JPH10201843A - 薬液供給具 - Google Patents

薬液供給具

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JPH10201843A
JPH10201843A JP9027173A JP2717397A JPH10201843A JP H10201843 A JPH10201843 A JP H10201843A JP 9027173 A JP9027173 A JP 9027173A JP 2717397 A JP2717397 A JP 2717397A JP H10201843 A JPH10201843 A JP H10201843A
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pressing member
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container
chemical solution
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JP9027173A
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Yasuo Moriya
保夫 守谷
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】構造が簡易で、小型、軽量であり、携帯に適し
た薬液供給具を提供すること。 【解決手段】本発明の薬液供給具1は、箱状のケーシン
グ本体3と、該ケーシング本体3に蝶番5により回動可
能に設置された蓋体4とで構成されるケーシング2を有
している。該ケーシング2は、全体として扁平形状をな
し、その内部には、収縮/復元可能な押圧部材8が、包
材10内に減圧状態で密封収納された状態で収納されて
いる。この押圧部材8は、例えば発泡体のような復元力
のある多孔質体で構成されており、包材10を開封して
その収縮状態を解除すると、復元し、蓋体4の当接面4
1との間でバッグ20を挟み、圧迫する。この圧迫によ
り、バッグ20内の薬液は、チューブ21を介して排出
される。蓋体4は、一対のピン6にフック7を掛けるこ
とで、閉じた状態が維持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばモルヒネ等
の鎮痛剤、インシュリン製剤、抗生物質、抗ガン剤のよ
うな薬液を供給、特に生体へ投与するための薬液供給具
に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、患者に対し薬液を投与するため
の薬液供給装置としては、病院等の医療機関において使
用されるものと、患者自身が自宅や職場等で自己投与す
る際に使用されるものとがあり、特に後者の場合には、
小型、軽量で、携帯に適したものであることが要求され
る。
【0003】このような薬液供給装置としては、シリン
ジポンプ型、バルーン圧利用型、ガス発生型等のものが
知られているが、これらには、種々の欠点がある。すな
わち、シリンジポンプ型は、電源や電気回路を必要と
し、その構造が極めて複雑であり、バルーン圧利用型
は、供給される薬液の流量の経時的変動が大きく、ガス
発生型は、出力が小さいことから、摺動抵抗や外圧によ
る流量変動が大きいという欠点がある。また、これらの
いずれの型も、その形状や大きさ等から、携帯には不便
である。
【0004】また、上記と異なるタイプの薬液供給装置
として、特開平7−100206号公報、特表平7−5
02675号公報に開示された装置がある。
【0005】特開平7−100206号公報に開示され
た薬液供給装置(定圧薬液注入ポンプ)は、可撓性の薬
液バッグを押圧する押え板と、該押え板を直線移動させ
る駆動装置と、前記薬液バッグを収納するハウジングと
を有し、前記駆動装置により前記押え板を駆動して薬液
バッグを圧迫し、薬液バッグ内の薬液を排出するもので
ある。
【0006】この場合、前記駆動装置は、バネ巻取ドラ
ムと、バネ巻取リールと、それらに巻き付けられる定荷
重バネと、該定荷重バネの巻戻し特性により前記押え板
を薬液バッグ側へ直線移動させる螺進機構とで構成され
ており、いわゆるゼンマイ式の駆動装置である。
【0007】そのため、駆動装置の構造が複雑であり、
重量も重く、駆動装置を設置するためのスペースも大き
く、よって、薬液供給装置全体が大型となり(厚さが厚
くなり)、重量が重く、携帯には適さない。さらに、駆
動装置の構造が複雑であるため、故障が生じることがあ
り、それにより薬液の投与が中断され、患者に対し悪影
響を及ぼすおそれがある。
【0008】一方、特表平7−502675号公報に開
示された薬液供給装置(自動輸液装置)は、開閉可能な
蓋を有するボックスと、可撓性の薬液バッグを載置する
プレートと、前記ボックス内に収納され、前記プレート
を前記蓋側へ押し戻すように付勢する付勢機構とで構成
されている。
【0009】この場合、前記付勢機構は、連結部位でク
ロスする2対のアームと、各アームを連結するリンクア
ームとで構成されるリンク機構と、前記各アームの端部
同士に架設された4つのバネとを有し、前記各バネの弾
性により前記リンク機構を変形させ、プレートを蓋側へ
付勢するように構成されている。
【0010】そのため、この付勢機構は、前記駆動装置
と同様に、その構造が複雑であり、重量も重く、付勢機
構を設置するためのスペースも大きく、よって、薬液供
給装置全体が大型となり(厚さが厚くなり)、重量が重
く、携帯には適さない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、構造
が簡易で、小型、軽量であり、また、携帯に適した薬液
供給具を提供することにある。
【0012】
【発明を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(17)の発明により達成される。
