JP2023019765A - グラファイト複合体及び電子部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】グラファイトシートと樹脂材とを備え、発熱体と放熱体との間に介在した場合に発熱体から放熱体への熱伝導を高めやすいグラファイト複合体を提供する。【解決手段】グラファイト複合体1は、内部に空隙を有するグラファイトシートと、樹脂材とを備える。空隙は、樹脂材全体のうちの少なくとも一部によって部分的に占められる。樹脂材の、グラファイトシートと樹脂材との合計に対する割合は、5質量%以上である。グラファイト複合体の空隙率は、50体積%以上95体積%以下である。【選択図】図1
Description
本開示は、グラファイト複合体及び電子部品に関し、詳しくはグラファイトシートと、樹脂材とを備えるグラファイト複合体、及びこのグラファイト複合体を備える電子部品に関する。
特許文献1には、グラファイトシートの空孔部に室温下で実質的に固体である熱軟化性シリコーン樹脂を含浸・充填して熱伝導性シートを作製することで、熱伝導性シートからグラファイト成分が剥がれ落ちたり、グラファイト粉が飛散したりすることを防ぎ、かつ表面に若干のタック性を有することで実装性を高め、更に放熱特性に優れることが、開示されている。
発明者の調査によると、グラファイトシートの空隙に樹脂材を充填すればグラファイトシートの熱伝導性が高まるが、実際に半導体部品等の発熱体とヒートシンク等の放熱体との間にグラファイトシートを介在させた場合、発熱体から放熱体への熱伝導がグラファイトシートによって十分に高められない場合がある。
本開示の課題は、グラファイトシートと樹脂材とを備え、発熱体と放熱体との間に介在した場合に発熱体から放熱体への熱伝導を高めやすいグラファイト複合体、及びこのグラファイト複合体を備える電子部品を、提供することである。
本開示の一態様に係るグラファイト複合体は、内部に空隙を有するグラファイトシートと、樹脂材とを備える、グラファイト複合体である。前記空隙は、前記樹脂材全体のうちの少なくとも一部によって部分的に占められる。前記樹脂材の、前記グラファイトシートと前記樹脂材との合計に対する割合は、5質量%以上である。前記グラファイト複合体の空隙率は、50体積%以上95体積%以下である。
本開示の一態様に係る電子部品は、発熱体と、放熱体と、前記発熱体と前記放熱体との間に介在する前記グラファイト複合体とを備える。
本開示の一態様によると、グラファイトシートと樹脂材とを備え、発熱体と放熱体との間に介在した場合に発熱体から放熱体への熱伝導を高めやすいグラファイト複合体、及びこのグラファイト複合体を備える電子部品を、提供できる。
以下、本開示の一実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。以下の実施形態は、本開示の目的を達成できれば設計に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態に係るグラファイト複合体1は、内部に空隙を有するグラファイトシートと、樹脂材とを備える。空隙は、樹脂材全体のうちの少なくとも一部によって部分的に占められる。樹脂材の、グラファイトシートと樹脂材との合計に対する割合は、5質量%以上である。グラファイト複合体1の空隙率は、50体積%以上95体積%以下である。
本実施形態によると、グラファイトの空隙が樹脂材全体のうちの少なくとも一部によって部分的に占められ、かつ樹脂材の、グラファイトシートと樹脂材との合計に対する割合が5質量%以上であることで、空隙内の樹脂材によってグラファイト複合体1の熱抵抗が低減し、グラファイト複合体1の熱伝導性が高められる。また、グラファイト複合体1の空隙率が50体積%以上95体積%以下であることで、グラファイト複合体1に圧縮圧力かけられた場合にグラファイト複合体1が変形しやすい。このため、グラファイト複合体1を二つの部材の間に介在させた場合に、グラファイト複合体1が各部材の形状に追随して変形しやすい。このため、グラファイト複合体1と各部材との間の接触面積が大きくなりやすい。そのためグラファイト複合体1を介した部材間の熱の伝導が促進されやすい。
