JP3948409B2 - 車両進行路推定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の進行路形状を推定する車両進行路推定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自車両が走行する道路(進行路)の形状のうち、自車両の現在位置よりも前方側の進行路形状を推定する進行路推定機能を備えて、進行路形状を推定する車両進行路推定装置が知られている。
【0003】
なお、車両進行路推定装置には、進行路推定機能に加えて、例えば、自車両の推定進行路において自車両の前方を走行する車両(先行車)を検知して、自車両と先行車との車間距離を維持する制御処理(車間クルーズ制御処理)を備えるものがある。
【0004】
車間クルーズ制御処理では、進行路推定機能にて推定された自車両の推定進行路形状と共に、自車両周囲を走行する車両を検出する前方認識センサ(レーダセンサなど)の検出結果を用いることで、自車両走行レーンにおいて自車両の前方を走行する先行車を検知対象として設定する処理を行う。そして、車間クルーズ制御処理では、先行車との車間距離を目標車間距離(運転者が設定した距離)に一致させるように、自車両の駆動力および制動力を制御する処理(オートクルーズ制御処理)を実行する。
【0005】
そして、車両の進行路形状の推定手法としては、例えば、ステアリングセンサ、ヨーレートセンサおよび車速センサなどの検出結果に基づき、車両の現在の進行方向を表す車両進行方向情報を抽出し、その車両進行方向情報に基づいて未来の進行路形状を推定する手法がある。なお、上記各センサを用いて得られる車両進行方向情報は、その時点の車両における実際の進行方向が確実に反映されるという特徴がある。このことから、車両進行方向情報に基づき推定した推定進行路は、車両の現在位置に近い位置(直近位置)における推定精度(推定信頼度)が良好となる利点がある。
【0006】
しかし、車両進行方向情報に基づき推定した推定進行路は、推定進行路のうち車両の現在位置から遠い位置(遠方位置)での推定精度が低下するという問題や、一定半径のカーブなどの単純な道路形状しか推定できず、単純ではない道路形状を推定できないという問題などがある。
【0007】
他方、自車両の前方を走行する車両(先行車)を検出する装置として、カーナビゲーションシステムを一体に備え、先行車の通行道路(通行レーン)を道路地図情報(地図データ)に基づき判断し、自車両と同一のレーンを走行中であるか否かを判断する装置が提案されている(特許文献1)。そして、このような技術を自車両の進行路推定に利用した場合には、道路地図情報(地図データ)を用い、車両現在位置の周辺道路形状に基づいて車両の進行路を推定する車両進行路推定装置を構成することが考えられる。この車両進行路推定装置によれば、車両の現在位置から離れた遠方位置での道路形状の推定精度を向上できる。
【0008】
また、上記特許文献1の他にも、道路地図情報に基づいて道路形状を判定する技術が提案されている(特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5)。さらに、自車両の前方を撮影した画像情報と、自車両周辺の道路地図情報とを用いて、車両の進行路(走行コース)を推定する走行コース推定装置(特許文献6)が提案されている。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−187800号公報(請求項1,図1)
【特許文献2】
特開平7−234990号公報(請求項1)
【特許文献3】
特開平7−234991号公報(請求項1)
【特許文献4】
特開平8−240658号公報(段落番号[0017])
【特許文献5】
特開平6−206507号公報(段落番号[0009])
【特許文献6】
特開2001−250199号公報(請求項1,段落番号[0016])
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1から特許文献5に記載の装置においては、カーナビゲーション装置における車両現在位置の検出精度が低い場合には、道路形状の検出精度も低下することになり、また、道路地図情報が古いなどの原因により、実際の道路形状とは異なる形状を、誤って推定進行路として推定する可能性がある。
【0011】
また、上記特許文献6に記載の装置では、画像情報に基づき抽出した道路形状を主体として車両の進行路を推定しているため、道路曲率が大きい等の原因により前方道路が撮影可能範囲から逸脱する場合や、レーンマークが欠落している場合などの状況下では、進行路を推定できないという問題がある。
【0012】
そこで、本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、車両現在位置の検出精度や道路地図情報の情報信頼度が推定進行路の推定精度に与える影響が小さく、道路曲率の大きさやレーンマークの欠落の影響を受けることなく、また、車両現在位置から直近位置の道路形状を正確に検出でき、単純な形状以外の道路形状を推定できる車両進行路推定装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、基準推定進行路を用いて車両の進行路形状を推定する車両進行路推定装置であって、少なくとも車両の走行状態または道路条件のいずれかに応じて補正割合を設定し、その補正割合に基づき進行路前方道路形状を用いて補正した補正後の基準推定進行路を、車両の推定進行路として設定することを特徴とする。なお、この車両進行路推定装置は、基準推定進行路推定手段、道路形状取得手段および進行路補正手段を備えて構成されている。
【0014】
このうち、基準推定進行路推定手段が、車両の現在の進行方向を表す車両進行方向情報に基づき、車両の基準推定進行路を推定する。また、進行路前方道路形状とは、車両の走行中道路のうち車両現在位置よりも前方側の道路形状を意味しており、道路形状取得手段は、車両の現在位置および進行方位に基づき、少なくとも道路形状を含む道路地図情報から進行路前方道路形状を取得する。
【0015】
さらに、進行路補正手段は、少なくとも車両の走行状態または道路条件のいずれかに応じて補正割合を設定し、補正割合に基づき進行路前方道路形状を用いて基準推定進行路を補正して、補正後の基準推定進行路を車両の推定進行路として設定する。なお、車両の走行状態には、例えば、自車速度(車両の走行速度)があり、道路条件には、例えば、自車からの距離、自車からの車間時間(自車が現在位置からその地点まで移動するのに要する時間)、進行路前方道路形状の道路曲率変化量(進行路形状変化量)、走行中の道路の属性(自動車専用道路であるか、一般道路であるか、等)などがある。
【0016】
基準推定進行路は、車両の現在の進行方向を表す車両進行方向情報に基づき推定されることから、車両現在位置からの距離が短い位置(距離直近位置)や、車両現在位置からの移動時間が短い位置(時間直近位置)における進行路の推定精度(推定信頼度)が高くなるという特徴がある。なお、車両の現在の進行方向を表す車両進行方向情報には、例えば、ステアリングセンサにより検出される操舵角や、ヨーレートセンサにより検出されるヨーレートなどが挙げられる。
【0017】
また、進行路前方道路形状は、車両の現在位置に基づき道路地図情報から取得される情報であり、基準推定進行路に比べて、車両の遠方位置における推定進行路の推定精度が高いという特徴がある。
そして、この車両進行路推定装置は、進行路前方道路形状を用いて補正した基準推定進行路を、車両の推定進行路として設定しているので、車両現在位置から直近位置の推定精度を高く維持しつつ、車両現在位置から遠方位置における道路形状の推定精度を向上させることができる。
【0018】
なお、進行路前方道路形状は、道路地図情報から取得される情報であり、車両現在位置の検出精度や道路地図情報の情報信頼度による影響を受けることから、進行路前方道路形状に基づく推定進行路の推定精度は、車両現在位置の検出精度や道路地図情報の情報信頼度の影響を受けることになる。しかし、進行路前方道路形状は、本発明における車両進行路形状の推定に際しては、基準推定進行路の補正に用いられるものであり、推定される車両進行路形状への影響度合いは小さい。
【0019】
そのため、本発明の車両進行路推定装置は、車両現在位置の検出精度や道路地図情報の情報信頼度が推定進行路の推定精度に与える影響を抑えて、車両の進行路形状を推定することができる。
さらに、本発明では、進行路の推定にあたり、画像情報は使用しないことから、道路曲率が大きいこと等に起因して前方道路が撮影可能範囲から逸脱することや、レーンマークの欠落などによる影響を受けることなく、車両の進行路形状を推定することができる。
【0020】
また、道路地図情報から取得される進行路前方道路形状は、単純な形状の道路に限られず、様々な形状の道路形状となりうることから、進行路前方道路形状を用いた補正を行うことにより、単純な形状以外の道路形状を推定進行路形状として推定することが可能となる。
【0021】
よって、本発明の車両進行路推定装置によれば、車両現在位置の検出精度や道路地図情報の情報信頼度が推定進行路の推定精度に与える影響が小さく、道路曲率の大きさやレーンマークの欠落の影響を受けることなく、また、車両現在位置から直近の道路形状を正確に検出でき、単純な形状以外の道路形状を推定することが可能となる。
【0022】
補正に際しては、請求項2に記載のように、基準推定進行路のうち車両現在位置からの距離が遠い位置ほど、補正割合を大きく設定するように進行路補正手段を構成すると良い。
