JP6878893B2 - 細胞容器の保護容器および温度調節方法 - Google Patents

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Description

本開示は、細胞容器の保護容器および細胞容器の内容物の温度調節方法に関する。
従来から凍結細胞を解凍する際に凍結容器の汚染を防止し、かつ凍結容器を保護する解凍用バッグならびに該バッグを使用した凍結細胞解凍方法に関する発明が知られている(下記特許文献1を参照)。特許文献1は、凍結細胞を収容した凍結容器を覆う包装体であって、該包装体の一端に該凍結容器を挿入ならびに取り出すための封止手段および該包装体内部の空気を排出するための排気用ポートを設けたことを特徴とする凍結細胞解凍用バッグを開示している(同文献、請求項1等を参照)。
特許文献1に記載の凍結細胞解凍用バッグは、排気ポートを有することにより該バッグ内部の空気を容易に除去可能な構成であるため、凍結細胞解凍時の熱伝導を妨げるおそれがない。このため、解凍時間が短縮され、解凍時の細胞生存率を向上させることが可能である。また、凍結容器から漏洩した貴重な生体細胞を容易に回収可能な構成であるため、凍結容器から生体細胞が漏洩したときに、回収操作を無菌的に素早く行うことが可能である(同文献、第0030段落等を参照)。
特開2001−70402号公報
特許文献1に記載の凍結細胞解凍用バッグは、凍結容器を収容して温浴槽に浸漬させる前に、内部の空気を排気ポートからシリンジを用いて除去する必要があり、準備が煩雑で時間がかかる。また、解凍用バッグの内部の空気を除去するまでは、解凍用バッグの内部で凍結容器が自由に移動するため、凍結容器を特定の位置に安定して保持しておくことが困難である。
そのため、解凍用バッグの内部の空気が除去されたときの凍結容器の位置や姿勢によっては、解凍用バッグを温浴槽の温水に浸漬させるときに、解凍用バッグが不安定になって、解凍用バッグの開口部が温水に浸漬されるおそれがある。解凍用バッグの開口部が温水に浸漬されると、解凍用バッグから凍結容器を取り出すときに、凍結容器に温水が付着して凍結容器の内容物が汚染されるリスクが上昇する。
本開示は、前記課題に鑑みてなされたものであり、従来よりも準備を容易かつ短時間で行うことができ、かつ細胞容器の内容物の汚染のリスクを低減することができる細胞容器の保護容器および細胞容器の内容物の温度調節方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本開示の細胞容器の保護容器は、細胞容器を収容可能な外装部と、該外装部に設けられ該細胞容器を収容して該外装部に保持可能な保持部と、を備えた細胞容器の保護容器であって、前記外装部は、前記細胞容器の収容および取出を可能にする外開口部を有し、前記保持部は、前記外装部の内部に開口するとともに、前記外開口部から前記外装部の内部に導入された前記細胞容器の収容および取出を可能にする内開口部を有し、前記外開口部は、前記内開口部よりも大きい。
本開示の細胞容器の保護容器によれば、保持部の内開口部よりも大きい外開口部から、外装部の内部に細胞容器を容易に収容することができる。さらに、外装部の内部に収容した細胞容器を内開口部から保持部に収容することで、外装部の内部の空気を除去することなく、細胞容器を外装部の内部の特定の位置に確実に保持することができる。これにより、保護容器の外装部に細胞容器を収容して温水等の温度調節用の媒体に浸漬するための準備を、従来よりも容易かつ短時間に行うことが可能になる。
前述の外開口部が内開口部よりも大きいという特定事項は、外開口部を開いたときの最大の開口面積が内開口部を開いたときの最大の開口面積よりも大きいという特定事項に置き換えることができる。さらに、これらの特定事項は、外開口部を直線状に閉じたときの外開口部の長さが内開口部を直線状に閉じたときの内開口部の長さよりも長いという特定事項に置き換えることもできる。
前述のように、保護容器を構成する外装部の内部に設けられた保持部に細胞容器を収容して保持することで、保護容器を温水等の温度調節用の媒体に浸漬して細胞容器の内容物の加温等の温度調節を行うときに、保護容器の重心位置を安定させることができる。これにより、保護容器が不安定になって外装部の外開口部が温度調節用の媒体に浸漬されたり、外開口部に温度調節用の媒体が付着したりするのを防止することができ、外装部に収容された細胞容器の内容物の汚染のリスクを低減することができる。
前記外装部は、たとえば細胞容器を収容した保護容器を温水等の温度調節用の媒体に浸漬したときに、媒体から作用する水圧等の圧力によって、外装部を細胞容器に密着させることが可能な可撓性を有することができる。これにより、外装部と細胞容器との間に空気層が形成されることが防止され、外装部および細胞容器を介した温度調節用の媒体と細胞容器の内容物との間の熱交換を促進させ、より短時間により効率よく細胞容器の内容物の温度調節を行うことができる。
前記保護容器において、前記保持部は、前記細胞容器に対応する形状および寸法であって、前記細胞容器の収容時に前記外装部を前記細胞容器に密着させることが可能な形状および寸法に形成されていることができる。これにより、細胞容器を収容した保護容器を温水等の温度調節用の媒体に浸漬する前に、あらかじめ外装部と細胞容器とを密着させ、外装部と細胞容器との間に空気層が形成されることをより確実に防止することができる。
前記保持部の高さ、幅、奥行等の寸法は、前記細胞容器の高さ、幅、奥行等の寸法とおおむね等しいか、前記細胞容器の高さ、幅、奥行等の寸法よりもわずかに小さくすることができる。ここで、細胞容器の寸法におおむね等しい寸法とは、細胞容器の寸法に等しい寸法だけでなく、細胞容器を収容可能な程度のわずかな正の寸法公差を含むことを意味する。また、前記保持部の形状は、前記細胞容器の外形に沿う形状に形成することができる。
