JP4066573B2 - 先行車選択装置、車間制御装置及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、前方を走行する車両(先行車)を選択するための先行車選択装置、及び当該先行車との車間距離を適正に保って自車の走行制御を行う車間制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、先行車との車間距離が適切に保たれるように車速(具体的には、スロットル開度やブレーキなど)を制御する車間制御装置が提案されており、このような装置は、先行車の判別及び先行車までの距離の測定を行うための先行車選択装置を備えている。
【0003】
ここで、このような先行車選択装置としては、従来より、レーザレーダ装置が用いられている。しかし、レーザレーダから照射されるレーザビームの方向が固定されていると、カーブ走行中は、自車線(自車と同一の車線)上を遠方まで照射することができず、路肩の看板やリフレクタ等に加えて他車線を走行している車両を先行車と判別してしまうことがあった。
【0004】
そこで、近年では、レーザビームを所定範囲内で走査するスキャン型レーザレーダが用いられており、このスキャン型によれば、物体の自車に対する相対位置や相対速度等のデータを取得できると共に、複数の物体に関するデータも同時に得ることができる。
【0005】
そして更に、特開平8−279099号公報に開示された装置では、自車線確率という概念を導入している。この技術では、まずスキャン型レーザレーダを用いて物体の自車に対する相対位置座標を算出する。そして、その算出した各物体の相対位置座標を、ステアリング操舵角などから算出した走行路のカーブ半径Rに基づき、直進路に該当する相対位置座標に夫々変換する。さらに、予め設定された2次元マップであって、直進路において前方に存在する物体が自車線上に存在する確率を該物体の自車に対する相対位置座標に応じて示す自車線確率マップに、上述のように変換した各物体の相対位置座標を当てはめて、各物体が自車線上に存在している確率である自車線確率を求める。これによって、その自車線確率に基づき、複数の物体の中から車間制御すべき先行車を選択するようにしている。
【0006】
この公報記載の装置によれば、先行車を簡単に見失ったり、先行車以外のものを誤って先行車と認識してしまうことを極力防止して、快適で安全な車間制御を行うことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の公報に開示された装置においても、以下の点において改良の余地がある。
それは、自車が車線変更したことによって発生する先行車の置き換えが迅速に行われないという点である。つまり、自車が車線変更した際には迅速な先行車の置き換えが必要となるが、自車線確率の算出において自車線確率の信頼性を高めるためのフィルタ処理がなされるため、先行車の置き換えに遅れが生じるという問題があった。
【0008】
これについて具体的に説明する。
例えば物体が自車の右側車線前方に存在する状況を考える。このとき、この物体の自車線確率は0%とし、この状況から自車が右側車線に車線変更した場合、その直後に上述したような確率マップを用いて得られる物体の自車線確率(瞬時自車線確率P0)は100%とする。ところが、自車線確率Pの算出処理では、次の式1に示すようなフィルタ処理がなされるのが一般的である。
P ← P×0.8+P0×0.2 …[式1]
すなわち、それまでに算出した自車線確率Pを用いてなますのである。したがって、上述の例で言えば、瞬時自車線確率P0が100%であっても、算出される自車線確率Pは20%となる。これは、一時的に高くなった自車線確率に基づいて誤った先行車を選択することを防止するためである。このようなフィルタ処理が、車線変更という過渡的な状況下においては、瞬時自車線確率P0への追随性を悪化させていた。
【0009】
ただし、従来より、瞬時自車線確率P0が例えば90%というように所定値以上となった場合は、次の式2に示すように瞬時自車線確率P0への追随性を重視したフィルタ処理が行われていた。
P ← P×0.7+P0×0.3 …[式2]
ところが、式2で自車線確率が算出される場合であっても、上述した例のように車線変更前の自車線確率Pが0%であれば、適正な自車線確率が算出されるまでに数回の演算処理が必要となってくる。そのため、車線変更後、自車線確率に基づく先行車の選択処理に遅れが生じる。
【0010】
つまり、先行車を適切に選択するための構成が、一方では、車線変更後に先行車の置き換えを遅らせる原因となっていたのである。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、車線変更の際、先行車を適切に選択することができ、しかも、先行車の置き換えを迅速に行うことができる先行車選択装置及び当該先行車選択装置を備える車間制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上述した目的を達成するためになされた請求項1に記載の先行車選択装置では、物体認識手段が、認識対象の物体の自車に対する相対位置を算出する。
この物体認識手段としては種々の構成が考えられる。例えば、自車の幅方向の所定角度範囲に送信波あるいはレーザ光をスキャン照射し、物体からの反射波あるいは反射光に基づいて、自車と物体との距離に相当する物理量をスキャン角度に対応して検出する測距手段を備える。そして、その測距手段にて検出された距離相当物理量及び対応するスキャン角度に基づいて、自車に対する物体の相対位置を算出することができる。また、ビデオカメラなどの撮像手段によって自車前方の画像を撮影し、その画像に基づいて測距することも可能である。例えば、ステレオカメラで捉えた左右2枚の画像において、画像内で車両の特徴点を持つと判断される部位を抽出する。この2枚の画像をずらして重ね合わせ、推定した車両部位の画像信号差がゼロとなるずらし量を求める。このずらし量と車両までの距離は1対1の関係となり、ずらし量から距離を算出できる。
【0012】
また、走行路情報取得手段は、自車の走行路に関する情報である走行路情報を取得する。一例として、カーブ状態を表すカーブデータを取得することが考えられる。例えばこのカーブデータは、走行路のカーブ半径(カーブの曲率半径)である。
【0013】
そして、車線確率算出手段は、走行路情報取得手段にて取得された走行路情報と物体認識手段にて算出された物体の相対位置に基づき、物体が自車と同一の車線(以下「自車線」という。)上に存在している確率を時間平均化した自車線確率を求める。例えば走行路がカーブしていることもあるため、カーブデータといった走行路情報を用いて物体の相対位置を補正して自車線確率を求める。
【0014】
選択手段は、各物体の自車線確率に基づいて、自車に対する先行車を選択する。例えば選択手段は、自車線確率の相対的に高い物体の中で自車との距離が小さいものを先行車と判別して選択するという具合である。このような先行車選択を前提としているのであるが、本発明では特に、上述の車線確率算出手段が、走行路情報と物体の相対位置に基づき、上述した自車線確率に加え、左車線確率及び右車線確率を求める。左車線確率とは、物体が自車線に隣接する進行方向左側の車線である左側車線上に存在する確率を時間平均化した確率である。同様に右車線確率とは、物体が自車線に隣接する進行方向右側の車線である右側車線上に存在する確率を時間平均化した確率である。以下の説明では、左側車線及び右側車線を合わせて隣接車線といい、左車線確率及び右車線確率を合わせて隣接車線確率という。
【0015】