本開示に係るグラファイト複合体1について、より詳細に説明する。
グラファイトシートは、グラファイトを含む炭素質のシートである。グラファイトシートは、例えばポリイミドシート等の有機高分子シートを加熱することで作製される。
グラファイトシートは内部に複数の空隙を有する。すなわち、グラファイトシートは多孔質である。グラファイトシートの空隙率は、例えば有機高分子シートを加熱してグラファイトを作製する際の加熱条件を調整することで制御できる。グラファイトシートの空隙率の測定方法は、後掲の実施例の欄で説明する。
グラファイトシートの空隙率は、80体積%以上であることが好ましい。この場合、グラファイト複合体1の空隙率を十分に大きくしやすい。グラファイトシートの空隙率は、85体積%以上であればより好ましく、90体積%以上であれば更に好ましい。また、グラファイトシートの空隙率は98体積%以下であることが好ましい。この場合、グラファイト複合体1の良好な熱伝導性が得られやすい。この空隙率は、95体積%以下であればより好ましい。
グラファイトシートの厚みは例えば20μm以上400μm以下であるが、これに制限されない。
樹脂材は、適宜の有機高分子又はシリコーン樹脂を含有できる。
樹脂材は、例えば反応硬化性化合物の硬化物を含有する。反応硬化性化合物は、例えばエポキシ化合物、アクリル化合物及びシリコーン化合物のうち少なくとも一種を含有する。
樹脂材は、軟質の高分子を含有することが好ましく、例えばゲル状の高分子を含有することが好ましい。この場合、グラファイト複合体1に圧縮圧力がかけられた場合にグラファイト複合体1がより変形しやすく、かつグラファイト複合体1が変形しても樹脂材が破損しにくい。
反応硬化性化合物がエポキシ化合物を含有する場合、エポキシ化合物は、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含有する。反応硬化性化合物がエポキシ化合物を含有する場合、反応硬化性化合物が硬化剤を更に含有してもよい。硬化剤は、例えば、フェノール系硬化剤、及びジシアンジアミド硬化剤等からなる群から選択される少なくとも一種を含有する。
反応硬化性化合物がシリコーン化合物を含有する場合、シリコーン化合物は、例えば反応硬化型の液状のシリコーンゴム又はシリコーンゲルである。シリコーン化合物は二液型でも一液型でもよい。シリコーン化合物は、例えばオルガノポリシロキサンなどの反応性有機ケイ素化合物を含有する。反応硬化性化合物がシリコーン化合物を含有する場合、反応硬化性化合物が更に硬化剤を含有してもよい。反応硬化性化合物は、更に必要により触媒を含有してもよい。硬化剤は、例えばオルガノハイドロジェンポリシロキサンと有機過酸化物とのうち少なくとも一方を含有する。触媒は例えば白金系触媒である。
反応硬化性化合物がアクリル化合物を含有する場合、アクリル化合物は、例えばラウリルアクリレートなどのアルキルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、及びアクリル酸多量体エステルからなる群から選択される少なくとも一種を含有する。
反応硬化性化合物が含有する成分は、上述のみには制限されない。
グラファイト複合体1を製造する方法の例について説明する。まず、グラファイトシートと、反応性組成物とを、用意する。反応性組成物は、反応性化合物のみを含有し、又は反応性化合物に加えて、溶剤及び添加剤等を含有する。
グラファイトシートに反応性組成物を含浸させる。このために例えばグラファイトシートに反応性組成物を塗布し、又は反応性組成物にグラファイトシートを浸漬する。続いて、反応性組成物を必要により乾燥させてから、反応性組成物中の反応性化合物を反応させて硬化させる。これにより、反応性組成物の硬化物である樹脂材が作製され、グラファイトシートと樹脂材とを備えるグラファイト複合体1が得られる。