【0013】(1) 軟質の袋状の容器内に収納された
薬液を前記容器から排出させ、他所へ供給する薬液供給
具であって、前記容器に当接する当接面を有する支持部
材と、収縮状態と復元状態または膨張状態とに変形可能
な材料で構成され、前記当接面との間で前記容器を圧迫
し得る押圧部材とを有し、収縮状態に保持されている前
記押圧部材にその収縮状態を解除する操作を行って該押
圧部材を復元または膨張させ、その復元力または膨張力
により前記容器を圧迫するよう作動することを特徴とす
る薬液供給具。
【0014】(2) 軟質の袋状の容器内に収納された
薬液を前記容器から排出させ、他所へ供給する薬液供給
具であって、前記容器に当接する当接面を有する支持部
材と、収縮状態と復元状態または膨張状態とに変形可能
な材料で構成され、前記当接面との間で前記容器を圧迫
し得る押圧部材と、前記押圧部材を、収縮状態に保持す
る収縮状態保持手段とを有し、前記収縮状態保持手段に
より保持されている前記押圧部材の収縮状態を解除する
と、前記押圧部材が復元または膨張し、これにより前記
容器を圧迫するよう作動することを特徴とする薬液供給
具。
【0015】(3) 前記支持部材は、その当接面が前
記押圧部材に対し接近・離間し得るように設置されてい
る上記(1)または(2)に記載の薬液供給具。
【0016】(4) 前記押圧部材は、復元または膨張
完了状態において、前記当接面と直接または間接的に接
触し得るものである上記(1)ないし(3)のいずれか
に記載の薬液供給具。
【0017】(5) 軟質の袋状の容器内に収納された
薬液を前記容器から排出させ、他所へ供給する薬液供給
具であって、ケーシング本体と蓋体とで構成されるケー
シングと、前記ケーシング内に設置され、収縮状態と復
元状態または膨張状態とに変形可能な材料で構成され、
前記蓋体との間で前記容器を圧迫し得る押圧部材とを有
し、収縮状態に保持されている前記押圧部材にその収縮
状態を解除する操作を行って該押圧部材を復元または膨
張させ、その復元力または膨張力により前記容器を圧迫
するよう作動することを特徴とする薬液供給具。
【0018】(6) 軟質の袋状の容器内に収納された
薬液を前記容器から排出させ、他所へ供給する薬液供給
具であって、ケーシング本体と蓋体とで構成されるケー
シングと、前記ケーシング内に設置され、収縮状態と復
元状態または膨張状態とに変形可能な材料で構成され、
前記蓋体との間で前記容器を圧迫し得る押圧部材と、前
記押圧部材を、収縮状態に保持する収縮状態保持手段と
を有し、前記収縮状態保持手段により保持されている前
記押圧部材の収縮状態を解除すると、前記押圧部材が復
元または膨張し、これにより前記容器を圧迫するよう作
動することを特徴とする薬液供給具。
【0019】(7) 前記収縮状態保持手段は、前記押
圧部材を減圧状態で気密収納し、その形状を収縮状態に
規制する包材で構成される上記(2)または(6)に記
載の薬液供給具。
【0020】(8) 前記蓋体は、前記ケーシング本体
に対し変位可能または着脱可能に設置されている上記
(5)または(6)に記載の薬液供給具。
【0021】(9) 前記押圧部材は、主に、収縮状態
と復元状態とに変形可能な多孔質材料で構成されている
上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の薬液供給
具。
【0022】(10) 前記押圧部材は、主に、収縮状態
と復元状態とに変形可能な形状記憶材料で構成されてい
る上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の薬液供給
具。
【0023】(11) 前記押圧部材は、主に、収縮状態
と膨張状態とに変形可能な吸水性高分子材料で構成され
ている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の薬液
供給具。
【0024】(12) 前記押圧部材の収縮状態を解除す
る収縮状態解除手段を有する上記(1)ないし(11)の
いずれかに記載の薬液供給具。
【0025】(13) 前記包材の減圧状態を解除するこ
とにより前記押圧部材の収縮状態を解除する収縮状態解
除手段を有する上記(7)に記載の薬液供給具。
【0026】(14) 薬液供給具全体が、扁平な形状を
なしている上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の
薬液供給具。
【0027】(15) 前記容器に作用する圧迫力を調節
する圧迫力調節手段を有する上記(1)ないし(14)の
いずれかに記載の薬液供給具。
【0028】(16) 前記圧迫力調節手段は、前記容器
の異なる部位に対する圧迫力または圧迫順序に差を設け
ることができるよう構成されている上記(15)に記載の
薬液供給具。
【0029】(17) 前記圧迫力調節手段は、前記容器
の一方の面と他方の面とにそれぞれ当接する面間の距離
を調節する機構で構成される上記(15)または(16)に
記載の薬液供給具。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の薬液供給具を、添
付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0031】図1は、本発明の薬液供給具の実施例を示
す斜視図、図2は、図1に示す薬液供給具の蓋体開状態
を示す断面側面図、図3は、図1に示す薬液供給具の薬
液排出時の状態(蓋体閉状態)を示す断面側面図であ
る。
【0032】これらの図に示すように、本発明の薬液供
給具1は、箱状のケーシング本体3と、蓋体4とで構成
されるケーシング2を有している。このケーシング2
は、全体として扁平形状をなしている。
【0033】蓋体(支持部材)4は、その一辺におい
て、蝶番5によりケーシング本体3に対し回動可能(変
位可能)に設置されている。蓋体4の内面は、後述する
バッグ20の一方の面に当接し、バッグ20を圧迫する
当接面41を構成している。
【0034】この当接面41は、ほぼ平坦な面をなして
おり、蓋体4を閉じたとき、ケーシング本体3の内部、
