JPH11501153A - 折り曲げ管状部品を有する電子銃を具えるカラー陰極線管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 インライン形電子銃を具えるカラー陰極線管である。前記電子銃は、互いに固着された２つ（又はそれより多数）の折り曲げ成形部材からなる管状部品を具える。

Description

【発明の詳細な説明】 折り曲げ管状部品を有する電子銃を具えるカラー陰極線管 本発明は、電子ビーム通過孔を有するほぼ平坦なグリッドを含む少なくとも一 つの電極と、前記平坦グリッドに接続された管状部品とを有するインライン形電 子銃を具えるカラー陰極線管に関するものである。 このようなカラー陰極線管は既知であり、特にカラーテレビジョン受信機やコ ンピュータ用のカラーモニタに使用されている。 このようなカラー陰極線管の動作状態において、３本の電子ビームがインライ ン電子銃により発生される。これらの電子ビームは電極により加速され、集束さ れる。これらの電極の幾つか、特に比較的高い電圧が供給される電極には、電子 ビームにほぼ平行に延在するほぼ管状の部品が設けられる。これらの管状部品の 機能の一つは電子ビームを外部電界及び／又は磁界から遮蔽することにある。既 知のカラー陰極線管では、これらの管状部品を深絞り成形法により作成し、前記 管状部品と平坦グリッドを単一片にするか、又は前記管状部品を平坦グリッドが 溶接された深絞り成形管の一片で形成している。 しかし、これまでより高い要件が電子銃の種々の部品の製造精度に課されてい る。更に、カラー陰極線管の場合には、常に高電圧感度が問題になる。 本発明の目的は、上述した問題の一方又は両方を緩和した頭書に記載したタイ プのカラー陰極線管を提供することにある。 この目的のために、本発明のカラー陰極線管においては、前記管状部品を、電 子ビームに平行に延在するとともに互いに連結された複数個、好ましくは２個の 折り曲げ成形部材で形成したことを特徴とする。 このような折り曲げ成形部材は、板材料に深絞り成形処理を施す必要なしに板 から作成することができる。深絞り成形は、潤滑剤を必ず必要とする処理である 。徹底的な洗浄処理後でも、潤滑剤が若干残り、これが陰極線管の高電圧動作に 悪影響を及ぼしうる。折り曲げ成形され、次いで相互連結された部材を用いるこ とにより、一層清浄な電極、即ち一層良好な高電圧抵抗を有する電極を得ること ができる。 更に、深絞り成形は幾分正確な製品を製造する処理である。これは、深絞り成 形部品は深絞り成形処理後に常に跳ね返る事実に起因する。この現象は、折り曲 げ成形板を使用する場合には発生しない。従って、管状部品は深絞り成形部品よ り高い平面度及び寸法精度を有する。 折り曲げ成形部材は同一の形にするのが好ましい。その結果、電子銃が簡単に なり、コストの低減をもたらす。 各折り曲げ成形部材は突起を具え、これらの突起を相互連結し、且つ板状折り 曲げ成形部材からなる管状部品を前記突起により電子銃の支持部材に連結するの が好ましい。 インライン形電子銃は、一般にガラスからなる支持部材を具え、この支持部材 に種々の電極を固着する。 本発明のこれらの特徴及び他の特徴は以下に記載する実施例の説明から明らか になる。 図面において、 図１は陰極線管を示し、 図２は電子銃を示し、 図３Ａ〜３Ｃは本発明陰極線管内の電子銃の一部分を示し、 図４Ａ、４Ｂ、５Ａ、５Ｂ及び６は本発明陰極線管用電子銃の一部分の他の実 施例を示す。 これらの図は正しい寸法比で描いてない。また、同様の部分は同一の番号で示 している。 カラー陰極線管１（図１）は、表示窓３、コーン部４及びネック部５を有する 排気容器２を具える。ネック部５内には３本の電子ビーム７、８及び９を発生す る電子銃６が設けられる。表示スクリーン１０が表示窓３の内面上に位置する。 表示スクリーン１０は赤、緑及び青で発光するけい光素子のパターンを具える。 電子ビーム７、８及び９は表示スクリーン１０へ進む途中で偏向ユニット１１に より偏向され、表示窓３の前に配置された孔１３を有する薄板からなるシャドウ マスク１２を通過する。３本の電子ビーム７、８及び９はシャドウマスクの孔１ ３を互いに小角度をなして通過し、それぞれ１つの色のけい光素子に衝突する。 図２は電子銃６の斜視図である。この電子銃６は共通制御電極２１（Ｇ₁電極 ともいう）を具え、この電極内に３つの陰極２２、２３及び２４が固定される。 Ｇ₁電極は支持部材２６に連結素子２５により固定される。これらの支持部材は ガラス製であり、”ビーディングロッド”ともいう。本例では、電子銃６は、更 に、共通板状電極２７（Ｇ₂電極ともいう）及び共通電極２９及び３０を含み、 これらの電極も支持部材２６に連結素子により固定される。