JP4070366B2 - 光学記録材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報をレーザー等による熱的情報パターンとして付与することにより記録する光学記録媒体に使用される光学記録材料及びそれを用いた光学記録媒体に関し、詳しくは、可視及び赤外領域の波長を有し、且つ低エネルギーのレーザー等により高密度の光学記録及び再生が可能な光学記録媒体に使用される光学記録材料及びそれを用いた光学記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
一般に光学記録媒体は、媒体と書き込み又は読み出しヘッドが接触しないので記録媒体が摩耗劣化しないという特徴を有しており、特に、情報を熱的情報として付与する光学記録媒体は暗室による現像処理が不要である利点を有することからその開発が盛んに行なわれている。
【0003】
このような光学記録媒体は記録光を熱として利用するものであり、例えば、基体上に設けた薄い記録層に、光学的に検出可能なピットを形成させることにより情報を高密度に記録させることができる。
【0004】
記録媒体への情報の書き込みは、記録層の表面に収束したレーザーを走査し、照射されたレーザーエネルギーを吸収した記録層にピットを形成させることによって行われる。この記録媒体に記録された情報は、形成されたピットを読み出し光で検出することができる。
【0005】
上記記録媒体としては、例えばコンパクトディスク(CD)規格に対応した波長770〜830nmの近赤外半導体レーザーによって書き込み再生可能な光記録媒体(CD−R)、より短波長の620〜690nmの赤色半導体レーザーによりビームスポットをより小さくすることで記録密度を上げ、更にデータ圧縮技術等を使って、動画が記録できるほどの大容量光記録媒体(デジタルバーサティリティーディスク、DVD)、DVD規格に合致し、追記又は記録が可能な光記録媒体(DVD−R)が挙げられ、このような光学記録媒体の記録層としては、これまでアルミニウム蒸着膜等の金属薄膜、酸化テルル薄膜、ビスマス薄膜やカルコゲナイド系非晶質ガラス膜等の無機質光学記録材料が主に用いられていた。
【0006】
これらの薄膜は塗工法によって形成することが困難であり、スパッタリングや真空蒸着法により形成する必要があったが、その操作は煩雑であり、更に上記の無機質を用いた場合には、レーザー光に対する反射率が高い、熱伝導率が大きい、レーザー光の利用効率が低い等の欠点を有していた。
【0007】
このため、無機物質材料に代えて、半導体レーザーによってピットを形成することのできる有機化合物色素を主体とする光学記録材料を記録層として用いる方法が提案されている。
【0008】
これらの色素として、アゾ系色素、フタロシアニン系色素、シアニン系色素が用いられている。中でも、インドレニン系、チアゾール系、イミダゾール系、オキサゾール系、キノリン系、セレナゾール系等のシアニン色素カチオンと各種アニオンとの塩からなるシアニン系色素は、感度が高いので好ましく用いられており、この中でもインドレニン系のインドシアニン色素は特に感度が高いのでより好ましく用いられている。
【0009】
しかし、上記の有機化合物系の色素は光学記録材料に用いる場合、単独ではピット形成特性、ピット制御性、光安定性が充分ではない場合があり、記録媒体容量の増加と共にこれらの問題は重要になっている。
【0010】
上記の問題に対し、ピット形成促進性、ピット制御性、光安定性等の機能を付与するの各種添加剤の使用が検討されている。例えば、特開平07−98887号公報、特開平10−291366号公報、特開平11−86337号公報に、メタロセン類、金属β−ジケトネート類の使用が、特公平01−034464号公報、特公平01−034465号公報に、クエンチャーと呼ばれる錯体化合物の使用が記載されている。
【0011】
しかし、これらの添加剤は、前述の問題点について、充分な効果が得られていないばかりか、感度等の記録特性を低下させる場合があった。
【0012】