すなわちケーシング本体3の図1中上端31より所定距
離下方(ケーシング本体3の内部)に位置してる。ま
た、蓋体4の蝶番5と反対側の端部には、一対のピン6
が突設されている。
【0035】一方、ケーシング本体3の図1中前方側の
端面には、前記各ピン6にそれぞれ係止可能な一対のフ
ック7が、回動可能に設置されている。蓋体4を閉じた
状態(図3に示す状態)とし、両フック7を対応するピ
ン6に引っ掛けると、蓋体4は、開くことができず、閉
じた状態が維持される。従って、ピン6とフック7とに
より蓋体4の閉状態を維持するロック手段が構成され
る。
【0036】また、ケーシング本体3の図1中前方側の
ほぼ中央部には、後述するバッグ20に接続されている
チューブ21を挿通するための切欠き32が形成されて
いる。
【0037】なお、蓋体4は、図示のように、ケーシン
グ本体3に対し回動可能に設置されている場合に限ら
ず、例えば、当接面41と平行な方向に摺動可能に設置
されていたり、あるいは、ケーシング本体3に対し着脱
可能に設置されていてもよい。
【0038】このようなケーシング2内には、収縮状態
と復元状態とに変形可能な押圧部材8が、包材10内に
密封収納された状態で入れられている。
【0039】本実施例における押圧部材8は、復元力
(弾力性)のある多孔質体で構成され、その復元力によ
り、蓋体4の当接面41との間でバッグ20を挟み、圧
迫する。
【0040】押圧部材8を構成する多孔質材料として
は、例えば、発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン、発
泡ポリプロピレン、発泡ポリスチレン、発泡ゴム等の発
泡体、特に発泡弾性体(スポンジ)、織布、不織布、天
然繊維、化学繊維、ガラス繊維(グラスウール)、金属
繊維、炭素繊維等の各種繊維の集合体、またはこれらを
適宜組み合わせたもの(例えば積層体)等が挙げられ
る。
【0041】前記発泡体は、互いに独立した空孔(気
泡)を持つものでも、連続通孔を持つものでもよい。
【0042】なお、押圧部材8の構成材料は、前記の例
示したものに限定されないことは、言うまでもない。
【0043】一方、包材(収縮状態保持手段)10は、
気体不透過性を有し、押圧部材8を気密的に収納する。
この場合、未開封の包材10は、その内部が減圧状態と
され、それにより押圧部材8の体積(見かけ上の嵩)を
減少させ、すなわち押圧部材8を収縮した状態に規制し
ている(図2参照)。
【0044】また、包材10を開封(包材10の内・外
を連通させること)すると、包材10内に外気が流入
し、包材10内の減圧状態が解除される。これにより、
押圧部材8を収縮状態とする規制が解除され、押圧部材
8は、復元可能となる。
【0045】包材10の開封方法(開封手段)は、特に
限定されないが、本実施例では、ケーシング本体3の底
部に孔(収縮状態解除手段)33を設け、この孔33よ
り針(包材開封器具)14の先端部を挿入し、包材10
を穿刺して、包材10に孔を開けることにより行われる
(図2参照)。
【0046】このような包材10の構成材料としては、
特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエ
チレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
等のポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニ
ルアルコール、ポリ塩化ビニリデン等の樹脂によるフィ
ルム、または、これらのフィルムを2層以上重ねた積層
体(ラミネートフィルム)、さらには、これらの樹脂フ
ィルムと、例えばアルミニウムのような金属箔との積層
体(ラミネートフィルム)を用いることができる。
【0047】押圧部材8の形状や厚さは、特に限定され
ないが、押圧部材8の復元完了状態において、押圧部材
8の上面(図2中の上部)が、閉じた状態の蓋体4の当
接面41を間接的に、すなわち包材10のシートを介し
て接触(または圧着)する程度のものであるのが好まし
い。これにより、バッグ20内の薬液22をより効率的
に排出することができ、バッグ20内の薬液22の残存
量も少なくなる。
【0048】バッグ20は、例えばポリ塩化ビニル、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体のような軟質樹脂よりなるシート材(フィルム
材)を袋状に成形した可撓性を有する容器であって、そ
の内部には、薬液22が収納されている。
【0049】バッグ20の一端部には、バッグ20から
排出された薬液22を他所へ送液するためのチューブ2
1が液密に接続されている。このチューブ21は、例え
ばポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
ポリオレフィンのような軟質樹脂で構成され、可撓性を
有している。
【0050】薬液22は、その使用目的に応じて適宜選
択され、例えば、モルヒネ等の鎮痛剤、インシュリン製
剤、抗生物質、抗ガン剤等が挙げられる。
【0051】バッグ20の容量は、特に限定されず、収
納される薬液22の種類、使用形態、症例等に応じて、
適宜決定されるが、通常は、30〜400ml程度のもの
が好ましく、50〜250ml程度のものがより好まし
い。
【0052】なお、押圧部材8の厚さは、その全域にわ
たって同一である場合に限らず、厚さが異なる部分が存
在していてもよい。例えば、ケーシング2の前方側(切
欠き32が形成されている側)に比べ、後方側(蝶番5
が形成されている側)の部分の厚さを厚くすることがで
き、これにより、バッグ20の後方部分に作用する圧迫
力を前方部分に比べて大きくすること、すなわち、バッ
グ20の後方部分を前方部分に対し優先的に圧迫するこ
とができ、よって、バッグ20内の残液量が少なくなっ
たときに、バッグ20がその後方から前方へ向けてしご
かれるように圧迫され、バッグ20内の薬液22をその
ほぼ全量、無駄なくを排出することができる。
