JP4454177B2 - 光学記録材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報をレーザ等による情報パターンとして付与することにより記録する光学記録媒体に使用される光学記録材料に関し、詳しくは、可視及び近赤外領域の吸収波長を有し、かつ低エネルギーのレーザ等により高密度の光学記録及び再生が可能な光学記録媒体に使用される光学記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
光学記録媒体は、一般に記憶容量が大きく、記録又は再生が非接触で行われる等の優れた特徴を有することから広く普及している。WORM、CD−R、DVD−R等の追記型の光ディスクでは記録層の微少面積にレーザーを集光させ、記録層の性状を変えて記録し、未記録部分との反射光量の違いによって再生を行っている。
【0003】
現在、上記の光ディスクにおいては、記録及び再生に用いる半導体レーザーの波長を短くし、高密度記録を行うことのできるものが開発されている。これに使用される半導体レーザの波長は、380〜830nmの範囲であり、例えば、CD−Rは750〜830nmであり、DVD−Rは620nm〜660nmであり、また、更に高密度の600nm以下の光ディスクも開発されている。
【0004】
記録層は、書き込みレーザ光に対し充分な感度を有し、読み出しレーザ光に対しては充分な記録安定性を有することが必要である。DVD−Rに代表される光ディスクは、書き込みと読み出しレーザの波長は同じであるか又は近いものであり、その出力の大きさを変えることで書き込み、読み出しを行っている。記録層は、これらの波長に対して吸収が小さいと充分な記録感度を得ることができず、吸収が大きいと耐光性等の記録安定性が低下するので、適切な吸収強度を有することが必要である。
【0005】
現在、記録層には、フタロシアニン系化合物、アゾ系化合物、シアニン系化合物等の有機系色素が使用されているが、これらの化合物は、吸収波長、吸光度、光安定性等の光学特性において、必ずしも満足なものではなかった。
【0006】
従って、本発明の目的は、DVD−R等の光学記録材料として合致した化合物からなる光学記録材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、特定の構造を有するインドール化合物を用いた光学記録材料のUV吸収スペクトルが、DVD−R等の光学記録材料として適正な吸収を与えることを知見し、本発明に到達した。
【0008】
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、下記に示す一般式(I)で表されるインドール化合物を含有してなることを特徴とする光学記録材料、及び基板上に、該記録材料からなる薄膜を形成したことを特徴とする光学記録媒体を提供するものである。
【0009】
【化2】
Figure 0004454177
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0011】
本発明に係る上記の一般式(I)において、R1 及びR1 ’は、同一でも異なっていてもよく、R1 及びR1 ’で表されるハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシルが挙げられ、炭素数1〜8のアルコキシ基としては、メチルオキシ、エチルオキシ、イソプロピルオキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシが挙げられ、炭素数6〜30のアリール含有基としては、フェニル、ナフチル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−ビニルフェニル、3−イソプロピルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−イソブチルフェニル、4−第三ブチルフェニル、4−ヘキシルフェニル、4−シクロヘキシルフェニル、4−オクチルフェニル、4−(2−エチルヘキシル)フェニル、4−ステアリルフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4−ジ第三ブチルフェニル、2,5−ジ第三ブチルフェニル、2,6−ジ−第三ブチルフェニル、2,4−ジ第三ペンチルフェニル、2,5−ジ第三アミルフェニル、2,5−ジ第三オクチルフェニル、2,4−ジクミルフェニル、シクロヘキシルフェニル、ビフェニル、2,4,5−トリメチルフェニル、ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロパン−2−イル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等が挙げられる。R2 及びR2 ’は、同一でも異なっていてもよく、R2 及びR2 ’で表される炭素数1〜8で表されるアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基又は炭素数6〜30のアリール含有基としては、R1 と同様の基が挙げられ、炭素数1〜8のアルケニル基としては、ビニル、メチルエテニル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニルが挙げられ、これらの二重結合に位置は特に限定されない。炭素数1〜8のアルキルチオ基としては、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ、2−エチルヘキシルチオが挙げられ、炭素数1〜8のカルボニル基としては、アセチル、プロピオニル、オクタノイル、アクリロイル、メタクリロイル、フェニルカルボニル、サリチロイルが挙げられる。
