JP3748608B2 - 光電子増倍管 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長尺形状の電子増倍部を備えた光電子増倍管に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような分野の技術としては、特開昭63−200457号公報(図10参照)および実公昭54−36617号公報(図11参照)のものが知られている。
【0003】
図10に示すように、従来の光電子増倍管200は、管状の真空容器201と、この真空容器201に収容されて管軸方向に延びる長尺形状の電子増倍部202とを備えている。そして、この電子増倍部202には、電子を増倍させる複数段のダイノード203,204と、最終段のダイノード204の前段に設けられて増倍された電子を収集するアノード205とが設けられている。このように、長尺形状の電子増倍部202を備えることによって、管軸方向に広い範囲で光を入射させることができる。
【0004】
また、図11に示すように、従来の光電子増倍管210は、電子を増倍させる複数段のダイノード211,212,213と、最終段のダイノード213の前方に配置されて増倍された電子を収集するメッシュ状のアノード214とを備えている。そして、このアノード214には、最終段の前段であるダイノード212の2次電子放出面に沿って延びるメッシュ状の突出片214aが設けられている。このように、アノード214に突出片214aが設けられることによって、ダイノード212とアノード213との段間における電子の受け渡し効率が向上する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図10に示した長尺形状の光電子増倍管200においては、図11に示した光電子増倍管210のようにメッシュ状の突出片214aを設けて電子の受け渡し効率を向上させたいといった要請がある。
【0006】
しかしながら、光電子増倍管200のアノード205は、管軸方向に長く延びているので、このアノード205にメッシュ状の突出片を取り付けると、アノード205の真空処理時に発生する熱(700〜800度)と、光電子増倍管の製造時にアノード205にかかる熱(150〜300度)によって、突出片は変形してしまう。
【0007】
本発明は、このような問題を解決し、耐熱性に優れると共に最終段ダイノードとアノードとの段間における電子の受け渡し効率の高い長尺形状の光電子増倍管を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の光電子増倍管は、光入射窓を有する管状の真空容器と、光入射窓の内面に形成された光電面と、真空容器に収容されて、真空容器の管軸方向に延びる電子増倍部とを備えた光電子増倍管において、電子増倍部は、光電面から放出された電子を増倍させる複数段のダイノードと、最終段のダイノードの近傍に配置されて、この最終段のダイノードで増倍された電子を収集するアノードとを備え、アノードの本体は、管軸に沿って2つに折り曲げられた断面V字状を有し、アノードの折曲部が最終段のダイノードの2次電子放出面に近接して配置されていることを特徴とする。
【0009】
このように、最終段のダイノードの2次電子放出面にアノードの折曲部が近接して配置されているので、最終段のダイノードの2次電子放出面から放出された電子の多くは、アノードの折曲部及びその近傍の部分で捕捉される。このため、最終段のダイノードとアノードとの段間における電子の受け渡し効率が向上する。さらに、アノードには突出片が設けられていないので、アノードの真空処理時に発生する熱と、光電子増倍管の製造時にアノードにかかる熱によっても突出片が変形することはない。このように請求項1に記載の光電子増倍管は耐熱性に優れる。
【0010】
なお、請求項1に記載の光電子増倍管ではないが、アノードは、真空容器の管軸方向に延びる電子捕捉部本体と、この電子捕捉部本体から最終段のダイノードの2次電子放出面に向けて突出する板状の電子捕捉用突出片とを有し、電子捕捉部本体と電子捕捉用突出片とで断面T字状をなすこともでき、電子捕捉用突出片は、前記最終段のダイノードの第2電子放出面に向けて直線的に突出することもできる。
【0011】
このように、最終段のダイノードの2次電子放出面に向けて電子捕捉用突出片が突出しているので、最終段のダイノードの2次電子放出面から放出された電子の多くは、アノードの電子捕捉用突出片で捕捉される。このため、最終段のダイノードとアノードとの段間における電子の受け渡し効率が向上する。また、板状の電子捕捉用突出片が用いられているので、アノードの真空処理時に発生する熱と、光電子増倍管の製造時にアノードにかかる熱によっても電子捕捉用突出片が変形することはない。このような光電子増倍管は耐熱性に優れる。
【0012】
上述のように、電子捕捉部本体と電子捕捉用突出片とで、アノードは断面T字状または断面L字状をなし、電子捕捉用突出片は最終段のダイノードの第2電子放出面に向けて直線的に突出することもできる。
【0013】