【0053】また、本発明の薬液供給具1においては、
形状、材質、弾性、厚さまたは厚さのパターン等の条件
が種々異なる押圧部材8の包材7による包装体を、バッ
グ20の容量、薬液の種類やその充填量、症例等の諸条
件に応じ、適宜選択、交換して用いることもできる。
【0054】次に、薬液供給具1の作用(使用方法)に
ついて説明する。まず、図1および図2に示すように、
蓋体4を開き、薬液22が満たされたバッグ20をケー
シング本体3内に入れ、未開封の包材10に収納されて
いる押圧部材8上に載置する。このとき、バッグ20に
接続されているチューブ21を切欠き32に挿通する。
また、チューブ21の途中を例えばクランプ(クレン
メ)27のような器具により圧閉し、その流路を封止し
ておくのが好ましい。
【0055】次に、蓋体4を閉じ、両フック7を対応す
るピン6に引っ掛ける。これにより、蓋体4の閉状態が
維持される。なお、蓋体4を閉じる際、押圧部材8は、
収縮状態を維持しているので、蓋体4にバッグ20から
の反力が過大に作用することがなく、よって、蓋体4を
閉じ、ロックする操作を容易に行うことができる。
【0056】次に、孔33より針14の先端部を挿入
し、包材10を穿刺する。これにより、包材10が通気
され、押圧部材8の収縮状態が解除され、押圧部材8
は、復元を開始する。
【0057】この押圧部材8の復元力(図3中矢印で示
す)により、バッグ20は、押圧部材8の包装体の上部
と蓋体4の当接面41とに挟持され、圧迫される。この
圧迫により、バッグ20の内圧が高まり、クランプ27
によるチューブの圧閉を解除すると、バッグ20内の薬
液22が徐々に排出される(図3参照)。
【0058】バッグ20内の薬液22の量の減少に伴っ
て、押圧部材8が徐々に元の形状に戻るように復元し、
最終的に、バッグ20内の薬液22のほぼ全量が排出さ
れる。
【0059】以上のように、薬液供給具1は、基本的に
は、蓋体4を開き、ケーシング2内にバッグ20を装填
し、蓋体4を閉じてロック、包材10を開封するとい
う、極めて簡単な操作で薬液22を供給することができ
る。
【0060】また、蓋体4を閉じる際には、押圧部材8
の収縮状態が維持されているので、その操作を軽微な力
で容易に行うことができる。
【0061】図13は、本発明の薬液供給具1の使用状
態の一例を示す平面図である。同図に示すように、薬液
供給具1にバッグ20を前述したように装填する。バッ
グ20に接続されたチューブ21は、流量調節装置23
を介してチューブ24の基端と接続され、チューブ24
の先端には、ハブ25を介して穿刺針26が装着されて
いる。
【0062】薬液供給具1によるバッグ20の圧迫によ
りバッグ20から流出した薬液22は、チューブ21を
経て流量調節装置23の内部流路に流入し、ここで流量
を所望に調節される。流量調節装置23から流出した薬
液は、チューブ24、ハブ25、および患者(生体)2
8に穿刺された穿刺針26を順次経て、患者28に投与
される。
【0063】この場合、クランプ27の操作によるチュ
ーブ21内の流路の開閉により、薬液22の投与を所定
時間中断したり、あるいは、薬液22の投与を間欠的に
行うことができる。
【0064】なお、流量調節装置23は、それに固有の
一定流量に設定するものの他、薬液の流量を連続的また
は段階的に変更、調整可能なものであってもよい。
【0065】バッグ20からの薬液22の排出が終了し
たら、使用済の押圧部材8を包材10に減圧状態で密封
収納された新たな押圧部材8に交換するとともに、前記
空のバッグ20を薬液22が満たされた新たなバッグ2
0と交換し、前記と同様の操作を行うことにより、薬液
の投与を再開することができる。この場合、バッグ20
は、好ましくは使い捨てとされるが、薬液供給具1(押
圧部材8および包材10を除く)は、再使用に供され
る。
【0066】なお、押圧部材8を収納する包材10が、
内部を再度減圧状態にすることができるような構成のも
のである場合(例えば、包材10が開閉可能なファスナ
ーを備えている場合)には、内部を減圧状態に復帰させ
て再使用に供することができる。
【0067】図4は、本発明の薬液供給具の他の実施例
を示す部分背面図である。同図に示す薬液供給具1は、
包材10の開封手段が異なる以外は、前記実施例と同様
である。以下、相違点についてを説明し、同様の事項に
ついてはその説明を省略する。
【0068】図4に示す薬液供給具1では、ケーシング
本体3の背面に、窓(開口)34が形成されている。一
方、包材10の端部には、V字状のノッチ(収縮状態解
除手段)11が形成されている。包材10を開封する際
には、窓34を介してケーシング2内に指を挿入し、包
材10をノッチ11にて破断する。
【0069】このような構成の薬液供給具1では、前記
針14のような包材開封器具を用いることなく、包材1
0を容易に開封することができるという利点を有する。
【0070】図5および図6は、それぞれ、本発明の薬
液供給具の他の実施例を示す断面側面図である。これら
の図に示す薬液供給具1は、バッグ20に作用する圧迫
力を調節する圧迫力調節手段9を設けた以外は、前記図
1〜図3に示す実施例と同様である。以下、相違点につ
いてを説明し、同様の事項についてはその説明を省略す
る。
【0071】圧迫力調節手段9は、バッグ20の一方の
面に当接する当接面41と、バッグの他方の面に当接す
る押圧部材8の包装体の上面82との距離を調節する機
構で構成されている。以下、その構成を具体的に説明す
る。
【0072】蓋体4の内側には、調整板91が、蓋体4
との距離を変更可能に設置されている。調整板91の四
隅には、それぞれボルト92が挿通され、各ボルト92
は、蓋体4に埋設、固定されたナット93に螺合してい
る。また、調整板91と蓋体4との間には、板バネ94
が設置され、調整板91を蓋体4から離間する方向に付
勢している。調節板91の押圧部材8側に臨む面は、前
記と同様のバッグ20を圧迫する当接面41を構成して
いる。
【0073】各ボルト92の頭部端面は、調節板91の
