができる。そのため、基板に対する異物や処理液のミストの付着を一層低減して、基板の清浄度を向上させることができる。しかも、気体吐出ノズルは、基板よりも小さ柱状であるので、基板処理装置の大型化を抑制しつつ、基板の汚染を抑制または防止することができる。
請求項2記載の発明は、前記気体吐出ノズルは、前記基板保持手段に保持された基板の一方の主面に対向し、前記第1および第2気体吐出口よりも前記基板保持手段側に配置された対向面(11a)と、前記対向面に設けられた第3気体吐出口(65)とをさらに含むものである、請求項1記載の基板処理装置である。
この発明によれば、第3気体吐出口から気体を吐出させることにより、基板の一方の主面と対向面との間に気体を供給することができる。また、基板の一方の主面と対向面との間に供給された気体は、外方に向かって流れて、基板の一方の主面と対向面との間から放射状に吐出される。したがって、第3気体吐出口から気体を吐出させることにより、第3気体吐出口を中心として放射状に広がる気流を形成して、この気流によって基板の一方の主面を覆うことができる。また、3つの気体吐出口(第1、第2、および第3気体吐出口)から気体を吐出させることにより、層状に重なり合う3つの気流を形成して、この3つの気流によって基板の一方の主面を覆うことができる。これにより、基板の一方の主面を一層確実に保護して、基板の清浄度を一層向上させることができる。
請求項3記載の発明のように、前記気体吐出ノズルおよび気体供給手段は、前記第2気体吐出口から吐出される気体の流速と、前記第3気体吐出口から吐出される気体の流速とがほぼ一致するように設計されていてもよい。
この発明によれば、第2気体吐出口から吐出される気体の流速と、第3気体吐出口から吐出される気体の流速とを一致させることにより、基板の中央部近傍から基板の一方の主面に沿って放射状に広がる気流が基板の周縁部に到達するまで、3つの気流が層状に重なり合った状態を維持することができ、基板の一方の主面の全域を確実に3つの気流によって覆うことができる。したがって、パーティクルなどの異物、処理液の飛沫やミストが基板の周縁部に付着することを防止することができる。
請求項4記載の発明のように、前記気体吐出ノズルは、前記気体供給手段から供給された気体を前記第3気体吐出口に案内する流路をさらに含み、前記流路の上流端の流路断面積は、前記流路の下流端の流路断面積よりも小さくてもよい。
また、請求項5記載の発明のように、前記気体吐出ノズルは、前記流路を気体の流通方向における上流側と下流側とに仕切っており、気体の流通方向に延びる複数の貫通孔が形成された仕切部をさらに含んでいてもよい。
また、請求項6記載の発明のように、前記気体吐出ノズルは、前記流路内で前記第3気体吐出口に向けて処理液を吐出する処理液ノズルをさらに含んでいてもよい。
また、請求項7記載の発明のように、前記第1および第2気体吐出口は、互いに等しい直径を有していてもよい。
また、請求項記載の発明のように、前記気体吐出ノズルは、前記第1気体吐出口から吐出される気体の流速が、前記第2気体吐出口から吐出される気体の流速よりも遅くなるように設計されていてもよい。
また、請求項記載の発明のように、前記基板保持手段は、基板を水平に保持するものであり、前記気体吐出ノズルは、前記第1および第2気体吐出口から水平に気体が吐出されるように設計されていてもよい。
後述するように、このような気体吐出ノズルおよび気体供給手段や、基板保持手段および気体吐出ノズルを用いることにより、基板の清浄度を一層向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る基板処理装置のレイアウトを示す図解的な平面図である。 本発明の一実施形態に係る基板処理装置に備えられた処理ユニットの概略構成を示す模式図である。 気体吐出ノズルの図解的な縦断面図である。 図3に示すIV−IV線に沿う気体吐出ノズルの図解的な断面図である。 気体吐出ノズルを基板の上面中央部に近接させた状態で3つの気体吐出口から気体を吐出させたときの吐出状態を説明するための気体吐出ノズルおよび基板の図解的な側面図である。 基板処理装置による基板の処理の一例を説明するための工程図である。 基板に付着しているパーティクル数を示すグラフである。 基板に付着しているパーティクル数を示すグラフである。 本発明の他の実施形態に係る処理液ノズルの図解的な外観図である。
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置1のレイアウトを示す図解的な平面図である。
この基板処理装置1は、半導体ウエハ等の基板Wを1枚ずつ処理する枚葉式の装置である。基板処理装置1は、インデクサブロック2と、インデクサブロック2に結合された処理ブロック3とを備えている。
インデクサブロック2は、キャリア保持部4と、インデクサロボットIRと、インデクサロボット移動機構5(以下では、「IR移動機構5」という。)とを備えている。キャリア保持部4には、複数枚の基板Wを収容できるキャリアCが保持される。キャリアCは、所定の配列方向U(以下「キャリア配列方向U」という。)に沿って配列された状態で、キャリア保持部4に保持される。また、IR移動機構5は、キャリア配列方向Uに沿ってインデクサロボットIRを水平に移動させることができる。
インデクサロボットIRは、第1上アームの先端に取り付けられた第1上ハンドH1と、第1下アームの先端に取り付けられた第1下ハンドH2とを備えている。第1上ハンドH1および第1下ハンドH2は、互いに干渉しないように、上下方向に高さをずらして配置されている。図1では、第1上ハンドH1および第1下ハンドH2が上下に重なり合っている状態が示されている。インデクサロボットIRは、各ハンドH1,H2によって基板Wを保持することができる。また、インデクサロボットIRは、キャリアCに対向する位置で、当該キャリアCに対して処理済の基板Wを搬入する搬入動作、および未処理の基板Wを当該キャリアCから搬出する搬出動作を行うことができる。
一方、処理ブロック3は、基板Wを一枚ずつ処理する複数の処理ユニット6と、センターロボットCRとを備えている。本実施形態では、処理ユニット6がたとえば8つ設けられている。8つの処理ユニット6は、2つずつ上下に積層され、平面視においてセンターロボットCRを取り囲むように配置されている(図1では上段の4つの処理ユニット6が示されている。)。各処理ユニット6では、たとえば、洗浄、エッチング、剥離等の処理が1枚の基板Wに対して行われる。
また、センターロボットCRは、第2上アームの先端に取り付けられた第2上ハンドH3と、第2下アームの先端に取り付けられた第2下ハンドH4とを備えている。第2上ハンドH3および第2下ハンドH4は、互いに干渉しないように、上下方向に高さをずらして配置されている。図1では、第2上ハンドH3および第2下ハンドH4が上下に重なり合っている状態が示されている。センターロボットCRは、各ハンドH3,H4によって基板Wを保持することができる。また、センターロボットCRは、各処理ユニット6に対して未処理の基板Wを搬入する搬入動作、および処理済の基板Wを各処理ユニット6から搬出する搬出動作を行うことができる。さらに、センターロボットCRは、インデクサロボットIRから未処理の基板Wを受け取ることができ、処理済の基板WをインデクサロボットIRに渡すことができる。
