JP3995466B2 - 繊維ストランドを凝縮するための紡績機の集成装置 - Google Patents
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Description
発明の背景及び概要
本発明は繊維ストランドを凝縮するための紡績機の集成装置に関し、それが延伸装置の前方ローラー対の下流に配置された凝縮帯域を含み、また繊維ストランドを凝縮帯域を通して輸送する空気透過性輸送ベルトを含み、また凝縮帯域に配置された、スライド表面上で輸送ベルトを案内する、吸引チャネルを含み、そしてまたスライド表面内に配置されかつ本質的に輸送ベルトの移動方向に延びる吸引スリットを含むものに関する。
【0002】
延伸された繊維ストランドが前方ローラー対の直ぐ下流でその紡績撚りを与えられるとき、そのときいわゆる紡績三角形が前方ローラー対のニップラインで起こる。これは延伸された繊維ストランドがある幅を持つ延伸装置を離れ、次いで比較的小さな直径を持つ糸に撚られるために発生する。紡績三角形は側繊維を含み、これは撚り糸中に適正に結合されず、従って紡績された糸の引張強さに殆どまたは全く寄与しない。この問題に対する解決としていわゆる凝縮帯域が近年延伸装置の延伸帯域の直ぐ下流に配置され、この凝縮帯域は逆にニップラインにより境界付けられている。糸は凝縮帯域を離れた後でのみその撚りを与えられる。凝縮帯域において、繊維は束ねられまたは凝縮され、それにより繊維ストランドはそれが最後のニップラインを離れるとき恐れる紡績三角形が起こらないように狭くなる。紡績された糸はより強く、より均一で、かつけば立ちが少ない。
【0003】
上述の形式の集成装置はUS特許6223514において従来技術である。この刊行物に静止スライド表面とこのスライド表面の上を走行する輸送ベルトの下側との間に繊維風綿及びくずが沈着し、そこでは例えば凝縮される繊維ストランドの単繊維、特に短い繊維が輸送ベルトの孔を通してそれらの前方端により内向きに吸引スリットの領域中に到達することによりくずが発生することが述べられている。上記刊行物中に更に吸引スリットの端部領域で繊維蓄積の特に危険があることが述べられている。
【0004】
本発明の目的は吸引スリットの端部でのかかる繊維蓄積をできるかぎり避けることにある。
【0005】
この目的は本発明により吸引スリットがその端部領域において先行する中間領域より幅広であるという上記形式の集成装置の場合に達成された。
【0006】
本発明の特徴によれば、吸引スリットの端部領域での処理量空気の増大した容量があり、これが繊維蓄積発生の危険を減らす。吸引スリットの端部領域の上述の幅広領域によりもたらされる拡大スリット幅のために、この領域で捕らえられる繊維の危険は、純粋に機械的観点から、減らされる。輸送ベルトの下で横方向にまたは孔を通してどうにか到達するどのような繊維も、まっ先にステープル短繊維も吸引チャネルを介してくずとして除去されることができる。
【0007】
1.5mm幅の大きさの吸引スリットの場合に、幅広領域の幅が2.5から3.5mmの大きさであるとき好都合であることが示された。
【0008】
吸引スリットの端部領域の幅広領域は両側に設けられることができ、そこでは製造上の理由からある対称形が有利である。幅広領域が本質的に方形の意匠を有するが十分丸い隅を持つとき、そのときは幅より幾らか長い幅広領域の長さを持つことが実際的である。これに代え幅広領域は本質的に円形の意匠を有することができ、これは繊維が捕らえられるどのような小さな隅部半径も省かれるという利点を持つ。
【0009】
幅広領域は実際の吸引スリットに適用される必要はない。むしろ、本発明の実施例では幅広領域がウェブにより実際の吸引スリットから分離されることも可能である。しかしこのウェブは非常に狭くすべきで、1.5から2mmを越えてはならない。
【0010】
上述のように、紡績撚りが凝縮帯域中に遡及することは避けられるべきである。この理由のため、吸引チャネルの端部領域にニップラインを設けるのが普通であり、これは結果として吸引チャネルにある摩耗が発生することを意味する。この理由のため有利には幅広領域が補強材内に配置されることが提供される。この補強材の場合、時々容易に交換されることができる消耗部品が含まれることができる。
【0011】
図面の簡略説明
本発明のこれらの及び更なる目的、特徴及び利点が添付図面に関してなされる以下のその詳細な説明からより容易に明らかとなるであろう。図面において:
図1は繊維ストランドを凝縮するための集成装置の部分断面側面図であり、
図2は実際の凝縮帯域上への図1の矢印IIの方向の図であり、