当接面41側に露出しており、例えばマイナスドライバ
ーを用いてボルト92を所定方向に回転すると、ボルト
92がナット93と螺合していることにより、調節板9
1と蓋体4との離間距離を調整することができる。調節
板91と蓋体4との離間距離の増加/減少は、蓋体4を
閉じた状態における当接面41と上面82との離間距離
の減少/増加に対応し、さらに、この関係は、復元した
押圧部材8によりバッグ20へ作用する圧迫力の増加/
減少に対応する。
【0074】このような圧迫力調節手段9を設けたこと
により、同一のバッグ20に対し、その圧迫力を変更す
ることが可能となるとともに、例えば薬液22の充填量
が異なるバッグ20を選択して用いる場合に、それに応
じた最適な圧迫条件に設定することができるという効果
を有する。
【0075】すなわち、例えば、薬液22の充填量が少
ない(厚さが薄い)バッグ20を用いる場合、当接面4
1と上面82との離間距離を比較的小さく設定すること
により、一定の圧力で、最後まで薬液22を排出するこ
とができる。また、逆に、薬液22の充填量が多い(厚
さが厚い)バッグ20を用いる場合、当接面41と上面
82との離間距離を比較的大きく設定することにより、
バッグ20の過剰な圧迫を抑制することができる。
【0076】また、図6に示すように、圧迫力調節手段
9は、調整板91を傾斜させることにより、バッグ20
の各部に対する圧迫力に差を設けることもできる。
【0077】すなわち、例えば、各ボルト92の回転量
の調整により、蓋体4を閉じた際、バッグ20の前方
(チューブ21が接続されている側)部分における当接
面41と未開封の包装体の上面82との離間距離より、
バッグ20の後方部分における当接面41と未開封の包
装体の上面82との離間距離が小さくなるように設定す
る。これにより、バッグ20の後方部分に作用する圧迫
力を前方部分に比べて大きくすること、すなわち、バッ
グ20の後方部分を前方部分に対し優先的に圧迫するこ
とができ、よって、バッグ20内の残液量が少なくなっ
たときに、バッグ20がその後方から前方へ向けてしご
かれるように圧迫され、バッグ20内の薬液22をその
ほぼ全量、無駄なくを排出することができる。
【0078】なお、調整板91の蓋体4からの離間距離
や蓋体4に対する傾斜方向および傾斜角度は、各ボルト
92の回転量の調整により、任意に設定することができ
る。
【0079】図7は、本発明の薬液供給具の他の実施例
を示す断面側面図である。同図に示す薬液供給具1は、
圧迫力調節手段9の構成が前記図5および図6に示すも
のと異なっている。すなわち、図7に示す薬液供給具1
における圧迫力調節手段9は、板状のスペーサー95a
で構成されている。このスペーサー95aをケーシング
本体3の底部と押圧部材8との間に挿入することによ
り、押圧部材8の包装体の上面82をスペーサー95a
の厚さ分上昇させることができる。すなわち、スペーサ
ー95aの挿入の有無により、蓋体4を閉じた状態にお
ける当接面41と未開封の包装体の上面82との離間距
離を、2段階に調整することができる。
【0080】また、各々厚さの異なるスペーサー95
a、95b、95cを用意し、それらのうちのいずれか
を選択してケーシング本体3の底部と押圧部材8との間
に挿入したり、あるいは、同一または異なる厚さのスペ
ーサーを複数枚用意し、ケーシング本体3の底部と押圧
部材8との間に挿入するスペーサーの種類や数を適宜変
えることにより、蓋体4を閉じた状態における当接面4
1と未開封の包装体の上面82との離間距離を、他段階
に調整することができる。
【0081】このような圧迫力調節手段9を設けること
による効果は、前記と同様である。また、図8に示すよ
うに、前方側と後方側とで厚さの異なる、すなわち頂角
θ1 のテーパ面を有するスペーサー96aを用いること
により、蓋体4を閉じた際、バッグ20の前方部分にお
ける当接面41と未開封の包装体の上面82との離間距
離より、バッグ20の後方部分における当接面41と未
開封の包装体の上面82との離間距離が小さくなり、前
述した図6に示す構成の薬液供給具1と同様の作用・効
果を得ることができる。
【0082】また、さらに頂角θ2 (≠θ1 )のスペー
サー96bを用意し、スペーサー96a、96bのうち
のいずれかを選択してケーシング本体3の底部と押圧部
材8との間に挿入したり、スペーサー96a、96bお
よび前記スペーサー95a、95b、95cを任意に組
み合わせて用いたりすることもできる。
【0083】なお、図7および図8に示す薬液供給具1
では、ケーシング本体3の底部にスペーサーを挿入する
関係で、包材10の開封手段として、図4に示す構成の
ものが用いられている。
【0084】スペーサー95a、95b、95c、96
a、96bの材質は、特に限定されず、例えば、各種樹
脂、金属等の硬質材料や、前述した押圧部材8の構成材
料と同様のものが挙げられる。後者の場合、より軽量で
あるとともに、バッグ20の圧迫にも寄与するので好ま
しい。
【0085】なお、スペーサーの形状は、図示のような
板状のものに限らず、例えば、棒状、枠状、ブロック状
のものでもよい。また、このようなスペーサーは、蓋体
4側に設置することもでき、この場合でも前記と同様の
作用・効果を得ることができる。
【0086】図9および図10は、それぞれ、本発明の
薬液供給具の他の実施例を示す断面側面図である。これ
らの図に示す薬液供給具1は、押圧部材の構成が異な
り、それ以外は、前記図1〜図3に示す実施例とほぼ同
様である。以下、相違点についてを説明し、同様の事項
についてはその説明を省略する。
【0087】図9および図10に示す薬液供給具1にお
いて、押圧部材12は、形状記憶材料で構成されてい
る。この押圧部材12の上部には、バッグ20(図中省
略)に当接する押圧板13が設置されている。
【0088】押圧部材12を構成する形状記憶材料とし
ては、例えば、Ni−Ti系、Fe系、Cu系の形状記
憶合金や、アクリル系樹脂、トランスイソプレンポリマ
ー、ポリノルボルネン、スチレン−ブタジエン共重合