キャリアCに収容された未処理の基板Wは、インデクサロボットIRによって搬出される。そして、インデクサロボットIRからセンターロボットCRに未処理の基板Wが受け渡され、センターロボットCRによって、何れかの処理ユニット6に未処理の基板Wが搬入される。センターロボットCRは、インデクサロボットIRから受け渡される基板Wを複数の処理ユニット6に順次搬入していく。
一方、処理ユニット6で処理された処理済の基板Wは、センターロボットCRによって処理ユニット6から搬出される。そして、センターロボットCRからインデクサロボットIRに処理済の基板Wが受け渡され、インデクサロボットIRによって、処理済の基板WがキャリアC内に搬入される。センターロボットCRは、複数の処理ユニット6から処理済の基板Wを順次搬出していく。このようにして、複数枚の基板Wが処理される。
図2は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置1に備えられた処理ユニット6の概略構成を示す模式図である。
各処理ユニット6は、図示しない隔壁で区画された処理室7内に、1枚の基板Wを水平に保持して回転させるスピンチャック8(基板保持手段)と、スピンチャック8に保持された基板Wの上面に処理液を供給するための薬液ノズル9およびリンス液ノズル10と、基板W上で気体を吐出する気体吐出ノズル11とを備えている。図示はしないが、処理ユニット6には、基板処理装置1が設置されるクリーンルーム内の清浄空気をさらに清浄化して処理室7内に取り込むためのFFU(ファン・フィルタ・ユニット)が取り付けられている。処理室7内には、このFFUから供給される清浄空気による下降気流(ダウンフロー)が形成されている。
スピンチャック8は、鉛直な方向に延びる回転軸12と、回転軸12の上端に水平に取り付けられた円盤状のスピンベース13と、このスピンベース13上に配置された複数個の挟持部材14と、回転軸12に連結されたモータ15とを備えている。複数個の挟持部材14は、スピンベース13の上面周縁部において基板Wの外周形状に対応する円周上で適当な間隔を空けて配置されている。スピンチャック8は、各挟持部材14を基板Wの周端面に当接させることにより当該基板Wを挟持して、スピンベース13の上方で水平な姿勢で基板Wを保持することができる。複数個の挟持部材14によって基板Wが保持された状態で、モータ15の駆動力が回転軸12に入力されることにより、基板Wの中心を通る鉛直な軸線まわりに基板Wが回転する。モータ15は、制御部16により制御される。
なお、スピンチャック8としては、このような構成のものに限らず、たとえば、基板Wの下面(裏面)を真空吸着することにより基板Wを水平な姿勢で保持して、さらにその状態で鉛直な軸線まわりに回転することにより、その保持した基板Wを回転させることができる真空吸着式のもの(バキュームチャック)が採用されてもよい。
薬液ノズル9は、吐出口が下方に向けられた状態で、スピンチャック8よりも上方に配置されている。薬液ノズル9には、薬液バルブ17が介装された薬液供給管18を介して図示しない薬液供給源からの薬液が供給される。薬液供給源から薬液ノズル9に供給された薬液は、スピンチャック8に保持された基板Wの上面中央部に向けて吐出される。薬液ノズル9に供給される薬液としては、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、フッ酸、アンモニア水、過酸化水素水、有機酸(たとえばクエン酸、蓚酸など)、有機アルカリ(たとえば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドなど)、界面活性剤、腐食防止剤のうちの少なくとも1つを含む液を例示することができる。
また、リンス液ノズル10は、吐出口が下方に向けられた状態で、スピンチャック8よりも上方に配置されている。リンス液ノズル10には、リンス液バルブ19が介装されたリンス液供給管20を介して図示しないリンス液供給源からのリンス液が供給される。リンス液供給源からリンス液ノズル10に供給されたリンス液は、スピンチャック8に保持された基板Wの上面中央部に向けて吐出される。リンス液ノズル10に供給されるリンス液としては、純水(脱イオン水)、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水や、希釈濃度(たとえば、10〜100ppm程度)の塩酸水などを例示することができる。
気体吐出ノズル11は、スピンチャック8に保持される基板Wよりも小径の円柱状の部材である。気体吐出ノズル11は、スピンチャック8の上方において鉛直な姿勢で支持アーム21に支持されている。気体吐出ノズル11には、第1気体バルブ22が介装された第1気体供給管23(気体供給手段)と、第2気体バルブ24が介装された第2気体供給管25(気体供給手段)とが接続されている。気体吐出ノズル11には、第1気体供給管23および第2気体供給管25を介して図示しない気体供給源からの気体が供給される。後述するように、気体吐出ノズル11は、スピンチャック8の上方において、水平な方向、および下方に向けて気体を吐出できるように構成されている。気体吐出ノズル11に供給される気体としては、窒素ガスなどの不活性ガス、乾燥空気、清浄空気などを例示することができる。
また、支持アーム21は、スピンチャック8の側方に設けられた鉛直な揺動軸線まわりに揺動可能に形成されている。支持アーム21は、ノズル揺動機構26によって所定の揺動軸線まわりに揺動される。ノズル揺動機構26が支持アーム21を揺動させることにより、気体吐出ノズル11が水平移動する。これにより、スピンチャック8に保持された基板Wの上方に気体吐出ノズル11を配置したり、スピンチャック8の上方から気体吐出ノズル11を退避させたりすることができる。支持アーム21の揺動軸線は、気体吐出ノズル11がスピンチャック8に保持された基板Wの中央部上方を通る所定の軌跡に沿って水平移動するように設定されている。
また、支持アーム21には、支持アーム21を鉛直方向に昇降させるノズル昇降機構27が連結されている。ノズル昇降機構27は、支持アーム21を鉛直方向に昇降させることにより、気体吐出ノズル11を鉛直方向に昇降させることができる。したがって、気体吐出ノズル11がスピンチャック8に保持された基板Wの中央部上方に位置する状態で、ノズル昇降機構27が支持アーム21を昇降させることにより、気体吐出ノズル11を基板Wの上面中央部に近接させたり、基板Wの上方に退避させたりすることができる。ノズル昇降機構27は、気体吐出ノズル11が基板Wの上面中央部に近接する近接位置(図5参照)と、近接位置よりも上方に位置する上方位置(図2に示す位置)との間で気体吐出ノズル11を昇降させることができる。ノズル揺動機構26およびノズル昇降機構27は、それぞれ、制御部16により制御される。
