JP4549497B2 - 光電子増倍管 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は光電子増倍管に関し、特に石油探査等に用いられる光電子増倍管に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、石油探査等において激しく振動する装置内に設けられる光電子増倍管としては、管軸方向に短くコンパクト化され、ポール状アノードとサーキュラーゲージ型ダイノードとを有するタイプが知られている。
【0003】
特開平2−291655号公報には、サーキュラーゲージ型の電子増倍部を有し、ポール状のアノードを有する光電子増倍管が記載されている。サーキュラーゲージ型の電子増倍部では、相互に対向するダイノード間に形成されたダイノード内部空間経路が、管軸に対して直交する軸の周りに円弧状をなしており、第2段ダイノードとアノードとが管軸に対して反対側に位置するようになっている。
このため、光電子増倍管が管軸方向に短縮化され、全体の形状が小型化されている。
【0004】
この光電子増倍管では、ダイノード内部空間経路を円弧状に形成するために、円弧の外側に凹面状のダイノードを配置し、円弧の内側に略平面状で、かつ、外側のダイノードに比較して小さい表面積を有するダイノードを配置している。アノード電極はポール形状をなし、最終段のダイノードに取り囲まれる形で配置されている。アノード電極がポール状をなしているため、このタイプの光電子増倍管は、耐振性に優れており振動によって破損しにくく、石油探査用、高温耐振用として使用されている。
【0005】
しかし、このタイプの高温耐振用光電子増倍管では、アノードとしてポール状アノードを使用し、サーキュラーゲージ型ダイノードによってポール状アノードを包囲する構成であるため、パルスリニアリティ特性が良くなかった。
【0006】
一方、石油探査用、高温耐振用の光電子増倍管ではないが、パルスリニアリティ特性の高い光電子増倍管として、アノードにポール状アノードではなくメッシュ状アノードが設けられているものが知られている。アノードがメッシュ状アノードである場合には、ポール状アノードである場合とは異なり、アノードを最終段ダイノードにより近づけて平行電界で電界強度を高めることができ、空間電荷効果の影響を抑えることができるため、高いパルスリニアリティ特性を得ることができる。
【0007】
特開昭60−254547号公報には、略長方形状をしたメッシュ状アノードを有する光電子増倍管が記載されている。メッシュ状アノードはその内周、及び外周が略長方形状をしたアノード枠を有しており、アノード枠には開口部が形成されている。開口部には、開口部を塞ぐ状態で固定された編み目状のメッシュ電極部が設けられている。アノード枠の内周の、2つの直線状の短辺と直線状の一の長辺とは、所定の曲率をもつ円の一部をなす曲面で接続されている。電子増倍管はボックス型であり、複数段のボックス型ダイノードによって増倍されてきた電子は、開口部全体に入射し、開口部の一部に収束して入射はしない。
【0008】
また、特公昭61−17099号公報には、四角形状のメッシュ状アノードとそれを保持するアノード枠からなるアノードとを有する光電子増倍管が記載されている。メッシュ状アノードは、図8に示すように、長方形状をしたアノード枠A111を有しており、アノード枠A111には開口部A111aが形成されている。開口部A111aには、開口部A111aを塞ぐ状態で固定された編み目状のメッシュ電極部A112が設けられている。メッシュ電極部A112に対向する位置には、複数段のダイノードの内の最終段ダイノードDy111が設けられている。長方形状をしたアノード枠A111の長辺A111Cには、メッシュ電極部A112及びアノード枠A111を含む平面に対して所定の角度をなす長方形状平面A116が設けられており、長方形状平面A116の一の長辺はアノード枠A111の長辺A111Cと一体に設けられている。アノード枠A111の2つの短辺と長方形状平面A116の2つの短辺とには、それぞれの短辺を含む平面をなす三角形状のアノード側面A117が設けられている。この構成により、メッシュ状アノードが撓まないように、また、曲がらないように構成している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開昭60−254547号公報に記載された従来の光電子増倍管は、もともと石油探査等に要求される高い耐振性を具備しておらず、この光電子増倍管に用いられているメッシュ状アノードは、耐振強度的に不十分であり、石油探査等に用いることはできなかった。
【0010】
