JP4229189B2 - 先行車選択装置、車間制御装置、車間警報装置及び記録媒体 - Google Patents

先行車選択装置、車間制御装置、車間警報装置及び記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、車間制御や車間警報の対象となる先行車を選択する装置、当該先行車選択装置を備えた車間制御装置や車間警報装置、および記録媒体に関する。
従来より、車両の走行安全性を向上させると共に、運転者の操作負担を軽減するための技術として、自車を先行車に自動的に追従させる車間制御装置が知られている。また、自車が先行車に近づきすぎた場合にその旨を運転者に報知する車間警報装置が知られている。これら車間制御装置や車間警報装置を構成するためには、その前提として、車間制御や車間警報の対象とすべき先行車を選択する装置を備えていることが必要である。
このような装置としては、従来より、レーザレーダ装置が用いられている。しかし、レーザレーダから照射されるレーザビームの方向が固定されていると、カーブ走行中は、自車線上を遠方まで照射することができず、路肩の看板やリフレクタ等に加えて他車線を走行している車両を、先行車として検出してしまうことがあった。これを解決するものとして、レーザビームを所定範囲内で走査するスキャン型レーザレーダが提案されている。このスキャン型レーザレーダを用いて先行車の選択を行う場合には、検出した車両の横方向位置(自車の進行方向に直交する水平方向位置)を使用していた。
また、特許文献1には、自車に対する割込車両の有無を判定するのに、前方車の横方向の速度を用いる技術が開示されている。これは、割込車両の横相対速度を算出し、この横相対速度から割込車両が自車走行路(自車正面)に到達する時間を求め、この時間と自車走行路への到達時の車間距離とから割込の有無を判定するものである。つまり、検出時点の横方向位置からすると自車線上には居ないが、横方向速度を考慮すると将来的には自車の前方に割り込んでくると推測されるものを割込車両と判定することで、レスポンスを向上させようというものである。
特開平10−205366号公報
しかしながら、上述した特許文献1記載の「自車に対する割込車両の有無を判定する手法」においては、次のような問題がある。例えば3車線ある道路の中央車線を自車が走行している場合に、自車の右側車線を走行していた先行車が中央車線(つまり自車線)を通過して自車の左側車線へ車線変更する状況を考える。この状況では、先行車は最終的に左側車線へ移動して自車線上から外れるので車間制御の対象とすべきでないが、上記公報記載の手法によれば、その車両が自車走行路(自車正面)に到達する時間が算出され、制御対象の先行車であると判定されてしまう。したがって、不要な減速制御などが発生してしまうこととなる。
また、先行車選択という観点からすると、このような割込車両以外にもいくつかの考慮すべき状況が考えられる。
例えば、(i)先行車が車線変更したり、あるいは右左折して自車線外へ出ていく場合
を考えると、その先行車が自車線から出た後に先行車としての選択が解除されることとなる。また、(ii)自車が追い越しのために車線変更したり、あるいは右左折する先行車を
避けようとして自車線外に出る場合を考えると、元の自車線上の先行車は、自車が自車線から出た後に先行車としての選択が解除されることとなる。
これら(i)(ii)の場合には、先行車や自車が車線変更することに起因して生じるも
のであるが、いずれも将来的に先行車とはならないものまで先行車選択しておくこととなり、無用な処理負荷の増加につながる。また、単なる処理負荷の増加だけでなく、例えばその将来的に先行車とはならない車両を対象とした車間制御や車間警報が行われると、運転者をはじめとした自車の乗員に不安感や違和感を与える可能性もある。
さらに、(iii)自車が車線変更をする場合、自車が車線変更先の車線(例えば隣り車線
)に入ってからでないと、その隣り車線上の先行車が先行車選択されない。つまり、従来技術のような割込車両への対処ではなく、自車の車線変更に起因しても、先行車としての選択が遅れてしまうこととなる。先行車としての選択が遅れるということは、その選択された先行車を対象として行う車間制御や車間警報の実行タイミングの遅れを招来し、やはり、運転者をはじめとした自車の乗員に不安感や違和感を与える可能性がある。
そこで、本発明は、先行車としての選択解除を早期に行うと共に、真に選択すべき先行車に対して確実に選択することができるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1に係る先行車選択装置によれば、物体認識手段が、認識対象の物体の自車に対する相対位置及び相対速度を算出する。
選択手段は、物体認識手段にて算出された物体の相対位置に基づき、物体が自車の進行方向を基準として定められた自車線領域内に存在するか否かを判定し、その判定結果に基づいて自車に対する先行車を選択する。
このような先行車選択を前提としているのであるが、上述の物体認識手段は、自車の進行方向に直交する横方向への物体の相対速度である横移動速度も算出することができるようにされている。
そして、選択手段は、横移動速度を用いて物体の所定時間後の横方向の位置である予測横位置を算出し、現在の横方向の位置である現在横位置と予測横位置とに基づいて先行車選択処理を行う。また、選択手段は、現在横位置が自車線領域内に存在し、且つ予測横位置が自車線領域外に存在する場合には、先行車としての選択を解除する。その際、現在横位置及び予測横位置に基づいて、物体が自車線領域内に所定時間以上滞在していたかどうかを判定し、滞在していなかった場合には、予測横位置が自車線領域外に存在していても、先行車としての選択を解除しないようにする。
この選択手段による先行車選択処理として、請求項2に示すように、現在横位置が自車線領域内に存在し、且つ予測横位置も自車線領域内に存在する場合には、先行車としての選択を継続することが考えられる。さらに、請求項3に示すように、現在横位置が自車線領域外に存在し、且つ予測横位置も自車線領域外に存在する場合には、先行車としての選択をしないことが考えられる。そしてさらに、請求項4に示すように、現在横位置が自車線領域外に存在し、且つ予測横位置が自車線領域内に存在する場合には、先行車として選択することも考えられる。もちろん、これらを全て行ってもよい。
このようにすれば、上述した特開平10−205366号公報記載の「自車に対する割込車両の有無を判定する手法」に対して次の点で有利である。つまり、例えば3車線ある道路の中央車線を自車が走行しており、自車の右側車線を走行していた先行車が中央車線(つまり自車線)を通過して自車の左側車線へ車線変更する状況では、先行車は最終的に左側車線へ移動して自車線上から外れるので車間制御の対象とすべきでないが、従来技術の場合には、制御対象の先行車であると判定してしまい、不要な減速制御などが発生してしまうこととなる。これに対して、本発明の先行車選択装置によれば、予測横位置という概念を導入し、この予測横位置と自車線領域との対比によって対象とすべき先行車か否かを判定している。そのため、上述した一時的に自車の前を横切る車両については先行車として選択せず、不要な減速などを防止することができる。
また、上述した問題(i)の「先行車が車線変更や右左折などで自車線外へ出ていく場
合、その先行車が自車線から出た後でないと先行車としての選択が解除されない」という点に対して、先行車が自車線から出る前に先行車としての選択を解除することができる。また、問題(ii)の「自車が追い越しのためや右左折する先行車を避けようとして自車線
外に出る場合、元の自車線上の先行車は、自車が自車線から出た後でないと先行車としての選択が解除されない」という点に対して、自車が自車線から出る前に先行車としての選択を解除することができる。
このように、将来的に先行車とはならないものまで先行車選択しておくことがなくなり、無用な処理負荷の増加を防止できる。そして、この先行車選択装置にて選択した先行車を対象として車間制御や車間警報をする場合を想定すると、将来的に先行車とはならない車両を対象とした車間制御や車間警報が行われることを防止でき、運転者をはじめとした自車の乗員が持つ不安感や違和感を低減あるいは無くすことができる。
