JP4073382B2 - 振動センサ - Google Patents
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Description
一方、上記突出部は振動膜電極の膜面と間隔を隔てる状態で膜面方向に沿って突出し、錘体の端部が付設された位置と周囲側の固定位置の間に振動膜電極の可動部分を確保することができるので、検出対象の振動によって振動膜電極の膜面方向に直交する方向に沿って動作する錘体の動きが妨げられず、感度の低下が避けられる。なお、上記突出部の形成部分により錘体の重量が増えた分、感度も向上する。
さらに、上記突出部は錘体の端部に部分的に形成され、端部全体には形成されていないので、突出部が形成されていない錘体の端部と規制部材との間に隙間が生じ、この隙間を通じて上記錘体の動作時に空気が出入することで錘体の動きが円滑になり、感度の低下が避けられる。
同時に、上記突出部が錘体の端部に部分的に形成されているので、錘体を振動膜電極に付設するときに、上記突出部が形成されていない錘体の端部と規制部材間の隙間に治具等を差し込んで錘体を保持した状態で、錘体を振動膜電極に位置合わせすることができる。これに対し、突出部が錘体の端部全体に形成されている場合には、上記錘体を保持した状態での位置合わせは困難になる。
一方、上記規制部材は振動膜電極の膜面と間隔を隔てる状態で設けられ、錘体の端部が付設された位置と周囲側の固定位置の間に振動膜電極の可動部分を確保することができるので、検出対象の振動によって振動膜電極の膜面方向に直交する方向に沿って動作する錘体の動きが妨げられず、感度の低下が避けられる。
さらに、上記規制部材は錘体の端部に対して部分的に設けられ、端部全体に対しては設けられていないので、規制部材が設けられていない錘体の端部と規制部材との間に隙間が生じ、この隙間を通じて上記錘体の動作時に空気が出入することで錘体の動きが円滑になり、感度の低下が避けられる。
同時に、上記規制部材が錘体の端部に対して部分的に設けられているので、錘体を振動膜電極に付設するときに、上記錘体の端部と規制部材間の隙間に治具等を差し込んで錘体を保持した状態で、錘体を振動膜電極に位置合わせすることができる。これに対し、規制部材が錘体の端部全体に対して形成されている場合には、上記錘体を保持した状態での位置合わせは困難になる。
従って、錘体の膜面方向に沿った変位とともに、膜面方向に直交する方向に沿った変位による振動膜電極の破損防止を可能とする振動センサの好適な実施形態が提供される。
従って、簡素化した構成によって、錘体の膜面方向に直交する方向に沿った変位による振動膜電極の破損防止を可能とする振動センサの好適な実施形態が提供される。
〔第1実施形態〕
図1に示すように、第1実施形態に係る振動センサは、固定電極1と、固定電極1に対向する側とは反対側の膜面に薄い円柱状の錘体2が付設され且つ周囲を固定支持された振動膜電極3とを備え、固定電極1と振動膜電極3間の静電容量の変化を振動信号として出力可能な振動センサであって、振動膜電極3の膜面と間隔を隔てる状態で膜面方向に沿って突出する突出部2aが錘体2の端部に部分的に形成されるとともに、振動膜電極3の膜面方向に沿って変位する錘体2の突出部2aに接当して錘体2の変位を規制可能な規制部材としての振動膜リング4が錘体2の端部に近接して設けられている。
第2実施形態に係る振動センサでは、振動膜電極3の膜面方向に沿った錘体2の変位に加えて、振動膜電極3の膜面方向に直交する方向への錘体2の変位を規制する構成を備えている点で第1実施形態と相異する。
即ち、図3に示すように、振動膜電極3の膜面方向に直交する方向に沿って変位する錘体2の表面2cに接当して、錘体2の変位を規制可能な第2の規制部材KBとしての規制リング9が設けられている。ここで、規制リング9は前記振動膜リング4と前記電極リング7の間に挟まれる状態で設けられ、その中央には開口部が形成されている。従って、この規制リング9の開口部を通して空気が円滑に出入りできるので、振動膜電極3の変位時の粘性抵抗(スティフネス)が小さくなり振幅を大きくとることができる。