また、特公昭61−17099号公報に記載された光電子増倍管では、アノードの撓み、及び、曲がりを防止する構成としているが、やはり耐振強度的に不十分であり、また、複雑な構造をしているため、それほど容易に製造することはできなかった。
【0011】
そこで本発明は、耐振性に優れ且つパルスリニアリティ特性が良いアノードを有する光電子増倍管を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、管軸に沿って延びる管状真空容器と、該管状真空容器の管軸方向端面に位置し、入射した光を光電変換して電子を放出する光電面と、内壁に二次電子面を有し、該電子を順次増倍するためのn段のダイノードと、該n段のダイノードで増倍された電子を受取るために設けられ、メッシュ電極部と、該メッシュ電極部を保持するアノード枠とからなるアノードを有する光電子増倍管において、該アノード枠は略長方形状であって、該アノード枠の一の長辺の中央部近傍は複数の該ダイノードにより増倍された該電子が収束する電子収束部をなし、該アノード枠の該一の長辺の中点から該一の長辺に沿って離間するにつれて、該アノード枠の内周は該アノードの内方へ入込む形状とすることにより、該アノード枠が該一の長辺に沿って該中点から離間するにつれて太くなるようにした光電子増倍管を提供している。
【0013】
ここで、該電子収束部が該第(n−1)段ダイノードと該第(n−2)段ダイノードの間の空間に位置するように該アノードが配置され設けられていることが好ましい。
【0014】
又、該管状真空容器には該複数段のダイノードと該アノードとを該管状真空容器に対して移動不能に支持する2つの基板が設けられ、該一の長辺の長手方向両端には該一の長辺に平行に該アノード枠から外方へ突出する形状の第1の支持部が設けられ、該他の長辺の長手方向両端には、該他の長辺に平行に該アノード枠から外方へ突出する形状の第2の支持部が設けられ、該基板に形成されたスリット状の固定貫通孔に該第1の支持部及び該第2の支持部が挿入され固定されることによって該アノードが該基板に支持されることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態による光電子増倍管について図1乃至図6に基づき説明する。第1の実施の形態による光電子増倍管1は、管軸Xを有する管状真空容器2を備えている。図1は、光電子増倍管1を管軸Xに沿って切断した様子を示す断面図である。管状真空容器2は、例えばコバールガラスのような素材からなる。
【0016】
この管状真空容器2の管軸X方向両端部は閉じており、一端部は面状をなし、その内面には光を受けて電子を放出する光電面2Aが形成されている。光電面2Aは、例えば管状真空容器2の一端部内面側に予め蒸着させておいたアンチモンにアルカリ金属蒸気を反応させることで形成される。また、管状真空容器2の他端部には、各ダイノードDy1〜Dy10やアノードA等に所望の電位を与えるための複数のリードピン2Bが設けられている。なお、図1には、便宜上リードピン2Bを2本のみ示す。光電面2Aは、図示しない接続部品により該当するリードピン2Bに接続されており、−1000Vの電圧が印加される。
【0017】
管状真空容器2の光電面2Aに面する位置には、管軸Xに垂直な面を有するカップ状のフォーカス電極3が配設されている。このフォーカス電極3には、管軸Xに垂直な面上であって、管軸Xと交差する位置を中心とする中央開口部3aが形成され、中央開口部3aにはメッシュ電極3Aが取付けられている。フォーカス電極3及びメッシュ電極3Aは、それぞれ該当するリードピン2Bに接続され、第1段目のダイノードDy1と同一の電位とされる。
【0018】
フォーカス電極3の光電面2Aに面する側とは反対側には、電子を順次増倍するためのダイノードDy1〜Dy10が配設されている。ダイノードDy1〜Dy10は、それぞれ二次電子面を有する。
【0019】
フォーカス電極3の中央開口部3aに面する位置に、第1段目のダイノードDy1が設けられている。第1段目のダイノードDy1は、管軸Xを横切る位置に配設されている。第1段目乃至第10段目のダイノードDy1〜Dy10は、順次隣接する段のダイノードの二次電子面同士が対向するように配置される。隣接するダイノード同士の間の空間が連なることにより形成されるダイノード内部空間経路が管軸Xを横切るようにダイノードDy1〜Dy10が配列されており、アノードAは、管軸Xに対して第2段目のダイノードDy2と反対側に設けられる。即ち、図1に示すように、第2段目のダイノードDy2は、管軸Xより左側に位置し、アノードAは、管軸Xより右側に位置する。最終段である第10段目のダイノードDy10とその一つ上段の第9段目のダイノードDy9との間には、メッシュ状のアノードAが配置されている。
【0020】
