JP3757636B2 - 放熱シート形成用の熱伝導性シリコーンゴム組成物の製造方法及び放熱シート形成用の熱伝導性シリコーンゴム組成物 - Google Patents

放熱シート形成用の熱伝導性シリコーンゴム組成物の製造方法及び放熱シート形成用の熱伝導性シリコーンゴム組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トランジスター、MPU、ドライバーIC、メモリー等の電子部品と放熱器との間に設置され、電子部品から発生する熱を放熱器に伝導する放熱シートを形成するために好適な放熱シート形成用の熱伝導性シリコーンゴム組成物の製造方法、及び放熱シート形成用の熱伝導性シリコーンゴム組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パソコン、ワークステーション等に用いられているCPUのクロック数の増加や、集積回路の集積度の増加に伴い、電子部品4からの発熱量の増加が深刻な問題となっており、特にパワーIC等の発熱部品からの発熱は、様々な問題を抱えている。そこでこれらの電子部品4からの発熱を効率的に放熱するためには、これらの電子部品4に放熱器5を設けることが一般的であり、放熱器5を電子部品4に取り付ける際は、熱伝導性の高い放熱シート3、放熱用ポッティング材、放熱用接着材等を介して放熱器5を電子部品4に取り付け、電子部品4からの発熱が放熱器5に効率良く伝導するようにしている。ここで放熱シート3を介して電子部品4に放熱器5を取り付ける際は、図2(a)に示すように半田バンプ等の実装用電極8を介して基板6に実装された電子部品4に放熱器5を設けることが一般的に行なわれている。ここで電子部品4と放熱器5との間に図2(c)のように空隙7が生じた場合、この空隙7が熱伝導の大きな抵抗となるため、放熱器5と電子部品4との間に放熱シート3を配置し、図2(b)のように放熱器5と電子部品4の接合面の微妙な反りやうねりに放熱シート3を沿わせることによって、空隙7が生じることを防ぎ、電子部品4から発する熱を放熱器5に効率良く伝導させるようにしている。
【0003】
従来からこのような電子部品4等の放熱に用いられている放熱シート3としては、シリコーンゴムをベースとし、これに熱伝導性フィラーを含有させた液状の熱伝導性シリコーンゴム組成物を成形したものが、その耐熱性や信頼性の高さのためによく用いられている。一方半導体の高集積化、電子機器の軽薄短小化によって、これら放熱部材の熱伝導特性に対するニーズは年々高まる一方である。そこで従来から上記放熱部材の熱伝導性を上げるためには、高い熱伝導率を有するフィラーの選択、及びフィラーの含有率を上げる方法が検討されており、フィラーとしてアルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素等を用い、これらのものをマトリックス樹脂であるシリコーンゴム等のエラストマー中に高充填で分散させることが行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし単にフィラーの充填率を上げると、熱伝導性シリコーンゴム組成物のスラリー粘度も同時に高くなってしまい、そのため放熱シート3を成形する際の加工性が低下すると共に、スラリーの脱泡も困難となり、そのためボイドレス成形が困難となってしまう。また放熱用ポッティング材や接着剤として用いる場合はその流動性が悪くなってしまい、ディスペンサー等での吐出が困難になると共に、ポッティングあるいは接着したい箇所への材料の流れも悪くなってしまう。
【0005】
また熱伝導性シリコーンゴム組成物にて放熱シート3を形成した場合、その放熱シート3の硬度が高硬度化してしまうという問題も生じる。放熱シート3が高硬度化すると、電子部品4や放熱器5の接合面の微妙なうねりや反りに対しての追随性が低下し、放熱器5と電子部品4との間の空隙7を充分に埋めることができないという問題が発生する。またこのような高硬度の放熱シート3を微妙なうねりや反りに追随させようとすると、電子部品4と放熱シート3の間にかなりの荷重を掛ける必要があり、電子部品4に対して大きなダメージを与える恐れがある。
【0006】