従って、本発明の目的は、光学記録媒体の記録層に使用される、ピット形成性、ピット制御性、光安定性等の改善された光学記録材料、及びそれを用いた光学記録媒体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、検討を重ねた結果、新規な化合物であるインドレニン骨格を有するメタロセン誘導体化合物を用いることにより、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0014】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、下記〔化3〕の一般式(I ' )で表される化合物を含有することを特徴とする光学記録材料、詳細には後記〔化6〕(前記〔化1〕と同じ)の一般式(I)で表される化合物を含有することを特徴とする光学記録材料を提供するものである。
【0015】
【化3】
【化4】
【0016】
また、本発明は、基体上に、記録層として上記光学記録材料を含有する薄膜を形成したことを特徴とする光学記録媒体を提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光学記録材料について詳細に説明する。
【0018】
本発明の光学記録材料に用いられる上記一般式(I)で表される化合物は、新規の化合物であり、後述の光学記録媒体の記録層に使用される機能性付与添加剤である。
【0019】
上記一般式(I ' )において、環A中のR1で表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル等が挙げられ、炭素数1〜4のアルコキシ基としては、上記アルキル基から誘導される基が挙げられ、Rで表される炭素数1〜30の有機基は特に制限を受けず、枝分かれ、不飽和結合、エーテル結合、アリール基等を含んでいても良く、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等の置換基を有していても良い基が挙げられ、Yで表される炭素数1〜6のアルキリデン基としては、メチリデン、ジメチルメチリデン、エチルメチルメチリデン、ジエチルメチリデン、メチルプロピルメチリデン、エチルプロピルメチリデン等が挙げられ、炭素数3〜6のシクロアルキリデンとしては、シクロプロパン−1,1−ジイル、シクロブタン−1,1−ジイル、2,4−ジメチルシクロブタン−1,1−ジイル、3−ジメチルシクロブタン−1,1−ジイル、シクロペンタン−1,1−ジイル、シクロヘキサン−1,1−ジイル等が挙げられ、炭素数1〜8のアルキル基を有する窒素原子における該アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、第三アミル、ヘキシル、へプチル、オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル等が挙げられる。
【0020】
上記一般式(I ' )において、Anm-で表されるアニオンは、特に制限を受けないが、例えば、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、フッ素アニオン等のハロゲンアニオン;過塩素酸アニオン、塩素酸アニオン、チオシアン酸アニオン、六フッ化リンアニオン、六フッ化アンチモンアニオン、四フッ化ホウ素アニオン等の無機系アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオントルエンスルホン酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン等の有機スルホン酸アニオン;オクチルリン酸アニオン、ドデシルリン酸アニオン、オクタデシルリン酸アニオン、フェニルリン酸アニオン、ノニルフェニルリン酸アニオン、2,2' −メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスホン酸アニオン等の有機リン酸系アニオン、後述のクエンチャーアニオン等が挙げられ、二価のものとしては、例えば、ベンゼンジスルホン酸アニオン、ナフタレンジスルホン酸アニオン等が挙げられる。
【0021】
また、上記一般式(I ' )において、Xで表されるメタロセン基は、下記〔化5〕で表されるフェロセン基であり、公知一般のフェロセン化合物から導入できる。
【0022】
【化5】
【0024】
上記一般式(I ' )で表される化合物は、詳しくは下記〔化6〕(前記〔化1〕と同じ)の一般式(I)で表される化合物であり、該化合物はコスト及び性能の点で好ましい。
【0025】
【化6】
【0026】
上記一般式(I)において、R1 、R、Yで表される基及びAnm-としては、前記の一般式(I ' )と同様のものが挙げられる。
【0027】
