JP4008353B2 - 光電子増倍管 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、複数のチャンネル毎に電子を増倍させるマルチチャンネル型の光電子増倍管に関する。
背景技術
従来より、マルチチャンネル型の光電子増倍管として、第1図に示す光電子増倍管100が知られている。この従来の光電子増倍管100は、受光面板103の内側に光電面103aを備えている。光電面103aへの光の入射に伴い、電子が光電面103aから放出される。収束電極113は複数の収束片123を備えており、光電面103aから放出された電子を各チャンネル毎に収束する。電子増倍部109は複数段のダイノード108を備えており、チャンネル毎に収束された電子を、対応するチャンネル毎に増倍する。アノード112が、こうしてチャンネル毎に多段増倍された電子を収集して、チャンネル毎の出力信号を送出する。
発明の開示
本発明者らは、上記従来の光電子増倍管100では、より精度の高い計測においては光のクロストークによりチャンネル毎の光信号の弁別が不十分であることを、発見した。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、光のクロストークを抑制して、チャンネル毎の光信号の弁別を向上させるようにした光電子増倍管を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明は、受光面板と、該受光面板と共に真空領域を形成するための、例えば、側管とステムとからなる壁部と、該受光面板の内側表面上であって該真空領域内部に形成され、該受光面板に入射した光によって電子を放出する光電面と、該真空領域内部に設けられ、複数の収束片を備え、各収束片が光無反射処理が施された表面を有し、各隣り合う2つの収束片がその間に1つのチャンネルを規定することにより複数のチャンネルを規定し該光電面から放出された電子をチャンネル毎に収束する収束電極と、該真空領域内部に設けられ、該収束電極によりチャンネル毎に収束された電子を、対応するチャンネル毎に増倍する電子増倍部と、該真空領域内部に設けられ、該電子増倍部によりチャンネル毎に増倍された電子に基づいてチャンネル毎に出力信号を送出するアノードとを、備えることを特徴とする光電子増倍管を提供している。
かかる構成の本発明の光電子増倍管では、光電面の任意のチャンネルに光が入射すると、当該チャンネルから電子が放出される。この電子は、対応する2つの隣り合う収束片により、チャンネル毎に収束されて、電子増倍部の対応するチャンネルに導かれ、増倍される。アノードが当該チャンネルに関する出力信号を出力する。ここで、収束電極の各収束片が光無反射処理が施された表面を有しているため、光電面を抜け出た光が収束片に入射しても、収束片がこれを反射することが防止される。このため、収束片からの反射光が光電面に当たることで電子を放出し、その電子が隣のチャンネル等別のチャンネル内に入ってしまうことが防止される。
このように、本発明では、収束電極の各収束片の表面に光無反射処理を施すことによって、各収束片での光の反射を防止して無用な電子を光電面から放出させないようにしたため、光のクロストークを抑制することができ、チャンネル毎の光信号の弁別を向上させることができる。
ここで、各収束片は、光無反射処理が施された表面として、酸化膜が形成された表面を有していることが好ましい。酸化膜は光を反射しないため、光無反射処理が施された表面を、簡単、かつ、確実に作成することができる。
もしくは、各収束片は、光無反射処理が施された表面として、金属をポーラス状に蒸着した蒸着膜が形成された表面を有しているのでも良い。金属をポーラス状に蒸着した蒸着膜も、光を反射しないため、光無反射処理が施された表面を、簡単、かつ、確実に作成することができる。
電子増倍部が、複数段のダイノードを備え、各段のダイノードが該複数のチャンネルに対応した複数の二次電子増倍片を有し、この複数段のダイノードが、収束電極からアノードに向かう方向へ順次配列されている場合には、これら複数段のダイノードのうち、光電面を見通す少なくとも1段のダイノードを構成する複数の二次電子放出片の各々が、光無反射処理が施された表面を有していることが好ましい。
光電面から見通せる位置にある段のダイノード、換言すれば、光電面から直線上に望まれる位置にあるダイノードは、光電面から直線上に延びる経路上に光電面を直接望むように配置されているため、光電面を抜け出た光が入射する可能性がある。しかしながら、かかる段のダイノードを構成する複数の二次電子放出片の各々が光無反射処理が施された表面を有しているため、かかる段のダイノードが光電面を抜け出た光を反射することが防止される。したがって、この光が光電面に当たることで電子が放出されその電子が隣のチャンネル内に入ってしまうことが防止される。また、光電面を抜け出て隣のチャンネル内に入ってしまった予定外の光がかかる段のダイノードで反射して光電面から電子を放出させてしまうことも防止できる。