上述のとおり、グラファイト複合体1におけるグラファイトシートの空隙が、樹脂材全体のうちの少なくとも一部によって部分的に占められている。すなわち、グラファイト中の複数の空隙は、樹脂材が部分的に充填されている空隙(内部に樹脂材が充填されていない空間を有する空隙)と、樹脂材が全く充填されていない空隙とのうち、少なくとも一方を含む。グラファイト中の複数の空隙は、樹脂材が完全に充填されている空隙(内部に樹脂材が充填されていない空間を有さない空隙)を更に含んでもよい。
グラファイト複合体1におけるグラファイトの空隙が、樹脂材全体のうちの少なくとも一部によって部分的に占められていることで、グラファイト複合体1は空隙を有する。このため、グラファイト複合体1に圧縮圧力がかけられた場合にグラファイト複合体1が変形しやすい。グラファイトシート複合体の空隙率の測定方法は、後掲の実施例の欄で説明する。
グラファイト複合体1の空隙率は、上述のとおり、50体積%以上95体積%以下である。この空隙率が50体積%以上であることで、グラファイト複合体1が変形しやすい。この空隙率は60体積%以上であることがより好ましく、70体積%以上であることが更に好ましい。また、この空隙率が95体積%以下であることで、グラファイト複合体1の良好な熱伝導性が得られやすい。この空隙率は、90体積%以下であることがより好ましく、85体積%以下であることが更に好ましい。
上述のとおり、樹脂材の、グラファイトシートと樹脂材との合計に対する割合は、5質量%以上である。この割合は、10質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることが更に好ましい。この場合、グラファイト複合体1の熱伝導性が更に高まりやすい。樹脂材の、グラファイトシートと樹脂材との合計に対する割合が、85質量%以下であることも好ましい。この場合、グラファイトシートの空隙内の樹脂材の量が過剰に多くなりにくく、そのためグラファイト複合体1に圧縮圧力かけられた場合にグラファイト複合体1がより変形しやすい。この割合は、75質量%以下であればより好ましく、60質量%以下であれば更に好ましい。樹脂材の量は、グラファイト複合体1の空隙率が所望の値になるように調整されることが好ましい。
グラファイト複合体の、600kPaの圧力が加えられた場合の圧縮率は、70%以上であることが好ましい。この場合、グラファイト複合体1に圧縮圧力がかけられた場合にグラファイト複合体1がより変形しやすい。そのため、グラファイト複合体1を介した部材間の熱の伝達が、より促進されやすい。圧縮率は、80%以上であれば、より好ましい。また、この圧縮率は、例えば95%以下である。なお、圧縮率は、グラファイト複合体1の厚み方向において、600kPaの圧力が加えられた場合の、グラファイト複合体1の厚みの減少量の、圧力が加えられていない状態のグラファイト複合体1の厚みに対する百分比である。圧縮率の測定方法は、後掲の実施例の欄で説明する。この場合、グラファイト複合体1に圧縮圧力がかけられた場合にグラファイト複合体1がより変形しやすい。そのため、グラファイト複合体1を介した部材間の熱の伝達が、より促進されやすい。
グラファイトの空隙が樹脂材全体のうちの一部によって部分的に占められた上で、グラファイトの表面が樹脂材全体のうちの他の一部によって覆われていても良い。この場合、グラファイトの表面の一部のみが樹脂材で覆われていてもよいが、グラファイトの厚み方向の一方の面と他方の面との各々の全面が、樹脂材によって覆われていても良い。この場合、グラファイト複合体1を二つの部材間に介在させた場合に、グラファイト複合体1が各部材と密着しやすくなり、グラファイト複合体1と各部材との間に、隙間が生じにくい。そのためグラファイト複合体1を介した部材間の熱の伝導が、より促進されやすい。