ダイノードDy1〜Dy10、アノードAは図示せぬ配線によりそれぞれ対応するリードピン2Bに接続され、それぞれ所定の電位が印加される。第1の実施の形態では、各段のダイノードDy1〜Dy10への印加電圧は以下の通りである。第1段目のダイノードDy1は−800V、第2段目のダイノードDy2は−720V、第3段目のダイノードDy3は−640V、第4段目のダイノードDy4は−560V、第5段目のダイノードDy5は−480V、第6段目のダイノードDy6は−400V、第7段目のダイノードDy7は−320V、第8段目のダイノードDy8は−240V、第9段目のダイノードDy9は−160V、第10段目のダイノードDy10は−80V、アノードAは0Vにされる。
【0021】
第2段目のダイノードDy2、第4段目のダイノードDy4、第6段目乃至第9段目のダイノードDy6〜Dy9は同一の形状をしている。図2に第2段目のダイノードDy2の詳細な形状を示す。第2段目のダイノードDy2は、断面円弧状をなす曲面部Dy2Aと該曲面部に面一に連なる平面部Dy2Bとを有し、曲面部Dy2Aと平面部Dy2Bとにより二次電子面が構成される。また、曲面部Dy2Aの長手方向両端部には、曲面部Dy2Aから立設する側面部Dy2Cがプレス形成されている。両側面部Dy2Cから外方に延びる第1の耳部Dy2Dが形成されている。また、平面部Dy2Bの長手方向両端部には、同じく外方に延びる第2の耳部Dy2Eが形成されている。第1の耳部Dy2Dと第2の耳部Dy2Eは、互いに平行面をなすことなく、一定の角度をもって位置する。また、第1の耳部Dy2D及び第2の耳部Dy2Eの中央部には、それぞれの厚さ方向に打ち出し加工部が形成されている。
【0022】
第3段目のダイノードDy3及び第5段目のダイノードDy5は同一の形状をしている。図3に第3段目のダイノードDy3の詳細な形状を示す。第3段目のダイノードDy3は、断面円弧状をなす曲面部Dy3Aを有する。曲面部Dy3Aは二次電子面をなし、他段のダイノードの二次電子面(Dy2A+Dy2B)よりも面積が小さい。これにより、第3段目のダイノードDy3(及び第5段目のダイノードDy5)は、他段のダイノードよりも小型に形成される。また、曲面部Dy3Aの長手方向両端部には、曲面部Dy3Aから立設する側面部Dy3B、Dy3Bがプレス形成されている。側面部Dy3Bの曲面部Dy3Aに続く側とは反対側面に、側面部Dy3Bから垂直に外方に延びる面状の第1の耳部Dy3Cが形成されている。第1の耳部Dy3Cの中央部には、厚さ方向に打ち出し加工部が形成されている。
【0023】
図6からわかるように、第1段目のダイノードDy1の二次電子面Dy1Aの長手方向両端部には、二次電子面Dy1Aから立設した側面部Dy1Bが形成されており、側面部Dy1Bには外方に延びる第1の耳部Dy1Cが形成されている。第1の耳部Dy1Cの中央部には、厚さ方向に打ち出し加工部が形成されている。
【0024】
図5からわかるように、第10段目のダイノードDy10は平面状の二次電子面Dy10Aと、その両端から立設した2つの面Dy10B、Dy10Cを有し、断面がコの字形状となっている。二次電子面Dy10A、面Dy10B、Dy10Cの長手方向両端部には、それぞれ二次電子面Dy10A、面Dy10B、Dy10Cの長手方向に面一に延びる3つの耳部Dy10D、Dy10E、Dy10Fが形成されている。耳部Dy10EとDy10Fは互いに平行で、耳部Dy10Dは耳部Dy10E、Dy10Fに対して垂直に形成されている。耳部Dy10D、Dy10E、Dy10Fの中央部には、それぞれの厚さ方向に打ち出し加工部が形成されている。
【0025】
次に、アノードAの構成について説明する。アノードAは、図4(a)に示されるように、アノード枠A11を有しており、アノード枠A11は略長方形状をしている。略長方形状をしたアノード枠A11の長辺の長さは11mmであり、短辺の長さは3.48mmである。アノード枠A11には開口部A11aが形成されており、アノード枠A11の内周、即ち、開口部A11aには、開口部A11aを塞ぐ状態で固定され蜂の巣状の編み目を有するメッシュ電極部A12が設けられている。
【0026】
略長方形状をしたアノード枠A11の一の長辺A11Bの中央部A11Aと、メッシュ電極部A12の一部であって中央部A11Aによって固定されている部分とからなる、図4(a)のFで示される部分、即ち、中央部A11Aの近傍は、複数のダイノードDy1〜Dy10により増倍されてきた電子が最も収束する電子収束部をなしている。電子収束部Fは、第8段ダイノードDy8と第9段ダイノードDy9の間の空間に位置している。電子収束部Fにおいてメッシュ電極部A12でなるべく多くの電子を取込めるようにするため、アノード枠A11の他の長辺A11Cの太さと一の長辺A11Bの太さとを比較すると、一の長辺A11Bの方が相対的にかなり細く構成されている。一の長辺A11Bの中央部A11Aの太さは0.3mmであり、他の長辺A11Cの太さは一律に0.8mmである。