このように、光電面から見通せる位置にある段のダイノードを構成する各二次電子放出片の表面に光無反射処理を施すことにより、各二次電子放出片での光の反射を無くして、反射光による無用な電子を光電面から放出させないようにすることができる。したがって、光のクロストークを抑制することができる。
例えば、第1段目のダイノードのみが光電面より見通せる位置にある場合には、第1段目のダイノードの各二次電子放出片で光の反射が起きないよう、第1段目のダイノードを構成する各二次電子放出片の表面に光無反射処理を施せば良い。また、第1段目及び第2段目の両方のダイノードが光電面より見通せる位置にある場合には、これら第1,第2段目のダイノードの各二次電子放出片で光の反射が起きないよう、第1,第2段目のダイノードを構成する各二次電子放出片の表面に光無反射処理を施せば良い。
例えば、電子増倍部が、複数段のダイノードを備え、各段のダイノードが該複数のチャンネルに対応した複数の二次電子増倍片を有し、当該複数段のダイノードが、収束電極からアノードへ向かって第1段から第n段(ここで、nは2以上の整数)までこの順に配列されている場合には、第1段のダイノードを構成する複数の二次電子放出片の各々が、光無反射処理が施されている表面を有していることが好ましい。
このように、第1段のダイノードを構成する各二次電子放出片の表面に光無反射処理を施し、各二次電子放出片での光の反射を無くして、反射光による無用な電子を光電面から放出させないことにより、光のクロストークを抑制することができる。
この場合、更に、第2段のダイノードを構成する複数の二次電子放出片の各々も、光無反射処理が施されている表面を有しているのでも良い。
このように、第1段と第2段のダイノードを構成する各二次電子放出片の表面に光無反射処理を施し、各二次電子放出片での光の反射を無くして、反射光による無用な電子を光電面から放出させないことにより、光のクロストークを更に抑制することができる。
ここで、各二次電子放出片は、光無反射処理が施された表面として、酸化膜が形成された表面を有していることが好ましい。酸化膜は光を反射しないため、光無反射処理が施された表面を、簡単、かつ、確実に作成することができる。
もしくは、各二次電子放出片は、光無反射処理が施された表面として、金属をポーラス状に蒸着した蒸着膜が形成された表面を有しているのでも良い。金属をポーラス状に蒸着した蒸着膜も、光を反射しないため、光無反射処理が施された表面を、簡単、かつ、確実に作成することができる。
なお、電子増倍部は、複数段のダイノードが積層状に配置された積層タイプであることが好ましい。入射した電子をチャンネル毎に確実に増倍することができる。
また、受光面板は、その内部に、複数のチャンネルに1対1に対応して、複数の仕切り部を備え、各仕切り部が、受光面板内の1つのチャンネルに入射した光が受光面板内の隣のチャンネルに侵入するのを防止することが好ましい。
受光面板の1つのチャンネルに入射した光が隣のチャンネルに侵入するのが仕切り部により防止されているので、光のクロストークがより一層抑制される。
ここで、仕切り部は、例えば、光吸収ガラスで形成されていることが好ましい。光吸収ガラスによれば、1つのチャンネルに入射し仕切り部に達した光を吸収するので、当該光が隣のチャンネルに侵入することを防止でき、光のクロストークを確実に抑制できる。
また、各2つの隣り合う収束片が光電面の対応するチャンネル内の所定の領域から放出される電子を有効に収束して電子増倍部の対応するチャンネルに導く場合には、受光面板が、各チャンネル内の任意の位置に入射した光を、光電面の対応するチャンネル内の所定の領域に集光する集光手段を備えていることが好ましい。集光手段が、受光面板のあるチャンネル内の任意の位置に入射した光を、光電面のうち、対応するチャンネルの所定の領域に集光させる。当該所定の領域で光から変換された電子は対応する2つの隣り合う収束片によって確実に収束され、電子増倍部の対応するチャンネルに導かれて、増倍される。したがって、各チャンネルに入射した光が、有効に増倍される。
ここで、集光手段は、前記複数のチャンネルに対応して、受光面板の外側表面上に配置された複数の集光レンズからなることが好ましい。
このように、集光手段が、チャンネル毎に対応して受光面板の外側表面に並べられた集光レンズを有する場合には、集光レンズが、チャンネル毎の光の集光を確実に行うことができる。
もしくは、集光手段は、複数のチャンネルに対応して受光面板の外側表面に形成された複数の集光レンズ形状部からなるのでも良い。
このように、受光面板の外側表面自体に複数の集光レンズ形状部を形成することで、簡単な構成にて、各チャンネル毎の光の集光を確実に行うことができる。
発明を実施するための最良の形態
本発明の実施形態に係る光電子増倍管を第2図乃至第5図に基づき説明する。
なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
