JP3991656B2 - 液晶パネルモジュール及びこれを用いた投射装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロジェクタ等のライトバルブとして好適な液晶パネルモジュール及びこれを用いた投射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ライトバルブ等を構成する液晶パネルは、ガラス基板、石英基板等の2枚の基板間に液晶を封入して構成される。そして、一方の基板に、例えば薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFTと称す)をマトリクス状に配置し、他方の基板に対向電極を配置して、両基板間に封止した液晶層の光学特性を画像信号に変換させることで、画像表示を可能にする。
【0003】
TFTを配置したTFT基板と、TFT基板に対向配置される対向基板とは、別々に製造される。両基板は、パネル組立工程において高精度に貼り合わされた後、液晶が封入される。
【0004】
パネル組立工程においては、先ず、各基板工程において夫々製造されたTFT基板と対向基板との対向面、即ち、対向基板及びTFT基板の液晶層と接する面上に配向膜が形成され、次いでラビング処理が行われる。次に、一方の基板上の端辺に接着剤となるシール部が形成される。TFT基板と対向基板とをシール部を用いて貼り合わせ、アライメントを施しながら圧着硬化させる。シール部の一部には切り欠きが設けられており、この切り欠きを介して液晶を封入する。
【0005】
この種の液晶パネルとしては、プロジェクタに用いられるものがある。プロジェクタにおいては、液晶パネルの画面上の画像をスクリーンに拡大投射する。従って、液晶パネルの画面上にゴミが付着すると、ゴミの影響によって表示画像の劣化が著しい。そこで、ゴミの影響等を低減するため、一般に、液晶パネルは、入射面及び出射面に防塵ガラスが取付けられた状態でケース内に収納されるようになっている。
【0006】
このようなケースは、軽量、高い寸法精度、高い生産性等の理由から、一般に、樹脂を主に射出形成することで構成される。なお、ケースの材料として選択する樹脂には、線膨張係数が十分に小さいカーボン材料を含有させることで、ケースの延びを抑制して、温度変動に対して液晶パネルの表示位置を一定に保持することが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、液晶パネルを収納するプロジェクタ用の液晶パネルモジュール、もしくは液晶パネルは、照射される光によって温度が上昇する。この温度上昇による液晶パネルの特性の変化や信頼性の低下を防止するため、液晶パネルモジュールは、ある一定温度を超えないよう、冷却する必要がある。このため、液晶プロジェクタでは、液晶パネルモジュールにファン等で冷却風を当てる構成が一般に採用されている。この種の液晶プロジェクタは、高輝度化するにつれて液晶パネルに入射する光量が増加して温度上昇が大きくなるため、液晶パネルを冷却する冷却風の風量を増加させる必要がある。また、液晶プロジェクタを小型化するために液晶パネルを高精細化すると、液晶パネルモジュールの表面積が減少するため、液晶パネルを冷却する冷却風の風量を増加させる必要がある。
【0008】
しかしながら、液晶パネルへの冷却風の風量を増加させることは、ファンによる騒音を増大させることとなる。従って、冷却ファンによる液晶パネルの冷却はその騒音が実用上許容される範囲内で行われることが望ましいが、冷却風の風量を制限することは、液晶プロジェクタの高輝度化や小型化、長寿命化等を実現する上での課題となる。
【0009】
これらの課題を解決するため、液晶パネルモジュールの冷却効率を向上させることが望まれている。液晶パネルモジュールの冷却効率を向上されるための手段としては、液晶パネルを収納するケースを熱伝導性の良好な材料で構成し、液晶パネルからの熱をケースを介して放熱することが考えられる。ここで、液晶パネルはシリコン樹脂製の接着剤等を介してケース内に固定されることが一般的である。
【0010】