【0012】
また、Y及びY’は、同一でも異なっていてもよく、Y及びY’で表される炭素数1〜30の有機基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、2−シクロヘキシルエチル、ヘプチル、イソヘプチル、第三ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ペプタデシル、オクタデシル等のアルキル基、ビニル、1−メチルエテニル、2−メチルエテニル、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、デセニル、ぺンタデセニル、1−フェニルプロペン−3−イル等のアルケニル基、フェニル、ナフチル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−ビニルフェニル、3−イソプロピルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−イソブチルフェニル、4−第三ブチルフェニル、4−ヘキシルフェニル、4−シクロヘキシルフェニル、4−オクチルフェニル、4−(2−エチルヘキシル)フェニル、4−ステアリルフェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4−ジ第三ブチルフェニル、シクロヘキシルフェニル等のアルキルアリール基、ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロパン−2−イル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等のアリールアルキル基等、それがエーテル結合、チオエーテル結合で中断されたもの、例えば、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、4−メトキシブチル、2−ブトキシエチル、メトキシエトキシエチル、メトキシエトキシエトキシエチル、3−メトキシブチル、2−フェノキシエチル、3−フェノキシプロピル、2−メチルチオエチル、2−フェニルチオエチルが挙げられ、更にこれらの基は、アルコキシ基、アルケニル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよい。Zで表される炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜30のアリール含有基としては、R1 と同様の基が挙げられる。
【0013】
また、上記一般式(I)において、Ann-で表されるアニオンとしては、例えば、一価のものとして、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、フッ素アニオン等のハロゲンアニオン;過塩素酸アニオン、塩素酸アニオン、チオシアン酸アニオン、六フッ化リンアニオン、六フッ化アンチモンアニオン、四フッ化ホウ素アニオン等の無機系アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン、トルエンスルホン酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン等の有機スルホン酸アニオン;オクチルリン酸アニオン、ドデシルリン酸アニオン、オクタデシルリン酸アニオン、フェニルリン酸アニオン、ノニルフェニルリン酸アニオン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスホン酸アニオン等の有機リン酸系アニオン等が挙げられ、二価のものとしては例えば、ベンゼンジスルホン酸アニオン、ナフタレンジスルホン酸アニオン、特開昭60−234892号公報、特開平10−45767号公報に記載されたクエンチャーアニオン等が挙げられる。
【0014】
本発明に係るインドール化合物の具体例としては、以下に示すものが挙げられる。なお、以下の例示では、アニオンを省いた色素カチオンで示している。
【0015】
【化3】
Figure 0004454177
【0016】
【化4】
Figure 0004454177
【0017】
【化5】
Figure 0004454177
【0018】
【化6】
Figure 0004454177
【0019】
【化7】
Figure 0004454177
【0020】
【化8】
Figure 0004454177
【0021】