図4(イ)では、前記振動信号の出力回路が実装された回路基板8上に搭載した電気部品(チップ抵抗等)8aが前記第2の規制部材KBに兼用構成されている。なお、図4(ロ)に、前記振動信号の出力回路図を示すが、振動センサでの消費電流を抑えるために、実際に回路基板8に搭載されているのはチップ抵抗8aの部分だけで、FET等のアンプ回路部分は外付けしている。このようにアンプ回路部分を外付けすると、回路基板8上にはチップ抵抗8aだけが実装され、広い空間が形成されるので、振動膜電極3の変位時の背室容量が増加し、センサ感度が向上する効果がある。
第3実施形態に係る振動センサでは、振動膜電極3の可動部分が衝撃を吸収する形状に形成されている点で第1実施形態と相異する。
即ち、図6に示すように、前記振動膜電極3が、前記錘体2が付設された内側部分と固定支持された外側部分との間に波板状部(コラゲーション)3aを有している。なお、波板状部3aは、振動時に固定電極1のエレクトレット層5に当らないように、固定電極1とは反対側(図では下側)に凸に形成されて、振動膜電極3と前記突出部2aの間に収められている。そして、上記波板状部3aによって、振動膜電極3に加わった衝撃を吸収するとともに、振動膜電極3の可動性能を向上させることができる。さらに、振動膜電極3の可動性能を低下させずに、振動膜電極3のフィルム厚さを厚くする(例えば、2μ厚のものを、4μ〜12μ厚にする)ことも可能であり、この場合、膜の破損を防止する効果が高くなる。
第4実施形態に係る振動センサでは、振動膜電極3の膜面方向に沿った錘体2の変位を規制する構成が第1実施形態と相異する。
即ち、図7に示すように、前記振動膜電極3の膜面方向に沿って変位する前記錘体2の端部に接当して前記錘体2の変位を規制可能な規制部材11aが、振動膜電極3の膜面と間隔を隔てる状態で錘体2の端部に対して部分的に設けられている。ここで、図8(イ)(ロ)に示すように、規制部材11aは、第1実施形態と同様に、振動膜リング11の内周側に形成した爪状部や鍔状部で構成されている。
次に、本発明に係る振動センサの別実施形態について説明する。
上記実施形態では、固定電極1をハウジング10の内壁を利用して構成したが、図9に示すように、ハウジング10とは別に固定電極12を設け、この固定電極12を金属リング13を介してハウジング10に当て付け支持させるとともに、振動膜電極3に面する側にエレクトレット層5を形成した構成でもよい。なお、図9(イ)では、振動膜電極3の膜面方向に直交する方向の錘体2の変位を規制する第2の規制部材KBとして、規制リング9を設け、図9(ロ)では、第2の規制部材KBを回路基板8で兼用して、高さを低くした低背薄型に構成している。
2 錘体
2a 突出部
2b 角部
3 振動膜電極
3a 波板状部
4 規制部材
8 回路基板
8a 電気部品
11a 規制部材
KB 第2の規制部材
Claims (4)
- 固定電極と、前記固定電極に対向する側とは反対側の膜面に錘体が付設され且つ周囲を固定支持された振動膜電極とを備え、前記固定電極と前記振動膜電極間の静電容量の変化を振動信号として出力可能な振動センサであって、
前記振動膜電極の膜面と間隔を隔てる状態で膜面方向に沿って突出する突出部が前記錘体の端部に部分的に形成されるとともに、前記振動膜電極の膜面方向に沿って変位する前記錘体の前記突出部に接当して前記錘体の変位を規制可能な規制部材が設けられている振動センサ。 - 固定電極と、前記固定電極に対向する側とは反対側の膜面に錘体が付設され且つ周囲を固定支持された振動膜電極とを備え、前記固定電極と前記振動膜電極間の静電容量の変化を振動信号として出力可能な振動センサであって、
前記振動膜電極の膜面方向に沿って変位する前記錘体の端部に接当して前記錘体の変位を規制可能な規制部材が、前記振動膜電極の膜面と間隔を隔てる状態で前記錘体の端部に対して部分的に設けられている振動センサ。 - 前記振動膜電極の膜面方向に直交する方向に沿って変位する前記錘体の表面に接当して前記錘体の変位を規制可能な第2の規制部材が設けられている請求項1又は2記載の振動センサ。
- 前記振動信号の出力回路が実装された回路基板を備え、前記回路基板もしくは前記回路基板上に搭載した電気部品が前記第2の規制部材に兼用構成されている請求項3記載の振動センサ。
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