JP4070302B2 - 摩擦伝動手段を備える回転駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機の感光ドラムなどの回転体の回転駆動に用いられ、特に、高回転精度が要求されるディジタルカラー複写機の感光体ドラムを回転駆動させる回転駆動装置に関し、特に、摩擦伝動手段を備える回転駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の回転駆動装置においては、従来のカラー複写機の各色毎の複数の感光体ドラムを電動モータで回転駆動させ、各色毎の感光体ドラム毎に複写画像に応じたカラー画像を、各色毎の印刷にずれが発生しないように精度よく順次重ね印刷を施すようになっている。その説明を簡略化するために1つの感光体ドラムを回転駆動させる場合について、以下、図33を用いて説明する。
【0003】
図33は、従来の回転駆動装置の概略構成例を示すブロック図である。図33において、この回転駆動装置100は、回転駆動源である直流電動モータ101と、この直流電動モータ101の回転力を、ギヤ機構を介して複写機の感光ドラムである回転体102の回転軸103に減速させて伝達する減速ギヤ104と、直流電動モータ101の回転軸に取り付けられたロータリエンコーダ105からの検出パルスに基づいて直流電動モータ101の回転速度が基準回転速度になるように制御を行う回転制御装置106とを有している。
【0004】
この回転制御装置106は、水晶振動子より構成され所定周波数のクロック信号を出力する発振器107と、このクロック信号の周波数を基準パルスの周波数に分周する分周器108と、この分周器108からの基準パルスとロータリエンコーダ105からの検出パルスとの位相差を検出する位相差検出器109と、発振器107からのクロック信号に基づいて、分周器108からの基準パルスとロータリエンコーダ105からの検出パルスとの周期差を検出する周期差検出器110と、これらの位相差および周期差に応じた信号に基づいて直流電動モータ101への回転トルクを可変するトルク可変手段111とを有している。このとき、基準パルスは、直流電動モータ101が所定の回転速度で回転しているときに、ロータリエンコーダ105から出力される検出パルスと同期するようになっている。
【0005】
この周期差検出器110は、ロータリエンコーダ105からのパルス列と基準パルス列との両パルス列の周期差を、発振器107からのクロック信号によって計数することにより検出し、その周期差に応じた信号をトルク可変手段111に出力するようになっている。
【0006】
また、このトルク可変手段111は、周期差検出器110および位相差検出器109からの信号に基づいて、直流電動モータ101に出力する駆動電流を増減してその回転トルクを増減するようになっている。よって、この回転制御装置106は、直流電動モータ101に対して基準パルスに同期した回転速度を与え、回転体102が所定の回転速度で回転するように作動するようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のギヤ機構による減速ギヤ104を使用する場合には、ギヤの噛み合いが断続的に起るために、駆動対象である回転体102ではギヤの噛み合いに基づく角速度変動が発生する。この回転体102がカラー複写機の感光体ドラムの場合、この角速度変動は、コピー紙面上におけるにじみおよびギヤマーク(上述した角速度変動の影響で生じる縞模様)の原因になっている。このロータリエンコーダ105からの検出パルスを回転制御装置106にフィードバックすることで直流電動モータ101の回転速度の精度を上げたとしても、減速ギヤ104による角速度変動によって回転体102の回転速度の精度はよくならない。
【0008】
したがって、駆動対象の回転体102にフライホイールを取り付け、その慣性力によって、回転体102の回転速度変動を吸収するようにし、これによって、ギヤの噛み合いによる角速度変動の影響を抑制することが実施されていた。ところが、このフライホイールは、複写機などのシステムの大きさを大型化させたり、重量を増大させたりする。また、運転開始時など、回転の加減速時にフライホイールを加減速するためのトルクが更に必要となって、以下のように対策する必要があった。例えば直流電動モータ101の容量が同じ場合に、フライホイールが有れば加減速に時間をより長く取る必要がある。また、例えば加減速時間が同じ場合には、直流電動モータ101の容量を大型化する必要がある。
【0009】
また、回転駆動源としての直流電動モータ101に代えて、駆動パルスによって一定角度づつ回転駆動するより安価なステッピングモータを使用する場合には、加減速時のトルクが、ステッピングモータが脱調を引き起こすことがないように、時間をかけて制御することが必要である。このとき、例えばシステムのスタート/ストップ時に無駄な待ち時間が発生したり、瞬時に速度を変更したりするような用途には、このステッピングモータは使用できなかった。
【0010】
さらに、角速度変動を軽減する手段として上記フライホイールの他に、潤滑油を介した転がり摩擦伝導のトラクション減速機を使用することも考えられるが、この場合には、ギヤ減速機などの伝達手段に起因した角速度変動は解消されるものの、トラクション減速機に特有のすべりの問題があり、そのすべりに対する補正が難しい。つまり、モータ側からはトラクション減速機で発生したすべり量については全く把握できないのが現状である。
【0011】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、回転速度変動を軽減し高精度の回転速度を実現でき、かつ小型、軽量化可能でより安価な回転駆動装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の回転駆動装置は、駆動パルス数に比例した量の回転駆動を行う回転駆動源と、この回転駆動源の回転を回転体に伝達する摩擦伝動手段と、周期的な基準パルス列を出力する基準パルス出力手段と、回転体の回転に応じた検出パルスを出力する回転検出手段と、この回転検出手段から出力される検出パルスと基準パルスとの位相差を検出する位相差検出手段と、定周期の基準駆動パルスに相当する基準駆動信号に応じた駆動パルスを前記回転駆動源へ出力する駆動パルス出力手段とを備えており、さらに、前記基準パルス出力手段が、所定周波数のクロック信号を出力する発振器と、この発振器からクロック信号を基準パルスに分周する分周器と有しており、前記駆動パルス出力手段は、前記発振器から出力されるクロック信号に基づいて駆動パルスを出力し、かつ、前記位相差検出手段から出力される位相差に応じた信号に基づいて、この位相差が零になるように前記駆動パルスを増減することを特徴とするものである。
【0013】
これにより、装置を大型で重量化する要因の回転速度変動吸収用のフライホイールを用いる代りに摩擦伝動手段を用いることで、ギア機構による回転速度変動が抑制可能であり、装置の小型化、軽量化が図られる。また、回転体の回転に応じた検出パルスと基準パルスとの位相差が零になるように回転駆動源の制御が為されるので、回転駆動源として駆動パルス数に比例した量の回転駆動が為される安価なステッピングモータを脱調なく用いることが可能となって、より安価な回転駆動装置となる。さらに、回転駆動源から摩擦伝動手段を介して回転体に回転力を伝えるときにすべりが生じたとしても、回転体の回転に応じた検出パルスと基準パルスとの位相差が零になるように回転駆動源への駆動パルスの周期を増減するようにしたので、回転体は摩擦伝動手段のすべり分が補正されて高精度の回転となり、回転速度変動が抑制可能となる。
【0014】
また、本発明の回転駆動装置において、回転検出手段から出力される検出パルスと基準パルスとの周期差を検出する周期差検出手段を有し、駆動パルス出力手段は、周期差検出手段で検出した周期差が零になるように回転駆動源への駆動パルスを増減するようにしたことを特徴とするものである。
【0015】
この構成により、回転駆動源から摩擦伝動手段を介して回転体に回転力を伝えるときにすべりが生じたとしても、回転体の回転に応じた検出パルスと基準パルスとの位相差に加えて、基準周期との周期差も零になるように回転駆動源への駆動パルスの周期を増減するようにすれば、回転体は摩擦伝動手段のすべり分がより正確に補正されてより高精度の回転となり、回転速度変動が抑制可能となる。
【0016】
さらに、本発明の回転駆動装置における回転検出手段は、回転体と共回りする円形のパルス板の対向する位置に設けられた2つのセンサから検出パルスが出力され、周期差検出手段および位相差検出手段の少なくともいずれかが、2つのセンサからの各検出パルスを用いてそれぞれ平均化された周期差および/または位相差に応じた信号を出力する構成としたことを特徴とするものである。より具体的には、本発明の回転駆動装置における周期差検出手段は、2つのセンサの一方から出力される検出パルスの基準パルスの周期に対する周期差を検出し、位相差検出手段は、2つのセンサから出力される各検出パルスを用いて平均化された位相差に応じた信号を出力する構成としたことを特徴とするものである。
【0017】
この構成により、2つのセンサから出力される各検出パルスを用いて平均化された位相差または/および周期差が零になるように回転駆動源への駆動パルスの周期を増減するので、回転体の軸心の偏心による検出パルスの誤差が相殺されて、摩擦伝動手段のすべり分がより正確に補正され更に高精度な回転体の回転制御が可能となり、回転速度変動が抑制可能となる。
【0018】
さらに、本発明の回転駆動装置における駆動パルス出力手段は、定周期の基準駆動パルスに相当する基準駆動信号を発生する基準駆動信号生成手段と、周期差検出手段および/または前記位相差検出手段で検出した周期差および/または位相差に応じた補正信号を出力する補正信号生成手段と、基準駆動信号に補正信号を合成する合成手段と、この合成手段からの出力に応じて駆動パルスを生成する駆動パルス生成手段とを有することを特徴とするものである。また、より具体的には、本発明の回転駆動装置において、アナログ構成の場合、合成手段で例えば基準駆動信号に補正信号を加算したり、合成手段で例えば基準駆動信号に補正係数を乗算したりし、その出力レベルをレベルに応じた周波数信号に変換するパルス変換手段を有し、基準駆動信号生成手段は基準駆動信号としてレベル信号を出力するように構成され、補正信号生成手段は、位相差および/または周期差に応じたレベルの補正信号を出力する。また、デジタル構成の場合、基準駆動信号生成手段は基準駆動パルスを生成するものであり、補正信号生成手段は、位相差および/または周期差に応じた周波数の補正パルスを生成する。
