JP3627550B2 - 凍結保存用容器の包装体シール補助具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、凍結保存用容器を収容した包装体の開口部をシールするための補助具に関する。さらに詳しくは、生体組織を収容した凍結保存用容器と包装体の内部に存在する空気を脱気する際に使用される凍結保存用容器の包装体シール補助具である。
【0002】
【従来の技術】
従来より、赤血球、血小板、白血球、骨髄、造血幹細胞等の生体組織の長期保存方法として、生体組織を収容した凍結保存用容器を液体窒素中に浸漬して凍結保存する方法が採用されている。液体窒素中で該容器を凍結保存する際には、通常、凍結保存用容器が破損して生体組織が外部に流出したり、また凍結保存用容器に貼付されたラベルが剥がれて流出することのないように、凍結保存用容器をプラスチックシートの包装体に収容する。次いで、該包装体の開口部を封止してから、包装体に収容した凍結保存用容器を液体窒素中で保存する。この際、包装体と凍結保存用容器の間に空気が存在すると、生体組織凍結時の熱伝導を妨げ、細胞の凍結速度に影響を与えるおそれがあり、また、凍結時に空気の体積が急激に減少して包装体が破損することがある。このため、包装体内部に存在する空気を脱気した後に、その開口部を熱溶着機を用いてシールすることが一般に行われている。脱気方法としては、真空ポンプなどで内部の空気を強制的に排出させたり、包装体外側から押圧して内部を脱気する方法が採用されている。しかし、前者の方法では、真空圧がかかりすぎて凍結保存用容器が変形し、該容器の厚みにバラツキが生じるおそれがあり、後者の方法では手作業のため、該容器の厚みを一定にすることが難しいという問題があった。
【0003】
一般的に、凍結中および解凍後の生体組織の生存を維持するには、凍結開始時から組織細胞内の水が細胞膜を損傷しない微細な結晶として安定する温度まで、冷却温度を厳密に調整する必要がある。そして、冷却温度を厳密に調整するためには、凍結保存用容器に収容されている生体組織の厚さを、容器全面にわったて均一にする必要がある。もし、生体組織の厚みが不均一であると、生体組織の冷却速度にバラツキを生じ、多くの生体組織が死亡することがある。また、熱溶着機で包装体の開口部をシールする際にも、シール面にしわが生じ、包装体を収容した凍結保存用容器を液体窒素に浸漬した時に、シール面のしわから包装体内部に液体窒素が浸入し、包装体が破損するおそれがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、生体組織を収容した凍結保存用容器の厚みを均一に保ちながら、凍結保存用容器と包装体の間に存在する空気を簡単な操作で脱気することができ、しかも熱溶着機で包装体の開口部をシールする際には、シール面にしわが生じないようにシールすることが可能な補助具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的のために種々鋭意検討の結果、凍結保存用容器を収容した包装体の開口部をシールする際に、緩衝作用を有する材料から形成された開閉自在な補助具を使用することにより、上記の課題が解決されることを見出し、本発明に到達した。
【0006】
すなわち、本発明は、緩衝作用を有する材料で成形された上部材と下部材を有し、該上部材と該下部材が形成する内部には凍結保存用容器と実質的に同一形状を有する容器収納部を設けてなり、該容器収容部の厚みが凍結保存用容器を収容した包装体の厚みより小さく、かつ該上部材と該下部材が嵌合してスリットを形成することを特徴とする凍結保存用容器の包装体シール補助具である。
【0007】
ここで、上部材と下部材が開閉自在なハウジングに収容されていることが好ましい。
さらに、本発明は上部材と下部材が側面を有する矩形体であり、該側面にそれぞれ凸部および凹部を有して、該凸部および該凹部が嵌合してスリットを形成するような構成を有する補助具であってもよい。
また、本発明は、凍結保存用容器を包装体に収容し、該包装体を前記補助具の容器収容部に装填して、該包装体の開口部をスリットから外部にはみ出させ、次いで、はみ出した開口部をシールすることを特徴とする凍結保存用容器を収容した包装体の開口部をシールする方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に本発明の一実施態様を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の補助具を示す斜視図、図2は、蓋体を閉じた状態の図1の補助具を示す斜視図、図3は図1の補助具を用いて容器の開口部をシールする方法を示す説明図であり、図4は凍結保存用容器を収容した包装体の平面図である。
【0009】
図1および図2に示す補助具1は、容器収容部32が本体41と蓋体42とからなる開閉自在なハウジング4内に設けられた補助具1である。本体41には、緩衝作用を有する材料で成形された下部材3が収容してあり、その内部には凍結保存用容器5と実質的に同一形状を有する容器収容部32が設けてある。また蓋体42には、緩衝作用を有する材料で形成された上部材2が収容してある。そして、上部材2と下部材3はそれぞれ側面を有する矩形体であり、その上側面に凸部21および下側面に凹部31を有して、凸部21および凹部31が嵌合してスリット7を形成する構成となっている。
【0010】
上部材2および下部材3を形成する、緩衝作用を有する材料とは、例えば、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂からなる発砲体または天然繊維、化学繊維、ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維等の各種繊維集合体、例えば織布、不織布など、またはこれらを適宜組み合わせた積層体等が挙げられる。
【0011】