この図では、電極２ ９及び３１は深絞り成形部品から製造されている。 本発明陰極線管用の電子銃の電極の側面図を図３Ａに、正面図を図３Ｂに、折 り曲げてない状態を図３Ｃに示す。 この電極は２つの板状グリッド３１及び３２と、これらの間に位置する管状部 品３３とを具える。この管状部品は２つの部材３３Ａ及び３３Ｂを有する。これ らの部材の一つを図３Ｃに折り曲げてない状態で示す。この部材は平坦部分４１ 、４２、４３、４４及び４５を具え、これらの部分のうち部分４１及び４５に突 起４６が設けられる。折り曲げ線４７、４８、４９及び５０も示されている。こ のような部材は、材料に深絞り成形を施すことなく、例えば打ち抜きにより極め て精密に製造することができる。 折り曲げ線を例えばパンチング又はノッチングにより平坦部分に設けるのが好 ましい。次に、両部材３３Ａ及び３３Ｂを折り曲げ、部分４１、４５で互いに溶 接する。板状グリッドをこれらの部材に例えば溶接により固定する。部材３３Ａ 及び３３Ｂの上端は極めて精密に形成できるため、電極３３の位置を深絞り成形 電極の場合よりかなり精密に決定することができる。 本発明による電子銃の電極の好適実施例の一例の正面図を図４Ａに、その折り 曲げてない状態をず４Ｂに示す。本例では、グリッド３１と部材３３Ａ及び３３ Ｂを単一の折り曲げ片で製造する。これは、電子銃の製造に必要とされる個別部 品の数が１つ減少する好適例である。本発明の範囲内では、折り曲げ部材を相互 連結することができる。 本発明電子銃の電極の好適実施例の他の例の正面図を図５Ａに、その折り曲げ てない状態を図５Ｂに示す。本例では、グリッド３１及び３２と部材３３Ａ及び ３３Ｂを単一の折り曲げ片で製造する。これは、電子銃の製造に必要とされる個 別部品の数が更に減少する別の好適例である。 上述したすべての例（図３Ａ〜３Ｃ，４Ａ，４Ｂ，５Ａ，５Ｂ）は、管状部品 を具える電極をストリップの形に作成することができる利点を有する。 例えば、図４Ｂに示す電極は、多数のこのような電極が例えば打ち抜き又はレ ーザカッティングにより形成されたストリップの一部分とすることができる。こ のようなストリップをリール上に巻き、製造プロセス中、このストリップをマシ ンに供給し、マシンによりこのストリップから電極を取り出し、折り曲げ、溶接 により固着することができる。これは、電極がそれらの製造前に極めて小さいス ペースを占める利点を有する。折り曲げ成形は曲げ成形又は深絞り成形より、潤 滑剤を省略することができるとともに発生する塑性変形又は弾性変形が小さいと いう利点を有する。 本発明の範囲内において多くの変更が可能であること明らかである。 例えば、図６は本発明の極めて簡単な実施例の平面図であり、本例では管状部 品を点６２で互いに溶接した２つの部材６１Ａ及び６１Ｂで構成する。 本発明は、折り曲げ部材を、深絞り成形し得ない又は深絞り成形が困難なＮｉ Ｆｅのような材料で作成する場合に特に有利である。このような材料は極めて低 い熱膨張率を有し、極めて好ましい。これらの材料は折り曲げることはできるが 、深絞り成形又は曲げ成形することはできないか、できても極めて難しい。要す るに、本発明はインライン形電子銃を備えるカラー陰極線管に関する。この電子 銃は、２つ（又はそれより多数）の折り曲げ部材を互いに固着してなる少なくと も一つの管状部品を具える。これらの折り曲げ部材は折り曲げ線（その線に沿っ て材料が例えばノッチングにより弱められている）に沿って折り曲げるのが好ま しい。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．３つの電子ビームを同一平面内に発生する手段と、電子ビーム通過孔を有す るほぼ平坦なグリッドを含む少なくとも一つの電極と、前記平坦グリッドに連結 された管状部品とを有するインライン形電子銃を具えるカラー陰極線管において 、前記管状部品が、電子ビームに平行に延在するとともに互いに連結された複数 個、好ましくは２個の折り曲げ成形部材からなることを特徴とするカラー陰極線 管。 ２．前記折り曲げ成形部材はほぼ同一の形であることを特徴とする請求項１記載 のカラー陰極線管。 ３．前記平坦グリッド及び前記折り曲げ成形部材は単一の折り曲げ成形材料片で 製造したことを特徴とする請求項１又は２記載のカラー陰極線管。 ４．２つの平坦グリッドと前記折り曲げ成形部材は単一の折り曲げ材料片で製造 したことを特徴とする請求項３記載のカラー陰極線管。 ５．前記折り曲げ成形部材は低い熱膨張係数を有する材料で作成したことを特徴 とする請求項１〜４の何れかに記載のカラー陰極線管。 ６．請求項１〜５の何れかに記載の空陰極線管用に好適な電子銃。