しかしながら、一般に、接着剤による液晶パネルのケースへの固定は各部材の熱膨張率の違い等に起因する破損を防止することを目的として最小限の面積にとどめられているため、たとえケースを熱伝導性の良好な部材で構成したとしても、液晶パネルとケースとの間隙に介在する空気層によって液晶パネルとケースとの間の熱伝導が損なわれて、液晶パネルモジュールの冷却効率を十分に向上することが困難であった。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、放熱性を向上させることのできる液晶パネルモジュール及びこれを用いた投射装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る液晶パネルモジュールは、液晶パネルを収納するパネル収納室が開口されたケースと、上記ケースに掛止され上記パネル収納室を閉塞するフックと、熱伝導性が高い材料で構成され上記液晶パネルの一方の面と上記フックとの間に密着して介装される第1のシートと、熱伝導性が高い材料で構成され上記液晶パネルの側面と上記ケースの上記パネル収納室との間に密着して介装される第2のシートとを備え、上記第2のシートには、複数の切欠部が夫々離間して設けられており、当該切欠部に埋め込まれた接着剤によって、上記液晶パネルと上記ケースとが固定されてなることを特徴とする。
【0013】
また上記液晶パネルは、素子基板と対向基板との間に液晶が封入されており、上記第1のシートは、前記素子基板と同一形状であって、前記素子基板の有効表示領域に対応する開口部を有することを特徴とする。
【0014】
また上記ケースは、金属材料により構成されていることを特徴とする。
【0017】
このような構成によれば、シートによって液晶パネルとフックとの間の空気層が排除され、液晶パネルで発生した熱がシートを介してフックに効率よく伝達されるとともに、シートによって液晶パネルとパネル収納室との間の空気層が排除され、液晶パネルで発生した熱がシートを介してケースに効率よく伝達されるため、液晶パネルモジュールの放熱性が向上する。
【0018】
上記シートは、金属粉が含有されたシリコン材料で構成されたことを特徴とする。
【0019】
このような構成によれば、シートに、高い熱伝導性と軟性とを同時に付与することができる。
【0020】
上記シートは、金属が織り込まれたグラスウールで構成されたことを特徴とする。
【0021】
このような構成によれば、シートに、高い熱伝導性と軟性とを同時に付与することができる。
【0022】
本発明に係る投射装置は、上記液晶パネルモジュールを用いたことを特徴とする。
【0023】
このような構成によれば、投射装置の静粛性の向上、高輝度化、小型化、動作信頼性の向上、長寿命化を容易に実現することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1〜図6は本発明の第1の実施の形態に係わり、図1は液晶パネルモジュールの分解斜視図、図2は液晶装置の画素領域を構成する複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図、図3はTFT基板等の素子基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図、図4は素子基板と対向基板とを貼り合わせて液晶を封入する組立構成終了後の液晶装置を図3のH−H’線の位置で切断して示す断面図、図5は液晶装置を詳細に示す断面図、図6は液晶パネルモジュールを示す説明図、である。
【0025】
先ず、図2乃至図5を参照して、液晶パネルの構造について説明する。
【0026】
液晶パネルは、図3及び図4に示すように、TFT基板等の素子基板10と対向基板20との間に液晶50を封入して構成される。素子基板10上には画素を構成する画素電極等がマトリクス状に配置されている。図2は画素を構成する素子基板10上の素子の等価回路を示している。
【0027】
図2に示すように、画素領域においては、複数本の走査線3aと複数本のデータ線6aとが交差するように配線され、走査線3aとデータ線6aとで区画された領域に画素電極9aがマトリクス状に配置される。そして、走査線3aとデータ線6aの各交差部分に対応してTFT30が設けられ、このTFT30に画素電極9aが接続されている。
【0028】
TFT30は走査線3aのON信号によってオンとなり、これにより、データ線6aに供給された画素信号が画素電極9aに供給される。この画素電極9aと対向電極21に設けられた対向電極21との間の電圧が液晶50に印加される。また、画素電極9aと並列に蓄積容量70が設けられており、蓄積容量70によって、画素電極9aの電圧はソース電圧が印加された時間よりも例えば3桁も長い時間の保持が可能となる。蓄積容量70によって、電圧保持特性が改善され、コントラスト比の高い画像表示が可能となる。
【0029】
図5は、一つの画素に注目した液晶パネルの模式的断面図である。
【0030】
ガラスや石英等の素子基板10には、素子基板完成時の配向膜16表面の段差を抑えるために溝11が形成されている。この溝11上に遮光膜12及び第1層間絶縁膜13を介してLDD構造をなすTFT30が形成されている。溝11によって、TFT基板の液晶50との境界面が平坦化される。