このように、保持部の寸法および形状を、細胞容器に対応する形状および寸法とすることで、細胞容器の収容時に、たとえば伸縮性を有する外装部を伸長させて細胞容器を収容するとともに、外装部を細胞容器に密着させることが可能になる。ここで、密着には、たとえば、細胞容器の全周にわたって、外装部が全体的または部分的に細胞容器に接することを含む。
前記保護容器において、前記保持部は、前記外装部の前記外開口部と反対側の底部側部分に設けられていることができる。ここで、外装部の底部側部分とは、たとえば、外装部の高さ方向における中心よりも外装部の下端に近い部分を意味する。このように、保持部を外装部の底部側部分に設けることで、保護容器の外装部に細胞容器を収容して保持部に保持したときに、細胞容器を外装部の底部側部分に保持して保護容器の重心位置を低くすることができ、保護容器を安定させることができる。
前記保護容器において、前記外装部は、前記底部側部分に、前記細胞容器の内容物の温度を調節するための媒体よりも比重が大きい錘を有していてもよい。このように、外装部の底部側部分に錘を有することで、保護容器の外装部に細胞容器を収容して保持部に保持したときに、保護容器の重心位置を低くすることができ、保護容器を安定させることができる。また、保護容器を、たとえば温水や冷水等、比重がおおむね1である温度調節用の媒体に浸漬するときに、外装部の底部側部分に比重が1よりも大きい錘を有することで、外装部の底部側部分を媒体に沈めて保護容器を安定させることができる。
また、前述の保護容器において、前記外装部は、前記外開口部を開放および封止可能な封止部を有し、該封止部によって前記外開口部を封止して前記外装部の内部に空気を封入することで、前記外装部の前記底部側部分よりも前記外開口部に近い開口側部分に、前記細胞容器の温度調節用の媒体よりも比重が小さい浮力発生部を形成可能であってもよい。ここで、外装部の開口側部分とは、たとえば、外装部の高さ方向における中心よりも外装部の上端に近い部分を意味する。これにより、外装部に細胞容器を収容した保護容器を、たとえば、温水や冷水等、比重がおおむね1である温度調節用の媒体に浸漬するときに、比重が1よりも小さい浮力発生部に作用する浮力によって外装部の開口側部分を浮上させ、保護容器を安定させることができる。
また、前述の保護容器において、前記外開口部を閉じて前記外装部を平坦にした状態で、前記外開口部の延在方向を幅方向、該幅方向に垂直で前記外装部に沿う方向を高さ方向としたときに、前記外装部は、前記高さ方向に延在する支柱部を有することができる。この支柱部は、前記外装部の他の部分よりも剛性を高くすることができる。これにより、外装部の変形を防止して、外開口部が温水等の温度調節用の媒体に浸漬されるのを防止することができる。より具体的には、単独では重力に抗して一定の形状を維持することができない可撓性および柔軟性を有する薄いフィルム状の素材によって外装部が形成されている場合に、支柱部は、外装部を自立させることができる程度の剛性を有することができる。
前記支柱部は、前記外装部の前記幅方向の両端部に配置され、前記細胞容器の内容物の温度を調節するための媒体よりも比重が大きい錘であることができる。この場合、支柱部によって外装部の変形を防止することができるだけでなく、外装部を温度調節用の媒体に安定して沈めることができる。
また、前記支柱部は、前記外装部の前記幅方向の両端部に配置され、前記細胞容器の内容物の温度を調節するための媒体よりも比重が小さい浮力発生部であってもよい。この場合、支柱部によって外装部の変形を防止することができるだけでなく、外装部に浮力を生じさせ、外装部の外開口部が温度調節用の媒体に浸漬されるのを防止することができる。
前記浮力発生部は、前記外装部に空気が密封された空気収容部であることができる。この場合、たとえば、外装部の上端部に形成された外開口部に、開放および再封止可能な封止部を設けてもよい。これにより、細胞容器を外装部に収容して保持部に保持した後に、外装部の内部に空気を残した状態で、外開口部を封止部によって封止することができる。その後、保護容器を外装部の底部側部分から温水等の温度調節用の媒体に浸漬させると、水圧等、媒体から作用する圧力によって、外装部の底部側部分が圧迫され、外装部の内部の空気が外装部の開口側部分に集まって、外装部の開口側部分に浮力発生部が形成される。これにより、細胞容器を外装部に収容した保護容器を、温度調節用の媒体に安定して浸漬させることができる。
また、前述のように外装部の両端部に配置された支柱部が浮力発生部である場合には、たとえば、外装部の両端部の密閉された空間に空気を収容し、浮力発生部である空気収容部を形成することができる。すなわち、保護容器の外装部の両端部に浮力発生部でもあり支柱部でもある空気収容部を同時に形成することが可能になる。
また、本開示の温度調節方法は、細胞容器の内容物の温度調節方法であって、前記細胞容器を収容可能な袋状の外装部と、該外装部に設けられ前記細胞容器を収容して該外装部に保持可能な保持部と、を備えた細胞容器の保護容器であって、前記外装部は、前記細胞容器の収容および取出を可能にする外開口部を有し、前記保持部は、前記外装部の内部に開口して前記細胞容器の収容および取出を可能にする内開口部を有し、前記外開口部は、前記内開口部よりも大きい、細胞容器の保護容器を準備する準備工程と、前記細胞容器を、前記外開口部を介して前記外装部に収容するとともに前記内開口部を介して前記保持部に収容して前記外装部に前記細胞容器を保持する収容工程と、前記外開口部を除き、前記保護容器を温度調節用の液体に浸漬させ、前記外装部および前記細胞容器を介して前記液体と前記内容物との間で熱交換を行う温度調節工程と、前記細胞容器を、前記内開口部を介して前記保持部から取り出すとともに、前記外開口部を介して前記外装部から取り出す取出工程と、を有する。