本発明に係る一般式(I)で表されるインドール化合物において、R2 及びR2 ’については、これらが、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜30のアリール含有基から選ばれる基であるものが、光安定性が良好なので好ましく、メチル又はフェニルがより好ましい。また、環A及び環A’がベンゼン環であるものが、DVD−Rの規格に適合するので好ましい。
【0022】
また、X1 、X2 については、水素原子であるものが、DVD−Rの規格に適合するので好ましい。
【0023】
本発明に係る上記一般式(I)で表される化合物は、例えば、該当する構造を有する環状化合物とトリメチン鎖を導入するためのブリッジ剤化合物とを反応剤により反応させた後、必要に応じてアニオン交換を行うことで合成することができる。例えば、下記のルートで合成される。
【0024】
【化9】
Figure 0004454177
【0025】
本発明に係る上記の化合物は、光学記録媒体の記録層として適用され、該記録層の形成にあたっては、従来周知の方法を用いることができる。一般には、メタノール、エタノール等の低級アルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルジグリコール等のエーテルアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシエチル等のエステル類、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル類、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ化アルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、メチレンジクロライド、ジクロロエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素類等の有機溶媒に溶解した溶液を基体上に塗布することによって容易に形成することができる。
【0026】
上記記録層の厚さは、通常、0.001〜10μmであり、好ましくは0.01〜5μmの範囲が適当である。上記記録層の形成方法は特に制限を受けず、例えばスピンコート法等の通常用いられる方法を用いることができる。
【0027】
本発明の光学記録材料を、光学記録媒体の記録層に含有させる際の該記録層に対する使用量は、好ましくは50〜100重量%である。
【0028】
また、上記記録層は、本発明の光学記録材料のほかに、必要に応じて、他のシアニン系化合物、アゾ系化合物、フタロシアニン系、キノリン化合物等の光学記録層に用いられる化合物、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、エポキシ、ウレタン等の樹脂類を含有してもよく、界面活性剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、ラジカル捕捉剤、ピット形成促進剤、ピット制御剤、分散剤、酸化防止剤、架橋剤、耐光性付与剤等を含有してもよい。
【0029】
さらに、上記記録層は、一重項酸素等のクエンチャーとして芳香族ニトロソ化合物、アミニウム化合物、イミニウム化合物、ビスイミニウム化合物、遷移金属キレート化合物等を含有してもよい。これらは、記録層に対して好ましくは0〜50重量%の範囲で使用される。
【0030】
このような記録層を設層する上記基体の材質は、書き込み光及び読み出し光に対して実質的に透明なものであれば特に制限はなく、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等の樹脂、ガラス等が用いられる。また、その形状は、用途に応じ、テープ、ドラム、ベルト、ディスク等の任意の形状のものが使用できる。
【0031】
また、上記記録層上に、金、銀、アルミニウム、銅等を用いて蒸着法あるいはスパッタリング法により反射膜を形成することもできるし、アクリル樹脂、紫外線硬化性樹脂等による保護層を形成することもできる。
【0032】
【実施例】
以下、製造例、実施例をもって本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例によって何ら制限を受けるものではない。
【0033】
〔製造例1
(化合物No.1のp−トルエンスルホン酸塩の合成)
窒素置換した反応フラスコに2−メチルインドール27.5g、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン16.4g、p−トルエンスルホン酸一水和物20.9g、ジエチレングリコールジメチルエーテル94.1gを仕込み、70℃で7時間撹拌した。この系にクロロホルム300ml、水200mlを加え油水分離して得たクロロホルム相を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮して固相を得た。これをジメチルホルムアミド50gとメタノール100gの混合溶媒を加え50〜60℃で撹拌した。結晶を濾取し、メタノールで洗浄後、真空乾燥を行い赤色の結晶を19.4g(収率41.2%)得た。
【0034】
(分析)
構造解析: 1H−NMR測定
(ケミカルシフトppm;多重度;プロトン数)
(2.26−2.27;s;3)、(2.75−2.76;s;6)