【0019】
この構成により、周期差および/または位相差に応じた補正信号を基準駆動信号に合成して駆動パルスを得るだけのより簡単な構成で、高精度な回転体の回転制御が可能となる。また、アナログ構成の場合、デジタル構成のように整数比で処理されることに起因した桁落ちはなく、補正ゲインなど微調整が可能である。また、デジタル構成の場合、その回路構成を1チップ化することができて省スペースで低コストである。
【0020】
さらに、本発明の回転駆動装置において、位相差検出手段および/または周期差検出手段の少なくとも一方は、検出パルスと基準パルスとから周期差および/または位相差に応じた信号を出力するPLL回路で構成され、補正信号生成手段は、PLL回路の出力信号を積算して補正信号を生成することを特徴とするものである。
【0021】
この構成により、より簡単なPLL回路構成でより正確な補正信号が得られる。
【0022】
さらに、本発明の回転駆動装置において、少なくとも補正信号生成手段の後段に補正信号を所定レベル以下に制限するリミッタ手段を有する。
【0023】
この構成により、リミッタ手段で補正信号を所定値以下に制限するようにすれば、回転駆動源による回転体の回転起動または停止時や、回転速度の増減時に回転駆動源が脱調して制御不能になることが防止され得る。これによって、回転駆動源として安価なステッピングモータを用いることが可能となる。
【0024】
さらに、好ましくは、本発明の回転駆動装置における基準駆動信号生成手段は、駆動開始、停止および変速時に過渡的な駆動を行わせる立ち上げ/立ち下げ手段を有している。
【0025】
この構成により、回転駆動源による回転体の回転起動または停止時や、回転速度の増減時に、回転駆動源が脱調しないように立上り信号を形成するので、回転駆動源が脱調して制御不能になることが防止され得る。これによって、回転駆動源として安価なステッピングモータを用いることが可能となる。
【0026】
さらに、好ましくは、本発明の回転駆動装置における回転駆動源は、ステッピングモータである。
【0027】
この構成により、回転駆動源をステッピングモータとすれば、より容易に周波数による制御が為されると共に、より安価に構成可能となる。
【0028】
さらに、好ましくは、本発明の回転駆動装置における摩擦伝動手段は、トラクション減速機である。
【0029】
この構成により、摩擦伝動手段をトラックション減速機とすれば、より簡単な構成で回転駆動源から回転体に減速した回転力がより正確かつ容易に伝達可能である。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る回転駆動装置の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は以下に示す各実施形態に限定されるものではない。
【0031】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る回転駆動装置の構成を示すブロック図である。図1において、この回転駆動装置1は、所定周波数のクロック信号aを出力する水晶振動子を備えた発振器2と、この発振器2からクロック信号aを基準パルスbに分周する分周器3と、このクロック信号aに基づいて定周期の基準駆動パルスに相当する基準駆動信号に応じた駆動パルスdを出力する駆動パルス出力手段4と、この駆動パルスdに基づいて回転駆動を行う回転駆動源5と、この回転駆動源5の回転を、例えばカラー複写機の感光ドラムなどの回転体6に伝達する摩擦伝動手段7とを有している。また、回転駆動装置1は、回転体6の回転に応じた検出パルスeを出力する回転検出手段8と、この回転検出手段8から出力される検出パルスeと基準パルスbの位相差を検出し、この位相差に応じた信号fを出力する位相差検出手段9と、この位相差に応じた信号fに基づいてその位相差が零になるように回転駆動源5への駆動パルスdを増減する駆動パルス出力手段4とを有している。
【0032】
これらの発振器2および分周器3により基準パルス出力手段10が構成されており、周期的な基準パルス列を出力するようになっている。この基準パルス列は、後述するステピングモータ11が所定の回転速度で回転しているときに、回転検出手段8からの検出パルスeと同期させるべく、例えば1/4096の分周比率でクロック信号aを分周器3で分周するように構成している。
【0033】
また、回転駆動源5はステピングモータユニットであり、駆動パルス出力手段4からの駆動パルスdに基づいてステピングモータ駆動用のドライバ装置12と、このドライバ装置12からの回転制御パルスのパルス数に比例した量の回転駆動を行うステピングモータ11とで構成されている。
【0034】
さらに、摩擦伝動手段7は、図2〜図4に示すように、トラクション減速機7aで構成されており、ステピングモータ11のモータ軸11aによる回転力をトラクション減速機7aを介してその出力軸7bと同心に取り付けられた回転体6の回転軸6aに所定の割合で減速させて伝達するようになっている。このトラクション減速機7aには、ステピングモータ11のモータ軸11aを太陽ローラとしてこれを3方から挾み込んで回転する3つの遊星ローラ7cを有している。また、3つの遊星ローラ7cはそれらの外周側が固定弾性リング部材7dの内周面で規制されている。さらに、固定弾性リング部材7dの回転中心位置には出力軸7bが回転可能に支承されており、モータ軸11aの軸心と出力軸7bの軸心とは一致するようになっている。よって、トラクション減速機7aは、太陽ローラであるモータ軸11aが回転すると、モータ軸11aと固定弾性リング部材7dに挾まれた3つの遊星ローラ7cを摩擦伝動で回転させて出力軸7bから回転体6の回転軸6aを減速回転させるようになっている。
【0035】
さらに、回転検出手段8は、図5に示すように、回転体6の回転軸6aと回転中心が同心に共回りする円形のパルス板(センサホイールSW)8aと、このパルス板8aの外周縁を挾むように取り付けられたセンサ8bとを有するロータリエンコーダで構成されている。このパルス板8aにはその周方向に沿って多数のスリット8cが、所定のピッチpを保って形成されている。また、センサ8bは投光器と受光器などで構成される光検出器であり、回転体6の回転軸6aと共にパルス板8aが回転時に、これらのスリット8cの列を挟む位置に設けられた光源からの、スリット8cの列で断続された光を受光した時に検出パルスeを出力するようになっている。
【0036】
さらに、位相差検出手段9は検出パルスeと基準パルスbとの位相差を検出し、その位相差に応じた信号を駆動パルス出力手段4に与えるようになっている。このような位相差検出手段9の動作を図6のタイミングチャートに示している。図6に示すように、位相差検出手段9は、分周器3から与えられた基準パルスbの立ち上がり時点と、センサ8bが出力した検出パルスeの立ち上がり時点とを比較することで位相差を検出し、基準パルスbよりも検出パルスeが、立ち上がり時点で位相に進みがあるときは、駆動パルス出力手段4にステピングモータ11の回転速度を減速させるための、その位相進み(位相差)に応じた信号(減速指令)を与えるようになっている。また、基準パルスbよりも検出パルスeが、立ち上がり時点で位相に遅れがあるときは、駆動パルス出力手段4にステピングモータ11の回転速度を増速させるための、その位相遅れ(位相差)に応じた信号(増速指令)を与えるようになっている。
【0037】
このように、位相差検出手段9は、検出パルスeと基準パルスbとから位相差に応じた信号を出力するPLL回路で構成されている。
【0038】
さらに、駆動パルス出力手段4は、図7に示すように、クロック信号aをレベル信号に変換するレベル信号変換(F/V)手段4aと、このレベル信号変換(F/V)手段4aからのレベル信号の電圧レベルを滑らかに上げるモータ脱調防止用の立ち上がり駆動波形(例えばランプ状に電圧レベルが立ち上がり、時間に対して波形が台形状をしている)を出力するアナログフィルタ回路である台形波回路4bとを有している。これらのレベル信号変換(F/V)手段4aおよび台形波回路4bにより基準駆動信号生成手段が構成されており、定周期の基準駆動パルスに相当する基準駆動信号c1を発生するようになっている。また、この台形波回路4bは、駆動開始時、停止時および速度変更時に過渡的な起動を行わせる立ち上げ手段を構成している。
【0039】
また、駆動パルス出力手段4は、図7に示すように、位相差検出手段9からの入力信号(位相差に応じた信号)に応じたレベル信号を出力するチャージポンプ回路4cと、このレベル信号を入力して補正信号c2を出力するローパスフィルタ(LPF)4dと、この補正信号c2をステピングモータ12が脱調しない程度の所定値以下に制限するリミッタ手段4eと、このリミッタ手段4eからの補正信号c2に基準駆動信号c1を合成する合成手段としての加算器4fと、この加算器4fからのレベル信号をそれに応じた周波数信号に変換して駆動パルスdとして出力する駆動パルス生成手段(本実施形態1ではパルス変換手段V/F)4gとを有している。これらのチャージポンプ回路4cおよびローパスフィルタ(LPF)4dにより補正信号生成手段が構成されており、上記PLL回路の出力信号、つまり、位相差検出手段9の出力信号を積算して補正信号c2を出力するようになっている。なお、この加算器4fは、基準駆動信号c1に補正信号c2を付加するように構成したが、加算器4fに代えて例えば基準駆動信号c1に補正係数である補正信号c2を乗算する乗算手段としてもよい。これらの乗算手段や加算器4fを合成手段とする。
【0040】