なお、例えば複数ある車線の内の端の車線を走行している場合など、左側車線又は右側車線は存在しない。このときは、隣接車線が存在するか否かを判断し、存在するときに隣接車線確率を求めるようにしてもよい。しかし、常に左側車線及び右側車線が存在すると仮定して、隣接車線のあるなしにかかわらず左車線確率及び右車線確率を求めるようにするのが現実的である。そのようにしても特に問題が生じることはなく、隣接車線が存在するか否かを判断する必要がない点で処理が簡単になるからである。
【0016】
そしてさらに本発明では、車線変更判断手段が自車が左側車線又は右側車線へ車線変更したことを判断する。
すると、その判断結果に応じて、車線確率入替手段が、次のように車線確率の入れ替えを行う。すなわち、左側車線へ車線変更したことが判断されると、車線確率算出手段にて算出された車線変更前の左車線確率を車線変更後の自車線確率とする。一方、右側車線へ車線変更したことが判断されると、車線確率算出手段にて算出された車線変更前の右車線確率を車線変更後の自車線確率とする。
【0017】
つまり、車線変更前の隣接車線確率を車線変更後の自車線確率とするのである。このように元々隣接車線に対して算出されていた左車線確率又は右車線確率を自車線確率として採用するため、適切な自車線確率が瞬時に、得られることになる。
【0018】
例えば上述した例で言えば、右側車線前方に物体が存在する状況下で右側車線へ車線変更した場合、例えば100%といった右車線確率が自車線確率として採用されるため、車線変更直後にその物体の自車線確率は100%となる。したがって、フィルタ処理による影響を受けることがなく、その結果、選択手段が、この自車線確率に基づいて先行車を選択すれば、適切に先行車が選択でき、しかも、先行車の置き換えが迅速になる。
【0019】
ところで、車線変更後の左車線確率及び右車線確率には例えば0%というような初期値を設定することが考えられる。しかし、右側車線に一旦車線変更した後、即座に元の車線(左側車線)に車線変更する状況も想定される。例えば一旦右側車線に車線変更したが、前方に右折車の存在を確認したため、元の車線に戻る場合が考えられる。このような状況下でも迅速に先行車の置き換えを行うことを目的とすれば、車線確率入替手段は、車線変更判断手段による判断結果に基づき、さらに、次のような車線確率の入れ替えを行うようにするとよい。
【0020】
それは、自車が左側車線に車線変更したことが判断された場合には、車線確率算出手段にて算出された車線変更前の自車線確率を車線変更後の右車線確率とし、一方、自車が右側車線に車線変更したことが判断された場合には、車線確率算出手段にて算出された車線変更前の自車線確率を車線変更後の左車線確率とする、という入れ替えである。
【0021】
つまり、車線変更前の自車線は車線変更後の隣接車線に相当するため、車線変更前の自車線確率を、車線変更後の隣接車線確率とするのである。このようにすれば、例えば一旦右側車線に車線変更し、即座に、元の車線(左側車線)へ再び車線変更するような状況下で有利である。
【0022】
例えば、この構成によれば、物体の自車線確率が100%であった場合、自車が右側車線へ進路変更することによって、車線変更後には、その物体の左車線確率が100%となる。したがって、左側車線へ再び車線変更すれば、車線変更後にその物体の自車線確率は100%となる。その結果、選択手段がこの自車線確率に基づいて先行車を選択すれば、一旦隣接車線へ車線変更し即座に元の車線へ車線変更した場合であっても、適切に先行車が選択でき、しかも、先行車の置き換えが迅速になる。
【0023】
なお、上述した構成は隣接車線確率を算出するものであったが、例えば隣接車線のさらに外側の車線上に物体が存在する確率を求めておき、車線変更に応じてこれら各車線に対応する車線確率を入れ替える構成とすることも考えられる。この場合、右側車線へ車線変更し、さらに続けて右側車線へ車線変更した場合であっても、先行車の迅速な置き換えが可能となる。ただし、その場合は、車両前方の物体を車幅方向に広範囲に認識する必要がある。
【0024】
ところで、上述した車線確率算出手段は、具体的に、次のようにして自車線確率及び隣接車線確率を求めることが考えられる。
上述したように走行路情報取得手段が走行路のカーブ状態を表すカーブデータを走行路情報として取得する構成であれば、車線確率算出手段は、直進路における物体の自車線確率及び隣接車線確率を、当該物体の自車に対する相対位置に応じて示す確率マップを記憶しておき、この確率マップを用いて自車線確率及び隣接車線確率を求めることが考えられる。具体的には、物体認識手段により算出された物体の相対位置を、走行路情報取得手段にて取得されたカーブデータを用いて直進路に該当する相対位置に変換し、上述した確率マップに当てはめて、物体の自車線確率及び隣接車線確率を求める。
【0025】
このとき、走行路情報取得手段は、操舵角を検出するステアリングセンサを用いて構成し、ステアリングセンサの出力に基づいてカーブデータとしてのカーブ半径を取得するようにしてもよいが、その場合、現在のカーブ半径は分かるが、走行路が前方でどのようにカーブしているかは分からない。そのため、ビデオカメラなどの撮像手段を用いて走行路情報取得手段を構成し、取得した前方画像からカーブデータを得るようにしてもよい。この場合は、走行路前方のカーブ状態を表すカーブデータが得られるため、適切なカーブデータを得ることができる。その結果、自車線確率及び隣接車線確率を精度よく求めることができる。
【0026】
また、上述した確率マップは、請求項3に示すように、自車線確率マップと、その自車線確率マップを所定量だけオフセットした隣接車線確率マップとで構成することが考えられる。このとき、各道路で車線幅が一定でないことを考えると、請求項4に示す構成を採用することが望ましい。
【0027】
その構成は、上述したように確率マップが自車線確率マップ及び当該自車線確率マップを車幅方向に所定量だけオフセットした隣接車線確率マップで構成されている場合、車線幅測定手段が車線幅を測定し、車線確率算出手段は、車線幅測定手段にて測定された車線幅に基づき所定量を変更して確率マップを補正することを特徴とするものである。
【0028】
車線幅測定手段は、例えば前方画像を取り込む撮像手段を用いて構成することが考えられる。このときは、例えば画像中のレーンマーク(車線を示す白線)を検出して車線幅を測定する。そして、車線確率算出手段は、車線幅が3.5mであれば、自車線確率マップをオフセットする所定量を3.5mとして確率マップを補正するという具合である。このようにすれば、確率マップに基づいて求められる隣接車線確率の信頼性が高くなる。
【0029】
一方、走行路情報取得手段を撮像手段を用いて構成してもよいことは既に述べた。そして、車線幅などを考慮して隣接車線確率を求めることを考えると、請求項5に示すように、取得された走行路情報としての画像情報に基づいて自車線確率及び隣接車線確率を求めるようにしてもよい。
【0030】
具体的に車線確率算出手段は、物体認識手段にて算出された物体の相対位置を透視変換することによって走行路情報取得手段にて取り込まれた前記画像上の相対位置に変換する。また、画像から車線を示すレーンマークを検出することによって画像上の自車線領域及び隣接車線領域を推定する。そして、当該推定した自車線領域及び隣接車線領域と画像上の物体の相対位置とに基づき、物体の自車線確率及び隣接車線確率を求める。この場合、物体の相対位置を透視変換することによって画像上の相対位置に変換するため、走行路前方のカーブ状態や車線幅の情報を含めて、自車線確率及び隣接車線確率を求めることができる。
【0031】