また、気体吐出ノズル11には、処理液を吐出するための処理液ノズル28が取り付けられている。処理液ノズル28の一部は、気体吐出ノズル11の内部に配置されている。処理液ノズル28は、気体吐出ノズル11の下面11aの中央部から下方に向けて処理液を吐出できるように構成されている。処理液ノズル28には、処理液バルブ29が介装された処理液供給管30が接続されている。処理液ノズル28には、この処理液供給管30を介して図示しない処理液供給源からの処理液が供給される。
処理液ノズル28に供給される処理液としては、たとえば、IPA(イソプロピルアルコール)が用いられている。IPAは、純水よりも揮発性の高い有機溶剤の一例であり、純水を容易に溶け込ませることができる。また、純水よりも揮発性の高い有機溶剤の例としてIPA以外にも、たとえば、HFE(ハイドロフロロエーテル)、メタノール、エタノール、アセトンおよびTrans-1,2ジクロロエチレンのうちの少なくとも1つを含む液を用いることができる。また、単体成分のみからなるものが用いられてもよいし、他の成分と混合されたものが用いられてもよく、たとえば、IPAと純水の混合液や、IPAとHFEの混合液が用いられてもよい。
図3は、気体吐出ノズル11の図解的な縦断面図であり、図4は、図3に示すIV−IV線に沿う気体吐出ノズル11の図解的な断面図である。以下では、図3および図4を参照して、気体吐出ノズル11の構成について具体的に説明する。
気体吐出ノズル11は、気体吐出ノズル11の外側を構成する外構成部材31と、気体吐出ノズル11の内側を構成する内構成部材32とを備えている。外構成部材31は筒状であり、内構成部材32は、外構成部材31の内周に嵌合されている。外構成部材31は、支持アーム21によって支持されており、内構成部材32は、外構成部材31を介して支持アーム21によって支持されている。
外構成部材31は、ハウジング33と、上プレート34と、中間プレート35とを備えている。ハウジング33は、カップ状であり、開口を下に向けた鉛直な姿勢で配置されている。また、上プレート34は、平面視円環状であり、ハウジング33の下端に水平な姿勢で連結されている。また、中間プレート35は、平面視円環状であり、上プレート34との間に複数のシム36を挟んで、水平な姿勢で上プレート34に連結されている。ハウジング33、上プレート34、および中間プレート35は、同軸的に連結されている。
ハウジング33は、円筒状の周壁部37と、周壁部37の一端(図3では下端)から外方に延びる環状のフランジ部38と、周壁部37の他端(図3では上端)から内方に延びる内方延設部39とを備えている。内方延設部39の中央部には、雌ねじ孔39aが形成されている。また、周壁部37の内周面は、直径が段階的に変化する階段状の円筒面に形成されている。周壁部37の内径は、下方に向かうに従って段階的に大きくなっている。また、周壁部37には、周壁部37を径方向に貫通する継手連結孔40が形成されている。継手連結孔40には、第1継手41を介して第1気体供給管23が連結されている。第1気体供給管23を流通する気体は、第1継手41を介して周壁部37の内側の空間に供給される。
また、上プレート34は、周壁部37と同軸になるように、水平な姿勢でフランジ部38に連結されている。上プレート34の内径は、周壁部37の下端部の内径と同じ大きさに形成されている。上プレート34の内周面は、全周にわたって周壁部37の下端部の内周面に連なっている。上プレート34の下面は、平坦であり、水平面に沿って配置されている。
また、中間プレート35は、周壁部37と同軸になるように、上プレート34の下方において水平な姿勢で配置されている。中間プレート35は、中間プレート35およびシム36をそれぞれ貫通する複数の皿ねじ42によって上プレート34に連結されている。中間プレート35の内径は、上プレート34の内径よりも大きく形成されており、中間プレート35の外径は、上プレート34の外径と同じ大きさに形成されている。中間プレート35の上面および下面は、それぞれ、平坦であり、水平面に沿って配置されている。
また、複数のシム36は、高さが揃えられており、中間プレート35の周方向に等間隔を隔てて配置されている。中間プレート35の上面は、鉛直方向に間隔を隔てて、上プレート34の下面に平行に対向している。中間プレート35の上面と上プレート34の下面との間には、水平に広がる環状の空間が形成されている。また、中間プレート35の外周面と上プレート34の外周面との間には、気体吐出ノズル11を取り囲む環状の上側気体吐出口43(第1気体吐出口)が形成されている。
内構成部材32は、円柱状部材44と、筒状部材45と、平板状部材46とを備えている。円柱状部材44は、鉛直な姿勢で外構成部材31に連結されている。また、筒状部材45は、鉛直な姿勢で円柱状部材44の下端に連結されている。また、平板状部材46は、水平な姿勢で筒状部材45の下端に連結されている。円柱状部材44、筒状部材45、および平板状部材46は、同軸的に連結されている。
円柱状部材44は、それぞれ円柱状に形成されたねじ部47、張り出し部48、および突出部49を備えている。ねじ部47、張り出し部48、および突出部49は、同軸的に配置されている。張り出し部48は、ねじ部47の下方に配置されており、張り出し部48の外周面は、ねじ部47よりも外方に張り出している。また、突出部49は、張り出し部48の下面から下方に突出しており、突出部49の外径は、張り出し部48の外径よりも小さく形成されている。
ねじ部47の外周面には、雌ねじ孔39aと対をなす雄ねじ50が形成されている。ねじ部47は、雌ねじ孔39aに対して下方から取り付けられている。ねじ部47の上端部は、内方延設部39よりも上方に突出しており、この突出した部分(ねじ部47の上端部)の外周にロックナット51が取り付けられている。これにより、内構成部材32が外構成部材31に強固に連結されている。
また、張り出し部48の外周面には、張り出し部48の周方向に延びる環状溝52が形成されている。環状溝52には、Oリング53が保持されている。張り出し部48は、周壁部37の上端部の内側に位置しており、張り出し部48の外径は、周壁部37の上端部の内径よりもやや小さく形成されている。張り出し部48と周壁部37との間は、Oリング53によって封止されている。
また、円柱状部材44には、それぞれ円柱状部材44を軸方向に貫通する中心貫通孔54およびノズル保持孔55が形成されている。中心貫通孔54は、円柱状部材44の中心軸線に沿って形成されており、中心貫通孔54の上端部には、第2継手56を介して第2気体供給管25が連結されている。第2気体供給管25を流通する気体は、第2継手56を介して中心貫通孔54内に供給される。また、中心貫通孔54内に供給された気体は、円柱状部材44の下面中央部に位置する中心貫通孔54の下端から下方に吐出される。