【0031】
TFT30は、チャネル領域1a、ソース領域1d、ドレイン領域1eが形成された半導体層に絶縁膜2を介してゲート電極をなす走査線3aが設けられてなる。なお、遮光膜12は、TFT30の形成領域に対応する領域、後述するデータ線6a及び走査線3a等の形成領域、即ち各画素の非表示領域に対応した領域に形成されている。この遮光膜12によって、反射光がTFT30のチャネル領域1a、ソース領域1d及びドレイン領域1eに入射することが防止される。
【0032】
TFT30上には第2層間絶縁膜14が積層され、第2層間絶縁膜14上には中間導電層15が形成されている。中間導電層15上には誘電体膜17を介して容量線18が対向配置されている。容量線18は、容量層と遮光層とからなり、中間導電層15との間で蓄積容量を構成すると共に、光の内部反射を防止する遮光機能を有する。半導体層に比較的近接した位置に中間導電層15を形成しており、光の乱反射を効率よく防止することができる。
【0033】
容量線18上には第3層間絶縁膜19が配置され、第3層間絶縁膜19上にはデータ線6aが積層される。データ線6aは、第3及び第2層間絶縁膜19,14を貫通するコンタクトホール24a,24bを介してソース領域1dに電気的に接続される。データ線6a上には第4層間絶縁膜25を介して画素電極9aが積層されている。画素電極9aは、第4、第3、第2層間絶縁膜25,19,14を貫通するコンタクトホール26a,26bにより中間導電層15を介してドレイン領域1eに電気的に接続される。画素電極9a上にはポリイミド系の高分子樹脂からなる配向膜16が積層され、所定方向にラビング処理されている。
【0034】
走査線3a(ゲート電極)にON信号が供給されることで、チャネル領域1aが導通状態となり、ソース領域1dとドレイン領域1eとが接続されて、データ線6aに供給された画像信号が画素電極9aに与えられる。
【0035】
一方、対向基板20には、TFTアレイ基板のデータ線6a、走査線3a及びTFT30の形成領域に対向する領域、即ち各画素の非表示領域において第1遮光膜23が設けられている。この第1遮光膜23によって、対向基板20側からの入射光がTFT30のチャネル領域1a、ソース領域1d及びドレイン領域1eに入射することが防止される。第1遮光膜23上に、対向電極(共通電極)21が基板20前面に亘って形成されている。対向電極21上にポリイミド系の高分子樹脂からなる配向膜22が積層され、所定方向にラビング処理されている。
【0036】
そして、素子基板10と対向基板20との間に液晶50が封入されている。これにより、TFT30は所定のタイミングでデータ線6aから供給される画像信号を画素電極9aに書き込む。書き込まれた画素電極9aと対向電極21との電位差に応じて液晶50の分子集合の配向状態が変化して、光を変調し、階調表示を可能にする。
【0037】
図3及び図4に示すように、対向基板20には表示領域を区画する額縁としての遮光膜42が設けられている。遮光膜42は例えば遮光膜23と同一又は異なる遮光材料によって形成されている。
【0038】
遮光膜42の外側の領域に液晶を封入するシール材41が、素子基板10と対向基板20間に形成されている。シール材41は対向基板20の輪郭形状に略一致するように配置され、素子基板10と対向基板20を相互に固着する。シール材41は、素子基板10の1辺の一部において欠落しており、貼り合わされた素子基板10及び対向基板20相互の間隙には、液晶50を注入するための液晶注入口78が形成される。液晶注入口78より液晶が注入された後、液晶注入口78を封止材79で封止するようになっている。
【0039】
素子基板10のシール材41の外側の領域には、データ線駆動回路61及び実装端子62が素子基板10の一辺に沿って設けられており、この一辺に隣接する2辺に沿って、走査線駆動回路63が設けられている。素子基板10の残る一辺には、画素表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路63間を接続するための複数の配線64が設けられている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、素子基板10と対向基板20との間を電気的に導通させるための導通材65が設けられている。
【0040】
このように構成された液晶パネルはフレキシブル配線基板99が接続された状態でケース91に収納され、これにより液晶パネルモジュール液晶パネルモジュール構成される。なお、図6(a)は液晶パネルモジュールの底面形状を示し、図6(b)は横断面形状を示している。
