JP6349543B2 - 冷却構造体および冷却構造体の製造方法 - Google Patents

冷却構造体および冷却構造体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、発熱体の表面に、放熱用樹脂組成物を設けた冷却構造体に関する。
近年のスマートホンやタブレット端末に代表される携帯型電子モバイル機器は、CPUの高速化に伴い発熱し易くなっている。発熱する電子機器の冷却には、通常、ファンを廻して風を送り、ヒートシンクから熱を対流によって放出することで、冷却する方法が取られている。
その場合は、発熱デバイスとヒートシンクを繋ぐ部分には熱伝導性の良いシリコーングリースなどが用いられている。しかしながら、小型軽量で薄型のスマートホンやタブレット端末では、その薄型軽量という構造と機能のため、ファンやヒートシンクを設置することは難しいため、放熱が大きな問題として、近年、クローズアップされてきている。
特許第4514058号公報
発熱する電子機器の昇温防止対策としては、発熱体の熱を熱伝導性の良い材料、たとえば、熱伝導性シリコーングリースなどを介して、その熱をヒートシンクや、水冷ジャケットに伝えて、冷却するというのが一般的である。しかしながら、ヒートシンクで空冷する場合は、風を送り込むファンが必要である。また、そのファンを廻す動力も必要となる。また、水冷ジャケットを使う場合は、装置的にも大掛かりとなる。結果、軽薄短小及びコストダウンの時流にそぐわない傾向にあった。
上記課題を解決するため、発熱体表面に第1ペーストを塗布して形成された熱伝導層と、熱伝導層の表面に第2ペーストを塗布して形成された熱放射層と、からなる冷却構造体であり、熱伝導層は、第1樹脂と第1フィラーを含み、熱伝導層の熱伝導率λが1.0W/(m・K)以上あり、熱放射層は、第2樹脂と第2フィラーを含み、熱放射層の赤外線放射率εが0.7以上である冷却構造体を用いる。
以上のように、本発明の放熱特性を有するコーティング構造体によれば、発熱体の熱を高熱伝導性のフィラーを含む樹脂層に効率よく伝えて、空気と接する高熱放射性の表面層まで効率よく導き、さらに、表面層の遠赤外線の放射率の高いフィラーを含む樹脂層を通して、熱を効率よく遠赤外線に変換し、空気中に放射することで、発熱体の熱を減らして、デバイスの温度上昇を抑制することが可能となる。この手法では、ファンやヒートシンクを設置することなく、優れた昇温抑制効果が得られた。
また、ペースト塗布した樹脂硬化物は、発熱体からの熱を伝える金属との接着力が高く、基板と樹脂との界面の剥離が起こり難いため、熱が安定して伝わる。また、遠赤外線放射層の樹脂硬化物は、機械的強度が強いため、外部からの引っ掻き等への物理的刺激への耐性が強い。
特にペーストの2層構造であるので、どのような形状の発熱体にも、しっかりと接着できる。硬度の高い樹脂を使用している。発熱体の1部分となる。
実施の形態のコーティング構造体例の断面図 比較例1の形態におけるコーティング構造体例の断面図 実施例11の形態におけるコーティング構造体例の断面図 実施例5〜6の形態におけるコーティング構造体例の断面図 樹脂組成物の電池パックへの応用を示す図 樹脂組成物の半導体パッケージへの応用を示す図 樹脂組成物の携帯機器への応用を示す図 樹脂組成物の液晶デイスプレイへの応用を示す図 樹脂組成物の太陽電池への応用を示す断面斜視図 放射率測定の結果のグラフ
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態における樹脂組成物の断面図である。樹脂組成物40は、熱伝導層17と熱放射層18とからなる。樹脂組成物40上に基板12と発熱体11と熱電対16とが配置されている。
発熱体11は、電子部品などで、熱を発生するものである。基板12は、金属基板などである。熱電対16は、構成要素でなく、この樹脂組成物40を評価するために使用するものである。基板12の発熱体11が配置されて面と異なる面に、熱伝導層17、熱放射層18が積層されている。
<熱伝導層17>
熱伝導層17は、発熱体11から基板12を伝わってくる熱を効率よく、熱放射層18に導くものである。熱伝導率がよいフィラーである熱伝導性フィラー13を内部に含む。