本開示の温度調節方法によれば、収容工程において、保持部の内開口部よりも大きい外開口部から、外装部の内部に細胞容器を容易に収容することができる。さらに、外装部の内部に収容した細胞容器を内開口部から保持部に収容することで、外装部の内部の空気を除去することなく、細胞容器を外装部の内部の特定の位置に確実に保持することができる。これにより、保護容器の外装部に細胞容器を収容して温水等の温度調節用の媒体に浸漬するための準備を、従来よりも容易かつ短時間に行うことが可能になる。
また、外装部の保持部に細胞容器を収容して保持することで、温度調節工程において保護容器の重心位置を安定させることができる。これにより、温度調節工程において保護容器が不安定になって外装部の外開口部が温度調節用の媒体に浸漬されたり、外開口部に温度調節用の媒体が付着したりするのを防止することができる。したがって、取出工程において外装部に収容された細胞容器を外開口部から取り出すときに、細胞容器に温度調節用の媒体が付着することが防止され、細胞容器の内容物の汚染のリスクを低減することができる。
本開示の細胞容器の保護容器および温度調節方法によれば、従来よりも準備を容易かつ短時間で行うことができ、かつ細胞容器の内容物の汚染のリスクを低減することができる。
本開示の実施形態1に係る細胞容器の保護容器の斜視図。 本開示の実施形態1に係る細胞容器の内容物の温度調節方法のフロー図。 図1に示す細胞容器の保護容器に細胞容器を収容した状態を示す断面図。 図3に示す細胞容器の保護容器の外開口部を密閉した状態を示す断面図。 図4に示す細胞容器の保護容器を温水に浸漬した状態を示す断面図。 図1に示す細胞容器の保護容器の変形例1を示す斜視図。 図1に示す細胞容器の保護容器の変形例2を示す斜視図。 図1に示す細胞容器の保護容器の変形例3を示す斜視図。 本開示の実施形態2に係る細胞容器の保護容器の斜視図。 図9に示す細胞容器の保護容器の変形例1を示す斜視図。 図9に示す細胞容器の保護容器の変形例2を示す斜視図。 図9に示す細胞容器の保護容器の変形例3を示す斜視図。
以下、図面を参照して本開示の細胞容器の保護容器および細胞容器の内容物の温度調節方法の実施形態を説明する。
[実施形態1]
まず、図1から図5を参照して、本開示の実施形態1に係る細胞容器の保護容器および細胞容器の内容物の温度調節方法を説明する。図1は、本開示の実施形態1に係る細胞容器の保護容器100の斜視図である。
図1に示す細胞容器の保護容器100は、たとえば、後述する細胞容器の内容物の温度調節方法に用いられ、細胞容器1を収容して保護するための容器である。細胞容器1には、たとえば、再生医療、細胞含有医薬品、不妊治療等の細胞医療分野において用いられる細胞等の内容物が収容され、凍結されている。すなわち、本実施形態において、保護容器100に収容される細胞容器1は、細胞等を凍結させて保存するための凍結保存容器である。なお、細胞容器1は凍結保存容器に限定されず、非凍結状態の細胞等が収容された容器であってもよい。
保護容器100は、細胞容器1を収容した状態で、たとえば恒温水槽WBに貯留された温水HWに浸漬される。これにより、保護容器100と細胞容器1を介して、細胞容器1の内容物と温水HWとの間で熱交換が行われ、細胞容器1の内容物の解凍等、細胞容器1の内容物の温度調節が行われる。なお、細胞容器1の内容物の温度調節用の媒体は、恒温水槽WBに貯留された温水HWに限定されない。たとえば、細胞容器1の内容物を冷却する場合には、温度調節用の媒体として冷水や氷を用いることができる。また、温度調節用の媒体として、水以外の液体を用いてもよい。
保護容器100は、細胞容器1を収容可能な袋状の外装部10と、この外装部10に設けられ細胞容器1を収容して外装部10に保持可能な保持部20と、を備えている。外装部10は、たとえば、互いに対向する二枚の矩形の薄いシート状の樹脂素材の三辺が熱溶着等によって閉じられて、一端に開口を有する袋状に形成されている。この開口は、袋状の外装部10の上端に開口する外開口部11とされる。外開口部11は、袋状の外装部10の内部への細胞容器1の収容と、外装部10に収容された細胞容器1の取り出しを可能にしている。
ここで、袋状の外装部10の外開口部11を閉じ、かつ外装部10を平坦にした状態で、外開口部11が延在する方向を、外装部10の幅方向Wとする。この幅方向Wに垂直で外装部10に沿う方向を、外装部10の高さ方向Hとする。また、外装部10の高さ方向Hにおいて、外開口部11が形成された端部を外装部10の上端、外開口部11と反対側の端部を下端とする。なお、これらの方向は、単に保護容器100の構成を説明するためのものであり、保護容器100の使用時の状態を限定するものではない。
外装部10の素材は、たとえば水などの細胞容器1の内容物の温度調節用の媒体や微生物を透過させず、これらを遮断することができる素材であれば、特に限定されない。外装部10の素材の好ましい条件は、たとえば、熱溶着が可能であること、外装部10を温度調節用の媒体に浸漬したときに、外装部10に作用する水圧等によって自在に変形して細胞容器1に密着する柔軟性および可撓性を有すること、熱伝導率が高いこと、透明性を有すること、等である。
好ましい透明性を有する外装部10の素材としては、たとえば、以下の手順で測定した450nmの波長の光の透過率が、55%以上である素材を用いることができる。まず、外装部10の平坦な部分を、たとえば0.9mm×4cmの大きさに切断した試験片を5個作製する。作製した各試験片を、紫外線吸収スペクトル測定用のセルに満たした水に浸漬する。そして、各セルに450nmの波長の光を照射して、水だけを満たしたセルに対する試験片を浸漬したセルの光の透過率を測定する。好ましい透明性を有する外装部10の素材としては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート、ナイロン、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体などを用いることができる。