つまり、車両現在位置からの距離(換言すれば、自車からの距離)が遠い位置ほど、その時点の車両進行方向情報がその後の車両進行方向に反映される割合は低くなるため、車両進行方向情報に基づき推定した基準推定進行路の推定精度が低下する。したがって、基準推定進行路のうち車両現在位置からの距離が遠い位置ほど補正割合を大きく設定することで、車両の推定進行路形状の全体的な推定精度を向上させることができる。
【0023】
なお、このように補正するにあたっては、請求項3に記載のように、基準推定進行路のうち補正割合として同一値を設定する位置を、車両の走行速度が遅くなるほど車両現在位置からの距離が近くなる位置に設定するように、進行路補正手段を構成すると良い。換言すれば、車両の走行速度が低いほど、上記請求項2に記載の”遠い”とする距離を短くするのである。
【0024】
車両の進行路においては、車両現在位置からの距離が遠くなるほど、あるいは移動時間が長くなるほど、その時点の車両進行方向情報がその後の車両進行方向に反映される割合は低くなるため、車両進行方向情報に基づき推定される基準推定進行路では、車両現在位置に近いほど、あるいは移動時間が短いほど、推定精度が高くなる。そして、車両の走行速度が遅くなるほど、単位時間当たりの車両の進行距離が短くなり、単位距離当たりの移動時間が長くなるため、基準推定進行路のうち推定精度が同一となる位置は、車両の走行速度が遅くなるほど車両現在位置に近づくことになる。
【0025】
よって、補正割合として同一値を設定する位置を、車両の走行速度が遅くなるほど車両現在位置からの距離が近くなる位置に設定することで、車両の推定進行路形状における各位置での推定精度の低下を防ぐことができる。
また、補正に際しては、請求項4に記載のように、車両の走行速度を検出し、検出した車両の走行速度が遅くなるほど補正割合を大きく設定するように、進行路補正手段を構成すると良い。
【0026】
前述のように、基準推定進行路は、車両現在位置に近いほど、あるいは移動時間が短いほど、推定精度が高くなる傾向がある。そして、車両の走行速度が遅くなるほど単位時間当たりの車両の進行距離が短くなることから、車両現在位置からの距離が同一の位置においては、車両の走行速度が遅くなるほど、現在の車両進行方向情報に基づいて推定される推定進行路の推定精度が低くなる。
【0027】
よって、車両の走行速度が遅くなるほど補正割合を大きく設定し、その補正割合で基準推定進行路を補正することで、車両の推定進行路形状における各位置での推定精度を向上させることができる。
次に、補正に際しては、請求項5に記載のように、進行路前方道路形状における進行路形状変化量を算出し、算出した進行路形状変化量が大きくなるほど、補正割合を大きく設定するように、進行路補正手段を構成すると良い。
【0028】
ここで、進行路形状変化量(道路曲率変化量)とは、車両の進行方向において道路の曲率半径が変化する割合を意味しており、直線道路や一定半径の曲線道路については、進行路形状変化量は小さく(ほぼ0に等しく)、直線道路から曲線道路に移行する箇所、曲線道路から直線道路に移行する箇所、および曲線道路のうち曲率半径が変化する箇所については、進行路形状変化量が大きくなる。
【0029】
つまり、進行路形状変化量が大きくなるほど道路形状は複雑な形状となることから、進行路前方道路形状における進行路形状変化量が大きくなるほど、実際の道路形状と基準推定進行路との誤差が大きくなる可能性が高くなる。
よって、進行路前方道路形状における進行路形状変化量が大きくなるほど、補正割合を大きく設定することで、最終的に設定する車両の推定進行路形状における基準推定進行路の影響を低下できる。この結果、車両の進行路形状を推定するにあたり、誤差の増大を抑制でき、単純な形状以外の道路形状を推定できる車両進行路推定装置を実現することができる。
【0030】
次に、補正に際しては、請求項6に記載のように、車両が現在走行中の道路が自動車専用道路であるか否かを判断し、現在走行中の道路が自動車専用道路以外であると判断すると、補正割合を大きく設定して基準推定進行路を補正するように、進行路補正手段を構成すると良い。
【0031】
つまり、自動車専用道路は、一般に、進行路形状変化量が小さいという傾向があり、また、自動車専用道路のうち高速道路は高速走行を目的とする道路であることから、基準推定進行路が実際の車両進行路に近くなる確率が高くなり、基準推定進行路を主体として、車両の推定進行路を推定することで、推定精度を高くすることができる。
【0032】
これに対して、自動車専用道路以外の道路は、一般に、進行路形状変化量が大きいという特徴があり、また、高速走行が制限される道路であることから、基準推定進行路の補正割合を大きくすることで、補正後の基準推定進行路を実際の車両進行路に近づく確率が高くなり、推定精度を向上させることができる。
【0033】
なお、自動車専用道路であるか否かの判断は、例えば、道路地図情報および車両現在位置に基づいて実行することができ、あるいは、車両の走行速度、ETC車載器などからの情報、運転者による手動設定などに基づいて実行することも可能である。
【0034】
また、補正に際しては、請求項7に記載のように、車両が車線変更中又は進路変更中であるか否かを判断し、車両が車線変更中又は進路変更中と判断した場合には、基準推定進行路の補正を行わず、基準推定進行路推定手段にて推定された基準推定進行路を、車両の推定進行路として設定するように、進行路補正手段を構成すると良い。ここで、車線変更とは平行して走行する車線間を移動することであり、進路変更とは右左折等により走行する道路を変更することである。
【0035】
つまり、車線変更時又は進路変更中は、車両の進行方向と道路の進行方向とが一致しない状態となる時間が長くなるため、道路の進行方向を表す進行路前方道路形状は、実際の車両進行方向とは異なる方向となることが多い。このため、車線変更中又は進路変更中に進行路前方道路形状を用いて基準推定進行路を補正した場合には、実際の車両の進行方向とは異なる進行路(誤った進行路)を推定する虞がある。
【0036】
したがって、車線変更中と判断した場合には、基準推定進行路の補正を行わず、実際の車両進行方向を表す基準推定進行路をそのまま車両の推定進行路として設定することで、少なくとも直近位置において、誤った進行路を推定するのを防止し、推定精度の低下を防ぐことができる。
【0037】
次に、補正の具体的な演算方法としては、例えば、請求項8に記載のように、基準推定進行路と進行路前方道路形状とを同一座標平面(演算基準座標平面)の座標データとして規定し、演算基準座標平面において、基準推定進行路および進行路前方道路形状をそれぞれ規定する座標データの加重平均演算を行うことで、基準推定進行路を補正する演算方法が考えられる。
【0038】
なお、演算基準座標平面は、例えば、車両の進行方向を第1軸とし、水平面および第1軸のそれぞれに対して垂直な方向を第2軸とする座標平面として規定できる。そして、座標変換手段は、基準推定進行路を規定する座標データおよび進行路前方道路形状を規定する座標データのそれぞれを、演算基準座標平面の座標データに座標変換することで、基準推定進行路および進行路前方道路形状の座標系を統一するのである。
【0039】
また、進行路補正手段は、演算基準座標平面において、基準推定進行路を規定する座標データと、進行路前方道路形状を規定する座標データとの加重平均演算を行い、演算結果の座標データにより規定される形状を補正後の基準推定進行路として設定するのである。なお、加重平均演算は、例えば、基準推定進行路および進行路前方道路形状における各座標データのうち、第1軸成分が同一値となる各座標データについて、第2軸成分を加重平均演算することで実行できる。このとき、第2軸成分が同一値となる各座標データについて、第1軸成分を加重平均演算してもよい。
【0040】
このような演算を実行することにより、補正後の基準推定進行路を演算基準座標平面における座標データの集合として特定でき、車両の推定進行路を具体的に設定することができる。
なお、演算基準座標平面は、車両現在位置を原点とする座標平面として設定するとよい。これにより、補正後の基準推定進行路(車両の推定進行路)は、車両現在位置を中心とする車両の推定進行路を表すデータとなるため、車両現在位置と車両の推定進行路との相対位置関係の把握が容易なデータとなる。すなわち、補正後の基準推定進行路に対してさらなる座標変換を行うことなく、車両の推定進行路の把握が容易なデータを取得できるという利点がある。
【0041】
次に、補正割合を大きくするには、例えば、請求項9に記載のように、進行路補正手段が、基準推定進行路と進行路前方道路形状との加重平均演算を行い、演算結果により規定される形状を補正後の基準推定進行路として設定する場合には、進行路前方道路形状の重み付けを大きく設定することで、補正割合を大きくする方法がある。
【0042】
つまり、進行路前方道路形状の重み付けを大きく設定することで、補正後の基準推定進行路のうち、進行路前方道路形状の反映割合が増大し、補正前の基準推定進行路の反映割合が減少する。これにより、補正前の基準推定進行路の推定精度が低い場合においては、補正後の基準推定進行路と実際の車両進行路との誤差を減少させることができ、車両の推定進行路を推定する際の推定精度の向上を図ることができる。
【0043】
また、補正割合を大きくするための他の方法としては、例えば、請求項10に記載のように、進行路補正手段が、基準推定進行路の補正許可範囲を設定し、補正許可範囲内において基準推定進行路を補正するよう構成されている場合には、補正割合を大きくするにあたり、補正許可範囲を大きく設定する方法がある。
【0044】