第2図に示すように、本実施の形態に係る光電子増倍管1は、略角筒形状の金属製側管2を有している。側管2の管軸方向の一側の開口端にはガラス製の受光面板3が固定されている。受光面板3の内表面には、光を電子に変換する光電面3aが形成されている。光電面3aは、受光面板3に予め蒸着させておいたアンチモンにアルカリ金属蒸気を反応させることで形成されたものである。また、側管2の管軸方向の他側の開口端には、フランジ部2aが形成されている。フランジ部2aには、金属製のステム4の周縁部が、抵抗溶接等で固定されている。このように、側管2と受光面板3とステム4とによって密封容器5が構成されている。
また、ステム4の中央には金属製の排気管6が固定されている。排気管6は、光電子増倍管1の組立て作業終了後、密封容器5の内部を真空ポンプ(図示せず)によって排気して真空状態にするのに利用されると共に、光電面3aの形成時にアルカリ金属蒸気を密封容器5内に導入させる管としても利用される。複数のステムピン10が、ステム4を貫通するように、設けられている。これら複数のステムピン10は、複数(この例では10本)のダイノード用のステムピン10と、複数(この場合、16本)のアノード用ステムピンとを含んでいる。
密封容器5内には、ブロック状で積層タイプの電子増倍器7が固定されている。電子増倍器7は、10枚(10段)のダイノード8を積層させた電子増倍部9を有している。なお、ダイノード8は、例えば、ステンレス製である。電子増倍器7は、ステム4に設けられた複数のステムピン10によって密封容器5内で支持されている。なお、各ダイノード8が、対応するダイノード用ステムピン10と電気的に接続されている。
また、電子増倍器7の最下部には、多極型の平板状アノード12が配置されている。このアノード12は、セラミック製の基板20上に複数枚(例えば16枚)のアノード片21を配列させた構造を有している。
更に、電子増倍器7は、光電面3aと電子増倍部9との間に配置された平板状の収束電極13を有している。なお、収束電極13も、例えば、ステンレス製である。収束電極13は、平行に配列した直線状の収束片23を複数本(この場合、17本)有している。隣接する収束片23間にスリット状の開口部13aが形成されている。したがって、複数本(この場合、16本)の開口部13aが、一方向(第2図の左右方向)にリニアに配列されている。また、受光面板3と光電面3aの各々には、収束電極板13の複数(16本)の開口部13aに対向する複数(16本)の領域が、複数(16本)のチャンネル領域Mとして、規定されている。したがって、これら複数(16本)のチャンネル領域Mも、一方向(第2図の左右方向)にリニアに配列されている。
同様に、電子増倍部9の各段のダイノード8は、平行に配列した直線状の二次電子放出片24を複数本(この場合、17本)有している。隣接する二次電子放出片24間にスリット状の電子増倍孔8aが形成されている。したがって、複数本(開口部13aと同数(すなわち、16本))のスリット状の電子増倍孔8aが、一方向(第2図の左右方向)にリニアに配列されている。
各電子増倍経路Lが、全段のダイノード8の各電子増倍孔8aが段方向に配列することにより規定されている。各電子増倍経路Lと、収束電極板13の各開口部13aと、受光面板3と光電面3aの各チャンネル領域Mとが、一対一で対応されており、1つのチャンネルAが規定されている。したがって、受光面板3と光電面3aの複数(16本)のチャンネル領域Mと、収束電極板13の複数(16本)の開口部13aと、電子増倍部9の各段における複数(16本)の電子増倍孔8aとにより、複数(16本)のチャンネルAが形成されている。これら複数のチャンネルAは、一方向(第2図の左右方向)にリニアに配列されている。
アノード12の各アノード片21は、各チャンネルAに一対一で対応するように基板20上に並べられている。各アノード片21は、対応するアノード用ステムピン10に接続されている。かかる構成により、アノード用のステムピン10を介して個別的な出力を外部に取り出すことができるようになっている。
以上のように、電子増倍器7は、リニアに配列された複数(例えば16個)のチャンネルAを有している。電子増倍部9及びアノード12には、ステムピン10を介して、図示しないブリーダ回路より所定の電圧が供給されている。ここで、光電面3aと収束電極板13には、同電位の電圧が印加される。また、電子増倍部9の全10段の各ダイノード8とアノード12には、光電面3aに最も近い第1段からアノード12に最も近い第10段、さらに、アノード12に向かって、電位が順次高くなるように、電圧が印加される。
かかる構造において、受光面板3を透過した光は、光電面3aのある位置に入射すると、電子に変換され、その電子は、対応するチャンネルA内に入射することになる。この電子は、当該チャンネルAにおいて、収束電極13の開口部13aを通過し、その際、収束され、さらに、ダイノード8の電子増倍経路Lを通りながら、各段のダイノード8で増倍されて、電子増倍部9から放出される。こうして多段増倍された電子が対応するアノード片21に入射する。この結果、当該所定のチャンネルAのアノード片21から、受光面板3の対応するチャンネル位置に入射した光の量を個別的に示す所定の出力信号が出力される。