上部材2と下部材3との内部に設けられた容器収容部32の形状は、凍結保存用容器5と実質的に同一形状であることが好ましい。上部材2と下部材3は、例えば、図1に示すように、下部材3に容器収容部32を設けて、平面を有する上部材2で包装体に収容した凍結保存用容器を押さえる構成にしてもよく、逆に上部材2に容器収容部32を設けて平面を有する下部材3で押さえる構成にしてもよい。また、上部材2と下部材3にそれぞれ窪みを設けて容器収容部32としてもよい。
ここで、容器収容部32の厚みは、凍結保存用容器5を収容した包装体6の厚みより1mm以上小さく設けてあり、好ましくは約1.0〜2.0mm小さい。一般に、生体組織を収容した凍結保存用容器5の厚みは、約5.0〜10.0mmであり、この凍結保存用容器5を収容した包装体6の厚みは、通常約6.0〜15.0mmである。容器収容部32の厚みが凍結保存用容器5を収容した包装体6の厚みと同じか、それ以上であると、凍結保存用容器5と包装体6の間の脱気が充分でなく、凍結保存時に包装体6が破損しやすくなる傾向がある。
【0012】
凍結保存用容器5の形状は、使用する血液バッグにより種々異なる。該容器に収容する液厚を均一に保つ必要性から、図4に示すような扁平な立方体が好ましい。
凍結保存用容器5の材料としては、超高分子量ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、フッ素樹脂、ポリイミド等の耐寒性合成樹脂が挙げられ、特に液体窒素の温度に耐え得るものが好ましい。
【0013】
凍結保存用容器5を収容する包装体6は、プラスチックフィルム、プラスチックシートまたはそれらの積層体からなり、その肉厚は0.01〜1.00mmである。フィルムの肉厚が0.01mm未満であると、低温下での衝撃強度が低く、衝撃によって破損するおそれがあり、シートの肉厚が1.00mmを越えると、包装体の熱伝導性が低下して凍結が遅くなり、生体組織が損傷してしまう傾向がある。
プラスチックフィルム又はプラスチックシートとしては、例えば、3−フッ化ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリカーボネート、ナイロン、ポリスルホン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリイミド、超高分子量ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの合成樹脂からなるフィルムまたはシート、あるいはそれらの積層体が挙げられる。特に、脆化温度が−30℃以下の可撓性樹脂からなるものが好ましい。
【0014】
上部材2および下部材3を収納するハウジング4としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂などの合成樹脂、またはアルミニウム、ステンレスなどの金属からなるものが挙げられる。
また、凍結保存用容器5に収容される生体組織としては、赤血球、血小板、白血球、骨髄、造血幹細胞等の生体から採取される種々の血液成分、体液成分または細胞などが含まれる。
【0015】
次に、本発明の補助具の使用方法を、図1〜4を用いて説明する。
ジメチルスルホキシド等の凍害防止剤が添加された生体組織を凍結保存用容器5に注入し、凍結保存用容器5のチューブの開口部を密封する。次に、凍結保存用容器5を包装体6に収容し、この包装体6を補助具1の容器収容部32に装填する。その際、図3に示すように包装体6の開口部61をスリット7から約10mmはみ出させる。次に、ハウジング4の上面を軽く押さえて、包装体内部(凍結保存用容器5と包装体6の間の空間)に存在する空気を開口部から脱気する。次いで、図3に示すようにヒートシーラーまたはインパルスシーラー等の熱溶着機8を用いて、包装体6の開口部61を封止する。その後、常法に従って包装体6に収容した凍結保存用容器5を液体窒素中で凍結保存する。
【0016】
【発明の効果】
本発明の補助具は、簡単な操作で、しかも凍結保存用容器の厚みを均一に保ちながら、凍結保存用容器と包装体の間に存在する空気を脱気することができる。また、熱溶着機の開口部をシールする際にもシール面にしわを生じることなく密封することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の補助具を示す斜視図である。
【図2】蓋体を閉じた状態の図1に示す補助具を示す斜視図である。
【図3】本発明の補助具を用いて包装体の開口部をシールする例を示す説明図である。
【図4】凍結保存用容器を収容した包装体の平面図である。
【符号の説明】
1 補助具
2 上部材
21 凸部
3 下部材
31 凹部
32 容器収容部
4 ハウジング
41 本体
42 蓋体
5 凍結保存用容器
6 包装体
61 開口部
7 スリット
8 熱溶着機
Claims (4)
- 緩衝作用を有する材料で成形された上部材と下部材を有し、該上部材と該下部材が形成する内部には扁平形状の凍結保存用容器と実質的に同一形状を有する容器収納部を設けてなり、該容器収容部の厚みが凍結保存用容器を収容した包装体の厚みより1.0〜2.0mm小さく、かつ該上部材と該下部材が嵌合してスリットを形成することを特徴とする凍結保存用容器のための包装体シール補助具。
- 上部材と下部材が開閉自在なハウジングに収容されてなる請求項1記載の補助具。
- 上部材と下部材が側面を有する矩形体であり、該側面にそれぞれ凸部および凹部を有して、該凸部および該凹部が嵌合してスリットを形成してなる請求項1〜2記載の補助具。
- 凍結保存用容器を包装体に収容し、該包装体を請求項1に記載の補助具の容器収容部に装填して、該包装体の開口部をスリットから外部へはみ出させ、次いではみ出した開口部をシールすることを特徴とする凍結保存用容器を収容した包装体の開口部をシールする方法。
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