そこで放熱シート3の高硬度化を防ぐために、シリコーンゴムを構成する主剤と硬化剤との組成比を変えることにより、成形品である放熱シート3中での架橋密度を低減して、低硬度化とフィラーの高充填化を両立させようという試みがあるが、この場合は放熱シート3のゴム弾性が低下し、圧縮永久歪測定を行うと歪が著しく大きくなったり、引き裂き強度が低下したりするという新たな問題が発生する。
【0007】
そのため、成形品の架橋密度を変えずにフィラーの充填性を向上させると共に、伝導性シリコーンゴム組成物のスラリー粘度及び成形品である放熱シート3のゴム硬度を低減が図れることが望まれている。
【0008】
また電子機器の軽薄短小化へのニーズの高まりから、電子部品4を構成する材料の軽量化と高性能化を低コストで達成することが望まれており、放熱シート3においても軽量、高熱伝導性、かつ低コストであることが望まれている。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、熱伝導性フィラーの含有率を高くしてもスラリー粘度を低減し、ゴム硬度を低減することができ、更に低コスト化、軽量化、高熱伝導性化を達成することができる熱伝導性シリコーンゴム組成物の製造方法及び熱伝導性シリコーンゴム組成物を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の放熱シート形成用の熱伝導性シリコーンゴム組成物の製造方法は、液状タイプの付加反応型シリコーンゲルに熱伝導性フィラー1としてアトマイズ法にて製造された、粒径が80μm以上の粒子を25〜75体積%含む真球状のアルミニウム粉を分散させることを特徴とするものである。
【0011】
また本発明の請求項2に記載の放熱シート形成用の熱伝導性シリコーンゴム組成物の製造方法は、請求項1の構成に加えて、熱伝導性フィラー1として、アトマイズ法にて製造された、粒径が3〜250μmの真球状のアルミニウム紛を用いることを特徴とするものである。
【0013】
また本発明の請求項に記載の放熱シート形成用の熱伝導性シリコーンゴム組成物は、請求項1又は2に記載の方法にて製造されて成ることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成物はシリコーンゴムに熱伝導性フィラー1を含有させたものである。
【0016】
シリコーンゴムとしては、二液型や一液型の液状タイプのシリコーンゲルを使用する。
【0017】
また熱伝導性フィラー1としては、アルミニウム粉を用いるものである。アルミニウム粉は、その熱伝導率が200W/mKと、金属としては高い熱伝導率を有しており、熱伝導性シリコーンゴム組成物中に分散させることによる熱伝導性シリコーンゴム組成物の熱伝導性の向上の効果が高いものである。また他の高熱伝導性フィラー1として知られる窒化アルミニウムや、六方晶窒化ホウ素よりも低コストで入手することができる。またアルミニウム粉の比重は2.69g/cm3と、アルミナ(3.96g/cm3)やマグネシア(3.51g/cm3)等に比べて軽量であるため、熱伝導性シリコーンゴム組成物の軽量化を達成することができる。
【0018】
上記の熱伝導性フィラー1として用いられるアルミニウム粉としては、溶融したアルミニウムをガスや液体で噴霧するすることにより粉体化する、いわゆるアトマイズ法にて製造されるものを用いるものである。アトマイズ法にて製造されたアルミニウム粉の粒子形状は、図1(b)に示すように、涙滴状の形状、すなわち半球形状と円錐形状を、円形状の平面にて接合した形状となっており、このような形状を有するアルミニウム粉は、破砕法で製造される鱗片状やフレーク状のアルミニウム粉と比較して、マトリックスであるシリコーンゴム中への充填率を向上しても、熱伝導性シリコーンゴム組成物のスラリー粘度を低減し、また熱伝導性シリコーンゴム組成物の硬化物のゴム硬度も低減することができるものである。
【0019】
また更に、アトマイズ法にて得られるアルミニウム粉として、図1(a)に示すような真球状のものを熱伝導性フィラー1として用いると、マトリックスであるシリコーンゴム中への充填率を更に向上することができるものである。ここで真球状とは、アルミニウム粉を構成する粒子の全ての箇所における直径が、ある一定の長さの0.90〜1.10倍の範囲にあることをいう。