このチャージポンプ回路4cは、図8に示すように、非反転入力端子に2.5Vの電圧が印加されたオペアンプAP、このオペアンプAPに負帰還をかけるコンデンサCおよび反転入力端子に接続された抵抗Rにより構成される積分回路と、その入力電圧を入力信号(増速指令または減速指令)に応じて5Vまたは0V(接地電圧)に切り換えるスイッチ回路とで構成されている。なお、図8に示すようなチャージポンプ回路4cは、入力信号(増速指令または減速指令)によってスイッチ回路を導通させる時間を変えることにより、それぞれからの入力信号に応じた出力をできるようにしてもよい。さらに、チャージポンプ回路4cにローパスフィルタ4dを兼ねさせて、次段のローパスフィルタ4dを省略するようにしてもよい。
【0041】
以上のように、装置を大型で重量化する要因の回転速度変動吸収用のフライホイールを用いる代りに摩擦伝動手段7を用いることで、ギア機構による回転速度変動が抑制可能であり、装置の小型化、軽量化を図ることができる。この摩擦伝動手段7がトラックション減速機7aであるため、より簡単な構成で回転駆動源5から回転体6に減速した回転力をより正確かつ容易に伝達させることができる。また、回転駆動源5として駆動パルス数に比例した量の回転駆動が為される比較的安価なステッピングモータ11を用いているため、より安価な回転駆動装置1とすることができる。さらに、回転駆動源5から摩擦伝動手段7を介して回転体6に回転力を伝えるときにすべりが生じたとしても、回転体6の回転に応じた検出パルスeと基準パルスbとの位相差が零になるように回転駆動源5への駆動パルスdを増減するようにしたため、回転体6は摩擦伝動手段7のすべり分を補正して高精度の回転とすることができる。
【0042】
また、回転駆動源5による回転体6の回転起動または停止時や、回転速度の増減時に、回転駆動源5が脱調しないように、アナログフィルタによる台形波回路4bによって立上り信号を形成したり、また、リミッタ手段4eで補正信号c2を所定値以下に制限するようにした上で駆動パルスdを出力しているため、回転駆動源5として周波数制御が容易で安価なステッピングモータ11を用いても、回転体6の回転起動または停止時や、回転速度の増減時にステッピングモータ11が脱調して制御不能になることがない。さらに、摩擦伝動手段7をトラックション減速機7aとすれば、より簡単な構成で回転駆動源5から回転体6に減速した回転力がより正確かつ容易に伝達することができる。
【0043】
(実施形態2)
上記実施形態1では、位相差検出手段9で回転検出手段8から出力される検出パルスeと基準パルスbの位相差を検出し、この位相差が零になるように回転駆動源5への駆動パルスdを増減するように構成したが、本実施形態2では、この位相差検出手段9に加えて図9に示すように回転駆動装置20に周期差検出手段21を設けている。この周期差検出手段21で回転検出手段8から出力される検出パルスeと基準パルスbとの周期差を検出し、さらに周期差検出手段21で検出した周期差および、位相差検出手段9で検出した位相差が共に零になるように、駆動パルス出力手段22から回転駆動源5への駆動パルスdを増減するように構成した場合である。図9では、図1と同様の作用効果を奏する部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0044】
この周期差検出手段21は、センサ8bからの検出パルス列と基準パルス列との両パルス列の周期差をクロック信号aで計数することにより検出し、その周期差に応じた入力信号(増速指令または減速指令)を駆動パルス出力手段22のチャージポンプ回路22cに与えるようになっている。この駆動パルス出力手段22の基本構成は図7の駆動パルス出力手段4の基本構成と略同様であるが、駆動パルス出力手段22のチャージポンプ回路22cには位相差に応じた入力信号だけではなく周期差に応じた入力信号も入力され、これらの入力信号に応じたレベル信号を出力するようになっている点が異なっている。
【0045】
図10は、図9の周期差検出手段21の構成例を示すブロック図である。図10において、この回転駆動周期差検出手段21は、発振器2からのクロック信号aがカウンタ23、ダウンカウンタ24およびフリップフロツプ回路25に与えられている。このカウンタ23のリセット端子RESには、立ち上がり回路26により検出された、センサ8bからの検出パルスeの立ち上がり信号が、遅延回路27を介して与えられている。また、このカウンタ23のクロック計数値は、レジスタ28に与えられ、このレジスタ28のラッチ信号として、立ち上がり回路26から立ち上がり信号が与えられている。さらに、このレジスタ27がラッチした計数値は演算器29に与えられる。この演算器29は、基準パルス1周期分のクロック数4096(=分周器3の分周比)から、レジスタ28がラッチした計数値を差し引く演算を行う。
【0046】
一方、分周器3からの基準パルスbが、2分周器30により2分周され、立ち上がり回路31と立ち下がり回路32とに与えられている。この立ち上がり回路31が出力する立ち上がり信号は、ダウンカウンタ24のプリセット端子PREとフリップフロツプ回路25のセット端子Sと、ラッチ信号としてラッチ回路33に与えられている。
【0047】
また、演算器29の演算結果は、ダウンカウンタ24に与えられ、ダウンカウンタ24が0を計数した時の0信号が、フリップフロツプ回路25のリセット端子Rに与えられている。このフリップフロツプ回路25のQ端子からの出力信号は、ダウンカウンタ24のカウントイネーブル端子CEと、ANDゲート34,35それぞれの一方の入力端子に与えられている。この演算器29の演算結果の正/負を示す信号がラッチ回路33に与えられており、ラッチ回路33の出力は、ANDゲート35の他方の入力端子と、インバータ36を介してANDゲート34の他方の入力端子に与えられている。このANDゲート34からは、駆動パルス出力手段22のチャージポンプ回路22cにモータ回転速度を増速させるための信号(増速指令)が出力され、また、ANDゲート35からも、駆動パルス出力手段22のチャージポンプ回路22cにモータ回転速度を減速させるための信号(減速指令)が出力されるようになっている。
【0048】
上記構成により、以下にその動作を、図11のタイミングチャートを参照して説明する。まず、カウンタ23は、検出パルスeの立ち上がりによりリセットされクロック信号aの計数を開始する。この計数値は、次の検出パルスeの立ち上がりエッジによりレジスタ28にラッチされて演算器29に与えられる。この演算器29では、基準パルス1周期分のクロック数4096から、レジスタ28がラッチした計数値を差し引き、その演算結果の正/負を示す信号をラッチ回路33に与え、演算結果の絶対値をダウンカウンタ24に与える。
【0049】
一方、基準パルスbが2分周器30により2分周された2分周パルスgの立ち上がりエッジにより、ダウンカウンタ24がプリセットされ、フリップフロツプ回路25がセットされてラッチ回路33がラッチされる。
【0050】
このラッチ回路33がラッチされると、その時点で入力されていた正/負を示す信号を出力し続ける。つまり、ラッチ回路33は、検出パルスeの1周期が基準パルスbの1周期より短いときは正を示す信号を出力し続け、また、検出パルスeの1周期が基準パルスbの1周期より長いときには、負を示す信号を出力し続ける。
【0051】
また、フリップフロツプ回路25がセットされると、ダウンカウンタ24にカウントイネーブル信号を出力し続ける。
【0052】
さらに、ダウンカウンタ24は、上述した演算結果の絶対値をプリセットし、カウントイネーブル信号が与えられている間、プリセットした値からカウントダウンする。そのカウントダウン値が0に達すると、フリップフロップ回路25がリセットされ、カウントイネーブル信号が出力されなくなる。つまり、ダウンカウンタ24がカウントダウンしている間、カウントイネーブル信号は出力されることになる。
【0053】
このラッチ回路33が出力し続ける正/負を示す信号は、ANDゲート34,35に対して互いに反転して与えられ、何れかオンである方が、上述したカウントイネーブル信号を出力する。
【0054】
これにより、ANDゲート34は、正/負を示す信号が負のときに、チャージポンプ回路22cにモータ回転速度を増速させるための信号(増速指令)を出力する。また、ANDゲート35は、正/負を示す信号が正のときに、チャージポンプ回路22cにモータ回転速度を減速させるための信号(減速指令)を出力する。
【0055】
さらに、この周期差検出手段21は、上述した動作と同様の動作が、基準パルスbが2分周されたパルスの1周期毎に行われる。
【0056】
以上のように、クロック信号aを所定周期の基準パルスbに変換し、かつ回転体6の回転に応じた検出パルスeを得、これらの基準パルスbと検出パルスeとの位相差を位相差検出手段9で検出すると共に、検出パルスeと基準パルスb(または基準周期)との周期差を周期差検出手段21で検出し、これらの位相差および周期差が共に零になるように回転駆動源5への駆動パルスdを増減する。これによって、回転駆動源5から摩擦伝動手段7を介して回転体6に回転力を伝えるときにすべりが生じたとしても、回転体6の回転に応じた検出パルスeと基準パルスbとの位相差および、基準周期との周期差が零になるように回転駆動源5への駆動パルスdを増減するようにしたため、回転体6は摩擦伝動手段7のすべり分が補正されて、より高精度の回転とすることができる。
【0057】
なお、本実施形態2では、位相差検出手段9および周期差検出手段21を設け、回転検出手段8の1つのセンサ8bから出力される検出パルスeを用いて基準パルスbとの位相差および周期差を検出し、その位相差および周期差が零になるように回転駆動源5への駆動パルスdを増減する構成としたが、これに限らず、周期差検出手段21だけを設け、回転検出手段8の1つのセンサ8bから出力される検出パルスeを用いて基準パルスbとの周期差だけを検出し、その周期差が零になるように回転駆動源5への駆動パルスdを増減する構成としてもよい。
【0058】