上記一般式(I)で表される化合物の具体例としては、下記化合物No.1〜No.8等が挙げられる。尚、以下の例示では、アニオンを省いたカチオンで示している。
【0028】
【化7】
【0029】
【化8】
【0030】
【化9】
【0031】
【化10】
【0032】
【化11】
【0033】
【化12】
【0034】
【化13】
【0035】
【化14】
【0036】
更に好適な化合物としては、上記一般式(I)中のYで表される基が炭素数1〜6のアルキリデン基又は炭素数3〜6のシクロアルキリデン基であり、Rで表される有機基が下記〔化15〕(前記〔化2〕と同じ)の一般式( II )で表される基であるフェロセン化合物が挙げられる。
【0037】
【化15】
【0038】
上記一般式( II )において、R2 で表される炭素数1〜4のアルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、1−メチルエチレン、2−メチルエチレン、ブチレン等が挙げられ、R3 で表される炭素数1〜4のアルキル基としては、前記一般式(I)中のR1 と同様の基が挙げられ、炭素数2〜4のアルケニル基としては、ビニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル等が挙げられ、R3 中のフェニル基の置換基であるハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、R3 中のフェニル基の置換基である炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシ基としては前記一般式(I)中のR1 と同様の基が挙げられる。
【0039】
上記の更に好適な化合物の具体例としては、下記化合物No.9〜No.14等が挙げられる。尚、以下の例示では、アニオンを省いたカチオンで示している。
【0040】
【化16】
【0041】
【化17】
【0042】
【化18】
【0043】
【化19】
【0044】
【化20】
【0045】
【化21】
【0046】
上記で表される好適なフェロセン誘導体化合物の製造方法については、特に制限されないが、例えば、下記〔化22〕に示すルートで合成される。
【0047】
【化22】
【0048】
本発明に用いられる新規な化合物である上記一般式(I)で表される化合物(メタロセン誘導体化合物)は、以下に示す特性を有し、光学記録材料の多機能添加剤として優れた化合物である。
(1)光安定剤として機能する。
色素の自然光による褪色を防止し、記録材料に耐光性を与える。
(2)ピット形成促進剤として機能する。
色素層のピット形成温度を低温側にシフトさせる効果がある。
(3)ピット制御剤として機能する。
温度についてピット形成の明確なしきい値を与えるので、シャープなピットを形成できる。
(4)揮散性がない。
揮発性がないので、記録層形成時の安全性、品質安定性に優れる。
【0049】
本発明の光学記録材料においては、通常、色素が使用され、該色素は、半導体レーザーによってピットを形成することのできる有機化合物系の色素であれば特に制限されず、アゾ系色素、フタロシアニン系色素及びシアニン系色素等公知のものいずれもが使用できるが、シアニン系色素が好ましく、その中でもインドシアニン系色素が優れた添加効果が得られるのでより好ましい。
【0050】
上記色素について特に好適な具体例としては、下記化合物No.15〜23等が挙げられる。尚、以下の例示では、アニオンを省いたカチオンで示している。
【0051】
【化23】
【0052】
【化24】
【0053】
【化25】
【0054】
【化26】
【0055】
【化27】
【0056】
【化28】
【0057】
【化29】
【0058】
【化30】
【0059】
【化31】
【0060】
本発明の光学記録材料は、上記メタロセン誘導体化合物〔上記一般式(I)で表される化合物〕を必須成分として含むものであり、好ましくは色素と上記メタロセン誘導体化合物の両方を含むものであり、LD、CD、DVD、CD−R、DVD−R等の光学記録媒体の記録層として適用される。
【0061】
本発明の光学記録材料において、色素と上記メタロセン誘導体化合物との割合は、色素に対して上記メタロセン誘導体化合物が0.01重量%より少ないと効果が得難いので0.01重量%以上が好ましく、特に、CD−R、DVD−Rの記録層として使用する場合は0.1〜20重量%が好ましい。
【0062】