なお、車線確率算出手段による自車線確率及び隣接車線確率の算出方法は上述した方法には限定されない。例えば走行路情報取得手段にて取得される画像情報中の2次元の物体位置を所定条件を加えて3次元データに一旦変換し、その後、上述したような確率マップに当てはめて自車線確率及び隣接車線確率を求めることも考えられる。
【0032】
なお、このような先行車選択装置の車線確率算出手段、車線変更判断手段及び車線確率入替手段をコンピュータシステムにて実現する機能は、例えば、コンピュータシステム側で起動するプログラムとして備えることができる。このようなプログラムの場合、例えば、フロッピーディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータシステムにロードして起動することにより用いることができる。この他、ROMやバックアップRAMをコンピュータ読み取り可能な記録媒体としてプログラムを記録しておき、このROMあるいはバックアップRAMをコンピュータシステムに組み込んで用いてもよい。
【0033】
ところで、上述した先行車選択装置によって選択された先行車を対象として車間制御を行う装置として実現する場合には、例えば請求項6に示す構成とすることが考えられる。すなわち、請求項1〜5のいずれかに記載の先行車選択装置と、自車両を加減速させる加速手段及び減速手段と、先行車選択装置によって選択された先行車と自車との間の距離に相当する物理量である実車間物理量と、自車と先行車との目標車間距離に相当する物理量である目標車間物理量との差である車間偏差、及び自車と先行車との相対速度に基づき、加速手段及び減速手段を駆動制御することによって、自車を先行車に追従させて走行させる車間制御手段とを備えるのである。この車間制御装置であれば、上述したように、先行車が適切に選択され、しかも、車線変更に伴う迅速な先行車の置き換えが実現されるため、車線変更後の先行車への追従性がよく、運転者に違和感を抱かせることがなくなる。
【0034】
なお、実車間物理量としては、例えばレーザ光あるいは送信波などを先行車に対して照射し、その反射光あるいは反射波を受けるまでの時間を検出する構成を採用した場合には、その検出した時間そのものを用いてもよいし、車間距離に換算した値を用いてもよいし、さらには、車速にて除算した車間時間を用いてもよい。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施例を図面を参照して説明する。
図1は、上述した発明が適用された車間制御用電子制御装置2(以下、「車間制御ECU」と称す。)およびブレーキ電子制御装置4(以下、「ブレーキECU」と称す。)を中心に示す自動車に搭載されている各種制御回路の概略構成を表すブロック図である。
【0036】
車間制御ECU2は、マイクロコンピュータを中心として構成されている電子回路であり、現車速(Vn)信号、操舵角(str-eng ,S0)信号、ヨーレート信号、目標車間時間信号、ワイパスイッチ情報、アイドル制御やブレーキ制御の制御状態信号等をエンジン電子制御装置6(以下、「エンジンECU」と称す。)から受信する。また、画像センサ29から車両の前方画像を受信する。そして、車間制御ECU2は、この受信したデータに基づいて、車間制御演算をしている。
【0037】
レーザレーダセンサ3は、レーザによるスキャニング測距器とマイクロコンピュータとを中心として構成されている電子回路であり、スキャニング測距器にて検出した先行車の角度や距離等、および車間制御ECU2から受信する現車速(Vn)信号、カーブ曲率半径R等に基づいて、車間制御装置の一部の機能として先行車の車線確率を演算し、相対速度等の情報も含めた先行車情報として車間制御ECU2に送信する。また、レーザレーダセンサ3自身のダイアグノーシス信号も車間制御ECU2に送信する。
【0038】
なお、前記スキャニング測距器は、車幅方向の所定角度範囲に送信波あるいはレーザ光をスキャン照射し、物体からの反射波あるいは反射光に基づいて、自車と前方物体との距離をスキャン角度に対応して検出可能な測距手段として機能している。
【0039】
さらに、車間制御ECU2は、このようにレーザレーダセンサ3から受信した先行車情報に含まれる車線確率等に基づいて、車間距離制御すべき先行車を決定し、先行車との車間距離を適切に調節するための制御指令値として、エンジンECU6に、目標加速度信号、フューエルカット要求信号、ODカット要求信号、3速シフトダウン要求信号、ブレーキ要求信号を送信している。また警報発生の判定をして警報吹鳴要求信号を送信したり、あるいは警報吹鳴解除要求信号を送信したりする。さらに、ダイアグノーシス信号、表示データ信号等を送信している。
【0040】
画像処理装置7は、車両前方の画像を取り込むための画像センサとマイクロコンピュータとを中心として構成されている電子回路であり、画像センサにて取り込まれた画像をデジタル処理し、前方画像情報として車間制御ECU2へ出力する。
【0041】
ブレーキECU4は、マイクロコンピュータを中心として構成されている電子回路であり、車両の操舵角を検出するステアリングセンサ8、ヨーレートを検出するヨーレートセンサ10、および各車輪の速度を検出する車輪速センサ12の出力に基づき操舵角やヨーレートを求めて、これらのデータをエンジンECU6を介して車間制御ECU2に送信したり、ブレーキ力を制御するためにブレーキ油圧回路に備えられた増圧制御弁・減圧制御弁の開閉をデューティ制御するブレーキアクチュエータ25を制御したりしている。またブレーキECU4は、エンジンECU6を介する車間制御ECU2からの警報要求信号に応じて警報ブザー14を鳴動する。
【0042】
エンジンECU6は、マイクロコンピュータを中心として構成されている電子回路であり、スロットル開度センサ15、車両速度を検出する車速センサ16、ブレーキの踏み込み有無を検出するブレーキスイッチ18、クルーズコントロールスイッチ20、クルーズメインスイッチ22、およびその他のセンサやスイッチ類からの検出信号あるいはボデーLAN28を介して受信するワイパースイッチ情報やテールスイッチ情報を受信し、さらに、ブレーキECU4からの操舵角(str-eng,S0 )信号やヨーレート信号、あるいは車間制御ECU2からの目標加速度信号、フューエルカット要求信号、ODカット要求信号、3速シフトダウン要求信号、警報要求信号、ダイアグノーシス信号、表示データ信号等を受信している。
【0043】
ここで、クルーズコントロールスイッチ20は、制御開始スイッチ、制御終了スイッチ、アクセルスイッチ、コーストスイッチ及びタップスイッチなどを備えている。制御開始スイッチは、クルーズ制御を開始可能状態にするためのスイッチであり、メインスイッチがONの状態で制御開始スイッチをONすることにより、クルーズ制御が開始できる状態となる。このクルーズ制御では、車間制御及び定速走行制御が所定条件下で選択的に実行されることになる。また、アクセルスイッチは、これを押すことにより、記憶されている設定車速を徐々に増加させるためのスイッチであり、コーストスイッチは、これを押すことにより、記憶されている設定車速を徐々に減少させるためのスイッチである。また、タップスイッチを介し、自車と先行車との車間距離を設定できるようになっている。車間距離は、運転者の好みに合わせて段階的に設定可能となっている。
【0044】