また、問題(iii)の「自車が車線変更をする場合、自車が車線変更先である例えば隣り
車線に入ってからでないと、その隣り車線上の先行車が先行車選択されない」という点に対しても、自車が隣り車線に入る前に、その隣り車線を走行している車両を先行車として選択できる。つまり、従来技術のような割込車両への対処ではなく、自車の車線変更に起因する場合であっても、先行車としての選択を早期に行うことができる。そして、その選択された先行車を対象として行う車間制御や車間警報の実行タイミングの遅れを防止し、やはり、運転者をはじめとした自車の乗員が持つ不安感や違和感を低減あるいは無くすことができる。
また、現在横位置が自車線領域内に存在し、且つ予測横位置が自車線領域外に存在する場合には、先行車としての選択を解除するようにしたが、その際、現在横位置及び予測横位置に基づいて、物体が自車線領域内に所定時間以上滞在していたかどうかを判定し、滞在していなかった場合には、予測横位置が自車線領域外に存在していても、先行車としての選択を解除しないようにしている。これは、予測横位置が自車線領域外に存在しても、実際には、将来的に自車線領域内にとどまるケースが考えられることを考慮したものである。
例えば、3車線以上ある道路において自車の左隣の車線から自車線へ高速に車線変更してくる状況を想定する。この状況では、図17(A)に示すように自車の右側車線まで一気に車線変更する場合だけでなく、図17(B)に示すように自車線へ車線変更して自車線上をしばらく走行し、その後右側車線へ車線変更する場合も考えられる。自車線上を走行する場合には、横移動速度も徐々に減少していくこととなるが、自車線へ向けて高速に車線変更している状態を瞬間的に捉えると、一律に自車線の右側車線へ車線変更していくように予測される。
しかしながら、図17(B)に示すように自車線上へ一旦車線変更して走行した後にさらに右側車線へ車線変更する場合よりも、17(A)に示すように左側車線から自車線上を通過して右側車線まで車線変更する場合の方が、自車線領域内に滞在している時間が短くなる。その点に着目し、隣の車線から自車線上へ車線変更する場合の挙動を反映していると考えられる状況においては、過度に先行車選択の解除をしないようにした。そのため、より適切な先行車選択処理を実行することができる。
なお、上述した物体認識手段としては種々の構成が考えられる。例えば、自車の幅方向の所定角度範囲に送信波あるいはレーザ光をスキャン照射し、物体からの反射波あるいは反射光に基づいて、自車と前方物体との距離に相当する物理量をスキャン角度に対応して検出する測距手段を備える。そして、その測距手段にて検出された距離相当物理量および対応するスキャン角度に基づいて、自車に対する物体の相対位置及び相対速度を算出することができる。また、ビデオカメラなどの撮像手段によって自車前方の画像を撮影し、その画像に基づいて測距することも可能である。例えば、ステレオカメラで捉えた左右2枚の画像において、画像内で車両の特徴点を持つと判断される部位を抽出する。この2枚の画像をずらして重ね合わせ、推定した車両部位の画像信号差がゼロとなるずらし量を求める。このずらし量と車両までの距離は1対1の関係となり、ずらし量から距離を算出できる。
また、「自車の進行方向を基準として定められた自車線領域」とは、自車の進行方向に対して自車幅分あるいは自車幅+余裕分(パーソナルスペース)の領域を意味するものであり、道路上の白線などで区切られた車線幅と同一とは限らない。
また、請求項5に係る先行車選択装置によれば、物体認識手段が、認識対象の物体の自車に対する相対位置及び相対速度を算出する。
選択手段は、物体認識手段にて算出された物体の相対位置に基づき、物体が自車の進行方向を基準として定められた自車線領域内に存在するか否かを判定し、その判定結果に基づいて自車に対する先行車を選択する。このような先行車選択を前提としているのであるが、上述の物体認識手段は、自車の進行方向に直交する横方向への物体の相対速度である横移動速度も算出することができるようにされている。
そして、選択手段は、横移動速度を用いて物体の所定時間後の横方向の位置である予測横位置を算出し、現在の横方向の位置である現在横位置と予測横位置とに基づいて先行車選択処理を行う。この選択手段は、現在横位置が自車線領域外に存在し、且つ予測横位置が自車線領域内に存在する場合には先行車として選択するのであるが、現在横位置及び予測横位置に基づいて、物体が自車線領域の1つ隣の車線内に所定時間以上滞在していたかどうかを判定し、滞在していなかった場合には、予測横位置が自車線領域内に存在していても、先行車としての選択を開始しないようにする。
これは、予測横位置が自車線領域内に存在しても、実際には、将来的に自車線領域外にとどまるケースが考えられることを考慮したものである。例えば、3車線以上ある道路において自車の2つ隣の車線から1つ隣の車線へ高速に車線変更してくる状況を想定する。この状況では、図18(A)に示すように最終的に自車線上を走行することとなる場合だけでなく、図18(B)に示すように自車線の1つ隣の車線へ車線変更してしばらく走行し、その後さらに自車線まで車線変更する場合も考えられる。1つ隣の車線を走行する場合には横移動速度も徐々に減少していくこととなるが、2つ隣の車線から1つ隣の車線へ高速に車線変更している状態を瞬間的に捉えると、あたかも自車線へ車線変更していくように予測される。
しかしながら、図18(B)に示すように1つ隣の車線から自車線へ車線変更する場合よりも、図18(A)に示すように2つ隣の車線から自車線まで一気に車線変更する場合の方が、自車線領域の1つ隣の車線内に滞在している時間が短くなる。その点に着目し、2つ隣の車線から1つ隣の車線へ車線変更する場合の挙動を反映していると考えられる状況においては、過度に先行車選択しないようにした。そのため、より適切な先行車選択処理を実行することができる。
また、請求項6に示すように、横移動速度の絶対値が所定値以上でなければ、予測横位置に基づく先行車としての選択の開始あるいは解除を実行しないことも考えられる。例えば横移動速度は、横位置を微分演算するなどして求めることが考えられるが、その場合には微分演算によって計測ノイズが発生し易い。したがって、そのようなノイズによる不要な先行車選択処理の実行を抑制する点で好ましい。
また、先行車選択処理の際の処理効率などの観点からは、請求項7に示すように、少なくとも自車の走行路のカーブ半径を含むカーブデータを求め、物体認識手段にて算出された物体の相対位置を、求められたカーブデータに基づいて直進路に該当する相対位置に変換し、その変換された直進路に該当する相対位置に基づいて先行車選択処理を行うようにすることが考えられる。このようにすれば、例えば自車を原点に取り、幅方向をX軸、進行方向をY軸とすることで、先行車の位置関係を、その座標位置で容易に把握することができる。
また、物体が自車線領域内に存在するか否かを選択手段が判定する際には、いきなり存在する・しないの2値的判定ではなく、請求項8に示すように、まず自車線領域内に存在する確率を算出し、その算出された確率に基づいて存在する・しないを判定してもよい。
さらには、請求項9に示すように、請求項1〜8のいずれか記載の先行車選択装置において、選択手段が、自車線領域内に存在するか否かという2値的な判定に代えて、存在する可能性を段階的に判定してもよい。この場合、例えば自車線領域内に存在する確率を算出し、その算出された確率に基づいて段階的に存在する可能性を判定することが考えられる。
なお、このような先行車選択装置における選択手段をコンピュータシステムにて実現する機能は、例えば、コンピュータシステム側で起動するプログラムとして備えることができる。このようなプログラムの場合、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータシステムにロードして起動することにより用いることができる。この他、ROMやバックアップRAMをコンピュータ読み取り可能な記録媒体として前記プログラムを記録しておき、このROMあるいはバックアップRAMをコンピュータシステムに組み込んで用いても良い。