また、ノズル保持孔55の上端から下端部までの部分は、円柱状部材44の軸方向に沿って形成されている。また、ノズル保持孔55の下端部は、下方に向かうに従って円柱状部材44の中心軸線に近づくように傾斜している。処理液ノズル28は、ノズル保持孔55に対して上方から差し込まれている。処理液ノズル28の下端部は、ノズル保持孔55の下端部に沿って下方に向かうに従って円柱状部材44の中心軸線に近づくように傾斜している。処理液ノズル28の下端は、円柱状部材44よりも下方に位置している。
筒状部材45は、鉛直な姿勢で円柱状部材44の下端に連結されている。筒状部材45の内周面は、直径が一定の円筒面に形成されている。筒状部材45の内径は、中心貫通孔54の内径よりも十分に大きくされている。また、筒状部材45の外周面は、直径が段階的に変化する階段状の円筒面に形成されている。筒状部材45の上端から下端部までの部分の外径(後述の円筒部57の外径に相当)は、一定に形成されている。また、筒状部材45の下端部の外径(後述の被連結部59の外径に相当)は、一定であり、その上方部分の外径よりも大きく形成されている。
筒状部材45は、円筒部57と、円板状の仕切部58と、円筒状の被連結部59とを備えている。円筒部57、被連結部59、および仕切部58は、同軸的に配置されている。円筒部57の上端は、突出部49の外周に嵌合している。また、仕切部58は、円筒部57の内側の空間において水平な姿勢で配置されている。円筒部57の内側の空間は、仕切部58によって鉛直方向に仕切られている。また、被連結部59は、円筒部57の下端に連結されており、被連結部59の外径は、円筒部57の外径よりも大きく形成されている。
また、仕切部58には、複数の気体流通孔60と、ノズル挿通孔61とが形成されている。複数の気体流通孔60は、仕切部58の全域に形成されており、それぞれ、仕切部58を厚み方向に貫通している。また、ノズル挿通孔61は、仕切部58の中央部付近に配置されている。処理液ノズル28の下端は、ノズル挿通孔61を上方から下方に挿通している。処理液ノズル28の下端は、筒状部材45の内側の空間における仕切部58よりも下方の位置に配置されている。処理液ノズル28に供給されたIPAは、処理液ノズル28の下端から下方に向けて吐出される。
図3に示すように、筒状部材45は、外構成部材31の内側の空間に配置されている。円筒部57の外周面と外構成部材31の内周面との間には、円筒状の空間が形成されている。この円筒状の空間は、継手連結孔40に連通している。また、被連結部59の外周面と外構成部材31の内周面との間には、円筒状の空間が形成されている。この円筒状の空間は、円筒部57と外構成部材31との間の空間に連通している。また、被連結部59の外周面と外構成部材31の内周面との間の径方向への間隔は、円筒部57の外周面と外構成部材31の内周面との間の径方向への間隔よりも小さくなっている。
平板状部材46は、平面視円環状に形成されている。平板状部材46の内径は、円筒状部材45の内径と同じ大きさに形成されている。平板状部材46は、平板状部材46を鉛直方向に貫通する複数の皿ねじ62によって被連結部59に同軸的に連結されている。平板状部材46の内周面は、全周にわたって円筒状部材45の内周面に連なっている。また、各皿ねじ62は、下方から平板状部材46に取り付けられている。各皿ねじ62の下端(各皿ねじ62の頭部)は、平板状部材46の内部に収容されている。
平板状部材46は、水平な姿勢で配置された平面視円環状の下プレート63と、下プレート63の上面内周部から上方に延設された円筒状の連結部64とを備えている。下プレート63は、中間プレート35よりも下方に配置されており、連結部64の一部は、外構成部材31の内側の空間に配置されている。下プレート63および連結部64は、同軸的に連結されている。
下プレート63の外径は、上プレート34および中間プレート35の外径と同じ大きさに形成されている。また、下プレート63の上面および下面は、それぞれ、平坦であり、水平面に沿って配置されている。下プレート63の下面は、気体吐出ノズル11の下面11a(対向面)に相当する。下プレート63の下面中央部には、気体を吐出するための平面視円形の中心気体吐出口65(第3気体吐出口)が形成されている。
また、下プレート63の上面は、鉛直方向に間隔を隔てて、中間プレート35の下面に平行に対向している。下プレート63の上面と中間プレート35の下面との間には、水平に広がる環状の空間が形成されている。また、下プレート63の外周面と中間プレート35の外周面との間には、気体吐出ノズル11を取り囲む環状の下側気体吐出口66(第2気体吐出口)が形成されている。
また、連結部64の外周面は、直径が一定の円筒面に形成されている。連結部64の外径は、被連結部59の外径と同じ大きさに形成されている。連結部64は、被連結部59に同軸的に連結されている。連結部64の外周面は、全周にわたって被連結部59の外周面に連なっている。
また、連結部64の外周面と外構成部材31の内周面との間には、円筒状の空間が形成されている。この円筒状の空間は、筒状部材45と外構成部材31との間の筒状の空間に連通している。また、連結部64と外構成部材31との間の空間は、上プレート34と中間プレート35との間の環状の空間、および中間プレート35と下プレート63との間の環状の空間に連通している。これらの空間は、気体が流通する気体流通路67を形成している。すなわち、第1気体供給管23から気体吐出ノズル11に供給された気体は、これらの空間を通って上側気体吐出口43および下側気体吐出口66から吐出される。
より具体的には、第1気体供給管23から気体吐出ノズル11に供給された気体は、継手連結孔40から周壁部37の内側の空間に向けてほぼ水平に吐出される。そして、継手連結孔40から吐出された気体は、円筒部57の外周面に当たって円筒部57と外構成部材31との間の空間に拡散する。円筒部57と外構成部材31との間の空間に拡散した気体は、被連結部59と外構成部材31との間を通って下方に流れ、上プレート34と中間プレート35との間の環状の空間、および中間プレート35と下プレート63との間の環状の空間に供給される。そして、上プレート34と中間プレート35との間の環状の空間に供給された気体は、上側気体吐出口43から水平方向に向けて放射状に吐出される。同様に、中間プレート35と下プレート63との間の環状の空間に供給された気体は、上側気体吐出口43から水平方向に向けて放射状に吐出される。これにより、第1気体供給管23から気体吐出ノズル11に供給された気体が、気体流通路67を通って、上側気体吐出口43および下側気体吐出口66から吐出される。