<熱伝導性フィラー13>
熱伝導性フィラー13は、銀、銅、グラファイト、炭化珪素、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化珪素、窒化アルミニウムなどの粒子である。特に、酸化アルミニウム(アルミナ)は、熱伝導率が32W/m・Kと大きいため、熱伝導層17中にアルミナを40〜95vol%添加すると優れた熱伝導性を発揮する。具体的には、アルミナ90wt%(73vol%)添加した場合、熱伝導層17の熱伝導率を3〜5W/m・K付近まで上げることが出来る。
<熱放射層18>
熱放射層18は、熱伝導層17から伝わってきた熱を効率よく遠赤外線に変換し、外部の空気中に放射することで発熱体11の熱エネルギーを低減し、昇温を抑制することが出来る。赤外線放射率が高い熱放射性フィラー15を含む。
<熱放射性フィラー15>
熱放射性フィラー15は、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄などのセラミック、および、コランダム、コージェライト、ハイドロタルサイト、フォルステライト、ステアタイト、カオリン、ムライトなどの天然および人工鉱物などが好ましい。遠赤外線放射率εは、最大である黒体が1.0であり、酸化物で0.7以上であり、0.7以上あればその放熱の効果がでる。
<メカニズム>
発熱体11の熱が、基板12を経由し、熱伝導層17へ伝達され、熱放射層18から放熱される。この構造により、ファンやヒートシンクを設置することなく、優れた昇温抑制効果が得られる。なお、遠赤外線放射による放熱は、熱放射層18の温度と空気中の温度差が、以下の式1の場合よい。
熱放射層18の表面温度>空気中の温度・・・・(式1)
温度差が、大きいほど、遠赤外線の放射量は大きくなる。逆に、空気中の温度の方が高ければ、吸熱になる。
なお、熱伝導層17と熱放射層18の配置の順番が、逆になると、昇温抑制の効果は得られない。理由は、発熱体11からの熱は、基板12を伝わってくるが、その基板12の面に、熱放射層18がある場合、そこから発生した遠赤外線は、その外側にある熱伝導層17で遮蔽されてしまい、外部に放出されない。そのため発熱体の温度上昇抑制の効果は得られない。
また、熱伝導層17の厚みは、均一でも良いが、熱拡散量は、熱伝導層17の厚みに依存するため、発熱体11の近くは厚く、周辺部は薄くなるのが好ましい。厚み勾配をつけることで、発熱体11の熱を塗布エリア全体に効率よく拡散させることが出来る。熱放射層18の厚みは、厚みが大きくなると、遠赤外線の放出が遮られるため、薄く均一な塗布が好ましい。
<製法>
熱伝導層17は、熱伝導層ペーストから作製される。熱放射層18は、熱放射層ペーストから作製される。熱伝導層ペーストおよび熱放射層ペーストを塗布し、硬化すると、それぞれ、熱伝導層17、熱放射層18になる。各ペーストは、高い接着性と物理的剛性を有している。発熱体11からの熱は、基板12を通って、効率よく熱伝導層17に伝わる必要がある。しかし、熱伝導層17の接着性、剛性が弱いと、熱が効率よく伝わらない。
そのため、熱伝導層ペーストは、高い接着力を有する樹脂であることが、必要となる。熱伝導層ペーストのバインダーとして用いる樹脂は、接着性の高い樹脂、例えば、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、シアネート樹脂、レゾール樹脂、アクリル樹脂などから選ばれる一種類または複数が望ましい。
特に、液状エポキシ樹脂とイミダゾール硬化系は、基板12である金属基板との優れた密着性を優れているため、より好ましい。尚、熱放射層ペーストは、その液状ペーストを印刷等で基板に塗布した後、熱硬化するため、バインダー樹脂の硬化反応で高い接着性を発揮する。また、熱放射層ペーストも塗布した後、再度、熱硬化させるため、熱伝導層ペーストと同様の高い密着力を保持することが出来る。
また、熱放射層ペーストは、最外層の熱放射層18を形成するため、外部からの機械的刺激(突く、削る、裂く等)が及ぶことが多くなる。そのため、熱放射層ペーストに用いる樹脂が、ゴムのような柔らかい場合は、薄い膜が壊れる等の問題が発生する。