ところで、上述した先行車選択装置によって選択された先行車を対象として車間制御を行う装置として実現する場合には、例えば請求項10に示す構成とすることが考えられる。すなわち、請求項1〜9のいずれか記載の先行車選択装置と、自車両を加減速させる加速手段及び減速手段と、先行車選択装置によって選択された先行車と自車との間の距離に相当する物理量である実車間物理量と、自車と先行車との目標車間距離に相当する物理量である目標車間物理量との差である車間偏差、及び自車と先行車との相対速度に基づき、加速手段及び減速手段を駆動制御することによって、自車を先行車に追従させて走行させる車間制御手段とを備えるのである。この車間制御装置であれば、将来的に先行車とはならないものに対する車間制御が実行されず、無用な処理負荷の増加を防止できる。また、将来的に先行車とはなるものを早期に選択でき、車間制御の実行タイミングの遅れを防止できるため、乗員が持つ不安感や違和感を低減あるいは無くすことができる。
なお、実車間物理量としては、例えばレーザ光あるいは送信波などを先行車に対して照射し、その反射光あるいは反射波の受けるまでの時間を検出する構成を採用した場合には、その検出した時間そのものを用いてもよいし、車間距離に換算した値を用いてもよいし、さらには、車速にて除算した車間時間を用いてもよい。
また、このような車間制御機能に加え、請求項11に示すように、さらに、自車と先行車との実車間距離に相当する物理量である実車間物理量が、少なくとも自車と先行車との相対速度に基づいて設定された所定の警報判定値よりも小さくなったかどうかを判定し、実車間物理量が警報判定値よりも小さくなった場合に、車両運転者に対する警報処理を実行可能な車間警報手段を備えるようにしてもよい。このようにすれば、車間制御及び車間警報の実行タイミングの遅れを防止できる。また、将来的に先行車とはならないものに対する車間警報が実行されず、無用な処理負荷の増加を防止できる。さらに、不要な車間警報を実行しないということは、「不要な警報実行による警報効果の希釈化」も防止できる。
一方、車間制御機能を持つことを前提とせず、車間警報装置として実現することもできる。すなわち、請求項12に示すように、請求項1〜9のいずれか記載の先行車選択装置と、自車両を加減速させる加速手段及び減速手段と、先行車選択装置によって選択された先行車と自車との間の距離に相当する物理量である実車間物理量が、少なくとも自車と先行車との相対速度に基づいて設定された所定の警報判定値よりも小さくなったかどうかを判定し、実車間物理量が警報判定値よりも小さくなった場合に、車両運転者に対する警報処理を実行可能な車間警報手段とを備えることを特徴とする車間警報装置である。この車間警報装置であれば、将来的に先行車とはならないものに対する車間警報が実行されず、無用な処理負荷の増加を防止できる。さらに、不要な車間警報を実行しないということは、「不要な警報実行による警報効果の希釈化」も防止できる。また、将来的に先行車とはなるものを早期に選択でき、車間制御の実行タイミングの遅れを防止できるため、乗員が持つ不安感や違和感を低減あるいは無くすことができる。
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
図1は、上述した発明が適用された実施形態としての車間制御用電子制御装置2(以下、「車間制御ECU」と称す。)およびブレーキ電子制御装置4(以下、「ブレーキECU」と称す。)を中心に示す自動車に搭載されている各種制御回路の概略構成を表すブロック図である。
車間制御ECU2は、マイクロコンピュータを中心として構成されている電子回路であり、現車速(Vn)信号、操舵角(str-eng ,S0)信号、ヨーレート信号、目標車間時間信号、ワイパスイッチ情報、アイドル制御やブレーキ制御の制御状態信号等をエンジン電子制御装置6(以下、「エンジンECU」と称す。)から受信する。そして、車間制御ECU2は、この受信したデータに基づいて、カーブ曲率半径Rを推定したり、車間制御演算をしている。
レーザレーダセンサ3は、レーザによるスキャニング測距器とマイクロコンピュータとを中心として構成されている電子回路であり、スキャニング測距器にて検出した先行車の角度や相対速度等、および車間制御ECU2から受信する現車速(Vn)信号、カーブ曲率半径R等に基づいて、車間制御装置の一部の機能として先行車の自車線確率を演算し、相対速度等の情報も含めた先行車情報として車間制御ECU2に送信する。また、レーザレーダセンサ3自身のダイアグノーシス信号も車間制御ECU2に送信する。
なお、前記スキャニング測距器は、車幅方向の所定角度範囲に送信波あるいはレーザ光をスキャン照射し、物体からの反射波あるいは反射光に基づいて、自車と前方物体との距離をスキャン角度に対応して検出可能である。
さらに、車間制御ECU2は、このようにレーザレーダセンサ3から受信した先行車情報に含まれる自車線確率等に基づいて、車間距離制御すべき先行車を決定し、先行車との車間距離を適切に調節するための制御指令値として、エンジンECU6に、目標加速度信号、フューエルカット要求信号、ODカット要求信号、3速シフトダウン要求信号、ブレーキ要求信号を送信している。また警報発生の判定をして警報吹鳴要求信号を送信したり、あるいは警報吹鳴解除要求信号を送信したりする。さらに、ダイアグノーシス信号、表示データ信号等を送信している。なお、この車間制御ECU2は、選択手段、直進路変換手段、車間制御手段及び車間警報手段に相当する。
ブレーキECU4は、マイクロコンピュータを中心として構成されている電子回路であり、車両の操舵角を検出する操舵角検出手段としてのステアリングセンサ8、車両旋回検出手段としてヨーレートを検出するヨーレートセンサ10、および各車輪の速度を検出する車輪速センサ12から操舵角やヨーレートを求めて、これらのデータをエンジンECU6を介して車間制御ECU2に送信したり、ブレーキ力を制御するためにブレーキ油圧回路に備えられた増圧制御弁・減圧制御弁の開閉をデューティ制御するブレーキアクチュエータ25を制御している。またブレーキECU4は、エンジンECU6を介する車間制御ECU2からの警報要求信号に応じて警報ブザー14を鳴動する。したがって、ブレーキECU4及び警報ブザー14は車間警報手段に相当する。
エンジンECU6は、マイクロコンピュータを中心として構成されている電子回路であり、スロットル開度センサ15、車両速度を検出する車速検出手段としての車速センサ16、ブレーキの踏み込み有無を検出するブレーキスイッチ18、「開始スイッチ」に相当するクルーズコントロールスイッチ20、「準備スイッチ」に相当するクルーズメインスイッチ22、およびその他のセンサやスイッチ類からの検出信号あるいはボデーLAN28を介して受信するワイパースイッチ情報やテールスイッチ情報を受信し、さらに、ブレーキECU4からの操舵角(str-eng,S0 )信号やヨーレート信号、あるいは車間制御ECU2からの目標加速度信号、フューエルカット要求信号、ODカット要求信号、3速シフトダウン要求信号、警報要求信号、ダイアグノーシス信号、表示データ信号等を受信している。
そして、エンジンECU6は、この受信した信号から判断する運転状態に応じて、駆動手段としての内燃機関(ここでは、ガソリンエンジン)のスロットル開度を調整するスロットルアクチュエータ24、トランスミッション26のアクチュエータ駆動段に対して駆動命令を出力している。これらのアクチュエータにより、内燃機関の出力、ブレーキ力あるいは変速シフトを制御することが可能となっている。
なお、本実施形態の場合のトランスミッション26は5速オートマチックトランスミッションであり、4速の減速比が「1」に設定され、5速の減速比が4速よりも小さな値(例えば、0.7)に設定された、いわゆる、4速+オーバードライブ(OD)構成になっている。したがって、上述したODカット要求信号が出された場合、トランスミッション26が5速(すなわち、オーバードライブのシフト位置)にシフトしていた場合には4速へシフトダウンする。また、シフトダウン要求信号が出された場合には、トランスミッション26が4速にシフトしていた場合には3速へシフトダウンする。その結果、これらのシフトダウンによって大きなエンジンブレーキが生じ、そのエンジンブレーキにより自車の減速が行われることとなる。