前述のように、被連結部59と外構成部材31との間における流路断面積が円筒部57と外構成部材31との間における流路断面積よりも小さくなっているので、円筒部57の外周面に当たった気体は、円筒部57と外構成部材31との間の空間を、主として周方向に広がっていく。したがって、被連結部59と外構成部材31との間に空間には、全周にわたって均一に気体が供給される。また、継手連結孔40から周壁部37の内側の空間に向けて吐出された気体は、円筒部57の外周面に当たって減速する。さらに、被連結部59と外構成部材31との間における流路断面積が十分に小さくなっているので、被連結部59と外構成部材31との間には、継手連結孔40から吐出されたときよりも十分に減速された気体が通過する。したがって、上プレート34と中間プレート35との間、および中間プレート35と下プレート63との間には、全周にわたって均一な流量で均一な圧力の気体が供給される。これにより、上側気体吐出口43および下側気体吐出口66から全周にわたって均一な流量で均一な圧力の気体が吐出される。
一方、第2気体供給管25から気体吐出ノズル11に供給された気体は、中心気体吐出口65から下方に向けて吐出される。より具体的には、第2気体供給管25から気体吐出ノズル11に供給された気体は、中心貫通孔54を通って、円筒部57の内側の空間に供給される。そして、円筒部57の内側の空間に供給された気体は、円筒部57の内側の空間における仕切部58よりも上方の部分に拡散する。また、この上方の部分に拡散した気体は、仕切部58に形成された各気体流通孔60を通って下方に流れる。これにより、第2気体供給管25から気体吐出ノズル11に供給された気体が中心気体吐出口65から下方に吐出される。
前述のように、円筒部57の内側における流路断面積は、中心貫通孔54における流路断面積よりも大きくなっているので、中心貫通孔54から円筒部57の内側の空間に供給された気体は、十分に減速される。また、円筒部57の内側の空間における仕切部58よりも上方の部分に供給された気体は、この上方の部分に拡散した後に、各気体流通孔60を通過するので、各気体流通孔60からは、均一な流量で気体が吐出される。そのため、第2気体供給管25から気体吐出ノズル11に供給された気体は、十分に減速されて圧力が弱まった状態で、中心気体吐出口65の全域から下方に向けて吐出される。
図5は、気体吐出ノズル11を基板Wの上面中央部に近接させた状態で3つの気体吐出口43、65、66から気体を吐出させたときの吐出状態を説明するための気体吐出ノズル11および基板Wの図解的な側面図である。
気体吐出ノズル11を基板Wの上面中央部に近接させた状態で、中心気体吐出口65から気体を吐出させると、吐出された気体は、気体吐出ノズル11の下面11aと基板Wの上面との間を外方に向かって流れる。したがって、中心気体吐出口65から吐出された気体は、気体吐出ノズル11の外周面と基板Wの上面との間の環状の隙間から水平方向に向けて放射状に吐出される。また、この環状の隙間から吐出された気体は、コアンダ効果によって基板Wの方に吸い寄せられて、基板Wの上面に沿って流れていく。したがって、気体吐出ノズル11を基板Wの上面中央部に近接させた状態で、中心気体吐出口65から気体を吐出させると、基板Wの上面中央部を中心にして放射状に広がる気流が形成され、この気流によって基板Wの上面全域が覆われる。
一方、気体吐出ノズル11を基板Wの上面中央部に近接させた状態で、上側気体吐出口43および下側気体吐出口66から水平方向に向けて気体を放射状に吐出させると、下側気体吐出口66から吐出された気体は、コアンダ効果によって基板Wの方に吸い寄せられて、基板Wの上面に沿って流れていく。同様に、上側気体吐出口43から吐出された気体は、コアンダ効果によって基板Wの方に吸い寄せられて、下側気体吐出口66から吐出された気体により形成される気流の上部に沿って流れていく。したがって、気体吐出ノズル11を基板Wの上面中央部に近接させた状態で、上側気体吐出口43および下側気体吐出口66から気体を吐出させると、鉛直方向に重なり合って、それぞれ基板Wの上面中央部を中心にして放射状に広がる2つの気流が形成される。そして、この2つの気流によって基板Wの上面全域が覆われる。
また、上側気体吐出口43および下側気体吐出口66から気体を吐出させるときに、中心気体吐出口65から気体を吐出させておけば、下側気体吐出口66から吐出された気体は、中心気体吐出口65から吐出された気体により形成される気流の上部に沿って外方に流れていく。したがって、気体吐出ノズル11を基板Wの上面中央部に近接させた状態で、3つの気体吐出口43、65、66から気体を吐出させると、鉛直方向に重なる3つの気流によって基板Wの上面全域が覆われる。
このように、本実施形態では、気体吐出口43、65、66から気体を吐出させることにより、当該気体吐出口43、65、66から吐出された気体により形成された気流によって基板Wの上面全域を覆うことができる。したがって、ダウンフローに乗って基板Wの上面に向かってくるパーティクルなどの異物、処理液の飛沫やミストが基板Wの上面近傍に達しても、この異物や処理液のミスト等を気流によって外方に押し流すことができる。これにより、異物等が基板Wの上面に付着することを抑制または防止することができる。したがって、基板Wの汚染を抑制または防止することができる。また、3つの気体吐出口43、65、66から気体を吐出させれば、鉛直方向に重なる3つの気流によって基板Wの上面全域を覆うことができるので、基板Wの汚染を一層抑制または防止することができる。
より具体的には、3つの気体吐出口43、65、66から気体を吐出させると、たとえば、下側の2つの気流の中に、基板Wの上面近傍に達した異物等を気流中に巻き込んで基板Wの上面に付着させるような渦流(図5における矢印A1参照)が形成される場合がある。しかしながら、このような場合でも、鉛直方向に重なる3つの気流によって基板Wの上面全域を覆うことにより、一番上の気流によって異物等を外方に押し流して、下側の2つの気流中に異物等が巻き込まれることを抑制または防止することができる。したがって、3つの気体吐出口43、65、66から気体を吐出させることにより、下側の2つの気流中に渦流が形成されている場合でも、基板Wの上面に対する異物や処理液のミストの付着を確実に抑制または防止することができる。これにより、基板Wの汚染を一層抑制または防止することができる。
図6は、基板処理装置1による基板Wの処理の一例を説明するための工程図である。以下では、図2、図5および図6を参照して、基板Wの処理の一例について説明する。
未処理の基板Wは、図示しない搬送ロボットによって処理室7に搬入され、デバイス形成面である表面をたとえば上に向けてスピンチャック8に渡される。また、基板Wが処理室7に搬入されるとき、気体吐出ノズル11などの処理室7内の構成は、搬送ロボットや基板Wに衝突しないように、スピンチャック8の上方から退避させられている。
次に、基板Wの表面を薬液の一例であるフッ酸により処理する薬液処理が行われる(ステップS1)。具体的には、制御部16によりモータ15が制御されて、スピンチャック8に保持された基板Wが所定の回転速度で回転させられる。そして、制御部16により薬液バルブ17が開かれて、薬液ノズル9から基板Wの上面中央部に向けてフッ酸が吐出される。吐出されたフッ酸は、基板Wの上面中央部に着液し、基板Wの回転による遠心力を受けて基板W上を外方に広がっていく。これにより、基板Wの上面全域にフッ酸が供給され、基板Wの表面に対する薬液処理が行われる。薬液処理が所定時間にわたって行われると、制御部16により薬液バルブ17が閉じられて、薬液ノズル9からのフッ酸の吐出が停止される。