つまり、基準推定進行路における補正を許可する範囲(補正許可範囲)を設定するにあたり、補正許可範囲を大きく設定することで、補正後の基準推定進行路のうち、進行路前方道路形状の反映割合が増大し、補正前の基準推定進行路の反映割合が減少する。これにより、補正前の基準推定進行路の推定精度が低い場合においては、補正後の基準推定進行路と実際の車両進行路との誤差を減少させることができ、推定精度の向上を図ることができる。
【0045】
なお、補正許可範囲を大きく設定するには、たとえば、基準推定進行路に対して加算または減算する補正量(補正幅)の上限値(補正量上限値)を大きく設定する処理を行う。
ところで、実際の道路には2本以上の道路に分かれる分岐路が存在することから、道路形状取得手段が進行路前方道路形状として複数の分岐路を含む形状を取得する場合がある。このような場合、複数の分岐路のうち、進行路前方道路形状として設定する分岐路の選択方法が、推定進行路の推定精度に大きく影響することになる。
【0046】
そこで、請求項11に記載のように、進行路補正手段は、進行路前方道路形状に複数の分岐路が存在するか否かを判断するよう構成するとよい。そして、進行路補正手段は、進行路前方道路形状に複数の分岐路が存在すると判断する場合には、複数の分岐路のうち基準推定進行路との一致度が最も高い分岐路を用いて、基準推定進行路の補正を行うのである。
【0047】
つまり、基準推定進行路との一致度が最も高い分岐路は、実際の車両進行路となる確率が高いため、基準推定進行路との一致度が最も高い分岐路を進行路前方形状として設定して補正を行うことで、補正後の基準推定進行路(推定進行路)と実際の車両進行路との誤差が大きくなる確率を低減できる。
【0048】
これにより、車両の進行経路に分岐点が存在する場合においても、実際の車両進行路と推定進行路との誤差が大きくなる確率を低減でき、車両の推定進行路を推定する際の推定精度の低下を抑えることができる。
また、請求項12に記載のように、進行路前方道路形状に複数の分岐路が存在すると判断した場合に、基準推定進行路のうち複数の分岐路に分かれる分岐点から先の領域は補正を行わず、基準推定進行路のうち車両現在位置から分岐点までの領域について補正を行うようにしてもよい。
【0049】
つまり、複数の分岐路のうちいずれの分岐路に進行するか判断できない場合には、車両の進行路とは異なる分岐路の形状に基づいて補正を行うことで、却って車両の進行路の推定精度が低下する虞がある。これに対して、基準推定進行路のうち複数の分岐路に分かれる分岐点から先の領域は補正を行わないことで、推定精度の低下を防止できる場合がある。
【0050】
なお、この場合、基準推定進行路のうち車両現在位置から分岐点に相当する位置までの領域は、進行路前方道路形状を用いた補正を行うことにより、推定精度の向上を図ることができる。
そして、上述の車両進行路推定装置は、請求項13に記載のように、先行車情報検出手段が、進行路補正手段により設定された推定進行路を走行する車両のうち自車両の前方を走行する先行車を検出し、車間距離制御手段が、先行車情報検出手段の検出結果に基づき、先行車と自車両との車間距離を目標値に近づけるように、自車両の駆動力および制動力を制御するとよい。
【0051】
つまり、本発明の車両進行路推定装置においては、上述のように、進行路補正手段による自車両の推定進行路の推定精度が向上することから、先行車情報検出手段による先行車の検出精度が向上し、他レーンを走行する車両を先行車として誤認識する確率を低減することができる。これに伴い、車間距離制御手段は、先行車情報検出手段にて検出される誤差の少ない先行車情報(先行車の走行角度,実車間距離,相対速度,先行車の自車線確率など)に基づき、車間距離を制御することから、車間距離制御の制御精度が向上するという利点がある。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は、本発明が適用された車両進行路推定装置1のシステム構成を概略的に示すブロック図であり、車両進行路推定装置1は、例えば、内燃機関(エンジン)や電動モータなどの動力源を備えた自動車に搭載されており、自車両の進行路を推定する推定進行路演算全体処理を実行する。なお、推定進行路演算全体処理の詳細な処理内容については、後述する。
【0053】
また、車両進行路推定装置1は、車間クルーズ制御機能(自動走行制御機能)を有しており、先行車と自車両との実際の車間距離(実車間距離)を目標とする車間距離(目標車間距離)に一致させるように、自車両の駆動力および制動力を制御する車間クルーズ制御処理(オートクルーズ制御処理)を実行する。なお、車間クルーズ制御処理では、推定進行路演算全体処理において推定された自車両の推定進行路形状と、後述する前方認識センサ3の検出結果に基づき、その推定進行路を走行する車両を特定して、検知対象の先行車として設定する処理を実行する。
【0054】
車両進行路推定装置1は、車間距離制御用電子制御装置4(以下、車間距離制御ECU4ともいう)、エンジン制御用電子制御装置5(以下、エンジン制御ECU5ともいう)、ブレーキ制御用電子制御装置6(以下、ブレーキ制御ECU6ともいう)、ナビゲーション用電子制御装置32(以下、ナビゲーションECU32ともいう)を中心に構成されている。
【0055】
各ECUは、CPU,ROM,RAM,I/O回路を有する公知のマイクロコンピュータから構成され、イグニッションスイッチ(図示略)がオンされることにより車載バッテリ(図示略)から電源が供給される。各ECUは、制御系LAN7(LOCAL AREA NETWORK7)を介して、互いに各種情報を送受信できるように接続されている。
【0056】
なお、制御系LAN7は、ゲートウエイ(図示省略)を介してボディ系LAN(図示省略)などの他のLANに接続されており、各ECUは、他のLANに接続された機器(例えば、ワイパスイッチ,テールスイッチ,表示装置,ウインカーなど(図示省略))との間で各種情報を送受信することができる。また、表示装置は、運転者から視認可能な位置(例えば、インスツルメンタルパネル上など)に設置されて、ダイアグノーシス,ブレーキ作動状態などの内容を表示する。
【0057】
車間距離制御ECU4は、前方認識センサ3と接続されており、前方認識センサ3は、超音波,電波,レーザ,赤外線などを利用した公知のレーダセンサまたは近接センサから構成されている。例えば、レーダセンサは、スキャニング測距器およびマイクロコンピュータを中心として構成されている。スキャニング測距器は、車幅方向の所定角度範囲に超音波,電波,レーザ,赤外線などをスキャン照射し、先行車からの反射波または反射光に基づいて、自車に対する先行車の走行方向(走行角度)や、先行車と自車との実車間距離および相対速度を検出する。マイクロコンピュータは、スキャニング測距器の検出した先行車の走行角度,実車間距離,相対速度と、車間距離制御ECU4から入力された自車の現在の走行速度(以下、現車速という)および自車両の推定進行路とに基づいて、先行車の自車線確率を演算する。そして、前方認識センサ3は、先行車の走行角度,実車間距離,相対速度,先行車の自車線確率などの情報から成る先行車情報と、前方認識センサ3自体のダイアグノーシスとを、車間距離制御ECU4へ出力する。
【0058】
車間距離制御ECU4には、クルーズメインスイッチ23およびクルーズコントロールスイッチ13が接続されている。クルーズメインスイッチ23は車間距離制御ECU4を起動させるための電源スイッチである。クルーズコントロールスイッチ13は、車間クルーズ制御処理において、先行車と自車との目標車間距離、または、自車が目標車間距離だけ移動するのに要する時間(以下、目標車間時間という)を運転者が設定すると共に、車間クルーズ制御処理の実行を運転者が指示するためのスイッチである。
【0059】
また、車間距離制御ECU4は、クルーズコントロールスイッチ13から入力された目標車間距離または目標車間時間及び車間クルーズ制御指示と、前方認識センサ3から入力された先行車情報およびダイアグノーシスと、エンジン制御ECU5から入力されたスロットル開度,現車速,制御状態(アイドル制御状態,トランスミッションのシフト位置、ブレーキスイッチなど)と、ブレーキ制御ECU6から入力された操舵角およびヨーレートと、他のLANに接続された各機器(ワイパスイッチおよびテールスイッチなど)の操作状態とをそれぞれ表す各信号と、ナビゲーションECU32から入力された各制御信号とに基づいて、推定進行路を演算する推定進行路演算全体処理や、目標加速度、車間クルーズ制御要求などを設定して自車両の駆動力および制動力を制御する車間クルーズ制御処理を実行すると共に、ブレーキ要求および警報要求を表す各信号を生成する処理を実行する。
【0060】
そして、車間距離制御ECU4は、目標加速度、車間クルーズ制御要求を表す信号をエンジン制御ECU5へ出力し、目標加速度,ブレーキ要求、車間クルーズ制御要求を表す各信号をそれぞれブレーキ制御ECU6へ出力し、ダイアグノーシスを表す信号を制御系LAN7を介して表示装置(図示省略)へ出力する。
【0061】
警報ブザー22は、車間距離制御ECU4から入力された警報要求を表す信号に応じて鳴動される。
エンジン制御ECU5には、車速センサ14の他に、スロットル開度センサ(図示省略)やブレーキスイッチ(図示省略)などが接続されている。車速センサ14は、車両のトランスミッションの出力軸(図示略)の回転速度に基づいて自車の走行速度(自車速度)を検出する。スロットル開度センサは、ガソリンエンジンのスロットルバルブ(図示略)の実際の開度(以下、実スロットル開度という)を検出する。ブレーキスイッチは、運転者によるブレーキペダル(図示略)の踏み込みの有無を検出する。
【0062】
車速センサ14は、車両の走行速度を検出する速度検出手段として備えられており、後述する推定進行路演算全体処理は、車速センサ14が検出した車両走行速度に基づいて、基準推定進行路の補正割合(補正重み、補正量上限値)を設定する処理を実行する。