また、エンジンECU6は、必要な表示情報を、ボデーLAN28を介して、ダッシュボードに備えられているLCD等の表示装置(図示していない。)に送信して表示させたり、あるいは現車速(Vn)信号、操舵角(str-eng,S0 )信号、ヨーレート信号、目標車間時間信号、ワイパスイッチ情報信号、アイドル制御やブレーキ制御の制御状態信号を、車間制御ECU2に送信している。
なお、本実施形態においては、エンジンECU6が「加速手段」に相当し、エンジンECU6及びブレーキECU4が「減速手段」に相当する。
次に、レーザレーダセンサ3にて行われる先行車選択処理について説明する。図2は、先行車選択の全体の処理を示す。
処理が開始されると、まず、レーザレーダセンサ3に備えられたスキャニング測距器による距離・角度の計測データが読み込まれる(S800)。次に前方障害物の認識処理がなされる(S900)。
この前方障害物の認識処理は、現車速Vnと前方の物体がスキャニングされた結果とに基づいて前方の物体の認識種別、物体幅W、物体の中心位置XY座標および相対速度Vrが求められる。認識種別は、例えば、自車が走行しているにもかかわらず物体の相対位置がほとんど移動していない場合は移動物と認識できる。また次第に遠ざかる物体も移動物と認識できる。また物体の相対位置が自車に対して現車速Vnと同じ速度(絶対値)で近づく場合は停止物と認識できる。それ以外のもの、例えば現れてから認識できるほどの時間が経過していない物体等は、不明物として認識している。尚、この前方障害物の認識処理自体は当業者には良く知られた内容である。
このように前方障害物認識がなされた後は、横位置自車線判定(S1000)、横移動自車線判定(S2000)、統合自車線判定(S3000)の各処理を行う。以下、順番に説明する。
図3に示す横位置自車線判定処理(S1000)では、まず自車進路の演算を行う(S1100)。この自車進路演算では、まず、前方障害物の認識処理(S900)にて得られたすべての物体の中心位置・物体幅データ(X0,Y0,W0)を、直進路に変換する。すなわち、車間制御ECU2から受信したカーブ曲率半径Rに基づいて、そのカーブを直進路にした場合の物体の座標を求める。その変換は次のような式1〜3により座標変換することによりなされる。
X ← X0−(Y0^2/2R) … [式1]
Y ← Y0 … [式2]
W ← W0 … [式3]
すなわち、ここでは実質的にはX座標のみ変換している。
続くS1200では、自車線領域を設定する。例えば自車を基準として、左右5m、前方100mという領域を設定する。なお、この「自車線領域」とは、自車の進行方向に対して自車幅分あるいは自車幅+余裕分(パーソナルスペース)の領域を意味するものであり、道路上の白線などで区切られた車線幅と同一とは限らない。
これらS1100,S1200の処理によって、例えば図20(A)に示すようにカーブでの自車進路を想定した自車線領域は図20(B)に示すような自車線領域に変換される。この自車線領域が先行車の選択処理のために用いられる領域である。このようにすれば、例えば自車を原点として車幅方向をX軸(xR)、車両進行方向をY軸(yR)とすることで、先行車の位置関係を、その座標位置で容易に把握することができる。
そして、S1300では、先行車の候補となる物体の位置と自車線領域とを照合して、横位置に基づく自車線判定を行う。具体的には、現在の物体位置(X,Y)及び物体幅Wに基づき、物体の少なくとも一部が自車線領域内に存在するかどうかを判定する。
これで横位置自車線判定は終了し、S2000に移行して横移動自車線判定を行う。
図4に示す横移動自車線判定処理(S2000)は、現在横位置、所定時間後に予想される横位置(予測横位置)、横移動速度に基づいて行う判定である。この判定において想定する状況は次に示す(A)〜(D)の4つである。
(A)現在自車線内に存在し、所定時間後も自車線内にとどまって自車線内に存在する。
(B)現在自車線内に存在するが、所定時間後は自車線外へ移動して自車線内に存在しない。
(C)現在自車線外に存在し、所定時間後も自車線外にとどまって自車線内に存在しない。
(D)現在自車線外に存在するが、所定時間後は自車線内へ移動して自車線内に存在しない。
そこで、横移動によって予測横位置が自車線外なのか自車線内なのかを判定する。
[自車線外判定について]
横移動によって予測横位置が自車線外となるかどうかについてS2100では右側車線への移動分の判定を行い、S2200では左側車線への移動分の判定を行う。なお、S2100での右側車線への移動分の処理は、所定の条件の成立・非成立に基づいて右側横移動自車線外フラグのセット・リセットを行い、S2200での左側車線への移動分の処理は、所定の条件の成立・非成立に基づいて左側横移動自車線外フラグのセット・リセットを行う。
これらS2100,S2200での判定に用いる条件は、次の通りである。
(a−11)横移動速度が外側向き、且つその絶対値が所定値以上(なお、この場合の外側、内側とは自車線中心に対する向きを意味する。以下同様。)
(a−12)現在の横位置が(a−11)判定時の外側向きと同方向、且つその絶対値が所定値以上
(a−13)予測横位置が(a−11)判定時の外側向きと同方向、且つその絶対値が所定値以上
(a−21)横速度が(a−11)判定時の外側向きと同方向でない
(a−22)現在の横位置が(a−11)判定時の外側向きと同方向
(a−23)予測横位置が(a−11)判定時の外側向きと同方向ならばその絶対値が所定値以下、又は同方向でない場合には全て該当
(a−24)現在の横位置が(a−11)判定時の外側向きと同方向でないなお、この内、判定条件(a−11),(a−12),(a−13)の物理的意味を説明したのが図12(A)である。
図5に示す横移動自車線外判定の右側車線への移動分の判定においては、S2110,S2120,S2130にて全て肯定判断の場合、すなわち上述した条件(a−11),(a−12),(a−13)が全て成立した場合に限って、右側横移動自車線外フラグをセットする(S2140)。一方、S2110,S2120,S2130のいずれかで否定判断されるとS2150へ移行する。そして、S2150,S2160,S2170にて全て肯定判断の場合、すなわち上述した条件(a−21),(a−22),(a−23)が全て成立した場合は、右側横移動自車線外フラグをリセットする(S2180)。なお、S2150,S2160,S2170のいずれかで否定判断されても、S2190にて肯定判断、すなわち条件(a−24)のみが成立した場合であっても、右側横移動自車線外フラグをリセットする(S2180)。
また、図6に示す横移動自車線外判定の左側車線への移動分の判定においても同様の処理がなされる。つまり、S2210,S2220,S2230にて全て肯定判断、すなわち上述した条件(a−11),(a−12),(a−13)が全て成立した場合に限って、右側横移動自車線外フラグをセットする(S2240)。一方、S2250,S2260,S2270にて全て肯定判断、すなわち上述した条件(a−21),(a−22),(a−23)が全て成立した場合、又はS2290にて肯定判断、すなわち条件(a−24)のみが成立した場合のいずれかで右側横移動自車線外フラグをリセットする(S2280)。
[自車線内判定について]
横移動によって予測横位置が自車線内となるかどうかについてS2300では右側車線からの移動分の判定を行い、S2400では左側車線からの移動分の判定を行う。なお、S2300での右側車線からの移動分の処理は、所定の条件の成立・非成立に基づいて右側横移動自車線内フラグのセット・リセットを行い、S2400での左側車線からの移動分の処理は、所定の条件の成立・非成立に基づいて左側横移動自車線内フラグのセット・リセットを行う。
これらS2300,S2400での判定に用いる条件は、次の通りである。
(b−11)横移動速度が内側向き、且つその絶対値が所定値以上
(b−12)現在の横位置が(b−11)判定時の内側向きと同方向ならばその絶対値が所定値以下、又は同方向でない場合には全て該当
(b−13)予測横位置が(b−11)判定時の内側向きと同方向ならばその絶対値が所定値以下、又は同方向でない場合には全て該当
