JP2008088081A - 化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】塗布後、冷感から温感への感触の変化を感じることができるとともに、べたつき感がなく、塗布時の使用感に優れた化粧料を提供する。
【解決手段】(a)25℃における粘度が5mPa・s未満であるハイドロフルオロエーテル(例えば、メチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル等)を10〜80質量%、(b)多価アルコールを20〜70質量%、および(c)乳化剤を含み、実質的に水を含有しないことを特徴とする化粧料。
【選択図】なし
【解決手段】(a)25℃における粘度が5mPa・s未満であるハイドロフルオロエーテル(例えば、メチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル等)を10〜80質量%、(b)多価アルコールを20〜70質量%、および(c)乳化剤を含み、実質的に水を含有しないことを特徴とする化粧料。
【選択図】なし
Description
本発明は化粧料に関する。さらに詳しくは、塗布後、冷感から温感への感触の変化を感じることができるとともに、べたつき感がなく、塗布時の使用感に優れた化粧料に関する。
化粧料に温熱感をもたせると、塗布時の快感とともに血行促進や毛穴の拡張、表皮汚れの除去といった効果が期待できることから、ボディ用のマッサージ剤やクレンジング剤などに発熱剤を配合することが行われている。従来、このような効用をもたらすような発熱剤として、塩化カルシウムや硫酸マグネシウム、活性化ゼオライトなどの無機塩が利用されている(例えば、特許文献1〜2参照)。しかし、無機塩類の水和反応は発熱量が大きいという特徴がある反面、凝集しやすく、ケーキングを起こしたり、また、使用時にざらざらとした異物感を感じるといった不具合がある。
一方、多価アルコールが水和熱を発生することが知られている(例えば、特許文献3〜5参照)。多価アルコールを用いた化粧料は温熱効果とともに保湿効果や滑らかな使用感触が得られるが、無機塩類に比べて発熱量が小さく、十分な発熱効果を得るまでに至らなかった。また、多価アルコールを多量に配合した際に生じる刺激を緩和する目的で、油分を配合した非水系乳化物とすることが考えられるが、この場合、油分が温熱感を阻害するという問題がある。
なお、特許文献6には、環境を破壊せずに皮膚に対して安全性の高い揮発性油分として、25℃における粘度が5mPa・s未満のハイドロフルオロエーテルが開示され、該ハイドロフルオロエーテルがフッ素系油分に対する溶解性とフッ素化合物処理粉体に対する分散性が高いという特性を利用して使用感を改良した化粧料について記載されている。しかし特許文献6には、ハイドロフルオロエーテルと多価アルコールと乳化剤を併用した非水系化粧料が、冷感から温感への感触の変化を感じることができるとともに、べたつき感がなく、塗布時の使用感に優れるという本願発明を示唆するような記載は一切ない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、塗布後、冷感から温感への感触の変化を感じることができるとともに、べたつき感がなく、塗布時の使用感に優れた化粧料を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、環境破壊の懸念がなく、身体に対しても安全な特定のハイドロフルオロエーテルと多価アルコールを含む乳化組成物が、皮膚への塗布時に、低沸点であるハイドロフルオロエーテルが揮発する際に生じる気化熱により一旦冷感を感じ、その後に、残存する多価アルコールと皮膚上の水とが接触し温熱感を感じることができ、冷感と温熱感の温度差が従来の多価アルコールのみで得られる温度差に比べて大きいため、結果として優れた温熱感を得ることができること、および、多価アルコールによるべたつき感も低減させることができることを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(a)25℃における粘度が5mPa・s未満である下記式(I)で表されるハイドロフルオロエーテルを10〜80質量%、(b)多価アルコールを20〜70質量%、および(c)乳化剤を含み、実質的に水を含有しないことを特徴とする化粧料を提供する。
CnHmFk−O−CxHyFz (I)
〔式中、nは1〜12の数、mは0〜25の数、kは0〜11の数、m+k=2n+1であり、xは1〜12の数、yは0〜25の数、zは0〜11の数、y+z=2x+1である(ただし、mとnは同時に0とはならない。また、kとzは同時に0とはならない)。〕