そして、エンジンECU6は、この受信した信号から判断する運転状態に応じて、内燃機関(ここでは、ガソリンエンジン)のスロットル開度を調整するスロットルアクチュエータ24、トランスミッション26に対して駆動命令を出力している。これらのアクチュエータにより、内燃機関の出力、ブレーキ力あるいは変速シフトを制御することが可能となっている。なお、本実施形態の場合のトランスミッション26は5速オートマチックトランスミッションであり、4速の減速比が「1」に設定され、5速の減速比が4速よりも小さな値(例えば、0.7)に設定された、いわゆる、4速+オーバードライブ(OD)構成になっている。したがって、上述したODカット要求信号が出された場合、トランスミッション26が5速(すなわち、オーバードライブのシフト位置)にシフトしていた場合には4速へシフトダウンする。また、シフトダウン要求信号が出された場合には、トランスミッション26が4速にシフトしていた場合には3速へシフトダウンする。その結果、これらのシフトダウンによって大きなエンジンブレーキが生じ、そのエンジンブレーキにより自車の減速が行われることとなる。
【0045】
また、エンジンECU6は、必要な表示情報を、ボデーLAN28を介して、ダッシュボードに備えられているLCD等の表示装置(図示していない。)に送信して表示させたり、あるいは現車速(Vn)信号、操舵角(str-eng,S0 )信号、ヨーレート信号、目標車間時間信号、ワイパスイッチ情報信号、アイドル制御やブレーキ制御の制御状態信号を、車間制御ECU2に送信している。
【0046】
次に、図2のフローチャートを参照して、車間制御処理を説明する。図2は、車間制御全体の処理を示すフローチャートである。尚、本処理は一定時間(本実施形態では0.2秒)の制御周期で繰り返し実行される。
処理が開始されると、レーザレーダセンサ3のスキャニング測距器による距離・角度の計測データを読み込む(S100)。そして、前方障害物の認識処理がなされる(S200)。
【0047】
この前方障害物の認識処理では、前方の物体がスキャニングされた結果と車速Vnとに基づいて、前方の物体の認識種別、物体幅W、物体の中心位置XY座標(自車に対する相対位置座標)および相対速度Vrが求められる。認識種別とは、移動物、停止物、不明物の区分をいう。例えば、自車が走行しているにもかかわらず物体の相対位置がほとんど移動していない場合は、その物体を移動物と認識できる。また次第に遠ざかる物体も移動物と認識できる。また物体の相対位置が自車に対して自車車速と同じ速度(絶対値)で近づく場合は停止物と認識できる。それ以外のもの、例えば現れてから認識できるほどの時間が経過していない物体等は、不明物として認識している。尚、この前方障害物の認識処理自体は当業者には良く知られた内容である。
【0048】
次に、カーブ検出処理が実行される(S300)。このカーブ検出処理では、ステアリングセンサ8からの信号に基づき実操舵角θを算出し、更に、その実操舵角θと、車両の運動特性から決定され且つ車速Vnをパラメータとする関数f(Vn)とから、走行路のカーブ半径Rを下記の式3の如く算出する。
R ← f(Vn)/θ …[式3]
なお、関数f(Vn)は、操舵角からカーブ半径Rを求める関数として一般的に知られているものであるため、詳細な説明は省略する。
【0049】
また、ステアリングセンサ8が相対的な操舵角(操舵角の変化量)に対応した信号を出力するタイプのものである場合には、ステアリングセンサ8からの信号に基づき検出される相対的な操舵角θ0に対しフィルタ処理を実施して、平均操舵角θaOを求めると共に、操舵角θ0を学習して中立位置の操舵角(自車の直進状態での操舵角)θcを求め、そのθcと上記平均操舵角θa0との偏差(θa0−θc)を実操舵角θとして求めることができる。なお、このような実操舵角θの算出方法については、前述の特開平8−279099号公報に詳細に記載されている。
【0050】
一方、ステアリングセンサ8が実操舵角に対応した信号を出力するタイプのものであれば、そのセンサ信号からカーブ半径Rを求めるための実操舵角θを直接算出することができる。
以上のようにして図3に示すような車両軌跡を特定するカーブ半径R(車両推定R)が得られる。こうして、カーブ半径Rが求まると、カーブ検出処理(S300)を終了して、次に車線幅推定処理(S400)に移る。
【0051】
この車線幅推定処理では、画像処理装置7からの前方画像情報に基づき、走行路の車線幅(推定車線幅)WRを推定する。これは例えば前方画像情報を2値化することによって画像中の走行路のレーンマーク(車線を示す白線)を検出することで行う。一般高速であれば3.50m、都市高速や国道であれば3.25m、細街路であれば3.00mというように走行路によって車線幅が異なるからである。
【0052】
このようにして車線幅WRが推定されると、車線幅推定処理(S400)を終了して、次に車線確率算出処理(S500)に移る。
この車線確率算出処理では、前方障害物として上記S200にて認識した各物体が、自車と同一の車線に存在する確率である自車線確率、及び自車の走行している車線に隣接する隣接車線に存在する隣接車線確率を求める。詳しくは自車の左側車線上に物体が存在する左車線確率及び自車の右側車線上に物体が存在する右車線確率を求める。
【0053】
図4に示すように、まず、上記ステップS400の処理で推定した走行路の車線幅(推定車線幅)WRを読み込み(S510)、次いで、読み込んだ推定車線幅WRから、車線確率を示す確率マップを補正する(S520)。
ここで、この確率マップについて説明する。
【0054】
図5に示す確率マップは、前方の物体が自車線(自車と同一の車線)上に存在する確率である自車線確率を求めるためのデータマップであり、直進路において前方に存在する物体が自車線上に存在する確率を、その物体の自車に対する相対位置座標に応じて示す2次元マップである。そして、その横軸(X軸)は車幅方向を示し、縦軸(Y軸)は自車の前方の距離を示している。また、このY軸は自車の中心を通るものであり、自車直進状態の車両軌跡に一致する。この確率マップは、領域a(自車線確率100%)、領域b(自車線確率75%)、領域c(自車線確率50%)、領域d(自車線確率25%)、それ以外の領域(自車線確率0%)からなっており、各領域はY軸で対称の関係にある。
【0055】
本実施例の確率マップは、図5に示すような自車線確率マップに加え、この自車線確率マップを車線幅WRに応じて車幅両方向へオフセットした隣接車線確率マップで構成されている。すなわち図6に示す如く、自車線確率マップ、自車線確率マップを車幅左方向へオフセットした左車線確率マップ、自車線確率マップを車幅右方向へオフセットした右車線確率マップから構成されている。
【0056】
上記S520の処理は、車線幅WRに応じて自車線確率マップのオフセット量を補正し、確率マップを補正するものである。
このようにして確率マップが車線幅WRに応じて補正されると、次に、前方障害物の認識処理(S200)にて得られたすべての物体の中心位置・物体幅データ(X0,Y0,W0)を、直進路に変換する(S530)。すなわち、カーブ検出処理(S300)で得られたカーブ半径Rに基づいて、そのカーブを直進路にした場合の、物体の座標(X,Y,W)を求める。
【0057】
そして次に、このようにして直進路に変換して得られた中心位置・物体幅データ(X,Y,W)を、上記ステップS530の処理で補正された確率マップ上に配置して、各物体の瞬時自車線確率P0、及び瞬時隣接車線確率Qr0,Ql0を求める(S540,S550)。ここでQl0は瞬時左車線確率であり、Qr0は瞬時右車線確率である。なお、確率として物体が存在するのは、操舵角から求めるカーブ半径Rと実際のカーブ半径との間に誤差が存在するからであり、その誤差を考慮した制御をするために、各物体の瞬時自車線確率P0及び瞬時隣接車線確率Qr0,Ql0を求める。
【0058】
ここで、各物体の瞬時自車線確率P0が、図6中の自車線確率マップ(詳しくは図5に示した)に従い決定される。