【0020】
また上記の熱伝導性フィラー1として用いられるアルミニウム粉としては、その粒径が3〜250μmのものを用いることが好ましく、またその粒度分布として、80μm以上の粒子がアルミニウム粉全体の25〜75体積%となるようにすることが好ましい。このようにすると、熱伝導性フィラー1の粒径80μm以上の粒子間の空隙7を粒径80μm未満のフィラー粒子で埋めることができ、熱伝導性シリコーンゴム組成物中のフィラーの充填率を向上しても、熱伝導性シリコーンゴム組成物のスラリー粘度を低減し、また熱伝導性シリコーンゴム組成物の硬化物のゴム硬度も低減することができるものである。
【0021】
本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成物中の熱伝導性フィラー1の配合割合は、熱伝導性シリコーンゴム組成物全量に対して40〜75体積%とするものである。配合割合が、40体積%に満たないと本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成物に充分な熱伝導性を付与することが困難なものであり、また配合割合が75体積%を超えると、本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成物のスラリー粘度が実用上適さない程大きくなり、また熱伝導性シリコーンゴム組成物の硬化物のゴム硬度も高くなって好ましくない。
【0022】
以下に本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成物を製造する方法を説明する。シリコーンゴムと熱伝導性フィラー1を混練する際、シリコーンゴムとして一液型のものを用いる場合は、熱伝導性フィラー1を混練機を用いてシリコーンゴムと混練して熱伝導性シリコーンゴム組成物を形成することができる。またシリコーンゴムとして二液型のものを用いる場合は、予め主剤と硬化剤にそれぞれ目的量の熱伝導性フィラー1を混合してスラリーを形成しておき、その主剤スラリーと硬化剤スラリーを混練して熱伝導性シリコーンゴム組成物を形成することができるものであり、また主剤と硬化剤を混合した後、熱伝導性フィラー1を添加してもよい。
【0023】
上記のようにして形成される熱伝導性シリコーンゴム組成物は、スラリー状に形成されるものであり、この熱伝導性シリコーンゴム組成物を用いてトランジスター、MPU、ドライバーIC、メモリー等の電子部品4と放熱器5との間に設置され、電子部品4から発生する熱を放熱器5に伝導する放熱シート3を形成することができる
【0024】
本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成物にて放熱シート3を形成する際は、熱伝導性シリコーンゴム組成物をシート状にプレス成形、押出し成形、カレンダー成形等の方法で成形した後、加熱硬化させることによって放熱シート3を形成することができる。またこのようにコンパウンドの状態で成形する他、ガラス布等の基材にシリコーンゴム組成物を含浸させた後成形したものを、加熱硬化させることもできる。この際、本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成物はスラリー粘度が低いため成形時の加工性が良好なものであり、またスラリーの脱泡を容易に行うことができてボイドレス成形が容易なものである。
【0025】
このようにして形成される放熱シート3は、図2(a)に示すように基板6上に半田バンプ等からなる実装用電極8を介して実装されたトランジスター、MPU、ドライバーIC、メモリー等の電子部品4と、ヒートシンク、ヒートパイプ、筺体等の放熱器5と間に配置され、図2(b)のように放熱器5と電子部品4の接合面の微妙な反りやうねりに放熱シート3を沿わせることによって、放熱器5と電子部品4の接合面に図2(c)に示すような熱抵抗の大きい空隙7が生じることを防ぎ、電子部品4から発する熱を放熱器5に効率良く伝導させることができるものである。
【0026】