そのため、熱放射層ペーストに用いる樹脂は、強固な硬化物であることが望ましい。そこで、熱放射層ペーストに用いる樹脂は、剛性の高い樹脂、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、シアネート樹脂、レゾール樹脂、などから選ばれる一種類または複数が望ましい。特に、液状エポキシ樹脂とイミダゾール硬化系は、薄い膜状の硬化物でも、高い剛性を有しているため、より好ましい。
(比較例)
図2に、比較例を示す。熱伝導性フィラー13と熱放射性フィラー15が混在した樹脂組成物41の構造体の断面図である。樹脂組成物41では、熱伝導性フィラー13と熱放射性フィラー15とが混合させているので、熱が伝達されにくい。かつ、熱放射性フィラー15の位置として内部のものもあり、熱放射もされにくい。
このため、発熱体11の温度上昇抑制の効果は小さい。この構造は、あとで説明する比較例で用いる構造である。
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2の構造を示す。樹脂組成物42は、1層であるが、その中で、基板12に接する部分は、熱伝導性フィラー13の比率が高く、また、裏面表面に近い部分は、熱放射性フィラー15の比率が高く、その間は、傾斜して次第にそれぞれのフィラーの比率が入れ替わるようなフィラー構成となっている構造である。
上記のようにシートで作製するものでなく、ペーストで作製するもので、フィラー濃度が傾斜して変化している。このため、熱伝導性、熱放射性が効率よく発揮できる。
この場合は、図1で示した構造に近い。そのため、効率よく温度上昇の抑制を行うことが可能である。このようなフィラーの種類の傾斜分布をとる構造を作りこむプロセスは、どんな工法でもよく、特に限定しないが、高熱伝導樹脂ペーストを塗布後、硬化せずに高熱放射性樹脂ペーストを塗布し、界面でペーストを交じり合わせるなどの方法が提案出来る。
(実施の形態3)
図4は、実施の形態3の構造を示す。図1の構造に加えて、更に、中間層22を加えた多層構造になったものである。3層としたが、更に新たな中間層22を加えても良い。中間層22は、銀、銅などの導電性粒子や、グラファイト粉末などの導電性粒子を含むことができる。高い熱伝導率と高熱放射性を併せ持つフィラーを含有する樹脂ペーストを間に挟みこむことで、全体としては、絶縁性を確保しながら、熱伝導と熱放射の効率を上げることが可能となる。
また、MgOのような耐湿性に課題があるフィラーを中間層22として挟み込むことで、耐湿信頼性を上げることが出来て、使用可能とすることもできる。
中間層22としては、熱伝導層17と熱放射層18との混合物を用いることができる。特性がそれぞれの中間に当たり、接着性も同じ材料からなりよい。特に、熱伝導層17と熱放射層18との特性が連続的変化でよい。
実施の形態1から3に示す構成において、熱伝導層17は、熱伝導率λが1.0W/(m・K)以上あることが望ましい。更に、望ましくは、2.0W/(m・K)以上が好ましい。1.0W/(m・K)より小さいと、基板12からの熱を熱放射層まで伝えることが出来ないため、温度上昇抑制効果が期待できなくなる。
<熱伝導層17>
熱伝導層17の熱伝導率λが1.0W/(m・K)以上を有するためには、その層に含まれる熱伝導性フィラー13としては、銀、銅、グラファイト、炭化珪素、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化珪素、窒化アルミニウムなどが好ましい。特に、酸化アルミニウム(アルミナ)は、熱伝導率も32W/m・Kと大きいため、熱伝導層17中にアルミナを40〜95vol%添加すると優れた熱伝導性を発揮する。具体的には、アルミナ90wt%(73vol%)添加した場合、コーティング材の熱伝導率を3〜5W/m・K付近まで上げることが出来る。
<熱放射層18>