【0027】
一の長辺A11Bの内周は、一の長辺A11Bの両端へ向かって、一の長辺の長手方向の中点から離間するにつれて、アノードAの内方へと入込む形状をしており、他の長辺A11Cの一端と他端との間を接続する半径70mmの円周の一部である第1曲面A11bをなしている。一方、アノード枠A11の2つの短辺の内周の一部は直線状になっている。2つの短辺の内周の直線状の部分と第1曲面A11bとが接続されている部分、即ち、一の長辺A11Bの両端の内周は、図中に矢印で示すように、2つの短辺と第1曲面A11bとを接続する半径R1の円周の一部である第2曲面A11cをなしている。半径R1の値は0.5mmである。アノード枠A11の2つ短辺の内周の直線状の部分と第2曲面と長辺の内周とが接続されている接合部分の太さ、即ち、他の長辺A11Cの両端部における短辺の太さは、1.0mmである。
【0028】
一の長辺A11Bの両端には、一の長辺A11Bに対して平行に且つアノード枠A11から離間する方向へ突出する形状の2つの電子収束部側耳部A14、A14が設けられている。また、他の長辺A11Cの両端にも、他の長辺A11Cに対して平行に且つアノード枠A11から離間する方向へ突出する形状の2つの電子収束部遠隔耳部A15、A15が設けられている。電子収束部側耳部A14は第1の支持部に相当し、電子収束部遠隔耳部A15は第2の支持部に相当する。後述する基板5に形成されたスリット状の固定貫通孔a2、a3にこれら2つの電子収束部側耳部A14、A14及び2つの電子収束部遠隔耳部A15、A15が挿入され固定されることによってアノードAが基板5に支持されるように構成されている。
【0029】
略長方形状をしたアノード枠A11の他の長辺A11Cの外周には、長辺の長手方向に沿って設けられ、メッシュ電極部A12に対して垂直の方向、即ち、図4(a)の紙面の上方向に突出する略長方形状のアノード壁A13が設けられている。
【0030】
ラインフォーカス型の光電子増倍管では、第9段ダイノードDy9からの走行電子はアノードAの電子収束部Fに主として収束するので、電気的特性を良くする観点からすると、一の長辺A11B、とりわけ、その中央部A11Aは無いほうが望ましい。しかし、これではアノードAを振動に抗して十分に保持することはできず、また、アノードAが破損しやすくなり、耐振性が不十分である。一の長辺A11Bを無くしてしまわずに、できるだけ細くした場合でも、やはり耐振性が不十分である。しかし、本実施の形態による光電子増倍管のように、一の長辺A11Bの内周を第1曲面A11bと第2曲面A11cとすることにより、中央部A11Aのみが細くなるようにし、アノード枠A11の電子収束部F以外の部分がより太くなるようにしたことによって、中央部A11Aを有する一の長辺A11Bの耐振性を高めることができる。
【0031】
また、電子収束部Fを構成しない他の長辺A11Cを一の長辺A11Bよりも太くし、他の長辺A11Cの外周にアノード壁A13を設けたため、他の長辺A11Cの耐振性を高めることができる。
【0032】
また、アノード枠A11の電子収束部Fにより近い部分に電子収束部側耳部A14を設け、アノード枠A11の電子収束部Fからより離れた部分に電子収束部遠隔耳部A15を設けて、アノードAを支持するようにしたため、メッシュ状アノードAの耐振性をより高めることができる。
【0033】
図6に示されるように、ダイノードDy1〜Dy10及びアノードAは、その長手方向両端部において基板4、5に支持される。基板5にはスリット状の固定貫通孔Dy1c、Dy2d、Dy2e、Dy3c、Dy4d、Dy4e、Dy5c、Dy10d、Dy10e、Dy10f、a2、a3が穿設されている。図示はしないが、基板4にも同様のスリット状の固定貫通孔が形成されている。
【0034】
図5はダイノードDy1〜Dy10及びアノードAが基板4に保持され、基板5には未だ保持されていない様子を正面視したものである。図6は、各ダイノードDy1〜Dy10及びアノードAを基板5に保持させるときの様子を示す。なお、各ダイノードDy1〜Dy10及びアノードAの耳部Dy1C、Dy2D、Dy2E、Dy3C、Dy4D、Dy4E、Dy5C、Dy10D、Dy10E、Dy10Fを基板4に保持させる場合も、以下の説明と同様である。
【0035】