体、ポリウレタンのような形状記憶ポリマーが挙げられ
る。
【0089】また、ケーシング本体3の少なくとも底部
(底板)35は、熱伝導性に優れる材料、例えば、ステ
ンレス鋼、銅、銅合金(真鍮等)、アルミニウム、アル
ミニウム合金のような金属材料で構成されている。
【0090】押圧部材12は、その材料特性により、常
温付近では、図9に示すように、収縮状態を保持してい
る。これにより、蓋体4を閉じた際、押圧板13の上面
131と蓋体4の当接面41との間に、薬液22を満た
したバッグ20を収納する空間が形成される。また、押
圧部材12は、体温(37℃)付近の温度となると、図
9に示すように、復元(伸長または膨張)する。そし
て、復元完了状態で、押圧板13の上面131と蓋体4
の当接面41とが接触(または圧接)する程度となる。
押圧部材12の温度が再び常温付近まで低下すると、図
9に示す状態に戻る。
【0091】なお、押圧部材12の形態、形状、充填量
等には特に限定はなく、十分な復元性を確保し得るもの
であれば、任意の条件で用いることができる。
【0092】この薬液供給具1では、図9に示す状態で
ケーシング2内にバッグ20を装填し、蓋体4を閉じて
ロックした後、ケーシング本体3の底部35の外表面を
患者28の例えば腹部等の肌に密着させる。これによ
り、体温が底部35を介して押圧部材12に伝達され、
押圧部材12が復元し、押圧板13の上面131と蓋体
4の当接面41とでバッグ20が圧迫され、バッグ20
内の薬液22がチューブ21を介して排出され、前述し
たようにして患者28自信に投与される。
【0093】この薬液供給具1において、押圧板13
は、前述したスペーサー95a、95b、95c、96
a、96bと同様に、その厚さやテーパ角度が種々異な
るものを選択して使用することができ、これにより、前
記と同様の効果が得られる。また、図5および図6に示
す圧迫力調節手段9を採用することもできる。
【0094】このような薬液供給具1によれば、押圧部
材12の収縮状態の解除の操作は、ケーシング本体3の
底部35を肌等に密着させるだけでよく、その操作が極
めて簡単であるとともに、押圧部材12を何度でも再使
用することができるという利点がある。
【0095】図11は、前述の形状記憶材料で構成され
た押圧部材12を用いる薬液供給具1において、押圧部
材12を復元させる手段(収縮状態解除手段)の構成例
を示す平面図である。同図に示す収縮状態解除手段は、
主に、押圧部材12を復元状態とし得る所定の温度(形
状記憶ポリマーの場合、ガラス転移点Tg以上の温度)
に加温することができるヒータ(加温手段)で構成され
ている。以下詳述する。
【0096】ケーシング本体3の底部内面には、電熱線
を所定のパターンで配置してなる第1のヒータ151お
よび第2のヒータ152が設置されている。これら両ヒ
ータ151、152の上には、形状記憶材料で構成され
た押圧部材12(図中省略)が設置され、さらにその上
に、前記と同様の押圧板13(図中省略)が設置され
る。
【0097】一方、ケーシング2外には、第1のヒータ
151および第2のヒータ152に電力を供給し得る電
力供給回路16が設けられ、第1のヒータ151および
第2のヒータ152の各端子は、着脱可能なコネクタ1
7を介して電力供給回路16の対応する端子と接続され
る。
【0098】電力供給回路16は、直流または交流の電
源160と、スイッチ161および162とを備えてい
る。この場合、電源160には、その出力電圧が可変の
ものを用い、押圧部材12の加熱温度や昇温速度を適宜
調整・設定可能とするのが好ましい。
【0099】コネクタ17の接続時に、電源160のマ
イナス端子は、第1のヒータ151および第2のヒータ
152のマイナス端子に接続され、電源160のプラス
端子は、それぞれ、スイッチ161および162を介し
て、第1のヒータ151および第2のヒータ152のプ
ラス端子に接続される。
【0100】このような電力供給回路16において、ス
イッチ161を閉じると、第1のヒータ151に電力が
供給されて発熱し、スイッチ162を閉じると、第2の
ヒータ152に電力が供給されて発熱し、両スイッチ1
61、162を閉じると、第1のヒータ151および第
2のヒータ152のそれぞれにに電力が供給されて発熱
する。
【0101】第1のヒータ151のみが作動(発熱)し
た場合には、後方側の押圧部材12が優先的に復元し、
これにより、バッグ20の後方部分に作用する圧迫力を
前方部分に比べて大きくすることができる(形態1)。
すなわち、バッグ20の後方部分を前方部分に対し優先
的に圧迫することができ、よって、バッグ20内の残液
量が少なくなったときに、バッグ20がその後方から前
方へ向けてしごかれるように圧迫され、バッグ20内の
薬液22をそのほぼ全量、無駄なくを排出することがで
きる。
【0102】また、第2のヒータ152のみが作動(発
熱)した場合には、前方側の押圧部材12が優先的に復
元し、これにより、前記とは逆に、バッグ20の前方部
分に作用する圧迫力を後方部分に比べて大きくすること
ができる(形態2)。
【0103】また、第1のヒータ151と第2のヒータ
152とを同時に作動(発熱)した場合には、押圧部材
12が均等に復元し、バッグ20をほぼ平行に(均等
に)圧迫することができる(形態3)。
【0104】また、各スイッチ161、162の開閉パ
ターンや開閉タイミングを任意に設定することにより、
前記3形態の中間の状態を作り出すこともできる。
【0105】このように、本実施例の薬液供給具1で
は、収縮状態解除手段が圧迫力調節手段をも備えてお
り、バッグ20の圧迫条件(圧迫力、圧迫順序等)を任
意に設定することができる。
【0106】図12は、本発明の薬液供給具の他の実施
例を示す断面側面図である。同図に示す薬液供給具1
は、押圧部材の構成が異なり、それ以外は、前記図1〜
図3に示す実施例とほぼ同様である。以下、相違点につ
いてを説明し、同様の事項についてはその説明を省略す
る。
【0107】図12に示す薬液供給具1において、押圧
部材18は、吸水性高分子材料で構成されている。この
