JP2002253206A - 動物細胞の解凍方法 - Google Patents

動物細胞の解凍方法

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JP2002253206A JP2001060728A JP2001060728A JP2002253206A JP 2002253206 A JP2002253206 A JP 2002253206A JP 2001060728 A JP2001060728 A JP 2001060728A JP 2001060728 A JP2001060728 A JP 2001060728A JP 2002253206 A JP2002253206 A JP 2002253206A
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bag
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Kanehisa Yokoyama
兼久 横山
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 培養器に凍結された動物細胞の解凍におい
て、速やかな解凍を可能とし、解凍終了時容器に水滴の
付着や進入による菌のコンタミの危険性を抑える。 【解決手段】 養器を水不透過性の袋中に納め、袋ごと
培養器全体を1℃〜37℃の範囲の水中に浸漬して加温
し動物細胞を解凍する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞培養分野にお
ける、培養容器中に動物細胞が培養基質の培養面に保持
された状態で凍結保存されている動物細胞の解凍方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】動物細胞は一般に−80℃以下のディー
プフリーザーや液体窒素中に凍結された状態で保存され
ている。動物細胞の凍結保存の形態は一般的にはアンプ
ルや凍結保存用のチューブに凍結用培地とともに細胞浮
遊液の形で凍結されている。このように凍結され保存さ
れている動物細胞は、必要なときに解凍されて、再び培
養される。
【0003】この解凍において、重要なことは速やかに
解凍することである。解凍に時間がかかると細胞へのダ
メージが大きく、解凍時の生存率を下げることになる。
また温度を高く上げすぎると細胞が死んだり、ヒートシ
ョックプロテインの発現のような細胞のストレス応答を
惹起することになるため、一般的には37℃の温水中に
浸漬し解凍する方法がとられている。動物細胞の凍結保
存の形態は一般的には上記のアンプルや凍結用チューブ
の場合が多く密閉状態を保つことができる構造であり、
温水へ浸漬しても容器中へ菌が混入する危険性は少な
い。
【0004】最近になって、特公平5−77389号公
報に開示されているように培養用容器に凍結用培養液と
共に足場依存性動物細胞が凍結され保存されている細胞
付培養器が提唱されている。足場依存性動物細胞の場
合、菌の培養に比較し細胞の増殖が遅いため、目的の実
験に用いることができるまでに細胞の準備に多大の時間
と労力を要するため培養容器中に所定の数の動物細胞が
培養されており、解凍するだけで細胞の播種をすること
なく、実験に使用できる細胞付きの培養器は非常に魅力
的である。中でも、増殖に培養表面への接着を必要とす
る足場依存性動物細胞においては、接着してから増殖を
始めるため、より細胞播種後時間が必要なことから、細
胞付きの培養器のメリットは大きい。
【0005】以上のように、細胞の調製に手間がかかる
ため、培養された状態で凍結されている動物細胞が商業
的に供給されることは、実験者の細胞調製のために費す
時間と費用を節約できることから非常に有用なものであ
る。しかしながら実際には実現は難しく、さらに実現で
きれば最もメリットが大きいと思われる96ウェルプレ
ートの場合において特に実現が困難であった。その一つ
に細胞の解凍方法の問題があった。
【0006】培養容器中に動物細胞が培養されている状
態で凍結されている場合、フラスコのような密閉するこ
とができる容器であれば、温水へ浸漬し解凍することは
比較的に容易であるが、シャーレやプレートの形態の場
合は、密閉できる構造ではないため、そのまま温水中に