【0063】
そして、エンジン制御ECU5は、車速センサ14,スロットル開度センサから入力された各信号と、車間距離制御ECU4から入力された目標加速度、車間クルーズ制御要求を表す信号に基づいて、スロットルアクチュエータ,トランスミッション,インジェクタを駆動制御する。
【0064】
スロットルアクチュエータはスロットルバルブの開度を調整する。
スロットルアクチュエータにはアクチュエータ駆動回路が備えられており、アクチュエータ駆動回路は、エンジン制御ECU5からの駆動命令に基づいて、アクチュエータの内部に備えられたモータおよびクラッチを制御するための駆動信号を生成する。その駆動信号に従って、モータの正転・逆転および回転速度が制御されると共にクラッチの開閉が制御され、モータの回転がクラッチを介してエンジンのスロットルバルブに伝達される。その結果、エンジン制御ECU5はエンジンの駆動力を調節することが可能になり、自車の速度を制御することができる。
【0065】
インジェクタはエンジンのインテークマニホールド(図示略)内に燃料を噴射する。
また、エンジン制御ECU5は、上記各信号に基づいて、現車速を演算すると共に、最適な制御状態(アイドル制御状態,トランスミッションのシフト位置など)を設定し、実スロットル開度,現車速,制御状態を表す各信号をそれぞれ車間距離制御ECU4へ出力し、現車速を表す信号をブレーキ制御ECU6へ出力する。
【0066】
ブレーキ制御ECU6には、ステアリングセンサ19,ヨーレートセンサ20および図示しないマスタシリンダ圧センサが接続されている。ステアリングセンサ19は車両の操舵角を検出する。ヨーレートセンサ20は車両のヨーレートを検出する。マスタシリンダ圧センサは、ブレーキ装置のマスタシリンダの油圧(マスタシリンダ圧)を検出する。
【0067】
ブレーキ制御ECU6は、マスタシリンダ圧センサ(図示省略),ステアリングセンサ19,ヨーレートセンサ20から入力された各信号と、車間距離制御ECU4から入力された目標加速度,ブレーキ要求,車間クルーズ制御要求を表す各信号と、エンジン制御ECU5から入力された現車速を表す信号とに基づいて、ブレーキアクチュエータ(図示省略)を駆動制御する。
【0068】
ブレーキ装置(図示略)は、マスタシリンダ,ホイールシリンダ,増圧制御弁,減圧制御弁,リザーバ,ブレーキアクチュエータなどから構成されている。車両の各車輪にはそれぞれホイールシリンダが配設され、マスタシリンダからのマスタシリンダ圧が各増圧制御弁を介して各ホイールシリンダへ送られる。尚、マスタシリンダは、ブレーキペダルの踏み込み又はブレーキアクチュエータによりマスタシリンダ圧を発生する。また、各ホイールシリンダからの油圧は各減圧制御弁を介してリザーバへ送られる。そして、ブレーキアクチュエータは、ブレーキ制御ECU6の制御に基づき、大気圧およびエンジン負圧に対応してマスタシリンダ圧の増圧・減圧をデューティ制御することによりブレーキ作動を制御する。
【0069】
また、ブレーキ制御ECU6は、操舵角およびヨーレートを表す各信号をそれぞれ車間距離制御ECU4へ出力し、ブレーキアクチュエータに対して指令したブレーキ作動状態を表す信号を、制御系LAN7を介して表示装置(図示省略)へ出力する。
【0070】
ナビゲーションECU32は、位置検出装置33、図示しない地図データ入力器、操作スイッチ群、ナビ表示装置などと共に、ナビゲーション装置(図示省略)を構成する。
位置検出装置33は、ジャイロスコープ、GPS(Global Positioning System )受信機を備えると共に、車速センサ14による自車の走行速度の検出結果を制御系LAN7を介して受信可能に構成されており、ジャイロスコープ、GPS受信機、車速センサ14の検出結果を用いて、自車の現在位置を検出する。GPS受信機は、GPS用の人工衛星からの送信電波をGPSアンテナ38を介して受信する。なお、ジャイロスコープ、GPS受信機、車速センサ14は、各々が性質の異なる誤差を有しているため、複数のセンサが各々補完し合って位置検出精度を高めるように構成されている。そして、要求される位置検出精度によっては、ジャイロスコープ、GPS受信機、車速センサ14の内の一部のみで構成してもよく、あるいは、ジャイロスコープ、GPS受信機、車速センサ14の他に、左右操舵輪の回転差などから得られる車両のステアリング角を累積して方向を求めるセンサや、地磁気センサなどを用いてもよい。
【0071】
地図データ入力器は、記録媒体に格納された地図データ(道路地図情報)を入力する。尚、地図データには、道路の接続を表したデータや、位置検出精度向上のためのマップマッチング用データなどが含まれる。ところで、地図データが格納される記録媒体としては、CD−ROM、DVDやメモリカードなどの記録媒体を用いることができる。
【0072】
操作スイッチ群は、ナビゲーション装置を操作するための各種スイッチから構成され、具体的には、ナビ表示装置に表示させる表示内容を切り替えるためのスイッチや、運転者が目的地までのルート(案内経路)を設定するためのスイッチなどを含む。尚、操作スイッチ群を構成する各種スイッチとしては、ナビ表示装置と一体に構成されたタッチスイッチを用いてもよく、あるいは、一般的なメカニカルスイッチを用いてもよい。
【0073】
ナビ表示装置は、自車の現在位置などを地図上に表示する。
ナビゲーションECU32は、位置検出装置33,地図データ入力器,操作スイッチ群から入力された各信号に基づいて、運転者が設定した目的地までの最適な経路をダイクストラ法などの公知の技術を用いて選択し、その経路および自車の現在位置をナビ表示装置に表示させる。
【0074】
また、ナビゲーションECU32は、位置検出装置33および地図データ入力器から入力された各信号に基づいて、推定進行路の演算に用いる進行路前方道路形状データを生成し、その信号を車間距離制御ECU4へ出力する。
次に、車両進行路推定装置で実行される推定進行路演算全体処理について、図2に示すフローチャートと共に説明する。なお、図2は、推定進行路演算全体処理の処理内容を表すフローチャートである。
【0075】
イグニッションスイッチおよびクルーズメインスイッチ23がオンされて各ECU4〜6、前方認識センサ3、ナビゲーションECU32が起動すると、これらの装置3〜6,32は内蔵されたROMやRAMに予め記憶されたプログラムに従い、コンピュータによる各種演算処理によって、以下の各ステップの処理を実行する。尚、前記プログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスクなど)に記録しておき、必要に応じて各装置3〜6,32にロードして起動することにより用いるようにしてもよい。
【0076】
推定進行路演算全体処理が開始されると、図2に示すように、まず、S110(Sはステップを表す。以下同様)として、車両進行方向情報に基づき基準推定進行路を推定演算する処理が、車間距離制御ECU4において実行される。このとき、車間距離制御ECU4は、ステアリングセンサ19にて検出された操舵角Str[deg]およびヨーレートセンサ20にて検出されたヨーレートYaw[deg/sec]を、ブレーキ制御ECU6から取得し、また、車速センサ14にて検出された自車速度Vn[km/h]を、エンジン制御ECU5から取得する。これらの情報(操舵角Str、ヨーレートYaw、自車速度Vn)は、実際の車両の進行方向を表す車両進行方向情報である。
【0077】
基準推定進行路演算処理では、[数1]または[数2]に示す推定カーブ半径計算式に対して、操舵角Str、ヨーレートYawおよび自車速度Vnを代入することにより、推定カーブ半径R[m]を算出し、算出した推定カーブ半径Rで規定される形状を基準推定進行路として設定する。
【0078】
【数1】
【0079】
【数2】
【0080】
なお、[数1]のうち、Lはホイールベース[m]であり、Kはスタビリティファクタであり、[数2]のうち、”3.6“は、速度の単位を[km/h]から[m/s]に変換するための変換用定数である。
このようにして得られる基準推定進行路は、車両の現在の進行方向を表す車両進行方向情報に基づき推定されることから、車両現在位置からの距離が短い位置(距離直近位置)や、車両現在位置からの移動時間が短い位置(時間直近位置)における進行路の推定精度(推定信頼度)が高くなるという特徴がある。
【0081】
なお、S110では、基準推定進行路を演算した後、得られた基準推定進行路を表す座標系を変換する処理を行う。具体的には、得られた基準推定進行路を表す座標系を、車両の進行方向(自車進行方向)を第1軸(Z軸)とし、水平面および第1軸のそれぞれに対して垂直な方向(自車横方向)を第2軸(X軸)とする演算基準座標平面に基づく変換後座標系に、座標変換する座標変換演算処理を行う。
【0082】
次のS120として、ナビゲーション装置道路形状演算処理が、ナビゲーションECU32において実行される。ナビゲーション装置道路形状演算処理の処理内容を表すフローチャートを、図3に示す。
ナビゲーション装置道路形状演算処理が開始されると、S210では、GPSアンテナ38にて受信したGPS信号や、地図データに含まれるマップマッチング用データなどを用いて、自車両の現在位置(車両現在位置)を求める演算を実行する。なお、車両現在位置は、例えば、緯度および経度により特定することができる。
【0083】
次のS220では、前方道路形状データ抽出処理を実行しており、自車両が走行する道路(進行路)のうち、S210で求めた車両現在位置よりも前方の道路形状(進行路前方道路形状データ)を、地図データから抽出する。なお、地図データには、地図上の各位置(ノード)における緯度および経度が記録されており、道路情報は、道路形状に応じて複数のノードを連結してなるノード連結情報として記録されている。つまり、車両が現在走行中の道路に対応する道路情報のうち、車両現在位置に対応するノードから、車両の進行方向に向かうノード連結情報を抽出することで、進行路前方道路形状データを抽出することができる。