(b−21)横速度が(b−11)判定時の内側向きと同方向でない
(b−22)現在の横位置が(b−11)判定時の内側向きと同方向でない
(b−23)予測横位置が(b−11)判定時の内側向きと同符号でなく、且つその絶対値が所定値以上
(b−24)現在の横位置が(b−11)判定時の内側向きと同符号
なお、この内、判定条件(b−11),(b−12),(b−13)の物理的意味を説明したのが図12(B)である。
図7に示す横移動自車線内判定の右側車線からの移動分の判定においては、S2310,S2320,S2330にて全て肯定判断の場合、すなわち上述した条件(b−11),(b−12),(b−13)が全て成立した場合に限って、右側横移動自車線内フラグをセットする(S2340)。一方、S2310,S2320,S2330のいずれかで否定判断されるとS2350へ移行する。そして、S2350,S2360,S2370にて全て肯定判断の場合、すなわち上述した条件(b−21),(b−22),(b−23)が全て成立した場合は、右側横移動自車線内フラグをリセットする(S2380)。なお、S2350,S2360,S2370のいずれかで否定判断されても、S2390にて肯定判断、すなわち条件(b−24)のみが成立した場合であっても、右側横移動自車線内フラグをリセットする(S2380)。
また、図8に示す横移動自車線内判定の左側車線からの移動分の判定においても同様の処理がなされる。つまり、S2410,S2420,S2430にて全て肯定判断、すなわち上述した条件(b−11),(b−12),(b−13)が全て成立した場合に限って、右側横移動自車線内フラグをセットする(S2440)。一方、S2450,S2460,S2470にて全て肯定判断、すなわち上述した条件(b−21),(b−22),(b−23)が全て成立した場合、又はS2490にて肯定判断、すなわち条件(b−24)のみが成立した場合のいずれかで右側横移動自車線内フラグをリセットする(S2480)。
このようにして横移動自車線判定(S2000)が終了すると、図2のS3000で示す統合自車線判定へ移行する。
この統合自車線判定は、図9にその詳細を示すように、まず横位置自車線判定(S1000参照)の判定結果に基づき、自車線内かどうかを判断し(S3100)、自車線内である場合には(S3100:YES)、S3200では右側横移動自車線外フラグがセットされているかどうか、S3300では左側横移動自車線外フラグがセットされているかどうかを判断し、両方のフラグがセットされていない場合には(S3200:NO,S3300:NO)、自車線内であると判定する(S3400)。また、両方のフラグの内の少なくとも一方がセットされている場合には、自車線外であると判定する(S3500)。
一方、横位置に基づく判定結果から自車線外であるとされた場合には(S3100:NO)、S3600では右側横移動自車線内フラグがセットされているかどうか、S3700では左側横移動自車線内フラグがセットされているかどうかを判断し、両方のフラグがセットされていない場合には(S3600:NO,S3700:NO)、自車線外であると判定する(S3800)。また、両方のフラグの内の少なくとも一方がセットされている場合には、自車線内であると判定する(S3900)。
これらをまとめると次のようになる。
(i)[現在自車線内 AND (右側横移動自車線外フラグリセット AND 左側横移動自車
線外フラグリセット)]の場合
→自車線内と判定
(ii)[現在自車線内 AND (右側横移動自車線外フラグセット OR 左側横移動自車線
外フラグセット)]の場合
→自車線外と判定
(iii)[現在自車線外 AND (右側横移動自車線内フラグリセット AND 左側横移動自車
線内フラグリセット)]の場合
→自車線外と判定
(iv)[現在自車線外 AND (右側横移動自車線内フラグセット OR 左側横移動自車線
内フラグセット)]の場合
→自車線内と判定
このようにして、先行車の候補となり得る物体について自車線内か自車線外かの判定がされ、「自車線内」と判定されたもののみが先行車として選択されることとなる。そして、選択された先行車に関する情報(先行車情報)は、レーザレーダセンサ3から車間制御ECU2に送信される。車間制御ECU2では、この先行車情報を受信して、車間制御処理を実行する。
図10は、車間制御処理の全体を示すフローチャートである。
まず、最初のステップS110において現在制御中かどうかを判断し、現在制御中でなければ(S110:NO)、制御開始スイッチがセットされたかどうかを判断する(S140)。クルーズコントロールスイッチ20がON操作されていれば制御開始スイッチがセットされている状態である。そして、制御開始スイッチがセットされていなければ(S140:NO)、S600へ移行して、加減速装置非制御時出力を実行し、さらに警報器吹鳴停止(S700)を実行してから、本メイン処理を終了する。S600での加減速装置非制御時出力処理の詳細については後述する。
また、制御中でなく(S110:NO)、制御開始スイッチがセットされたのであれば(S140:YES)、S130へ移行する。
S130では、制御終了スイッチがセットされたかどうかを判断する。クルーズコントロールスイッチ20がOFF操作されていれば制御終了スイッチがセットされている状態である。制御終了スイッチがセットされていれば(S130:YES)、S600へ移行して加減速装置非制御時出力を実行し、さらに警報機吹鳴停止(S700)を実行してから、本メイン処理を終了する。
また、制御終了スイッチがセットされていなければ(S130:NO)、目標車間を演算し(S150)、その後、目標加速度演算(S200)、加減速制御(S300)及び加減速装置駆動出力(S400)の車間制御に関する各処理を実行し、さらに、警報判定及び警報器出力処理(S500)を実行してから、本メイン処理を終了する。
以上は処理全体についての説明であったので、続いて、S200〜S700の処理内容を詳細に説明する。
まず、S200での目標加速度演算サブルーチンについて図11のフローチャートを参照して説明する。
最初のステップS201においては、先行車を認識中であるかどうかを判断する。先行車を認識中でなければ(S201:NO)、先行車を未確認の場合の値を目標加速度として(S205)、本サブルーチンを終了する。
一方、先行車を認識中であれば(S201:YES)、S202へ移行して車間偏差を演算する。この車間偏差は、現在車間から目標車間を減算して得る。
そして、続くS203にて相対速度を演算し、S204では、S202,S203にてそれぞれ得られた車間偏差と相対速度という両パラメータに基づき、制御マップを参照して目標加速度を得る。その後、本サブルーチンを終了する。
次に、図10のS300における加減速制御について説明する。この加減速制御は、スロットル制御、アクセルオフ制御、シフトダウン制御及びブレーキ制御を順番に行って終了する。各制御について説明する。
まず、スロットル制御においては、加速度偏差にスロットル制御ゲインK11を乗算した値を、前回スロットル開度指示値に加算して、今回のスロットル開度指示値とする。なお、加速度偏差とは、実加速度から目標加速度を減算した値である。
また、アクセルオフ制御の場合には、加速度偏差が所定の参照値Aref11よりも小さいかどうか判断し、加速度偏差<Aref11であれば、アクセルオフの作動を指示する。一方、加速度偏差≧Aref11であれば、加速度偏差が参照値Aref12よりも大きいかどうか判断する。そして、加速度偏差>Aref12であれば、アクセルオフの作動解除を指示するが、加速度偏差≦Aref12であれば、何も指示しない。
また、シフトダウン制御の場合には、加速度偏差が参照値Aref21よりも小さいかどうか判断し、加速度偏差<Aref21であれば、シフトダウンの作動を指示し、さらにアクセルオフの作動を指示する。一方、加速度偏差≧Aref21であれば、加速度偏差が参照値Aref22よりも大きいかどうか判断する。そして、加速度偏差>Aref22であれば、シフトダウンの作動解除を指示するが、加速度偏差≦Aref22であれば、何も指示しない。
次に、ブレーキ制御について説明する。