熱放射層18の赤外線放射率εが0.7以上必要である。そのためには、その層に含まれる熱放射性フィラー15としては、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄などのセラミック、およびコランダム、コージェライト、ハイドロタルサイト、フォルステライト、ステアタイト、カオリン、ムライトなどの天然および人工鉱物などが好ましい。
遠赤外線放射率εは、最大である黒体が1.0であり、酸化物で0.7以上であり、0.7以上あればその放熱の効果がでる。
特に、人工鉱物であるコージェライト(2MgO・2Al2O3・5SiO2))は、単体の放射率が0.90〜0.97(波長6μm)と大きいため、熱放射性コーティング材中に、コージェライトを30〜70vol%添加すると優れた熱放射性を発揮する。具体的には、コージェライト83.5wt%(70vol%)添加した場合、放熱樹脂ペーストの熱放射率を0.95まで上げることが出来る。
<応用例1>
図5以降は、本願発明の樹脂組成物40、42の適用用途の例を示す。図5は、熱可塑性フィルムで多層被服されたアルミニウム薄膜シートでラミネート包装されたリチウムイオン電池、コンデンサー等の発熱デバイス23である。その表面に、樹脂組成物40を形成する構造をとる発熱デバイス装置の外観を示している。
リチウムイオン電池、コンデンサー等は、駆動することで内部発熱をするが、その温度が上昇すると機能が低下する傾向がある。そのため機能を保持するために、温度上昇の抑制は、非常に重要となる。また、これらの発熱デバイス23は、携帯電話等の小型のモバイルに用いられる場合も多く、放熱用のヒートシンクなどを用いると嵩高くなり、重量も重くなるため、有効な放熱方法を求められている。
そこで、樹脂組成物40を用いると、熱放射で温度上昇を抑制することが可能となるため、ヒートシンクの小型化、もしくはヒートシンクレスも可能となるため、非常に有効な手段になり得る。
<応用例2>
図6は、樹脂組成物40を塗布したヒートシンク25を用いて、半導体素子26の放熱を行っている様子と示している。ヒートシンク25は、熱をその表面で対流させ、空気中に逃がすこと冷却する部品である。その表面に熱放射性の優れた樹脂組成物40を塗布すると、対流と放射の二つの方法で温度上昇を抑えることが出来るため、より効果的な手法となりうる。それによって、ヒートシンクは、小型化が可能となるため、重量・嵩的に有効で、さらにコストダウンにも貢献できる。
<応用例3>
図7は、半導体素子からの発熱により内部温度が上昇するパソコン、タブレット、および携帯電話などモバイル機器である。筐体27の内部の発熱体11で発生した熱を筐体27の内部の基板12からの熱伝導を通して、外部に導き冷却する構造である。
基板12の外表面に、樹脂組成物40を形成する構造を示す。モバイル機器は、小型・軽量化が必要なため、ヒートシンクやファンを設置するスペースが取りづらいが、図7に示すような遠赤外線放射による放熱手法をとることで、小型・軽量化と温度上昇抑制の両立が可能となる。
<応用例4>
図8は、液晶ディスプレイ28の構成図を示している。表側から、液晶パネル、偏向版、ガラス基板、カラーフィルター、液晶、ガラス基板、バックライト29の順で構成されているが、バックライト29は、高輝度のLEDランプが用いられている。
最近の液晶ディスプレイ28の大型化や高輝度化により、バックライト29も高出力となってきているため、発熱量も大きくなってきており、効果的な放熱方法が求められてきている。通常、ヒートシンクにて放熱する方法がとられているが、コストダウン等のニーズもあり、樹脂組成物40をバックライト29裏面に設置することで、効率よく放熱することが可能となる。
<応用例5>
図9は、太陽電池モジュール30の断面図を示す。通常、太陽電池モジュール30は、セルをEVAなどの充填材で封止しているが、屋根の上などに搭載した場合、夏場の日差しによって、太陽電池モジュールの温度が上がってしまい、発電効率が落ちてしまうという状況となっている。それで、太陽電池モジュール30の裏面のバッシートに、樹脂組成物40を塗布することで、内部の熱を放射させて、温度の上昇を抑制するということが可能となり、発電効率の低下を防止することが可能となる。
<実施例>