浸漬すると、温水が培養器内に容易に浸入する可能性が
高く、菌が混入する可能性が高い。さらに、複数のウェ
ルを有するプレート、特に96ウェルプレートにおいて
はプレート内での各ウェルが均一なスピードで解凍され
ることが要求される。
【0007】前記の公報(特公平5−77389号公
報)では37℃インキュベーター中にただ放置し解凍す
る方法がシャーレを用いた場合において開示されてお
り、シャーレにおいては、ほぼ良好な細胞生存率を確保
できると報告されている。しかし、この解凍方法を複数
のウェルを有するプレートに適用しようとした場合、イ
ンキュベーター中の加温では解凍に時間を要し、特にプ
レート内側のウェルの解凍には長い時間を要することと
なり、プレート内側のウェルの細胞の生存率はゼロに等
しかった。
【0008】また、インキュベーター中は湿度が高いた
め、冷凍状態の培養器には結露が生じ、温水中に浸漬し
た場合と同等程度の水滴が外壁につくことになる。この
付着した水滴はきちんと除去しないと菌の混入をまねく
ことになる。また、37℃インキュベーター中で通常に
細胞が培養されている中に−80℃以下に冷却されてい
るものを持ち込み解凍することは、インキュベーター中
の温度を下げることになりあまり好ましいことではな
い。
【0009】生化学の分野における加温方法としては、
アルミブロックを加温してチューブ等を加温する方法が
広く普及している。PCR(polymerase chain reactio
n)法に用いられているように、アルミブロックに凹み
を設けその中に、解凍する培養器のウェル部分を納め加
温するという方法がある。アルミブロックでの加温に用
いられるチューブの形状は底部が丸くなって且つ傾斜が
ついており、アルミブロックとチューブが密着するた
め、効率良く加温できる。
【0010】しかし、培養に用いられるプレートのウェ
ルの形状は、検鏡性を良くするため底部は平面となって
おり、培養面を広くとる必要性から側壁はほとんど傾斜
はとられておらず、アルミブロックと培養用容器の外壁
を密着させることは難しく、空気層が隔たりとなって加
温効率を下げることになる。また空気抜けを導入した場
合、アルミブロックと密着する面積が少なくなり解凍効
率が落ちることになる。
【0011】上記のように従来用いられてきた方法で9
6ウェルプレートを解凍しようとした場合、ウェルの肉
厚を薄くせざるを得なくなる。PCR用にはウェル部分
の肉薄なプレートは市販されているが、培養器としては
市販されていない、なぜならば、培養器では倒立顕微鏡
での観察の必要性や吸光度測定のため、培養器は透明で
なくてはならず、さらに、培養器ではウェルの寸法の正
確さと安定性が要求されるため、射出成形によって作る
必要がある。
【0012】しかしながら、96ウェルプレートにおい
て、上記のような解凍方法でも細胞が死滅することなく
解凍できるような肉薄なプレートを射出成形により作る
ことは技術的に相当難しいことであった。また、不織布
のようなフィルター中に細胞を付着させ細胞を凍結保存
する方法が特開平6−209767号公報に開示されて
いる。
【0013】この公報において、凍結方法および解凍方
法が記載されているが、凍結用の密閉可能なチューブ中
に細胞が接着した担体を納めて凍結し、解凍はチューブ
を温水中に浸漬し解凍するという方法である。これは、
培養器中で凍結し、菌のコンタミを防ぐことができ、か
つ速やかに解凍できる方法が存在していなかったことに
他ならない。
【0014】以上のような理由から、前記の公報(特公
平5−77389号公報)に開示されているような足場
依存性動物細胞が凍結用培養液とともに培養面に接着し
凍結保存された培養器やあるいは特開平6−20976
7号公報に開示されているような不織布中に細胞を凍結
保存した培養器を96ウェルプレートをはじめとするマ
ルチウェルプレートで実現するため、速やかにしかも菌
のコンタミの心配がない解凍方法が望まれていた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、培養
容器中に動物細胞が凍結用培養液とともに凍結保存され
ている細胞付培養器を、簡便にかつ迅速に解凍でき、し
かも菌の混入する危険性を抑えることができ、かつ、マ
ルチウェルプレートにおいては、特にウェル部分が肉薄
でなくとも、細胞の高い生存性を保った解凍が可能な、