次に、基板Wの表面をリンス液の一例である純水により洗い流すリンス処理が行われる(ステップS2)。具体的には、制御部16によりリンス液バルブ19が開かれて、リンス液ノズル10から回転状態の基板Wの上面中央部に向けて純水が吐出される。これにより、基板Wの上面全域に純水が供給され、基板Wに付着しているフッ酸が純水によって洗い流される。このようにして、基板Wの表面に対するリンス処理が行われる。
次に、基板W上で純水の液膜を保持させた状態で処理を進める純水によるパドル処理が行われる(ステップS3)。具体的には、リンス液ノズル10からの純水の吐出が継続された状態で、制御部16によりモータ15が制御されて、基板Wの回転が停止、または基板Wの回転速度が低速(たとえば10〜30rpm程度)に変更される。これにより、基板W上の純水に作用する遠心力が弱まって、基板Wの周囲に排出される純水の量が減少する。したがって、基板Wの上面には、リンス液ノズル10から供給された純水が溜まり、純水による液盛りが行われる。これにより、基板Wの上面全域を覆う純水の液膜が形成される。純水の液膜が基板W上に形成された後は、制御部16によりリンス液バルブ19が閉じられて、リンス液ノズル10からの純水の吐出が停止される。そして、基板W上で純水の液膜が保持された状態が所定時間にわたって維持される。このようにして、純水による液膜を基板W上に保持させた状態で処理を進める純水によるパドル処理が基板Wの上面に行われる。
次に、純水よりも揮発性の高い有機溶剤の一例であるIPAによって基板W上の純水の液膜を置換するIPA置換処理が行われる(ステップS4)。具体的には、制御部16によりノズル揺動機構26が制御されて、気体吐出ノズル11がスピンチャック8に保持された基板Wの中央部上方に配置される。このとき気体吐出ノズル11は、上方位置(図2に示す位置)に配置されている。その後、制御部16により処理液バルブ29が開かれて、処理液ノズル28から基板Wの上面中央部に向けてIPAが吐出される。また、処理液ノズル28からIPAが吐出されている間、制御部16によりモータ15が制御されて、基板Wが所定の回転速度まで加速される。そして、基板Wの回転速度が所定の回転速度に維持された状態で、基板WへのIPAの供給が行われる。
処理液ノズル28から吐出されたIPAは、基板Wの上面中央部に着液し、基板Wの回転による遠心力を受けて基板W上を外方に広がっていく。したがって、基板W上に保持された純水の液膜は、基板Wの上面中央部から外方に向けて徐々にIPAに置換されていく。また、IPAは、純水を容易に溶け込ませることができる有機溶剤である。したがって、基板W上の純水がIPAに溶け込みつつ、基板W上の純水がIPAよって置換されていく。このようにして、基板W上の純水の液膜をIPAの液膜に置換するIPA置換処理が所定時間にわたって行われ、基板Wの上面全域がIPAの液膜によって覆われる。IPA置換処理が所定時間にわたって行われると、制御部16により処理液バルブ29が閉じられて、処理液ノズル28からのIPAの吐出が停止される。
次に、基板Wを乾燥させる乾燥処理(スピンドライ)が行われる(ステップS5)。具体的には、制御部16によりモータ15が制御されて、基板Wの回転が加速される。これにより、基板W上のIPAが外方に振り切られて、IPAの液膜の膜厚が減少する。制御部16は、基板Wの回転を加速させた後、ノズル昇降機構27を制御して、気体吐出ノズル11を上方位置から近接位置(図5に示す位置)に移動させる。このとき、IPAの液膜の膜厚が減少しているので、気体吐出ノズル11の下端部がIPAの液膜に埋没することなく、気体吐出ノズル11の下面11aが基板Wの上面中央部に対向する。
制御部16は、基板Wの回転を加速させた後、第1気体バルブ22および第2気体バルブ24を開いて、気体の一例である窒素ガスを3つの気体吐出口43、65、66から吐出させる。制御部16が各気体吐出口43、65、66から窒素ガスを吐出させるタイミングは、たとえば、気体吐出ノズル11が上方位置から近接位置に移動する前であってもよいし、気体吐出ノズル11が近接位置に移動した後であってもよい。また、制御部16は、3つの気体吐出口43、65、66から同時に窒素ガスを吐出させてもよいし、上側気体吐出口43および下側気体吐出口66からの窒素ガスの吐出と、中心気体吐出口65からの窒素ガスの吐出とを異なるタイミングで開始させてもよい。
中心気体吐出口65から吐出された窒素ガスは、基板Wの上面中央部に向けて吹き付けられる。このとき基板Wの上面中央部に吹き付けられる窒素ガスの圧力が十分に弱められているので、基板Wの上面中央部からIPAの液膜が除去され、基板Wの上面が部分的に乾燥することが抑制または防止されている。また、中心気体吐出口65から吐出された窒素ガスは、気体吐出ノズル11の下面11aと基板W上のIPAの液膜との間を外方に向かって流れる。したがって、中心気体吐出口65から吐出された窒素ガスは、気体吐出ノズル11の外周面とIPAの液膜との間の環状の隙間から水平方向に向けて放射状に吐出される。また、この環状の隙間から吐出された窒素ガスは、コアンダ効果によって基板Wの方に吸い寄せられて、IPAの液膜の上面に沿って流れていく。これにより、基板Wの上面中央部を中心にして放射状に広がる気流が形成され、この気流によって基板Wの上面全域が覆われる。
また、下側気体吐出口66から吐出された窒素ガスは、コアンダ効果によって基板Wの方に吸い寄せられて、中心気体吐出口65から吐出された窒素ガスにより形成される気流の上部に沿って外方に流れていく。また、上側気体吐出口43から吐出された窒素ガスは、コアンダ効果によって基板Wの方に吸い寄せられて、下側気体吐出口66から吐出された窒素ガスにより形成される気流の上部に沿って流れていく。したがって、3つの気体吐出口43、65、66からの窒素ガスの吐出が開始されると、鉛直方向に重なり合って、それぞれ基板Wの上面中央部を中心にして放射状に広がる3つの気流が基板W上に形成される。そして、この3つの気流によって基板Wの上面全域が覆われる。
制御部16は、3つの気体吐出口43、65、66からの窒素ガスの吐出を開始させた後、モータ15を制御して、基板Wを高速回転させる(たとえば数千rpmの回転速度で回転させる)。これにより、基板W上のIPAが外方に振り切られ、基板Wが乾燥していく。また、基板Wの上面が3つの気流によって覆われた状態で基板Wの乾燥が行われるので、ダウンフローに乗って基板Wの上面に向かってくるパーティクルなどの異物や処理液のミストが乾燥処理中に基板Wに付着することが抑制または防止される。したがって、基板Wの汚染が抑制または防止された状態で基板Wの乾燥が行われる。さらに、基板W上からIPAが除去された後は、3つの気体吐出口43、65、66から吐出された窒素ガスが基板Wの上面に沿って流れていくので、基板Wの上面近傍における酸素濃度が低下した状態で基板Wの乾燥が行われる。これにより、ウォーターマークなどの乾燥不良の発生が抑制または防止された状態で基板Wの乾燥が行われる。