次に、本発明の光学記録媒体について詳細に説明する。
本発明の光学記録媒体は、基体上に、記録層として上述した本発明の光学記録材料を含有する薄膜を形成したものである。
本発明の光学記録媒体における上記記録層の形成にあたっては従来周知の方法を用いることができる。一般には、メタノール、エタノール等の低級アルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルジグリコール等のエーテルアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシエチル等のエステル類、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ化アルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、メチレンジクロライド、ジクロロエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素類等の有機溶媒に、上記光学記録材料を溶解した溶液を基体上に塗布することによって容易に形成することができる。
【0063】
上記記録層の厚さは、通常、0.001〜10μmであり、好ましくは0.01〜5μmの範囲が適当である。上記記録層の形成方法は特に制限を受けず、例えばスピンコート法等の通常用いられる方法を用いることができる。
【0064】
本発明の光学記録媒体における記録層に、上記光学記録材料を含有させる際の該記録層に対する使用量は、色素及び上記メタロセン誘導体化合物を合わせて、好ましくは50〜100重量%である。
【0065】
また、本発明の光学記録媒体における上記記録層は、上記光学記録材料のほかに、必要に応じて、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート等の樹脂類を含有してもよく、界面活性剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、光安定剤、分散剤、酸化防止剤、架橋剤等を含有してもよい。
【0066】
更に、上記記録層は、一重項酸素等のクエンチャーとして、芳香族ニトロソ化合物、ビスイミニウム塩、遷移金属キレート化合物等を含有してもよい。これらの化合物としては、例えば、特開昭59−55795号公報及び特開昭60−234892号公報に提案されているような公知の化合物が用いられ、記録層に対して好ましくは0〜50重量%の範囲で使用される。
【0067】
上記クエンチャーの代表例としては、下記〔化32〕〜〔化40〕の一般式(A)〜(I)等で表される化合物が挙げられる。
【0068】
【化32】
【0069】
【化33】
【0070】
【化34】
【0071】
【化35】
【0072】
【化36】
【0073】
【化37】
【0074】
【化38】
【0075】
【化39】
【0076】
【化40】
【0077】
このような記録層を設層する上記基体の材質は、書き込み光及び読み出し光に対して実質的に透明なものであれば特に制限はなく、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等の樹脂、ガラス等が用いられる。また、その形状は、用途に応じ、テープ、ドラム、ベルト、ディスク等の任意の形状のものが使用できる。
【0078】
また、上記記録層上に、金、銀、アルミニウム、銅等を用いて蒸着法或いはスパッタリング法により反射膜を形成することもできるし、アクリル樹脂、紫外線硬化性樹脂等による保護層を形成することもできる。
【0079】
本発明の光学記録媒体の具体的態様としては、LD、CD、DVD、CD−R、DVD−R等の光ディスク等が挙げられる。
【0080】
【実施例】
以下、製造例、実施例、評価例及び比較例をもって本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例によって何ら制限を受けるものではない。
【0081】
(製造例1)化合物No.9の六フッ化リン塩の製造
反応フラスコにベンゼンスルホニルクロリド35.4g、2−フェノキシエタノール33.2g、トルエン222.4gを仕込み、氷冷下でトリエチルアミン40.4gを1時間で滴下した。冷却下で1時間反応させた後、更に室温で1時間反応させた後、水洗、無水硫酸ナトリウムでの乾燥、脱溶媒を行い得られた粗結晶についてエタノール55.6gで再結晶を行い、ベンゼンスルホン酸フェノキシエチルエステル47.2g結晶を得た。(収率85%)