▲1▼領域a内に中心が存在する物体→ P0=100%
▲2▼領域b内に中心が存在する物体→ P0= 75%
▲3▼領域c内に中心が存在する物体→ P0= 50%
▲4▼領域d内に中心が存在する物体→ P0= 25%
▲5▼上記▲1▼〜▲4▼を満たさない物体 → P0= 0%
また、各物体の瞬時隣接車線確率として、瞬時左車線確率Ql0が図6中の左車線確率マップに従い決定され、瞬時右車線確率Qr0が図6中の右車線確率マップに従い決定される。図6中の左車線確率マップ及び右車線確率マップは、上述したように図5に示す自車線確率マップをオフセットしたものであるため、瞬時自車線確率P0と同様の条件で決定される。
【0059】
次に、このようにして得られた各物体の瞬時車線確率P0,Ql0,Qr0を次の式4〜6により時間平均して自車線確率P、左車線確率Ql及び右車線確率Qrを求める。ここではいわゆるフィルタ処理を行う(S560)。ただし、車線確率P,Ql,Qrの初期値は「0%」である。
P ←P ×0.8+P0 ×0.2 …[式4]
Ql←Ql×0.8+Ql0×0.2 …[式5]
Qr←Qr×0.8+Qr0×0.2 …[式6]
次に、上記車線確率にリミットを設け、最終的な車線確率P,Qr ,Ql を決定する(S570)。
【0060】
尚、自車線確率のリミットは次のように設定される。
▲1▼認識種別が移動物の場合は、上記式4〜6で算出されたままの車線確率とする。
▲2▼認識種別が停止物の場合は、次の(a)〜(e)いずれかの条件を満足すれば、車線確率P,Ql,Qrの最大値を20%とする。
【0061】
(a)Y0 > 40m かつ W0 < 1.4m
(b)Y0 > 30m かつ W0 < 1.2m
(c)Y0 > 20m かつ W0 < 1.0m
(d)認識されてから1秒未満のもの(スキャン5回に満たないもの)
(e)他の移動物の中に、車線確率P,Ql,Qr≧50%であって、自身よりも長く認識されている物体が存在する。
【0062】
以上のようにして、図2の車線確率算出処理(S500)にて各物体の車線確率、すなわち自車線確率P、左車線確率Ql及び右車線確率Qrが求められる。
次に、車線変更時処理(図2中のS600)を実行する。
この車線変更時処理は、図7に示すように、まず最初に車線変更があったか否かを判断する(S610)。この判断は、画像処理装置7から繰り返し出力される前方画像に基づきレーンマークを跨いだか否かで判断する。レーンマークを跨いでいない場合(S610:NO)、以降の処理を実行せず本車線変更時処理を終了する。一方、レーンマークを跨いだと判断されると(S610:YES)、S620へ移行する。
【0063】
S620では、右側車線へ車線変更したか否かを判断する。この判断は、右側のレーンマークを跨いだか否かで行う。右側車線へ車線変更したと判断された場合(S620:YES)、左車線確率Qlに自車線確率Pを代入し、自車線確率Pに右車線確率Qrを代入し、さらに右車線確率Qrに初期値(「0%」)を代入して(S630)、本車線変更時処理を終了する。一方、右側車線へ車線変更したと判断されなかった場合(S620:NO)、すなわち、左側車線へ車線変更したと判断された場合には、右車線確率Qrに自車線確率Pを代入し、自車線確率Pに左車線確率Qlを代入し、さらに左車線確率Qlに初期値(「0%」)を代入して(S640)、本車線変更時処理を終了する。
【0064】
この車線変更時処理は、本実施例の特徴部分であるため、さらに具体的に説明する。図8に示すように、障害物として認識された物体Aに対して車線確率としての自車線確率P、左車線確率Ql及び右車線確率Qrが算出されることは上述した。図8に示すような自車の車線変更(レーンチェンジ)に伴い、これら算出した確率の入れ替え操作を行うのが、図7のフローチャートを用いて上述した車線変更時処理である。例えば図8の中段に示すように、自車が左側車線に車線変更したときには(図7中のS620:NO)、変更前の左車線確率Qlを変更後の自車線確率Pとし、変更前の自車線確率Pを変更後の右車線確率Qrとし、変更後の左車線確率には初期値を設定する。一方、右側車線に車線変更したときには(図7中のS620:YES)、図8の下段に示すように、変更前の右車線確率Qrを変更後の自車線確率Pとし、変更前の自車線確率Pを変更後の左車線確率Qlとし、変更後の右車線確率Qrには初期値を設定する。
【0065】
ここで図2のフローチャートの説明に再び戻る。
次に、認識された物体の内から、先行車が選択される(S700)。この先行車選択処理(S700)を図9に示す。
まず、移動物と停止物とに分けて、移動物から走行中の先行車を1台抽出し(S710)、次に停止物から停止中の先行車を1台抽出する(S720)。
【0066】
[移動物の場合](S710)
▲1▼次の条件を満たす移動物で自車線確率Pが最大のものを抽出する。
(a) |R|<500mのとき、 自車線確率P>30%
(b) 500m≦|R|<1000mのとき、自車線確率P>40%
(c)1000m≦|R|のとき、 自車線確率P>50%
このように、カーブ半径Rの絶対値が小さいほど抽出条件が緩い(自車線確率Pが小さいものも抽出される)のはカーブ半径Rの絶対値が小さいほど先行車を見つけにくいからである。
【0067】
▲2▼上記▲1▼にて複数の移動物が抽出された場合は、「それらの移動物の内の最大の自車線確率P−15%」以上の自車線確率Pを有する移動物、または自車線確率P≧70%の移動物のいずれかに該当する移動物の内で、Y0が最小の移動物を走行中の先行車として抽出する。上記▲1▼にて抽出されなかったら走行中の先行車は無しとする。
【0068】
[停止物の場合](S720)
自車線確率P≧70%の停止物の中でY0が最小の停止物を停止中の先行車として抽出する。抽出されなければ、停止中の先行車は無しとする。停止物の場合は、路側物を先行車として判断しないために、基準が移動物より厳しくされている。
【0069】
次に、この先行車選択処理では、[総合判断]として、上記[移動物の場合](S710)および[停止物の場合](S720)の抽出結果から、次のように先行車を選択する(S730)。
▲1▼走行中の先行車も停止中の先行車もいずれも存在しない場合は、先行車無しとする。
【0070】
▲2▼走行中の先行車および停止中の先行車のいずれか一方が存在する場合、それを先行車とする。
▲3▼走行中の先行車および停止中の先行車のいずれも存在する場合、Y0が小さい方を先行車とする。
【0071】
こうして先行車検出処理(S100〜S700)が終了すると、次に車間制御処理(S800〜S1100)に移る。
最初に、図10のフローチャートに示す目標車間算出処理が実行される(S800)。
【0072】
まず、イニシャル中か否かが判定される(S801)。イニシャル中とは、電源オンした後に本処理が最初に実行されたタイミングを意味する。
最初は、ステップS801にて肯定判定されて、目標車間時間THとして初期値T0が設定される(S802)。この初期値T0としては、例えば「2.5秒」が設定される。
【0073】
ステップS801にて否定判定された場合に、あるいはステップS802の処理後に、タップダウン操作が有ったか否かが判定される(S803)。更にステップS803にて否定判定された場合には、タップアップ操作が有ったか否かが判定される(S804)。
【0074】
タップダウン操作とは、ドライバーによるクルーズコントロールスイッチ20にあるタップスイッチの操作により、車間を大きくする操作である。また、タップアップ操作とは、逆にタップスイッチの操作により、車間を小さくする操作である。
【0075】
