JP3401044B2 - 光電子増倍管 - Google Patents
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Description
陰極から放出される光電子を多段に積層させたダイノー
ドによって増倍する光電子増倍管に関する。
ネルギー物理の分野における各種測定に、γカメラ、P
ET(ポジトロン・エミッション・トモグラフィ)、ま
たはカロリーメーター等として広く使用されている。
し、(a)は断面図、(b)は要部断面図である。この
光電子増倍管は、有底円筒状の真空容器1内に、入射光
を受ける上端内面に被着されて光電子を放出する光電陰
極4と、この光電子の軌道を収束する収束電極7と、当
該光電子を入射されて増倍する電子増倍部10とを配設
している。
4個の保持用スプリング8で真空容器1の側管に対して
支持されている。また、電子増倍部10は、7段直列し
た四半円筒状のBox&Grid型ダイノード20、ア
ノード12およびシールド板21を2枚のセラミック基
板19で挟んで支持されており、セラミック基板19に
備わる金具で収束電極7に固定されている。さらに、電
子増倍部10に固定された端子保持台18を介して接触
端子6が側管の内側面に接触しており、側管の当該内側
面に被着されたアルミ膜5を介して光電陰極4に電気的
に接続されている。なお、入射電子に対応してBox&
Grid型ダイノード20の内側面に被着された二次電
子放出面から電子が増倍して放出され、アノード12に
捕獲される。
の数量、板厚、材質、印加電圧について次表に示す。
極に電流を供給するために、各1個の接触端子および端
子保持台、さらにアルミ膜を必要としている。また、電
子増倍部を真空管の側管に対して支持するために、1個
の電子収束電極に対して4個の保持用スプリングを必要
としている。そのため、合計7部品をそれぞれ所定位置
に抵抗溶接で固定したり、アルミ膜を真空管の内側面に
蒸着して焼成するので、溶接および組立時の作業性が低
いという問題がある。
の保持用スプリングに対してそれぞれ2箇所を抵抗溶接
することにより、合計10箇所の溶接点が発生する。通
常は、溶接点で酸化またはバリが生じるので、高電圧を
印加した場合、各溶接点が電子放出源となって電界放電
を生じ、発生する雑音が増加するという問題がある。
なされたものであり、雑音低減による信頼性および部品
数削減による作業性を向上する光電子増倍管を提供する
ことを目的とする。
は、上記の目的を達成するために、真空管の受光面板の
内面に被着された光電陰極から放出された光電子を収束
して電子増倍部に入射する収束電極と、真空管の側管内
面に対して電子増倍部を支持すると共に、収束電極と一
体成形されている保持用スプリングと、光電陰極に電流
を供給すると共に、収束電極と一体成形されている接触
端子とを備えることを特徴とするものである。
めに、上記接触端子は、光電陰極に直接に接続されてい
ることを特徴とする。
および接触端子を一体成形していることにより、部品個
数が減少する。そのため、接触端子および各保持用スプ
リングに対してそれぞれ2箇所を抵抗溶接する必要がな
くなるので、溶接点が減少する。従って、高電圧を印加
した場合における電界放電の発生が抑えられるので、雑
音が低減される。また、溶接および組立時の作業性が向
上する。
光電陰極に機械的および電気的に接続していることによ
り、光電陰極の光電面および電子増倍部の2次電子放出
面を劣化する要因が減少する。そのため、入射光に対す
る出力信号の増倍率が低下しないので、信頼性が向上す
る。
について、図1および図2を参照して説明する。なお、
図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重
複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明
のものと必ずしも一致していない。
実施例の構成を示し、(a)は上面図、(b)は断面図
である。この光電子増倍管は、入射光を受ける円形の受
光面板3と、この受光面板3の外周部に配設する円筒形
の金属側管2と、基台部を構成する円形のステム14と
から真空容器1を形成し、入射電子流を増倍する電子増
倍部10を内設している。
Crを真空蒸着した後にSbを蒸着し、さらにK、Cs
等のアルカリ金属を被着・活性化して光電陰極4が形成
されており、電位0Vに保持されている。
ステンレス板(SUS3040.25t)から形成され
た収束電極7が配設されている。この収束電極7は、ピ
ッチ1mmで多数の開口をマトリクス状に配列・形成し
ている電子収束部9と、この電子収束部9の周辺部に形
成されて側管2の内側面とほぼ等しい曲率を有する先端
で当該側管2に良好に接触している4個の保持用スプリ
ング8とから構成されており、光電陰極4と同電位に保
持されている。従って、光電陰極6から放出された各電
子は、電子収束部9の影響によって軌道を収束され、電
子増倍部10の所定の領域内に入射される。
管2の内側面には、導電性のアルミ膜5が被着されてお
り、側管2の内側面に接触している保持用スプリング8
からアルミ膜5を介して光電陰極4に電流が供給されて
いる。通常、このアルミ膜5は、酢酸イソアシルで溶解
したAgを側管2の内側面に塗布した後、高温で焼成し
て形成される。
したダイノード11を7段に積層して構成されており、
各段のダイノード11には、多数の電子増倍孔をマトリ
クス状に配列・形成している。また、これら積層したダ
