JP2000072967A - 熱伝導性シリコーンゴム組成物の製造方法及び熱伝導性シリコーンゴム組成物 - Google Patents

熱伝導性シリコーンゴム組成物の製造方法及び熱伝導性シリコーンゴム組成物

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JP2000072967A
JP2000072967A JP10240882A JP24088298A JP2000072967A JP 2000072967 A JP2000072967 A JP 2000072967A JP 10240882 A JP10240882 A JP 10240882A JP 24088298 A JP24088298 A JP 24088298A JP 2000072967 A JP2000072967 A JP 2000072967A
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直仁 福家
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱伝導性フィラー1の含有率を高くしてもス
ラリー粘度を低減し、ゴム硬度を低減することができ、
更に低コスト化、軽量化、高熱伝導性化を達成すること
ができる熱伝導性シリコーンゴム組成物の製造方法及び
熱伝導性シリコーンゴム組成物を提供する。 【解決手段】 シリコーンゴムに熱伝導性フィラー1と
してアトマイズ法にて製造されたアルミニウム粉を分散
させる。このようにして得られる熱伝導性シリコーンゴ
ム組成物中の熱伝導性フィラー1の含有率を高くしても
スラリー粘度を低減し、またこの熱伝導性シリコーンゴ
ム組成物を硬化させて得られる成形物のゴム硬度を低減
することができ、更に低コスト化、軽量化、高熱伝導性
化を達成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トランジスター、
MPU、ドライバーIC、メモリー等の電子部品と放熱
器との間に設置され、電子部品から発生する熱を放熱器
に伝導する放熱シート、放熱器を兼ねたケースに入った
電子部品等の放熱に用いられる放熱用ポッティング材及
び電子部品と放熱器とを接着する放熱用接着剤を形成す
るために好適な熱伝導性シリコーンゴム組成物の製造方
法、及び熱伝導性シリコーンゴム組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、パソコン、ワークステーション等
に用いられているCPUのクロック数の増加や、集積回
路の集積度の増加に伴い、電子部品4からの発熱量の増
加が深刻な問題となっており、特にパワーIC等の発熱
部品からの発熱は、様々な問題を抱えている。そこでこ
れらの電子部品4からの発熱を効率的に放熱するために
は、これらの電子部品4に放熱器5を設けることが一般
的であり、放熱器5を電子部品4に取り付ける際は、熱
伝導性の高い放熱シート3、放熱用ポッティング材、放
熱用接着材等を介して放熱器5を電子部品4に取り付
け、電子部品4からの発熱が放熱器5に効率良く伝導す
るようにしている。ここで放熱シート3を介して電子部
品4に放熱器5を取り付ける際は、図2(a)に示すよ
うに半田バンプ等の実装用電極8を介して基板6に実装
された電子部品4に放熱器5を設けることが一般的に行
なわれている。ここで電子部品4と放熱器5との間に図
2(c)のように空隙7が生じた場合、この空隙7が熱
伝導の大きな抵抗となるため、放熱器5と電子部品4と
の間に放熱シート3を配置し、図2(b)のように放熱
器5と電子部品4の接合面の微妙な反りやうねりに放熱
シート3を沿わせることによって、空隙7が生じること
を防ぎ、電子部品4から発する熱を放熱器5に効率良く
伝導させるようにしている。
【0003】従来からこのような電子部品4等の放熱に
用いられている放熱シート3としては、シリコーンゴム
をベースとし、これに熱伝導性フィラーを含有させた液
状の熱伝導性シリコーンゴム組成物を成形したものが、
その耐熱性や信頼性の高さのためによく用いられてい
る。一方半導体の高集積化、電子機器の軽薄短小化によ
って、これら放熱部材の熱伝導特性に対するニーズは年