タップダウン操作がなされていれば、ステップS803にて肯定判定されて、次の式7の如く、目標車間時間THの増加処理がなされる(S806)。
TH ← TH + 0.18秒 …[式7]
ただし、次のステップS807,S808の処理により目標車間時間THの上限は3.3秒とされる。
【0076】
一方、タップアップ操作がなされていれば、ステップS804にて肯定判定されて、次の式8の如く、目標車間時間THの減少処理がなされる(S809)。
TH ← TH − 0.18秒 …[式8]
ただし、次のステップS810,S811の処理により目標車間時間THの下限は0.7秒とされる。
【0077】
こうして、目標車間時間THが設定されると、次に、その目標車間時間THが、次の式9のごとく、自車速Vnにより目標車間距離Dtに換算される(S805)。
Dt ← TH × Vn …[式9]
次に、図11のフローチャートに示す加減速率算出処理(S900)が実行される。
【0078】
まず、コースト中か否かが判定され(S901)、コースト中でなければアクセル中か否かが判定され(S902)、アクセル中でなければ先行車認識中か否かが判定される(S903)。
ここで、コーストとは、定速走行制御中にクルーズコントロールスイッチ20のセットスイッチが押されたとき、減速制御し、その後、セットスイッチが放されたときの自車速Vnを目標速度Vmとして定速走行制御に移行するものであり、コースト中とはこの減速制御の期間を意味する。また、アクセルとは、定速走行制御中にクルーズコントロールスイッチ20のリジュームスイッチが押されたとき、増速制御し、その後、リジュームスイッチが放された時の自車速Vnを目標速度Vmとして定速走行制御に移行するものであり、アクセル中とはこの増側制御の期間を意味する。
【0079】
したがって、コースト中であれば、ステップS901にて肯定判定されて、加減速率Atに「−2.6km/h/s」が設定され(S910)、アクセル中であれば、ステップS902にて肯定判定されて、加減速率Atに「2.6km/h/s」が設定される(S909)。
【0080】
またコースト中でもアクセル中でもないときに、先行車認識中、すなわち、図2中のステップS700にて先行車が選択されている場合には、ステップS903にて肯定判定されて、基本加減速率算出処理(S904)が実行される。
ここで、基本加減速率算出処理(S904)は次のようになされる。
【0081】
▲1▼車間偏差Deを、次の式10のごとく、先行車との車間D(=Y)および図10中のS805にて得られた目標車間距離Dtとから算出する。
De ← D − Dt …[式10]
▲2▼次に、この車間偏差Deと相対速度Vrとから、図12に示すようなマップデータに基づき、基本加減速率MDV(km/h/s)を求める。
【0082】
次に上記基本加減速率MDVを距離により補正するため、補正係数KMDVを、図13に示す車間Dとの関係から求める(S905)。これは遠方の先行車に過敏な反応をしないようにするためである。
次に、式11のごとく加減速率Atを求める(S906)。
At ← MDV×KMDV/100 …[式11]
また、ステップS903にて否定判定された場合、アクセル終了後5秒以内である場合には、ステップS907にて肯定判定されてステップS909にて加減速率Atを「2.6km/h/s」に設定し、アクセル終了後5秒以内でなければ、ステップS907にて否定判定されてステップS908にて加減速率Atを「1.3km/h/s」に設定する。
【0083】
ここで、ステップS907にて肯定判定された場合に、加減速率Atが2.6km/h/sとされるのは、ドライバーの意志をできるだけ尊重するという意図から、ドライバーが加速したいという意志を表したときは、これを優先する制御にしているためである。
【0084】
こうして加減速率算出処理(S900)が終了し、次に目標車速算出処理(S1000)が行われる。
目標車速算出処理(S1000)は、図14に示すごとく実施され、まず、目標車速Vmが次の式12のごとく算出される(S1010)。
Vm ← Vm + At×dt …[式12]
ここで、dtはステップS1010の処理の時間間隔を表し、本実施形態では「0.2秒」である。
【0085】
次に、ステップS1010にて求められた目標車速Vmに次のような限界が設けられる(S1020)。
▲1▼Vm>Vn+2km/hで、かつAt<0のときは、次の式13のごとく目標車速Vmを設定する。
Vm ← Vn + 2km/h …[式13]
▲2▼Vm<Vn−2km/hで、かつAt>0のときは、次の式14のごとく目標車速Vmを設定する。
Vm ← Vn − 2km/h …[式14]
▲3▼上記▲1▼▲2▼の制限とともに、更に目標車速Vmを次のように制限する。
【0086】
すなわち、
(a)目標車速Vmはドライバーにより設定されている定速走行制御用の設定車速Vs以上とはしない。ただしアクセル中は除く。
(b)目標車速Vmは、次の式15を満足するものとする。
Vn−8km/h≦Vm≦Vn+3.5km/h …[式15]
こうして、先行車が認識されている場合の目標車速Vmが設定される。
【0087】
目標車速Vmが決定した後に、スロットル全閉条件が成立しているか否かが判定され(S1030)、成立していなければスロットル全閉解除条件が成立しているか否かが判定される(S1050)。
スロットル全閉条件とは、自車速Vnが目標車速Vmより上がりすぎた場合に、迅速に減速させる処理を開始させるための条件であり、次の式16に示す。またスロットル全閉解除条件とは、その減速処理を停止させるための条件であり、次の式17に示す。
Vm < Vn−3km/h …[式16]
Vm ≧ Vn−2km/h …[式17]
ステップS1030の条件が満足されれば、スロットル全閉制御(S1040)が行われる。またステップS1050の条件が満足されれば、スロットル全閉制御の解除処理(S1060)が行われる。
【0088】
スロットル全閉制御とは、内燃機関のスロットルバルブの開度を制御しているモータの回転速度を決定するデューティを、スロットルバルブが閉じる方向に最大のデューティ出力(最高速)として減速制御することを意味する。
このようにして、目標車速算出処理(S1000)が終了すると、従来から知られている定速車速制御と同様にして、ステップS1000で求められた目標速度Vmを目標とした車速制御が行われる(S1100)。つまり、車速センサ10からの信号に基づき検出される自車速Vnが目標速度Vmとなるように、ブレーキアクチュエータ25、スロットルアクチュエータ24およびトランスミッション26が制御される。
【0089】
次に本実施例のシステムが発揮する効果を説明する。なお、ここでの説明に対する理解を容易にするため、最初に従来のシステムの問題点を繰り返し述べる。従来のシステムでは、自車線確率Pのみを算出していた。そして、適切な先行車を選択するために、上記式2で示したようなフィルタ処理を行い自車線確率をなまして算出していた。そのため、車線変更によって確率マップから得られる瞬時自車線確率P0が急激に大きくなった場合であっても、車線変更前の自車線確率Pが比較的小さいと、適正な自車線確率が算出されるまでに数回の演算処理が必要となっていた。つまり、車線変更時においては、瞬時自車線確率P0への追随性が悪化していたのである。このため、車線変更後、自車線確率に基づく先行車の選択処理に遅れが生じるという問題があった。
【0090】
これに対して、本実施例のシステムでは、自車線確率だけでなく、隣接車線確率を求めることを特徴としている。具体的に隣接車線確率として、自車の右側車線上に物体が存在する確率である右車線確率Qr及び自車の左側車線上に物体が存在する確率である左車線確率Qlを求めている(図4中のS550)。