また、外装部10の素材としては、熱伝導率λと外装部10の厚さTの比λ/Tが、2.5W/(m・K・mm)以上である素材を用いることが好ましい。好ましい熱伝導性を有する外装部10の素材としては、たとえば、アルミニウム、ポリエチレン、金属微粒子を含有した樹脂などを用いることができる。また、好ましい柔軟性を有する外装部10の素材として、たとえば、ポリエチレン、シリコンゴム、ポリウレタンなどを用いることができる。より具体的には、たとえば、厚さが0.04mmから0.12mm程度の低密度ポリエチレン製フィルムを用いることができる。透明性、熱伝導性、および柔軟性のすべてにおいて、ポリエチレンは高い性能を有している。また、透明性、熱伝導性、および柔軟性を向上させるためには、より薄い素材を用いることが好ましい。また、外装部10の素材として、複数の素材を積層させた多層構造のフィルムを用いてもよい。
保持部20は、たとえば、図1に示すように、互いに対向する二枚の矩形の薄いシート状の樹脂素材の三辺が熱溶着等によって閉じられて袋状に形成された外装部10の互いに対向するシート状の樹脂素材を部分的に熱溶着することで、外装部10の内側にポケット状に形成されている。保持部20は、袋状の外装部10の内部に開口する内開口部21を有している。保持部20の内開口部21は、外装部10の外開口部11から外装部10の内部へ収容された細胞容器1を保持部20へ収容すること、および、保持部20に収容された細胞容器1を保持部20から取り出すことを可能にしている。
本実施形態において、保持部20は、袋状の外装部10の互いに対向するシート状の樹脂素材の一部を熱溶着することによって、形成されている。すなわち、保持部20は、内開口部21を除いて、シート状の樹脂の熱溶着された部分によって囲まれている。本実施形態の保護容器100において、外装部10の保持部20は、細胞容器1に対応する形状および寸法であって、細胞容器1の収容時に外装部10を細胞容器1に密着させることが可能な形状および寸法に形成されている。
本実施形態において、外装部10の高さ方向Hにおける保持部20の高さH20、外装部10の幅方向Wにおける幅W20、外装部10の高さ方向Hおよび幅方向Wに垂直な奥行方向における奥行D20等の寸法は、細胞容器1の高さL1、幅W2、奥行D2等の寸法とおおむね等しいか、細胞容器1の高さH1、幅W1、奥行D1等の寸法よりもわずかに小さくされている。また、保持部20の形状は、細胞容器1の外形に沿う形状に形成することができる。ここで、細胞容器1の寸法におおむね等しい寸法とは、細胞容器1の寸法に等しい寸法だけでなく、細胞容器1を収容可能な程度のわずかな正の寸法公差を含むことを意味する。本実施形態において、保持部20の形状は、円筒状の細胞容器1の外形に沿う円筒状の形状に形成されている。
このように、保持部20の寸法および形状を、細胞容器1に対応する形状および寸法とすることで、細胞容器1の収容時に、たとえば伸縮性を有する外装部10を伸長させて細胞容器1を収容するとともに、外装部10を細胞容器1に密着させることが可能になる。ここで、密着には、たとえば、細胞容器1の全周にわたって、外装部10が全体的または部分的に細胞容器1に接していることを含む。
本実施形態の保護容器100において、保持部20は、外装部10の高さ方向Hにおける底部側部分10Bに設けられている。より具体的には、保持部20は、外装部10の下端に隣接して設けられている。ここで、外装部10の底部側部分10Bとは、たとえば、外装部10の高さ方向Hにおける中心よりも外装部10の下端に近い部分を意味する。また、本実施形態の保護容器100において、保持部20は、外装部10の幅方向Wにおいて、中央部に設けられている。
保護容器100において、外装部10の外開口部11は、保持部20の内開口部21よりも大きくされている。より具体的には、本実施形態において、保持部20の内開口部21と外装部10の外開口部11は、ともに外装部10の上方へ向けて開口し、外開口部11を開いたときの最大の開口面積が内開口部21を開いたときの最大の開口面積よりも大きくなっている。換言すると、外装部10の幅方向Wに沿って外開口部11を直線状に閉じたときの外開口部11の長さが、外装部10の幅方向Wに沿って内開口部21を直線状に閉じたときの内開口部21の長さよりも長くなっている。
保護容器100において、外装部10の外開口部11の大きさは、たとえば、細胞容器1を把持して外装部10に収容する人の手を容易に入れることができる程度の大きさを有していることが好ましい。ただし、外装部10の外開口部11の大きさが大きくなり過ぎると、保護容器100を恒温水槽WB等に入れるときに支障が生じる。したがって、外装部10の幅方向Wに沿って外開口部11を直線状に閉じたときの外開口部11の長さは、たとえば、10cmから20cm程度にすることができる。
本実施形態の保護容器100は、外装部10の上端部に形成された外開口部11に、開放および再封止可能な封止部12が設けられている。封止部12の構成は特に限定されないが、たとえば、一般的なジッパーを採用することができる。より具体的には、封止部12は、たとえば、外装部10の互いに対向するシート状の樹脂素材の一方と他方にそれぞれ設けられた直線状の凸部12aと直線状の凹部12bとによって構成することができる。封止部12は、凸部12aを凹部12bに係合させることで外開口部11を封止することができ、凸部12aの凹部12bに対する係合を解除することで、外開口部11を開放することができる。
