JP4011273B2 - 気化式加湿機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水槽の水を吸い上げた加湿部に空気を通過させて気化し加湿する気化式加湿機に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、暖房器の普及に伴ない室内空気が乾いた状態の空気となり、人体に悪影響を及ぼすことから、適当な湿度を維持するため加湿器を使用することが多くなってきている。
【0003】
従来、この種の気化式加湿機の一例として図9に示されるものが知られている。以下、その構成について図9を参照しながら説明する。
【0004】
図に示すように、高吸水率の材料で形成され多数の貫通孔101を有する蒸発器102の周囲に吸水材103を密着させて取付け、吸水材103をタンクの中に入れられた水104に浸し、全周から蒸発器102に水分を供給する。
そして、蒸発器102の片側には送風機105およびヒーター106を配置して蒸発器102に送風を行い、貫通孔101の内部を空気が通過するときに、空気の蒸気圧の差で蒸発器102の水分が空気に拡散し、湿度の高い空気となって吹き出させる構成となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の気化式加湿機では、吸水材103を有した蒸発器102の設けられる水を入れたタンク104を取出して、タンク104および蒸発器102を掃除することや交換をすることについては何ら考慮されていないもので、清掃性が悪いという課題があり、フィルター等の清掃を容易にすることが要求されている。
【0006】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、フィルターおよび水槽の清掃性の良い気化式加湿機を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の気化式加湿機は上記目的を達成するために、吸込口から吸気して吹出口に送られる空気流路に送風機を設けた本体と、この本体の空気流路に設けられるヒーターおよび加湿部と、この加湿部が着脱自在に装着される水槽ユニットと、フィルター材からなる前記加湿部が水を吸い上げるために嵌合される前記水槽ユニットの底部に設けた凹状の嵌合部と、前記水槽ユニットに水を供給するように設けられる給水タンクとを備え、前記加湿部を水面が露出しないように前記水槽に嵌合状態で装着した水槽ユニットを前記本体に着脱自在に設けた構成としたものである。
【0008】
本発明によれば、加湿部および水槽の清掃性の良い気化式加湿機が得られる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、吸込口から吸気して吹出口に送られる空気流路に送風機を設けた本体と、この本体の空気流路に設けられるヒーターおよび加湿部と、この加湿部が着脱自在に装着される水槽ユニットと、フィルター材からなる前記加湿部が水を吸い上げるために嵌合される前記水槽ユニットの底部に設けた凹状の嵌合部と、前記水槽ユニットに水を供給するように設けられる給水タンクとを備え、前記加湿部を前記嵌合部に水面が露出しないように前記水槽に嵌合状態で装着した水槽ユニットを前記本体に着脱自在に設けたものであり、水槽ユニットを本体より離脱することにより、水槽ユニットとともに加湿部が取外され、さらに加湿部を水槽ユニットより取外すことにより加湿部および水槽ユニットの清掃が容易にできることとなる。
【0010】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0011】
【実施例】
(実施例1)
図1〜図8に示すように、後面に設けた吸込口1から吸気して天面に設けた吹出口2に送られる空気流路3に送風機4を設けた本体5と、本体5の空気流路3にヒーター6および加湿部7を設け、加湿部7を水槽ユニット8に着脱自在に設け、水槽ユニット8に水を供給する給水タンク9を本体6の天面側から挿入して装着できるようになっている。加湿部7を取付けた状態の水槽ユニット8を本体5に着脱自在に設け、給水タンク9を本体5の装着時には給水タンク9が水槽ユニット8に係合して水槽ユニット8が本体6より取り外せないように設けている。