第1段目のダイノードDy1は、第1の耳部Dy1Cが固定貫通孔Dy1cに挿入されることにより基板5に保持される。第2段目のダイノードDy2は、第1の耳部Dy2Dが固定貫通孔Dy2dに挿入され、第2の耳部Dy2Eが固定貫通孔Dy2eに挿入されることにより基板5に保持される。第3段目のダイノードDy3は、第1の耳部Dy3Cが固定貫通孔Dy3cに挿入されることにより基板5に保持される。第4段目のダイノードDy4は、第1の耳部Dy4Dが固定貫通孔Dy4dに挿入され、第2の耳部Dy4Eが固定貫通孔Dy4eに挿入されることにより基板5に保持される。第5段目のダイノードDy5は、第1の耳部Dy5Cが固定貫通孔Dy5cに挿入されることにより基板5に保持される。第6段目乃至第9段目のダイノードDy6〜Dy9は、第2段目及び第4段目のダイノードDy2、Dy4と同様に、第1の耳部及び第2の耳部がそれぞれ対応する固定貫通孔に挿入されることにより基板5に保持される。ダイノードDy10は、耳部Dy10Dが固定貫通孔Dy10dに挿入され、耳部Dy10Eが固定貫通孔Dy10eに挿入され、耳部Dy10Fが固定貫通孔Dy10fに挿入されることにより基板5に保持される。アノードAは、耳部A14が固定貫通孔a2に挿入され、耳部A15が固定貫通孔a3に挿入されることにより基板5に保持される。
【0036】
このとき、各耳部には上述のように打ち出し加工部が形成されているために、耳部が対応する固定貫通孔に圧入される形となり、ダイノードDy1〜Dy10は、基板5に良好に固定される。第6段目乃至第9段目のダイノードDy1〜Dy10の耳部についても同様である。
【0037】
このとき、第1の耳部Dy1C、Dy2D、 Dy3C、Dy4D、 Dy5C及び耳部Dy10E、Dy10F、A14、A15は、基板5の厚さよりも長く形成されており、基板5から突出し、リードピン2Bに接続されるための端子となる。第6段目乃至第9段目のダイノードDy6〜Dy9の第1の耳部についても同様である。これらの耳部Dy1C、Dy2D、 Dy3C、Dy4D、 Dy5C、Dy10E、Dy10F、A14、A15の基板5から突出した部分をひねることにより、ダイノードDy1〜Dy5、Dy10、アノードAをより強固に基板5に固定してもよい。第6段目乃至第9段目のダイノードDy6〜Dy9についても同様である。
【0038】
一方、第2の耳部Dy2E、 Dy4E及び耳部Dy10Dは、それぞれ基板5の厚さよりも短く形成されており、基板5の外側に突出することはなく、配線の邪魔にならない。第6段目乃至第9段目のダイノードDy6〜Dy9の第2の耳部についても同様である。また、基板5から突出する耳部を減らすことができるので、ダイノードDy1〜Dy10の耳部同士の近接配置を回避することができ、耐圧の問題が生じない。
【0039】
通常、第i段目のダイノードDyiの二次電子面から放出された二次電子が第(i+1)段目のダイノードDy(i+1)の二次電子面の効率の良い部分に入射するようにするため、第i段目のダイノードDyiの二次電子面と第(i+1)段目のダイノードyD(i+1)の二次電子面の間に、第(i+2)段目のダイノードDy(i+2)が入り込むように配置する。本実施の形態の光電子増倍管1においては、ダイノード内部空間経路が管軸を横切るようにダイノードDy1〜Dy10が湾曲した列をなして配置されているため、湾曲の外側に配置されたダイノード同士の距離は大きくなる。これにより、第i段目のダイノードDyiの二次電子面と第(i+1)段目のダイノードDy(i+1)の二次電子面の間に、湾曲の外側に配置された第(i+2)段目のダイノードDy(i+2)が入り込みにくくなる。しかし、本実施の形態においては湾曲の外側に配置された第2段目、第4段目、第6段目、第8段目のダイノードDy2、Dy4、Dy6、Dy8の二次電子面を断面円弧状をなす曲面部Dy2A、Dy4A、Dy6A、Dy8Aと曲面部Dy2A、Dy4A、Dy6A、Dy8Aに面一に連なる平面部Dy2B、Dy4B、Dy6B、Dy8Bとにより形成したので、図1に示すように、第i段目のダイノードDyiの二次電子面と第(i+1)段目のダイノードDy(i+1)の二次電子面の間に、第(i+2)段目のダイノードDy(i+2)が入り込むように配置されている。こうして、第i段目のダイノードDyiと第(i+1)段目のダイノードDy(i+1)の間に第(i+2)段目のダイノードDy(i+2)の電位が染み込む。これにより、第i段目のダイノードDyiの二次電子面から放出された二次電子が第(i+2)段目のダイノードDy(i+2)に引き寄せられ、第(i+1)段目のダイノードDy(i+1)の二次電子面の効率の良い部分に入射するようにすることができる。
【0040】