本実施の形態では、チャンネルA毎の光信号の弁別を向上させるべく、種々の光のクロストーク対策が施されている。
(受光面板内での光のクロストーク対策)
まず、本実施の形態では、受光面板内での光のクロストーク対策として、第2図及び第3図に示すように、受光面板3内に、光吸収ガラスからなる仕切り部26が、各チャンネルAに対応するように、埋設されている。すなわち、各仕切り部26が、収束電極13の収束片23に対応する位置に設けられている。この結果、受光面板3内が仕切り部26によってチャンネルA毎に仕切られ、受光面板3内で光のクロストークが適切に防止されている。
ここで、仕切り部26は、例えば、着色(例えば、黒色)が施された薄板ガラスから構成されており、光の吸収を可能ならしめている。
このように、仕切り部26は、光吸収ガラス、特に、黒色ガラスで構成されることが好ましい。光吸収ガラス、特に、黒色ガラスは、光透過性を有していないため、光が隣のチャンネルに侵入することを完全に防止することができる。また、光吸収ガラス、特に、黒色ガラスによれば、受光面板3に対してわずかに傾斜した角度で入射した光が仕切り部26に斜めに入射してきた場合でも、これを吸収するため、かかる斜め入射光を光電面3aに導かないようにすることができる。したがって、非平行光束が入射してきた場合には、当該非平行光束が受光面板3を透過する際に、仕切り部26が当該平行光束をコリメートして略平行光束とすることができ、したがって、略平行光束を光電面3aに入射させることができる。
なお、仕切り部26は、白色ガラス等からなる光反射ガラスで構成しても良い。仕切り部26を光反射ガラスで構成すれば、仕切り部26に入射した光を反射することによって、入射光が隣のチャンネルに侵入するのを防止することができる。ただし、白色ガラスは光透過性をも有しているため、一部の光を隣のチャンネルに侵入させてしまう。したがって、光を透過しない黒色ガラスの方が、より好ましい。また、白色ガラスは、光を反射するため、仕切り部26に対して傾斜した入射角度で入射してきた光をも、光電面3aに導いてしまう。したがって、黒色ガラス等の光吸収ガラスとは異なり、コリメート効果を達成できない。したがって、略平行光のみを光電面3aに導きたい場合には、上記光吸収ガラス、例えば、黒色ガラスの方が好ましい。
(収束電極13及び電子増倍部9での光のクロストーク対策)
本発明者らは、更に、光電面3aに入射した光が光電面3aを抜け出る場合があることに着目し、かかる光が与える影響について考察した。
本発明者らは、従来の光電子増倍管100(第1図)について、実験を行った。なお、収束電極113の各収束片123の断面形状は、その管軸方向の高さ(光電面103aに対して略垂直に延びる高さ)xがその幅(光電面103aに対して略平行に延びる幅)yより短い(例えば、高さxが0.083mmで、幅yが0.18mmである)横長タイプの略長方形であった。
実験の結果、受光面板103の任意のチャンネル位置に入射した光が光電面103aを抜け出る場合があり、かかる光が収束電極113の収束片123、または、ダイノード108で反射され、この反射光が光電面103aに当たることで放出された電子が、隣のチャンネル内に入ってしまう場合や、光電面103aを抜け出た後隣のチャンネル内に直接入ってしまった予定外の光が収束電極113やダイノード108で反射して、光電面103aから電子を放出させてしまう場合があり、このため、光のクロストークが生じていることを発見した。
そこで、本実施の形態では、収束電極13の各収束片23の表面に光無反射処理を施し、各収束片23で光を反射しないようにしている。具体的には、第3図に示すように、各収束片23の表面に酸化膜27を形成している。したがって、第3図に矢印Sで示すように、光電面3aを抜け出た光が収束片23に入射しても、収束片23はこの光を反射しない。すなわち、受光面3の任意のチャンネルA内に入射した光が、光電面3aを抜け出て収束片23に入射しても、反射光が生じないため、反射光が光電面3aの隣のチャンネルに入ってしまい無用な電子を放出させてしまうことが防止される。
ここで、酸化膜27が形成された複数の収束片23を備えた収束電極13は、以下のように作成する。まず、従来の収束電極13を作成する場合と同様に、所望の電極パターン形状にエッチングされたステンレス製の電極板を作成し、これを洗浄した後、水素処理を施して電極板中のガスを水素と交換する。次いで、酸化炉内で、この電極板を真空及び高温(800〜900℃)下で保持することで、電極板から水素を抜く。こうして、従来の製造工程と同様の工程にて、複数の収束片23を備えた板状の収束電極13を作製する。その後、この酸化炉内に、酸素を、大気圧程度になるまで、急激にリークさせる、すなわち、急激に導入することにより、収束電極13の表面全体に黒色の酸化膜27を成形させる。