本実施形態の保護容器100は、外装部10に外開口部11を開放および再封止可能な封止部12を有することで、外装部10に浮力発生部40として空気収容部30を形成することができるようになっている。すなわち、本実施形態の保護容器100は、外装部10に適度に空気が収容された状態で封止部12によって外開口部11を封止することで、外装部10の高さ方向Hにおける開口側部分10Aに、空気収容部30を形成することができる。ここで、外装部10の開口側部分10Aとは、たとえば、外装部10の高さ方向Hにおける中心よりも外装部10の上端に近い部分を意味する。この空気収容部30は、たとえば温水HW等、細胞容器1の温度調節用の媒体よりも比重が小さい浮力発生部40として機能する。
図2は、本開示の実施形態1に係る細胞容器の内容物の温度調節方法S100のフロー図である。本実施形態の細胞容器の内容物の温度調節方法S100は、準備工程S1と、収容工程S2と、温度調節工程S3と、取出工程S4とを有している。
準備工程S1は、前述の保護容器100を準備する工程である。すなわち、準備工程S1では、細胞容器の保護容器100として、細胞容器1を収容可能な袋状の外装部10と、該外装部10に設けられ細胞容器1を収容して該外装部10に保持可能な保持部20と、を備えた細胞容器の保護容器100を用意する。前述のように、外装部10は、細胞容器1の収容および取出を可能にする外開口部11を有している。保持部20は、外装部10の内部に開口して細胞容器1の収容および取出を可能にする内開口部21を有している。そして、外装部10の外開口部11は、収容部の内開口部21よりも大きくされている。
図3は、図1に示す細胞容器の保護容器100に細胞容器1を収容した状態を示す断面図である。図4は、図3に示す細胞容器の保護容器100の外開口部11を密閉した状態を示す断面図である。収容工程S2は、細胞容器1を、外開口部11を介して外装部10に収容するとともに、内開口部21を介して保持部20に収容して外装部10に細胞容器1を保持する工程である。
ここで、保護容器100は、外装部10の外開口部11が保持部20の内開口部21よりも大きくされているため、収容工程S2において、外装部10の内部に細胞容器1を容易に収容することができる。さらに、外装部10の内部に収容した細胞容器1を内開口部21から保持部20に収容することで、外装部10の内部の空気を除去することなく、細胞容器1を外装部10の内部の特定の位置に確実に保持することができる。これにより、保護容器100の外装部10に細胞容器1を収容して温水HW等の温度調節用の媒体に浸漬するための準備を、従来よりも容易かつ短時間に行うことが可能になる。
また、本実施形態の保護容器100は、前述のように、外装部10の上端部に形成された外開口部11に、開放および再封止可能な封止部12が設けられている。そのため、図3に示すように、収容工程S2において細胞容器1を保持部20に収容して外装部10に保持した後、図4に示すように、外装部10に空気が収容された状態で、封止部12によって外開口部11を封止することができる。これにより、前述のように、外装部10の開口側部分10Aを含む保持部20よりも上方側の部分に空気収容部30を形成することができる。
図5は、図4に示す細胞容器1が収容された保護容器100を図1に示す恒温水槽WBに貯留された温水HWに浸漬した状態を示す断面図である。温度調節工程S3は、保護容器100を、たとえば温水HW等、温度調節用の液体に浸漬させ、外装部10および細胞容器1を介して温水HW等の液体と細胞容器1の内容物Cとの間で熱交換を行う工程である。
より具体的には、細胞容器1が収容された保護容器100の上端部を把持して、保護容器100を下端部から恒温水槽WBに貯留された温水HWに浸漬していく。このとき、外装部10の外側にかかる水圧等、温度調節用の液体からの圧力は、大気圧よりも高い。そのため、外装部10は温水HW等の温度調節用の液体に浸漬された部分が、液体から受ける圧力によって外側から内側へ圧迫され、内部の空気収容部30に収容された空気が上方へ移動する。
そして、温度調節用の液体に浸漬された外装部10の保持部20において、外装部10が細胞容器1に密着する。また、外装部10の内部の空気収容部30に収容された空気の量に応じて、保持部20よりも上方側で外装部10の高さ方向Hの一定の範囲において、厚さ方向Tに互いに対向する外装部10同士が密着し、封止部12に隣接する空気収容部30の上端部に空気が集まる。本実施形態の保護容器100では、この空気収容部30の上端部の空気が集まった部分が、浮力発生部40となる。
ここで、保護容器100は、前述のように外装部10の内部に設けられた保持部20に細胞容器1を収容して保持している。これにより、保護容器100を温水HW等の温度調節用の媒体に浸漬して細胞容器1の内容物Cの加温等の温度調節を行うときに、細胞容器1の移動を防止して、保護容器100の重心位置を安定させることができる。これにより、保護容器100が不安定になって外装部10の外開口部11が温度調節用の媒体に浸漬されたり、外開口部11に温度調節用の媒体が付着したりするのを防止することができ、外装部10に収容された細胞容器1の内容物Cの汚染のリスクを低減することができる。
また、外装部10は、細胞容器1を収容した保護容器100を温水HW等の温度調節用の媒体に浸漬したときに、媒体から作用する水圧等の圧力によって、外装部10を細胞容器1に密着させることが可能な可撓性を有している。これにより、外装部10と細胞容器1との間に空気層が形成されることが防止され、外装部10および細胞容器1を介した温度調節用の媒体と細胞容器1の内容物Cとの間の熱交換を促進させ、より短時間により効率よく細胞容器1の内容物Cの温度調節を行うことができる。
また、本実施形態の保護容器100において、外装部10の保持部20は、細胞容器1に対応する形状および寸法であって、細胞容器1の収容時に外装部10を細胞容器1に密着させることが可能な形状および寸法に形成されていることができる。これにより、温度調節工程S3の前の収容工程S2において、あらかじめ外装部10と細胞容器1とを密着させ、外装部10と細胞容器1との間に空気層が形成されることをより確実に防止することができる。