ここで、第3段目及び第5段目のダイノードDy3、Dy5の二次電子面を断面円弧状の部分のみによって形成したのは、前段のダイノードDy2、Dy4からの電子を受けやすく、しかも二次電子の放出方向を前段のダイノードDy2、Dy4の方向に少し向けてやることにより、二次電子が次段のダイノードDy4、Dy6に対して適正軌道をとるようにするためである。第3段目及び第5段目のダイノードDy3、Dy5の二次電子面が平面状であると、前段のダイノードDy2、Dy4と前々段のダイノードDy1、Dy3の間への第3段目及び第5段目のダイノードDy3、Dy5の電位の染み込みが大きくなりすぎ、第1段目及び第3段目のダイノードDy1、Dy3からの電子が、第3段目及び第5段目のダイノードDy3、Dy5の背面に引っ張られてしまって、第2段目及び第4段目のダイノードDy2、Dy4の二次電子面に入射しにくくなる。また、第2段目及び第4段目のダイノードDy2、Dy4の二次電子面から放出された電子が、第5段目及び第7段目のダイノードDy5、Dy7の電位に引っ張られてしまうことにより、次段の第3段目及び第5段目のダイノードDy3、Dy5の好ましい位置に入らないか、あるいは次段ダイノードを抜けて第5段目及び第7段目のダイノードDy5、Dy7の背面に入射してしまうことになる。
【0041】
また、第3段目及び第5段目のダイノードDy3、Dy5の二次電子面を第2段目、第4段目、第6段目乃至第9段目のダイノードDy2、Dy4、Dy6〜Dy9の二次電子面よりも面積が小さくなるよう形成したのは、湾曲した配列の内側に配置される第3段目及び第5段目のダイノードDy3、Dy5を小さくすることにより、ダイノード内部空間経路が管軸を横切るようにダイノードDy1〜Dy10を湾曲した列に配置することを可能とするためである。一方で、湾曲した配列の内側に配置される第7段目及び第9段目のダイノードDy7、Dy9の二次電子面を湾曲した配列の外側に配置される第2段目、第4段目、第6段目、第8段目のダイノードDy2、Dy4、Dy6、Dy8の二次電子面と同じ面積を有するよう形成したのは、比較的下段の方に位置するダイノードDy7、Dy9の二次電子面の近傍においては、電子の空間密度が高くなるため、これを少しでも緩和するためである。
【0042】
図1に示されるように、ダイノードDy1〜Dy10に取り囲まれる位置に、光電面2Aに平行な遮光板6が設けられる。遮光板6は、最終段近傍のダイノードDy7〜Dy10と第1段目のダイノードDy1の間に位置して、最終段近傍のダイノードDy7〜Dy10に電子が衝突する際に生じる光やイオンが光電面2Aに向かうのを防止している。遮光板6は、対応するリードピン2Bに接続されることにより、所定の電位とされる。
【0043】
本発明の第1の実施の形態による光電子増倍管1の動作について図1を参照して説明する。光電面2Aに光が入射すると、光電子が放出され、フォーカス電極3で収束されて第1段目のダイノードDy1に送られる。すると、第1段目のダイノードDy1から二次電子が放出され、これが第2段目乃至第10段目のダイノードDy2〜Dy10へと順次送られて次々と二次電子が放出されてカスケード増倍される。最後に、アノードAに収集されて、アノードAから出力信号として取り出される。
【0044】
次に、第2の実施の形態による光電子増倍管について説明する。第2の実施の形態による光電子増倍管は、アノードA’の第1曲面A21bの曲率が異なる点で、第1の実施の形態による光電子増倍管とは異なる。図4(b)に示す第2の実施の形態による第1曲面A21bの曲率は30mmである。この他の部分については第1の実施の形態と同一であるため、説明を省略する。
【0045】
次に、第3の実施の形態による光電子増倍管について説明する。第3の実施の形態による光電子増倍管は、アノードA’’の第2曲面A31cの曲率が異なる点で、第2の実施の形態による光電子増倍管とは異なる。第2曲面A31cの曲率が異なるため、これに伴い、アノード枠の形状、及びメッシュ電極部の形状も若干異なっている。
【0046】
第3の実施の形態による光電子増倍管のアノードA’’のアノード枠A11の2つの短辺の内周には、直線状になっている部分はない。一方、アノード枠A11の他の長辺の内周は直線状になっている。短辺の内周は第2曲面A31cをなしており、第2曲面A31cの曲率R3は、第2の実施の形態による光電子増倍管の第2曲面A11cよりもかなり大きな値となっている。第2曲面A31cの曲率R3は2.2mmである。2つの第2曲面A31cは、それぞれ第1曲面A21bの端部と他の長辺A11Cの内周の端部とをそれぞれ接続している。また、アノード枠A11の短辺の、第2曲面A31cと他の長辺A11Cの内周とが接続されている接合部分の太さ、即ち、他の長辺A11Cの両端部における短辺の太さは、1.0mmである。
【0047】
第2曲面A31cの曲率を大きくしたため、アノード枠A11の中央部を細く、且つアノード枠A11の他の長辺A11Cの両端の部分を太くすることができる。このため、パルスリニアリティを高く保つと共に、耐振性をより高めることができる。