々高まる一方である。そこで従来から上記放熱部材の熱
伝導性を上げるためには、高い熱伝導率を有するフィラ
ーの選択、及びフィラーの含有率を上げる方法が検討さ
れており、フィラーとしてアルミナ、酸化マグネシウ
ム、窒化ホウ素等を用い、これらのものをマトリックス
樹脂であるシリコーンゴム等のエラストマー中に高充填
で分散させることが行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし単にフィラーの
充填率を上げると、熱伝導性シリコーンゴム組成物のス
ラリー粘度も同時に高くなってしまい、そのため放熱シ
ート3を成形する際の加工性が低下すると共に、スラリ
ーの脱泡も困難となり、そのためボイドレス成形が困難
となってしまう。また放熱用ポッティング材や接着剤と
して用いる場合はその流動性が悪くなってしまい、ディ
スペンサー等での吐出が困難になると共に、ポッティン
グあるいは接着したい箇所への材料の流れも悪くなって
しまう。
【0005】また熱伝導性シリコーンゴム組成物にて放
熱シート3を形成した場合、その放熱シート3の硬度が
高硬度化してしまうという問題も生じる。放熱シート3
が高硬度化すると、電子部品4や放熱器5の接合面の微
妙なうねりや反りに対しての追随性が低下し、放熱器5
と電子部品4との間の空隙7を充分に埋めることができ
ないという問題が発生する。またこのような高硬度の放
熱シート3を微妙なうねりや反りに追随させようとする
と、電子部品4と放熱シート3の間にかなりの荷重を掛
ける必要があり、電子部品4に対して大きなダメージを
与える恐れがある。
【0006】そこで放熱シート3の高硬度化を防ぐため
に、シリコーンゴムを構成する主剤と硬化剤との組成比
を変えることにより、成形品である放熱シート3中での
架橋密度を低減して、低硬度化とフィラーの高充填化を
両立させようという試みがあるが、この場合は放熱シー
ト3のゴム弾性が低下し、圧縮永久歪測定を行うと歪が
著しく大きくなったり、引き裂き強度が低下したりする
という新たな問題が発生する。
【0007】そのため、成形品の架橋密度を変えずにフ
ィラーの充填性を向上させると共に、夏伝導性シリコー
ンゴム組成物のスラリー粘度及び成形品である放熱シー
ト3のゴム硬度を低減が図れることが望まれている。
【0008】また電子機器の軽薄短小化へのニーズの高
まりから、電子部品4を構成する材料の軽量化と高性能
化を低コストで達成することが望まれており、放熱シー
ト3においても軽量、高熱伝導性、かつ低コストである
ことが望まれている。
【0009】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、熱伝導性フィラーの含有率を高くしてもスラリー
粘度を低減し、ゴム硬度を低減することができ、更に低
コスト化、軽量化、高熱伝導性化を達成することができ
る熱伝導性シリコーンゴム組成物の製造方法及び熱伝導
性シリコーンゴム組成物を提供することを目的とするも
のである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の熱伝導性シリコーンゴム組成物の製造方法は、シリコ
ーンゴムに熱伝導性フィラー1としてアトマイズ法にて
製造されたアルミニウム粉を分散させることを特徴とす
るものである。
【0011】また本発明の請求項2に記載の熱伝導性シ
リコーンゴム組成物の製造方法は、請求項1の構成に加
えて、熱伝導性フィラー1として、アトマイズ法にて製
造された、真球状のアルミニウム紛を用いることを特徴
とするものである。
【0012】また本発明の請求項3に記載の熱伝導性シ
リコーンゴム組成物の製造方法は、請求項1又は2の構
成に加えて、熱伝導性フィラー1として、粒径が80μ
m以下の粒子を25〜75体積%含むものを用いること
を特徴とするものである。
【0013】また本発明の請求項4に記載の熱伝導性シ
リコーンゴム組成物は、請求項1乃至3のいずれかの方
法にて製造されて成ることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0015】本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成物は
シリコーンゴムに熱伝導性フィラー1を含有させたもの