【0091】
そして、自車線から隣接車線への車線変更を判断し(図7中のS610,S620)、その車線変更に応じて算出した車線確率の入れ替えを行う(S630,S640)。具体的には、図8に示すように、左側車線へ車線変更した場合には、変更前の左車線確率Qlを変更後の自車線確率Pとする。逆に右側車線へ車線変更した場合には、変更前の右車線確率Qrを変更後の自車線確率Pとする。
【0092】
これによって、例えば右側車線前方に物体が存在する状況下で右側車線へ車線変更した場合、例えば100%といった右車線確率が自車線確率として採用されるため、車線変更直後にその物体の自車線確率は100%となる。したがって、フィルタ処理による影響を受けることがなく、その結果、選択手段が、この自車線確率に基づいて先行車を選択すれば、適切に先行車が選択でき、しかも、先行車の置き換えが迅速になる。
【0093】
また、本実施例では、図8に示すように、左側車線へ車線変更した場合には、変更前の自車線確率Pを変更後の右車線確率Qrとする。逆に右側車線へ車線変更した場合には、変更前の自車線確率Pを変更後の左車線確率Qlとする。
これによって、例えば物体の自車線確率が100%であった場合、自車が右側車線へ進路変更することによって、車線変更後には、その物体の左車線確率が100%となる。
【0094】
したがって、即座に左側車線へ車線変更した場合、車線変更後にその物体の自車線確率は100%となる。その結果、選択手段がこの自車線確率に基づいて先行車を選択すれば、一旦隣接車線へ車線変更し即座に元の車線へ車線変更した場合であっても、適切に先行車が選択でき、しかも、先行車の置き換えが迅速になる。
【0095】
以上、本発明はこのような実施例に何等限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施し得る。
(1)上記実施例では、自車線確率Pに加え、隣接車線確率として左車線確率Ql及び右車線確率Qrを求め、車線変更に応じてこれら自車線確率P、左車線確率Ql及び右車線確率Qrの計3車線に対応する確率の入れ替えを行う構成であった。これに対して、3車線よりも多くの車線に対応する確率を求め、車線変更に応じてそれらの確率を入れ替える構成としてもよい。このようにすれば、同方向へ連続的に車線変更するという状況下においても、迅速な先行車の置き換えが可能となる。ただし、車両前方の物体を広範囲に認識する必要がある。
【0096】
(2)また、上記実施例では、ステアリングセンサ8を用いてカーブ半径Rを推定する構成であったが、画像処理装置7からの前方画像情報を用いてカーブ半径Rを推定することもできる。ステアリングセンサ8を用いた場合、現在のカーブ半径Rは分かるが、走行路が前方でどのようにカーブしているかは分からない。一方、画像処理装置7からの前方画像情報を用いれば、走行路前方のカーブ状態を表すカーブデータが得られるため、適切なカーブデータを得ることができる。その結果、自車線確率及び隣接車線確率を精度よく求めることができる可能性が高くなる。
【0097】
(3)さらにまた、上記実施例では、前方障害物の認識処理(S200)にて得られたすべての物体の中心位置・物体幅データ(X0,Y0,W0)を、カーブ検出処理(S300)で得られたカーブ半径Rに基づいて、そのカーブを直進路にした場合の物体の座標(X,Y,W)を求め、さらに、直進路に変換して得られた中心位置・物体幅データ(X,Y,W)を、確率マップ上に配置して、各物体の瞬時自車線確率P0及び瞬時隣接車線確率Qr0,Ql0を求めていた(S540,S550)。そして、この場合には、車線幅推定処理(S400)を行い、推定された車線幅に従い、車線確率を算出するための確率マップを補正していた(S520)。
【0098】
これに対して、画像処理装置7からの前方画像情報に基づいて車線確率を算出することも考えられる。以下にこの手法による車線確率の算出処理を図15のフローチャート及び図16〜図19の説明図を用いて説明する。
図15に示す車線確率算出処理は、図2中のS300〜S500の処理に代えて用いられる。
【0099】
まず最初のステップS5010では、透視変換を行う。この処理は、前方障害物の認識処理(S200)にて得られたすべての物体の中心位置データ(X0,Y0)を、以下の式18、19を用いて画面上の座標データに変換するものである。なお、上記実施例では、物体のデータは、2次元データであるため、物体の高さH0は、レーザレーダセンサ3の備える測距センサの取り付け高さとする。また、fは画像光学系焦点距離である。
x ← f × X0/Y0 …[式18]
y ← f × H0/Y0 …[式19]
続くS5020では、前方画像情報に基づき、レーンマーク(車線を示す白線)の検出を行う。この処理は、上述したように画像情報を2値化して白線部分をピックアップするものである。
【0100】
次のS5030では、図16に示すように画像横方向(車幅方向)のラインAを画像の所定位置に想定し、このラインとレーンマークとの交点を見つけることにより、車線領域を推定する。例えば自車線の左側レーンマークとの交点L及び自車線の右側レーンマークとの交点Rが得られれば、自車線領域が分かる。このとき、隣接車線の外側のレーンマークが画像から得られなくても、図16に示すような破線を想定することにより、隣接車線領域を推定できる。想定した車線領域には、図16に示すように目盛りを割り付ける。ここでは左側車線領域を−100〜0として示し、自車線領域を0〜100として示し、右側車線領域を100〜200として示した。
【0101】
このようにして推定された車線領域に基づいて車線確率を算出するための確率分布のグラフを図17及び図18に基づいて説明する。
図17は、自車線確率の分布を示すグラフである。この確率分布は、車線領域の中央が最も高く、レーンマーク上で「0」となり、領域の外側ではマイナスとなっている。例えば上述したように推定した車線領域に割り振った目盛りで「50」の位置に物体があれば、確率は100%となる。
【0102】
隣接車線確率の分布も同様に示すことができる。したがって、推定した車線領域に対応させて車線確率を示す分布を表せば、図18に示す如くとなる。このようなマップを用いれば、認識された物体の横軸位置から、その物体の自車線確率、左車線確率及び右車線確率を得ることができる。
【0103】
したがって、続くS5040では、画像上の座標xを、以下の式20を用い、上述したような領域に割り振られたスケールに対応する領域位置座標xsに変換する。なお、自車線左側のレーンマークとの交点をLとし、自車線右側のレーンマークとの交点をRとした。
xs ← (x−L)/(R−L)×100 …[式20]
次のS5050では、この領域位置の座標xsを図18で示したマップに当てはめて、瞬時自車線確率P0、瞬時左車線確率Ql0及び瞬時右車線確率Qr0を得る。
【0104】
続くS5060では、信頼度に基づく瞬時車線確率P0,Ql0,Qr0の補正を行う。信頼度は、画像上下方向に対応させて設定しておくことが考えられる。図19に示す如くである。なぜなら、下側に映る画像ほど自車に近いところにあるため信頼度が高くなるからである。
【0105】
図19に基づき、画像y座標から信頼度Sを特定し、以下式21〜23にて瞬時の車線確率P0,Ql0,Qr0を補正する。
P0 ← P0 × S …[式21]
Ql0 ← Ql0 × S …[式22]
Qr0 ← Qr0 × S …[式23]
そして、次のS5070では、上述した図4中のS560と同様のフィルタ処理を行い、自車線確率P、左車線確率Ql及び右車線確率Qrを算出し、その後、本車線確率算出処理を終了する。