本実施形態に係るグラファイト複合体1は、熱伝導性材料(Thermal Interface Material(TIM))として好ましく用いられる。熱伝導性材料とは、二つの部材の間に介在することで、部材間の熱の移動を媒介する材料である。上述のグラファイト複合体1の説明は、主としてグラファイト複合体1が熱伝導性材料として用いられることを前提とする。ただし、グラファイト複合体1の用途は、熱伝導性材料のみには制限されない。
グラファイト複合体1が熱伝導性材料である場合の、グラファイト複合体1を備える電子部品10について、図1を参照して説明する。
電子部品10は、発熱体2と、放熱体3と、本実施形態に係るグラファイト複合体1とを、備える。グラファイト複合体1は、発熱体2と放熱体3との間に介在している。
発熱体2は、熱を発する部材であり、例えば半導体部品である。半導体部品は、例えばトランジスタ、CPU(センタープロセッシングユニット)、MPU(マイクロプロセッシングユニット)、ドライバIC、又はメモリなどであるが、これらに制限されない。図1に示す発熱体2は、ヒートスプレッダ22と、ヒートスプレッダ22上に固定されたチップ部23とを備える。ヒートスプレッダ22は金属などから作製された板状の部材であり、チップ部23は例えば半導体パッケージである。チップ部23は、ヒートスプレッダ22の外縁部を除く部分の上に配置され、外縁部にはヒートスプレッダ22を貫通する複数のネジ孔21が形成されている。
放熱体3は、発熱体2が発した熱が伝達される部材である。放熱体3から熱が放出されうる。放熱体3は、例えばヒートシンクである。図1に示す放熱体3は、板状のヒートシンクであるが、放熱体3は更に放熱フィンを備えてもよい。放熱体3には、上述の発熱体2における複数のネジ孔21にそれぞれ対応する位置に、複数のネジ孔31が形成されている。
また、グラファイト複合体1の外縁部の、上述の発熱体2における複数のネジ孔21にそれぞれ対応する位置に、グラファイト複合体1を貫通する複数のネジ孔11が形成されている。
本実施形態では、グラファイト複合体1が、発熱体2と放熱体3との各々に直接接触している。具体的には、本実施形態では、発熱体2のヒートスプレッダ22と放熱体3とが対向し、かつ発熱体2と放熱体3との間にグラファイト複合体1が介在するようにして、発熱体2、グラファイト複合体1及び放熱体3が積層している。これにより、発熱体2とグラファイト複合体1との間の熱の移動、及び放熱体3とグラファイト複合体1との間の熱の移動が、促進される。
発熱体2のネジ孔21と、グラファイト複合体1のネジ孔11と、放熱体3のネジ孔31とのうち、少なくとも放熱体3のネジ孔31の内面には、雌ネジ溝が形成されている。発熱体2のネジ孔21の内面と、グラファイト複合体1のネジ孔11の内面との各々には、雌ネジ溝が形成されていてもよく、形成されていなくてもよい。
グラファイト複合体1は、発熱体2及び放熱体3から圧力がかけられている。具体的には、本実施形態では、発熱体2のネジ孔21と、グラファイト複合体1のネジ孔11と、放熱体3のネジ孔31とが位置合わせされている。この状態で、これらのネジ孔21、11、31にネジ4が、発熱体2のネジ孔21から順次通され、更にネジ4が締結されている。これにより、発熱体2、グラファイト複合体1及び放熱体3が相互に固定され、かつグラファイト複合体1に前述の圧力がかけられている。
本実施形態では、グラファイト複合体1にこのような圧力がかけられると、グラファイト複合体1が、その厚みが小さくなるように変形しやすい。このとき、発熱体2のグラファイト複合体1と接する面と、放熱体3のグラファイト複合体1と接する面との各々の形状がグラファイト複合体1の表面の形状と合致していなくても、グラファイト複合体1は、発熱体2と放熱体3との各々の形状に追随して変形しやすい。そのため、グラファイト複合体1が発熱体2及び放熱体3の各々と密着しやすく、これによりグラファイト複合体1を介した発熱体2から放熱体3への熱の伝導が促進されやすい。