【0084】
なお、S220では、進行路前方道路形状データに複数の分岐路が存在するか否かを判断しており、進行路前方道路形状データに複数の分岐路が存在すると判断する場合には、複数の分岐路のうち、S110で設定された基準推定進行路との一致度が最も高い分岐路を、進行路前方道路形状データとして設定する処理を行う。
【0085】
2つの分岐路(分岐路Aおよび分岐路B)が存在する場合に、進行路前方道路形状データとして採用する分岐路を決定する際の概念を表す説明図を、図7に示す。図7に示すように、進行路前方道路形状データに分岐路Aおよび分岐路Bが存在する場合であって、分岐路Aが基準推定進行路の形状に近い場合には、最終的な進行路前方道路形状データとして、分岐路Aを採用する。
【0086】
このようにして得られる進行路前方道路形状データは、車両の現在位置に基づき道路地図情報(地図DB)から取得される情報であり、基準推定進行路に比べて、車両の遠方位置における推定進行路の推定精度が高いという特徴がある。
次のS230では、進行路前方道路形状データの各ノードを表す座標系を、緯度・経度からなる座標平面に基づく変換前座標系から、車両の進行方向(自車進行方向)を第1軸(Z軸)とし、水平面および第1軸のそれぞれに対して垂直な方向(自車横方向)を第2軸(X軸)とする演算基準座標平面に基づく変換後座標系に、座標変換する座標変換演算処理を行う。これにより、S120で得られた基準推定進行路を表す座標系と、S220で得られた進行路前方道路形状データを表す座標系とを、同一の座標系に統一することができる。
【0087】
座標変換演算処理による座標系変換の概念を表した説明図を図6に示す。なお、図6(a)は座標変換演算処理による変換前の座標系を表した説明図であり、図6(b)は座標変換演算処理による変換後の座標系を表した説明図である。
図6(a)に示すように、変換前座標系では、変換前自車両位置Nnの座標データは(Latn,Lonn)であり、進行路前方道路形状データにおける1つのノード(変換前ノードNi)の座標データは(Lati,Loni)であり、さらに、自車両の進行方向は矢印で示す方向である。また、図6(b)に示すように、変換後座標系では、変換後自車両位置Anの座標データは原点(0,0)であり、進行路前方道路形状データにおける1つのノード(変換後ノードAi)の座標データは(Zi,Xi)である。
【0088】
なお、この座標変換処理における変換式は、「Ai=P・(Ni−Nn)」のように表すことができ、この変換式のうち、Pは、自車進行方向により定まる変換行列である。
つまり、座標変換演算処理を行うことで、変換前自車両位置Nnおよび変換前ノードNiは、それぞれ変換後自車両位置Anおよび変換後ノードAiに変換される。このようにして、進行路前方道路形状データの各ノードが変換されることで、演算基準座標平面(X−Z平面)における進行路前方道路形状データを取得できる。
【0089】
S230の処理が終了すると、ナビゲーション装置道路形状演算処理が終了して、再び推定進行路演算全体処理に移行する。なお、ここで取得した進行路前方道路形状データ(緯度、経度からなるノードの並び)が車間距離制御ECU4に送信される。
【0090】
続いて、推定進行路演算全体処理でのS130として、推定進行路演算処理が、車間距離制御ECU4において実行される。推定進行路演算処理の処理内容を表すフローチャートを、図4に示す。
推定進行路演算処理が開始されると、S310では、補正量判定処理を実行する。補正量判定処理の処理内容を表すフローチャートを、図5に示す。
【0091】
補正量判定処理が開始されると、S410では、自車両が車線変更中又は進路変更中であるか否かを判定しており、肯定判定されるとS440に移行し、否定判定されるとS420に移行する。なお、車線変更中又は進路変更中であるか否かは、例えば、運転者によるウインカ(方向指示器)の操作状態に基づいて、ウインカ操作中は車線変更中又は進路変更中と判定することができる。あるいは、一定期間内におけるヨーレートの変化状態を検出し、検出結果が車線変更又は進路変更時に特有の変化状態と略一致する場合に、車線変更中又は進路変更中であると判断することもできる。
【0092】
S410で否定判定されてS420に移行すると、S420では、最終的な推定進行路における進行路前方道路形状データの反映割合を表す「補正重み」を設定する補正重み演算処理を行う。
なお、S420では、図8に示すようなマップデータを用いて補正重みを設定しており、図8(a)は自車両からの距離[m](換言すれば、車両現在位置からの距離[m])に基づき補正重みを設定するマップを表し、図8(b)は自車両からの車間時間[sec]に基づき補正重みを設定するマップを表し、図8(c)は自車速度[km/h]に基づき補正重みを設定するマップを表し、図8(d)は進行路前方道路形状データの道路曲率変化量(進行路形状変化量)に基づき補正重みを設定するマップを表す。
【0093】
補正重みを設定するための変数のうち、自車両からの車間時間とは、自車が現在位置からその地点まで移動するのに要する時間を表し、車間時間は、車間距離を自車速度で除算(車間距離÷自車速度)して得られる値である。
また、道路曲率変化量は、車両の進行方向において道路の曲率半径が変化する割合のことであり、図10におけるセグメント角度変化Hn(H1〜H3)が道路曲率変化量に相当する。なお、図10は、道路曲率変化量(セグメント角度変化Hn)を表すための説明図であり、第0ノードA0(車両現在位置A0)から第5ノードA5までを連結してなる進行路前方道路形状データを表すと共に、各ノード間を結ぶセグメントのなすセグメント角度G1〜G4と、セグメント角度変化H1〜H3とを示している。そして、第n番目のセグメント角度変化Hnは、(Hn=Gn+1−Gn)という数式により算出される値(換言すれば、第n+1番目のセグメント角度Gn+1と第n番目のセグメント角度Gnとの差分値)であり、道路の曲率半径の変化割合(道路曲率変化量)を示す。
【0094】
S420では、図8に示す4つのマップデータを用いて算出される補正重みのうち、最も小さい値を選択して最終的な補正重みとして設定する。なお、マップを用いて算出された複数の補正重みのうち、いずれか2以上の補正重みを組み合わせて得られる補正重みを、最終的な補正重みとして設定してもよい。例えば、複数の補正重みのうち、いずれか2以上の補正重みを乗算して得られる値を最終的な補正重みとして設定しても良く、また、複数の補正重みのうち、いずれか2以上の補正重みの平均値を最終的な補正重みとして設定しても良い。
【0095】
続くS430では、基準推定進行路の補正を許可する範囲(補正許可範囲)を設定する処理を行い、具体的には、基準推定進行路に対して加算または減算する補正量(補正幅)の上限値(補正量上限値Cmax[m])を設定する処理を行う。
【0096】
なお、S430では、図9に示すようなマップデータを用いて補正量上限値を設定しており、図9(a)は自車両からの距離[m]に基づき補正量上限値を設定するマップを表し、図9(b)は自車両からの車間時間[sec]に基づき補正量上限値を設定するマップを表し、図9(c)は自車速度[km/h]に基づき補正量上限値を設定するマップを表し、図9(d)は道路曲率変化量に基づき補正量上限値を設定するマップを表す。
【0097】
S430では、図9に示す4つのマップデータを用いて算出される補正量上限値のうち、最も小さい値を選択して最終的な補正量上限値として設定する。なお、マップを用いて算出された複数の補正量上限値のうち、いずれか2以上の補正量上限値を組み合わせて得られる補正量上限値を、最終的な補正量上限値として設定してもよい。例えば、複数の補正量上限値のうち、いずれか2以上の補正量上限値の平均値を最終的な補正量上限値として設定しても良い。
【0098】
S420およびS430では、図8(a)および図9(a)に示すように、基準推定進行路のうち、車両現在位置からの距離が大きい(遠い)位置ほど、補正重みを大きくし、または補正量上限値を大きくすることで、補正割合を大きく設定する処理を行う。つまり、車両現在位置からの距離(換言すれば、自車からの距離)が遠い位置ほど、基準推定進行路の推定精度が低下する傾向がある。このことから、基準推定進行路のうち車両現在位置からの距離が大きい位置ほど補正割合を大きく設定することで、車両の推定進行路形状の全体的な推定精度を向上できる。
【0099】
また、S420およびS430では、図8(b)および図9(b)に示すように、基準推定進行路のうち、自車両からの車間時間[sec]が大きい(長い)位置ほど、補正重みを大きくし、または補正量上限値を大きくすることで、補正割合を大きく設定する処理を行う。つまり、車両現在位置からの距離と同様に、車間時間が大きい位置ほど基準推定進行路の推定精度が低下する傾向がある。このことから、基準推定進行路のうち自車両からの車間時間が大きい位置ほど補正割合を大きく設定することで、車両の推定進行路形状の全体的な推定精度を向上できる。
【0100】
さらに、S420およびS430では、図8(c)および図9(c)に示すように、自車速度(車両の走行速度)が速くなるほど、補正重みを小さく設定し、または補正量上限値を小さく設定することで、補正割合を小さく設定する処理を行う。換言すれば、自車速度が遅くなるほど、補正重みを大きく設定するか、または補正量上限値を大きく設定することで、補正割合を大きく設定する処理を行う。つまり、車両の走行速度が遅くなるほど単位時間当たりの車両の進行距離が短くなり、車両現在位置からの距離が同一の位置においては、現在の車両進行方向情報に基づいて推定される推定進行路の推定精度が低くなる。そこで、車両の走行速度が遅くなるほど補正割合を大きく設定し、その補正割合で基準推定進行路を補正することで、車両の推定進行路形状における各位置での推定精度を向上させることができる。