動物細胞の解凍方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、 (1) 動物細胞が凍結用培養液とともに培養器中に凍
結保存されている培養器の解凍方法であって、培養器を
水不透過性を有する袋中に納め、袋ごと培養器全体を1
〜37℃の範囲の水中に浸漬して水圧により袋を培養器
に密着させ、培養器を加温し、培養器中の動物細胞を解
凍することを特徴とする動物細胞の解凍方法。 (2) 凍結前に培養器を水不透過性を有する袋に納
め、袋をシールする(1)記載の動物細胞の解凍方法。 (3) 水不透過性を有する袋の内面の面積が、納めら
れている培養器の略表面積の1.6〜3倍を有し、1気
圧下で0〜37℃の温度範囲において袋内の培養器外の
気体の体積が、培養器の占める体積の0.5〜1倍の量
の気体を有する状態でシールすることを特徴(2)記載
の動物細胞の解凍方法。 (4) 水不透過性を有する袋の内面積が納められてい
る培養器の略表面積の1.6〜3倍を有し、水不透過性
を有する袋の一部または全体が通気性を有している
(2)記載の動物細胞の解凍方法 である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の解凍対象となる容器の形態は、動物細胞
培養用のマルチウェルプレート又はシャーレ、培養用フ
ラスコなどである。細胞の保持は、培養器の培養面上、
あるいは培養器内に設けられた細胞の足場となる担体の
表面、あるいは担体中である。担体について例を挙げる
と、担体表面に細胞を接着させる形態としてカバースリ
ップと言われる培養用の小片上に細胞が接着した状態
や、担体中に細胞を保持する事例としての特開平6−2
09767号公報に用いられているような不織布状の担
体の中や、ウレタンフォームなどの発泡体中等が挙げら
れる。担体は培養容器内に収まる大きさで、細胞毒性等
がなく細胞が培養できるものであれば特に制限はない。
【0018】本発明の解凍作業時の状態の模式図を図1
に示す。(1)は動物細胞が凍結用培養液とともに凍結
された培養器(ここでは培養用マルチウェルプレート本
体)、(2)は水不透過性を有する袋、(3)は水であ
る。培養器を水中に浸漬すると、水圧によって袋が培養
器全体に密着する。袋と培養器外表面との間には空気の
層は殆ど存在せず、培養器全体を直接水中に浸漬した場
合と同等の加温が可能になる。特に培養面へ加温効率が
高くなるため、細胞が培養面上に接着している場合の解
凍効率が高い。
【0019】従来の37℃インキュベーター中での解凍
や、加温したアルミブロックでの解凍では、0.3mm
以下や0.1mm以下といった肉薄なプレート中に細胞
を凍結する必要があったが、本発明による方法では、そ
の必要はなく、現在一般に培養容器として販売されてい
る細胞培養用プレートでも速やかな解凍が可能である。
【0020】解凍方法についてさらに詳細に述べる。解
凍スピードを左右する要因として培養器ウェル内の培養
液量があるが、ウェル内の培養液量は通常の培養で行わ
れている量の範囲であれば特に支障はない。ここでの留
意点は、培養器の培養面上に細胞が接着している場合、
一つのウェルの中で培養面上での解凍スピードを均等に
することが必要であることである。
【0021】96ウェルプレートのような培養面積が小
さいウェルでは培養液の表面張力によりメニスカス状態
となり、培地が少ないと、ウェル培養面中央部の培養液
の厚みが極端に薄くなる。そのため、解凍時中央部の培
養液が先に解凍されるが、まだ回りの部分は冷たいとい
う不均衡な状態がしばらく続くことになる。このような
状態では、一旦解凍された細胞が再び凍るなどして、細
胞の死滅を招くことになるため、ウェル内には程度の量
の培養液を分注しておき、ある程度の培養液の厚みを確
保することが必要である。
【0022】不織布などの担体中に細胞が付着している
場合には、不織布全体が培養液中に浸漬されていれば、
ウェル内で均一に細胞へ加温が可能となる。上記の理由
を鑑みて、適当な培養液量は、96ウェルプレートでは
1ウェルあたり50μl〜100μlである。一般の培
養用96ウェルプレートでは、1ウェルあたり50〜1
00μlの培養液量で、−80℃のディープフリーザー
から取り出し解凍する場合、25℃の水中への浸漬で解