このように、電子捕捉用突出片を最終段のダイノードの第2電子放出面に向けて直線的に突出させることによって、電子捕捉用突出片を第2電子放出面に沿って並行に延ばす場合に比べて、電子捕捉用突出片と最終段のダイノードとの間での静電容量の増加を抑制することができる。従って、電子捕捉用突出片を突出させることによる周波数特性への悪影響は少ない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る光電子増倍管1を示す正面図であり、図2は図1のII−II線に沿った断面図である。図1に示すように、光電子増倍管1は管状の真空容器10を備えており、真空容器10の上面には管軸Aの方向に延びる光入射窓11が設けられている。この光入射窓11の内面には、外部からの光の入射を受けて電子を放出させる光電面20が形成されている。さらに、真空容器10の内部には、光電面20から放出された電子を増倍させる電子増倍部30が管軸Aの方向に延ばして配置されている。そして、電子増倍部30の上部には、電子を収束させるフォーカスディスク31が設けられている。
【0016】
図2に示すように、フォーカスディスク31の上方には、電子を収束させる一対の収束電極32と、光電面形成用の一対の蒸着源33とが配設されている。また、フォーカスディスク31の中央部には、長方形形状の入射開口31bが設けられている。そして、フォーカスディスク31は収束電極32で収束された電子をさらに入射開口31bに収束させるように機能する。さらに、フォーカスディスク31の下方には、入射開口31bを通過した電子を増倍させる10段のダイノード41〜50と、ダイノード41〜50で増倍された電子を捕捉するアノード34とが設けられている。さらに、ダイノード41〜44の前面には、入射した電子を加速させるメッシュ電極35がそれぞれ取り付けられている。
【0017】
図3に示すように、アノード34は、延在方向(図2に示す管軸Aに沿った方向)に2つに折り曲げられた断面V字状の本体34aを備えており、本体34aの両端には延在方向に延びる爪片34bが設けられている。ここで、アノード34は、厚さ約0.3mm、幅約4.0mm、長さ約400.0mmのステンレス板から成形されている。
【0018】
アノード34の折曲部34cは、最終段のダイノード50の2次電子放出面50bに近接して配置されており(図2参照)、最終段のダイノード50の2次電子放出面50bから放出された電子の多くは、折曲部34c及びその近傍の部分で捕捉される。このため、最終段のダイノード50とアノード34との段間における電子の受け渡し効率は大幅に向上する。また、アノード34はV字状に加工されているので、平板状のアノードに比べて曲げ強度が増す。さらに、アノード34には突出片が設けられていないので、アノード34の真空処理時に発生する熱と、光電子増倍管の製造時にアノード34にかかる熱によっても突出片が変形することはない。このように、光電子増倍管1は耐熱性に優れている。
【0019】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る光電子増倍管について、図4及び図5を用いて説明する。図4は本発明の第2の実施形態に係る光電子増倍管2を示す断面図であり、図5は光電子増倍管2に設けられたアノード60を示す斜視図である。この第2の実施形態が図2に示した第1の実施形態と異なるのは、断面V字状のアノード34の代わりに断面T字状のアノード60が用いられている点であり、その他の構成については第1の実施形態と同じである。なお、第1の実施形態と同一又は同等な構成部分については同一符号を付し、その説明は省略する。
【0020】
図4及び図5に示すように、アノード60は、真空容器10の管軸A方向(紙面と直交する方向)に延びる板状の電子捕捉部本体60aを備えている。そして、電子捕捉部本体60aの一方の面の中央部には、電子捕捉部本体60aから最終段のダイノード50の第2電子放出面50bに向けて突出する板状の電子捕捉用突出片60bが溶接によって固定されている。さらに、電子捕捉部本体60aの両端には延在方向に延びる爪片60cが設けられている。ここで、電子捕捉部本体60aには、厚さ約0.3mm、幅約4.0mm、長さ約400.0mmのステンレス板が用いられている。また、この電子捕捉部本体60aから突出された電子捕捉用突出片60bの長さは約1.5mmである。
【0021】
そして、アノード60の電子捕捉用突出片60bは、最終段のダイノード50の2次電子放出面50bに向けて突出しており(図4参照)、最終段のダイノード50の2次電子放出面50bから放出された電子の多くは、電子捕捉用突出片60bで捕捉される。このため、最終段のダイノード50とアノード34との段間における電子の受け渡し効率は大幅に向上する。また、アノード34はT字状に製造されているので、平板状のアノードに比べて曲げ強度が増す。さらに、電子捕捉用突出片60bは板形状を有しているので、アノード34の真空処理時に発生する熱と、光電子増倍管の製造時にアノード34にかかる熱によっても電子捕捉用突出片60bが変形することはない。このように、光電子増倍管2は耐熱性に優れている。
【0022】
