JP4072119B2 - 安定化された透明な香料エマルション - Google Patents

Description

本発明は香料の分野に関する。これはより詳細には、液体の、透明な油中水型または水中油型エマルションの形での、アルコール不含香料組成物に関する。本発明のエマルションは、著しい安定性によって特徴付けられ、その際、油相および水相のそれぞれの密度は、特に互いに近いものである。

いくつかの基準が、公知の調製されたエマルションにおいて求められる。最も明確な要求のうちの２つは、エマルションが適切な物理的安定性および化学的安定性を有することである。

最初に、エマルションの種々の成分の化学的安定性は、香料においては特に注意しなければならないものであり、それというのも、香料組成物中で使用される主要材料、すなわち、香料成分は、エマルションのような配合物中での安定化が特に困難であることが知られているためである（Cosmetics and Toileteries (R) Magazine, Vol. 109, pages 71-75, 1994）。したがって、本発明のような高いフレグランスレベルを有する配合物の安定化は、特別な、かつ挑戦的な問題から成り、この場合、これは、その性質が一般的に最終的な化粧品（天然油または合成油、炭化水素、ハロゲン化炭素、鉱酸エステル、シリコーンを含む典型的な活性成分）の型に依存する、他の成分を含む化粧品エマルションの安定化の問題とは全く異なる。さらに、たとえば、化粧品組成物は、極めて定量の香料成分を含有する。

他方では、任意の種のエマルション配合物における本質的な要求は、物理的安定性であり、これなしでは、エマルションはすぐにバルク相に分離してしまう。物理的不安定性と関連した一つの典型的な現象は、連続相に対して分散された液滴の上方および下方への移動によって構成され、この場合、これらはそれぞれクリーム化または沈降と呼称される。沈降またはクリーム化の割合に影響を及ぼす要因は、懸濁された液滴の直径、懸濁媒体の粘度および分散相と分散媒体との間の密度差である。

先行技術において、この不安定な現象を回避するための第１の手段が開示されており、この場合、この手段は、分散系の粒径を減少させることから成り、この場合、これらは、クリーム化の回避または最小限化に対して極めて貢献するものである。

したがって、マイクロエマルションの形での香料組成物は、先行技術から公知である。マイクロエマルションは、均一な、透明かつ安定化された、水および油の液体分散液であり、この場合、著量の表面活性剤および表面活性助剤（co-surfactant）の添加によって生じる。エマルションが不安定であるのに対して、マイクロエマルションは安定であり、すなわち、これらは油、水、表面活性剤および表面活性助剤を一緒に混合することにより自然発生的に形成される。対照的に、エマルションは、その製造にかなりの機械的エネルギーの投入を必要とする。さらに、マイクロエマルション液滴は、平均粒径約５〜５０ｎｍでのせまい液滴の粒径分散を有する。結果として、配合物のこの型は、わずかな光を散乱するために、透明であるか、あるいは少なくとも半透明であるが、その一方でエマルションは、極めて広い液滴粒径分散を有しており、また、エマルション液滴が可視光線の波長の大きさと同等またはそれ以上である場合には、油と水との間の屈折率の差に依存してより強くまたはより弱く散乱する。したがって、多くのエマルションは不透明である。これらの理由から、エマルションおよびマイクロエマルションが、異なる性質の独立した２個の分散系から構成されていることが明らかである。

本発明の目的のために、香料成分の量に対して、著量の表面活性剤を混合することは望ましくなく、それというのも、これにより混合物中に混合することができる香料の量を著しく制限されるためである。したがって、マイクロエマルションは、本発明のための適した分散系を構成することはなく、本発明において分散系は、エマルションの形であるべきである。

この型の他の公知の透明分散系は、約３０〜７５ｎｍを下廻る油相液滴の平均粒径によって特徴付けられるナノエマルションである。液滴は、エマルションを半透明または部分的に透明にするのに十分に小さい。これらのナノエマルションは、マイクロエマルションよりも必要とする界面活性剤の量が少なくて済むといった利点が存在するが、それにもかかわらず、その製造方法がしばしば困難かつ複雑であり、コストがかかるといった欠点を有する。