本実施の形態では、電子増倍部9では、第3図に示すように、多段状に整列させた全10段のダイノード8のうちで、光電面3a側から第1段目及び第2段目に位置するダイノード8A,8Bの各二次電子放出片24A,24Bは、光電面3a側から見た場合に見通せる位置にある。すなわち、第1段目及び第2段目のダイノード8A,8Bの各二次電子放出片24A,24Bは、光電面3a側から直線上に延びる経路上に、光電面3aから直接望める位置に配置されている。一方、第3段目〜第10段目のダイノード8は、電子増倍経路Lが蛇行しているために、光電面3a側から見通すことができない。このため、光電面3aを抜け出た光は、第1段目〜第10段目のダイノード8のうち、第1段目、もしくは、第2段目の二次電子放出片24A,24Bに入射し、その際、光電面3aの方向に反射される可能性がある。
そこで、本実施の形態では、第1段目及び第2段目に位置するダイノード8A,8Bの各二次電子放出片24A,24Bの表面に光無反射処理を施すことにより、各二次電子放出片24A,24Bで光を反射しないようにしている。具体的には、第3図に示すように、各二次電子放出片24A,24Bの表面に酸化膜28を形成している。したがって、各二次電子放出片24A,24Bに、第3図に矢印P1で示すように光電面3aを抜け出た光が入射しても、この光を反射しないようにすることができる。すなわち、受光面3の任意チャンネルに入射した光が、光電面3aを抜け出た後、矢印P1に示すように、第1段目、もしくは、第2段目のダイノード8A、8Bにおける同一チャンネルの二次電子放出片24A,24Bに入射しても、反射光が生成されないため、反射光が光電面3aの隣のチャンネル内に入って無用な電子を放出させてしまうことが防止される。
なお、酸化膜28は、酸化膜27を収束電極13に形成する方法と同一の方法により、第1段、第2段ダイノード8A,8Bに形成すれば良い。第1段、第2段ダイノード8A,8Bの各二次電子放出片24A,24Bには、酸化膜28が形成された後、従来と同様、アンチモンが蒸着されアルカリ金属蒸気と反応させられる。なお、このようにアンチモンやアルカリ金属が酸化膜28上に付着しても、二次電子放出片24A,24Bは、酸化膜28が有する黒色を維持するため、光を反射しない性能を維持することができる。また、酸化膜28は完全な絶縁状態ではないため、二次電子放出片24A,24Bは所望の二次電子増倍性能を有している。
本実施の形態では、更なる光のクロストーク対策として、第3図に示すように、光電面3aを抜け出た光が、たとえ、第1段もしくは第2段のダイノード8A、8Bの二次電子放出片24A、8Bに入射しその一部の成分が反射しても、各収束片23に遮られて、光電面3aの隣のチャンネル内に戻らないようにしている。
具体的には、収束電極13の各収束片23の断面形状を、第3図に示すように管軸方向の高さx(光電面3aに対して略垂直に延びる高さ)がその幅y(光電面3aに対して略平行に延びる幅)より長い縦長タイプの略長方形としている。そして、各収束片23の管軸方向の高さxを、各チャンネルAの第1段及び第2段ダイノード8A,8Bの二次電子放出片24A,24Bの表面からは、光電面3aのうち、自らのチャンネルしか見通せず、隣のチャンネルが見通せないほどの大きさに設定している。このため、たとえ、第1段、第2段のダイノード8A、8Bの二次電子放出片24A,24Bが入射光P1を多少反射しても、この反射光は収束片23に遮られて光電面3aの隣のチャンネルに戻ることができない。また、かかる収束片23は、光電面3aを抜け出て隣のチャンネルに直接侵入しようとする入射光P2をも遮り、当該隣のチャンネルへの侵入自体を防止することもできる。このため、かかる予定外の光がダイノード8A、あるいは、8Bの二次電子放出片24A、24Bで反射されて光電面3aから電子を放出させてしまうことが防止される。このように、本実施の形態では、電子増倍部9から光電面3aへの見通し角を小さくすることにより、開口部13aでの光のクロストークを更に防止している。
例えば、従来の光電子増倍管(第1図)では各収束片23の管軸方向の高さxが0.083mm、幅yが0.18mmであったのに対し、本実施の形態では、高さxを0.5mm、幅yを0.2mmと設定すれば良い。このように各収束片23の管軸方向の高さxが高くなるために、各収束片23の上部が、従来に比べて、光電面3aに近接している。具体的には、各収束片23の上部と光電面3aとの距離が、従来では、0.8mm以上1mm以下の範囲内の値となっていたのに対し、本実施の形態では、0mm以上0.35mm以下の範囲内の小さな値となっている。このため、第1段、第2段ダイノード8A、8Bの二次電子放出片24A、24Bからは光電面3aの隣のチャンネルが見通せないようになっている。ここで、光電面3aと各収束片23とには同一の電位が付与されるので、各収束片23の上部と光電面3aとが直接接触し、その間の距離が0mmとなっても問題ない。このように各収束片23の上部と光電面3aとを直接接触させれば、ダイノード8A、8Bからの反射光が隣のチャンネルに侵入するのをより確実に防止でき、かつ、光電面3aを抜け出た入射光P2が隣のチャンネルに侵入するのをも、より確実に防止できる。