【0041】
以下、液晶パネルモジュール155の構成について具体的に説明する。図1,6の液晶パネル92は、図2乃至図5と同様のものであり、素子基板93及び対向基板94が貼り合わされて構成されている。液晶パネル92の実装端子62(図3参照)には、フレキシブル配線基板99が接続されている。フレキシブル配線基板99は、ポリイミドフィルム等のベース材料上に例えば圧延銅箔による銅箔パターンを形成し、さらに、銅箔パターン上にカバー材料を形成して構成される。銅箔パターンは、フレキシブル配線基板99の長手方向に沿って並設されている。フレキシブル配線基板99の幅方向には、導電粒子を含有する接着剤である図示しないACFが形成されており、このACFを利用してフレキシブル配線基板99が素子基板93上に圧着固定されている。
【0042】
また、液晶パネル92の素子基板93及び対向基板94の表面には、これらと略同形状の防塵ガラス111,112が、図示しない接着剤を介してそれぞれ貼着されている。
【0043】
ケース91は、例えばカーボン材料を含有した樹脂による射出形成品で構成されている。ケース91の上面には、貼り合わされた液晶パネル92及び防塵ガラス111,112の形状に略一致した形状のパネル収納室120が開口されている。また、ケース91の底面には、パネル収納室120とケース91の底面側外部とを連通する開口部88が、液晶パネル92の有効表示領域に対応して形成されている。そして、パネル収納室120には、開口部88側に対向基板94側を向けた状態で液晶パネル92及び防塵ガラス111,112が収納され、防塵ガラス111が開口部88を介して外部に露呈されるようになっている。
【0044】
また、ケース91の上面には、フレキシブル配線基板99に対応する位置に、パネル収納室120と連通する段部117が設けられ、この段部117によってフレキシブル配線基板99が折れ曲がることなくケース91の内外に架設されるようになっている。さらに、ケース91の側面には、パネル収納室120を閉塞するフック113(後述する)を掛止するための一対の掛止片121が設けられている。
【0045】
ここで、液晶パネル92の素子基板93の側面95とこの側面95に夫々対向するパネル収納室86の両側内壁89との間には、若干の隙間が設けられている。この隙間には図示しない接着剤が埋め込まれており、接着剤はケース91内の所定位置に液晶パネル92を接着固定するようになっている。その際、接着剤は隙間全体に充填されるものではなく、不連続に少量ずつ埋め込まれることにより、液晶パネル92のケース91に対する熱膨張の自由度が確保されている。
【0046】
フック113は、例えば板金製の部材で構成されるもので、素子基板93の有効表示領域に対応した開口部123を有する。また、フック113の側部からは掛止片121に対応する一対の掛止爪125がケース91側に延設されており、この掛止爪125が掛止片121に掛止されることにより、フック113はパネル収納室120を閉塞した状態でケース91に掛止可能となっている。
【0047】
ここで、フック113は、主として、ケース91と液晶パネル92とを接着固定するための接着剤が硬化されるまでの間、液晶パネル92をパネル収納室120内の所定位置に保持するための機能を有する。このため、フック113には、ケース91側にやや突出するパネル押圧部126が屈曲形成により設けられ、フック113がケース91に掛止された際には、パネル押圧部126によって、液晶パネル92が防塵ガラス112側から比較的弱い押圧力で弾性的に押圧されるようになっている。なお、上記比較的弱い押圧力とは、液晶パネル92に表示むら等を発生させない程度の押圧力である。
【0048】
防塵ガラス112(液晶パネル92)とフック113との間には、シート130が介装されている。シート130は、例えば0.5(mm)の厚さを有する素子基板93と略同形状の矩形部材で構成され、面上に素子基板93の有効表示領域に対応する開口部131が開口されている。このシート130は、例えば、金属粒子が含有されたシリコン樹脂や金属が織り込まれたグラスウール等で構成され、これにより、シート130には、高い熱伝導性と軟性とが両立して具備される。そして、シート130は、防塵ガラス112とフック113との間に介装された際に、その軟性によって防塵ガラス112(液晶パネル92)及びフック113に密着され、これらの間の熱伝導性を向上させる。
【0049】
本実施の形態においては、液晶パネルモジュール155に照射される光等によって液晶パネル92で発生した熱を、主としてシート130を介してフック113に伝達させ、フック113から放熱させる構成としたことにより、液晶パネルモジュール115の放熱性を向上させることができる。