通常のエマルションを安定化させるための先行技術において開示された他の方法は、分散相へのポリマーの添加である。しかしながら、この溶液は、この相を増粘させるといった欠点を有し、これにより、エマルションの粘度は、容易に噴霧できない程度に増加する。

ＷＯ００／３３８０４（参考のためにのみ引用）では、透明なエマルションの形での香料組成物が記載されており、すでに、これは、このようなエマルションに要求する基準のほとんどを満たすものである（透明性、流動性）。しかしながら、ここで記載されたエマルションは、前記の物理的安定性の問題に関する新規の解決法によって、物理的安定性の点で改善されたものにすぎない。

本発明は、透明な、流体の油中水型または水中油型のエマルションを提供し、この場合、これらは、それぞれの連続相および分散相の密度がほぼ同様の値を有すといった事実を特徴とするものである。これは、物理的安定性に関する公知の問題、詳細にはクリーム化および沈降を解決し、特に、エマルション型の分散系に適合するものであって、この場合、これは、エマルションの油相中での特別な添加剤、すなわち、１よりも大きい密度を有する揮発性のフッ素化油の存在により達成される。

化合物のこのクラスは、すでにいくつかの種類のエマルションにおいて使用されている。特に、ＥＰ１０６４９２９では、皮膚障害を減少させ、マットな皮膚の表面状態を提供する化粧品組成物中でのこのような揮発性フッ素化油の使用が開示されている。ここで開示されている化粧品組成物は、香料組成物の配合の点で全く異なるばかりでなく、フッ素化油が、皮膚の表面状態を改善させることから成る技術的効果を有する従来技術においては使用されていないものであり、これは、本発明によって達成されるべき目的、すなわちエマルションの安定性とは異なるためである。

さらに、ＥＰ１０６４９８９では、揮発性フッ素化油を含有する化粧品組成物が開示されている。再度、この揮発性フッ素化油は、このような化粧品組成物中で、適用が容易な組成物、さらには新鮮かつソフトな製品を提供するといった必要とされる特性に関して有用であることが記載された。さらに、この文献は、フッ素化油は、安定化が極めて難しくかつ、発泡、デミキシングおよび粘性の変化のような不安定な現象を誘発しうることを示しており、したがって、これらは特異的な界面活性剤との組合せ物で使用されることでエマルションを安定化させることができる。この文献によれば、揮発性のフッ素化油は、安定化させるのが困難であることを教示している。

しかしながら、本発明によって、驚くべきことに、先行技術における教示からは全く予測されない方法で、香料組成物が、それぞれ連続相と分散相との間の密度の差を最小限にすることによってエマルションの形で有利に安定化され、このような効果が、ＥＰ１０６４９８９で開示されたような前記成分と特異的な表面活性剤との任意の組合せの必要なく、通常よりも高い密度を有する揮発性フッ素化油をエマルションの油相に添加することによって達成されることが開示された。

透明度、流動性および安定性の要求に加えて、本発明の組成物はさらにアルコール不含であり、この特性は、このような配合物において今後重要視される利点である。
本発明の開示
したがって、本発明の目的は、透明な油中水型または水中油型エマルションの形で、顕著な安定性を有する、アルコール不含の香料組成物を提供することであり、この場合、このエマルションは、極めて安定であり、油相と水相との間の密度の差が、０．００７以下であるか、好ましくは０．００５以下であるといった事実によって特徴付けられる。

本発明のエマルションは、有利には特に、クリーム化および沈殿のような現象に耐性であり、かつ、従来技術において知られている不安定性の問題に対する新規、かつ効果的な解決法を構成するものである。

したがって、本発明によれば、物質を、エマルションである香料組成物に添加し、かつ、このエマルションのそれぞれの相の密度差をよりせまくする技術的効果を提供することができる。このような物質は、１を上廻る密度を有する揮発性フッ素化油によって構成されている。したがって、本発明の他の目的は、エマルションの形での香料組成物によって提供されてもよく、その際、油相は、１を上廻る密度を有する一定量の揮発性フッ素化油を含有する。さらに、本発明は、前記成分のエマルション中での安定化剤としての使用に関する。