また、外装部10が柔軟性および可撓性を有する場合には、前述のように保持部20の寸法を細胞容器1の寸法よりもわずかに小さくすることが好ましい。これにより、収容工程S2において保持部20に細胞容器1を収容して保持するときに、外装部10を細胞容器1の寸法および形状に合わせて伸長させ、外装部10をより確実に細胞容器1に密着させることが可能になる。
さらに、本実施形態の保護容器100において、保持部20は、外装部10の高さ方向Hにおける底部側部分10Bに設けられている。このように、保持部20を外装部10の底部側部分10Bに設けることで、保護容器100の外装部10に細胞容器1を収容して保持部20に保持したときに、細胞容器1を外装部10の底部側部分10Bに保持して保護容器100の重心位置を低くすることができ、保護容器100を安定させることができる。
また、本実施形態の保護容器100において、外装部10は、外装部10の高さ方向Hにおける開口側部分10Aに、空気収容部30を有している。さらに、外装部10を温水HW等の液体に浸漬することで、この空気収容部30の上端部に空気が集まって浮力発生部40が形成されている。この浮力発生部40は、内部に空気が充填されているため、細胞容器1の温度調節用の媒体である温水HW等の液体よりも比重が小さい。
これにより、外装部10に細胞容器1を収容した保護容器100を、たとえば、温水HWや冷水等、比重がおおむね1である温度調節用の媒体に浸漬するときに、比重が1よりも小さい浮力発生部40に作用する浮力によって外装部10の開口側部分10Aを浮上させ、保護容器100を安定させることができる。したがって、外装部10の上端部の外開口部11が温水HW等の温度調節用の媒体に浸漬されるのを防止することができる。
取出工程S4は、保護容器100に収容された細胞容器1を、内開口部21を介して保持部20から取り出すとともに、外開口部11を介して外装部10から取り出す工程である。より具体的には、図5に示すように、温水HW等の温度調節用の液体の液面よりも上方に配置された保護容器100の外装部10の上端部を把持して、保護容器100を温水HW等の液体から引き上げる。
そして、図3に示すように、封止部12の凸部12aと凹部12bとの係合を解除して、外装部10の外開口部11を開放し、たとえば、外装部10の内側と外側を反転させるように外装部10を裏返し、細胞容器1の上端部を露出させる。そして、露出した細胞容器1の上端部を把持し、内開口部21を介して細胞容器1を保持部20から取り出すことで、細胞容器1を外装部10から取り出す。
前述のように、温度調節工程S3では、図5に示すように、保護容器100の外装部10の上端部に設けられた外開口部11は、温水HW等の温度調節用の液体に浸漬されることなく、温水HW等の液体の液面の上方に配置されている。そのため、温度調節工程S3において、外装部10の上端部の外開口部11およびその近傍に温水HWが付着することが防止され、取出工程S4において外開口部11およびその近傍に付着した温水HWが細胞容器1に付着することが防止される。したがって、取出工程S4において外装部10に収容された細胞容器1を外開口部11から取り出すときに、細胞容器1に温水HW等の温度調節用の媒体が付着することが防止され、細胞容器1の内容物Cの汚染のリスクを低減することができる。
以上説明したように、本実施形態の細胞容器の保護容器100および細胞容器の内容物の温度調節方法S100によれば、従来よりも準備を容易かつ短時間で行うことができ、かつ細胞容器1の内容物Cの汚染のリスクを低減することができる。
なお、本開示の細胞容器の保護容器は、図1に示す構成に限定されない。図6は、図1に示す保護容器100の変形例1を示す斜視図である。図6に示すように、保護容器100Aの外装部10は、複数の保持部20を有してもよい。
図7は、図1に示す保護容器100の変形例2を示す斜視図である。図7に示す保護容器100Bは、封止部12を有しない点で、図1に示す保護容器100と異なっている。この変形例2の保護容器100Bは、前述の温度調節工程S3において温水HW等の温度調節用の液体に浸漬するときに、操作棒50を用いることができる。
より具体的には、変形例2の保護容器100Bを用いる場合に、操作者は、前述の温度調節工程S3において、外装部10の外開口部11の幅方向Wの両端部に挿入した操作棒50の把持部51を把持し、操作棒50によって外装部10を幅方向Wに広げて支持する。これにより、外装部10を細胞容器1に密着させやすくなる。そして、操作棒50によって外装部10を幅方向Wに広げて支持した状態で、外装部10を下端部から温水HW等の温度調節用の液体に浸漬させる。これにより、変形例2の保護容器100Bは、図1に示す前述の保護容器100と同様の効果を得ることができる。
図8は、図1に示す保護容器100の変形例3を示す斜視図である。図8に示すように、保護容器100Cの外装部10は、下端部から突出するように形成された保持部20を有してもよい。また、外装部10は、保持部20の内開口部21と外装部10の外開口部11との間に傾斜部13を有してもよい。この変形例の保護容器100Cによれば、図1に示す保護容器100と同様の効果を得ることができるだけでなく、外装部10を製作するための素材の使用量を削減することができる。
[実施形態2]
次に、図9を参照して、本開示の実施形態2に係る細胞容器の保護容器200および細胞容器の内容物の温度調節方法を説明する。図9は、本開示の実施形態2に係る細胞容器の保護容器200の斜視図である。