また、上記実施形態1,2においては、検出パルスeと基準パルスbとの位相差および/または基準周期との周期差が零になるように回転駆動源5への駆動パルスdを増減するようにしたが、検出パルスeと基準パルスbとの位相差および/または基準周期との周期差が零になるように回転駆動源5への駆動パルスdの周期を増減するようにしてもよい。ここで、駆動パルスdを増減するとは、単位時間当たりのパルス数の増減であって、単位時間において、所定周期の駆動パルスをそれよりも長いかまたは短い周期の駆動パルスとする場合や、所定周期の駆動パルスの間に新たに駆動パルスを挿入する場合などを含んでいる。
【0059】
(実施形態3)
上記実施形態1,2では、回転検出手段8の1つのセンサ8bから出力される検出パルスeを用いて基準パルスbとの位相差または、その位相差および周期差を検出し、その位相差または、その位相差および周期差が零になるように回転駆動源5への駆動パルスdを増減する構成としたが、本実施形態3では、2つのセンサから出力される各検出パルスe1,e2を用いて各検出パルスe1,e2の位相の平均位置(平均立ち上がりエッジまたは平均立ち下がりエッジ)と基準パルスbとの位相差が零になるように回転駆動源5への駆動パルスdの周期を増減する場合である。
【0060】
図12は、本発明の実施形態3に係る回転駆動装置の構成を示すブロック図であり、図1および図9と同一の作用効果を奏する部材には同一の符号を付してその説明を省略する。図12において、この回転駆動装置40は、回転体6と共回りする円形のパルス板8aの対向する位置に2つのセンサ8b1,8b2が設けられ、2つのセンサ8b1,8b2から回転体6の回転に応じた検出パルスe1,e2を出力するロータリエンコーダなどの回転検出手段41と、センサ8b1から出力される検出パルスe1の、基準周期に対する周期差を検出する周期差検出手段22と、2つのセンサ8b1,8b2から出力される各検出パルスe1,e2の位相の平均位置(平均立ち上がりエッジまたは平均立ち下がりエッジ)と基準パルスbの位相との位相差を検出する位相差検出手段42と、この周期差検出手段22で検出した周期差および、位相差検出手段42で検出した位相差が共に零になるように回転駆動源5への駆動パルスdの周期を増減する駆動パルス出力手段22とを有している。
【0061】
この回転検出手段41に2つのセンサ8b1,8b2を設けたのは、回転体6の回転軸6aの軸心に偏心があった場合には、その軸心の偏心による検出パルスeに誤差が生じるが、その検出パルスeの誤差を補正するためである。このことについて以下に詳細に説明する。
【0062】
図13に示すように、回転体6の回転軸6aの中心よりもパルス板8aの中心が例えば上側に扁心している場合、このパルス板8aの上側の角度0〜180度の間は、センサ8b1は真の角速度を示すパルス数より多いパルス数を検出し、検出角速度が真の角速度より大きくなる。次の下側の角度180〜360度の間は、センサ8b1は真の角速度を示すパルス数より少ないパルス数を検出し、検出角速度が真の角速度より小さくなることが分かる。その積算値は、図14に示すように、縦軸に積算パルス数(積算値)、横軸に回転体6の回転軸6aの回転角度を取ると、センサ8b1からの検出パルスe1において回転角度が上記0〜180度の間は真の積算値を上回り、回転角度が上記180〜360度の間は真の積算値を下回り、また、センサ8b2からの検出パルスe2においてはセンサ8b1の場合とは逆になる。
【0063】
このように、センサ8blの検出パルスe1の積算値が真の積算値を上(下)回る値と、センサ8b2の検出パルスe2の積算値が真の積算値を下(上)回る値とは、それらの位置に対称性があって略等しい。したがって、真の積算値は、センサ8blの積算値とセンサ8b2の積算値との略中間値(平均値)である。よって、センサ8blの検出パルスe1の計数値とセンサ8b2の検出パルスe2の計数値を平均することにより、回転体6の回転軸6aとパルス板8aとの軸心の偏心の影響(検出パルスeの単位時間当たりのパルス数が異なること)を打ち消して、略真の回転体6の回転速度を各検出パルスe1,e2から得ることができる。これら2つのセンサ8bl,8b2が出力した検出パルスe1,e2は、位相差検出手段42に与えられる。
【0064】
図15は、図12の位相差検出手段42の構成例を示したブロック図である。図15において、位相差検出手段42の信号入出力の関係は、発振器2からのクロック信号aがカウンタ(計時手段)43に与えられ、分周回路3からの基準パルスbがステートマシン44に与えられるようになっている。また、このステートマシン44には、センサ8bl,8b2からの各検出パルスe1,e2が与えられ、ステートマシン44からカウンタ43には、カウントイネーブル信号(CE)、リセット信号(res)およびカウントアップ/カウントダウンの指示信号(U/D)が与えられるようになっている。さらに、カウンタ43からステートマシン44には、カウントダウン時の0通知信号が与えられるようになっている。さらに、このステートマシン44からは、駆動パルス出力手段22に対して、各検出パルスe1,e2の平均位相と基準パルスbの位相との位相差に応じて、モータ回転速度を増速させるための信号(増速指令)と、モータ回転速度を減速させるための信号(減速指令)とが出力されるようになっている。
【0065】
このような位相差検出手段42の動作を、以下に、図16〜図19のタイミングチャートに基づいて詳細に説明する。
【0066】
図16は、一方の検出パルスe1が最初に入力し、次に他方の検出パルスe2が入力した状態を図15のステートマシン44が検出したときの動作を示すタイミングチャートである。
【0067】
図16に示すように、センサ8b1,8b2からの各検出パルスe1,e2の何れか一方(本実施形態3ではセンサ8b1からの検出パルスe1)が最初に入力し、さらに、センサ8b2からの検出パルスe2が入力し、その後、基準パルスbが入力した場合、両検出パルスe1,e2の立ち上がりエッジの中間時点がシミュレートされる真の立ち上がりエッジであるから、図16の減速指令Lに示すように、ステートマシン44は、その中間時点からモータ回転速度を減速すべき信号を出力すべきである。ところが、センサ8b1からの検出パルスe1が入力した時点では、次にセンサ8b2からの検出パルスe2および基準パルスbの何れが先に入力するかは不明であるので図16の減速指令Lは出力できない。
【0068】
したがって、ステートマシン44は、センサ8b1,8b2からの各検出パルスe1,e2の何れか一方(本実施形態3ではセンサ8b1からの検出パルスe1)が最初に入力したとき、カウンタ43にカウントアップ信号とカウントイネーブル信号とを与え、カウンタ43は、図16のC1に示すようにカウントアップを開始する。
【0069】
さらに、センサ8b2からの検出パルスe2が入力したとき、ステートマシン44は、カウンタ43にカウントアップ信号とカウントイネーブル信号とを与えることを停止する。このとき、ステートマシン44は駆動パルス出力手段22に対して、モータ回転速度を減速させるためのフルレベル(2倍)のレベル信号を出力する。
【0070】
さらに、基準パルスbが入力したとき、ステートマシン44は、モータ回転速度を低減すべきフルレベルのレベル信号の出力を停止する。このとき、ステートマシン44は、カウンタ43にカウントダウン信号とカウントイネーブル信号とを与え、カウンタ43は、図16のC2に示すようにカウントダウンを開始し、そのカウントダウンを0に達するまで行う。このとき、ステートマシン44は駆動パルス出力手段22に対して、減速指令Lと等価の指令L2のような、モータ回転速度を減速させるための半分のレベル信号E2の出力を開始する。
【0071】
というのは、検出パルスe1の立ち上がりエッジから検出パルスe2の立ち上がりエッジまでの斜線で示す半分のレベル信号E1は、両検出パルスe1,e2の立ち上がりエッジの中間時点が立ち上がりエッジとなって検出パルスe2の立ち上がりエッジまでのフルレベルの真のレベル信号と等価となっている。このとき、図16に斜線で示す半分のレベル信号E1は、フルレベルの真のレベル信号に比べて2倍の出力時間を有していることになるが、半分のレベル信号E2は半分のレベル信号E1と等価の補正をカウンタを用いて時間をずらして出力することになっている。つまり、図16の等価の指令L2を出力する場合には、基準パルスbが入力したときに、ステートマシン44はカウンタ43にカウントダウン信号とカウントイネーブル信号とを与え、カウンタ43は、図16のC2に示すようにカウントダウンを開始する。このとき、ステートマシン44は、検出パルスe2の立ち上がりエッジで出力を開始したモータ回転速度を低減すべきフルレベルのレベル信号の出力を、モータ回転速度を減速させるための半分のレベルのレベル信号E2の出力に変更し、そのカウントダウンが0に達するまで、駆動パルス出力手段22に対して、その半分のレベル信号E2の出力を行う。
【0072】
なお、本実施形態3では、図16の減速指令Lの代りにそれと上記等価の指令L2を出力するようにしたが、モータ回転速度を低減すべき信号(減速指令L)として、図16に示すような減速指令Lと等価の指令L3であってもよい。
【0073】
また、図16の等価の指令L3を出力する場合、ステートマシン44は、検出パルスe2の立ち上がりエッジで出力を開始したモータ回転速度を低減すべきフルレベルのレベル信号の出力を、基準パルスbの入力時点で停止または変更せずに、カウンタ43が、図16のC1に示すようにカウントアップした時間の半分の時間だけそのまま継続した後にその出力を停止させる。
【0074】
図17は、基準パルスbが最初に入力した状態を図15のステートマシン44が検出したときの動作を示すタイミングチャートである。
【0075】
図17に示すように、ステートマシン44は、両検出パルスe1,e2よりも先に基準パルスbが入力した場合には、モータ回転速度を増加すべき信号(増速指令H)を、駆動パルス出力手段22に対して出力する。
【0076】
このとき、両検出パルスe1,e2のエッジの中間時点がシミュレートされる真のエッジであるため、基準パルスbの立ち上がりエッジからその中間時点まで、モータ回転速度を増加すべき信号(増速指令H)を出力すべきであるが、センサ8b2からの検出パルスe2が入力するまで、その中間時点は確定できないため、増速指令Hを出力することはできない。