まず、加速度偏差が参照値Aref31よりも小さいかどうか判断する。そして、加速度偏差<Aref31であれば、ブレーキの作動を指示し、さらにアクセルオフの作動指示をする。そして、ブレーキ作動指示中であれば、加速度偏差にスロットル制御ゲインK21を乗算した値を、前回ブレーキ圧指示値に加算して、今回のブレーキ圧指示値とするが、ブレーキ作動指示中でなければ、ブレーキ圧指示値を0とする。
一方、加速度偏差≧Aref31であれば、今度は加速度偏差が参照値Aref32よりも大きいかどうか判断する。加速度偏差>Aref32であれば、ブレーキの作動解除を指示するが、加速度偏差≦Aref32であれば、ブレーキ作動解除の指示はしない。そして、ブレーキ作動指示中であれば、加速度偏差にスロットル制御ゲインK21を乗算した値を、前回ブレーキ圧指示値に加算して、今回のブレーキ圧指示値とするが、ブレーキ作動指示中でなければ、ブレーキ圧指示値を0とする。
次に、図10のS400における加減速装置駆動出力について説明する。まず、アクセルオフの作動指示がされているかどうかを判断し、アクセルオフの作動指示がされていなければ、ブレーキ解除のための駆動出力、シフトダウン解除のための駆動出力、そしてスロットル開度のフィードバック駆動出力を順次行ってから、本処理を終了する。
一方、アクセルオフの作動指示がされていれば、シフトダウンの作動指示がされているかどうかを判断する。シフトダウンの作動指示がされていなければ、ブレーキの作動指示がされているかどうかを判断する。そして、ブレーキの作動指示がされていなければ、ブレーキ解除のための駆動出力、シフトダウン解除のための駆動出力、スロットルを全閉させるための駆動出力を順次行ってから、本処理を終了する。また、ブレーキの作動指示がされていれば、スロットルを全閉させるための駆動出力、シフトダウン解除のための駆動出力、ブレーキ圧のフィードバック駆動出力を順次行ってから、本処理を終了する。
一方、アクセルオフの作動指示があり、かつシフトダウンの作動指示があった場合には、ブレーキの作動指示がされているかどうかを判断する。そして、ブレーキの作動指示がされていなければ、ブレーキ解除のための駆動出力、スロットルを全閉させるための駆動出力、シフトダウン駆動出力を順次行ってから、本処理を終了する。また、ブレーキの作動指示がされていれば、スロットルを全閉させるための駆動出力、シフトダウン駆動出力、ブレーキ圧のフィードバック駆動出力を順次行ってから、本処理を終了する。
次に、S1100での加減速装置非制御時出力について説明する。
この処理は、加減速装置に対して制御しない場合の処理であるので、スロットルを全閉させるための駆動出力、シフトダウン解除のための駆動出力、そしてブレーキ解除の駆動出力を順次行って、本処理を終了する。
次に、図2のS900における警報判定、警報器出力処理について説明する。
まず、目標加速度が所定の警報判定値Aref41よりも短くなっているかどうかを判断し、目標加速度<警報判定値Aref41であれば、警報器(警報ブザー14)を吹鳴させる。一方、目標加速度≧警報判定値Aref41であれば、警報器吹鳴を停止させる。
このように、本実施形態のシステムによれば、車間制御及び車間警報の対象とすべき先行車の選択(選択開始・選択解除など)に関して、次のような工夫をしている。すなわち、現在横位置は自車線領域内に存在するが、予測横位置が自車線領域外に存在する場合には、先行車としての選択を解除する。また、現在横位置が自車線領域内に存在し、且つ予測横位置も自車線領域内に存在する場合には、先行車としての選択を継続する。また、現在横位置が自車線領域外に存在し、且つ予測横位置も自車線領域内に存在する場合には、先行車としての選択を開始する。さらに、現在横位置が自車線領域外に存在し、且つ予測横位置も自車線領域外に存在する場合には、先行車としての選択をしない。
このように予測横位置も加味していることで、種々の状況において適切な先行車選択ができ、適切な車間制御あるいは車間警報となる。
図13〜図16を参照して具体的に説明する。
[先行車が車線変更して自車線から出ていく状況]
図13(A)は、この状況で横位置のみによる先行車選択をした場合を示している。先行車が減速しながらランプウェイへ車線変更する際、その先行車を車間制御対象の先行車としているため、先行車の減速に伴って自車も減速してしまう。そして、先行車がランプエウェイへ車線変更し終えてから先行車選択が解除されるため、減速制御が解除され、再度加速制御に移行する。つまり、結果的には、車線変更する先行車に対しては減速する必要がなかったこととなるが、現実には減速してしまうので、自車の運転者をはじめとする乗員のフィーリングに合わないこととなる。
これに対して本実施形態の場合のように横位置及び横移動速度を併用することで予測横位置も加味すれば、図13(B)に示すように、減速しながら車線変更する先行車を早期に先行車としての選択解除をすることができ、自車は減速制御しないで設定車速までスムーズに加速することができる。これにより、将来的に先行車とはならないものまで先行車選択しておくことがなくなり、無用な処理負荷の増加を防止できる。そして、将来的に先行車とはならない車両を対象とした車間制御が行われることを防止でき、運転者をはじめとした自車の乗員が持つ不安感や違和感を低減あるいは無くすことができる。もちろん、車間警報についても同様である。
[追い越しのため自車が車線変更する状況]
図14(A)は、この状況で横位置のみによる先行車選択をした場合を示している。先行車が低速走行しているため、自車がその先行車を追い越そうとして車線変更する際、自車線外に自車が出てから従前の先行車は先行車選択が解除されるため、それまで加速しないこととなる。したがって、追い越し動作がもたついてしまう。
これに対して本実施形態の場合のように横位置及び横移動速度を併用することで予測横位置も加味すれば、図14(B)に示すように、自車が自車線外に出ていなくても自車が車線変更しようとする挙動によって従前の先行車は先行車選択が解除される。そのため、自車線外に出る前に加速を開始することができ、追い越しがスムーズにできる。
[先行車が隣り車線から割り込んで自車線へ入ってくる状況]
図15(A)は、この状況で横位置のみによる先行車選択をした場合を示している。隣り車線を走行している低速車両が割り込んできた場合、その割込車両が自車線内へ入った時点で先行車として選択するため、その時点で初めて自車は減速制御を開始することとなる。そのため、先行車に接近しすぎる状況が生じやすく、自車の乗員は不安感を持ってしまう。
これに対して本実施形態の場合のように横位置及び横移動速度を併用することで予測横位置も加味すれば、図15(B)に示すように、割込車両が自車線内に入っていない時点においても(早期に)先行車として選択することができる。そのため、割込車両が自車線内へ入る前に減速制御を開始し、適切な車間を保持することができるため、自車の乗員が不安感を抱いてしまうことを防止できる。
[自車が隣り車線へ割り込んでいく状況]
図16(A)は、この状況で横位置のみによる先行車選択をした場合を示している。自車が隣り車線へ割り込んでいく場合、その隣り車線へ入ってから、その車線の前方を走行している車両を先行車として選択するため、その時点で初めて自車は減速制御を開始することとなる。そのため、先行車に接近しすぎる状況が生じやすく、自車の乗員は不安感を持ってしまう。
これに対して本実施形態の場合のように横位置及び横移動速度を併用することで予測横位置も加味すれば、図16(B)に示すように、自車が隣り車線内へ入っていない時点においても(早期に)、その車線(隣り車線)の前方を走行している車両を先行車として選択することができる。そのため、自車が隣り車線内へ入る前に減速制御を開始し、隣り車線へ入った時点では適切な車間を保持することができるため、自車の乗員が不安感を抱いてしまうことを防止できる。
なお、これらは車間制御の例で説明したが、車間警報の場合でも同様である。
このように現在横位置と予測横位置とに基づいて先行車を選択することが基本ではあるが、さらに適切な選択をするため以下に示すような工夫もしている。