〔式中、nは1〜12の数、mは0〜25の数、kは0〜11の数、m+k=2n+1であり、xは1〜12の数、yは0〜25の数、zは0〜11の数、y+z=2x+1である(ただし、mとnは同時に0とはならない。また、kとzは同時に0とはならない)。〕
また本発明は、(c)成分が非イオン性界面活性剤、両親媒性の高分子、両親媒性の粉体の中から選ばれる1種または2種以上である、上記化粧料を提供する。
また本発明は、(c)成分として無水ケイ酸を0.1〜10質量%配合する、上記化粧料を提供する。
本発明により、塗布後、冷感から温感への感触の変化を感じることができるとともに、べたつき感がなく、塗布時の使用感に優れた化粧料が提供されるという効果を奏する。
以下、本発明について詳述する。
本発明に用いられる(a)成分は、25℃における粘度が5mPa・s未満である下記式(I)で表されるハイドロフルオロエーテルであり、特許文献6に記載されている公知化合物である。なお粘度は、B型粘度計(ローターNo1 12rpm)で測定される粘度である。
CnHmFk−O−CxHyFz (I)
上記式(I)中、nは1〜12の数、mは0〜25の数、kは0〜11の数、m+k=2n+1であり、xは1〜12の数、yは0〜25の数、zは0〜11の数、y+z=2x+1である。ただし、mとnは同時に0とはならない。また、kとzは同時に0とはならない。
nは1〜10が好ましく、さらに好ましくは1〜6である。xは1〜10が好ましく、さらに好ましくは1〜6である。
本発明においては、特に、下記式(II)で表されるハイドロフルオロエーテルが好ましい。
CnF2n+1−O−CxH2x+1 (II)
(式中、n、xは上記で定義したとおりである。)
(式中、n、xは上記で定義したとおりである。)
(a)成分として具体的には、C4F9−O−CH3、C4F9−O−C2H5、C5F11−O−C2H5、C3F7−O−C4H9、C4F9−O−C4H9等が好適例として挙げられる。これらは、常法により合成することもでき、あるいは市販品(Cosmetic Flaid CF-61、同CF-76等。3M社製)を使用することもできる。(a)成分は1種または2種以上を用いることができる。
(a)成分の配合量は、本発明化粧料中、10〜80質量%であり、好ましくは20〜70質量%、特には30〜70質量%である。10質量%未満では十分な冷感を感じることができず、一方、80質量%超では強い冷感は感じるものの温感を感じにくくなり、好ましくない。
本発明に用いられる(b)成分としての多価アルコールは、エーテル結合を有していてもよい飽和または不飽和の炭素骨格に水酸基を2つ以上有する化合物である。具体的には、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール(平均分子量200〜20,000)、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビトール等を挙げることができる。中でも、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール(平均分子量200〜600)が使用感触および温熱効果の点から好ましい。(b)成分は1種または2種以上を用いることができる。
(b)成分の配合量は、本発明化粧料中、20〜70質量%であり、好ましくは30〜60質量%、特には30〜50質量%である。20質量%未満では温感を感じることができず、一方、70質量%超ではべたつき感が強く感じることとなり、好ましくない。
(c)成分としての乳化剤は、特に限定されるものでないが、非イオン性界面活性剤、両親媒性の高分子、両親媒性の粉体のいずれかが好ましく用いられる。
非イオン性界面活性剤としては、水を含むW/O、O/W型乳化組成物を調製するのに用いられる非イオン性界面活性剤が使用でき、例えば、ポリオキシエチレン(以下「POE」とも記す)アルキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、POE硬化ひまし油、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシブチレンポリグリセリルエーテルなどの炭化水素系界面活性剤、POEパーフルオロアルキルエーテル、POEポリフルオロアルキルエーテルなどのフッ素系界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーンなどのシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。
両親媒性の高分子としては、アクリル酸・メタクリル酸エステル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース等が挙げられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。