【0012】
加湿部7はフィルター材をジグザグ状に形成した加湿フィルター10と、この加湿フィルター10を装着する枠状の加湿フィルター枠11とにより形成される。加湿部7が水槽ユニット8に装着されるように水槽ユニット8の底部に嵌合部12を設け、加湿部7を嵌合部12に着脱自在に設け、嵌合部12が形成される水槽ユニット8の嵌合部12に対する風上側の底面13および、風下側の底面14を嵌合部12側に向かい傾斜する傾斜面15で形成し、風上側の底面13の高さ位置を風下側の底面14の高さ位置より高い位置となるように形成している。嵌合部の底面16には複数の突起17を設け、加湿部7を嵌合部の底面16より浮かした状態で支持している。
【0013】
また空気流路3内に設けられるヒーター6は一面が加湿部7に対向し、残りの周囲3面に空気流路3内を流れる空気流が接触するように本体5に取付けられる。水槽ユニット8には一端を支点に上方に回動する水位検出フロート18を設け、給水タンク9の装着時に水位検出フロート8の上方への回動が規制されるように設ける。
【0014】
また、略逆字状で本体5に倒立自在に設けられ、吸込口1側に倒れる形状の運搬用取手19を設け、吸込口1には吸込口1に設けられる浄化用フィルター20を着脱するように、浄化用フィルター部を形成するグリル状部分につまみ21を設け、運搬用取手19を倒したときに運搬用取手19がつまみ21上に載置され受け止められるように気化式加湿機を構成する。
【0015】
上記構成において、気化式加湿機を運転すると、送風機4により吸込口1より吸込まれた空気が空気流路3に送られ空気流路3に設けたヒーター6の周囲の3面に沿い流れて加熱されるとともに、ヒーター6が対向する部分の加湿部7も加熱される。一方ヒーター6により加熱空気流路3内を流れる温風は、水槽ユニット8の嵌合部12に嵌合し水を吸い上げている加湿部7を通り水分が気化され加湿された状態の空気が吹出口2より吹出されて加湿されることとなる。
【0016】
そして、加湿部7の設けられる水槽ユニット8に嵌合部12を形成する風上側の底面13と風下側の底面14は嵌合部12に向かい下降する傾斜面15により空気流路3に流れる空気流がスムーズに流れるとともに、風上側の底面13と風下側の底面14に水槽ユニット8の水があふれるような状態になっても水は嵌合部12側に流されることとなる。
また、風上側の底面13の高さ位置を風下側の底面14の高さ位置より高く形成することにより、嵌合部12からあふれた場合の水は風下側の底面14側に流れ、ヒーター6の設けられる風上側の底面13側に流出することがなくなる。
【0017】
また、水槽ユニット8に設けた水位検出フロート18は一端を支点に上方に回動できることにより、水槽ユニット8の清掃を行うときは、水位検出フロート18を上方に向け回動することにより水位検出フロート18が対向して水槽ユニット8の底面を清掃することができるとともに、水位検出フロート18は給水タンク9を装着することにより上方への回動が規制され、水面に波立ちが生じても水位検出フロートは揺動することなく正常な位置に保持されることとなり、水槽ユニット8の水位が正しく検出される。
【0018】
また、本体5に設けられる運搬用取手19は倒したとき、浄化用フィルター20の着脱用に設けたつまみ21により支持されることとなり、運搬時に運搬用取手19を起立させるとき、スムーズに運搬用取手19を起立させることができる。
【0019】
このように本発明の実施例1の気化式加湿機によれば、吸込口1から吸気して吹出口2に送られる空気流路3に送風機4を設けた本体5と、この本体5の空気流路3に設けられるヒーター6および加湿部7と、この加湿部7が着脱自在に装着される水槽ユニット8と、この水槽ユニット8に水を供給するように設けられる給水タンク9とを備え、加湿部7を装着した水槽ユニット8を本体5に着脱自在に設けたので、水槽ユニット8を本体5より離脱することにより、水槽ユニット8とともに加湿部7が取外され、さらに加湿部7を水槽ユニット8より取外すことにより、加湿部7および水槽ユニット8の清掃ならびに加湿部7の交換が容易にできることとなる。