本発明の香料組成物は、噴霧可能な、透明の水中油型または油中水型エマルションの形であり、この場合、これらは、組成物の全量に対して、水相と少なくとも３質量％の香料成分を含有する油相とを含有し、その際、油相と水相との密度差は、０．００７以下、好ましくは０．００５以下である。したがって、この技術的効果は、油相が１を上廻る密度を有する揮発性のフッ素化油を含有する場合に達成される。

本発明の範囲内において香料組成物とみなされるものが香料ビヒクルであり、その主要な機能は、製品の香気特性を付与、増強又は修飾することである。

水中油型エマルションの場合には、連続相は、水（水相）によって形成され、かつ分散相は本質的に香料成分を形成する油（油相）によって形成される。対照的に、連続相が油相によって形成される場合にはその中に水が分散されており、エマルションは油中水型であるかまたは逆エマルション（inverse emulsion）である。このエマルションの型は、本発明による一つの好ましい実施態様である。

前記に示したように、本発明によるエマルションは、香料の分野において必要とされる一定の基準を満たすものであって、この場合、これは、香水、オードトワレ、またはコロンとして使用される。

まず、本発明の組成物はアルコール不含である。これは現在において、このような型の組成物において、特に敏感肌またはしばしば太陽に暴露される肌を有する消費者から要求されるものである。

さらに、本発明の組成物は流体であるか、あるいはいいかえれば、噴霧可能な形である。特に、その粘度は１０Ｐａ．ｓを下廻り、これはエマルションの性質とは別個のものである。

さらに、エマルションは透明で、香料の分野での望ましい質を有する。この透明性は、２個の相の屈折指数を改質可能な成分を香料組成物を添加することによって達成され、これによって透明なエマルションが形成される。透明度を達成するために、油相または水相のどちらかに作用する特定の固体成分または液体成分の使用については、ＷＯ００／３３８０４で記載されている（この文献の内容はこのような成分の基準に関するものであり、参考のために記載する）。

本発明による最終的な香料組成物の屈折指数は、約１．４０〜１．４４の値を有する。

前記に挙げられたすべての基準が達成されたうえに、さらに本発明は、公知の透明なエマルションに有利な改善を与えた。実際には、エマルションの油相への特定成分の添加が、エマルションの物理的安定性を著しく改善し、特に、クリーム化および沈殿の問題を著しく改善させうることが見出された。特に、このような成分のエマルション油相への添加は、２個の相それぞれの密度の差をせまくし、前記に定義された範囲内で、すなわち、０．００７以下、または好ましい実施態様においては０．００５に導いた。

したがって本発明は、２個の相の相対的な密度上に作用する方法を提供することによって、物理的な安定性に関する公知の問題に対して新規解決法を提供する。

本発明によれば、好ましい油相上で作用する能力を有するいくつかの物質または薬剤の使用が可能であり、かつ、その選択は、それぞれの組成物に関して当業者によって容易に確立されてもよい個々の基準によっておこなわれる。油相上で作用しうる前記薬剤は組成物中において可溶でなければならない。

好ましくは、薬剤は、１よりも高い密度を有するものを選択する。

前記において好ましいとされる技術的効果は、特に、１を上廻る密度を有する揮発性フッ素化油を油相に添加することによって有利に達成されうる。この化合物を用いて得られた技術的効果は、従来技術中においては特に驚くべきことであって、それというのも、ＥＰ１０６４９８９では、エマルション中でのその安定化のために、前記成分と特定の表面活性剤との組み合わせが必要であることを教示しているからである。

好ましくは、本発明において使用されるフッ素化油は、フッ化水素エーテル、たとえばメトキシノナフルオロブタンまたはエトキシノナフルオロブタンから成る群から選択される。本発明の特別な実施態様において、エマルションの油相に添加される成分はメトキシノナフルオロブタンである。揮発性フッ素化油は、より少ない揮発性を有するフッ素化油、たとえばペルフルオロアルカンとの混合物中で使用されてもよい。ペルフルオロデカリンは、この目的のための適したペルルフルオロアルカンの例である。

油相に添加されるフッ素化油の量は、油相に対して５〜５０質量％を含有する。

本発明のエマルションは、５〜５０質量％、好ましくは１０〜３５質量％の分散相、おおび５０〜９５質量％、好ましくは６５〜９０質量％の連続相を含んでいてもよい。これらの値は、エマルションの全質量に対するものであり、かつ、本発明の組成物が、油中水型または水中油型エマルションの形である事実には依存しない。