さらにまた、電子捕捉用突出片60bは、最終段のダイノード50の第2電子放出面50bに向けて直線的に突出させているので、電子捕捉用突出片60bを第2電子放出面50bに沿って並行に延ばした場合に比べて、電子捕捉用突出片60bと最終段のダイノード50との間での静電容量の増加を抑制することができる。従って、電子捕捉用突出片を突出させることによる周波数特性への悪影響は少ない。
【0023】
次に、第1及び第2の実施形態に係る光電子増倍管1,2と従来例との性能比較について述べる。ここでは、最終段のダイノードとアノードとの電子受け渡し効率および周波数特性を比較項目として、アノード形状の異なる4種類の光電子増倍管(従来の光電子増倍管…2種類、本実施形態の光電子増倍管…2種類)について、コンピュータシミュレーションにより比較した。
【0024】
従来の光電子増倍管としては、図6(a)に示すような最終段のダイノード70の前段にメッシュ状のアノード71を配置した長尺形状の光電子増倍管と、図6(b)に示すような最終段のダイノード80の後段に平板状アノード81を配置した長尺形状の光電子増倍管とを用いている。なお、長尺形状の光電子増倍管にメッシュ状のアノードを用いると、アノードの真空処理時に発生する熱と、光電子増倍管の製造時にアノードにかかる熱でアノードは変形してしまい著しく特性が低下するが、ここでは熱によるアノードへの影響がないものとしてシミュレーションした。
【0025】
このようにアノード形状の異なる4種類の光電子増倍管についての性能評価結果を図7に示す。まず、従来例であるメッシュ状のアノード71を有する光電子増倍管は、最終段のダイノード70とアノード71との電子受け渡し効率が約70%、アノード71の端子間容量が約150pF(ピコファラド)、遮断周波数が約1.1MHz(メガヘルツ)あった。同じく従来例である平板状のアノード81を有する光電子増倍管は、最終段のダイノード80とアノード81との電子受け渡し効率が約55%、アノード81の端子間容量が約28pF、遮断周波数が約5.7MHzであった。
【0026】
これに対して、第1の実施形態である断面V字状のアノード34を有する光電子増倍管1は、最終段のダイノード50とアノード34との電子受け渡し効率が約95%、アノード34の端子間容量が約32pF、遮断周波数が約5.0MHzであった。また、第2の実施形態である断面T字状のアノード60を有する光電子増倍管2は、最終段のダイノード50とアノード60との電子受け渡し効率が約90%、アノード60の端子間容量が約31pF、遮断周波数が約5.1MHzであった。
【0027】
なお、アノードの端子間容量は、アノードと各ダイノードとの静電容量の合計である。ここで、静電容量Cは次式から導き出される。
C=ε×S/D[F] (εは誘電率、Sは面積、Dは距離)
ε=ε0 ・εr (ε0 =8.85×10-12 [F/m]、真空中ではεr=1)
また、遮断周波数fは次式から導き出される。
f=1/(2πCRL ) (Cは静電容量、RL は負荷抵抗)
以上より、第1及び第2の実施形態に係る光電子増倍管1,2の電子受け渡し効率は、メッシュ状のアノード71及び平板状のアノード81を有する従来の光電子増倍管に比べて非常に高いことが判かった。また、図8のグラフからも明らかなように、第1及び第2の実施形態に係る光電子増倍管1,2の周波数特性は、平板状のアノード81を有する従来の光電子増倍管とほぼ同等で、メッシュ状のアノード71を有する従来の光電子増倍管に対して非常に良いことが判った。
【0028】
このように、第1及び第2の実施形態に係る光電子増倍管1,2は従来例に比べて極めて優れた性能を有していることが判った。
【0029】
次に、電子増倍部30の支持構造について説明する。図1に示すように電子増倍部30は、電子増倍部30の両端部を支持する一対の端部支持基板100,101と、電子増倍部30の中央部を3か所で支持する3個の中央部支持基板102とによって固定支持されている。
【0030】
図9に示すように、端部支持基板100,101は略矩形のセラミックス製の基板であり、これらの端部支持基板100,101の表面には、ダイノード41〜50及びアノード34の両端に形成された爪片41a〜50a,34bをそれぞれ嵌入させる複数の嵌通孔100a,101aが設けられている。そして、これらの嵌通孔100a,101aに爪片41a〜50a,34bが嵌入されることによって、電子増倍部30であるダイノード41〜50及びアノード34の両端は固定支持される。なお、ダイノード41〜44は、本来は図2に示したメッシュ電極35が取り付けられているが、図が煩雑になるのを避けるために図9においては省略している。
【0031】
中央部支持基板102は、ダイノード45,47,49及びアノード34を下方から支持する下方支持枠102aと、ダイノード42,43を左側方から支持する側方支持枠102bと、アノード34を右側方から支持する側方支持枠102cと、ダイノード44,46,48,50を上方から支持する上方支持枠102dとを備えている。下方支持枠102aの両端には凸形状の爪片が設けられており、これらの爪片は側方支持枠102b,102cの下端に形成された嵌通孔にそれぞれ嵌入されている。
【0032】