次に、2,3,3−トリメチルインドレニン23.9g、上記で得られたベンゼンスルホン酸フェノキシエチルエステル41.7g、1-ブタノール131.2gを反応フラスコに仕込み、120℃で3時間反応させ、冷却・濾過、エタノール洗浄を行い、化合物No.9のベンゼンスルホン酸塩結晶53.8gを得た。(収率82%)
上記で得たベンゼンスルホン酸塩4.4g、フェロセンカルボキシアルデヒド2.1g、ジメチルホルムアミド6.2gを反応フラスコに仕込み、1時間反応させ、ヘキサフルオロリン酸カリウム塩3.7g、ジメチルホルムアミド12.4gを加えて80℃で1時間塩交換させた。反応系からクロロホルム20gで抽出した溶液を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、脱溶媒して得られた粗結晶をヘキサン/酢酸エチル=3/7(vol)溶媒、シリカゲルカラムにより精製し、目的物結晶1.2gを得た。(収率20%)
【0082】
(分析結果)
UV吸収スペクトル:λmax 640nm(ε1.1×104 )
PMR吸収スペクトル(ppm;多重度;H)
(1.8;s;6)(4.4;s;5)(4.5;t;2)(4.8;t;2)
(5.0;s;2)(5.1;s;2)(6.7;d;2)(6.9;t;1)
(7.0:d;1)(7.2;t;2)(7.4〜7.6;m;3)
(7.6;d;1)(8.3;d;1)
MSスペクトル:621(calc;621.3)
CHN:C重量%;H重量%;N重量%
58.0;4.81;2.14(calc;58.0;4.87;2.25)
Fe分析:8.88%(calc; 8.99)
【0083】
(製造例2)化合物No.10のヨウ素塩の合成
反応フラスコにβ−ナフチルヒドラジン31.6g、酢酸48.0gを仕込み、80℃まで昇温して3−メチル−2−ブタノン20.7gを滴下し、100℃で2時間反応させた後、酢酸を脱溶媒した。残渣からトルエン167.4gで抽出した溶液を20重量%水酸化ナトリウム水溶液、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム乾燥後脱溶媒して得られた粗結晶をトルエン41.8gで再結晶し、2,3,3−トリメチルベンゾインドレニン23.4gを得た。(収率56%)
次に、上記で得られた2,3,3−トリメチルベンゾインドレニン20.9g、イソアミルアイオダイド39.6gを反応フラスコに仕込み、120℃で3時間反応させた後、80℃で酢酸エチル20.4gを加え、晶析を行い1−イソアミル−2,3,3−トリメチルベンゾインドレニンヨウ素塩31.3gを得た。(収率77%)
上記で得たヨウ素塩4.1g、フェロセンカルボキシアルデヒド2.1g、ジメチルホルムアミド6.0gを反応フラスコに仕込み、1時間反応させて得られた粗結晶をヘキサン/酢酸エチル=3/7(vol)溶媒、シリカゲルカラムで精製し目的物結晶0.7gを得た。(収率12%)
【0084】
(分析結果)
UV吸収スペクトル:λmax 637nm(ε1.0×104 )
PMR吸収スペクトル(ppm;多重度;H)
(1.1;d;6)(1.8〜1.9;m;3)(1.9;s;6)
(4.4;s;5)(4.8;t;2)(5.0;s;2)(5.3;s;2)
(7.2:d;1)(7.6〜7.7;m;3)(8.0〜8.1;m;3)(8.6;d;1)
MSスペクトル:603(calc;603.4)
CHN:C重量%;H重量%;N重量%
61.4;5.61;2.35(calc;61.7;5.68;2.32)
Fe分析:9.30%(calc; 9.25)
【0085】
(製造例3)化合物No.11の過塩素酸塩の合成
反応フラスコに4−メトキシフェニルヒドラジン27.6g、酢酸48.0gを仕込み、80℃まで昇温して3−メチル−2−ブタノン20.7gを滴下し、100℃で2時間反応させた後、酢酸を脱溶媒した。残渣からトルエン151.2gで抽出した溶液を20重量%水酸化ナトリウム水溶液、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、脱溶媒して2,3,3−トリメチル−5−メトキシインドレニン22.6gを得た。(収率60%)