油相は、本質的には香料成分から形成される。典型的には、１５〜６０質量％、好ましくは２０〜５０質量％の香料成分が含有される。

水相は、２０〜６５％の水を含有する。

場合によっては、本発明の組成物は、さらに、少なくとも１種の界面活性剤を含有していてもよい。この表面活性剤は、エマルションの全質量に対して０〜８質量％、好ましくは０．１〜５質量％の量で使用されてもよい。最良の結果は、表面活性剤を２〜５質量％使用した場合に得られる。

種々の型の表面活性剤を、本発明において使用することができる。これは、非イオン性、カチオン性、アニオン性、両性イオン性表面活性剤およびリン脂質が挙げられてもよく、この場合、これらは、すべて本発明において使用されてもよい。好ましくは、非イオン性表面活性剤または２個の非イオン性表面活性剤の混合物を使用する。制限のない例として、９〜１０単位のエチレングリコールを有するエトキシ化ノニルフェノール（Ｔｒｉｔｏｎ^（Ｒ） Ｎ−１０１として、Ｆｌｕｋａ社、スイスから市販されている）か、あるいは、８単位のエチレングリコールを有するエトキシ化ウンデカノール（Ｉｍｂｅｎｔｉｎ^（Ｒ）０８００として、Ｋｏｌｂ ＡＧ、スイスから市販されている））が挙げられてもよい。他の例は、商標Ｔｗｅｅｎ^（Ｒ）（ＩＣＩ社、英国）として公知の表面活性剤、たとえば、Ｔｗｅｅｎ^（Ｒ）２０［ポリオキシエチレン（２０）スルビタンモノラウレート］、Ｔｗｅｅｎ^（Ｒ）４０［ポリオキシエチレン（２０）ソルビタン モノパルミテート］、Ｔｗｅｅｎ^（Ｒ）６０［ポリオキシエチレン（２０）ソルビタン モノステアレート］およびＴｗｅｅｎ^（Ｒ）８０［ポリオキシエチレン（２０）ソルビタンモノオレエート］、およびＳｐａｎ^（Ｒ）の名称で市販されている表面活性剤（ＩＣＩ社、英国）、たとえば、Ｓｐａｎ^（Ｒ）２０（ソルビタン モノラウレート）、Ｓｐａｎ^（Ｒ）４０（ソルビタン モノパルミテート）、Ｓｐａｎ^（Ｒ）６０（ソルビタン モノステアレート））およびＳｐａｎ^（Ｒ）８０（ソルビタン モノオレエート）である。さらに、Ｃｒｅｍｏｐｈｏｒ^（Ｒ）ＲＨ４０およびＲＨ６０（ＢＡＳＦ ＡＧ、ドイツ、この場合、これはエトキシ化水素化リシンオイルである）、Ｇｅｎａｐｏｌ^（Ｒ）［ヘキストＡＧ、ドイツ、ラウリル硫酸（アルコール ポリグリコール エーテル）ナトリウム］、Ｐｏｌｏｘａｍｅｒ^（Ｒ）４０７（エチレンオキシドおよびポリプレンオキシドのジブロックコポリマー、さらに、Ｐｌｕｒｎｉｃ^（Ｒ）Ｆ１２７およびＰｌｕｒａｃａｒｅ^（Ｒ）Ｆ１２７の名称で市販されている、ＢＡＳＦ ＡＧ、ドイツ）；Ｔｅｔｒｏｎｉｃ^（Ｒ）（ＢＡＳＦ ＡＧ、ドイツ）；ＤＣ ３２２５Ｃ、ＤＣ５２００、ＤＣ１９３（Ｄｏｗ Ｃｏｒｎｉｎｇ 、米国）；Ａｂｉｌ^（Ｒ）Ｅｍ９７（Ｇｏｌｄｓｃｈｍｉｄｔ社）として公知の表面活性剤である。