(7.08−7.09;d;2)、(7.38−7.42;t;2)
(7.45−7.59;d+m;6)、(7.75−7.78;t;1)
(8.08−8.11;d;2)、(8.54−8.58;d;2)
(13.43−13.44;s;2)
光学的特性:クロロホルム溶媒でのUVスペクトル測定
λmax ;526nm、ε;1.20×105
融点;215〜216℃、分解点;218〜219℃
【0035】
〔製造例2〕
(化合物No.4のp−トルエンスルホン酸塩の合成)
窒素置換した反応フラスコに1−イソアミル−2−メチルインドール4.0g、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン1.6g、p−トルエンスルホン酸一水和物2.1g、ジエチレングリコールジメチルエーテル12.2gを仕込み、70℃で7時間撹拌した。系内の固相を濾取し、これをジエチレングリコールジメチルエーテル、水、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ヘキサンの順で洗浄後、真空乾燥して青銀色の結晶を1.1g(収率18.0%)得た。
【0036】
(分析)
構造解析: 1H−NMR測定
(ケミカルシフトppm;多重度;プロトン数)
(0.98−1.01;d;12)、(1.60−1.66;q;4)
(1.70−1.80;m;2)、(2.26−2.27;s;3)
(2.83−2.84;s;6)、(4.32−4.37;t;4)
(7.07−7.10;d;2)、(7.44−7.57;d+m;6)
(7.74−7.77;d;2)、(7.84−7.92;t;1)
(8.17−8.20;d;2)、(8.62−8.66;d;2)
光学的特性:クロロホルム溶媒でのUVスペクトル測定
λmax ;560.5nm、ε;1.50×105
分解点;181〜182℃
【0037】
〔製造例3〕
(化合物No.10のp−トルエンスルホン酸塩の合成)
窒素置換した反応フラスコに5−フルオロ−2−メチルインドール4.8g、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン2.6g、p−トルエンスルホン酸一水和物3.3g、ジエチレングリコールジメチルエーテル16.2gを仕込み、70℃で7時間撹拌した。この系にクロロホルム50ml、水100mlを加え30分撹拌し、固形物を濾取した。ジメチルホルムアミド30gに濾取した固形物を加熱溶解した後、メタノールを加え析出させた結晶をメタノール洗浄、真空乾燥して紫色の結晶を4.8g(収率59.3%)得た。
【0038】
(分析)
構造解析: 1H−NMR測定
(ケミカルシフトppm;多重度;プロトン数)
(2.23−2.30;s;3)、(2.70−2.83;s;6)
(7.06−7.11;d;2)、(7.20−7.27;t;2)
(7.45−7.48;d;2)、(7.51−7.55;m;2)
(7.58−7.66;t;1)、(7.90−7.93;d;2)
(8.51−8.57;d;2)、(13.50−13.52;s;2)
光学的特性:クロロホルム溶媒でのUVスペクトル測定
λmax ;519nm、ε;1.33×105
融点;180〜181℃、分解点;183〜184℃
【0039】
〔製造例4〕
(化合物No.16のp−トルエンスルホン酸塩の合成)
窒素置換した反応フラスコに2−フェニルインドール16.2g、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン6.6g、p−トルエンスルホン酸一水和物8.4g、ジエチレングリコールジメチルエーテル47.6gを仕込み、70℃で4時間撹拌した。系内の固相を濾取し、これをジエチレングリコールジメチルエーテル、水、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ヘキサンの順で洗浄後、真空乾燥して緑色の結晶を21.5g(収率90.3%)得た。
【0040】
(分析)
構造解析: 1H−NMR測定
(ケミカルシフトppm;多重度;プロトン数)
(2.26−2.27;s;3)、(7.08−7.11;d;2)
(7.50−7.9;m;19)、(7.98−8.05;s;2)
(8.35−8.45;d;2)、(13.83−13.87;s;2)
光学的特性:クロロホルム溶媒でのUVスペクトル測定
λmax ;588nm、ε;0.9×105
融点;230〜231℃、分解点;236〜237℃
【0041】
〔製造例5〕
(化合物No.17のp−トルエンスルホン酸塩の合成)
窒素置換した反応フラスコに1−メチル−2−フェニルインドール17.4g、1,1,3,3−テトラメトキシプロパン6.6g、p−トルエンスルホン酸一水和物8.4g、エタノール49.8gを仕込み、70℃で4時間撹拌した。脱溶媒後、この系にジメチルホルムアミド60gを加え、加熱溶解した後、酢酸エチル60gを加え冷却し、析出した結晶を酢酸エチル洗浄、真空乾燥して濃緑色の結晶を11.5g(収率46.0%)得た。
【0042】
(分析)
構造解析: 1H−NMR測定
(ケミカルシフトppm;多重度;プロトン数)
(2.27−2.28;s;3)、(3.75−3.76;s;6)