【0020】
また、給水タンク9を本体5の天面側より装着するように設け、給水タンクの装着時に水槽ユニット8に係合して水槽ユニット8が本体5より離脱しないようにしたので、運搬時等において水槽ユニット8が本体5より離脱されることがなくなり、水槽ユニット8の脱落を防止することができる。
【0021】
また、フィルター材をジグザグ状に形成した加湿フィルター10と、この加湿フィルター10を装着する加湿フィルター枠11とにより形成した加湿部7と、この加湿部7が水槽ユニット8に装着されるように水槽ユニットの底部に設けられる嵌合部12とを備え、加湿部7を嵌合部12に着脱自在に嵌着するので、嵌合部12の風上側および風下側に水槽ユニット8の水面が露出することがなくなり、水面が露出することにより発生する水滴の飛散が防止できる。
【0022】
また、嵌合部12が形成される水槽ユニット8の嵌合部12の風上側の底面13と風下側の底面14を嵌合部12側に向かい下降する傾斜面15により形成したので、空気が傾斜面15に沿いスムーズに流れることとなり、空気流路3を滑らかな形状に形成することができ、加湿温風効果が高まるとともに、嵌合部12に貯水される水が嵌合部12よりあふれる状態になっても常に水は嵌合部12に戻るようになり、水滴が飛散されることもなくなる。
【0023】
また、嵌合部7の風上側の底面13の高さ位置を、風下側の底面14の高さ位置より高い位置に形成したので、嵌合部7に貯水されている水の水位が上っても、水は高さの低い風下側の底面14上に流れ、ヒーター6の設けられている風上側に流出することがなくなり、ヒーター6へ水滴が飛散されることおよび、ヒーター6への水浸入による損傷を防止できる。
【0024】
また、嵌合部の底面16に複数の突起を設け、加湿部7を嵌合部の底面16より浮かした状態で支持するので、加湿部7への水の吸い上げが良くなり吸水効果が高められるとともに、加湿部7が嵌合部の底面16に密着するのが防止されて加湿部7が固着されて離脱するのが困難になることが緩和され、さらに加湿部7を形成する加湿フィルター枠11の金型抜き勾配の調整が容易となる。
【0025】
また、空気流路3内に設けられるヒーター6を、空気流路3内を流れる空気流が周囲3面に接触して流れるように空気流路3の内壁との間に空間を形成し本体5に設けたので、ヒーター6から本体5へ直接伝わる伝燃量が少なくなり、本体5内部の温度上昇が解消される。
【0026】
また、水槽ユニット8に一端を支点に上方に回動する水位検出フロートを設けたので、水槽ユニット8の清掃時に水槽ユニット8の底部に対向して設けられている水位検出フロート17を180°回動することにより水位検出フロート17が対向している水槽ユニット8の底面が露出し、清掃の困難な水位検出フロート17の裏側部分の水あかの清掃を容易に行うことができる。
【0027】
また、水位検出フロート17の上方への回動範囲を給水タンク9の装着により規制するので、水位検出フロート17の回動範囲を規制する規制部材を別個に設ける必要がなく、清掃時に規制部材が邪魔になり清掃性が悪くなるのが防止できる。
【0028】
また、略U字状で本体5に倒立自在に設けられ、吸込口1側に倒れる形状の運搬用取手19と、吸込口1に設けられる浄化用フィルター部20を着脱するようにグリル部分に設けたつまみ21とを備え、運搬用取手19を倒したときに、浄化用フィルター部20のつまみ21により受け止められるので、つまみ21が浄化用フィルター部20の着脱と運搬用取手19を受け止める部材を兼用することとなり、別個に運搬用取手19を受け止めるための部材を設ける必要がなくなり、運搬用取手19の使用時にも容易に運搬用取手19を持つことができる。