図3から6は本発明による吸引スリットの幾つかの実施例の大きく拡大された図である。
【0012】
図面の詳細な説明
紡績機、特にリング紡績機の、延伸されているがまだ撚りなしの繊維ストランド2を凝縮するための集成装置1の領域のみが図1及び図2に示されている。集成装置1は延伸装置3の直ぐ下流に設けられ、その前方ローラー対4並びに輸送方向Aの前方ローラー対4の上流に配置されたエプロンローラー対5のみが示されている。エプロンローラー対5は下部エプロン6と上部エプロン7を案内する。前方ローラー対4は駆動前方底シリンダー8並びにそれに対して柔軟的に押圧された前方加圧ローラー9を含む。前方ローラー対4は前方ニップライン10を構成し、これが延伸装置3の延伸帯域の終わりを形成する。
【0013】
延伸装置3において、スライバまたはロービング11が既知の方法で輸送方向Aに希望の繊度に延伸される。この延伸工程は前方ニップライン10で終わり、このラインから延伸されているがまだ撚りなしの繊維ストランド2が存在する。紡績撚りが与えられるときの既知の不利な紡績三角形を避けるために、繊維ストランド2は凝縮帯域12内の前方ニップライン10の直ぐ下流で凝縮される。
【0014】
凝縮のために設けられた集成装置1は空気透過性輸送ベルト13を含み、これは例えば合成繊維から作られたクローズドメッシュの、薄い織られたベルトとして設計され、これが凝縮される繊維ストランド2を凝縮帯域12を通して輸送する。集成装置1はまた吸引チャネル14を含み、これは低圧を出現する中空異形材として設計され、これは複数の紡績ステーションに渡って延びる。輸送ベルト13を案内する目的のため、吸引チャネル14は凝縮帯域12に面するその外部輪郭をスライド表面15として設計されている。
【0015】
吸引スリット16がスライド表面15内に設けられ、この吸引スリットは輸送ベルト13の移動方向Bにわずかに横断的に配置されており、従って凝縮される繊維ストランド2に関して、吸引スリット16は繊維案内縁17を含む。繊維ストランド2は凝縮時にこの繊維案内縁17に沿って移動し、それにより繊維ストランド2内に位置する繊維は輸送ベルト13の移動方向Bに対して横断的に束ねられまたは凝縮され、それにより繊維ストランド2は幾らか巻かれる。
【0016】
吸引チャネル14は、吸引スリット16に対してある距離に設けられている減圧連結部18を介して減圧源(図示せず)に連結されている。もし吸引チャネル14が複数の紡績ステーションに渡って延びるなら、唯一の減圧連結部18が機械セクションあたりに設けられる必要がある。
【0017】
凝縮帯域12はその外部側をニップローラー19により限定され、このニップローラーが繊維ストランド2及び輸送ベルト13をスライド表面15に押圧しながら送出ニップライン20を構成し、このニップラインが与えられる紡績撚りに関して撚り妨害として作用する。ニップローラー19は輸送ベルト13を駆動し、逆に移動ホイール21を介して前方加圧ローラー9により駆動される。
【0018】
送出ニップライン20の下流で、糸22が撚り素子(図示せず)、例えばリングスピンドルに送出方向Cに供給されるとき、作られた糸22は紡績撚りを受ける。送出ニップライン20は紡績撚りに対して撚り妨害としての役目をし、従って紡績撚りは凝縮帯域12に遡及することができない。
【0019】
輸送ベルト13は吸引スリット16から離れる方に面する側で緊張素子23により緊張され、この緊張素子23は例えば静止棒としてまたは案内ローラーとして設計されることができる。緊張素子23はここでは輸送ベルト13が前方底シリンダー8にわずかな圧力を持って配置されるような方法で配置されている。輸送ベルト13と前方底シリンダー8は接触ラインで反対方向に回転するので、輸送ベルト13はこれによりそこに付着した如何なる繊維風綿もクリーニングされる。
【0020】
図2で見ることができるように、繊維案内縁17に面する側の吸引スリット16の出発領域24は短い幅広領域25を備えている。吸引スリット16の出発領域24のこの幅広領域25は繊維ストランド2−これは輸送方向Aに横断的に既知の方法でわずかに横断運動している−を横断運動にもかかわらず確実に捕らえる目的に役立ち、そこでは目的は繊維ストランド2が常に繊維案内縁17に到達することである。
【0021】
輸送ベルト13は空気透過性であるので、単繊維、特に短い繊維は紡績操作のコースに渡り作られる糸22中に結合されることなく蓄積することができる。かかる損失繊維は輸送ベルト13の下で横に、従って輸送ベルト13とスライド表面15との間に動くことができる。それらはまた輸送ベルト13の孔を通って入り、吸引チャネル14を介して吸引されることなく輸送ベルト13内に残りかねない。経験から知られるように、繊維風綿蓄積が吸引スリット16の端部領域26に形成する。