制御部16は、基板Wの高速回転を所定時間にわたって継続させた後、スピンチャック8による基板Wの回転を停止させる。また、制御部16は、スピンチャック8による基板Wの回転を停止させた後、第1気体バルブ22および第2気体バルブ24を閉じて、3つの気体吐出口43、65、66からの窒素ガスの吐出を停止させる。そして、制御部16は、3つの気体吐出口43、65、66からの窒素ガスの吐出を停止させた後、ノズル揺動機構26を制御して、気体吐出ノズル11をスピンチャック8の側方に退避させる。その後、処理済みの基板Wが、搬送ロボットによって処理室7から搬出される。
図7および図8は、基板Wに付着しているパーティクル数を示すグラフである。以下では、前述の処理(図6等を参照して説明した処理)が行われた基板Wに付着しているパーティクル数をパーティクルカウンタによって計測したときの計測結果について説明する。また、以下の説明で用いられた気体吐出ノズル11の具体的な寸法を図3を参照して説明すると、上プレート34の下面と中間プレート35の上面との間の鉛直方向への間隔G1は、1.5mmであった。また、中間プレート35の下面と下プレート63の上面との間の鉛直方向への間隔G2は、4mmであった。また、中間プレート35の厚みT1(鉛直方向への長さ)は、10mmであった。また、下プレート63の外径D1は、100mmであった。また、平板状部材46の内径D2は、Φ34mmであった。
また、処理対象の基板Wは、直径が300mmの円形基板であり、乾燥処理において、この基板Wの上面と気体吐出ノズル11の下面11aとの鉛直方向への間隔が4mmとなるように、気体吐出ノズル11を基板Wの上面中央部に近接させた。また、乾燥処理において、第1気体供給管23から気体吐出ノズル11に80L/minで窒素ガスを供給し、第2気体供給管25から気体吐出ノズル11に50L/minで窒素ガスを供給した。このような条件で、3つの気体吐出口43、65、66から窒素ガスを吐出させて、上側気体吐出口43の周囲8ヵ所において測定した窒素ガスの流速は、0.2m/s〜0.3m/sの範囲内にあった。また、下側気体吐出口66の周囲8ヵ所において測定した窒素ガスの流速は、1.8m/s〜2.2m/sの範囲内にあった。また、下プレート63の外周面と基板Wの上面との間の環状の隙間の周囲8ヵ所において測定した窒素ガスの流速は、1.8m/s〜2.6m/sの範囲内にあった。したがって、上側気体吐出口43から吐出される窒素ガスの流速は、下側気体吐出口66から吐出される窒素ガスの流速よりも遅かった。また、下側気体吐出口66から吐出される窒素ガスの流速と、下プレート63の外周面と基板Wの上面との間の環状の隙間から吐出される窒素ガスの流速とは、ほぼ一致していた。
[上側気体吐出口43の有無によるパーティクル数の比較]
最初に図7を参照して、気体吐出ノズル11を用いて処理された基板Wのパーティクル数(実施例)と、気体吐出ノズル11において上側気体吐出口43が設けられていない構成の気体吐出ノズルを用いて処理された基板Wのパーティクル数(比較例)とを比較する。
図7の計測値は、大きさが0.06μmを超えるパーティクル数の計測を複数枚の処理済み基板Wに対して行ったときものである。また、図7において、パーティクル数の最大値、最小値、平均値が、それぞれ、I字状のバーの上端、I字状のバーの下端、●印で示されている。実施例と比較例との相違点は、処理に用いたノズルにおける上側気体吐出口43の有無であり、その他の条件はほぼ一致させた。
図7に示すように、上側気体吐出口43が設けられていない構成の気体吐出ノズルを用いて処理された基板Wのパーティクル数(比較例)は、140個〜320個の範囲内にあった。また、図7に示すように、気体吐出ノズル11を用いて処理された基板Wのパーティクル数(実施例)は、40個〜80個の範囲内にあった。また、図示はしないが、窒素ガスの気流によって覆われずに乾燥処理が行われた基板Wのパーティクル数(大きさが0.06μmを超えるパーティクル数)は、20万個以上であった。したがって、窒素ガスの気流によって基板Wの上面を覆った状態で乾燥処理を行うことにより、基板Wの清浄度を格段に向上させることができる。また、上側気体吐出口43および下側気体吐出口66が設けられた気体吐出ノズル11を用い、さらに、前述の条件で乾燥処理を行うことにより、基板Wの清浄度を一層向上させることができる。
[吐出角度の変化によるパーティクル数の比較]
次に図8を参照して、下側気体吐出口66から窒素ガスを水平に吐出させたときのパーティクル数と、下側気体吐出口66から窒素ガスを斜め上方または下方に向けて吐出させたときのパーティクル数とを比較する。
図8に示す測定値は、気体吐出ノズル11において上側気体吐出口43が設けられていない3種類の気体吐出ノズルを用いて処理された基板Wのパーティクル数である。図8の計測値は、大きさが0.06μmを超えるパーティクル数の計測を複数枚の処理済み基板Wに対して行ったときものである。また、図8において、パーティクル数の最大値、最小値、平均値が、それぞれ、I字状のバーの上端、I字状のバーの下端、●印で示されている。
参考例1に示す測定値(吐出角度5度の測定値)は、水平面に対する傾斜角度が5度で斜め下方に向けて下側気体吐出口66から窒素ガスが吐出されるように構成された気体吐出ノズルを用いて処理された基板Wのパーティクル数である。また、参考例2に示す測定値(吐出角度0度の測定値)は、下側気体吐出口66から水平に窒素ガスが吐出されるように構成された気体吐出ノズルを用いて処理された基板Wのパーティクル数である。また、参考例3に示す測定値(吐出角度−5度の測定値)は、水平面に対する傾斜角度が5度で斜め上方に向けて下側気体吐出口66から窒素ガスが吐出されるように構成された気体吐出ノズルを用いて処理された基板Wのパーティクル数である。3つの測定値の相違点は、窒素ガスの吐出角度がそれぞれ異なる角度に設定された3つのノズルを用いて基板Wを処理したことであり、その他の条件はほぼ一致させた。
図8の参考例1において示すように、下側気体吐出口66からの窒素ガスの吐出角度が5度に設定された気体吐出ノズルを用いて処理された基板Wのパーティクル数は、280個〜550個の範囲内にあった。また、図8の参考例2において示すように、下側気体吐出口66からの窒素ガスの吐出角度が水平(0度)に設定された気体吐出ノズルを用いて処理された基板Wのパーティクル数は、190個〜290個の範囲内にあった。また、また、図8の参考例3において示すように、下側気体吐出口66からの窒素ガスの吐出角度が−5度に設定された気体吐出ノズルを用いて処理された基板Wのパーティクル数は、240個〜350個の範囲内にあった。