押圧部材18は、好ましくは液密性を有する包材19内
に収納されている。
【0108】包材19は、水蒸気不透過性を有するもの
であるのが好ましい。なお、包材19内は、減圧状態で
も大気圧状態でもよい。
【0109】包材19の一端部には、チューブ191の
一端部が接続され、該チューブは、ケーシング本体3の
側部を貫通してケーシング2外へ延長されている。この
チューブは、包材19内に水等(吸水性高分子材料の膨
張用液体)を供給するために用いられる管路である。
【0110】なお、チューブ19は、例えば所定のコネ
クタ(図示せず)等を介して、包材19に対し、適時着
脱することができるような構成のものであってもよい。
【0111】また、押圧部材18の図12中下部には、
チューブ191から包材19内に供給された水を押圧部
材18の面方向全体に均一に拡散させるための空間を形
成するスペーサー(均一拡散手段)の一例として、メッ
シュ192が挿入されている。
【0112】押圧部材18を構成する吸水性高分子材料
としては、例えば、アクリル酸−ビニルアルコール共重
合体、アクリル酸ソーダ重合体、ポリエチレンオキサイ
ド変成物、イソブチレン−マレイン酸共重合体、デンプ
ン−アクリル酸共重合体が挙げられる。
【0113】このような押圧部材18は、吸水前の状態
(乾燥状態)では、収縮状態を保持している。また、例
えばシリンジのような水注入器具を用い、チューブ(収
縮状態解除手段)191を介して包材19内に水(水
分)を供給すると、押圧部材18が吸水し、その吸水量
に応じて膨張(膨潤)する。これにより、バッグ20
は、押圧部材18の包装体の上部と蓋体4の当接面41
とに挟持され、圧迫される。この圧迫により、バッグ2
0の内圧が高まり、バッグ20内の薬液22の排出が可
能となる。
【0114】このような構成の薬液供給具1において
は、例えば、メッシュ192の設置パターンや、メッシ
ュ192の諸条件(例えば、メッシュの厚さ、目開きの
大小、積層枚数等)の設定により、供給された水の拡散
経路や拡散速度を調整すること、特に部分的に調整する
ことができる。これにより、押圧部材18を部分的に優
先的に膨張させることが可能となり、前述したのと同様
に、例えばバッグ20の後方部分を前方部分に対し優先
的に圧迫することができる。この意味で、メッシュ19
2は、圧迫力調節手段を構成する。
【0115】また、包材19内への水等の供給手段は、
図示のものに限らず、例えば、包材19に針管を穿刺
し、該針管を介して水等を注入する構成であってもよ
い。
【0116】以上のような各薬液供給具1は、モータや
ソレノイドのような電気的に駆動する機構、ゼンマイの
ような駆動機構、リンク機構とバネとを組み合わせた付
勢機構等を備えておらず、そのため、構造が簡単で、故
障も少なく、小型化、軽量化、低コスト化が図れる。
【0117】このような薬液供給具1は、医師、看護婦
または患者自身が病院等の医療機関内で使用することも
できるが、前述したように、小型、軽量であり、しか
も、操作が簡単であり、また、安全性も高く、衛生的で
あるという点から、患者自身が携帯し、自宅や職場等に
おいて使用するのに適している。この場合、薬液供給具
1が扁平形状をなしているため、例えば、薬液供給具1
を患者の身体に付けたり、衣服のポケット等に入れたり
して携帯することができ、便利である。
【0118】また、本発明の薬液供給具は、生体への薬
液の投与に用いる場合に限らず、例えば、薬液を他の容
器へ移送するのに適用することもでき、その使用目的は
任意可能である。
【0119】以上、本発明の薬液供給具を図示の実施例
に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されず、
薬液供給具を構成する各部の構成は、同様の機能を発揮
し得る任意のものに置換することができる。
【0120】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の薬液供給具
によれば、構造が簡易で、小型、軽量であり、その操作
も簡単である。そして、多数回の使用が可能であるた
め、携帯に適している。
【0121】また、電気的に駆動する機構や複雑な機構
を有さないので、故障を生じず、よって、薬液の投与が
故障により中断されることがなく、安全性が高い。
【0122】また、薬液の排出を安定して行うことがで
き、容器に残存する薬液の量を少なくすることができ、
無駄とならない。
【0123】また、圧迫力調節手段を有する場合には、
軟質容器や薬液に関する諸条件等に応じて、最適な状態
を設定することができ、薬液供給具の使用形態や使用条
件に関し、多彩なバリエーションが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薬液供給具の実施例を示す斜視図であ
る。
【図2】図1に示す薬液供給具の蓋体開状態を示す断面
側面図である。
【図3】図1に示す薬液供給具の薬液排出時の状態(蓋
体閉状態)を示す断面側面図である。
【図4】本発明の薬液供給具の他の実施例を示す部分背
面図である。
【図5】本発明の薬液供給具の他の実施例を示す断面側
面図である。
【図6】本発明の薬液供給具の他の実施例を示す断面側
面図である。
【図7】本発明の薬液供給具の他の実施例を示す断面側
面図である。
【図8】本発明の薬液供給具の他の実施例を示す断面側
面図である。
【図9】本発明の薬液供給具の他の実施例を示す断面側
面図である。
【図10】本発明の薬液供給具の他の実施例を示す断面
側面図である。
【図11】本発明の薬液供給具の他の実施例を示す平面
図である。
【図12】本発明の薬液供給具の他の実施例を示す断面
側面図である。
【図13】本発明の薬液供給具の使用状態の一例を示す
平面図である。
【符号の説明】