次に、上記で得た2,3,3−トリメチル−5−メトキシインドレニン18.9g、プロピルアイオダイド33.8gを仕込み、100℃で3時間反応させた後、80℃で酢酸エチル18.0gを加え晶析を行い、1−プロピル−2,3,3−トリメチル−5−メトキシインドレニンヨウ素塩の結晶を26.6g得た。(収率74%)
上記で得たヨウ素塩3.6g、フェロセンカルボキシアルデヒド2.1g、ジメチルホルムアミド5.3gを反応フラスコに仕込み、1時間反応させた後過塩素酸ナトリウム一水和物2.8gのメタノール11.2g溶液を加えて70℃で1時間塩交換を行った。反応液からクロロホルム20gで抽出した溶液を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、脱溶媒して得られた粗結晶をヘキサン/酢酸エチル=3/7(vol)溶液、シリカゲルカラムで精製し目的物結晶0.8gを得た。(収率15%)
【0086】
(分析結果)
UV吸収スペクトル;λmax 625nm(ε0.93×104 )
PMR吸収スペクトル(ppm;多重度;H)
(1.0;t;3)(1.9;s;6)(2.0;m;2)(3.9;s;3)
(4.3;s;5)(4.4;t;2)(5.0;s;2)(5.1;s;2)
(6.9;d;1)(7.0;m;2)(7.5:d;1)(8.2;d;1)
MSスペクトル:527(calc;527.8)
CHN:C重量%;H重量%;N重量%
58.9;5.69;2,66(calc;59.2;5.73;2.65 )
Fe分析:10.3%(calc; 10.6)
【0087】
(製造例4)化合物No.12の四フッ化硼素塩の合成
反応フラスコに4−ニトロフェニルヒドラジン153.1g、酢酸600gを仕込み、80℃まで昇温して3−メチル−2−ブタノン103.3gを滴下し、80℃で1時間撹拌した後、80℃で硫酸196.1gを滴下し、108℃で2時間反応させた。冷却後、反応液にトルエン816.8gを加え、20重量%水酸化ナトリウム水溶液、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、脱溶媒して得た粗結晶をエタノール204.2gで再結晶を行い2,3,3−トリメチル−5−ニトロインドレニン結晶61.2gを得た。(収率30%)
また、ベンゼンスルホニルクロリド176.6g、2−フェネチルエタノール146.6g、トルエン1049.3gを反応フラスコに仕込み、氷冷下でトリエチルアミン202.4gを1時間で滴下し、冷却化で1時間反応させた後、更に室温で1時間反応させた。再び氷浴下で冷却し、35重量%塩酸水溶液、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、脱溶媒を行いベンゼンスルホン酸フェネチルエステル212.5gを得た。(収率81%)
次に2,3,3−トリメチル−5−ニトロインドレニン20.4g、上記で得たベンゼンスルホン酸フェネチルエステル52.4gを反応フラスコに仕込み、130℃で1時間反応させた後、80℃で酢酸エチルを23.3g加えて晶析を行い1−フェネチル−2,3,3−トリメチル−5−ニトロインドレニンベンゼンスルホン酸塩19.6gを得た。(収率42%)
上記のスルホン酸塩4.7g、フェロセンカルボキシアルデヒド2.1g、ジメチルホルムアミド5.3gを反応フラスコに仕込み、1時間反応させた後テトラフルオロホウ酸ナトリウム2.2gとジメチルホルムアミド10.6gを加え、80℃で塩交換を行った。反応液からクロロホルム20gで抽出した溶液を水洗、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、脱溶媒して得られた粗結晶をヘキサン/酢酸エチル=3/7(vol)溶媒、シリカゲルカラムにより精製し目的物結晶1.1gを得た。(収率19%)
【0088】
(分析結果)
UV吸収スペクトル;λmax 675nm(ε1.0×104 )
PMR吸収スペクトル(ppm;多重度;H)
(1.7;s;6)(2.4;t;2)(4.3;s;5)(4.5;t;2)
(5.0;s;2)(5.2;s;2)(6.7;d;1)
(7.1〜7.2;m;5)(7.8;d;1)(8.4;d;1)
(8.5;s;1)(8.6;d;1)
MSスペクトル:592(calc;592.2)
CHN:C重量%;H重量%;N重量%
60.4;4.89;4.69(calc;60.8;4.94;4.73)
Fe分析:9.38%(calc; 9.43)
【0089】
(製造例5)化合物No.14のヨウ素塩の合成