本実施形態の保護容器200は、外装部10が高さ方向Hにおける底部側部分10Bに、たとえば水等、細胞容器1Aの内容物Cの温度を調節するための媒体よりも比重が大きい錘60を有している。錘60は、たとえば、外装部10の幅方向Wの両端部に配置され、外装部10の高さ方向Hに延びる棒状または円柱状の形状を有している。保持部20は、外装部10の幅方向Wにおいて二つの錘60の間に配置されている。錘60としては、たとえば、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼等の金属を用いることができる。
本実施形態では、保持部20と同様に外装部10の内側に開口するポケット状の錘収容部61が外装部10の一部を直線状に溶着することによって形成され、この錘収容部61に棒状または円柱状の錘60が収容されている。このように外装部10の内側に開口する錘収容部61に錘60を収容することで、錘60が温水HW等の温度調節用の液体に接することを防止できる。
なお、外装部10に対する錘60の固定方法は、本実施形態に限定されない。たとえば、外装部10の外側に開口するポケット状の錘収容部を設けたり、錘60と外装部10の外表面に面ファスナーを設けたりしてもよい。この場合、外装部10に対する錘60の取り付けおよび取り外しを容易にすることができる。
また、本実施形態の保護容器200は、たとえば、矩形のフラスコ型の細胞容器1Aを収容可能な、細胞容器1Aの寸法よりも一回り大きい寸法の保持部20を有している。なお、保護容器200に収容される細胞容器1Aの形態は特に限定されず、たとえば、円柱型、バッグ型、またはパウチ型等の細胞容器を保護容器200に収容することも可能である。
本実施形態の保護容器200は、前述の実施形態1の保護容器100と同様に、保持部20を有することで、外装部10の内部の空気を除去することなく、細胞容器1Aを保持部20に保持し、温度調節工程S3において保護容器200を安定させることができる。したがって、従来よりも準備を容易かつ短時間で行うことができ、かつ細胞容器1Aの内容物Cの汚染のリスクを低減することができる。
さらに、本実施形態の保護容器200は、前述のように、外装部10の底部側部分10Bに錘60を有することで、保護容器200の外装部10に細胞容器1Aを収容して保持部20に保持したときに、保護容器200の重心位置をさらに低くすることができ、保護容器200をより安定させることができる。また、保護容器200を、たとえば温水HWや冷水等、比重がおおむね1である温度調節用の媒体に浸漬するときに、外装部10の底部側部分10Bに比重が1よりも大きい錘60を有することで、外装部10の底部側部分10Bを媒体に沈めて保護容器200をより安定させることができる。
なお、本開示の細胞容器の保護容器は、図9に示す構成に限定されない。図10は、図9に示す保護容器200の変形例1を示す斜視図である。図10に示すように、保護容器200Aの外装部10は、保持部20よりも下方側の下端部に外装部10の幅方向Wに延びる棒状または円柱状の錘60を有している。このような構成により、保護容器200Aに収容された細胞容器1Aに浮力が作用する場合であっても、細胞容器1Aを収容した保護容器200Aの下端部を錘60によって、温水HW等の温度調節用の媒体に沈めることができ、図9に示す実施形態2の保護容器200と同様に、保護容器200Aを自立させ、かつ安定させることができる。
図11は、図9に示す保護容器200の変形例2を示す斜視図である。変形例2の保護容器200Bにおいて、外装部10は、その高さ方向Hに延在する支柱部70を有している。この支柱部70は、外装部10の他の部分よりも剛性を高くすることができる。より具体的には、本変形例において、支柱部70は、外装部10の両端部に配置され、温水HW等、細胞容器1Aの内容物Cの温度を調節するための媒体よりも比重が大きい錘60である。
また、本変形例において、保護容器200Bは、支柱部70の下端に連結されたスタンド部71を有している。スタンド部71は、保護容器200Bの外装部10の下端に沿って外装部10の幅方向Wに延びる連結部72と、外装部10の高さ方向Hおよび幅方向Wに垂直な外装部10の厚さ方向Tに延びる脚部73とを有している。外装部10は、幅方向Wの両側に、支柱挿通部14を有している。支柱挿通部14は、外装部10の高さ方向Hに延在し、上下に開口を有する筒状または管状に形成され、外装部10の高さ方向Hに支柱部70を挿通させる。
このような構成により、変形例2の保護容器200Bは、高さ方向Hを上下方向とする外装部10が横に倒れるのを防止して、外開口部11が温水HW等の温度調節用の媒体に浸漬されるのを防止することができる。より具体的には、単独では重力に抗して一定の形状を維持することができない可撓性および柔軟性を有する薄いフィルム状の素材によって外装部10が形成されているが、支柱部70は、外装部10を自立させることができる剛性を有している。また、支柱部70は、錘60であることから、外装部10を温水HW等の温度調節用の媒体に安定して沈めることができる。
図12は、図9に示す保護容器200の変形例3を示す斜視図である。変形例3の保護容器200Cは、主に、外装部10の幅方向Wの両端部に空気収容部30を有している点で、図10に示す変形例1の保護容器200Aと異なっている。この空気収容部30は、実施形態1の保護容器100における空気収容部30と同様に、浮力発生部40として機能する。また、空気収容部30に封入された空気の圧力を大気圧よりも高い圧力にすることで、空気収容部30を、前述の支柱部70(図11参照)として機能させることができる。
なお、空気収容部30は、外装部10に大気圧の空気を収容し、溶着等により空気収容部30を密封することによって形成することができる。この場合、空気収容部30に収容された空気の圧力は、たとえば、保護容器200Cの外装部10の下端部を温水HW等の液体に浸漬させて空気収容部30の容積を減少させることで、大気圧よりも高い圧力にすることができる。