また、上方支持枠102dの側部にも凸形状の爪片が設けられており、この爪片は側方支持枠102cの中央部に形成された嵌通孔に嵌入されている。その結果、各支持枠102a〜102dは矩形状の枠組みとなり、この枠組みにダイノード41〜50及びアノード34は囲まれて固定される。
【0033】
以上のように、電子増倍部30を固定支持するための部材としては、一対の端部支持基板100,101と、3個の中央部支持基板102と、7個の固定ピン103だけでよく、部品点数を大幅に削減することができる。
【0034】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば、アノード60は、電子捕捉部本体60aの端部に電子捕捉用突出片60bを固定させて、断面L字状に加工してもよい。このような形状であっても、電子捕捉用突出片60bを最終段のダイノード50の2次電子放出面50bに向けて突出させることによって、所期の目的を達成することができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明の第1の光電子増倍管は、真空容器の管軸方向に延びる電子増倍部を備え、この電子増倍部は、電子を増倍させる複数段のダイノードと、増倍された電子を収集するアノードとを備えている。そして、アノードの本体は、管軸に沿って2つに折り曲げられた断面V字状を有し、アノードの折曲部が最終段のダイノードの2次電子放出面に近接して配置されている。
【0036】
このように、最終段のダイノードの2次電子放出面にアノードの折曲部が近接して配置されているので、最終段のダイノードの2次電子放出面から放出された電子の多くは、アノードの折曲部及びその近傍の部分で捕捉される。このため、最終段のダイノードとアノードとの段間における電子の受け渡し効率が大幅に向上する。また、アノードはV字状に加工されているので、平板状のアノードに比べて曲げ強度が増す。さらに、アノードには突出片が設けられていないので、アノードの真空処理時に発生する熱と、光電子増倍管の製造時にアノードにかかる熱によっても突出片が変形することはない。このように本発明の第1の光電子増倍管は耐熱性に優れる。
【0037】
また、本発明の第2の光電子増倍管は、真空容器の管軸方向に延びる電子増倍部を備え、この電子増倍部は、電子を増倍させる複数段のダイノードと、増倍された電子を収集するアノードとを備えている。そして、アノードは、真空容器の管軸方向に延びる電子捕捉部本体と、この電子捕捉部本体から最終段のダイノードの第2電子放出面に向けて突出する板状の電子捕捉用突出片とを有している。
【0038】
このように、最終段のダイノードの2次電子放出面に向けて電子捕捉用突出片が突出しているので、最終段のダイノードの2次電子放出面から放出された電子の多くは、アノードの電子捕捉用突出片で捕捉される。このため、最終段のダイノードとアノードとの段間における電子の受け渡し効率が大幅に向上する。また、アノードはT字状に製造されているので、平板状のアノードに比べて曲げ強度が増す。さらに、板状の電子捕捉用突出片が用いられているので、アノードの真空処理時に発生する熱と、光電子増倍管の製造時にアノードにかかる熱によっても電子捕捉用突出片が変形することはない。このように本発明の第2の光電子増倍管は耐熱性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光電子増倍管を示す正面図である。
【図2】図1のII−II線に沿った断面図である。
【図3】断面V字状のアノードを示す斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る光電子増倍管を示す断面図である。
【図5】断面T字状のアノードを示す斜視図である。
【図6】(a)(b)は、従来の光電子増倍管のアノード形状を示す断面図である。
【図7】4種類の光電子増倍管の性能評価結果を示す図である。
【図8】4種類の光電子増倍管の周波数特性を示す図である。
【図9】ダイノード及びアノードの支持構造を示す分解図である。
【図10】従来の光電子増倍管を示す斜視図である。
【図11】従来の光電子増倍管を示す断面図である。
【符号の説明】
1,2…光電子増倍管、10…真空容器、11…光入射窓、20…光電面、30…電子増倍部、34,60…アノード、34a…本体、34c…折曲部、41〜50…ダイノード(50…最終段のダイノード)、50b…2次電子放出面、60a…電子捕捉部本体、60b…電子捕捉用突出片、A…管軸。

Claims (1)

  1. 光入射窓を有する管状の真空容器と、前記光入射窓の内面に形成された光電面と、前記真空容器に収容されて前記真空容器の管軸方向に延びる電子増倍部とを備えた光電子増倍管において、
    前記電子増倍部は、前記光電面から放出された電子を増倍させる複数段のダイノードと、最終段のダイノードの近傍に配置されて、この最終段のダイノードで増倍された電子を収集するアノードとを備え、
    前記アノードの本体は、管軸に沿って2つに折り曲げられた断面V字状を有し、前記アノードの折曲部が前記最終段のダイノードの2次電子放出面に近接して配置されていることを特徴とした光電子増倍管。
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