本発明において使用することができる香料成分は、香水において通常使用されるすべての成分である。これらの成分は、ここでは詳細には説明しない。それというのもすべてを余すことなく記載することはできず、かつ当業者がその知識により、好ましい香気作用機能により選択することができるためである。これらの香料成分は、種々の化学物質のクラスに属し、たとえばアルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペン系炭化水素、ヘテロ環式窒素−または硫黄−含有化合物、ならびに、天然または合成由来のエッセンシャルオイルと様々である。これらの多くの成分は、さらに、参考文献、たとえば、Ｓ．Ａｒｃｔａｎｄｅｒ、Ｐｅｒｆｕｍｅ ａｎｄ Ｆｌａｖｏｕｒ Ｃｈｅｍｉｃａｌｓ，１９６９、Ｍｏｎｔｃｌａｉｒ，Ｎｅｗ Ｊｅｒｓｅｙ，ＵＳＡであるか、あるいはその最新版において、あるいは類似の他の文献で記載されている。香料成分の性質は、本発明の本質的な特徴ではなく、かつ、その選択は、単に、快楽的な（hedonic）要求によって指示されるものであり、すなわち、望ましいフレグランスまたは香気作用の機能により示される。

本発明のエマルションは、通常の混合およびホモジナイズ方法によって製造されてもよく、したがってこれは、より詳細な記載をここではしない。

本発明によれば、エマルションは、２００ｎｍを上廻り、好ましくは１μｍを下廻る平均液滴の粒径で製造される。

本発明は、以下の制限のない例によって例証されてもよく、この場合、温度は、摂氏℃であり、成分の割合は質量％で示され、かつ略記は、従来技術において通常の意味を有するものである。
本発明の実施態様
例１
油中水型エマルションの形でのアルコール不含香料組成物の製造
香料ベースを含有する油中水型エマルションは、以下に示された成分を用いて製造された。フッ素化油の混合は、従来技術の方法による他の成分の乳化後におこなった。
成分 質量％
香料ベース^＊ １０．００
ＳｌｉｃｏｎＤＣ^（Ｒ）３４５^１） ４３．００
メトキシノナフルオロブタン^２） １５．００
水 １６．４５
１，２−ブタンジオール １１．５５
Ａｂｉｌ^（Ｒ）Ｅｍ９７^３） ４．００
合計 １００．００
１）出所：Ｄｏｗ Ｃｏｒｎｉｎｇ
２）出所：３Ｍ
３）出所：Ｇｏｌｄｓｃｈｍｉｄｔ
^＊香料ベースは、以下の成分を混合することによって得られた：
成分 質量％
シトロネリル アセテート ３
ゲラニル アセテート ９
リナリル アセテート ２７６
１０％^＊アルデヒドＣ１０ ３
１０％^＊アルデヒドＣ１２ １２
メチル アントラニレート １６
ベルガモット エッセンシャルオイル ２２６
Ｃｅｒａｌｏｘ^{（Ｒ）１）} ５
レモンエッセンシャルオイル ３１８
ジヒドロミセノール^２） ６０
ジプロピレングリコール ２０
１０％^＊Ｅｌｅｍｉ^３） ２０
Ｆｌｅｕｒｉａ４１０６３Ｂ^４） ３
エチルリナロール ６６
１０％^＊３−（４−メトキシフェニル）−２−メチルプロパナール^４） ３０
ゲラニオール ６
５０％^＊Ｈａｂａｎｏｌｉｄｅ^{（Ｒ）５）} １３０
Ｈｅｄｉｏｎｅ^{（Ｒ）６）} ２１５
Ｈｅｄｉｏｎｅ^（Ｒ）ＨＣ^７） ７２
１０％^＊＊インドール １２
Ｉｓｏ Ｅ Ｓｕｐｅｒ^８） ８５
ラバンジングロッソエッセンシャルオイル ２６
１％^＊Ｌｉｆｆａｒｏｍｅ^{（Ｒ）９）} ２０
リナロール ４０
スフママンダリンエッセンシャルオイル ５
１０％^＊Crinkled mintエッセンシャルオイル ３０
ビグレードネロリエッセンシャルオイル １３０
ポルトガルフロリダオレンジエッセンシャルオイル ８０
フェネチロール ９
プチグレンエッセンシャルオイル ６３
ピポール ５
ローズマリーエッセンシャルオイル １６
テルペネオール ９
バイオレットエッセンシャルオイル ５０
１％^＊Ｚｅｓｔｏｖｅｒ^１０） ３０
合計 ２１００
^＊ジプロピレングリコール（ＤＩＰＧ）中
^＊＊トリエタノールアミン中
^１）８，１２−エポキシ−１３，１４，１５，１６−テトラノルラブダン；出所：フィルメニッヒＳＡ、ジュネーブ、スイス
^２）出所：インターナショナルフレーバーアンドフレグランシス、米国
^３）５−アリル−１，２，３−トリメトキシベンゼン；出所：Ｃａｌｃｈａｕｖｅｔ、グラーズ、フランス
^４）出所：フィルメニッヒ ＳＡ、ジュネーブ、スイス
^５）ペンタデセノリド；出所；フィルメニッヒ ＳＡ、ジュネーブ、スイス
^６）メチルジヒドロジャスモネート；出所：フィルメニッヒＳＡ、ジュネーブ、スイス
^７）高含量のｃｉｓ異性体を有するメチルジヒドロジャスモネート；出所；フィルメニッヒ ＳＡ、ジュネーブ、スイス
^８）１−（オクタヒドロ−２，３，８，８−テトラメチル−２−ナフタレニル）−１−エタノン；出所：インターナショナル フレーバーズ アンド フレグランシス、米国
^９）３−ヘキセニルメチルカーボネート；出所：インターナショナルフレーバーズ アンド フレグランシス、米国
^１０）２，４−ジメチル−３−シクロヘキセン−１−カルバルデヒド
組成物のそれぞれの２相の密度は、密度計（ＤＭＡ４５００；Ａｎｔｏｍ Ｐａａｒ）上で３０゜で測定された。水相の密度は、１．０２０９であり、かつ油相の密度は１．０２４９であり、これによって、安定した透明なエマルションが形成される。