両親媒性の粉体を乳化剤として用いて分散物を安定化する技術は公知である(例えば特許第2656226号公報、特表2001−518111号公報等)。しかしながら、粉体により非水系乳化組成物を製造することはこれまで知られていない。また、これら両親媒性の粉体を用いた化粧料は多価アルコールのべたつき感を抑制することができ、使用感触の面からも好ましい。両親媒性の粉体としては、シリカや酸化チタンや酸化亜鉛、酸化鉄の一部を疎水化処理したものやPMMA、シリコーンレジンなどのポリマー粒子が挙げられる。特に微細なシリカを疎水化処理した疎水化シリカは、乳化能、使用感触の点からも優れている。疎水化シリカはアエロジルR972、R805(デグサ社製)、レオロシールDM−10(トクヤマ社製)などの商品名で市販されており入手可能である。本発明では特に無水ケイ酸(シリカ)が好ましく用いられる。
(c)成分の配合量は、(a)成分、(b)成分を均一に乳化し得るに足る量であればよく、特に限定されるものでないが、0.1〜10質量%程度配合するのが好ましい。配合量が多すぎると、温冷感を妨げる傾向がみられ、好ましくない。
本発明化粧料においては、本発明の効果を損なわない範囲内で、各種の成分、例えば、粉末成分、湿潤剤、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、水溶性高分子、増粘剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、アミノ酸、有機アミン、色素、pH調整剤、清涼剤、消炎剤、収斂剤、鎮痛剤、ビタミンおよびその誘導体、動植物エキス、色素、防腐剤、酸化防止剤、香料、等を必要に応じて適宜配合することができる。
本発明の化粧料は、実質的に水を含有しないことを特徴とする。ここで、水を含有しないとは、意識的に製剤中に水を配合しないことを意味しており、化粧料中に他配合成分中に含まれる水分が存在することを排除するものではない。すなわち、外部の水と接触した場合に水和熱を発生できればよく、他配合成分中に含まれる水分量として組成物中に多くとも5質量%とする。
本発明の化粧料の剤形は、各成分の種類および配合量により、液状、ローション状、クリーム状、ペースト状等の種々の形態にできる。液状〜ローション状のものは、静置時に乳化層と連続層の2層に分離する場合がある。このような2層分離型のものは、使用時に振盪または攪拌する操作により容易に再分散させて使用する。
本発明の化粧料はボディ用マッサージ剤、クレンジング剤、クリーム、ローション等に好適に適用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれによってなんら限定されるものではない。配合量は特記しない限りすべて質量%である。
まず、本実施例において用いた評価方法、評価基準について説明する。
〔塗布時の冷感〕
専門パネル(10名)による実使用試験を行い、試料を皮膚に塗布した時の冷感の有無を下記評価基準により評価してもらった。
(評価基準)
◎:10名中8名以上が、塗布時に冷感を認めた。
○:10名中6〜7名が、塗布時に冷感を認めた。
△:10名中3〜5名が、塗布時に冷感を認めた。
×:10名中2名以下が、塗布時に冷感を認めた。
専門パネル(10名)による実使用試験を行い、試料を皮膚に塗布した時の冷感の有無を下記評価基準により評価してもらった。
(評価基準)
◎:10名中8名以上が、塗布時に冷感を認めた。
○:10名中6〜7名が、塗布時に冷感を認めた。
△:10名中3〜5名が、塗布時に冷感を認めた。
×:10名中2名以下が、塗布時に冷感を認めた。
〔塗布後のべたつき感のなさ〕
専門パネル(10名)による実使用試験を行い、試料を皮膚に塗布した時のべたつき感の有無を下記評価基準により評価してもらった。
◎:10名中8名以上が、塗布時べたつかないと認めた。
○:10名中6〜7名が、塗布時べたつかないと認めた。
△:10名中3〜5名が、塗布時べたつかないと認めた。
×:10名中2名以下が、塗布時べたつかないと認めた。
専門パネル(10名)による実使用試験を行い、試料を皮膚に塗布した時のべたつき感の有無を下記評価基準により評価してもらった。
◎:10名中8名以上が、塗布時べたつかないと認めた。
○:10名中6〜7名が、塗布時べたつかないと認めた。
△:10名中3〜5名が、塗布時べたつかないと認めた。
×:10名中2名以下が、塗布時べたつかないと認めた。
(実施例1〜4、比較例1〜2)
下記表1に示す組成の試料を調製した。これら試料を用いて上記評価基準により使用感(冷感、温熱感、べたつきのなさ)について評価した。結果を表1に示す。
(製法)