(7.08−7.11;d;2)、(7.44−7.47;d;2)
(7.50−7.9;d+s+s+d;21)
光学的特性:クロロホルム溶媒でのUVスペクトル測定
λmax ;594.5nm、ε;1.31×105
融点;220〜221℃、分解点;223〜224℃
【0043】
〔製造例6〕
(化合物No.4の臭素塩の合成)
上記の製造例2と同様の操作により得られた塩のクロロホルム溶液に1.1倍モルの臭化カリウムナトリウム水溶液を加え、室温で3時間撹拌して塩交換を行った。固相を濾取し、水、メタノールで洗浄後、真空乾燥して緑色結晶を得た。
【0044】
(分析)
光学的特性:クロロホルム溶媒でのUVスペクトル測定
λmax ;560.5nm、ε;1.65×105
分解点;213〜214℃
【0045】
〔製造例7〕
(化合物No.17の臭素塩の合成)
上記の製造例5と同様の操作により得られた塩のクロロホルム溶液に1.1倍モルの臭化カリウムナトリウム水溶液を加え、室温で3時間撹拌して塩交換を行った。固相を濾取し、水、メタノールで洗浄後、真空乾燥して緑色結晶を得た。
【0046】
(分析)
光学的特性:クロロホルム溶媒でのUVスペクトル測定
λmax ;595nm、ε;1.40×105
分解点;232〜233℃
【0047】
〔製造例8〕
(化合物No.17の過塩素酸塩の合成)
上記の実施例7と同様に過塩素酸ナトリウムを用いて塩交換を行い、青緑色結晶を得た。
【0048】
(分析)
光学的特性:クロロホルム溶媒でのUVスペクトル測定
λmax ;594.0nm、ε;1.17×105
融点;249〜250℃、分解点;259〜260℃
【0049】
[実施例]
(記録媒体の製造及び評価)
チタンキレート化合物(商品名:T−50、日本曹達社製)を塗布、加水分解して下地層(0.01μm)を設けた直径12cmのポリカーボネートディスク基板上に、それぞれ以下に示したインドール化合物及び以下に示す比較例のシアニン化合物の2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール溶液(濃度2%)をスピンコーティング法にて塗布して、厚さ100nm(誤差5%以内)の記録層を形成し光学記録媒体を得た。これらの光学記録媒体についてUVスペクトル吸収の測定を行い、光学記録媒体としての下記評価(適正波長領域及び耐光性)を行った。
【0050】
【化10】
Figure 0004454177
【0051】
(評価例1)
<適正波長領域評価>
膜厚のばらつき、εによる影響を無くすために各記録媒体のλmax を強度1に補正した相対吸光度の測定による適正波長領域で評価した。光学記録媒体は、相対吸光度の値が0.10より小さいと感度が低いので、記録及び読み込みの特性が悪化し、0.50を超えると記録層の読み込みの光に対する耐光性や自然光に対する耐光性が悪くなるので記録の保存安定性が悪化する。従って、光学記録媒体は、相対吸光度の値については、好ましくは0.10〜0.50、より好ましくは0.15〜0.45の範囲にあるものが適正である。表1中の適正領域とは、相対吸光度が0.15〜0.45の範囲を与える波長領域のことである。結果をDVD−R規格適正と共に表1に記す。
【0052】
【表1】
Figure 0004454177
【0053】
上記の評価より本発明の光学記録材料は、広い波長領域、特に短波長域で光学記録媒体として使用できることが確認できた。また、DVD−Rとしては、シアニン化合物と同様に使用できることが確認できた。
【0054】
(評価例2)
<耐光性評価>
上記で得た光学記録媒体についてキセノン耐光性試験器(テーブルサン、スガ試験機(株)社製)を用いて、55000ルクスの光を40時間照射し、薄膜のλmax における塗布成膜直後の吸光度A’と照射後の吸光度Aとの比A/A’(%)を色素残存率として評価を行った。結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
Figure 0004454177
【0056】
上記の評価より、本発明の光学記録材料は、シアニン化合物と比較して光学記録媒体に対して優れた耐光性に与えることが確認できた。
【0057】
【発明の効果】
本発明は、DVD−R等の光学記録材料として合致した化合物からなる光学記録材料を提供できる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)で表されるインドール化合物を含有してなることを特徴とする光学記録材料。
    Figure 0004454177
  2. 上記一般式(I)において、R2 及びR2 ’が炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜30のアリール含有基から選ばれる基である請求項1に記載の光学記録材料。
  3. 上記一般式(I)において、環A及び環A’がベンゼン環である請求項1又は2に記載の光学記録材料。
  4. 基体上に、請求項1〜3のいずれかに記載の光学記録材料からなる薄膜を形成したことを特徴とする光学記録媒体。
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