本実施形態では、ネジ4を用いることでグラファイト複合体1に上述の圧力がかけられているが、グラファイト複合体1に圧力をかける方法は、これのみには限られない。例えばクランプを用いて発熱体2と放熱体3に相互に近づく方向に荷重をかけることで、発熱体2と放熱体3との間に介在するグラファイト複合体1に圧力をかけることができる。
1.熱伝導性材料の作製
各実施例及び比較例に係る熱伝導性材料を、次の方法で作製した。表1に示す空隙率及び厚みを有するグラファイトシートと、反応硬化性化合物である二液型のシリコーンゲル(旭化成ワッカーシリコーン株式会社製、品名WACKER SilGel 612)とを、用意した。グラファイトシートにシリコーンゲルを含浸させ、25℃で24時間放置することで、熱伝導性材料であるグラファイト複合体を作製した。グラファイト複合体の表面は樹脂材で覆われ、かつグラファイト複合体の空隙は樹脂材で部分的に占められていた。ただし、比較例1では、グラファイトシートを、そのまま熱伝導性材料とした。
各実施例及び比較例に係る熱伝導性材料を、次の方法で作製した。表1に示す空隙率及び厚みを有するグラファイトシートと、反応硬化性化合物である二液型のシリコーンゲル(旭化成ワッカーシリコーン株式会社製、品名WACKER SilGel 612)とを、用意した。グラファイトシートにシリコーンゲルを含浸させ、25℃で24時間放置することで、熱伝導性材料であるグラファイト複合体を作製した。グラファイト複合体の表面は樹脂材で覆われ、かつグラファイト複合体の空隙は樹脂材で部分的に占められていた。ただし、比較例1では、グラファイトシートを、そのまま熱伝導性材料とした。
なお、グラファイトシートの空隙率は、次の方法で求めた。グラファイトシートから30mm角のシートを切り出してその重量を測定した。また、このシートにおける任意の5点の厚みをマイクロメーターで測定し、その平均値から、シートの体積を算出した。シートの重量をシートの体積で割ることで、グラファイトシート密度ρを算出した。このグラファイトシート密度ρと、グラファイトの真比重の値2.2とから、グラファイトシートの空隙率εを、ε=1-(ρ/2.2)の式で算出した。
2.グラファイトシートの空隙に対する空隙内の樹脂材の体積比率
実施例1~6及び比較例2、3に係る各グラファイト複合体における、グラファイトシートの空隙に対する、この空隙内の樹脂材の体積比率を、次の方法で測定した。まず、グラファイト複合体の密度ρ'を、上記のグラファイトシートの密度ρの場合と同様の方法で算出した。グラファイト複合体1cm3中に含まれる樹脂材の重量W’を、W’= (ρ'-ρ)×1の式で算出した。続いて、樹脂の比重を1.0とみなし、グラファイト複合体1cm3中に含まれる樹脂材の体積V’を、V’=W’/1.0の式で算出した。また、上記のグラファイトシートの空隙率εから、グラファイトシート1cm3中の空隙の体積V’’を、V’’=ε×1の式で算出した。この結果から、グラファイトシートの空隙に対する空隙内の樹脂材の体積比率Aを、A=V’/V’’=(ρ'-ρ)/εの式で算出した。
実施例1~6及び比較例2、3に係る各グラファイト複合体における、グラファイトシートの空隙に対する、この空隙内の樹脂材の体積比率を、次の方法で測定した。まず、グラファイト複合体の密度ρ'を、上記のグラファイトシートの密度ρの場合と同様の方法で算出した。グラファイト複合体1cm3中に含まれる樹脂材の重量W’を、W’= (ρ'-ρ)×1の式で算出した。続いて、樹脂の比重を1.0とみなし、グラファイト複合体1cm3中に含まれる樹脂材の体積V’を、V’=W’/1.0の式で算出した。また、上記のグラファイトシートの空隙率εから、グラファイトシート1cm3中の空隙の体積V’’を、V’’=ε×1の式で算出した。この結果から、グラファイトシートの空隙に対する空隙内の樹脂材の体積比率Aを、A=V’/V’’=(ρ'-ρ)/εの式で算出した。
3.グラファイトシートと樹脂材との合計に対する樹脂材の質量比率
実施例1~6及び比較例2、3に係る各グラファイト複合体における、グラファイトシートと樹脂材との合計に対する樹脂材の質量比率Bを、上記のグラファイト複合体1cm3中に含まれる樹脂材の重量W’、グラファイトシート密度ρ及びグラファイト複合体の密度ρ'から、B=W’/(ρ'×1)=(ρ'-ρ)/ρ'の式で算出した。