【0077】
そこで、モータ回転速度を増加すべき信号(増速指令H)と等価(モータ回転速度に及ぼす影響は略同じである)の、増速指令Hに比べて半分のレベルで、検出パルスe1の立ち上がりエッジから両検出パルスe1,e2の立ち上がりエッジの中間時点までの時間に比べて2倍の時間出力するレベル信号E3を出力することになる。基準パルスbの立ち上がりエッジからセンサ8b2からの検出パルスe2の立ち上がりエッジが入力されるまで、増速指令Hと等価の指令H1を出力させる。このように、図16に斜線で示す半分のレベル信号E3は、フルレベルの真のレベル信号に比べて2倍の出力時間を有している。
【0078】
したがって、ステートマシン44は、基準パルスbが入力したとき、モータ回転速度を増加すべき信号の増速指令Hと等価の指令H1のフルのレベル信号を出力し、一方の検出パルスe1が入力したときに、その等価の指令H1のフルのレベルのレベル信号から半分のレベル信号E3に変更し、さらに、他方の検出パルスe2が入力したときに、その半分のレベル信号E3の出力を停止する。
【0079】
図18および図19は、検出パルスe1,e2の一方が最初に入力し、次に基準パルスbが入力した状態をステートマシン44が検出したときの動作を示すタイミングチャートである。
【0080】
まず、ステートマシン44は、検出パルスe1,e2の一方(本実施形態3ではセンサ8b1からの検出パルスe1)の立ち上がりエッジが最初に入力したとき、カウンタ43にカウントアップ信号とカウントイネーブル信号とを与え、カウンタ43はカウントアップを開始する。
【0081】
次に、基準パルスbの立ち上がりエッジが入力したとき、ステートマシン44は、カウンタ43にカウントダウン信号とカウントイネーブル信号とを与え、カウンタ43はカウントダウンを開始する。
【0082】
さらに、ステートマシン44は、次にセンサ8b2からの検出パルスe2の立ち上がりエッジが入力したとき、カウンタ43がカウントダウンを終了していない場合(図18)は、モータ回転速度を低減すべき半分のレベル信号の出力を開始する。ステートマシン44は、カウンタ43がカウントダウンして0に達するまで、モータ回転速度を低減すべき半分のレベル信号を出力する。
【0083】
この場合、出力したい減速指令として、シミュレートされる真のエッジである、両検出パルスe1,e2の立ち上がりエッジの中間時点から基準パルスbの立ち上がりエッジが入力するまで、モータ回転速度を低減すべき信号(出したい指令L11)を出力すべきであるが、その中間時点では、基準パルスbおよびセンサ8b2からの検出パルスe2の何れが先に入力するかは不明であるので、その減速指令は出力できない。
【0084】
ここで、モータ回転速度を低減すべき信号(減速指令L11)は、低減すべき半分のレベル信号を、低減すべき信号の2倍の時間出力する信号L13と、また、低減すべき信号の出力時点を遅延させた信号L12と、それぞれモータ回転速度に及ぼす影響は略同じであるから、出力時点を遅延させ、低減すべき信号の2倍の時間出力する低減すべき半分のレベル信号L13を出力させる。
【0085】
次に、図19に示すように、出力したい増速指令H11として、基準パルスbの立ち上がりエッジが入力してから、シミュレートされる真のエッジである、両検出パルスe1,e2の立ち上がりエッジの中間時点まで、モータ回転速度を増加すべきレベル信号H11を出力すべきであるが、センサ8b2からの検出パルスe2の立ち上がりエッジが入力するまで、その中間時点は確定できない。
【0086】
そこで、モータ回転速度を増加すべき信号H11は、増加すべき半分のレベル信号を、増加すべきレベル信号の2倍の時間出力し、かつ、増加すべきレベル信号の出力時点を遅延させた信号H12と、それぞれモータ回転速度に及ぼす影響は略同じである。このため、基準パルスbが入力してから両検出パルスe1,e2の立ち上がりエッジの中間時点までの2倍の時間、つまり、カウンタ43がカウントダウンを終了してから、センサ8b2からの検出パルスe2の立ち上がりエッジが入力するまで、モータ回転速度を増加すべき半分のレベル信号H12を出力する。
【0087】
つまり、ステートマシン44は、他方の検出パルスe2の立ち上がりエッジが入力されていないときに、カウンタ43がカウントダウンを終了したとき、モータ回転速度を増加すべき半分のレベル信号H12の出力を開始する。ステートマシン44は、センサ8b2からの検出パルスe2の立ち上がりエッジが入力するまで、モータ回転速度を増加すべき半分のレベル信号H12を出力する。
【0088】
図20は、上述したような位相差検出手段42のステートマシン44の状態遷移図である。図20において、このステートマシン44は、検出パルスeおよび基準パルスbがLレベル(入力されない)のときは、状態0に留まっている。状態0で検出パルスの何れかがHレベル(入力される)になると状態1に遷移し、カウンタ43にカウントアップさせる。
【0089】
この状態1で基準パルスbがHレベルになると、状態2に遷移し、カウンタ43をカウントダウンさせる。
【0090】
この状態1で両検出パルスがHレベルになると、状態7に遷移し、低減すべき信号(減速させるレベルをモータに与えるための信号)を出力する。
【0091】
状態2で両検出パルスがHレベルになると、状態3に遷移し、低減すべき半分のレベル信号(減速させるレベルの半分のレベルをモータに与えるための信号)を出力する。また、状態2でカウンタ43が0に達すると、状態5に遷移し、増加すべき半分のレベル信号(増速させるレベルの半分のレベルをモータに与えるための信号)を出力する。
【0092】
状態3でカウンタ43が0に達すると、状態4に遷移する。
【0093】
状態5で両検出パルスがHレベルになると、状態6に遷移する。
【0094】
状態7で基準パルスがHレベルになると、状態8に遷移し、低減すべき半分のレベル信号を出力する。
【0095】
状態8でカウンタ43が0に達すると、状態9に遷移する。
【0096】
状憑0で基準パルスがHレベルになると、状態Aに遷移し、増加すべきレベル信号(増速させるレベルをモータに与えるための信号)を出力する。
【0097】
状態Aで検出パルスの何れかがHレベルになると、状態Bに遷移し、増加すべき半分のレベル信号を出力する。
【0098】
状態Bで両検出パルスがHレベルになると、状態Cに遷移する。
【0099】
状態4,6,9,Cの何れかで、基準パルスが立ち下がれば、カウンタ43をリセットし、状態0に戻る。
【0100】
なお、本実施形態3においては、上記フルレベルおよび半分のレベルのコントロールは電圧レベルの高さで構成したが、出力される補正の増/減速パルスに比較して十分に周波数が高い、デューティ50パーセントのマスク用パルス列を用意し、半分のレベルを出力したい場合には、補正の増/減速パルスにデューティ50パーセントのマスク用パルス列をANDして出力しても、補正量の平均値は所定電圧レベルの高さの半分の電圧レベルを出力した場合と同じであるため、同様の効果を奏する。
【0101】
(実施形態4)
本実施形態4では、周期差検出手段および位相差検出手段が、2つのセンサ8b1,8b2からの各検出パルスe1,e2を用いてそれぞれ平均化された基準パルスbとの周期差および位相差に応じた信号を出力する場合である。
【0102】
図21は、本発明の実施形態4に係る回転駆動装置の構成を示すブロック図であり、図12と同一の作用効果を奏する部材には同一の符号を付してその説明を省略する。図21において、この回転駆動装置50は、2つのセンサ8b1,8b2からの各検出パルスe1,e2を用いて平均化された周期と基準周期との周期差を検出し、その周期差に応じた信号を出力する周期差検出手段51と、この周期差検出手段51で検出した周期差および、位相差検出手段42で検出した位相差が共に零になるように回転駆動源5への駆動パルスdの周期を増減する駆動パルス出力手段22とを有している。
【0103】
この周期差検出手段51は、2つのセンサ8b1,8b2から出力された各検出パルス列の平均化された周期と基準パルス列の周期との周期差を、各検出パルス列の平均化のための演算を行わないで、その周期差をクロック信号aで計数することにより検出し、その周期差に応じた信号を駆動パルス出力手段22の積分手段としてのチャージポンプ回路22cに与えるようになっている。
【0104】
図22は、図21の周期差検出手段51の構成例を示すブロック図である。図22の周期差検出手段51において、センサ8b1からの検出パルスe1が与えられる10系ステートマシン52の出力と、センサ8b2からめ挨出パルスが与えられる20系ステートマシン53の出力とが、論理回路54に与えられている。また、発振器2からのクロック信号aは2分周器55、カウンタ56、ダウンカウンタ57およびフリップフロツプ回路58に与えられている。
【0105】
このカウンタ56のクロック計数値は、レジスタ59に与えられ、レジスタ59のラッチ信号として論理回路54から信号が与えられている。また、この信号は、短時間の遅延回路60を介してカウンタリセット入力でカウンタ56をリセットする。また、レジスタ59がラッチした計数値は演算器61に与えられている。この演算器61は、基準パルス1周期分のクロック数4096(=分周器3の分周比)から、レジスタ59がラッチした計数値を差し引く演算を行う。
【0106】
また、カウンタ56のイネーブル端子CEはスイッチ回路62に接続され、論理回路54から与えられる信号により、スイッチ回路62は、イネーブル端子CEへの接続を5V電源または2分周器55に切り換えるようになっている。
【0107】
一方、分周器3からの基準パルスbが、2分周器63により2分周され、立ち上がり回路64と立ち下がり回路65とに与えられている。立ち上がり回路64が出力する立ち上がり信号は、ダウンカウンタ57のプリセット端子PREとフリップフロツプ回路58のセット端子Sと、ラッチ信号としてラッチ回路66とに与えられている。また、立ち下がり回路65が出力する立ち下がり信号は、周期差検出手段51のリセット信号として使用されている。
【0108】