凍に要する時間は2分から5分である。35℃の水中に
浸漬する場合は、1分30秒から3分程度であり、速や
かな解凍が可能である。
【0023】さらに、本発明における解凍方法では、1
0℃以下での細胞の解凍が可能である。10℃以下の水
中においては解凍に5分〜10分程度と時間がややかか
るが、細胞の生存を保持した解凍が可能である。ここで
の注意点は、完全に培養液が解けるまで水中への浸漬を
やめないことである、解けきらないうちに水中より挙げ
てしまうと、そこで加温が中断され、一旦解凍された細
胞が再び凍ることとなり、細胞の生存率を下げることに
なる。
【0024】本発明における解凍方法は水中に浸漬する
方法であり、水は比熱が大きくかつ流動しているため常
にエネルギーの供給が一定しており、また、水不透過性
を有する袋が培養器の培養面に密着されているため、培
養器培養面へ効率良く熱が伝わり、連続的に加温される
ことになる。本発明では、培養面上への滞ることのない
連続的なエネルギーの供給が可能であり、培養器の培養
面に細胞が接着した状態で凍結されており、培養面付近
さえ一旦解凍された状態を保つことができれば細胞の生
存を保つことが出来るものと考えられ、このような理由
により、10℃以下での低温における細胞の解凍が可能
になるものと考えられる。
【0025】さらに、本解凍方法では、袋中に培養器が
納められているため、解凍中外気に触れるこことがな
く、培養器に霜がついたり、またその霜が解けて培養器
をぬらすことがないため、培養器中に結露が培養器内に
進入し菌のコンタミが起こる危険性を低く抑えることが
できる。またさらに、本発明での解凍方法では、特別な
解凍用機器を調達する必要なく、実験室にあるウォータ
ーバスで十分であり、もっと極端に言えば、水道水を何
らかの容器にためる程度でも可能である。
【0026】食品などでは、脱気後袋をシールさせるい
わゆる真空包装がよく用いられており、この場合食品に
包装材が密着し、お湯にそのまま入れることにより効率
良く加熱するものであるが、培養器についてはこのよう
な包装形態はなかった。
【0027】その理由としては、低温では樹脂は脆くな
る。培養器を予め、袋中に納め、真空包装により密着さ
せたあと、真空包装された状態で冷却されれば、真空の
度合いはさらに大きくなり、低温下の保存中では包装材
により培養器へ力が加わることになり、長期間の保存で
は連続的に培養器に力が加わり、培養器の材質によって
はクラックなどが生じる可能性があるためと考えられ
る。
【0028】本発明者は、培養器に袋を密着させる方法
として、上記のような冷凍保存における培養器の破損の
危険性を抑えかつ、水中に浸漬したときに、袋全体が培
養器に密着できる方法として水中に浸漬した際の水圧を
利用し、袋を培養器に密着させる方法見出したのであ
る。
【0029】その方法を見出すための主要な点は、培養
器を収納する包装方法と条件にあった。まず第一は、袋
の大きさであり、第二は、凍結前の室温における袋中の
空気および気体の量である。まず、袋の大きさである
が、培養器全体を袋に密着させさらに袋に余裕がある大
きさが必要である。より具体的には、培養器の略表面積
の1.6〜3倍程度である。ここで略表面積について定
義する。図2にプレートを例に略表面積を説明すると、
プレート本体(8)に蓋(9)をした状態のプレート全
体を(10)の様に覆う面積であり、プレートの場合、
ウェルの形状によりプレート底面は凹凸を有する場合も
あるが、凹んだ部分は表面積としての対象とはせず、お
およそ直方体に近いかたちでの表面積を指すことにな
る。上記のような袋の大きさであれば、脱気を強制的に
することなく袋をシールした場合でも培養器を水中に浸
漬することにより水圧で培養器全体を覆ったかたちで袋
を密着させることができる。
【0030】次に、凍結前の室温における袋中の空気お
よび気体の量であるが、先にも述べたように凍結時の袋
内の陰圧化を防ぐために、凍結前にはある程度の気体が
袋中に余裕をもって保持されていることが必要である。
具体的には、1気圧下で0℃〜37℃の温度範囲におい
て袋内の培養器外の気体の体積が、培養器の占める体積
の0.5〜1倍の量の気体を有する状態でシールされて
いるのが適当である。
【0031】この範囲の気体の量であれば、−80℃で
凍結された場合袋内はほぼ1気圧となり、長期保存によ