である。
【0016】シリコーンゴムとしては、二液型や一液型
の液状タイプのシリコーンゲルやシリコーンゴムを使用
することができる。
【0017】また熱伝導性フィラー1としては、アルミ
ニウム粉を用いるものである。アルミニウム粉は、その
熱伝導率が200W/mKと、金属としては高い熱伝導
率を有しており、熱伝導性シリコーンゴム組成物中に分
散させることによる熱伝導性シリコーンゴム組成物の熱
伝導性の向上の効果が高いものである。また他の高熱伝
導性フィラー1として知られる窒化アルミニウムや、六
方晶窒化ホウ素よりも低コストで入手することができ
る。またアルミニウム粉の比重は2.69g/cm
3と、アルミナ(3.96g/cm3)やマグネシア
(3.51g/cm3)等に比べて軽量であるため、熱
伝導性シリコーンゴム組成物の軽量化を達成することが
できる。
【0018】上記の熱伝導性フィラー1として用いられ
るアルミニウム粉としては、溶融したアルミニウムをガ
スや液体で噴霧するすることにより粉体化する、いわゆ
るアトマイズ法にて製造されるものを用いるものであ
る。アトマイズ法にて製造されたアルミニウム粉の粒子
形状は、図1(b)に示すように、涙滴状の形状、すな
わち半球形状と円錐形状を、円形状の平面にて接合した
形状となっており、このような形状を有するアルミニウ
ム粉は、破砕法で製造される鱗片状やフレーク状のアル
ミニウム粉と比較して、マトリックスであるシリコーン
ゴム中への充填率を向上しても、熱伝導性シリコーンゴ
ム組成物のスラリー粘度を低減し、また熱伝導性シリコ
ーンゴム組成物の硬化物のゴム硬度も低減することがで
きるものである。
【0019】また更に、アトマイズ法にて得られるアル
ミニウム粉として、図1(a)に示すような真球状のも
のを熱伝導性フィラー1として用いると、マトリックス
であるシリコーンゴム中への充填率を更に向上すること
ができるものである。ここで真球状とは、アルミニウム
粉を構成する粒子の全ての箇所における直径が、ある一
定の長さの0.90〜1.10倍の範囲にあることをい
う。
【0020】また上記の熱伝導性フィラー1として用い
られるアルミニウム粉としては、その粒径が3〜250
μmのものを用いることが好ましく、またその粒度分布
として、80μm以上の粒子がアルミニウム粉全体の2
5〜75体積%となるようにすることが好ましい。この
ようにすると、熱伝導性フィラー1の粒径80μm以上
の粒子間の空隙7を粒径80μm未満のフィラー粒子で
埋めることができ、熱伝導性シリコーンゴム組成物中の
フィラーの充填率を向上しても、熱伝導性シリコーンゴ
ム組成物のスラリー粘度を低減し、また熱伝導性シリコ
ーンゴム組成物の硬化物のゴム硬度も低減することがで
きるものである。
【0021】本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成物中
の熱伝導性フィラー1の配合割合は、熱伝導性シリコー
ンゴム組成物全量に対して40〜75体積%以上とする
ものである。配合割合が、40体積%に満たないと本発
明の熱伝導性シリコーンゴム組成物に充分な熱伝導性を
付与することが困難なものであり、また配合割合が75
重量%を超えると、本発明の熱伝導性シリコーンゴム組
成物のスラリー粘度が実用上適さない程大きくなり、ま
た熱伝導性シリコーンゴム組成物の硬化物のゴム硬度も
高くなって好ましくない。
【0022】以下に本発明の熱伝導性シリコーンゴム組
成物を製造する方法を説明する。シリコーンゴムと熱伝
導性フィラー1を混練する際、シリコーンゴムとして一
液型のものを用いる場合は、熱伝導性フィラー1を混練
機を用いてシリコーンゴムと混練して熱伝導性シリコー
ンゴム組成物を形成することができる。またシリコーン
ゴムとして二液型のものを用いる場合は、予め主剤と硬
化剤にそれぞれ目的量の熱伝導性フィラー1を混合して
スラリーを形成しておき、その主剤スラリーと硬化剤ス
ラリーを混練して熱伝導性シリコーンゴム組成物を形成
することができるものであり、また主剤と硬化剤を混合
した後、熱伝導性フィラー1を添加してもよい。
【0023】上記のようにして形成される熱伝導性シリ
コーンゴム組成物は、スラリー状に形成されるものであ