さらに、演算器61の演算結果は、ダウンカウンタ57に与えられ、このダウンカウンタ57が0を計数したときの0信号が、フリップフロツプ回路58のリセット端子Rに与えられている。このフリップフロツプ回路58のQ端子からの出力信号は、ダウンカウンタ57のカウントイネーブル端子CEと、ANDゲート67,68それぞれの一方の入力端子とに与えられている。また、ラッチ回路66からの出力信号は、ANDゲート68の他方の入力端子に与えられると共に、インバータ69を介して反転した信号がANDゲート67の他方の入力端子に与えられるようになっている。
【0109】
以上により、周期差検出手段51は、センサ8b1からの検出パルスe1が与えられる10系ステートマシン52の出力と、センサ8b2からの検出パルスe2が与えられる20系ステートマシン53の出力とが、論理回路54に与えられ、ANDゲート67からは、チャージポンプ回路22cにモータ回転速度を増速させるための信号(増速指令)が出力され、ANDゲート68からは、モータ回転速度を減速させるための信号(減速指令)が出力されるように構成されている。
【0110】
このような構成の周期差検出手段51の動作を、以下に、図23のタイミングチャートおよび図24の10系ステートマシン52、20系ステートマシン53の状態遷移図に基づいて説明する。
【0111】
図24(a)は10系ステートマシン52の状態選移図であり、この10系ステートマシン52は、センサ8b1からの検出パルスe1の立ち上がりエッジにより、状態「00」から状態「10」になり、次のセンサ8b1からの検出パルスe1の立ち上がりエッジにより、状態「11」になり、この状態「11」のときに基準パルスbの2分周パルスの立ち下がりエッジにより、状態「00」に戻る。つまり、図23(a)において、センサ8b1からの検出パルスe1が立ち上がってから、次に立ち上がるまでの1周期の間が、状態「10」である。
【0112】
また、図24(b)は、20系ステートマシン53の状態遷移図であり、この20系ステートマシン53は、センサ8b2からの検出パルスe2の立ち上がりエッジにより、状態「00」から状態「20」になり、次のセンサ8b2からの検出パルスe2の立ち上がりエッジにより状態「21」になり、この状態「21」のときに基準パルスbの2分周パルスの立ち下がりにより、状態「00」に戻る。つまり、図23(b)において、センサ8b2からの検出パルスe2が立ち上がってから、次に立ち上がるまでの1周期の間が、状態「20」である。
【0113】
次に、論理回路54は、状態「10」、状態「20」の各信号が入力されたとき、スイッチ回路62に5V電源へ切り換えるべき信号を与え、また、状態「10」または状態「20」の信号が入力されたとき、または、状態「11」または状態「21」の信号が入力されたとき、スイッチ回路62に2分周器55側に切り換えるべき信号を与える。
【0114】
これにより、カウンタ56は、図23(c)において、両検出パルスの各1周期が重なるときは、クロック信号aを計数し、両検出パルスe1,e2の各1周期が重ならず、何れかがその周期(状態「10」,状態「20」)のとき、クロック信号aの1/2を計数するので、両検出パルスe1,e2の平均周期(シミュレートされる真の周期)に応じたクロック信号aのクロック数を計数することができる。
【0115】
論理回路54は、状態「11」と状態「21」の信号が入力されたとき、レジスタ59にラッチ信号を与える。
【0116】
また、カウンタ56は、2分周器55または5V電源からのイネーブル信号に応じて、クロック信号aを計数する。この計数値は、次の両検出パルスe1,e2の立ち上がりにより、レジスタ59にラッチされ、演算器61に与えられて、ほどなく遅延回路60を介してリセットされる。
【0117】
さらに、演算器61は、基準パルス1周期分(基準周期)のクロック数4096から、レジスタ59がラッチした計数値を差し引き、その演算結果の正/負を示す信号をラッチ回路66に与え、演算結果の絶対値をダウンカウンタ57に与える。
【0118】
一方、基準パルスbが2分周器63により2分周された2分周パルスの立ち上がりにより、ダウンカウンタ57がプリセットされ、フリップフロツプ回路58がセットされ、ラッチ回路66がラッチされる。
【0119】
このラッチ回路66がラッチすると、その時点で入力されていた、正/負を示す信号を出力し続ける。つまり、ラッチ回路66は、平均化された検出パルス1周期が基準パルス1周期より短いときは、正を示す信号を出力し続け、検出パルス1周期が基準パルス1周期より長いときは、負を示す信号を出力し続ける。
【0120】
さらに、フリップフロツプ回路58はセットされると、ダウンカウンタ57にカウントイネーブル信号を与え続ける。このダウンカウンタ57は、上述した演算桔果の絶対値をプリセットし、カウントイネーブル信号を与えられている間、プリセットした値をカウントダウンする。そのカウントダウン値が0に達すると、フリップフロツプ回路58がリセットされ、カウントイネーブル信号が出力されなくなる。つまり、ダウンカウンタ53が、カウントダウンしている間、カウントイネーブル信号は出力される。
【0121】
このラッチ回路66が出力し続ける正/負を示す信号は、ANDゲート67,68に互いに反転して与えられ、何れかオンである方が、上述したカウントイネーブル信号を出する。
【0122】
これにより、ANDゲート67は、正/負を示す信号が負のときに、チャージポンプ回路22cにモータ回転速度を増速させるための信号(増速指令:周期差に応じた信号)を出力する。また、ANDゲート68は、正/負を示す信号が正のときに、モータ回転速度を減速させるための信号(滅速指令:周期差に応じた信号)を出力する。
【0123】
さらに、この周期差検出手段51は、立ち下がり回路65が出力する立ち下がり検知信号によりリセットされ、上述した動作は、基準パルスbが2分周されたパルスの1周期毎に行われることになる。
【0124】
なお、上記実施形態3では、位相差検出手段42だけが2つのセンサ8b1,8b2から出力される各検出パルスe1,e2を用いて平均化された基準パルスbとの位相差に応じた信号を出力する構成とし、また、本実施形態4では、周期差検出手段51および位相差検出手段42が、2つのセンサ8b1,8b2からの各検出パルスe1,e2を用いてそれぞれ平均化された基準パルスbとの周期差および位相差に応じた信号を出力する構成としが、これらに限らず、周期差検出手段51だけが2つのセンサ8b1,8b2から出力される各検出パルスe1,e2を用いて平均化された基準パルスbとの位相差に応じた信号を出力する構成としてもよい。要は、周期差検出手段51および位相差検出手段42の少なくともいずれかが、2つのセンサ8b1,8b2から出力される各検出パルスe1,e2を用いて平均化された基準パルスbとの周期差および/または位相差に応じた信号を出力する構成であればよい。
【0125】
(実施形態5)
本実施形態5では、2つのセンサ8b1,8b2から出力された偏心補正用の各検出パルスe1,e2の平均化を予め行った後に、その平均化された検出パルスeを図9に示すような位相差検出手段9および/または周期差検出手段21に入力するような場合である。
【0126】
この平均化を行う平均化手段(図示せず)には、2つのセンサ8b1,8b2から出力された偏心補正用の各検出パルスe1,e2が与えられ、クロック信号aが与えられている。平均化手段(図示せず)で平均化された検出パルスeは、位相差検出手段9および/または周期差検出手段21に、後で詳細に説明するが、分周された検出パルスとして与えられるようになっている。
【0127】
図25は、この平均化手段の構成例を示すブロック図である。図25において、クロック信号aが2分周器70と、NORゲート71,72それぞれの一方の入力端子とに与えられている。この2分周器70により2分周されたパルスクロックは、NORゲート71の他方の入力端子と、インバータ73を介してNORゲート72の他方の入力端子とに与えられるようになっている。
【0128】
これらのNORゲート71,72それぞれの出力端子は、サンプリング手段としての同期微分手段74,75に接続されている。この同期微分手段74には、センサ8b1から出力された偏心補正用の検出パルスe1が入力され、また、同期微分手段75には、センサ8b2から出力された偏心補正用の各検出パルスe2が入力されるようになっている。これらの同期微分手段74,75の各出力は、合成手段としてのORゲート76に与えられ、このORゲート76の出力は、分周手段としての分周器67に与えられ、この分周器77により分周されたパルス列が、位相および周波数が平均化された検出パルスeとして出力されるようになっている。以上により、平均化演算手段78が構成され、センサ8b1,8b2からの各検出パルスe1,e2の位相および周波数の平均化が行われている。
【0129】
以下に、このような構成の平均化手段78の動作を、図26および図27のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0130】
図26(a)に示すようなクロック信号aが2分周器70と、NORゲート71,72それぞれの一方の入力端子とに与えられる。この2分周器70により2分周された図26(b)に示す2分周クロックは、NORゲート71の他方の入力端子と、インバータ73を介して反転された図26(c)に示す2分周クロックとしてNORゲート72の他方の入力端子とに与えられる。これにより、NORゲート71,72は、クロック信号aが1/2に分周され、互いに逆位相の、パルス幅がクロック信号aと同じ図26(d)に示すサンプリングパルス列を同期微分手段74に、図26(e)に示すサンプリングパルス列を同期微分手段75に与える。
【0131】
これら同期微分手段74,75には、センサ8b1,8b2からの、図26(f)および図26(g)に示す各検出パルスe1,e2(クロック信号aが1/4096に分周されたパルス列に同期可能)がそれぞれ与えられ、同期微分手段74,75は、検出パルスe1,e2より十分高い周波数の互いに逆位相の図26(d)および図26(e)に示すサンプリングパルスにより、センサ8b1,8b2の各検出パルスe1,e2毎に、図26(h)および図26(i)に示すようにそれぞれ1つサンプリングする。