ここで本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成物は上記のように熱伝導性が高いものであり、また熱伝導性シリコーンゴム組成物のスラリー粘度が低く、成形加工性が良好であると共に、スラリー状の熱伝導性シリコーンゴム組成物の脱泡を容易に行うことができてボイドレス成形が容易なものであり、また熱伝導性シリコーンゴム組成物の硬化成形物のゴム硬度を低減することができるものである。従って本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成物で放熱シート3を形成する際の成形性を向上することができるものであり、また形成された放熱シート3はゴム硬度が低いため、放熱器5と電子部品4との間に配置する際、電子部品4に強い荷重を掛けなくても放熱器5と電子部品4の接合面の反りやうねりを容易に埋めることができ、放熱器5と電子部品4の間に熱抵抗が高い空隙7が形成されることがなく、かつこの放熱シート3は熱伝導性が高いので、電子部品4から放熱器5への熱伝導効率を向上し、電子部品4からの発熱を容易に放熱することができるものである。
【0028】
このように本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成物は、放熱シート3を形成するために好適なものである。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって詳述する。
(実施例1乃至3、比較例1,2
シリコーンゴムとして、A液とB液とからなる付加反応型シリコーンゲル(東レダウコーニング社製、品番「SE1885」)を用い、熱伝導性フィラー1として、アトマイズ法にて製造された真球状のアルミニウム粉(Valimet社(アメリカ)製)、Hシリーズ)を用いた。この熱伝導性フィラー1を前記シリコーンゲルのA液、B液にそれぞれ60体積%となるように配合、混練し、A、Bの二種類のスラリーを調製した。
【0030】
次にこのA、B二種類のスラリーをそれぞれ重量比で1対1の比率で25℃にて1分間混合、混練し、この混練物スラリーをテフロンフィルムで挟み込み、プレス成形により2mm厚のシートに成形し、これを120℃、1時間の条件下で加熱硬化させて放熱シート3を作製した。
比較例3乃至6
熱伝導性フィラー1として、アトマイズ法にて製造された涙滴状のアルミニウム粉(ミネルコ社製、品番「#245」:粒径150〜75μm、品番「#260S」:粒径75〜63μm、品番「#280A」:粒径63〜45μm、品番「#300A」:粒径45μm以下)を用いた以外は、実施例1乃至3、比較例1,2と同様に行った。
(比較例
熱伝導性フィラー1として、粉砕法にて形成した鱗片状のアルミニウム粉を用いた以外は、実施例1乃至3、比較例1,2と同様に行った。
(比較例
熱伝導性フィラー1として、溶射法にて製造されたアルミナ粉を用いた以外は、実施例1乃至3、比較例1,2と同様に行った。
【0031】
なお、上記の各実施例及び各比較例に用いた熱伝導性フィラー1は、それぞれ表1に示す粒度分布を有するものを用いたものである。ここでこの熱伝導性フィラー1の粒度分布の調整は、あらかじめ粒度分布が測定された粉体を、適宜の配合割合で混合することによって行った。
(スラリー粘度測定)
各実施例及び比較例のA、B二種類のスラリーを25℃にて1分間混合、混練した直後、この混合物スラリーについて、レオメーター(HAAKE社製、品番「CV20」)によりせん断速度5(1/S)、25℃の条件で粘度を測定した。
(ゴム硬度)
各実施例及び比較例の放熱シート3について、JIS−K6301−A型に準拠したゴム硬度計((株)TECLOCK社製、品番「GSD−706」)により、ゴム硬度を測定した。
(熱伝導率)
各実施例及び比較例の放熱シート3について、定常法平板比較法にて熱伝導率を測定した。
(密度測定)
各実施例及び各比較例の放熱シート3から4cm×4cmの寸法のサンプルを切り出し、マイクロメータにて厚みを測定して平均厚みを算出し、その結果をもとにこのサンプルの体積を算出した。またこのサンプルの重量測定を行い、このサンプルの体積と重量から、放熱シート3の密度を算出した。
【0032】
以上の結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0003757636