このような構成により、支柱部70としての空気収容部30によって外装部10の変形を防止して、外開口部11が温水HW等の温度調節用の媒体に浸漬されるのを防止することができる。より具体的には、単独では重力に抗して一定の形状を維持することができない可撓性および柔軟性を有する薄いフィルム状の素材によって外装部10が形成されている場合に、空気収容部30は、外装部10を自立させることができる程度の剛性を有することができる。
また、浮力発生部40としての空気収容部30によって、外装部10に浮力を生じさせて保護容器200Cを自立させ、外装部10の外開口部11が温度調節用の媒体に浸漬されるのを防止することができる。また、保護容器200Cの外装部10の両端部に浮力発生部40でもあり、同時に支柱部でもある空気収容部30を一工程で製作することが可能になる。なお、浮力発生部40は、空気収容部30である構成に限定されず、発泡樹脂等、比重が温水HW等の温度調節用の液体よりも小さく、浮力を発生させることが可能な素材を外装部10に配置することによって形成されていてもよい。
以上、図面を用いて本開示の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本開示に含まれるものである。
1 細胞容器
1A 細胞容器
10 外装部
10A 開口側部分
10B 底部側部分
11 外開口部
12 封止部
20 保持部
21 内開口部
30 空気収容部
40 浮力発生部
60 錘
70 支柱部
100 保護容器
100A 保護容器
100B 保護容器
100C 保護容器
200 保護容器
200A 保護容器
200B 保護容器
200C 保護容器
C 内容物
H 高さ方向
HW 温水(媒体)
S1 準備工程
S2 収容工程
S3 温度調節工程
S4 取出工程
S100 温度調節方法
W 幅方向

Claims (10)

  1. 細胞容器を収容可能な袋状の外装部と、該外装部に設けられ該細胞容器を収容して該外装部に保持可能な保持部と、を備えた細胞容器の保護容器であって、
    前記外装部は、前記細胞容器の収容および取出を可能にする外開口部を有し、
    前記保持部は、前記外装部の内部に開口するとともに、前記外開口部から前記外装部の内部に導入された前記細胞容器の収容および取出を可能にする内開口部を有し、
    前記外開口部は、前記内開口部よりも大きいことを特徴とする細胞容器の保護容器。
  2. 前記保持部は、前記細胞容器に対応する形状および寸法であって、前記細胞容器の収容時に前記外装部を前記細胞容器に密着させることが可能な形状および寸法に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の細胞容器の保護容器。
  3. 前記保持部は、前記外装部の前記外開口部と反対側の底部側部分に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の細胞容器の保護容器。
  4. 前記外装部は、前記底部側部分に、前記細胞容器の内容物の温度を調節するための媒体よりも比重が大きい錘を有していることを特徴とする請求項3に記載の細胞容器の保護容器。
  5. 前記外装部は、前記外開口部を開放および封止可能な封止部を有し、該封止部によって前記外開口部を封止して前記外装部の内部に空気を封入することで、前記外装部の前記底部側部分よりも前記外開口部に近い開口側部分に、前記細胞容器の温度調節用の媒体よりも比重が小さい浮力発生部を形成可能であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の細胞容器の保護容器。
  6. 前記外開口部を閉じて前記外装部を平坦にした状態で、前記外開口部の延在方向を幅方向、該幅方向に垂直で前記外装部に沿う方向を高さ方向としたときに、
    前記外装部は、前記高さ方向に延在する支柱部を有し、
    前記支柱部は、前記外装部の他の部分よりも剛性が高いことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の細胞容器の保護容器。
  7. 前記支柱部は、前記外装部の前記幅方向の両端部に配置され、前記細胞容器の内容物の温度を調節するための媒体よりも比重が大きい錘であることを特徴とする請求項6に記載の細胞容器の保護容器。
  8. 前記支柱部は、前記外装部の前記幅方向の両端部に配置され、前記細胞容器の内容物の温度を調節するための媒体よりも比重が小さい浮力発生部であることを特徴とする請求項6に記載の細胞容器の保護容器。
  9. 前記浮力発生部は、前記外装部に空気が密封された空気収容部であることを特徴とする請求項8に記載の細胞容器の保護容器。
  10. 細胞容器の内容物の温度調節方法であって、
    前記細胞容器を収容可能な袋状の外装部と、該外装部に設けられ前記細胞容器を収容して該外装部に保持可能な保持部と、を備えた細胞容器の保護容器であって、前記外装部は、前記細胞容器の収容および取出を可能にする外開口部を有し、前記保持部は、前記外装部の内部に開口して前記細胞容器の収容および取出を可能にする内開口部を有し、前記外開口部は、前記内開口部よりも大きい、細胞容器の保護容器を準備する準備工程と、
    前記細胞容器を、前記外開口部を介して前記外装部に収容するとともに前記内開口部を介して前記保持部に収容して前記外装部に前記細胞容器を保持する収容工程と、
    温度調節用の液体に前記外開口部を浸漬させることなく、前記保護容器を前記液体に浸漬させ、前記外装部および前記細胞容器を介して前記液体と前記内容物との間で熱交換を行う温度調節工程と、
    前記細胞容器を、前記内開口部を介して前記保持部から取り出すとともに、前記外開口部を介して前記外装部から取り出す取出工程と、を有することを特徴とする温度調節方法。
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