(イ)上述した条件(a−11)及び(b−11)は横移動速度の絶対値が所定値以上であることを表す条件である。この条件を満たさない場合には先行車としての選択の開始あるいは解除を実行しないようにしている。例えば横移動速度は、横位置を微分演算して求めているが、微分演算によって計測ノイズが発生し易い。したがって、そのようなノイズによる不要な先行車選択処理の実行を抑制することができる。
(ロ)上述した条件(a−12)は自車線領域内に所定時間以上滞在していたかどうかを判定するための条件である。そして、自車線領域内に所定時間以上滞在していなかった場合には、予測横位置が自車線領域外に存在していても、先行車としての選択を解除しないようにしている。
これは、予測横位置が自車線領域外に存在しても、実際には、将来的に自車線領域内にとどまるケースが考えられることを考慮したものである。例えば、3車線以上ある道路において自車の左隣の車線から自車線へ高速に車線変更してくる状況を想定する。この状況では、図17(A)に示すように自車の右側車線まで一気に車線変更する場合だけでなく、図17(B)に示すように自車線へ車線変更して自車線上をしばらく走行し、その後右側車線へ車線変更する場合も考えられる。自車線上を走行する場合には、横移動速度も徐々に減少していくこととなるが、自車線へ向けて高速に車線変更している状態を瞬間的に捉えると、一律に自車線の右側車線へ車線変更していくように予測される。
しかしながら、図17(B)に示すように自車線上へ一旦車線変更して走行した後にさらに右側車線へ車線変更する場合よりも、17(A)に示すように左側車線から自車線上を通過して右側車線まで車線変更する場合の方が、自車線領域内に滞在している時間が短くなる。その点に着目し、隣の車線から自車線上へ車線変更する場合の挙動を反映していると考えられる状況においては、過度に先行車選択の解除をしないようにした。そのため、より適切な先行車選択処理を実行することができる。
(ハ)上述した条件(b−12)は自車線領域外に所定時間以上滞在していたかどうかを判定するための条件である。そして、自車線領域の1つ隣の車線内に所定時間以上滞在していなかった場合には、予測横位置が自車線領域内に存在していても、先行車としての選択を開始しないようにしている。
これは、予測横位置が自車線領域内に存在しても、実際には、将来的に自車線領域外にとどまるケースが考えられることを考慮したものである。例えば、3車線以上ある道路において自車の2つ隣の車線から1つ隣の車線へ高速に車線変更してくる状況を想定する。この状況では、図18(A)に示すように最終的に自車線上を走行することとなる場合だけでなく、図18(B)に示すように自車線の1つ隣の車線へ車線変更してしばらく走行し、その後さらに自車線まで車線変更する場合も考えられる。1つ隣の車線を走行する場合には横移動速度も徐々に減少していくこととなるが、2つ隣の車線から1つ隣の車線へ高速に車線変更している状態を瞬間的に捉えると、あたかも自車線へ車線変更していくように予測される。
しかしながら、図18(B)に示すように1つ隣の車線から自車線へ車線変更する場合よりも、図18(A)に示すように2つ隣の車線から自車線まで一気に車線変更する場合の方が、自車線領域の1つ隣の車線内に滞在している時間が短くなる。その点に着目し、2つ隣の車線から1つ隣の車線へ車線変更する場合の挙動を反映していると考えられる状況においては、過度に先行車選択しないようにした。そのため、より適切な先行車選択処理を実行することができる。
[別実施形態]
上記実施形態の場合には、自車あるいは先行車の移動によって生じる横移動速度に基づいて予測横位置という概念を導入し、その予測横位置と自車線領域との関係などに基づいて先行車選択を行ったが、その場合の自車線領域は図3のS1200にて設定すると、その後は固定されていた。それに対して、自車線領域の方を補正して対応することもできる。つまり、この別実施形態においては、現在横位置及び横移動速度に基づいて自車線領域の大きさを補正し、その補正された自車線領域に基づいて先行車選択処理を行う。
この自車線領域の大きさの補正については、例えば先行車選択(開始あるいは解除)の対象となる車両が自車線領域内から領域外に出ていく場合には、図19(A)に示すように、物体がその領域外側へ横移動すると予測される分だけ自車線領域を狭くする。一方、車両が自車線領域外から領域内へ入ってくる場合には、図19(B)に示すように、その領域内側へ横移動すると予測される分だけ自車線領域を広くすることが考えられる。
このように予測横位置を考慮するのと同等の意味を持つ自車線領域の拡大・縮小とすることによっても上記第1実施形態の場合と同様の効果が得られる。すなわち、将来的に先行車とはならないものまで先行車選択しておくことがなくなり、無用な処理負荷の増加を防止する。また、将来的に先行車とはなるものを早期に選択でき、車間制御や車間警報に利用した場合に実行タイミングの遅れを防止できる。これらは、車間制御や車間警報に利用した場合に自車の乗員が持つ不安感や違和感を低減あるいは無くすことにつながる。
[その他]
(1)「自車線領域内に存在するか否か」の判定処理に関しては、いきなり存在する・しないの2値的判定ではなく、まず自車線領域内に存在する確率を算出し、その算出された確率に基づいて存在する・しないを判定してもよい。さらには、自車線領域内に存在するか否かという2値的な判定に代えて、存在する可能性を段階的に判定してもよい。この場合、例えば自車線領域内に存在する確率を算出し、その算出された確率に基づいて段階的に存在する可能性を判定することが考えられる。なお、自車線領域内に存在する確率を算出する手法については、例えば特開平8−279099号に開示されている。
(2)上記実施形態では選択した先行車を対象として車間制御及び車間警報を実行するシステムとして実現したが、車間制御のみ、あるいは車間警報のみを行うシステムであってもよい。さらに、制御対象としての先行車を選択する必要のあるシステムであれば、車間制御や車間警報以外のシステムにおいても、先行車選択装置を適用することができる。
(3)上記実施形態では「車間距離に相当する車間物理量」として車間距離をそのまま用いていたが、この車間物理量として時間を用い、検出された実時間と目標時間にて同様の制御を実行してもよいし、また他の車間物理量として車間時間(車間距離を自車の車速で除算した値)を用いて、実車間時間と目標車間時間にて同様の制御を実行してもよい。なお、車速によって目標車間距離を可変にする場合であって車速にほぼ比例して目標車間距離を設定する場合は、目標車間距離を調整する代わりに上記目標時間又は目標車間時間を調整するようにしても同等の効果を得ることができる。
実施形態の車間制御装置のシステムブロック図である。 先行車選択の全体処理を示すフローチャートである。 先行車選択全体処理中で実行される横位置自車線判定のサブルーチンを示すフローチャートである。 先行車選択全体処理中で実行される横移動自車線判定のサブルーチンを示すフローチャートである。 横移動自車線判定中で実行される横移動自車線外判定の内の右側車線への移動分処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 横移動自車線判定中で実行される横移動自車線外判定の内の左側車線への移動分処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 横移動自車線判定中で実行される横移動自車線内判定の内の右側車線からの移動分処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 横移動自車線判定中で実行される横移動自車線内判定の内の左側車線からの移動分処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 先行車選択全体処理中で実行される統合自車線判定のサブルーチンを示すフローチャートである。 車間制御の全体処理を示すフローチャートである。 車間制御中で実行される目標加速度演算のサブルーチンを示すフローチャートである。 先行車選択に用いる判定条件の説明図である。 先行車が車線変更して自車線から出ていく状況における先行車選択及び車間制御の内容を時系列で見た説明図である。 追い越しのため自車が車線変更する状況における先行車選択及び車間制御の内容を時系列で見た説明図である。 先行車が隣り車線から割り込んで自車線へ入ってくる状況における先行車選択及び車間制御の内容を時系列で見た説明図である。 自車が隣り車線へ割り込んでいく状況における先行車選択及び車間制御の内容を時系列で見た説明図である。 過度に先行車選択の解除をしないようにする必要がある状況を示す説明図である。 過度に先行車選択をしないようにする必要がある状況を示す説明図である。 別実施形態の場合の自車線領域の補正方法の説明図である。 カーブでの自車線領域を直進路の自車線領域に変換した状態を示す説明図である。