って培養器が損傷するような力が培養器に加わることは
ない。さらに上記袋の大きさにおいて、水中に浸漬した
際に、培養器への袋の密着を妨げることはない。上記の
ような気体量の保持は、上記大きさの袋に培養器を納
め、袋の端をシールするだけでほぼ達成せきる。
【0032】袋の材質としては、水の透過性がなく、柔
軟性があり、低温において脆くならないものであれば特
に制限はない、そのような材質としては、ポリエチレ
ン、などのシートなどがあげられる、シートの厚さとし
ては、なるべく薄く、強度が保てる範囲であれば特に制
限はないが、5〜50μm あたりが適当である。
【0033】さらに、水中に浸漬した際の袋の密着度合
いを増すためには、袋の端の一部または全体に通気性の
あるシートを導入してやれば効果てきである。水中への
浸漬の際に、袋の通気性部分を空気中に出すことによ
り、余分な空気が袋外へ排出され、培養器への袋の密着
を確実にすることができる。
【0034】図1で解凍の手順を説明すると、ディープ
フリーザー中より凍結保存されている培養器を取り出
し、袋ごと培養器全体を水中に浸漬させる。水圧により
袋は培養器に密着し、空気は袋の余裕部分(6)にたま
るかたちとなる。浸漬させたまま放置することにより培
養器を加温する。培養器を浸漬しながらの放置には培養
器の蓋側に重し(4)をのせて培養器の浮き上がりを防
止する。さらに培養器はすのこ状の台(5)の上に置
き、還流を良くして効率良く培養器底面を加温する。
【0035】さらに、培養器を浸漬する水の水温が低い
場合は、冷たいプレートを浸漬した際に密着した袋の表
面に氷結が生じ、この氷が溶けるまでプレートのウェル
内へのエネルギーの供給が滞ることとなり、培養面の細
胞の生存率を著しく低下させることとなる。プレートへ
の氷の付着を防ぐため、水の攪拌をするなど、水を循環
させる必要がある、特に水温が10℃以下の時は、この
注意が必要である。
【0036】また、解凍後の凍結用培養液から培養用培
養液への交換であるが、なるべく培養液を交換する作業
環境の雰囲気温度まで培養器が加温された段階で行なっ
た方がよい。培養器の温度が作業を行なう雰囲気温度よ
り相当低いと、培養液の交換のために凍結用培養液を吸
引し除去する作業で、細胞表面に結露を起こすために細
胞がダメージを受けるので注意を要する。
【0037】一方、前記の親水性処理を施した不織布中
に細胞を存在させたり、このような不織布で培養面を覆
うことで、培地交換の際凍結用培養液を除去した際に、
不織布部分には培養液が残り、培養面上の細胞は結露か
ら保護することができるため有効である。このように、
親水性処理が施された不織布の利用は、作業環境の温度
と解凍時のプレートの温度差が大きい場合に有効であ
る。
【0038】
【実施例】(実施例1)細胞培養用96ウェルマルチウ
エルプレート(住友ベークライト製 品番MS-3096
F)にHeLa細胞を播種した。培養液は5%子牛血清を添
加したMEM培地を用いた。1ウェルあたり約1万個細胞
を播種し、炭酸ガスインキュベーター中で培養をおこな
った。顕鏡によりサブコンフルエントな状態に達したと
ころで細胞とともに培養器ごと凍結した。凍結の手順は
次の通り行った。
【0039】培養してきた培養液を除去し、DMSOを10
%の濃度で上記培養用の培養液に添加した凍結用培養液
を各ウエルに100μl分注し、大きさ22×17cm
のシートの厚さ50μmのポリエチレン製の袋中に納
め、シールし、直ちにちディープフリーザー中で1分間
あたり1℃の割合で−80℃まで冷却し凍結した。その
後ディープフリーザー中で−80℃で保存した。保存の
後、ディープフリーザーよりプレートを取り出し、プレ
ートを25℃の温水中に浸漬し完全に解凍した、解凍に
要した時間は約4分であった。即座に凍結用の培養液を
静かに吸引除去し、培養用の培養液をウエルあたり10
0μl加え、37℃ CO2インキュベーター中で培養を
開始した。
【0040】(比較例1)細胞培養用96ウェルマルチ
ウエルプレート(住友ベークライト製品番MS−3096
F)にHeLa細胞を播種した。培養液は5%子牛血清を添
加したMEM培地を用いた。1ウエルあたり約1万個細胞
を播種し、炭酸ガスインキュベーター中で培養をおこな
った。顕鏡によりサブコンフルエントな状態に達したと
ころで細胞とともに培養器ごと凍結した。凍結の手順は