【0048】
次に、第4の実施の形態による光電子増倍管について説明する。第4の実施の形態による光電子増倍管は、アノードA’’’の第2曲面A41cの曲率が異なる点、及びアノード枠A11の短辺の太さが異なる点で、第3の実施の形態による光電子増倍管とは異なる。第4の実施の形態による第2曲面A41cの曲率R4は2.0mmである。また、アノード枠A11の短辺の、第2曲面A41cと他の長辺A11Cの内周とが接続されている接合部分の太さ、即ち、他の長辺A11Cの両端部における短辺の太さは、1.5mmであり、他の実施例よりも0.5mm太い。この他の部分については第3の実施の形態と同一であるため、説明を省略する。
【0049】
第2曲面A41cの曲率を小さくする一方で、第2曲面A41cと他の長辺A11Cの内周とが接続されている接合部分を太くしたため、アノード枠A11の中央部を細く、且つアノード枠A11の他の長辺A11Cの両端の部分を太くすることができる。このため、パルスリニアリティをある程度高く保つと共に、耐振性をさらに高めることができる。
【0050】
次に、本発明による光電子増倍管の効果を確認するために実験を行った。実験では、先ず、第1乃至第4の実施の形態による光電子増倍管で出力電流を測定し、いわゆる変化率を求めることによってメッシュ状アノードのパルスリニアリティの良否を判断した。また、比較の対象として、従来のポール状アノードを設けた光電子増倍管を用いて、同様の実験を行った。実験の結果は、表1の通りであり、表1に示されるデータを視覚的に判断し易くするために、図7に示すようなグラフを作成した。表1は、本実施例1〜4と従来のポール状アノードとについて、出力電流値が1、3、5、10、…、100mAであるときの、これらの各値に対する変化率の値を表したものであり、縦系列の単位として出力電流値(mA)をとり、横系列の単位として変化率(%)をとる。
【0051】
【表1】
【0052】
表1及び図7のグラフに示すように、第1、第2、第3、第4の実施の形態によるいずれの光電子増倍管でも、高いパルスリニアリティ特性を得ている。いずれも従来のポール状アノードと比較して5倍以上も向上していることが分かる。
【0053】
次に、第1乃至第4の実施の形態によるメッシュ状アノードを用いて、耐振性の実験を行った。耐振性の実験は、メッシュ状アノードを実験装置に装着し、メッシュ状アノードに対して、294m/S2(=30G)、50Hz〜2000Hz:1 octave/minute:1 sweep/axis(3axes)、10 minutes/axisの振動を付加することにより行われ、メッシュ状アノードの破損あるいは変形によるアノード出力変動が生じるか否かを調べることによって、耐振性の良否を判断した。また、比較対象として、従来のポール状アノードを用いて、同様に実験を行った。なお、ここで3axesとは、X、Y、Z軸の3軸のことである。
【0054】
従来のポール状アノードは耐振性に優れることがよく知られているが、やはり、試験を行った所定の時間内にアノード出力変動は生じなかった。一方、第1乃至第4の実施の形態による光電子増倍管のメッシュ状アノードのいずれも、試験を行った所定の時間内に破損したものはなく、製品として用いることができる程度の耐振性を有していることが分かった。なお、理論的には、第4、第3、第2、第1の実施の形態の順に耐振性は高いと考えられる。
【0055】
耐振性とパルスリニアリティとの調和を考慮すると、第2の実施の形態による光電子増倍管のメッシュ状アノードがよい。パルスリニアリティを重視し、それほど耐振性を追求しないのであれば第1の実施の形態による光電子増倍管のメッシュ状アノードの方がよい。逆に、高いパルスリニアリティを追求せず、耐振性を重視するのであれば、第4の実施の形態による光電子増倍管のメッシュ状アノードの方がよい。このように光電子増倍管が使われる用途、目的に応じて、適切なメッシュ状アノードを自由に使い分けることができる。
【0056】
本発明による光電子増倍管は上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、本実施の形態は、複数段のラインフォーカス型ダイノードを湾曲して配置させた構造となっているが、複数段のラインフォーカス型ダイノードを通常のインライン型に配置した場合にも適用することができる。nを3以上の自然数としてn段のダイノードをインライン型に配置した場合でも、メッシュ状アノードの電子収束部が第(n−1)段ダイノードと第(n−2)段ダイノードの間の空間に位置するように設けられるので、アノード枠の一の長辺を、本発明と同様の形状とするのが望ましいからである。