これらの測定値より、下側気体吐出口66からの窒素ガスの吐出角度を0度以下(水平面に対して上向きの角度を負とする)に設定することにより、基板Wの汚染を低減できることが分かる。また、下側気体吐出口66からの窒素ガスの吐出角度を0度に設定することにより、基板Wの汚染を一層低減できることが分かる。したがって、上側気体吐出口43および下側気体吐出口66からの気体の吐出角度が0度に設定された本実施形態に係る気体吐出ノズル11を用いて基板Wを処理することにより、基板Wの清浄度を向上させることができる。
以上のように本実施形態では、上側気体吐出口43、下側気体吐出口66、および中心気体吐出口65から気体を吐出させることにより、層状に重なり合う3つの気流を形成して、この3つの気流によって、スピンチャック8に保持された基板Wの上面全域を覆うことができる。これにより、パーティクルなどの異物や処理液のミストから基板Wの上面を確実に保護して、基板Wの汚染を抑制または防止することができる。したがって、基板Wの清浄度を向上させることができる。
また、気体吐出ノズル11は、スピンチャック8に保持される基板Wよりも直径が小さな比較的小型の部材であるので、処理ユニット6の大型化を抑制することができる。本実施形態では、基板処理装置1に複数の処理ユニット6が備えられているので、個々の処理ユニット6の大型化を抑制することにより、基板処理装置1のフットプリント(占有面積)や、高さの増加を大幅に抑制することができる。
この発明の実施の形態の説明は以上であるが、この発明は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。たとえば、前述の実施形態では、処理液ノズル28内に1つの流路が形成されていて、処理液ノズル28から1種類の処理液(IPA)が吐出される場合について説明したが、これに限らない。たとえば図9に示すような、複数の流路をその内部に有するノズルを処理液ノズル128として採用してもよい。
この図9に示す処理液ノズル128は、その長手方向に延びるそれぞれ分離された3つの流路68をその内部に有していて、3つの流路68に供給された処理液をその一端に形成された3つの処理液吐出口69からそれぞれ吐出することができる。したがって、3つの流路68にそれぞれ異なる種類の処理液を供給すれば、処理液ノズル128から複数種の処理液を吐出させることができる。また、いずれかの流路68に気体を供給すれば、処理液ノズル128から処理液だけでなく気体を吐出させることもできる。したがって、前述の実施形態の気体吐出ノズル11において中心貫通孔54と処理液ノズル28を設ける代わりに、処理液ノズル128を円柱状部材44に挿入し、いずれかの流路68から窒素ガスを吐出し、他のいずれかの流路68からIPAを吐出する構成としてもよい。また、残りの流路68からはリンス液の一例である純水を吐出させるようにして、リンス処理を行えるようにしてもよく、その場合はリンス液ノズル10を省くことができる。
また、前述の実施形態では、気体吐出ノズル11の上側気体吐出口43および下側気体吐出口66から気体が水平に吐出される場合について説明したが、これに限らず、上側気体吐出口43および下側気体吐出口66から斜め上方または下方に向けて気体が吐出されてもよい。より具体的には、上側気体吐出口43および下側気体吐出口66から気体を斜め下方に向けて吐出させる場合には、たとえば、スピンチャック8に保持された基板Wの上面周縁部や、複数の挟持部材14の周囲に向けて気体が吐出されるように、気体吐出ノズル11が構成されていてもよい。
また、前述の基板Wの処理例では、薬液処理、リンス処理、純水によるパドル処理、IPA置換処理、乾燥処理が順次行われる場合について説明したが、気体吐出ノズル11を用いた基板Wの処理は、これに限られない。たとえば、前述の基板Wの処理例において、IPA置換処理を行わずに、純水によるパドル処理が行われた後に引き続いて乾燥処理が行われてもよい。
また、前述の実施形態では、基板Wが、円形基板である場合について説明したが、基板Wとしては、円形基板に限らず、たとえば長方形基板などの多角形基板であってもよい。その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 基板処理装置
8 スピンチャック
11 気体吐出ノズル
11a 気体吐出ノズルの下面
23 第1気体供給管
25 第2気体供給管
43 上側気体吐出口
65 中心気体吐出口
66 下側気体吐出口
W 基板

Claims (9)

  1. 基板を保持する基板保持手段と、
    前記基板保持手段に保持された基板の中央部近傍に配置された、基板よりも小さい柱状の気体吐出ノズルと、
    前記気体吐出ノズルに気体を供給する気体供給手段とを含み、
    前記気体吐出ノズルは、前記基板保持手段に保持された基板に直交する方向に延びる筒状の外周面と、前記外周面で開口する環状の第1気体吐出口と、前記外周面で開口しており前記第1気体吐出口よりも前記基板保持手段側に配置された環状の第2気体吐出口とを含み、気体が基板の一方の主面に沿って基板の周縁部まで外方に広がるように前記第1および第2気体吐出口のそれぞれから気体を放射状に吐出する、基板処理装置。
  2. 前記気体吐出ノズルは、前記基板保持手段に保持された基板の一方の主面に対向し、前記第1および第2気体吐出口よりも前記基板保持手段側に配置された対向面と、前記対向面に設けられた第3気体吐出口とをさらに含むものである、請求項1記載の基板処理装置。
  3. 前記気体吐出ノズルおよび気体供給手段は、前記第2気体吐出口から吐出される気体の流速と、前記第3気体吐出口から吐出される気体の流速とがほぼ一致するように設計されているものである、請求項2記載の基板処理装置。
  4. 前記気体吐出ノズルは、前記気体供給手段から供給された気体を前記第3気体吐出口に案内する流路をさらに含み、前記流路の上流端の流路断面積は、前記流路の下流端の流路断面積よりも小さい、請求項2または3記載の基板処理装置。
  5. 前記気体吐出ノズルは、前記流路を気体の流通方向における上流側と下流側とに仕切っており、気体の流通方向に延びる複数の貫通孔が形成された仕切部をさらに含む、請求項4記載の基板処理装置。
  6. 前記気体吐出ノズルは、前記流路内で前記第3気体吐出口に向けて処理液を吐出する処理液ノズルをさらに含む、請求項4または5記載の基板処理装置。
  7. 前記第1および第2気体吐出口は、互いに等しい直径を有している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  8. 前記気体吐出ノズルは、前記第1気体吐出口から吐出される気体の流速が、前記第2気体吐出口から吐出される気体の流速よりも遅くなるように設計されているものである、請求項1〜のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  9. 前記基板保持手段は、基板を水平に保持するものであり、
    前記気体吐出ノズルは、前記第1および第2気体吐出口から水平に気体が吐出されるように設計されているものである、請求項1〜のいずれか一項に記載の基板処理装置。
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