さらに、それぞれの相の屈折指数が測定され、かつ２相間の差は０．００５８であった。
例２
油中水型エマルションの形でのアルコール不含香料組成物の製造
香料ベースを含有する油中水型エマルションは、以下の成分を用いて製造された。フッ素化油の混合は、従来技術による方法による他の成分の乳化の後におこなわれた。
成分 質量％
香料ベース^＊ １０．００
ＳｉｌｉｃｏｎＤＣ^（Ｒ）３４５^１） ４５．００
メトキシノナフルオロブタン^２） １３．００
水 １５．１５
１，２−ブタンジオール １２．８５
Ａｂｉｌ^（Ｒ）Ｅｍ９７^３） ４．００
合計 １００．００
１）出所：Ｄｏｗ Ｃｏｒｎｉｇ
２）出所：３Ｍ
３）出所：ゴールドシュミット
^＊香料ベースは、以下の成分を混合することによって得られた：
成分 質量％
ベンジルアセテート ２５０
ピポールアセテート ７０
スチルアリルアセテート ２３０
フェニル酢酸アルデヒド １０
Ａｍｂｒｅｔｔｏｌｉｄｅ^{（Ｒ）１）} １０
アストロトン ３００
ベルガモットエッセンシャルオイル １１６０
β−イオノン ５５０
カシスエッセンシャルオイル １５０
５０％^＊Ｃｅｔａｌｏｘ^{（Ｒ）２）} ６０
レモンエッセンシャルオイル ８５０
シトロネロール ２１０
ダマセノン ２０
４−デカノリド ２０
ジヒドロミセノール^３） ４４０
ジプロピレングリコール ２０
エチルリナロール ７２０
７−メチル−２Ｈ，４Ｈ，１，５−ベンゾジオキピン−３−オン^４） １００
Ｆｌｏｒａｌｏｚｏｎｅ^{（Ｒ）５）} ５０
３−（４−メトキシフェニル）−２−メチルプロパナール^４） １７０
Ｆｒｕｃｔｏｎｅ^{（Ｒ）６）} １００
Ｇａｌｂｅｘ^{（Ｒ）４）} ５０
γ−ダマスコン ５
ゼラニウムエッセンシャルオイル ３０
グレープフルーツエッセンシャルオイル １００
Ｈａｂｏｎｏｌｉｄｅ^{（Ｒ）７）} １１２０
Ｈｅｄｉｏｎｅ^{（Ｒ）８）} ２８９０
Ｈｅｄｉｏｎｅ^（Ｒ）ＨＣ^９） ９５０
へリオプロパノール^１０） ４００
インドール ３５
ＩｓｏＥスーパー^１１） ３８０
ラベンダーグロッソエッセンシャルオイル ４０
Ｌｉｆｆａｒｏｍｅ^{（Ｒ）１２）} １
Ｌｉｌｉａｌ^{（Ｒ）１３）} １０５０
Ｌｙｒａｌ^{（Ｒ）１４）} ４３０
スフママンダリンエッセンシャルオイル ２７０
Ｍｅｌｏｎａｌ^１５） ３
Crinkled mintエッセンシャルオイル ２０
Ｐｅｏｎｙ４３４０１７^４） ６０
ＰｅｏｎｙホワイトＨＳ１００００１^４） ２００
フェネチロール ８０
フェネチルヘキサノール ５０
ピポール ２０
オレンジエッセンシャルオイル ５００
Ｒｏｓａｌｖａ^１６） ４
ベンジルサリチレート ４００
ピポールサリチレート ４００