符号の説明
2…車間制御用電子制御装置、3…レーザレーダセンサ、4…ブレーキ電子制御装置、6…エンジン、電子制御装置8…ステアリングセンサ、10…ヨーレートセンサ、12…車輪速センサ、14…警報ブザー、15…スロットル開度センサ、16…車速センサ、18…ブレーキスイッチ、20…クルーズコントロールスイッチ、22…クルーズメインスイッチ、24…スロットルアクチュエータ、25…ブレーキアクチュエータ、26…トランスミッション、28…ボデーLAN

Claims (13)

  1. 認識対象の物体の自車に対する相対位置及び相対速度を算出する物体認識手段と、
    前記物体認識手段にて算出された前記物体の相対位置に基づき、前記物体が自車の進行方向を基準として定められた自車線領域内に存在するか否かを判定し、その判定結果に基づいて自車に対する先行車を選択する選択手段と、
    を備える先行車選択装置であって、
    前記物体認識手段は、自車の進行方向に直交する横方向への前記物体の相対速度である横移動速度も算出可能であり、
    前記選択手段は、前記横移動速度を用いて前記物体の所定時間後の横方向の位置である予測横位置を算出し、現在の横方向の位置である現在横位置と前記予測横位置とに基づいて先行車選択処理を行い、前記現在横位置が前記自車線領域内に存在し、且つ前記予測横位置が前記自車線領域外に存在する場合には、先行車としての選択を解除し、前記現在横位置及び前記予測横位置に基づいて前記物体が前記自車線領域内に所定時間以上滞在していたかどうかを判定し、滞在していなかった場合には、前記予測横位置が前記自車線領域外に存在していても、先行車としての選択を解除しないようにすること、
    を特徴とする先行車選択装置。
  2. 請求項1記載の先行車選択装置において、
    前記選択手段は、
    前記現在横位置が前記自車線領域内に存在し、且つ前記予測横位置も前記自車線領域内に存在する場合には、先行車としての選択を継続すること、
    を特徴とする先行車選択装置。
  3. 請求項1又は2記載の先行車選択装置において、
    前記選択手段は、
    前記現在横位置が前記自車線領域外に存在し、且つ前記予測横位置も前記自車線領域外に存在する場合には、先行車としての選択をしないこと、
    を特徴とする先行車選択装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載の先行車選択装置において、
    前記選択手段は、
    前記現在横位置が前記自車線領域外に存在し、且つ前記予測横位置が前記自車線領域内に存在する場合には、先行車として選択すること、を特徴とする先行車選択装置。
  5. 認識対象の物体の自車に対する相対位置及び相対速度を算出する物体認識手段と、
    前記物体認識手段にて算出された前記物体の相対位置に基づき、前記物体が自車の進行方向を基準として定められた自車線領域内に存在するか否かを判定し、その判定結果に基づいて自車に対する先行車を選択する選択手段と、
    を備える先行車選択装置であって、
    前記物体認識手段は、自車の進行方向に直交する横方向への前記物体の相対速度である横移動速度も算出可能であり、
    前記選択手段は、前記横移動速度を用いて前記物体の所定時間後の横方向の位置である予測横位置を算出し、現在の横方向の位置である現在横位置と前記予測横位置とに基づいて先行車選択処理を行い、前記現在横位置が前記自車線領域外に存在し、且つ前記予測横位置が前記自車線領域内に存在する場合には先行車として選択し、前記現在横位置及び前記予測横位置に基づいて、前記物体が前記自車線領域の1つ隣の車線内に所定時間以上滞在していたかどうかを判定し、滞在していなかった場合には、前記予測横位置が前記自車線領域内に存在していても、先行車としての選択を開始しないようにすること、
    を特徴とする先行車選択装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載の先行車選択装置において、
    前記選択手段は、
    前記横移動速度の絶対値が所定値以上でなければ、前記予測横位置に基づく先行車としての選択の開始あるいは解除を実行しないこと、
    を特徴とする先行車選択装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか記載の先行車選択装置において、
    さらに、
    少なくとも自車の走行路のカーブ半径を含むカーブデータを求めるカーブ検出手段と、
    前記物体認識手段にて算出された前記物体の相対位置を、前記カーブ検出手段によって求められたカーブデータに基づいて、直進路に該当する相対位置に変換する直進路変換手段と、を備え、
    前記選択手段は、前記直進路変換手段にて変換された直進路に該当する相対位置に基づいて前記先行車選択処理を行うこと、
    を特徴とする先行車選択装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか記載の先行車選択装置において、
    前記選択手段は、
    前記物体が前記自車線領域内に存在するか否かを判定する際、まず、自車線領域内に存在する確率を算出し、その算出された確率に基づいて判定すること、
    を特徴とする先行車選択装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか記載の先行車選択装置において、
    前記選択手段は、
    前記自車線領域内に存在するか否かという2値的な判定に代えて、存在する可能性を段階的に判定すること、
    を特徴とする先行車選択装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか記載の先行車選択装置と、
    自車両を加減速させる加速手段及び減速手段と、
    前記先行車選択装置によって選択された先行車と自車との間の距離に相当する物理量である実車間物理量と、自車と先行車との目標車間距離に相当する物理量である目標車間物理量との差である車間偏差、及び自車と先行車との相対速度に基づき、前記加速手段及び減速手段を駆動制御することによって、自車を先行車に追従させて走行させる車間制御手段と、
    を備えることを特徴とする車間制御装置。
  11. 請求項10記載の車間制御装置において、
    さらに、
    自車と先行車との実車間距離に相当する物理量である実車間物理量が、少なくとも自車と先行車との相対速度に基づいて設定された所定の警報判定値よりも小さくなったかどうかを判定し、前記実車間物理量が前記警報判定値よりも小さくなった場合に、車両運転者に対する警報処理を実行可能な車間警報手段を備えること、
    を特徴とする車間制御装置。
  12. 請求項1〜9のいずれか記載の先行車選択装置と、
    自車両を加減速させる加速手段及び減速手段と、
    前記先行車選択装置によって選択された先行車と自車との間の距離に相当する物理量である実車間物理量が、少なくとも自車と先行車との相対速度に基づいて設定された所定の警報判定値よりも小さくなったかどうかを判定し、前記実車間物理量が前記警報判定値よりも小さくなった場合に、車両運転者に対する警報処理を実行可能な車間警報手段と、
    を備えることを特徴とする車間警報装置。
  13. 請求項1〜9のいずれか記載の先行車選択装置における選択手段としてコンピュータシステムを機能させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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