反応フラスコに3,4−ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩213.5g、酢酸240.2gを仕込み、80℃まで昇温して3−メチル−2−ペンタノン120.2gを滴下し、100℃で2時間反応させた。酢酸を脱溶媒した残渣からトルエン968.6gで抽出した溶液を水洗、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、脱溶媒して得られた粗結晶をヘキサン/酢酸エチル=3/7(vol)溶媒、シリカゲルカラムにより精製して3−エチル−2,3−ジメチル−4,5−ジクロロインドレニン60.8gを得た。(収率25%)
上記で得られた3−エチル−2,3−ジメチル−4,5−ジクロロインドレニン24.2g、3−フェニルプロピルアイオダイド49.2gを反応フラスコに仕込み、130℃で2時間反応させた後、80℃で酢酸エチルを47.4g加えて晶析を行い1−フェニルプロピル−2,3,3−トリメチル−4,5−ジクロロインドレニンヨウ素塩結晶22.3gを得た(収率47%)。
上記で得たヨウ素塩4.7g、フェロセンカルボキシアルデヒド2.1g、ジメチルホルムアミド6.7gを反応フラスコに仕込み、1時間反応させた反応液をクロロホルム20gで抽出した溶液を、水洗、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、脱溶媒した。得られた粗結晶をヘキサン/酢酸エチル=3/7(vol)溶媒、シリカゲルカラムにより精製し目的物結晶1.1gを得た。(収率16%)
【0090】
(分析結果)
UV吸収スペクトル;λmax 660nm(ε0.97×104 )
PMR吸収スペクトル(ppm;多重度;H)
(1.0;t;3)(1.6;m;2)(1.7;s;3)(1.9;c;2)
(2.6;t;2)(4.3;s;5)(4.4;t;2)(5.2;s;2)
(5.3;s;2)(6.8;d;1)(7.1〜7.0;m;5)
(8.2;s;1)(8.4;s;1)(8.5;d;1)
MSスペクトル:683(calc;683.1)
CHN:C重量%;H重量%;N重量%
55.8;4.77;2.00(calc;56.2;4.71;2.05)
Fe分析:8.10%(calc; 8.16)
【0091】
実施例1〜3及び比較例1〜3
(熱的挙動の評価)
フェロセン誘導体化合物と色素との混合物(表1〜3)について示差熱分析装置を用いて熱的挙動の観察を行った。該混合物は熱により分解してピットを形成するが、分解挙動としては、分解温度域が狭く、シャープに分解するものがピット制御性に優れ、低温で分解するものほどエネルギー的に優位である。従って、TGによる分解開始点(Ts)とDSCによる分解のピークトップ(Tt)の温度幅及びピークの形状からピット制御性を評価し、分解温度の低下はDSCによるピークトップの温度で評価した。
【0092】
【表1】
【0093】
【表2】
【0094】
【表3】
【0095】
実施例4及び比較例4
(光学記録媒体の製造及び耐光性評価)
表4及び表5に示す色素化合物とフェロセン誘導体化合物をテトラフルオロプロパノールに計1重量%溶解させ、この溶液を40mm角のガラス上に1000回転/分、30秒でスピンコート塗布し、得られた資料を60℃で30分乾燥させ、光学記録媒体テストピースを作成した。
耐光性評価
上記により製造された各光学記録媒体テストピースにキセノン耐候性試験機(テーブルサン、スガ試験機(株)社製)を用いて、50000ルクスの光を照射し、λmax における吸光度半減期(λmax における吸光度の値が、媒体作成時の50%まで低下するのに要する時間)を測定した。その結果を表4及び表5に示す。
尚、表4及び表5における添加効果の数値は、添加剤(本発明に係るフェロセン誘導体化合物又は比較化合物1)及び色素化合物を使用した光学記録材料の吸光度半減期(A)から、添加剤を使用せず且つ該色素化合物と同一の色素化合物のみを用いた光学記録材料の吸光度半減期(B)を引いたものである。
【0096】
【表4】
【0097】
【表5】
【0098】
【発明の効果】
本発明の光学記録材料は、ピット制御性、低温分解性及び耐光性に優れたものである。
また、本発明の光学記録媒体は、可視及び赤外領域の波長を有し且つ低エネルギーのレーザー等により高密度の光学記録及び再生が可能なものである。
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