実施例1~6及び比較例2、3に係る各グラファイト複合体における、グラファイトシートと樹脂材との合計に対する樹脂材の質量比率Bを、上記のグラファイト複合体1cm3中に含まれる樹脂材の重量W’、グラファイトシート密度ρ及びグラファイト複合体の密度ρ'から、B=W’/(ρ'×1)=(ρ'-ρ)/ρ'の式で算出した。
4.グラファイト複合体の空隙率
実施例1~6及び比較例2、3に係る各グラファイト複合体の空隙率ε’を、上記のグラファイトシート1cm3中の空隙の体積V’’、グラファイト複合体1cm3中に含まれる樹脂材の体積V’、グラファイトシートの空隙率ε、グラファイトシート密度ρ及びグラファイト複合体の密度ρ'から、ε’=V’’-V’=ε-(ρ’-ρ)の式で算出した。
実施例1~6及び比較例2、3に係る各グラファイト複合体の空隙率ε’を、上記のグラファイトシート1cm3中の空隙の体積V’’、グラファイト複合体1cm3中に含まれる樹脂材の体積V’、グラファイトシートの空隙率ε、グラファイトシート密度ρ及びグラファイト複合体の密度ρ'から、ε’=V’’-V’=ε-(ρ’-ρ)の式で算出した。
5.圧縮率
実施例1~6及び比較例1~3に係る各熱伝導性材料(グラファイト複合体又はグラファイトシート)の、600kPaの圧縮圧力が厚み方向に加えられた場合の、圧縮率を、ASTM D5470に準拠して測定した。圧縮率は、熱伝導性材料の初期厚みをT1、600kPaの圧縮圧力が加えられたときの熱伝導性材料の厚みをT2として、(1-T2/T1)×100(%)の式で算出される。
実施例1~6及び比較例1~3に係る各熱伝導性材料(グラファイト複合体又はグラファイトシート)の、600kPaの圧縮圧力が厚み方向に加えられた場合の、圧縮率を、ASTM D5470に準拠して測定した。圧縮率は、熱伝導性材料の初期厚みをT1、600kPaの圧縮圧力が加えられたときの熱伝導性材料の厚みをT2として、(1-T2/T1)×100(%)の式で算出される。
6.熱抵抗
実施例1~6及び比較例1~3に係る各熱伝導性材料(グラファイト複合体又はグラファイトシート)の、厚み方向の熱抵抗を、ASTM D5470に準拠して測定した。
実施例1~6及び比較例1~3に係る各熱伝導性材料(グラファイト複合体又はグラファイトシート)の、厚み方向の熱抵抗を、ASTM D5470に準拠して測定した。
上述の実施形態及び実施例から明らかなように、本開示の一態様に係るグラファイト複合体(1)は、内部に空隙を有するグラファイトシートと、樹脂材とを備える。空隙は、樹脂材全体のうちの少なくとも一部によって部分的に占められている。樹脂材の、グラファイトシートと樹脂材との合計に対する割合は、5質量%以上である。グラファイト複合体(1)の空隙率は、50体積%以上95体積%以下である。
第一の態様によると、グラファイトシートの空隙内の樹脂材によってグラファイト複合体(1)の熱抵抗が低減し、かつグラファイト複合体(1)に圧縮圧力かけられた場合にグラファイト複合体(1)が変形しやすいために、グラファイト複合体(1)が二つの部材の間に介在した場合に部材間の熱伝導が高まりやすい。
本開示の第二の態様では、第一の態様において、グラファイトシートの空隙率は、80体積%以上である。
第二の態様によると、グラファイト複合体(1)に圧縮圧力かけられた場合にグラファイト複合体(1)がより変形しやすい。
本開示の第三の態様では、第一又は第二の態様において、樹脂材の、グラファイトシートと樹脂材との合計に対する割合は、85質量%以下である。
第三の態様によると、グラファイトシートの空隙内の樹脂材の量が過剰に多くなりにくく、そのためグラファイト複合体(1)に圧縮圧力かけられた場合にグラファイト複合体(1)がより変形しやすい。