なお、本実施の形態では、各収束片23の管軸方向の高さxを高く構成することにより、各収束片23の上部を光電面3aに近接させているが、各収束片23の下部と第1段ダイノード8Aとの距離は、従来と同一の値としている。具体的には、従来の光電子増倍管(第1図)の場合と同様、各収束片23の下部と第1段ダイノード8Aとの距離を0.15mmとしている。しかしながら、各収束片23の管軸方向の高さxを高く構成することにより、各収束片23の上部を光電面3aに近接させるのみならず、各収束片23の下部をも第1段ダイノード8Aに近接させても良い。各収束片23の管軸方向の高さxを高く構成することにより、第1段、第2段ダイノード8A、8Bの二次電子放出片24A、24Bから光電面3aの隣のチャンネルが見通せないようになっているのであれば、任意の配置構成とすることができる。
更に、本実施の形態では、受光面板3の外側表面29に、集光部材30が接着剤によって固定されている。集光部材30は、外部からの光を各チャンネルA内に確実に入射させるためのものである。より詳しくは、集光部材30は、複数個(すなわち、チャンネルAの数(この場合、16個))のガラス製の集光レンズ部32から構成されている。各集光レンズ部32は、1つの凸レンズ面31を有している。これら複数個の集光レンズ部32が、一方向(第2図、第3図の左右方向)に並設された状態で、受光面板3aの外側表面29に固定されている。
かかる構造の集光部材30は、外部からの光を凸レンズ面31によって仕切り部26間で集光させながら、光電面3aに確実に入射させることができる。したがって、光の集光性が高められると同時に光のクロストーク対策を確実なものとしている。
ここで、収束電極13の各2つの隣り合う収束片23は、その形に対応した電子レンズ効果を発生する。より具体的には、各収束片23は、その形状により定まるレンズ形状の電子レンズを発生する。ここで、本実施の形態では、既述のように、収束片23の管軸方向の高さxが長くなっているため、発生する電子レンズは、光電面3aの各チャンネル(各チャンネル領域M)の全領域のうち略中心に位置する所定の狭い領域(以下、「有効領域」という)で発生した電子しか十分に収束することができない。このため、本実施の形態では、各集光レンズ部32にて、対応するチャンネル内の任意の位置に入射した光を、当該チャンネル内の中心部の有効領域に集めるようにしている。当該有効領域で光電変換により発生した電子は、対応する2つの収束片23によって有効に収束されて、電子増倍部9の対応する電子増倍経路Lに導かれる。
なお、集光部材30としては、集光レンズ部32の代わりに、光ファイバ等のライトガイドを利用しても良い。
以上のように、本実施の形態の光電子増倍管1では、収束電極13の各収束片23の表面に酸化膜27が形成されているので、各収束片23での光の反射を防止して、反射光による無用な電子を光電面3aから放出させないようにしている。
また、第1段目及び第2段目のダイノード8A,8Bの各二次電子放出片24A,24Bの表面に酸化膜28が形成されているので、各二次電子放出片24A,24Bでの光の反射を防止して、反射光による無用な電子を光電面3aから放出させないようにしている。
更に、各収束片23の管軸方向の高さxを高くすることにより、第1段目及び第2段目のダイノード8A,8Bの二次電子増倍片24A,24Bにより多少光が反射されてもその反射光が光電面3aの隣のチャンネルに戻るのを防止し、無用な電子を光電面3aから放出させない。
更に、受光面板3内に光吸収ガラスの仕切り部26を設けて、受光面板3内でのチャンネルA間での光のクロストークを防止している。
しかも、受光面板3の外側表面29上に、集光レンズ部32をチャンネルA毎に対応して並べることで、各チャンネルA毎の光の集光を確実にしている。したがって、受光面板3において、仕切り部26間のチャンネルA内で光を集光させながら、光を光電面3a内の各チャンネルA内の所定の有効領域に確実に入射させることができる。したがって、光電面3aから放出される電子は、確実に、対応する収束片23にて、対応するチャンネルAの電子増倍経路Lに導かれる。