【0057】
また、一の長辺はA11Bの内周を第1、第2曲線としなくてもよい。中央部A11Aが一番細くなればよいので、部分的に直線状となってもよい。
【0058】
【発明の効果】
請求項1記載の光電子増倍管によれば、アノード枠の内周は中央部から一の長辺に沿って離間するにつれて、アノード枠の外周に対してアノード枠の内部へ入込む形状をしており、アノード枠は中央部から一の長辺に沿って離間するにつれて太くなっているため、高いパルスリニアリティ特性と高い耐振性とを両立させたアノードを有する光電子増倍管とすることができる。また、構造が簡単であるため、従来のラインフォーカス型光電子増倍管に容易に付加改造をして、高いパルスリニアリティ特性と高い耐振性とを両立させたアノードを有する光電子増倍管にすることができる。
【0059】
請求項2記載の光電子増倍管によれば、該電子収束部は該第(n−1)段ダイノードと該第(n−2)段ダイノードの間の空間に位置しているため、より高いパルスリニアリティ特性を得ることができる。
【0060】
請求項3記載の光電子増倍管によれば、基板に形成されたスリット状の固定貫通孔に2つの電子収束部側耳部及び2つの電子収束部遠隔耳部が挿入され固定されることによって該アノードが基板に支持されるため、該アノードを各ダイノードに対して移動不能に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による光電子増倍管1を示す断面図。
【図2】本発明の実施の形態による光電子増倍管1の第2段目、第4段目、第6乃至第9段目のダイノードDy2、Dy4、Dy6〜Dy9を示す図であり、(a)は正面図、(b)は下面図、(c)は側面図、(d)は斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態による光電子増倍管1の第3段目及び第5段目のダイノードDy3、Dy5を示す図であり、(a)は正面図、(b)は下面図、(c)は側面図、(d)は斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態による光電子増倍管1のアノードAを示す正面図であり、(a)は第1の実施の形態、(b)は第2の実施の形態、(c)は第3の実施の形態、(d)は第4の実施の形態を示す。
【図5】ダイノードDy1〜Dy10及びアノードAを基板4に保持させた様子を示す正面図。
【図6】ダイノードDy1〜Dy10及びアノードAを基板5に挿入する様子を示す斜視図。
【図7】本実施の形態による光電子増倍管のパルスリニアリティ特性を示すグラフ。
【図8】従来の光電子増倍管のアノードを示す部分断面図。
【符号の説明】
1 光電子増倍管
2 管状真空容器
2A 光電面
5 基板
A アノード
A11 アノード枠
A11B 一の長辺
A11C 他の長辺
A12 メッシュ電極部
Dy1〜Dy10 ダイノード
F 電子収束部
X 管軸
Claims (3)
- 管軸に沿って延びる管状真空容器と、
該管状真空容器の管軸方向端面に位置し、入射した光を光電変換して電子を放出する光電面と、
内壁に二次電子面を有し、該電子を順次増倍するためのn段のダイノードと、
該n段のダイノードで増倍された電子を受取るために設けられ、メッシュ電極部と、該メッシュ電極部を保持するアノード枠とからなるアノードを有する光電子増倍管において、
該アノード枠は略長方形状であって、該アノード枠の一の長辺の中央部近傍は複数の該ダイノードにより増倍された該電子が収束する電子収束部をなし、
該アノード枠の該一の長辺の中点から該一の長辺に沿って離間するにつれて、該アノード枠の内周は該アノードの内方へ入込む形状とすることにより、該アノード枠が該一の長辺に沿って該中点から離間するにつれて太くなるようにしたことを特徴とする光電子増倍管。 - 該電子収束部が該第(n−1)段ダイノードと該第(n−2)段ダイノードの間の空間に位置するように該アノードが配置され設けられていることを特徴とする請求項1記載の光電子増倍管。
- 該管状真空容器には該複数段のダイノードと該アノードとを該管状真空容器に対して移動不能に支持する2つの基板が設けられ、
該一の長辺の長手方向両端には該一の長辺に平行に該アノード枠から外方へ突出する形状の第1の支持部が設けられ、
該他の長辺の長手方向両端には、該他の長辺に平行に該アノード枠から外方へ突出する形状の第2の支持部が設けられ、
該基板に形成されたスリット状の固定貫通孔に該第1の支持部及び該第2の支持部が挿入され固定されることによって該アノードが該基板に支持されることを特徴とする請求項1又は2記載の光電子増倍管。
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