【0132】
これらの同期微分手段74,75によりそれぞれサンプリングされた各パルス列は、センサ8b1,8b2の各検出パルスe1,e2の計数値であり、また、互いに重ならない。そのため、サンプリングされた各パルス列を、図26(j)に示すようにORゲート76で合成しても、重なるところが無く、センサ8b1,8b2の各検出パルスe1,e2のパルス列の計数値の合計値となり、それらの平均値の2倍である。つまり、それらの平均値に比例するものである。
【0133】
したがって、この合成したパルス列(図26(j)=図27(a))が、分周器77により例えば1/4に分周され、デューティファクタを略50%にされた検出パルス列(図27(b))となっており、その位相および周波数は、センサ8b1,8b2の各検出パルスe1,e2のパルス列の位相および周波数をそれぞれ平均したものとすることができる。
【0134】
このように、分周器77により1/4に分周され、デューティファクタを略50%にされた検出パルス列は、上記周期差検出手段21および位相差検出手段9に与えられる。この周期差検出手段21は、この平均化手段78から出力した検出パルスeと基準パルスbとの周期差を検出し、その検出周期差に応じた信号を出力する。また、位相差検出手段9は、平均化手段78から出力した検出パルスeと基準パルスbとの位相差を検出し、その検出位相差に応じた信号する。これらの検出周期差に応じた信号と検出位相差に応じた信号が駆動パルス出力手段22のチャージポンプ回路22cに与えられる。
【0135】
(実施形態6)
上記実施形態1〜5では、図7で代表して説明すると、駆動パルス出力手段4として、加算手段4fの出力レベルを、そのレベルに応じた周波数信号に変換するパルス変換手段4gを有しており、基準駆動信号生成手段は基準駆動信号としてレベル信号c1を出力するように構成され、補正信号生成手段は、位相差および/または周期差に応じたレベルの補正信号を出力するようなアナログ構成としたが、本実施形態6では、駆動パルス出力手段として、基準駆動信号生成手段は基準駆動パルスを生成し、補正信号生成手段は位相差および/または周期差に応じた周波数の補正パルスを生成する一部デジタル構成とした場合である。
【0136】
図28は図7の駆動パルス出力手段4とは別のデジタル構成例を示すブロック図であり、図7と同様の作用効果を奏する部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0137】
図28において、駆動パルス出力手段80は、基準駆動パルスを生成する基準駆動パルス生成手段80aと、駆動開始時および駆動終了時に過渡的な起動および停止(滑らかに周波数を漸増または漸減制御)を行わせるためのモータ脱調防止用のパルス立ち上げ/立ち下げ手段80bと、リミッタ手段4eの後段に設けられ、リミッタ手段4eからの補正用のレベル信号c2をそれに応じたパルス信号に変換するパルス信号変換手段80cと、パルス信号変換手段80cからの補正用のパルス信号c3を、パルス立ち上げ/立ち下げ手段80bからの基準駆動パルスc4に加算(パルス信号c3を基準駆動パルスc4を増減)する合成手段80dと、合成手段80dからの合成パルスを所定の割合で分周する分周器80eとを有している。この分周器80eは例えば1/16に分周しており、合成手段80dで1パルス分が増減すると1/16の周期分がパルス的に増減する。
【0138】
なお、本実施形態6では、リミッタ手段4eまでをアナログ構成で、それ以降をデジタル構成としたが、図28のチャージポンプ回路4cおよびローパスフィルタ4dに代えて図29に示すように、PLL構成(位相差検出手段および/または周期差検出手段)からの出力信号の極性を反映した出力信号の出力時間に比例したパルス信号に変換した上で、上記極性によって可逆カウンタ(図示せず)で上記パルス信号をカウントすることによって積算して補正信号を生成する積分手段のデジタル回路81aで構成すれば、駆動パルス出力手段81を全てデジタル構成とすることもできる。この場合、リミッタ手段4eは、この可逆カウンタ(図示せず)を有効数上限および下限を越えて動作させないような構成とすればよい。この場合のパルス合成手段80dは、基準駆動パルスc4を、カウンタの積算値に応じて基準パルスbが入力される毎に誤差であるカウンタの積算値が0に近づくように増減するようなデジタル回路で構成される。
【0139】
このように、デジタル構成とすれば、回路構成を1チップ化することができて省スペースで低コストである。一方、上記実施形態1〜5のようなアナログ構成では、デジタル構成のように整数比で処理されることに起因した桁落ちはなく、補正ゲインなどの微調整が可能である。
【0140】
以上の実施形態1〜6によれば、駆動パルス数に比例した量の回転駆動を行う回転駆動源5を摩擦伝動手段7を介して減速回転させて回転体6を回転駆動させるに際して、クロック信号aを分周器3を介して所定周期の基準パルスbに変換し、かつ回転体6の回転に応じた検出パルスを得、これらの基準パルスbと検出パルスとを用いたPLL構成で位相差および/または周期差を検出し、位相差および/または周期差が零になるように回転駆動源5への駆動パルスdの周期を増減するようにしたため、回転駆動源5から摩擦伝動手段7を介して回転体6に回転力を伝えるときにすべりが生じたとしても、PLL構成で高精度に補正をかけることができて高精度の回転を実現できて、モータに安価なステッピングモータを用いことができる。また、この高精度の回転制御と摩擦伝動手段7によって回転速度変動を軽減することができる。さらに、従来のようにフライホイールを用いないために、小型、軽量化や俊敏な応答性を実現できる。
【0141】
このトラクション減速機7aの回転体は、その伝動面が円形であるので歯車に比べれば加工精度もよく、減速ギヤよりも製造が容易である。その結果、トラクション減速機7aは減速ギヤよりも偏心も少なく回転速度変動も少ない。
【0142】
本発明のPLL制御構成を用いずにトラクション減速機7aを用いた場合のパルス集積誤差を図30に、また、本発明のPLL制御構成を用いトラクション減速機7aを用いた場合(アナログ構成)のパルス集積誤差を図31に、さらに、本発明のPLL制御構成を用いトラクション減速機7aを用いた場合(デジタル構成)のパルス集積誤差を図32に示している。これらの図30〜図32において、トラクション減速機7aの出力軸の1回転で81000パルスの検出パルスを出力するエンコーダを外部に設置し、時々刻々トラクション減速機7aの回転軌跡が等速円運動の軌跡からどれだけのパルス分ずれるかを示しており、トラクション減速機7aを用いただけの図30では(40〜60)パルス/81000パルスのずれか生じているが、トラクション減速機7aを用い、かつ本発明のPLL制御をかけると、5〜7パルス/81000パルスのずれとなって大幅に減少していることが判る。
【0143】
なお、前述した実施形態1〜6においては摩擦伝動手段としてトラクション減速機を用いたが、これに代えて摩擦伝動手段としてプーリ伝動機構やベルト伝動機構であってもよい。さらには、ウォームホイルおよびウォームギヤからなるウォーム減速機を用いても減速ギヤ伝動機構に比べて回転速度変動を抑えることができる。
【0144】
また、前述した実施形態1〜6においてはステッピングモータを用いたが、これに代えてパルスフィードバックのサーボモータであってもよい。要は、パルスを指令としてそれに応じた量の回転をするモータであればよい。
【0145】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1によれば、装置を大型で重量化する要因の回転速度変動吸収用のフライホイールを用いる代りに摩擦伝動手段を用いているため、ギア機構による回転速度変動を抑制することができ、装置の小型化、軽量化を図ることができる。また、回転体の回転に応じた検出パルスと基準パルスとの位相差が零になるように回転駆動源の制御を行うため、回転駆動源として駆動パルス数に比例した量の回転駆動が為される安価なステッピングモータを脱調なく用いることができて、より安価な回転駆動装置とすることができる。さらに、回転駆動源から摩擦伝動手段を介して回転体に回転力を伝えるときにすべりが生じたとしても、回転体の回転に応じた検出パルスと基準パルスとの位相差が零になるように回転駆動源への駆動パルスの周期を増減するようにしたため、回転体は摩擦伝動手段のすべり分が補正されて高精度の回転とすることができ、回転速度変動を抑制することができて、各色毎の感光体ドラム毎に複写画像に応じたカラー画像で、各色毎の印刷ずれや、回転速度変動に起因した縞を防止することができる。
【0146】
また、本発明の請求項2によれば、回転駆動源から摩擦伝動手段を介して回転体に回転力を伝えるときにすべりが生じたとしても、回転体の回転に応じた検出パルスと基準パルスとの位相差に加えて、基準周期との周期差も零になるように回転駆動源への駆動パルスの周期を増減するため、回転体は摩擦伝動手段のすべり分をより正確に補正してより高精度の回転とすることができ、回転速度変動を抑制することができて、各色毎の感光体ドラム毎に複写画像に応じたカラー画像で、各色毎の印刷ずれや、回転速度変動に起因した縞を防止することができる。
【0147】
さらに、本発明の請求項3,4によれば、2つのセンサから出力される各検出パルスを用いて平均化された位相差または/および周期差が零になるように回転駆動源への駆動パルスの周期を増減するため、回転体の軸心の偏心による検出パルスの誤差を相殺して、摩擦伝動手段のすべり分をより正確に補正でき、更に高精度な回転体の回転制御を行うことができ、回転速度変動を抑制することができて、各色毎の感光体ドラム毎に複写画像に応じたカラー画像で、各色毎の印刷ずれや、回転速度変動に起因した縞を防止することができる。
【0148】
さらに、本発明の請求項5,7,8によれば、周期差および/または位相差に応じた補正信号を基準駆動信号に加算して駆動パルスを得るため、より簡単な構成で、高精度な回転体の回転制御を行うことができる。また、本発明の請求項7のようにアナログ構成とすれば、デジタル構成のように整数比で処理されることに起因した桁落ちはなく、補正ゲインなどの微調整が可能である。また、本発明の請求項8のようにデジタル構成とすれば、その回路構成を1チップ化することができて省スペースで低コストである。