【0050】
すなわち、防塵ガラス112(液晶パネル92)とフック113との間に高い熱伝導性と軟性を有するシート130を介装し、このシート130に防塵ガラス112とフック113とを密着させる構成とすることにより、防塵ガラス112とフック113との間の空気層を排除することができ、液晶パネル92からフック113への熱伝導性を向上させて液晶パネルモジュール115の放熱性を向上させることができる。換言すれば、液晶パネル92で発生した熱を、高い熱伝導性を有する板金製のフック113に効率よく伝達することができ、液晶パネルモジュール115の放熱性を飛躍的に向上することができる。
【0051】
従って、液晶パネルモジュール155を冷却するための冷却風の風量を必要以上に増加させる必要がなく、冷却ファン(図示せず)による騒音を低減することができる。また、液晶パネル92への入射光を増量することによる高輝度化を容易に実現することができ、さらに、液晶パネルモジュール155の動作信頼性の向上、小型化、長寿命化等を容易に実現することができる。
【0052】
また、シート130を介して液晶パネル92とフック113との間の熱伝導性を向上させる構成とすることにより、例えば液晶パネル92とフック113との間に接着剤を介装した場合等に発生し得る、接着剤が液晶パネル92の有効表示領域へ侵入する等を防止して、液晶パネルモジュール155の歩留まりを飛躍的に向上することができる。
【0053】
図7は本発明の第2の実施の形態を示す説明図である。図7において図1と同様の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0054】
本実施の形態は、上述の第1の実施の形態で採用した樹脂製のケース91に代えて金属製のケース191を採用し、ケース191のパネル収納部95と液晶パネル92との隙間にシート140を追加して液晶パネルモジュール155を構成したものである。その他、上述の第1の実施の形態と同様の構成については同符号を付して説明を省略する。
【0055】
ケース191は、例えば、マグネシウム合金を材料とし、溶融金属射出成形法又はチクソモールディング法という金属材料の射出成形によって構成されている。ケース191は、熱伝導性に優れたマグネシウム合金等の金属材料によって構成されていることから、放熱性に優れている。
【0056】
シート140は、例えば、0.5(mm)の厚さを有する細長の部材で構成され、液晶パネル92の3つの内壁89に沿って配置されるものである。このシート140は、例えば、金属粒子が含有されたシリコン樹脂や金属が織り込まれたグラスウール等で構成され、これにより、シート140には、高い熱伝導性と軟性とが両立して具備される。そして、シート140は、液晶パネル92とケース191のパネル収納室120との間に介装された際に、その軟性によって液晶パネル92及びケース191に密着され、これらの間の熱伝導性を向上させる。
【0057】
ここで、シート140には、例えば所定間隔毎に切欠部141が設けられ、この切欠部に図示しない接着剤が埋め込まれることで、液晶パネル92のケース191への接着固定が実現する。
【0058】
このような実施の形態によれば、上述の第1の実施の形態で得られる作用・効果に加え、液晶パネル92で発生した熱をシート140を介して金属製のケース191に伝達することができ、液晶パネル92の放熱性をより向上することができるという効果を奏する。
【0059】
また、パネル収納部95と液晶パネル92との間にシート140を介装させることは、液晶パネル92のケース91に対する位置決め精度を向上することができるという効果も奏する。この場合、シート140は軟性を有するため、液晶パネル92のケース91に対する熱膨張の自由度が維持されることは勿論である。
【0060】
なお、ケース191はフック113に比して格段に熱容量が大きいため、シート130を省略した構成においても、十分な放熱性の向上を図ることができる。
【0061】
図8は本発明の第5の実施の形態に係る投射装置の光学系を示す説明図である。
【0062】
本実施の形態は第1,第2の実施の形態における液晶パネルモジュールを用いて単板式の投射装置を構成した例を示している。なお、3板式の投射装置に適用してもよいことは明らかである。
【0063】
図8において、プロジェクタに用いられる光源151は、例えば、メタルハライド等のランプを内蔵した高圧水銀ランプとリフレクタとによって構成される。高圧水銀ランプからの光をリフレクタによって前方に反射させ、ライトバルブとして機能する液晶パネルモジュール155に入射するものである。