り、この熱伝導性シリコーンゴム組成物を用いてトラン
ジスター、MPU、ドライバーIC、メモリー等の電子
部品4と放熱器5との間に設置され、電子部品4から発
生する熱を放熱器5に伝導する放熱シート3を形成する
ことができ、あるいは放熱器5を兼ねたケースに入った
電子部品4等の放熱に用いられる放熱用ポッティング材
及び電子部品4と放熱器5とを接着する放熱用接着剤と
して用いることができる。
【0024】本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成物に
て放熱シート3を形成する際は、熱伝導性シリコーンゴ
ム組成物をシート状にプレス成形、押出し成形、カレン
ダー成形等の方法で成形した後、加熱硬化させることに
よって放熱シート3を形成することができる。またこの
ようにコンパウンドの状態で成形する他、ガラス布等の
基材にシリコーンゴム組成物を含浸させた後成形したも
のを、加熱硬化させることもできる。この際、本発明の
熱伝導性シリコーンゴム組成物はスラリー粘度が低いた
め成形時の加工性が良好なものであり、またスラリーの
脱泡を容易に行うことができてボイドレス成形が容易な
ものである。
【0025】このようにして形成される放熱シート3
は、図2(a)に示すように基板6上に半田バンプ等か
らなる実装用電極8を介して実装されたトランジスタ
ー、MPU、ドライバーIC、メモリー等の電子部品4
と、ヒートシンク、ヒートパイプ、筺体等の放熱器5と
間に配置され、図2(b)のように放熱器5と電子部品
4の接合面の微妙な反りやうねりに放熱シート3を沿わ
せることによって、放熱器5と電子部品4の接合面に図
2(c)に示すような熱抵抗の大きい空隙7が生じるこ
とを防ぎ、電子部品4から発する熱を放熱器5に効率良
く伝導させることができるものである。
【0026】ここで本発明の熱伝導性シリコーンゴム組
成物は上記のように熱伝導性が高いものであり、また熱
伝導性シリコーンゴム組成物のスラリー粘度が低く、成
形加工性が良好であると共に、スラリー状の熱伝導性シ
リコーンゴム組成物の脱泡を容易に行うことができてボ
イドレス成形が容易なものであり、また熱伝導性シリコ
ーンゴム組成物の硬化成形物のゴム硬度を低減すること
ができるものである。従って本発明の熱伝導性シリコー
ンゴム組成物で放熱シート3を形成する際の成形性を向
上することができるものであり、また形成された放熱シ
ート3はゴム硬度が低いため、放熱器5と電子部品4と
の間に配置する際、電子部品4に強い荷重を掛けなくて
も放熱器5と電子部品4の接合面の反りやうねりを容易
に埋めることができ、放熱器5と電子部品4の間に熱抵
抗が高い空隙7が形成されることがなく、かつこの放熱
シート3は熱伝導性が高いので、電子部品4から放熱器
5への熱伝導効率を向上し、電子部品4からの発熱を容
易に放熱することができるものである。
【0027】また本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成
物を放熱器5を兼ねたケースに入った電子部品4等の放
熱に用いられる放熱用ポッティング材や電子部品4と放
熱器5とを接着する放熱用接着剤として用いる場合、そ
の流動性が良好であるためディスペンサー等での吐出が
容易であり、またポッティングあるいは接着したい箇所
へ容易に流し込むことができるものであり、またこの放
熱用ポッティング材や放熱用接着剤は放熱シート3の場
合と同様に熱伝導性が高いので、電子部品4から放熱器
5への熱伝導効率を向上し、電子部品4等からの発熱を
容易に放熱することができるものである。
【0028】このように本発明の熱伝導性シリコーンゴ
ム組成物は、放熱シート3を形成し、あるいは放熱用ポ
ッティング材や放熱用接着剤として用いるために好適な
ものである。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳述する。 (実施例1乃至5)シリコーンゴムとして、A液とB液
とからなる付加反応型シリコーンゲル(東レダウコーニ
ング社製、品番「SE1885」)を用い、熱伝導性フ
ィラー1として、アトマイズ法にて製造された真球状の
アルミニウム粉(Valimet社(アメリカ)製)、
Hシリーズ)を用いた。この熱伝導性フィラー1を前記