【0149】
さらに、本発明の請求項6によれば、より簡単なPLL回路構成でより正確な補正信号を得ることができる。
【0150】
さらに、本発明の請求項9によれば、リミッタ手段で補正信号を所定値以下に制限するため、回転駆動源による回転体の回転起動または停止時や、回転速度の増減時に回転駆動源が脱調して制御不能になることを防止することができ、回転駆動源として安価なステッピングモータを用いることができる。
【0151】
さらに、本発明の請求項10によれば、回転駆動源による回転体の回転起動または停止時や、回転速度の増減時に、回転駆動源が脱調しないように立上り信号を形成するため、回転駆動源が脱調して制御不能になることを防止することができ、回転駆動源として安価なステッピングモータを用いることができる。
【0152】
さらに、本発明の請求項11によれば、回転駆動源をステッピングモータとするため、より容易に周波数による制御を行うと共に、より安価に構成とすることができる。
【0153】
さらに、本発明の請求項12によれば、摩擦伝動手段をトラックション減速機とするため、より簡単な構成で回転駆動源から回転体に減速した回転力をより正確かつ容易に伝達させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る回転駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図2】ロータリエンコーダのパルス板およびセンサとトラクション減速器とモータとの概略構成を示した側面図である。
【図3】図2のトラクション減速器の内部構成を示す図である。
【図4】図3のトラクション減速器のVV線縦断面図である。
【図5】図2のロータリエンコーダのパルス板およびセンサを示した正面図である。
【図6】図1の位相差検出手段の動作を示すタイミングチャートである。
【図7】図1の駆動パルス出力手段の構成例を示すブロック図である。
【図8】図7のチャージポンプ回路の構成例を示す回路図である。
【図9】本発明の実施形態2に係る回転駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図10】図9の周期差検出手段の構成例を示すブロック図である。
【図11】図10の周期差検出手段の動作を示すタイミングチャートである。
【図12】本発明の実施形態3に係る回転駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図13】図12のパルス板が軸心に対して偏心している場合の、2つのセンサのそれぞれの検出パルス数を説明するための説明図である。
【図14】図12のパルス板が軸心に対して偏心している場合の回転角と積算パルス数を示す図である。
【図15】図12の位相差検出手段の構成例を示したブロック図である。
【図16】図15のステートマシンの動作を示すタイミングチャートである。
【図17】図15のステートマシンの動作を示すタイミングチャートである。
【図18】図15のステートマシンの動作を示すタイミングチャートである。
【図19】図15のステートマシンの動作を示すタイミングチャートである。
【図20】図15のステートマシンの状態遷移図である。
【図21】本発明の実施形態4に係る回転駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図22】図21の周期差検出手段の構成例を示すブロック図である。
【図23】図21の周期差検出手段の動作を示すタイミングチャートである。
【図24】図22の10系ステートマシン、20系ステートマシンの状態遷移図である。
【図25】本発明の実施形態5における平均化演算手段の構成例を示す回路図である。
【図26】図25の平均化演算手段の動作を示すタイミングチャートである。
【図27】図25の平均化演算手段の動作を示すタイミングチャートである。
【図28】本発明の実施形態6における駆動パルス出力手段の構成例を示すブロック図である。
【図29】図28の駆動パルス出力手段とは別の構成例を示すブロック図である。
【図30】本発明のPLL制御構成を用いずにトラクション減速機7aを用いた場合のパルス集積誤差を示す図である。
【図31】本発明のPLL制御構成を用いトラクション減速機7aを用いたアナログ構成の場合のパルス集積誤差を示す図である。
【図32】本発明のPLL制御構成を用いトラクション減速機7aを用いたデジタル構成の場合のパルス集積誤差を示す図である。
【図33】従来の回転制御装置の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 回転駆動装置
4,22,80,81 駆動パルス出力手段
4a レベル信号変換(F/V)手段
4b 台形波回路
4c,22c チャージポンプ回路
4e リミッタ手段
4f 加算器
4g 駆動パルス生成手段
5 回転駆動源
6 回転体
7 摩擦伝動手段
7a トラクション減速器
8,41 回転検出手段
8b,8b1,8b2 センサ
9,42 位相差検出手段
10 基準パルス出力手段
11 ステピングモータ
21,51 周期差検出手段
78 平均化演算手段
80a 基準駆動パルス生成手段
80b パルス立ち上げ/立ち下げ手段
80c パルス信号変換手段
80d 合成手段
80e 分周器
81a デジタル回路
Claims (12)
- 駆動パルス数に比例した量の回転駆動を行う回転駆動源と、
この回転駆動源の回転を回転体に伝達する摩擦伝動手段と、
周期的な基準パルス列を出力する基準パルス出力手段と、
前記回転体の回転に応じた検出パルスを出力する回転検出手段と、
この回転検出手段から出力される検出パルスと前記基準パルスとの位相差を検出する位相差検出手段と、
定周期の基準駆動パルスに相当する基準駆動信号に応じた駆動パルスを前記回転駆動源へ出力する駆動パルス出力手段と
を備えており、
さらに、前記基準パルス出力手段が、所定周波数のクロック信号を出力する発振器と、この発振器からクロック信号を基準パルスに分周する分周器と有しており、
前記駆動パルス出力手段は、前記発振器から出力されるクロック信号に基づいて駆動パルスを出力し、かつ、前記位相差検出手段から出力される位相差に応じた信号に基づいて、この位相差が零になるように前記駆動パルスを増減することを特徴とする回転駆動装置。 - 前記回転検出手段から出力される検出パルスと前記基準パルスとの周期差を検出する周期差検出手段を有し、
前記駆動パルス出力手段は、前記周期差検出手段で検出した周期差が零になるように前記回転駆動源への駆動パルスを増減するようにしたことを特徴とする請求項1記載の回転駆動装置。 - 前記回転検出手段は、前記回転体と共回りする円形のパルス板の対向する位置に設けられた2つのセンサから前記検出パルスが出力され、前記周期差検出手段および位相差検出手段の少なくともいずれかが、前記2つのセンサからの各検出パルスを用いてそれぞれ平均化された周期差および/または位相差に応じた信号を出力する構成としたことを特徴とする請求項1または2記載の回転駆動装置。
- 前記周期差検出手段は、前記2つのセンサの一方から出力される検出パルスの前記基準パルスの周期に対する周期差を検出し、前記位相差検出手段は、前記2つのセンサから出力される各検出パルスを用いて平均化された位相差に応じた信号を出力する構成としたことを特徴とする請求項3記載の回転駆動装置。
- 前記駆動パルス出力手段は、定周期の基準駆動パルスに相当する基準駆動信号を発生する基準駆動信号生成手段と、
前記周期差検出手段および/または前記位相差検出手段からの周期差および/または位相差に応じた補正信号を出力する補正信号生成手段と、
前記基準駆動信号に前記補正信号を合成する合成手段と、
この合成手段からの出力に応じて前記駆動パルスを生成する駆動パルス生成手段とを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれに記載の回転駆動装置。 - 前記位相差検出手段および/または周期差検出手段の少なくとも一方は、前記検出パルスと基準パルスとから周期差および/または位相差に応じた信号を出力するPLL回路で構成され、
前記補正信号生成手段は、前記PLL回路の出力信号を積算して補正信号を生成することを特徴とする請求項5記載の回転駆動装置。 - 前記合成手段の出力レベルを該レベルに応じた周波数信号に変換するパルス変換手段を有し、前記基準駆動信号生成手段は基準駆動信号としてレベル信号を出力するように構成され、
前記補正信号生成手段は、前記位相差および/または周期差に応じたレベルの補正信号を出力する構成としたことを特徴とする請求項5または6記載の回転駆動装置。 - 前記基準駆動信号生成手段は、基準駆動パルスを生成するものであり、
前記補正信号生成手段は、前記位相差および/または周期差に応じた周波数の補正パルスを生成することを特徴とする請求項5または6記載の回転駆動装置。 - 少なくとも前記補正信号生成手段の後段に補正信号を所定レベル以下に制限するリミッタ手段を有したことを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の回転駆動装置。
- 前記基準駆動信号生成手段は、駆動開始、停止および変速時に過渡的な駆動を行わせる立ち上げ/立ち下げ手段を有していることを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の回転駆動装置。
- 前記回転駆動源は、ステッピングモータであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の回転駆動装置。
- 前記摩擦伝動手段は、トラクション減速機であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の回転駆動装置。
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