次に、本発明に係るコーティング構造体について、実施例を挙げて具体的に説明する。但し、本発明は、下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施することができるものである。
(実施例)
表1に、以下の実施例および比較例で使用した熱伝導層ペースト、中間層ペースト、混合ペースト、熱放射層ペースト、柔軟ペーストを示す。バインダー樹脂として、エポキシ樹脂と、硬化剤を用いている。ただし、柔軟ペーストのみエポキシ樹脂と硬化剤でなく、シリコーン樹脂を用いている。
Figure 0006349543
※1 エポキシ樹脂: 液状ビスフェノールFタイプエポキシ、YDF8170 (新日鉄住金化学製、エポキシ当量160)、
※2 (エポキシ)硬化剤:イミダゾール2P4MHZ(2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール)、四国化成製を用いた。また、無機フィラーは、下記にしめす各種を用いた。これらを表1に記載の比率で秤量し、プラネタリーミキサーを用いて混練し、樹脂ペーストを12種類を作成した。
※3 シリコーン樹脂:付加反応型シリコーン YE5818 (モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製)、このシリコーン樹脂を用いて、また、無機フィラーは、下記にしめす各種を用いた。これらを表1に記載の比率で秤量し、プラネタリーミキサーを用いて混練し、樹脂ペースト2種類(柔軟ペーストA、B)を作成した。
※4: SiC 太平洋ランダム社製 500H2(平均粒径26μm)
※5: アルミナ(酸化アルミニウム) デンカ社製 DAW07(平均粒径8μm)
※6: グラファイト パナソニック社製(平均粒径20μm)
※7: MgO 神島化学社製 SL−WR(平均粒径10μm)
※8: コージェライト 2MgO・2Al2O3・5SiO2、丸ス釉薬社製 SS100(平均粒径18μm)
※9: フォルステライト 2MgO・SiO2 丸ス釉薬社製 FF200(平均粒径3μm)
※10: ステアタイト MgO・SiO2 丸ス釉薬社製 SB12S(平均粒径8μm)
続いて、これらのペーストを用いて、表2に示す条件で、樹脂組成物の試料を作成した。
表2では、構造は図番号で示している。また、使用したペースト、および、評価結果の温度差を示している。
Figure 0006349543
(実施例1)
図1の樹脂組成物40を作製する例を示す。40x100x1mm厚みのアルミニウム基板を用意した。次に、表2に示している実施例1の条件に従い、発熱体11を搭載した基板12の裏面側に、熱伝導層ペーストAを、メタルマスクを用いて塗布する。
塗布厚みは、200μmの厚みで塗布した。それを120℃10分で仮硬化した。更に、冷却後、熱放射層ペーストCをメタルマスクを用いて、100μm厚みで塗布し、それを120℃30分で熱硬化し、実施例1の樹脂組成物40を作成した。また、熱放射層18の厚みは、厚みが大きくなると、遠赤外線の放出が遮られるため、薄く均一な塗布が好ましい。
120℃10分の仮硬化の段階では、まだ熱伝導層ペースト中の樹脂の硬化は完全には終わっておらず、まだ樹脂中に反応基が残っているため、熱放射層ペーストとの反応が進むため、二種類の樹脂ペーストでの境界が出来ず、強固な接続が可能となる。
尚、新たな発見として、120℃10分の硬化の際、熱伝導層ペースト中の充填材は、加熱で樹脂粘度が下がった時に、下(基板側)方向に沈むことを発見した。断面を見ると、大きい充填材粒子がよく下の方に沈んでいて、これによって更に、熱伝導を促進する効果が得られていることが分かった。
この樹脂組成物40の裏面、中央部に、10x10mmのセラミックヒーター(発熱体11)をシリコーン放熱グリース(G777 信越シリコーン)を用いて搭載した。また、端部にクロメルアンメルの熱電対16を耐熱テープで固定した。
(実施例2〜4)
実施例2、3、4に係る樹脂組成物40の作製は、実施例1と同じ工程にて、表2に示すペーストを用いた。
(実施例5〜6)