以上のように、本実施の形態の光電子増倍管1は、受光面板3に入射した光によって電子を放出する光電面3aを有し、光電面3aから放出した電子をチャンネル毎に増倍させる複数段のダイノード8からなる電子増倍部9を有し、光電面3aと電子増倍部9との間でチャンネル毎に電子を収束させる収束電極13を有し、電子増倍部9の各チャンネルで増倍させた電子に基づいてチャンネル毎に出力信号を送出するアノード12を有している。そして、受光面板3内には、各チャンネルに対応させて光吸収ガラスの仕切り部26が設けられ、収束電極13の各チャンネルを形成させる各収束片23の表面には光無反射処理が施されて酸化膜27が形成されており、複数段のダイノード8のうちの光電面3a側から第1段目及び第2段目に位置するダイノード8A、8Bの各チャンネルを形成させる各二次電子放出片24A、24Bの表面には光無反射処理が施されて酸化膜28が形成されており、さらに、収束電極13の各収束片23が、ダイノード8A、8Bの各二次電子放出片24A、24Bの表面から光電面3aの隣のチャンネルが見通せないような形状及び大きさとすることにより、光のクロストークを抑制して、チャンネル毎の光信号の弁別を向上させている。
本発明に係る光電子増倍管は、前述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。
例えば、上記説明では、光無反射処理として、収束片23に酸化膜27を形成し、二次電子放出片24に酸化膜28を形成していた。しかしながら、無反射処理は酸化に限定されるものではなく、光無反射処理として、各収束片23と各二次電子放出片24A、24Bとに他の処理を施してもいい。
例えば、収束片23と二次電子放出片24A、24Bとに、光吸収性の物質を蒸着等により形成しても良い。例えば、収束片23と二次電子放出片24A、24Bとに、任意の金属(例えば、アルミニウム)をポーラス状に蒸着する。具体的には、低い真空度(例えば、約10−5〜10−6torr)の真空漕内で、ステンレス製の収束片23と二次電子放出片24A、24Bとに金属(この場合、アルミニウム)蒸着を施す。当該低真空度の真空漕内では、金属分子が気体とぶつかりながら進むため、金属分子が大きな固まりとなった形で収束片23や二次電子放出片24A、24Bに蒸着される。その結果、緻密でないために光を吸収して黒色を呈する蒸着膜(この例では、ブラックアルミ)が形成される。
また、上記実施の形態では、受光面板3の上に、複数の凸レンズ面31を備えた集光部材30が設けられていた。しかしながら、集光部材30は設けなくても良い。代わりに、例えば、第4図や第5図に示すように、受光面板3の外側表面29自体の形状を、複数の凸レンズ面31が並んだ形状にすれば良い。すなわち、複数の凸レンズ面31を受光面板3に一体的に形成すれば良い。
この場合、隣り合う凸レンズ面31は、仕切り部26において連結している。ここで、第4図に示すように、隣り合う凸レンズ面31が仕切り部26の上端部において直接連結するようにしても良いし、第5図に示すように、仕切り部26の上端部が平坦であり、隣り合う凸レンズ面31が仕切部26の上端部を介して間接的に連結するようにしても良い。
各収束片23の断面形状は、長方形に限らず、管軸方向の高さxが幅yより長ければ、任意の形状とすることができる。すなわち、各収束片23は、光電面3aから見通せる段のダイノード(実施の形態では、第1段と第2段のダイノード8A、8B)の各二次電子放出片24A、24Bが隣のチャンネルの光電面3aを見通せないような形状及び大きさであれば良い。例えば、第1段ダイノード8Aのみが光電面3aから見通せる場合には、第1段ダイノード8Aの各二次電子放出片24Aが隣のチャンネルの光電面3aを見通せないような形状及び大きさとすれば良い。また、上記実施の形態のように第1段と第2段ダイノード8A、8Bが光電面3aから見通せる場合には、第1段と第2段ダイノード8A、8Bの各チャンネルの二次電子放出片24が隣のチャンネルの光電面3aを見通せないような形状及び大きさであれば良い。一方、第3段以降も光電面3aから見通せる場合には、見通せるダイノード、すなわち、第1段、第2段のみならず第3段目以降の見通せるダイノード8の各チャンネルの二次電子放出片24が光電面3aの隣のチャンネルを見通せないような形状及び大きさであれば良い。
上記実施の形態では、各収束片23及び各二次電子放出片24の全表面に無反射処理をしていたが、全表面の一部、例えば、光電面3aを見通している部分のみに無反射処理を施しても良い。
収束電極13やダイノード8はステンレス製でなくてもよく、任意の材料で構成することができる。
電子増倍部9は、収束電極13の後段に配置されるのであれば、ブロック状積層タイプのものに限られず、任意のタイプのものを採用することができる。
上記実施の形態では、第3図のように、受光面板3上に凸レンズ面31を備えた集光部材30を設けるか、もしくは、第4図や第5図のように、受光面板3自体に凸レンズ面31を形成していた。しかしながら、集光部材30は設けなくてもよく、また、受光面板3自体にも凸レンズ面31を形成しなくても良い。
受光面板3には仕切り部26を設けなくてもいい。
また、上述の実施の形態の光電子増倍管は、チャンネルAを平行に配列したリニアタイプのものであるが、チャンネルAをマトリックス状に配列したものであっても良い。