【0101】
また、S420においては、自車からの距離または車間時間に基づいて算出される補正重みに対して、自車速度に基づいて算出される補正重みを乗算して得られる値を、最終的な補正重みとして設定しても良い。このように補正重みを設定することで、基準推定進行路のうち補正割合として同一値を設定する位置を、車両の走行速度が遅くなるほど車両現在位置からの距離が近くなる位置に設定することができる。
【0102】
なお、車両の走行速度が遅くなるほど単位時間当たりの車両の進行距離が短くなるため、基準推定進行路のうち推定精度が同一となる位置は、車両の走行速度が遅くなるほど車両現在位置に近づく傾向がある。そこで、補正割合として同一値を設定する位置を、車両の走行速度が遅くなるほど車両現在位置からの距離が近くなる位置に設定することで、車両の推定進行路形状における各位置での推定精度の低下を防ぐことができる。
【0103】
また、S420およびS430では、図8(d)および図9(d)に示すように、進行路前方道路形状データの道路曲率変化量が大きいほど、補正重みを大きくし、または補正量上限値を大きくすることで、補正割合を大きく設定する処理を行う。つまり、進行路形状変化量が大きくなるほど道路形状は複雑な形状となることから、進行路前方道路形状における進行路形状変化量が大きくなるほど、実際の道路形状と基準推定進行路との誤差が大きくなる可能性が高くなる。
【0104】
このことから、進行路前方道路形状における進行路形状変化量が大きくなるほど、補正割合を大きく設定することで、最終的に設定する車両の推定進行路形状における基準推定進行路の影響を低下できる。この結果、車両の進行路形状を推定するにあたり、誤差の増大を抑制でき、単純な形状以外の道路形状を推定できる車両進行路推定装置1を実現することができる。
【0105】
なお、進行路前方道路形状における進行路形状変化量は、進行路前方道路形状の位置毎に異なる値となりうることから、基準推定進行路の補正に用いる道路曲率変化量を、進行路前方道路形状のどの部分から算出するかが問題となる。
そこで、基準推定進行路の補正に用いる道路曲率変化量は、例えば、Z軸成分またはX軸成分のいずれか一方を基準として定めることができ、具体的には、進行路前方道路形状データのうちZ軸座標成分が基準推定進行路と同一となる位置(ノード)での道路曲率変化量を用いて、そのZ軸座標成分に対応した位置の基準推定進行路を補正することができる。
【0106】
なお、道路のうち、直線道路や一定半径の曲線道路については、道路曲率変化量(進行路形状変化量)は小さく、直線道路から曲線道路に移行する箇所、曲線道路から直線道路に移行する箇所、あるいは、曲線道路のうち曲率半径が変化する箇所については、道路曲率変化量(進行路形状変化量)が大きくなる。
【0107】
S410で肯定判定されてS440に移行すると、S440では、補正重みを0に設定する処理を行い、続くS450では、補正量上限値(補正幅)を0に設定する処理を行う。これにより、後述するS320での処理において、基準推定進行路が補正されることなくそのまま推定進行路として設定される。
【0108】
S430またはS450のいずれかの処理が終了すると、補正量判定処理が終了して、再び、推定進行路演算処理に処理が移行する。
推定進行路演算処理では、続くS320において、補正重みおよび補正量上限値に基づき、進行路前方道路形状データを用いて基準推定進行路を補正して、補正後の基準推定進行路を推定進行路として設定する推定進行路補正演算処理が実行される。
【0109】
図11に、車両の現在位置を原点とし、自車進行方向をZ軸とし、自車横方向をX軸とする演算基準座標平面(X−Z平面)において、基準推定進行路、進行路前方道路形状データおよび補正後推定進行路(補正後の基準推定進行路)の一例を示す説明図を表す。なお、図11では、基準推定進行路を一定間隔(道路幅)を隔てて平行に配置された2本の実線で表すと共に基準推定進行路上の点Bi(ノードBi)を四角形(□)で表しており、進行路前方道路形状を一点鎖線で表すと共に進行路前方道路形状上の点Ai(ノードAi)を丸印(●)で表しており、補正後推定進行路(補正後の基準推定進行路)を点線で表すと共に推定進行路上の点Ci(ノードCi)を三角形(△)で表している。
【0110】
図11に示すように、S320では、基準推定進行路上の点Bi(=(Zbi,Xbi))および進行路前方道路形状データ上の点Ai(=(Zai,Xai))のうちZ軸成分(ZbiおよびZai)が同一(Zbi=Zai)となるそれぞれの点に着目し、各点におけるX軸成分(XbiおよびXai)を[数3]を用いて加重平均演算を行うことで、演算結果をX軸成分とする点Ci(=(Zci,Xci))を推定進行路(補正後の基準推定進行路)として設定する。なお、点Ai、点Bi、点Ciの各Z軸成分は、同一値(Zai=Zbi=Zci)である。
【0111】
【数3】
【0112】
但し、[数3]においては、推定進行路の点CiのX軸成分Xciは、補正量上限値Cmaxにより定められる補正許可範囲(Xbi−Cmax≦Xci≦Xbi+Cmax)内に限り設定が可能である。
このため、S320では、[数3]を用いた演算結果が補正許可範囲を下回る場合には、強制的に補正許可範囲下限値(Xbi−Cmax)を点CiのX軸成分Xciに設定し、また、[数3]を用いた演算結果が補正許可範囲を上回る場合には、強制的に補正許可範囲上限値(Xbi+Cmax)を点CiのX軸成分Xciに設定する。
【0113】
S320では、基準推定進行路および進行路前方道路形状データのうち、複数の点について[数3]を用いて補正後の点Ciを複数取得し、取得した複数の点Ciを連結してなる経路を、推定進行路(補正後の基準推定進行路)として設定して、処理を終了する。
【0114】
S320での処理が終了すると、推定進行路演算処理が終了する。
つまり、推定進行路演算処理では、少なくとも自車両からの距離、自車両からの車間時間、自車速度、進行路前方道路形状データの道路曲率変化量のいずれかに応じて、補正重みおよび補正量上限値の少なくとも一方を設定し、設定した補正重みまたは補正量上限値に基づき、進行路前方道路形状を用いて補正した基準推定進行路を、車両の推定進行路として設定する処理を行う。
【0115】
そして、推定進行路演算処理、すなわちS130が終了すると、推定進行路演算全体処理が終了する。
このようにして、推定進行路演算全体処理の実行により設定(推定)される車両の推定進行路は、車間距離制御ECU4にて別途実行される車間クルーズ制御処理などにおいて利用される。
【0116】
なお、車両進行路推定装置1においては、推定進行路演算全体処理におけるS110が特許請求の範囲に記載の基準推定進行路推定手段に相当し、推定進行路演算全体処理におけるS120が道路形状取得手段に相当し、推定進行路演算全体処理におけるS130が進行路補正手段に相当し、前方認識センサ3が先行車情報検出手段に相当し、車間クルーズ制御処理が車間距離制御手段に相当する。
【0117】
以上に説明したように、本実施形態の車両進行路推定装置1は、推定進行路演算全体処理を実行することで、少なくとも自車両からの距離、自車両からの車間時間、自車速度、進行路前方道路形状データの道路曲率変化量のいずれかに応じて、補正重みおよび補正量上限値の少なくとも一方を設定する。そして、推定進行路演算全体処理では、設定した補正重みまたは補正量上限値に基づき、進行路前方道路形状を用いて基準推定進行路を補正し、補正後の基準推定進行路を、車両の推定進行路として設定する。
【0118】
なお、基準推定進行路は、車両現在位置からの距離が短い位置(距離直近位置)や、車両現在位置からの移動時間が短い位置(時間直近位置)における進行路の推定精度(推定信頼度)が高くなるという特徴があるのに対して、進行路前方道路形状は、基準推定進行路に比べて、車両の遠方位置における推定進行路の推定精度が高いという特徴がある。
【0119】
そして、この車両進行路推定装置は、進行路前方道路形状データを用いて補正した基準推定進行路を、車両の推定進行路として設定しているので、車両現在位置から直近位置の推定精度を高く維持しつつ、車両現在位置から遠方位置における道路形状の推定精度を向上させることができる。
【0120】
なお、進行路前方道路形状データは、道路地図情報から取得される情報であり、ナビゲーションECU32における車両現在位置の検出精度や道路地図情報の情報信頼度による影響を受けることから、進行路前方道路形状データに基づく推定進行路の推定精度は、車両現在位置の検出精度や道路地図情報の情報信頼度の影響を受けることになる。しかし、進行路前方道路形状データは、本実施形態における車両進行路形状の推定に際しては、基準推定進行路の補正に用いられるものであり、推定される車両進行路形状への影響度合いは小さいものとなる。
【0121】
そのため、本実施形態の車両進行路推定装置1は、車両現在位置の検出精度や道路地図情報の情報信頼度が推定進行路の推定精度に与える影響を抑えて、車両の進行路形状を推定することができる。
さらに、本実施形態では、進行路の推定にあたり、画像情報は使用しないことから、道路曲率が大きいこと等に起因して前方道路が撮影可能範囲から逸脱することや、レーンマークの欠落などによる影響を受けることなく、車両の進行路形状を推定することができる。
【0122】