粉末(アエロジルR972)を分散させた油相中へ多価アルコール相を室温にて加え、ディスパーで攪拌混合させ試料(化粧料)を調製した。
下記表1に示す組成の試料を調製した。これら試料を用いて上記評価基準により使用感(冷感、温熱感、べたつきのなさ)について評価した。結果を表1に示す。
(製法)
粉末(アエロジルR972)を分散させた油相中へ多価アルコール相を室温にて加え、ディスパーで攪拌混合させ試料(化粧料)を調製した。
表1の結果から明らかなように、(a)成分の配合量が本発明範囲を下回る比較例1は冷感を感じることがなく、その結果、温熱感を感じにくい。また、べたつき感も強く感じる。また、(b)成分の配合量が本発明範囲を下回る比較例2は、冷感を強く感じるものの温熱感を感じなかった。(a)成分〜(c)成分を適量配合した実施例1〜4は冷感、温熱感、べたつきのなさのともに、良好であった。
(実施例5〜10)
下記表2に示す組成の試料を調製した。これら試料を用いて上記評価基準により使用感(冷感、温熱感、べたつきのなさ)について評価した。併せて、2層分離型のものについては、再分散性について下記評価基準により評価した。結果を表2に示す。
下記表2に示す組成の試料を調製した。これら試料を用いて上記評価基準により使用感(冷感、温熱感、べたつきのなさ)について評価した。併せて、2層分離型のものについては、再分散性について下記評価基準により評価した。結果を表2に示す。
〔再分散性〕
実施例5〜8の各試料をポリプロピレン製容器に入れて静置保存した。1日間経過後、試料を入れた容器を5秒間十分に振盪させた。振盪後、5分間経過後の試料の状態を観察し、下記の評価基準に従い再分散性を評価した。
○:均一に分散された状態であった。
△:凝集物が一部みられたものの、ほぼ分散されていた。
×:凝集物がみられ均一に分散できない、あるいはすぐに2層に分離した。
実施例5〜8の各試料をポリプロピレン製容器に入れて静置保存した。1日間経過後、試料を入れた容器を5秒間十分に振盪させた。振盪後、5分間経過後の試料の状態を観察し、下記の評価基準に従い再分散性を評価した。
○:均一に分散された状態であった。
△:凝集物が一部みられたものの、ほぼ分散されていた。
×:凝集物がみられ均一に分散できない、あるいはすぐに2層に分離した。
表2の結果から明らかなように、本発明の実施例5〜10は、冷感、温熱感、べたつきのなさともに優れていた。また2層分離型のもの(実施例5〜8)はいずれも再分散性に優れるものであった。
Claims (3)
- (a)25℃における粘度が5mPa・s未満である下記式(I)で表されるハイドロフルオロエーテルを10〜80質量%、(b)多価アルコールを20〜70質量%、および(c)乳化剤を含み、実質的に水を含有しないことを特徴とする化粧料。
CnHmFk−O−CxHyFz (I)
〔式中、nは1〜12の数、mは0〜25の数、kは0〜11の数、m+k=2n+1であり、xは1〜12の数、yは0〜25の数、zは0〜11の数、y+z=2x+1である(ただし、mとnは同時に0とはならない。また、kとzは同時に0とはならない)。〕 - (c)成分が非イオン性界面活性剤、両親媒性の高分子、両親媒性の粉体の中から選ばれる1種または2種以上である、請求項1記載の化粧料。
- (c)成分として無水ケイ酸を0.1〜10質量%配合する、請求項1または2記載の化粧料。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006268691A JP2008088081A (ja) | 2006-09-29 | 2006-09-29 | 化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006268691A JP2008088081A (ja) | 2006-09-29 | 2006-09-29 | 化粧料 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015155393A (ja) * | 2014-02-20 | 2015-08-27 | 株式会社コーセー | 多層型油性化粧料 |
-
2006
- 2006-09-29 JP JP2006268691A patent/JP2008088081A/ja not_active Withdrawn
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JP2015155393A (ja) * | 2014-02-20 | 2015-08-27 | 株式会社コーセー | 多層型油性化粧料 |
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