１０％^＊＊ＢＨＴ^１７） ２００
Ｚｅｓｔｏｖｅｒ^１８） ２２
合計 １５２００
^＊２−（２−エトキシエトキシ）−１−エタノール中
^＊＊プロピレングリコール中
^１）出所：ジヴォダン−ルーレ ＳＡ、Ｖｅｒｎｉｅｒ、スイス
^２）８，１２−エポキシ−１３，１４，１５，１６−テトラノルラブダン；出所；フィルメニッヒ ＳＡ、ジュネーブ、スイス
^３）出所：インターナショナル フレーバーズ アンド フレグランシス、米国
^４）出所：フィルメニッヒＳＡ、ジュネーブ、スイス
^５）３−（４−エチルフェニル）−２，２−ジメチルプロパナール＋３−（２−エチルフェニル）−２，２−ジメチルプロパナール；出所：インターナショナル フレーバーズ アンド フレグランシス、スイス
^６）２−メチル−１，３−ジオキサラン−２−エチルアセテート；出所：インターナショナル フレーバーズ アンド フレグランシス、米国
^７）ペンタデセノリド；出所；フィルメニッヒ ＳＡ、ジュネーブ、スイス
^８）メチル ジヒドロジャスモネート；出所：フィルメニッヒ ＳＡ、ジュネーブ、スイス
^９）高含量のｃｉｓ異性体を有するメチルジヒドロジャスモネート；出所：フィルメニッヒ ＳＡ、ジュネーブ、スイス
^１０）３−（１，３−ベンゾジオキソール−５−イル）−２−メチルプロパナール；出所；フィルメニッヒＳＡ、ジュネーブ、スイス
^１１）１−（オクタヒドロ−２，３，８，８−テトラメチル−２−ナフタレニル）−１−エタノン；出所：インターナショナル フレーバーズ アンド フレグランシス、米国
^１２）３−ヘキセニル−メチル カルボネート；出所：インターナショナル フレーバーズ アンド フレグランシス、米国
^１３）３−（４−ｔｅｒｔ−ブチルフェニル）−２−メチルプロパナール；出所：ジヴォダンルーレ、Ｖｅｒｎｉｅｒ、スイス
^１４）４−（４−ヒドロキシ−４−メチルフェニル）−３−シクロヘキセン−１−カルバルデヒド＋３−（４−ヒドロキシ−４−メチルペンチル）−３−シクロヘキセン−１−カルバルデヒド；出所：インターナショナル フレーバーズ アンド フレグランシス、米国
^１５）２，６−ジメチル−５−ヘプタナール、出所：ジヴォダンルーレＳＡ、Ｖｅｒｎｉｅｒ、スイス
^１６）９−デセン−１−オール；出所：インターナショナルフレーバーズ アンド フレグランシス 米国
^１７）２，６−ジ−ｔｅｒｔ−ブチル−４−ヒドロキシトルエン
^１８）２，４−ジメチル−３−シクロヘキセン−１−カルバルデヒド；出所：フィルメニッヒＳＡ、ジュネーブ、スイス
組成物のそれぞれ２相の密度は、密度計（ＤＭＡ４５００；Ａｎｔｏｎ Ｐａａｒ）上で３０゜で測定した。水相の密度は１．０１９３であり、かつ油相の密度は１．０２１８であり、これによって安定した透明なエマルションが形成された。