【0029】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように、本発明によれば吸込口から吸気して吹出口に送られる空気流路に送風機を設けた本体と、この本体の空気流路に設けられるヒーターおよび加湿部と、この加湿部が着脱自在に装着される水槽ユニットと、フィルター材からなる前記加湿部が水を吸い上げるために嵌合される前記水槽ユニットの底部に設けた凹状の嵌合部と、前記水槽ユニットに水を供給するように設けられる給水タンクとを備え、前記加湿部を水面が露出しないように前記水槽に嵌合状態で装着した水槽ユニットを前記本体に着脱自在に設けたので、加湿部および水槽ユニットの清掃性が良くなるとともに、加湿部の交換も容易にでき、また嵌合部の風上側および風下側に水槽ユニットの水面が露出することがなくなるので、水面が露出することにより発生する水滴の飛散が防止でき、さらにヒ ーターへ水滴が飛散されることおよび、ヒーターへの水浸入による損傷を防止できる効果のある気化式加湿機を提供できる。
【0030】
また、吸込口から吸気して吹出口に送られる空気流路に送風機を設けた本体と、この本体の空気流路に設けられ、水を吸い上げるフィルター材からなる加湿部と、この加湿部が着脱自在に装着される水槽ユニットと、この水槽ユニットの底部に設けた凹状の嵌合部と、前記水槽ユニットに水を供給するように設けられる給水タンクとを備え、前記加湿部を水面が露出しないように前記嵌合部に着脱自在に嵌着するとともに、前記加湿部を装着した水槽ユニットを前記本体に着脱自在に設け、前記水槽ユニットと前記給水タンクを前記本体に装着している場合は、前記水槽ユニットは前記給水タンクに係合して前記本体より脱離しないように構成したので、本体の運搬時に水槽ユニットが脱落するのが防止でき、さらに嵌合部12の風上側および風下側に水槽ユニット8の水面が露出することがなくなり、水が貯えられる嵌合部の風上側および風下側から水滴の飛散するのが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の気化式加湿機の構成を示す断面図
【図2】 同気化式加湿機の内部構成を示す斜視図
【図3】 (イ)同気化式加湿機の給水タンク取付時の要部断面図
(ロ)同気化式加湿機の給水タンクを外した清掃時の要部断面図
【図4】 同気化式加湿機の加湿部の分解斜視図
【図5】 同気化式加湿機の水槽ユニットと加湿部の斜視図
【図6】 同気化式加湿機の水槽ユニットの斜視図
【図7】 同気化式加湿機の水位検出フロートの掃除時の状態の斜視図
【図8】 同気化式加湿機の斜視図
【図9】 従来の気化式加湿機の斜視図
【符号の説明】
1 吸込口
2 吹出口
3 空気流路
4 送風機
5 本体
6 ヒーター
7 加湿部
8 水槽ユニット
9 給水タンク
10 加湿フィルター
11 加湿フィルター枠
12 嵌合部
13 風上側の底面
14 風下側の底面
15 傾斜面
16 嵌合部の底面
17 突起
18 水位検出フロート
19 運搬用取手
20 浄化用フィルター部
21 つまみ

Claims (2)

  1. 吸込口から吸気して吹出口に送られる空気流路に送風機を設けた本体と、この本体の空気流路に設けられるヒーターおよび加湿部と、この加湿部が着脱自在に装着される水槽ユニットと、フィルター材からなる前記加湿部が水を吸い上げるために嵌合される前記水槽ユニットの底部に設けた凹状の嵌合部と、前記水槽ユニットに水を供給するように設けられる給水タンクとを備え、前記加湿部を水面が露出しないように前記水槽に嵌合状態で装着した水槽ユニットを前記本体に着脱自在に設けた気化式加湿機。
  2. 吸込口から吸気して吹出口に送られる空気流路に送風機を設けた本体と、この本体の空気流路に設けられ、水を吸い上げるフィルター材からなる加湿部と、この加湿部が着脱自在に装着される水槽ユニットと、この水槽ユニットの底部に設けた凹状の嵌合部と、前記水槽ユニットに水を供給するように設けられる給水タンクとを備え、前記加湿部を水面が露出しないように前記嵌合部に着脱自在に嵌着するとともに、前記加湿部を装着した水槽ユニットを前記本体に着脱自在に設け、前記水槽ユニットと前記給水タンクを前記本体に装着している場合は、前記水槽ユニットは前記給水タンクに係合して前記本体より脱離しないように構成した気化式加湿機。
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