実施例5、6では、図4に示す構造の樹脂組成物40を作成した。実施例5は、まず基板12全面に、熱伝導層17のペーストとして、熱伝導層ペーストDをメタルマスクを用いて100μm厚みで塗布し、それを120℃10分で仮硬化した。冷却後、中間層22として、中間層ペーストAをメタルマスクを用いて100μm厚みで塗布し、それを120℃10分で熱硬化した。冷却後、熱放射層18として、熱放射層ペーストCをメタルマスクを用いて100μm厚みで塗布し、それを120℃30分で熱硬化し、3層構造の実施例5に示す放熱性評価用素子を作成した。実施例6の放熱性評価用素子の作成も同様に、表2に示すペーストを用いて、図4の構造の放熱性評価用素子を作成した。
(実施例7〜10)
実施例1と同様の工程で、表2に示す樹脂ペーストを、熱伝導層17、熱放射層18と塗布・硬化を繰り返して、放熱性評価用素子を作成した。
(実施例11)
実施例11に係るコーティング構造体の作製は、図3に示す構造の放熱性評価用素子を作成した。まず基板全面に、熱伝導層17のペーストとして、熱伝導層ペーストAをメタルマスクを用いて100μm厚みで塗布し、硬化なしのままさらに、熱放射層18として、熱放射層ペーストAをメタルマスクを用いて100μm厚みで塗布した。それを120℃30分で熱硬化して、実施例11の放熱性評価用素子を作成した。実施例11の作成に用いた熱伝導層ペーストAと熱放射層ペーストAは、フィラー比率が低く低粘度で動き易く、しかも、未硬化のまま熱放射層18目の樹脂ペーストを塗ったので、その2つの樹脂ペーストの界面は自然に混じりあい、図3に示すような交じり合いの構造を形成することが出来る。
(比較例1)
比較例1では、図1において、樹脂組成物40を無くし、ヒーターと熱電対のみを取り付けて作成した。
(比較例2)
比較例2に係る樹脂組成物40の作製は、図2の構造において、基板全面に、表1の混合ペーストをメタルマスクを用いて、200μm厚みで塗布し、120℃30分で熱硬化して、比較例2の放熱性評価用素子を作成した。
(比較例3)
比較例3に係る樹脂組成物40の作製は、図1の構造において、基板全面に、表1の柔軟ペーストA,Bをメタルマスクを用いて、200μm厚みで塗布し、120℃30分で熱硬化して、比較例3の放熱性評価用素子を作成した。
<ペーストの評価方法>
表1に示す樹脂ペーストの14種類について、熱伝導率と放射率の測定を行った。
(1)熱伝導率
ペーストを離型フィルムの上に、メタルマスクを用いて200μm厚みで印刷し、120℃30分で熱硬化して、放熱性樹脂シートを作成した。それを10x10x0.5mmサイズでカットし、定常法(⇒発熱体とヒーシンクの間にテストピースをセットし、昇温時の温度差から熱伝導率を換算する)で測定する。
(2)放射率
(1)の工程で作成した放熱性樹脂シートを25mm□にカットし、同サイズの銅板に貼り付ける。このサンプルをFT−IR測定装置(IRPrestige−21、島津製作所)にセットし、サンプルの温度を120℃に昇温した後、黒体炉方式にて放射率を測定した。結果を図10に示す。
遠赤外線領域の波長6μmでの値を、その値を放射率と定義した。なお、波長6μm以上でもほぼ一定の値になっている。
<樹脂組成物40の評価方法>
表2の実施例及び比較例のサンプルについて、評価を行った。それぞれの評価方法は下記の通りである。
(1)昇温抑制温度(ΔT)
図1から図4に示すように樹脂組成物40をセットした。40x100x1mmのアルミニウム基板を用いた。10x10mmのセラミックヒーター(発熱体11)をシリコーン放熱グリース(G777 信越シリコーン)を用いて搭載した。また、その反対の端部に、クロメルアンメル熱電対16(図1−4)を耐熱テープにて固定した。この測定基板を20℃に保った恒温槽にセットし、無風状態で、セラミックヒーターに電流を流す。電圧を上げていき、ヒーター温度が120℃に達した時の熱電対の温度を測定し、以下、式1とした。
ΔT=〔120℃−熱電対の温度〕・・・(式1)