また、道路地図情報から取得される進行路前方道路形状データは、単純な形状の道路に限られず、様々な形状の道路形状となりうることから、進行路前方道路形状データを用いた補正を行うことにより、単純な形状以外の道路形状を推定進行路形状として推定することが可能となる。
【0123】
よって、本実施形態の車両進行路推定装置1によれば、車両現在位置の検出精度や道路地図情報の情報信頼度が推定進行路の推定精度に与える影響が小さく、道路曲率の大きさやレーンマークの欠落の影響を受けることなく、また、車両現在位置から直近の道路形状を正確に検出でき、単純な形状以外の道路形状を推定することが可能となる。
【0124】
また、車両進行路推定装置1は、補正量判定処理において、車両が車線変更中又は進路変更中であるか否かを判断し(S410)、車両が車線変更中又は進路変更中と判断した場合(YES判定)には、補正重みおよび補正量上限値をそれぞれ0に設定する(S440,S450)。これにより、車両進行路推定装置1は、進行路前方道路形状データを用いた基準推定進行路の補正を行わず、S110にて推定された基準推定進行路を、車両の推定進行路として設定するように構成されている。
【0125】
つまり、車線変更又は進路変更時は、車両の進行方向と道路の進行方向とが一致しない状態となる時間が長いため、道路の進行方向を表す進行路前方道路形状は実際の車両進行方向とは異なる方向となる可能性が高くなる。このため、車線変更中又は進路変更中に進行路前方道路形状データを用いて基準推定進行路を補正すると、実際の車両の進行方向とは異なる進行路(誤った進行路)を推定する虞がある。
【0126】
したがって、車線変更中又は進路変更中と判断した場合には、基準推定進行路の補正を行わず、実際の車両進行方向を表す基準推定進行路をそのまま車両の推定進行路として設定することで、少なくとも直近位置において、誤った進行路を推定するのを防止し、推定精度の低下を防ぐことができる。
【0127】
また、車両進行路推定装置1は、S320において、基準推定進行路と進行路前方道路形状との加重平均演算を行い、演算結果により規定される形状を補正後の基準推定進行路として設定するにあたり、進行路前方道路形状の重み付けを大きく設定することで、基準推定進行路の補正割合を大きく設定している。
【0128】
このように、進行路前方道路形状の重み付けを大きく設定することで、補正後の基準推定進行路のうち、進行路前方道路形状の反映割合が増大し、補正前の基準推定進行路の反映割合が減少する。この結果、補正前の基準推定進行路のうち推定精度が低い位置においては、補正後の基準推定進行路と実際の車両進行路との誤差を減少させることができ、車両の推定進行路を推定する際の推定精度の向上を図ることができる。
【0129】
さらに、車両進行路推定装置1は、基準推定進行路の補正許可範囲を制限するために、補正量(補正幅)の上限値(補正量上限値)を設定しており、補正量上限値を大きくして補正許可範囲を大きく設定することで、基準推定進行路の補正割合を大きく設定している。
【0130】
つまり、基準推定進行路の補正許可範囲を大きく設定することで、補正後の基準推定進行路のうち、進行路前方道路形状の反映割合が増大し、補正前の基準推定進行路の反映割合が減少する。これにより、補正前の基準推定進行路のうち推定精度が低い位置においては、補正後の基準推定進行路と実際の車両進行路との誤差を減少させることができ、推定精度の向上を図ることができる。
【0131】
また、車両進行路推定装置1は、S220において、進行路前方道路形状データに複数の分岐路が存在すると判断する場合には、複数の分岐路のうち基準推定進行路との一致度が最も高い分岐路を用いて、基準推定進行路の補正を行うよう構成されている。
【0132】
つまり、基準推定進行路との一致度が最も高い分岐路は、実際の車両進行路となる確率が高いため、基準推定進行路との一致度が最も高い分岐路を進行路前方形状として設定して補正を行うことで、補正後の基準推定進行路(推定進行路)と実際の車両進行路との誤差が大きくなる確率を低減できる。これにより、車両の進行経路に分岐点が存在する場合においても、実際の車両進行路と推定進行路との誤差が大きくなる確率を低減でき、車両の推定進行路を推定する際の推定精度の低下を抑えることができる。
【0133】
そして、車両進行路推定装置1は、車間クルーズ制御処理を実行しており、車間クルーズ制御処理では、推定進行路演算全体処理にて推定された推定進行路形状と、前方認識センサ3が検出する先行車情報(先行車の走行角度,実車間距離,相対速度,先行車の自車線確率など)とに基づいて、推定進行路のうち自車両の前方を走行する車両を先行車として設定する処理を実行する。
【0134】
なお、車両進行路推定装置1においては、推定進行路演算全体処理による自車両の推定進行路の推定精度が向上することから、前方認識センサ3による先行車の検出精度が向上し、他レーンを走行する車両を先行車として誤認識する確率を低減することができる。これに伴い、車間クルーズ制御処理では、前方認識センサ3にて検出される誤差の少ない先行車情報に基づき、車間距離を制御することから、車間距離制御における制御精度の向上を図ることができる。
【0135】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、S420で補正重みを設定するためのマップは、図8に示すマップに限られることはなく、波形が異なるマップを用いることも可能であり、また、マップに限らず計算式を用いて補正重みを設定しても良い。同様に、S430で補正量上限値を設定するためのマップは、図9に示すマップに限られることはなく、波形が異なるマップを用いることも可能であり、また、マップに限らず計算式を用いて補正重みを設定しても良い。
【0136】
また、道路曲率変化量は、上記実施形態のように、各点毎(各ノード毎)のセグメント角度変化Hとして算出することで、進行路前方道路形状データにおける部分毎(ノード毎)に道路曲率変化量を設定することが出来る。これに対して、進行路前方道路形状データの全体的な道路曲率変化量(全体道路曲率変化量Ht)が必要となる場合には、例えば、[数4]に示す計算式を用いて、全体道路曲率変化量Htを演算することが出来る。この全体道路曲率変化量Htに基づいて、補正割合(補正重み、補正量上限値)を設定しても良い。
【0137】
【数4】
【0138】
次に、S420およびS430での処理については、補正割合(補正重み、補正量上限値)を設定するにあたり、車両が現在走行中の道路が自動車専用道路であるか否かを判断し、判断結果に応じて補正割合を設定するようにしても良い。そして、現在走行中の道路が自動車専用道路以外であると判断した場合には、補正割合を大きく設定して基準推定進行路を補正するのである。
【0139】
つまり、自動車専用道路は、一般に、進行路形状変化量が小さいという傾向があり、また、自動車専用道路のうち高速道路は高速走行を目的とする道路であることから、基準推定進行路が実際の車両進行路に近くなる確率が高くなり、基準推定進行路を主体として、車両の推定進行路を推定することで、推定精度を高くすることができる。これに対して、自動車専用道路以外の道路(一般道路)は、一般に、進行路形状変化量が大きいという特徴があり、また、高速走行が制限される道路であることから、基準推定進行路の補正割合を大きくすることで、補正後の基準推定進行路を実際の車両進行路に近づく確率が高くなり、推定精度を向上させることができる。
【0140】
なお、走行中の道路が自動車専用道路であるか否かの判断結果に応じて補正割合を設定する具体的な手法としては、例えば、自動車専用道路であるか否かを単独の判断基準として用いて、基準推定進行路を補正するかしないかを判断する手法が考えられる。或いは、自車両からの車間距離、自車両からの車間時間、自車速度、進行路前方道路形状データの道路曲率変化量などの情報と組み合わせて用いる手法も考えられ、具体的には、まず、自車両からの車間距離、自車両からの車間時間、自車速度、進行路前方道路形状データの道路曲率変化量などの情報に基づき補正割合を演算して、自動車専用道路であれば、演算された補正割合を所定量(あるいは所定割合)だけ減少させ、自動車専用道路でなければ、演算された補正割合をそのまま用いる、という手法が考えられる。
【0141】
そして、自動車専用道路であるか否かの判断は、例えば、ナビゲーションECU32が、道路地図情報および車両現在位置に基づいて判断処理を実行することができ、あるいは、他の電子制御装置(ECU)が、車両の走行速度、ETC車載器などからの情報、運転者による操作指令などに基づいて判断処理を実行することも可能である。
【0142】
また、S320での処理では、進行路前方道路形状データにおける点Aiの間隔が広い場合に、進行路前方道路形状データを補間して点Aiの密度を高くして、補正演算を実行しても良い。これにより、補正後の基準推定進行路をデータ密度の高い詳細なデータとして取得することができ、詳細な補正結果を得られることから、補正精度を向上させることが出来る。
【0143】
次に、S220での処理は、進行路前方道路形状に複数の分岐路が存在すると判断した場合に、基準推定進行路のうち複数の分岐路に分かれる分岐点から先の領域は補正割合(補正重み、補正量上限値)に0を設定して、基準推定進行路の補正を行わないようにしてもよい。また、基準推定進行路のうち車両現在位置から分岐点までの領域については、マップなどを用いて、補正割合(補正重み、補正量上限値)を設定するのである。
【0144】
つまり、複数の分岐路のうちいずれの分岐路に進行するか判断できない場合には、車両の進行路とは異なる分岐路の形状に基づいて補正を行うことで、却って車両の進行路の推定精度が低下する虞がある。これに対して、基準推定進行路のうち複数の分岐路に分かれる分岐点から先の領域は補正を行わないことで、推定精度の低下を防止できる場合がある。