次の通り行った。
【0041】培養してきた培養液を除去し、DMSOを10
%の濃度で上記培養用の培養液に添加し凍結用培養液を
各ウエルに100μl分注し、直ちにディープフリーザ
ー中で1分間あたり1℃の割合で−80℃まで冷却しプ
レートごと凍結した。−80℃で保存した。保存の後、
プレートを取り出し、プレートを37℃のインキュベー
ター中に放置し完全に解凍した、解凍には約20分以上
を要した、さらにプレートのまわりには結露を生じ、培
養液の交換前にプレートの蓋の結露を除かないと蓋より
結露がプレートウェル内へ落下する危険性があったた
め、露を滅菌済みの脱脂綿でぬぐったあと、培養液の交
換を行なった。凍結用の培養液を吸引除去し、培養用の
培養液をウエルあたり100μl加え、37℃ CO2イ
ンキュベーター中で培養を開始した。
【0042】(96ウェルプレートでの細胞生存率およ
びその各ウエル間ばらつきの比較)実施例1、2および
比較例1、2を用いた。培養2時間後、生細胞数確認用
試薬(WST-1(同仁))を各ウエルに10μl加え、3
7℃インキュベーター中で2時間培養し、生細胞数に応
じて生成されるホルマザン量をプレートリーダーにより
波長450nmでの吸光度測定した。
【0043】解凍時の細胞生存率は、プレートの凍結を
行なう際に、コントロールとして凍結まで同条件で同時
に培養を行なってきたプレートにWST−1加え上記条
件で培養し生成したホルマザンの吸光度を測定し、この
プレートの全ウェルの平均値で、実施例および比較例の
プレートの各ウエル吸光度を除すことにより算出した。
また、プレートウェル間の内生細胞率のばらつきを算出
した。ばらつきは、変動係数(cv値)で比較した。結
果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明に従うと、培養容器中に凍結され
た足場依存性動物細胞の解凍において動物細胞の生存性
率を低下させることがない速やかな解凍が可能であり、
菌の混入の危険性を抑えた、足場依存性動物細胞の解凍
手段を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動物細胞の解凍方法の模式図である。
【図2】本発明中に使用される「略表面積」の概念図であ
る。
【符号の簡単な説明】 1 培養器本体 2 袋 3 水 4 重し 5 すのこ状の台 6 余分な空気の部分 7 培養液 8 プレート本体 9 蓋 10 略表面積を示す面の断面ライン
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:91) C12R 1:91)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動物細胞が凍結用培養液とともに培養器
    中に凍結保存されている培養器の解凍方法であって、培
    養器を水不透過性を有する袋中に納め、袋ごと培養器全
    体を1〜37℃の範囲の水中に浸漬して水圧により袋を
    培養器に密着させ、培養器を加温し、培養器中の動物細
    胞を解凍することを特徴とする動物細胞の解凍方法。
  2. 【請求項2】 凍結前に培養器を水不透過性を有する袋
    に納め、袋をシールする請求項1記載の動物細胞の解凍
    方法。
  3. 【請求項3】 水不透過性を有する袋の内面の面積が、
    納められている培養器の略表面積の1.6〜3倍を有
    し、1気圧下で0〜37℃の温度範囲において袋内の培
    養器外の気体の体積が、培養器の占める体積の0.5〜
    1倍の量の気体を有する状態でシールする請求項2記載
    の動物細胞の解凍方法。
  4. 【請求項4】 水不透過性を有する袋の内面積が納めら
    れている培養器の略表面積の1.6〜3倍を有し、水不
    透過性を有する袋の一部または全体が通気性を有してい
    る請求項2記載の動物細胞の解凍方法。
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JP2018110539A (ja) * 2017-01-10 2018-07-19 大日本印刷株式会社 細胞容器の保護容器および温度調節方法
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