実施例1に示すように、熱伝導層17にアルミナ(酸化アルミニウム)を40vol%含む熱伝導層ペーストAを用い、熱放射層18にコージェライトを50vol%含む熱放射層ペーストCを用いると、120℃での昇温抑制温度(ΔT)は、21℃となり、また、比較例1の樹脂ペーストなし(ブランク)では、同条件での昇温抑制温度(ΔT)は、5℃しかないことから、この2つの結果を比較すると、樹脂ペーストの温度差ΔT=16℃である。昇温抑制率は、この値を120℃で割った割合である。実施例1の場合、16÷120×100=17.5%である。
ここで、昇温抑制率が、10%より少ないものを×、10%以上を△、20%以上を○、30%以上を◎と判定した。昇温抑制率は、より大きいほうが好ましいが、10%以上を合格範囲とした。また使う用途にもよるが、昇温抑制率が、10%より小さい場合は、ペースト塗布等のコストを考慮すると、有効な手段とはいえない。
なお、この測定では、対流(⇒固体と気体との熱伝達)は、無視できる条件での測定のため、ヒーター(発熱体11)の熱は、基板12から熱伝導にて、樹脂組成物40に伝わり、基板12の界面から樹脂組成物40に効率よく熱伝導し、樹脂組成物40の表面から熱放射によって、外部に遠赤外線の形でエネルギーが出されて放熱されたため、基板12の端部の温度が下がったものと推測される。
(2)耐傷性(スクラッチ性)
樹脂組成物40について、JISK5600−5−4 引っかき硬度(鉛筆法)に沿って評価した。柔らかい〜硬い鉛筆の硬度によって、〔B以下〕⇒×柔らかい、〔HB〕⇒△やや柔らかい、〔F〕⇒○やや硬い、〔H以上〕⇒◎硬いという基準で判定した。
部品の組み立て、実装、部品の運搬などから、少なくともHB以上必要である。それ以下になると欠けなどが発生する。
<総合判定>
ΔTの昇温抑制率と耐傷性で判定し、どちらかに一つでも×がある⇒×、×なしでどちらかに一つでも△がある⇒△、どちらも○⇒○、×・△なしでどちらかに◎がある⇒◎とした。
両方の特性が、同じレベル必要であるため、上記のように判定した。
<考察>
実施例2〜3に示すように、熱伝導層17に使うアルミナ(酸化アルミニウム)入り樹脂ペーストのアルミナ比率の高い方が、放熱性が良いことが判明した。
実施例4に示すように、熱伝導層17に使うペーストのフィラーに、熱伝導率の高いSiCを用いると、放熱性が良いことが判明した。
実施例5〜6に示すように、3層構造とし、中間層22に熱伝導性と熱放射率の高いグラファイトやMgOを用いても、放熱性が良いことが判明した。
実施例7〜8に示すように、熱放射層18に熱放射性の高いコージェライトを用いる場合、その含有比率が高い方が、放熱性が良いことが判明した。
実施例9〜10に示すように、熱放射層18に用いるフィラーとして、放射率の高いフォルステライトやステアタイトを用いても、放熱性が良いことが判明した。
実施例11からわかるように、熱伝導層17と熱放射層18の樹脂ペースト境界が交じり合う構造で、熱伝導性フィラー13と、熱放射性フィラー15とが、界面で交じり合っても、放熱性は良いことが判明した。
比較例1から、樹脂層がないと、まったく特性がでないことがわかった。
比較例2から、樹脂組成物40全体に、熱伝導性フィラー13と、熱放射性フィラー15が、均一に分散している場合には、温度低減効果は小さいことが判明した。
比較例3から、シリコーン樹脂という柔らかい樹脂を2層としたため、耐傷性に問題があった。
熱伝導率λは、熱伝導層ペーストA、柔軟ペーストBと、他のペーストとの比較から、1.3W/(m・k)以上、好ましくは、2.5W/(m・k)以上が好ましい。
遠赤外線放射率εは、熱放射層ペーストA〜Dと混合ペーストとの比較から、0.7以上であれば、熱放射層18のペーストとして利用できる。
<熱伝導性フィラー13>
熱伝導率λを上げるには、熱伝導性フィラー13のアルミナ(酸化アルミニウム)を高充填する必要があるが、1W/m・K以上にするには、32W/m・Kのアルミナであれば、実施例1〜3で使用した熱伝導層ペーストA〜Cの組成(表1)から40vol%(68.8wt%)は必要である。
それ以上含めば、熱伝導率は高くなるが、熱伝導層ペースト中のフィラー比率が高くなり、熱伝導体層形成ペーストの粘度が高くなり、取り扱い性が悪くなる。熱伝導体層ペーストに用いる樹脂を粘度の低いものを用いることや、希釈材や溶剤を使うことで粘度上昇を抑制することが出来る。