本開示の第四の態様では、第一から第三のいずれか一の態様において、グラファイト複合体(1)の厚み方向において、600kPaの圧力が加えられた場合の、前記グラファイト複合体(1)の圧縮率は、70%以上である。
第四の態様によれば、グラファイト複合体(1)に圧縮圧力かけられた場合にグラファイト複合体(1)がより変形しやすい。
本開示の第五の態様では、第一から第四のいずれか一の態様において、樹脂材は、ゲル状の高分子を含有する。
第五の態様によれば、グラファイト複合体(1)に圧縮圧力かけられた場合にグラファイト複合体(1)がより変形しやすく、かつ破損しにくい。
本開示の第六の態様では、第一から第五のいずれか一の態様において、グラファイト複合体(1)は、熱伝導性材料である。
第六の態様によると、グラファイト複合体(1)が二つの部材の間に介在した場合に部材間の熱伝導が高まりやすい。
本開示の第七の態様に係る電子部品(10)は、発熱体(2)と、放熱体(3)と、発熱体(2)と放熱体(3)との間に介在する第一から第六のいずれか一の態様に係るグラファイト複合体(1)とを備える。
第七の態様によると、発熱体(2)が発した熱が、グラファイト複合体(1)を介して放熱体(3)へ効率良く伝達されやすい。
本開示の第八の態様では、第七の態様において、グラファイト複合体(1)は、発熱体(2)と放熱体(3)との各々に直接接触している。
第八の態様では、発熱体(2)が発した熱が、グラファイト複合体(1)を介して放熱体(3)へより効率良く伝達されやすい。
本開示の第九の態様では、第七又は第八の態様において、グラファイト複合体(1)は、発熱体(2)及び放熱体(3)から圧力がかけられている。
第九の態様では、発熱体(2)が発した熱が、グラファイト複合体(1)を介して放熱体(3)へより効率良く伝達されやすい。
本開示の第十の態様では、第七から第九のいずれか一の態様において、発熱体(2)は半導体部品であり、放熱体(3)はヒートシンクである。
第十の態様では、半導体部品が発した熱が、グラファイト複合体(1)を介してヒートシンクへより効率良く伝達されやすい。
1 グラファイト複合体
2 発熱体
3 放熱体
10 電子部品
2 発熱体
3 放熱体
10 電子部品
Claims (10)
- 内部に空隙を有するグラファイトシートと、樹脂材とを備える、グラファイト複合体であり、
前記空隙は、前記樹脂材全体のうちの少なくとも一部によって部分的に占められ、
前記樹脂材の、前記グラファイトシートと前記樹脂材との合計に対する割合は、5質量%以上であり、
前記グラファイト複合体の空隙率は、50体積%以上95体積%以下である、
グラファイト複合体。 - 前記グラファイトシートの空隙率は、80体積%以上である、
請求項1に記載のグラファイト複合体。 - 前記樹脂材の、前記グラファイトシートと前記樹脂材との合計に対する割合は、85質量%以下である、
請求項1又は2に記載のグラファイト複合体。 - 前記グラファイト複合体の厚み方向において、600kPaの圧力が加えられた場合の、前記グラファイト複合体の圧縮率は、70%以上である、
請求項1から3のいずれか一項に記載のグラファイト複合体。 - 前記樹脂材は、ゲル状の高分子を含有する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のグラファイト複合体。 - 熱伝導性材料である、
請求項1から5のいずれか一項に記載のグラファイト複合体。 - 発熱体と、放熱体と、前記発熱体と前記放熱体との間に介在する請求項1から6のいずれか一項に記載のグラファイト複合体とを備える、
電子部品。 - 前記グラファイト複合体は、前記発熱体と前記放熱体との各々に直接接触している、
請求項7に記載の電子部品。 - 前記グラファイト複合体は、前記発熱体及び前記放熱体から圧力がかけられている、
請求項7又は8に記載の電子部品。 - 前記発熱体は半導体部品であり、前記放熱体はヒートシンクである、
請求項7から9のいずれか一項に記載の電子部品。
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