シリコーンゲルのA液、B液にそれぞれ60体積%とな
るように配合、混練し、A、Bの二種類のスラリーを調
製した。
【0030】次にこのA、B二種類のスラリーをそれぞ
れ重量比で1対1の比率で25℃にて1分間混合、混練
し、この混練物スラリーをテフロンフィルムで挟み込
み、プレス成形により2mm厚のシートに成形し、これ
を120℃、1時間の条件下で加熱硬化させて放熱シー
ト3を作製した。 (実施例6乃至10)熱伝導性フィラー1として、アト
マイズ法にて製造された涙滴状のアルミニウム粉(ミネ
ルコ社製、品番「#245」:粒径150〜75μm、
品番「#260S」:粒径75〜63μm、品番「#2
80A」:粒径63〜45μm、品番「#300A」:
粒径45μm以下)を用いた以外は、実施例1乃至5と
同様に行った。 (比較例1)熱伝導性フィラー1として、粉砕法にて形
成した鱗片状のアルミニウム粉を用いた以外は、実施例
1乃至5と同様に行った。 (比較例2)熱伝導性フィラー1として、溶射法にて製
造されたアルミナ粉を用いた以外は、実施例1乃至5と
同様に行った。
【0031】なお、上記の各実施例及び各比較例に用い
た熱伝導性フィラー1は、それぞれ表1に示す粒度分布
を有するものを用いたものである。ここでこの熱伝導性
フィラー1の粒度分布の調整は、あらかじめ粒度分布が
測定された粉体を、適宜の配合割合で混合することによ
って行った。 (スラリー粘度測定)各実施例及び比較例のA、B二種
類のスラリーを25℃にて1分間混合、混練した直後、
この混合物スラリーについて、レオメーター(HAAK
E社製、品番「CV20」)によりせん断速度5(1/
S)、25℃の条件で粘度を測定した。 (ゴム硬度)各実施例及び比較例の放熱シート3につい
て、JIS−K6301−A型に準拠したゴム硬度計
((株)TECLOCK社製、品番「GSD−70
6」)により、ゴム硬度を測定した。 (熱伝導率)各実施例及び比較例の放熱シート3につい
て、定常法平板比較法にて熱伝導率を測定した。 (密度測定)各実施例及び各比較例の放熱シート3から
4cm×4cmの寸法のサンプルを切り出し、マイクロ
メータにて厚みを測定して平均厚みを算出し、その結果
をもとにこのサンプルの体積を算出した。またこのサン
プルの重量測定を行い、このサンプルの体積と重量か
ら、放熱シート3の密度を算出した。
【0032】以上の結果を表1に示す。
【0033】
【表1】 表1から明らかなように、同一の粒度分布を有する熱伝
導性フィラー1を用いた実施例2、7、並びに比較例
1、2を比べると、アトマイズ法にて製造されたアルミ
ニウム粉を用いた実施例2、7では、比較例1及び比較
例2のものよりも、スラリー粘度及びゴム高度が低減し
た。ここでスラリー粘度が500Pa・s以上、ゴム硬
度が20以上となった比較例1のものは、スラリー粘度
が放熱シート3を成形するための充分な成形加工性を有
することができないほど高く、また成形される放熱シー
ト3は電子部品4と放熱器5との間の接合面の反りやう
ねりを充分に埋めることができないほど高いものであ
る。また特にアルミナ粉を用いた比較例2ものと比べる
と、熱伝導性を向上し、また密度を低減することができ
たことが確認された。
【0034】またアトマイズ法にて製造された真球状の
アルミニウム粉を用いた実施例1乃至5と、アトマイズ
法にて製造された涙滴状のアルミニウム粉を用いた実施
例6乃至10とを比べると、同一の粒度分布を有する熱
伝導フィラーを用いている場合は、アトマイズ法にて製
造された真球状のアルミニウム粉を用いたものの方が、
スラリー粘度及びゴム高度が低減した。
【0035】アトマイズ法にて製造された真球状のアル
ミニウム粉を用いた実施例1乃至5のうち、熱伝導性フ
ィラー1の粒度分布が、粒径80μmのものが熱伝導性
フィラー1全量の25〜75体積%を占める実施例1乃
至3のものでは、特にスラリー粘度及びゴム高度が著し
く低減し、またアトマイズ法にて製造された涙滴状のア
ルミニウム粉を用いた実施例6乃至10のうち、熱伝導
性フィラー1の粒度分布が、粒径80μmのものが熱伝
導性フィラー1全量の25〜75体積%を占める実施例
6乃至8のものでは、特にスラリー粘度及びゴム高度が
著しく低減した。