【0022】
これらの繊維風綿蓄積を避けるために、吸引スリット16の端部領域26は吸引スリット16の先行する中間部28より幅広の幅広領域27を備える。これは吸引スリット16の端部領域26においてこの点に繊維風綿蓄積が実際にもはや起こらないような範囲まで処理量空気容量の増大をもたらす。幅広領域26はまた損失繊維がまさにその寸法により捕らえられるのを防ぎ、従って損失繊維は如何なる損傷も起こすことなく、吸引チャネル14、かくして吸引装置の内部に到達する。
【0023】
本発明による吸引スリット16の実施例が図3に概略的にかつ大きく拡大されて示されている。図3において、繊維案内縁17、最初の幅広領域25を持つ吸引スリット16の出発領域24、中間部28並びにここでは殆ど方形の幅広領域327を備えた端部領域26の全てを見ることができる。この幅広領域327は吸引スリット16の両側に広がり、幅広領域327の幅よりわずかに長い長さを持つ。
【0024】
図4による実施例では、吸引スリット16はその領域26に本質的に円形の意匠である幅広領域427を備えている。これは幅広領域の領域内に小さな半径が全く存在しないという大きな利点を持ち、繊維が捕らえられることに対して好都合な条件を提供する。
【0025】
図5による実施例では、幅広領域527は再び円形の意匠であるが、実際の吸引スリット516からは小さなウェブ529により切り放されている。この実施例は技術的観点から製造が実際的である。
【0026】
図6は幅広領域627が補強材630内に完全に配置されることができることを概略的に示す。これは補強材630が本発明を特徴づける全ての変化例を含むことができることを意味する。送出ニップライン20が通常幅広領域627に設けられるので、ある量の摩耗が通常吸引チャネル14(図6には図示せず)の吸引スリット16の端部領域26内で起こる。この場合、耐摩耗性かつ交換可能な補強材630がこの問題を救済する。補強材630は本件の場合ストッパー状保持ピン631と632により吸引チャネル14(図示せず)上に固定される。
【0027】
図6に見えるように、幅広領域627を形成し、補強材630内に設けられた凹所は吸引チャネル14内のその下に設けられた凹所より幾らか小さい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 繊維ストランドを凝縮するための集成装置の部分断面側面図である。
【図2】 実際の凝縮帯域上への図1の矢印IIの方向の図である。
【図3】 本発明による吸引スリットの実施例の大きく拡大された図である。
【図4】 本発明による吸引スリットの実施例の大きく拡大された図である。
【図5】 本発明による吸引スリットの実施例の大きく拡大された図である。
【図6】 本発明による吸引スリットの実施例の大きく拡大された図である。
Claims (6)
- 繊維ストランドを凝縮するための紡績機の集成装置であって、延伸装置の前方ローラー対の下流に配置された凝縮帯域を含み、また繊維ストランドを凝縮帯域を通して輸送する空気透過性輸送ベルトを含み、また凝縮帯域に配置された、スライド表面上で輸送ベルトを案内する、吸引チャネルを含み、そしてまたスライド表面内に配置されかつ輸送ベルトの移動方向に延びる吸引スリットを含むものにおいて、吸引スリット(16)がその端部領域(26)において先行する中間領域(28)より幅広の幅広領域(27)を持つこと、及び凝縮帯域の走行方向の下流にニッピングローラーが配置されており、前記ニッピングローラーは紡績撚りが凝縮帯域中に遡及することを防止することを特徴とする集成装置。
- 幅広領域(27)が両側にあることを特徴とする請求項1に記載の集成装置。
- 幅広領域(327)が方形の意匠を有することを特徴とする請求項1または2に記載の集成装置。
- 幅広領域(427)が円形の意匠を有することを特徴とする請求項1または2に記載の集成装置。
- 幅広領域(527)がウェブ(529)により吸引スリット(516)から分離されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の集成装置。
- 幅広領域(627)が補強材(630)内に配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の集成装置。
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