さらに、それぞれの相のそれぞれの屈折指数が測定され、２相の差は０．００８６であった。
例３
油中水型エマルションの形でのアルコール不含の香料組成物の製造
例１で使用したのと同様の香料ベースを含有する油中水型エマルションを、以下の成分を用いて製造した。フッ素化油の混合は、従来技術の方法による他の成分の乳化の後におこなった。
成分 質量％
香料ベース^＊ １０．００
Ｓｉｌｉｃｏｎ ＤＣ^（Ｒ）３４５^１） ４１．２０
エトキシノナフルオロブタン^２） １６．８０
水 １７．００
１，２−ブタンジオール １１．００
Ａｂｉｌ^（Ｒ）Ｅｍ９７^３） ４．００
合計 １００．００
^＊例１参照のこと
１）出所：ダウコーニング
２）出所：３Ｍ
３）出所：ゴールドシュミット
組成物のそれぞれ２相の密度は、密度計（ＤＭＡ４５００；Ａｎｔｏｎ Ｐａａｒ）上で３０゜で測定した。水相の密度は１．２０１０であり、かつ油相の密度は１．０２６７であり、これによって安定化された透明なエマルションが形成された。

さらに、それぞれの相のそれぞれの屈折指数が測定され、２相の差は０．００２３であった。
例４
油中水型エマルションの形でのアルコール不含香料組成物の製造
例１で使用されたのと同様の香料ベースを含有する油中水型エマルションは、以下の成分を用いて製造された。フッ素化油の混合は、従来技術による他の成分の乳化の後におこなわれた。
成分 質量％
香料ベース^＊ １０．００
Ｓｉｌｉｃｏｎ ＤＣ^（Ｒ）３４５^１） ４２．９０
メトキシノナフルオロブタン^２） １５．１０
水 １６．４５
１，３−ブタンジオール １１．５５
Ａｂｉｌ^（Ｒ）Ｅｍ９７^３） ４．００
合計 １００．００
^＊例１参照のこと
１）出所：ダウコーニング
２）出所：３Ｍ
３）出所：ゴールドシュミット
組成物のそれぞれ２相の密度は、密度計（ＤＭＡ４５００；Ａｎｔｏｎ Ｐａａｒ）上で３０゜で測定した。水相の密度は１．０２０１であり、かつ油相の密度は１．０２６５であり、これによって、安定化された透明なエマルションが形成された。

さらに、それぞれの相の屈折指数が測定され、２相の差は０．００９０であった。

Claims (8)

1. 水相５〜５０質量％と、組成物の全量に対して少なくとも３質量％の香料成分を含有する油相５０〜９５質量％とを含有する、噴霧可能な透明の油中水型または水中油型エマルションの形でのアルコール不含香料組成物において、その際、水相が水を２０〜６５％含有し、油相が１を上廻る密度を有する揮発性フッ素化油を油相に対して５〜５０質量％含有し、かつ、油相と水相との間の密度の差が０．００７以下であることを特徴とする、アルコール不含香料組成物。
2. 揮発性フッ素化油が、メトキシノナフルオロブタンである、請求項１に記載の香料組成物。
3. 油相と水相との間の密度の差が０．００５以下であることを特徴とする、請求項１に記載の香料組成物。
4. エマルションの粘度が１０Ｐａ．ｓ未満である、請求項１に記載の香料組成物。
5. 油中水型エマルションの形である、請求項１に記載の香料組成物。
6. 請求項１から５までのいずれか１項に記載の香料組成物の製造方法において、１を上廻る密度を有する揮発性フッ素化油を、エマルションの水相を乳化した後に、エマルションの油相に添加することを特徴とする、請求項１から５までのいずれか１項に記載の香料組成物の製造方法。
7. 揮発性フッ素化油が、メトキシノナフルオロブタンである、請求項６に記載の香料組成物の製造方法。
8. パピューム、オードトワレまたはコロンの形の、請求項１から５までのいずれか１項に記載の香料組成物。