【0036】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に記載の
熱伝導性シリコーンゴム組成物の製造方法は、シリコー
ンゴムに熱伝導性フィラーとしてアトマイズ法にて製造
されたアルミニウム粉を分散させるため、このようにし
て得られる熱伝導性シリコーンゴム組成物中の熱伝導性
フィラーの含有率を高くしてもスラリー粘度を低減し、
またこの熱伝導性シリコーンゴム組成物を硬化させて得
られる成形物のゴム硬度を低減することができ、更に低
コスト化、軽量化、高熱伝導性化を達成することができ
るものである。
【0037】また本発明の請求項2に記載の熱伝導性シ
リコーンゴム組成物の製造方法は、請求項1の構成に加
えて、熱伝導性フィラーとして、アトマイズ法にて製造
された、真球状のアルミニウム紛を用いるため、このよ
うにして得られる熱伝導性シリコーンゴム組成物中の熱
伝導性フィラーの含有率を高した際のスラリー粘度を更
に低減し、またこの熱伝導性シリコーンゴム組成物を硬
化させて得られる成形物のゴム硬度を更に低減すること
ができるものである。
【0038】また本発明の請求項3に記載の熱伝導性シ
リコーンゴム組成物の製造方法は、請求項1又は2の構
成に加えて、熱伝導性フィラーとして、粒径が80μm
以下の粒子を25〜75体積%含むものを用いるため、
このようにして得られる熱伝導性シリコーンゴム組成物
中の熱伝導性フィラーの含有率を高した際のスラリー粘
度を更に低減し、またこの熱伝導性シリコーンゴム組成
物を硬化させて得られる成形物のゴム硬度を更に低減す
ることができるものである。
【0039】また本発明の請求項4に記載の熱伝導性シ
リコーンゴム組成物は、請求項1乃至3のいずれかの方
法にて製造されるため、熱伝導性シリコーンゴム組成物
中の熱伝導性フィラーの含有率を高くしてもスラリー粘
度を低減し、またこの熱伝導性シリコーンゴム組成物を
硬化させて得られる成形物のゴム硬度を低減することが
でき、更に低コスト化、軽量化、高熱伝導性化を達成す
ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に用いる熱伝導性フィラーの一
例を示す正面図、(b)は本発明に用いる熱伝導性フィ
ラーの他例を示す正面図である。
【図2】(a)は本発明にて得られる熱伝導性シリコー
ンゴム組成物から形成された放熱シートの使用形態の一
例を示す断面図、(b)は(a)の一部の拡大図、
(c)は放熱シートを使用しない場合の放熱器と電子部
品との接合面を示す一部の断面図である。
【符号の説明】
1 熱伝導性フィラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梶田 進 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 4J002 CP031 DA096 FA086 FD206 GQ00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコーンゴムに熱伝導性フィラーとし
    てアトマイズ法にて製造されたアルミニウム粉を分散さ
    せることを特徴とする熱伝導性シリコーンゴム組成物の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 熱伝導性フィラーとして、アトマイズ法
    にて製造された、真球状のアルミニウム紛を用いること
    を特徴とする請求項1に記載の熱伝導性シリコーンゴム
    組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 熱伝導性フィラーとして、粒径が80μ
    m以下の粒子を25〜75体積%含むものを用いること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の熱伝導性シリコー
    ンゴム組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかの方法にて製
    造されて成ることを特徴とする熱伝導性シリコーンゴム
    組成物。
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