上記実施の形態では、収束電極13の各収束片23の他、第1段ダイノード8Aの各二次電子放出片24Aと第2段ダイノード8Bの各二次電子放出片24Bにも光無反射処理がされていた。しかも、収束電極13の各収束片23の断面形状が、管軸方向の高さxが幅yより長い縦長の長方形となっており、第1段、第2段ダイノード8A、8Bの各二次電子放出片24A、24Bの表面から隣のチャンネルの光電面3aが見通せないようになっていた。しかしながら、少なくとも、光電面3aの後段の部材のうち、光電面3aに最も近い部材である収束電極13の各収束片23が光無反射処理されていれば、各収束片23での反射を防止することができるため、光のクロストークを抑制でき、チャンネル毎の光信号の弁別を向上させることができる。したがって、各収束片23が光無反射処理されていれば、電子増倍部9のいずれの段のダイノード8にも光無反射処理を施さなくても良い。また、各収束片23の断面形状については、従来同様、管軸方向の高さxが幅yより短い横長の長方形か、あるいは、管軸方向の高さxが幅yと等しいような正方形であっても良い。すなわち、第1段、第2段ダイノード8A、8Bの各二次電子放出片24A、24Bの表面から隣のチャンネルの光電面3aが見通せるようになっていても良い。
また、電子増倍部9に施す光無反射処理については、第1段ダイノード8Aの各二次電子放出片24Aのみに光無反射処理をしても、光クロストークを抑制でき、チャンネル毎の光信号の弁別が向上する。
もしくは、電子増倍部9における複数段のダイノード8の配置状態に応じて、全段のダイノード8のうち光電面3aから見通せる段のダイノード8の各二次電子放出片24を光無反射処理するようにしてもよい。例えば、全段のダイノード8のうち第1段のみが光電面3aから見通せる場合には、第1段ダイノード8Aの各二次電子放出片24Aのみに光無反射処理を施せばよい。また、上記実施の形態のように第1段と第2段のダイノード8が見通せる場合には、第1段と第2段ダイノード8A、8Bの各二次電子放出片24A、24Bに光無反射処理を施せばよい。一方、第3段以降も見通せる場合には、見通せる段のダイノード、すなわち、第1段、第2段のみならず第3段目以降の見通せるダイノード8の各二次電子放出片24にも無反射処理を施せば良い。
産業上の利用可能性
本発明に係る光電子増倍管は、検出分野等で使用されるレーザスキャニング顕微鏡やDNAシーケンサ等、微弱な光を検出する用途に幅広く用いられる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、従来の光電子増倍管の全体構成を示す断面図である。
第2図は、本発明の実施の形態に係る光電子増倍管の全体構成を示す断面図である。
第3図は、第2図に示した本発明の実施の形態に係る光電子増倍管の要部拡大断面図である。
第4図は、本発明の変更例に係る光電子増倍管の要部拡大断面図である。
第5図は、本発明の別の変更例に係る光電子増倍管の要部拡大断面図である。

Claims (4)

  1. 受光面板と、
    該受光面板と共に真空領域を形成する壁部と、
    該受光面板の内側表面上であって該真空領域内部に形成され、該受光面板に入射した光によって電子を放出する光電面と、
    該真空領域内部に設けられ、複数の収束片を備え、各収束片が光無反射処理が施された表面を有し、各隣り合う2つの収束片がその間に1つのチャンネルを規定することにより複数のチャンネルを規定し該光電面から放出された電子をチャンネル毎に収束する収束電極と、
    該真空領域内部に設けられ、該収束電極によりチャンネル毎に収束された電子を、対応するチャンネル毎に増倍する電子増倍部と、
    該真空領域内部に設けられ、該電子増倍部によりチャンネル毎に増倍された電子に基づいてチャンネル毎に出力信号を送出するアノードとを、
    備えることを特徴とする光電子増倍管。
  2. 前記電子増倍部が、複数段のダイノードを備え、各段のダイノードが前記複数のチャンネルに対応した複数の二次電子増倍片を有し、該複数段のダイノードが、前記収束電極から前記アノードへ向かって第1段から第n段(ここで、nは2以上の整数)までこの順に配列されており、
    該第1段のダイノードを構成する前記複数の二次電子放出片の各々が、光無反射処理が施されている表面を有していることを特徴とする請求項1記載の光電子増倍管。
  3. 更に、前記第2段のダイノードを構成する前記複数の二次電子放出片の各々が、光無反射処理が施されている表面を有していることを特徴とする請求項2記載の光電子増倍管。
  4. 前記受光面板は、その内部に、前記複数のチャンネルに1対1に対応して、複数の仕切り部を備え、各仕切り部が、該受光面板内の1つのチャンネルに入射した光が該受光面板内の隣のチャンネルに侵入するのを防止することを特徴とする請求項1記載の光電子増倍管。
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