表1から明らかなように、同一の粒度分布を有する熱伝導性フィラー1を用いた実施例2、比較例4、並びに比較例7、8を比べると、アトマイズ法にて製造されたアルミニウム粉を用いた実施例2、比較例4では、比較例及び比較例のものよりも、スラリー粘度及びゴム度が低減した。ここでスラリー粘度が500Pa・s以上、ゴム硬度が20以上となった比較例のものは、スラリー粘度が放熱シート3を成形するための充分な成形加工性を有することができないほど高く、また成形される放熱シート3は電子部品4と放熱器5との間の接合面の反りやうねりを充分に埋めることができないほど高いものである。また特にアルミナ粉を用いた比較例8のものと比べると、熱伝導性を向上し、また密度を低減することができたことが確認された。
【0034】
またアトマイズ法にて製造された真球状のアルミニウム粉を用いた実施例1乃至3、比較例1,2と、アトマイズ法にて製造された涙滴状のアルミニウム粉を用いた比較例3乃至とを比べると、同一の粒度分布を有する熱伝導フィラーを用いている場合は、アトマイズ法にて製造された真球状のアルミニウム粉を用いたものの方が、スラリー粘度及びゴム度が低減した。
【0035】
アトマイズ法にて製造された真球状のアルミニウム粉を用いた実施例1乃至3、比較例1,2のうち、熱伝導性フィラー1の粒度分布が、粒径80μmのものが熱伝導性フィラー1全量の25〜75体積%を占める実施例1乃至3のものでは、特にスラリー粘度及びゴム度が著しく低減し、またアトマイズ法にて製造された涙滴状のアルミニウム粉を用いた比較例3乃至のうち、熱伝導性フィラー1の粒度分布が、粒径80μm以上のものが熱伝導性フィラー1全量の25〜75体積%を占める比較例3,4のものでは、特にスラリー粘度及びゴム度が著しく低減した。
【0036】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に記載の放熱シート形成用の熱伝導性シリコーンゴム組成物の製造方法は、液状タイプの付加反応型シリコーンゲルに熱伝導性フィラーとしてアトマイズ法にて製造された、粒径が80μm以上の粒子を25〜75体積%含む真球状のアルミニウム粉を分散させるため、このようにして得られる熱伝導性シリコーンゴム組成物中の熱伝導性フィラーの含有率を高くしてもスラリー粘度を低減し、またこの熱伝導性シリコーンゴム組成物を硬化させて得られる成形物のゴム硬度を低減することができ、更に低コスト化、軽量化、高熱伝導性化を達成することができるものである。
【0039】
また本発明の請求項に記載の放熱シート形成用の熱伝導性シリコーンゴム組成物は、請求項1又は2に記載の方法にて製造されるため、熱伝導性シリコーンゴム組成物中の熱伝導性フィラーの含有率を高くしてもスラリー粘度を低減し、またこの熱伝導性シリコーンゴム組成物を硬化させて得られる成形物のゴム硬度を低減することができ、更に低コスト化、軽量化、高熱伝導性化を達成することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明に用いる熱伝導性フィラーの一例を示す正面図、
(b)は熱伝導性フィラーの他例を示す正面図である。
【図2】(a)は本発明にて得られる熱伝導性シリコーンゴム組成物から形成された放熱シートの使用形態の一例を示す断面図、(b)は(a)の一部の拡大図、(c)は放熱シートを使用しない場合の放熱器と電子部品との接合面を示す一部の断面図である。
【符号の説明】
1 熱伝導性フィラー

Claims (3)

  1. 液状タイプの付加反応型シリコーンゲルに熱伝導性フィラーとしてアトマイズ法にて製造された、粒径が80μm以上の粒子を25〜75体積%含む真球状のアルミニウム粉を分散させることを特徴とする放熱シート形成用の熱伝導性シリコーンゴム組成物の製造方法。
  2. 熱伝導性フィラーとして、アトマイズ法にて製造された、粒径が3〜250μmの真球状のアルミニウム粉を用いることを特徴とする請求項1に記載の放熱シート形成用の熱伝導性シリコーンゴム組成物の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法にて製造されて成ることを特徴とする放熱シート形成用の熱伝導性シリコーンゴム組成物。
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