しかし、それでも最大で95vol%が限度である。このため、熱伝導体層ペースト中にアルミナ(酸化アルミニウム)を40〜95vol%とした。より好ましくは、40〜70vol%である。
<熱放射性フィラー15>
赤外線放射率εを上げるにも、赤外線放射率の高い熱放射性フィラー15を赤外線放射ペースト中に含む必要がある。赤外線放射率は樹脂自身の放射率が0.5くらいはあるので、熱伝導率ほど高く入れる必要はない。フィラーの種類にも依存するが、放射率εが0.85以上とするためには、実施例1〜11で使用した熱放射層ペーストA〜Eの組成(表1)から30vol%(48.1wt%)以上は必要である。また、フィラー比率を上げると、熱伝導率の場合と同様に、ペースト粘度が上がってしまうので、30〜95vol%以下の必要がある。より好ましくは、40〜70vol%である。
なお、上記実施例では、熱伝導層17は、均質な膜厚であったが、厚みを変化させてもよい。塗布厚みは、発熱体11に近い部分(発熱体11下部)は、200μmの厚みで塗布し、周辺部に行くに伴い段階的に薄くして最端は、100μm厚となるように塗布するとより好ましい。熱拡散量は、熱伝導層17の厚みに存するため、発熱体11の近くは厚く、周辺部は薄くなるのが好ましい。厚み勾配をつけることで、発熱体11の熱を塗布エリア全体に効率よく拡散させることが出来る。
本発明の発熱体からの熱を伝える基板の近い部分に熱伝導率λが1.0W/(m・K)以上ある層と、表面に近い部分に赤外線放射率εが0.7以上ある層を持つコーティング構造体を形成することで、発熱体のエネルギーを効率的に低減し、温度上昇を抑制することが出来て、電子機器の小型化、軽量化に貢献することができる。
11 発熱体
12 基板
13 熱伝導性フィラー
15 熱放射性フィラー
16 熱電対
17 熱伝導層
18 熱放射層
22 中間層
23 発熱デバイス(電池パック)
25 ヒートシンク
26 半導体素子
27 筐体
28 液晶ディスプレイ
29 バックライト
30 太陽電池モジュール
40、41、42 樹脂組成物


Claims (9)

  1. 発熱体の表面に、界面を有さない一層の熱伝導熱放射層があり、
    前記熱伝導熱放射層の前記発熱体の表面側は、前記熱伝導熱放射層の内部より、熱導性の第1フィラーが多く位置し、前記内部に行くにしたがい、その濃度が傾斜減少し、
    前記熱伝導熱放射層の前記発熱体の表面側と反対面には、前記熱伝導熱放射層の内部より、熱放射性の第2フィラーが多く位置し、前記内部に行くにしたがい、その濃度が傾斜減少する冷却構造体。
  2. 前記熱伝導熱放射層は、液状エポキシ樹脂とイミダゾールとを含み、前記第1フィラーは、酸化アルミニウムであり、前記第2フィラーは、コージェライトである請求項1に記載の冷却構造体。
  3. 前記熱伝導熱放射層は、引っかき硬度(鉛筆法)で、HB以上の硬度である請求項1または2に記載の冷却構造体。
  4. 前記発熱体が、ヒートシンクである請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷却構造体。
  5. 前記発熱体が、電池である請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷却構造体。
  6. 前記発熱体が、携帯機器の筐体である請求項1〜のいずれか1項に記載の冷却構造体。
  7. 前記発熱体が、バックライトである請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷却構造体。
  8. 発熱体表面に、熱伝導層用ペーストを塗布する第1工程と、
    前記第1工程後、硬化なしのまま、熱放射層用ペーストを塗布する第2工程と、
    前記熱伝導層用ペーストと前記熱放射層用ペーストとを硬化させる硬化工程と、を含む冷却構造体の製造方法。
  9. 前記第2工程後、前記熱伝導層用ペーストと前記熱放射層用ペーストとを交じり合わせ界面を無くす工程を、さらにする請求項8記載の冷却構造体の製造方法。
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