イノード11の下部には、アノード12および最終段ダ
イノード13を順に配設している。
端子と接続して、収束電極7および各ダイノード11、
13などに所定の電圧を与えるピン15が貫通してお
り、各ピン15は、テーパー状のハーメチックガラス1
6によってステム14に対して固定されている。なお、
ステム14の中央には、終端部が圧着され封止された状
態の金属チップ管17が下方に向けて突出している。こ
の金属チップ管17を介して、真空容器1内部へのアル
カリ金属の導入、或いは残存するガスの排気などが行わ
れ、この後、図示したように封止される。また、ハーメ
チックガラス16は耐電圧、リーク電流を考慮して沿面
をテーパー状とされている。
よび4個の保持用スプリング8を一体成形していること
により、これら5部品が1部品となる。そのため、部品
個数が減少するので、組立時の作業性が向上する。
それぞれ2箇所を抵抗溶接する必要がなくなるので、合
計8箇所の溶接点が減少する。そのため、高電圧を印加
した場合における電界放電の発生が抑えられるので、雑
音が低減される。従って、信頼性および溶接時の作業性
が向上する。
実施例の構成を示し、(a)は上面図、(b)は断面図
である。この光電子増倍管は、上記の第1実施例とほぼ
同様に構成されている。ただし、収束電極7は、ピッチ
1mmで多数の開口を配設されている電子収束部9と、
この電子収束部9の周辺部に形成されて側管2の内側面
とほぼ等しい曲率を有する先端で当該側管2に良好に接
触している4個の保持用スプリング8と、受光領域の外
部に位置する光電陰極4の周辺部に半円形の先端で接触
している2個の接触端子6とから構成されており、光電
陰極4と同電位に保持されている。なお、2個の接触端
子6は、エッチング加工等で相互に逆向きに形成されて
いる。また、側管2の内側面には、導電性のアルミ膜5
が被着されておらず、接触端子6から直接に光電陰極に
電流が供給されている。
4個の保持用スプリング8および2個の接触端子6を一
体成形していることにより、これら7部品が1部品とな
る。そのため、部品個数が減少するので、組立時の作業
性が向上する。
用スプリング8に対してそれぞれ2箇所を抵抗溶接する
必要がなくなるので、合計12箇所の溶接点が減少す
る。そのため、高電圧を印加した場合における電界放電
の発生が抑えられるので、雑音が低減される。従って、
信頼性および溶接時の作業性が向上する。
機械的および電気的に接続していることにより、光電陰
極4の光電面および電子増倍部10の2次電子放出面は
劣化する要因が減少する。そのため、入射光に対する出
力信号の増倍率が低下しないので、信頼性が向上する。
なく、種々の変形が可能である。
して積層型ダイノードを用いているが、MCP(マイク
ロチャネルプレート)、半導体素子等を用いても同様な
作用効果が得られる。
ラスをテーパー状にしているが、動作電圧が低い場合に
は、フラット面とすることもでき、ガラスの直径を大き
くすることもできる。
ードを、ステムに貫通して穿設された矩形の取付け孔に
嵌着されたマルチアノードに置き換え、マルチアノード
に縦横に配設されて垂直に装着された多数のアノードピ
ンから出力信号を取り出すことにより、位置検出が可能
となる。
のピンがテーパー状のハーメチックガラスを介して垂直
に挿通して貫設され、かつ、矩形に配列されているが、
ステムに貫通して穿設された円板形の取付け孔に大型な
円板形のテーパー状のハーメチックガラスを嵌着し、そ
の底面周縁に複数のピンを直接挿通して貫設することに
より、部品点数を削減してコストダウンを図ることがで
きる。
れば、収束電極および保持用スプリング、さらに接触端
子を一体成形していることにより、部品個数が減少す
る。そのため、これらの溶接時に要する溶接点数が減少
するので、高電圧を印加した場合に溶接点における電界
放電の発生が抑えられ、雑音が低減される。従って、信
頼性および製造時の作業性が向上する。
および機械的に接続していることにより、真空管の内側
面に蒸着されるアルミ膜が不要になる。そのため、光電
陰極の光電面および電子増倍部の2次電子放出面を劣化
する要因が減少するので、入射光に対する出力信号の増
倍率が低下しない。従って、信頼性が向上する。
を示し、(a)は上面図、(b)は断面図である。
を示し、(a)は上面図、(b)は断面図である。
面図、(b)は要部断面図である。
陰極、5…アルミ膜、6…接触端子、7…収束電極、8
…保持用スプリング、9…電子収束部、10…電子増倍
部、11…ダイノード、12…アノード、13…最終段
ダイノード、14…ステム、15…ピン、16…ハーメ
チックガラス、17…金属チップ管、18…端子保持
台、19…セラミック基板、20…Box&Grid型
ダイノード、21…シールド板。
Claims (2)
- 【請求項1】 真空管の受光面板の内面に被着された光
電陰極から放出された光電子を収束して電子増倍部に入
射する収束電極と、前記真空管の側管内面に対して前記
電子増倍部を支持すると共に、前記収束電極と一体成形
されている保持用スプリングと、前記光電陰極に電流を
供給すると共に、前記収束電極と一体成形されている接
触端子とを備えることを特徴とする光電子増倍管。 - 【請求項2】 前記接触端子は、前記光電陰極に直接に
接続されていることを特徴とする請求項1記載の光電子
増倍管。
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