【0106】
以上が前方画像情報に基づく車線確率の算出手法である。
この場合、画像中のレーンマーク位置L,Rで車線領域を推定し、物体の中心位置(X0,Y0)を、透視変換することによって画像上の相対位置(x,y)に変換して(図15中のS5010)車線確率を得る。したがって、走行路前方のカーブ状態や車線幅の情報を含めて、自車線確率及び隣接車線確率を求めることができる。
【0107】
また、画像上下方向、すなわち相対位置(y)に対する信頼度を設定しておき(図19参照)、この信頼度を用いて車線確率を補正しているため(S5060)、前方画像を用いた場合の誤差を極力考慮した確率の算出が可能となる。
さらに、上述した手法では、画像上の相対位置(x)をレーンマーク位置L,Rを用いた内外分比を計算することによって、推定した車線領域に対応する領域位置を算出する(S5040)。その結果、演算処理が簡単になっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の車間制御装置のシステムブロック図である。
【図2】車間制御処理全体を示すフローチャートである。
【図3】算出されるカーブ半径Rの意味を示す説明図である。
【図4】車線確率算出処理の詳細を示すフローチャートである。
【図5】自車線確率マップを例示する説明図である。
【図6】実施例の確率マップを示す説明図である。
【図7】車線変更時処理の詳細を示すフローチャートである。
【図8】車線変更時処理を具体的に示した説明図である。
【図9】先行車選択処理の詳細を示すフローチャートである。
【図10】目標車間算出処理の詳細を示すフローチャートである。
【図11】加減速率算出処理の詳細を示すフローチャートである。
【図12】車間偏差と相対速度とから基本加減速率を求めるマップである。
【図13】車間と補正係数との関係を示すグラフである。
【図14】目標車速算出処理の詳細を示すフローチャートである。
【図15】別実施例の車線確率算出処理を示すフローチャートである。
【図16】車線領域の推定処理を示す説明図である。
【図17】車線領域に対する自車線確率の分布を示す説明図である。
【図18】車線領域に対する車線確率の分布を示す説明図である。
【図19】画像上下位置と信頼度との対応関係を示す説明図である。
【符号の説明】
2…車間制御用電子制御装置(車間制御ECU)
3…レーザレーダセンサ
4…ブレーキ電子制御装置(ブレーキECU)
6…エンジン制御用電子制御装置(エンジンECU)
7…画像処理装置
8…ステアリングセンサ
10…ヨーレートセンサ
14…警報ブザー
15…スロットル開度センサ
16…車速センサ
18…ブレーキスイッチ
20…クルーズコントロールスイッチ
22…クルーズメインスイッチ
24…スロットルアクチュエータ
25…ブレーキアクチュエータ
26…トランスミッション
28…ボデーLAN
Claims (7)
- 認識対象の物体の自車に対する相対位置を算出する物体認識手段と、
自車の走行路に関連する走行路情報を取得する走行路情報取得手段と、
該走行路情報取得手段にて取得された走行路情報と前記物体認識手段にて算出された前記物体の相対位置とに基づき、前記物体が自車と同一の車線である自車線上に存在している確率を時間平均化した自車線確率を求める車線確率算出手段と、
前記自車線確率に基づいて、自車に対する先行車を選択する選択手段とを備えた先行車選択装置において、
さらに、
前記車線確率算出手段は、前記走行路情報取得手段にて取得された走行路情報と前記物体認識手段にて算出された前記物体の相対位置とに基づき、前記物体が自車線に隣接する進行方向左側の車線である左側車線上に存在する確率を時間平均化した左車線確率及び前記物体が自車線に隣接する進行方向右側の車線である右側車線上に存在する確率を時間平均化した右車線確率からなる隣接車線確率を求め、
前記左側車線又前記右側車線へ自車が車線変更したことを判断する車線変更判断手段と、
該車線変更判断手段にて前記左側車線に車線変更したことが判断されると、前記車線確率算出手段にて算出された車線変更前の左車線確率を車線変更後の自車線確率とし、一方、前記右側車線に車線変更したことが判断されると、前記車線確率算出手段にて算出された車線変更前の右車線確率を車線変更後の自車線確率とする車線確率入替手段とを備え、
前記車線確率入替手段は、さらに、前記車線変更判断手段にて前記左側車線に車線変更したことが判断されると、前記車線確率算出手段にて算出された車線変更前の自車線確率を車線変更後の右車線確率とし、一方、前記右側車線に車線変更したことが判断されると、前記車線確率算出手段にて算出された車線変更前の自車線確率を車線変更後の左車線確率とすることを特徴とする先行車選択装置。 - 請求項1に記載の先行車選択装置において、
前記走行路情報取得手段は、走行路のカーブ状態を表すカーブデータを前記走行路情報として取得し、
前記車線確率算出手段は、直進路における前記物体の前記自車線確率及び前記隣接車線確率を、該物体の自車に対する相対位置に応じて示す確率マップを記憶しており、前記物体認識手段により算出された前記物体の相対位置を、前記走行路情報取得取得手段にて取得された前記カーブデータを用いて直進路に該当する相対位置に変換し、前記確率マップに当てはめて、前記物体の前記自車線確率及び前記隣接車線確率を求めることを特徴とする先行車選択装置。 - 請求項2に記載の先行車選択装置において、
前記確率マップは、自車線確率マップ及び当該自車線確率マップを車幅方向に所定量だけオフセットした隣接車線確率マップで構成されていることを特徴とする先行車選択装置。 - 請求項3に記載の先行車選択装置において、
さらに、車線幅を測定する車線幅測定手段を備え、
前記車線確率算出手段は、該車線幅測定手段にて測定された車線幅に基づき前記所定量を変更して前記確率マップを補正することを特徴とする先行車選択装置。 - 請求項1に記載の先行車選択装置において、
前記走行路情報取得手段は、車両前方の画像を取り込む撮像手段を用いて構成されており、当該撮像手段にて取り込まれた画像情報を前記走行路情報として取得し、
前記車線確率算出手段は、物体認識手段にて算出された前記物体の相対位置を透視変換することによって前記走行路情報取得手段にて取り込まれた前記画像上の相対位置に変換し、前記画像情報から車線を示すレーンマークを検出することによって前記画像上の自車線領域及び隣接車線領域を推定し、当該推定した自車線領域及び隣接車線領域と前記画像上の前記物体の相対位置とに基づき、前記物体の前記自車線確率及び前記隣接車線確率を求めることを特徴とする先行車選択装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の先行車選択装置と、
自車両を加減速させる加速手段及び減速手段と、
前記先行車選択装置によって選択された先行車と自車との間の距離に相当する物理量である実車間物理量と、自車と先行車との目標車間距離に相当する物理量である目標車間物理量との差である車間偏差、及び自車と先行車との相対速度に基づき、前記加速手段及び減速手段を駆動制御することによって、自車を先行車に追従させて走行させる車間制御手段と、
を備えることを特徴とする車間制御装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の先行車選択装置の前記車線確率算出手段、前記車線変更判断手段及び前記車線確率入替手段としてコンピュータシステムを機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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