1 薬液供給具 2 ケーシング 3 ケーシング本体 31 上端 32 切欠き 33 孔 34 窓 35 底部(底板) 4 蓋体 41 当接面 5 蝶番 6 ピン 7 フック 8 押圧部材 82 上面 9 圧迫力調節手段 91 調整板 92 ボルト 93 ナット 94 板バネ 95a、95b、95c スペーサー 96a、96b スペーサー 10 包材 11 ノッチ 12 押圧部材 13 押圧板 131 上面 14 針 151 第1のヒータ 152 第2のヒータ 16 電力供給手段 160 電源 161、162 スイッチ 17 コネクタ 18 押圧部材 19 包材 191 チューブ 192 メッシュ 20 バッグ 21 チューブ 22 薬液 23 流量調節装置 24 チューブ 25 ハブ 26 穿刺針 27 クランプ 28 患者

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟質の袋状の容器内に収納された薬液を
    前記容器から排出させ、他所へ供給する薬液供給具であ
    って、 前記容器に当接する当接面を有する支持部材と、 収縮状態と復元状態または膨張状態とに変形可能な材料
    で構成され、前記当接面との間で前記容器を圧迫し得る
    押圧部材とを有し、 収縮状態に保持されている前記押圧部材にその収縮状態
    を解除する操作を行って該押圧部材を復元または膨張さ
    せ、その復元力または膨張力により前記容器を圧迫する
    よう作動することを特徴とする薬液供給具。
  2. 【請求項2】 軟質の袋状の容器内に収納された薬液を
    前記容器から排出させ、他所へ供給する薬液供給具であ
    って、 前記容器に当接する当接面を有する支持部材と、 収縮状態と復元状態または膨張状態とに変形可能な材料
    で構成され、前記当接面との間で前記容器を圧迫し得る
    押圧部材と、 前記押圧部材を、収縮状態に保持する収縮状態保持手段
    とを有し、 前記収縮状態保持手段により保持されている前記押圧部
    材の収縮状態を解除すると、前記押圧部材が復元または
    膨張し、これにより前記容器を圧迫するよう作動するこ
    とを特徴とする薬液供給具。
  3. 【請求項3】 前記支持部材は、その当接面が前記押圧
    部材に対し接近・離間し得るように設置されている請求
    項1または2に記載の薬液供給具。
  4. 【請求項4】 前記押圧部材は、復元または膨張完了状
    態において、前記当接面と直接または間接的に接触し得
    るものである請求項1ないし3のいずれかに記載の薬液
    供給具。
  5. 【請求項5】 軟質の袋状の容器内に収納された薬液を
    前記容器から排出させ、他所へ供給する薬液供給具であ
    って、 ケーシング本体と蓋体とで構成されるケーシングと、 前記ケーシング内に設置され、収縮状態と復元状態また
    は膨張状態とに変形可能な材料で構成され、前記蓋体と
    の間で前記容器を圧迫し得る押圧部材とを有し、 収縮状態に保持されている前記押圧部材にその収縮状態
    を解除する操作を行って該押圧部材を復元または膨張さ
    せ、その復元力または膨張力により前記容器を圧迫する
    よう作動することを特徴とする薬液供給具。
  6. 【請求項6】 軟質の袋状の容器内に収納された薬液を
    前記容器から排出させ、他所へ供給する薬液供給具であ
    って、 ケーシング本体と蓋体とで構成されるケーシングと、 前記ケーシング内に設置され、収縮状態と復元状態また
    は膨張状態とに変形可能な材料で構成され、前記蓋体と
    の間で前記容器を圧迫し得る押圧部材と、 前記押圧部材を、収縮状態に保持する収縮状態保持手段
    とを有し、 前記収縮状態保持手段により保持されている前記押圧部
    材の収縮状態を解除すると、前記押圧部材が復元または
    膨張し、これにより前記容器を圧迫するよう作動するこ
    とを特徴とする薬液供給具。
  7. 【請求項7】 前記収縮状態保持手段は、前記押圧部材
    を減圧状態で気密収納し、その形状を収縮状態に規制す
    る包材で構成される請求項2または6に記載の薬液供給
    具。
  8. 【請求項8】 前記蓋体は、前記ケーシング本体に対し
    変位可能または着脱可能に設置されている請求項5また
    は6に記載の薬液供給具。
  9. 【請求項9】 前記押圧部材は、主に、収縮状態と復元
    状態とに変形可能な多孔質材料で構成されている請求項
    1ないし8のいずれかに記載の薬液供給具。
  10. 【請求項10】 前記押圧部材は、主に、収縮状態と復
    元状態とに変形可能な形状記憶材料で構成されている請
    求項1ないし8のいずれかに記載の薬液供給具。
  11. 【請求項11】 前記押圧部材は、主に、収縮状態と膨
    張状態とに変形可能な吸水性高分子材料で構成されてい
    る請求項1ないし8のいずれかに記載の薬液供給具。
  12. 【請求項12】 前記押圧部材の収縮状態を解除する収
    縮状態解除手段を有する請求項1ないし11のいずれか
    に記載の薬液供給具。
  13. 【請求項13】 前記包材の減圧状態を解除することに
    より前記押圧部材の収縮状態を解除する収縮状態解除手
    段を有する請求項7に記載の薬液供給具。
  14. 【請求項14】 薬液供給具全体が、扁平な形状をなし
    ている請求項1ないし13のいずれかに記載の薬液供給
    具。
  15. 【請求項15】 前記容器に作用する圧迫力を調節する
    圧迫力調節手段を有する請求項1ないし14のいずれか
    に記載の薬液供給具。
  16. 【請求項16】 前記圧迫力調節手段は、前記容器の異
    なる部位に対する圧迫力または圧迫順序に差を設けるこ
    とができるよう構成されている請求項15に記載の薬液
    供給具。
  17. 【請求項17】 前記圧迫力調節手段は、前記容器の一
    方の面と他方の面とにそれぞれ当接する面間の距離を調
    節する機構で構成される請求項15または16に記載の
    薬液供給具。
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