【0064】
光源151からの光は、インテグレータレンズ154を介して液晶パネルモジュール155に与えられる。インテグレータレンズ154は、複数の小レンズを有する第1及び第2のレンズアレイ152,153によって構成されており、入射光を均一にして液晶パネルモジュール155の入射面全域に入射させる。これにより、映出された映像に輝度むらが生じることを防止している。
【0065】
液晶パネルモジュール155は、上記各実施の形態における液晶パネルモジュールと同一の構成である。上記各実施の形態におけるケース91,191の入射面側から入射された光を液晶パネルによって変調して出射する。即ち、液晶パネルモジュール155は図示しない映像信号供給部からの映像信号に応じて入射光を変調し、プリズム156及び投射レンズ157を介してスクリーン158上に映像光を出射する。これにより、スクリーン158上において映像が映出される。
【0066】
このように構成された実施の形態においては、液晶パネルモジュール155が高い放熱性を有するため投射装置の静粛性の向上、高輝度化、小型化、動作信頼性の向上、長寿命化等を容易に実現することができる。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、放熱性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る液晶パネルモジュールの分解斜視図
【図2】液晶装置の画素領域を構成する複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図
【図3】TFT基板等の素子基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図
【図4】素子基板と対向基板とを貼り合わせて液晶を封入する組立構成終了後の液晶装置を図3のH−H’線の位置で切断して示す断面図
【図5】液晶装置を詳細に示す断面図
【図6】液晶パネルモジュールを示す説明図
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る液晶パネルモジュールの分解斜視図
【図8】本発明に係る投射装置を示す説明図
【符号の説明】
86…パネル収納室
91…ケース
92…液晶パネル
113…フック
130…シート
140…シート
155…液晶パネルモジュール
191…ケース
Claims (6)
- 液晶パネルを収納するパネル収納室が開口されたケースと、
上記ケースに掛止され上記パネル収納室を閉塞するフックと、
熱伝導性が高い材料で構成され上記液晶パネルの一方の面と上記フックとの間に密着して介装される第1のシートと、
熱伝導性が高い材料で構成され上記液晶パネルの側面と上記ケースの上記パネル収納室との間に密着して介装される第2のシートとを備え、
上記第2のシートには、複数の切欠部が夫々離間して設けられており、当該切欠部に埋め込まれた接着剤によって、上記液晶パネルと上記ケースとが固定されてなることを特徴とする液晶パネルモジュール。 - 上記液晶パネルは、素子基板と対向基板との間に液晶が封入されており、
上記第1のシートは、前記素子基板と同一形状であって、前記素子基板の有効表示領域に対応する開口部を有することを特徴とする請求項1に記載の液晶パネルモジュール。 - 上記ケースは、金属材料により構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液晶パネルモジュール。
- 上記シートは、金属粉が含有されたシリコン材料で構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の液晶パネルモジュール。
- 上記シートは、金属が織り込まれたグラスウールで構成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の液晶パネルモジュール。
- 請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の液晶パネルモジュールを用いたことを特徴とする投射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001344941A JP3991656B2 (ja) | 2001-11-09 | 2001-11-09 | 液晶パネルモジュール及びこれを用いた投射装置 |
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