【0145】
なお、この場合、基準推定進行路のうち車両現在位置から分岐点に相当する位置までの領域は、進行路前方道路形状を用いた補正を行うことにより、推定精度の向上を図ることができる。
また、推定進行路演算全体処理の演算結果である推定進行路は、車間クルーズ制御処理の他に、車両の進行方向に応じてヘッドライト(前照灯)の照射方向を車両進行方向に設定する灯火方向制御処理に用いることもできる。
【0146】
さらに、基準推定進行路は、ヨーレート、操舵角および自車速度などの車両進行方向情報に加えて、レーダセンサや画像センサによる検出結果を用いて演算しても良い。つまり、レーダセンサを用いることで、自車の周囲を走行する他の車両の動きや固定物(ガードレールなど)の位置などに基づき進行路を推定することができ、また、画像センサを用いることで、画像処理により得られる前方道路形状に基づき進行路を推定することができる。これにより、基準推定進行路の推定精度を向上させることができる。
【0147】
また、先行車情報検出手段としての前方認識センサ3は、レーダセンサなどの他に、画像センサで構成しても良く、画像センサにより撮影された自車両の前方映像に基づき、画像処理技術を用いて、先行車の位置、走行方向、自車両との車間距離および相対速度などを判断し、先行車を検出することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 車両進行路推定装置のシステム構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】 推定進行路演算全体処理の処理内容を表すフローチャートである。
【図3】 ナビゲーション装置道路形状演算処理の処理内容を表すフローチャートである。
【図4】 推定進行路演算処理の処理内容を表すフローチャートである。
【図5】 補正量判定処理の処理内容を表すフローチャートである。
【図6】 (a)は座標変換演算処理による変換前の座標系を表した説明図であり、(b)は座標変換演算処理による変換後の座標系を表した説明図である。ある。
【図7】 複数の分岐路が存在する場合に、進行路前方道路形状データとして採用する分岐路を決定する際の概念を表す説明図である。
【図8】 (a)は自車両からの距離[m]に基づき補正重みを設定するマップであり、(b)は自車両からの車間時間[sec]に基づき補正重みを設定するマップであり、(c)は自車速度[km/h]に基づき補正重みを設定するマップであり、(d)は進行路前方道路形状データの道路曲率変化量(進行路形状変化量)に基づき補正重みを設定するマップである。
【図9】 (a)は自車両からの距離[m]に基づき補正量上限値を設定するマップであり、(b)は自車両からの車間時間[sec]に基づき補正量上限値を設定するマップであり、(c)は自車速度[km/h]に基づき補正量上限値を設定するマップであり、(d)は道路曲率変化量に基づき補正量上限値を設定するマップである。
【図10】 道路曲率変化量を表すための説明図である。
【図11】 演算基準座標平面(X−Z平面)において、基準推定進行路、進行路前方道路形状データおよび補正後推定進行路の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…車両進行路推定装置、3…前方認識センサ、4…車間距離制御用電子制御装置(車間距離制御ECU)、5…エンジン制御用電子制御装置(エンジン制御ECU)、6…ブレーキ制御用電子制御装置(ブレーキ制御ECU)、7…制御系LAN、14…車速センサ、19…ステアリングセンサ、20…ヨーレートセンサ、32…ナビゲーション用電子制御装置(ナビゲーションECU)。
Claims (13)
- 車両の現在の進行方向を表す車両進行方向情報に基づき、前記車両の基準推定進行路を推定する基準推定進行路推定手段を備え、前記基準推定進行路を用いて、車両の進行路形状を推定する車両進行路推定装置であって、
前記車両の現在位置および進行方位に基づき、少なくとも道路形状を含む道路地図情報から、前記車両の走行中道路のうち車両現在位置よりも前方側の進行路前方道路形状を取得する道路形状取得手段と、
少なくとも前記車両の走行状態または道路条件のいずれかに応じて補正割合を設定し、前記補正割合に基づき前記進行路前方道路形状を用いて前記基準推定進行路を補正して、補正後の前記基準推定進行路を前記車両の推定進行路として設定する進行路補正手段と、
を備えることを特徴とする車両進行路推定装置。 - 前記進行路補正手段は、前記基準推定進行路のうち、車両現在位置からの距離が遠い位置ほど、前記補正割合を大きく設定すること、
を特徴とする請求項1に記載の車両進行路推定装置。 - 前記進行路補正手段は、前記基準推定進行路のうち前記補正割合として同一値を設定する位置を、前記車両の走行速度が遅くなるほど前記車両現在位置からの距離が近くなる位置に設定すること、
を特徴とする請求項2に記載の車両進行路推定装置。 - 前記進行路補正手段は、前記車両の走行速度を検出し、検出した前記走行速度が遅くなるほど、前記補正割合を大きく設定すること、
を特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の車両進行路推定装置。 - 前記進行路補正手段は、前記進行路前方道路形状における進行路形状変化量を算出し、算出した前記進行路形状変化量が大きくなるほど、前記補正割合を大きく設定すること、
を特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の車両進行路推定装置。 - 前記進行路補正手段は、前記車両が現在走行中の道路が自動車専用道路であるか否かを判断し、現在走行中の道路が自動車専用道路以外であると判断すると、前記補正割合を大きく設定すること、
を特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の車両進行路推定装置。 - 前記進行路補正手段は、前記車両が車線変更中又は進路変更中であるか否かを判断し、前記車両が車線変更中と判断した場合には、前記基準推定進行路の補正を行わず、前記基準推定進行路推定手段にて推定された前記基準推定進行路を、前記車両の推定進行路として設定すること、
を特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の車両進行路推定装置。 - 前記基準推定進行路を規定する座標データおよび前記進行路前方道路形状を規定する座標データのそれぞれを、前記車両の進行方向を第1軸とし、水平面および前記第1軸のそれぞれに対して垂直な方向を第2軸とする演算基準座標平面の座標データに座標変換する座標変換手段を備え、
前記進行路補正手段は、前記演算基準座標平面において、前記基準推定進行路を規定する座標データと、前記進行路前方道路形状を規定する座標データとの加重平均演算を行い、演算結果の座標データにより規定される形状を補正後の基準推定進行路として設定すること、
を特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の車両進行路推定装置。 - 前記進行路補正手段は、前記基準推定進行路と前記進行路前方道路形状との加重平均演算を行い、演算結果により規定される形状を補正後の基準推定進行路として設定するよう構成されると共に、前記補正割合を大きくするにあたり、前記加重平均演算における前記進行路前方道路形状の重み付けを大きく設定すること、
を特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の車両進行路推定装置。 - 前記進行路補正手段は、前記基準推定進行路の補正許可範囲を設定し、前記補正許可範囲内において前記基準推定進行路を補正するよう構成されると共に、前記補正割合を大きくするにあたり、前記補正許可範囲を大きく設定すること、
を特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の車両進行路推定装置。 - 前記進行路補正手段は、前記進行路前方道路形状に複数の分岐路が存在するか否かを判断するよう構成され、前記進行路前方道路形状に複数の分岐路が存在すると判断する場合には、複数の前記分岐路のうち前記基準推定進行路との一致度が最も高い分岐路を用いて、前記基準推定進行路の補正を行うこと、
を特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の車両進行路推定装置。 - 前記進行路補正手段は、前記進行路前方道路形状に複数の分岐路が存在するか否かを判断するよう構成され、前記進行路前方道路形状に複数の分岐路が存在すると判断する場合には、前記基準推定進行路のうち前記複数の分岐路に分かれる分岐点から先の領域は補正を行わず、前記基準推定進行路のうち車両現在位置から前記分岐点までの領域について補正を行うこと、
を特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の車両進行路推定装置。 - 前記進行路補正手段により設定された前記推定進行路を走行する車両であり自車両の前方を走行する先行車について、少なくとも自車両との車間距離を含む先行車情報を検出する先行車情報検出手段と、
前記先行車情報検出手段の検出結果に基づき、前記先行車と自車両との車間距離を目標値に近づけるように、自車両の駆動力および制動力を制御する車間距離制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の車両進行路推定装置。
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