JP5697883B2 - 液晶ユニット及び遊技機 - Google Patents

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Description

この発明は、遊技機に用いる液晶ユニット及び遊技機に関するものである。
スロットマシンなどの遊技機において、液晶表示装置の前面には、液晶パネルを保護するために強化ガラスなどの保護パネルが取り付けられる。そして、従来は、保護パネルと液晶パネルの間に塵などが入らないよう、口の字型にカットした両面テープで液晶パネルに保護パネルを貼り付けていた。口の字型の両面テープは高価であり、貼る作業も難しく、リユースやリサイクルの際、テープを剥がす作業にも手間がかかるという問題点があった。
ここで、特許文献1には、枠体に形成されたフック部で液晶パネルのガラス基板の周縁部を押さえ、液晶パネルを保持する構造が開示されている。
特開2003−107432号公報
しかし、汎用の液晶表示装置の前面に保護パネルを固定する場合に、フックによる係止を保護パネルの製造誤差も加味したものとするには、特許文献1に記載されているような保持構造をそのまま利用するのは適切でない。
そこで、請求項1乃至3の発明は、両面テープを用いずに液晶パネルの前面に保護パネルを密着させて固定可能な液晶ユニットを提供することを目的とし、請求項4記載の発明は、上記液晶ユニットを備えた遊技機を提供することを目的とする。
各請求項に記載された発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、本発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、括弧内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、液晶パネル(81A)を正面側にして設置される液晶表示装置(81)と、この液晶表示装置(81)を固定対象に固定するための少なくとも前方が開口する固定枠と、前記固定枠の外部に配置される透明な保護パネル(強化ガラス84)と、この保護パネル(84)を前記固定枠に固定するための保持フック(90)とを少なくとも備えた液晶ユニット(80)に係る。そしてこの液晶ユニット(80)において、前記固定枠として、前記液晶表示装置(81)の裏面部を収納可能な裏枠(82)と、この裏枠(82)に固定され前記液晶表示装置(81)の前面側縁周部を覆う前枠(83)とを設け、前記裏枠(82)及び前枠(83)の外側面の各々には、それぞれ対応する位置に、前記保持フック(90)を固定するための枠固定部(82A)(83A)が設けられ、前記保持フック(90)は、前記固定枠の枠固定部に固定される固定部(93)と、前記固定部(93)を前記枠固定部に固定した状態で前記保護パネル(84)の前面縁部に位置する押圧部(92)とを備えているととともに、全体が弾力性を有する素材によって形成されている。
ここで、「液晶パネル(81A)を正面側に」するとは、液晶パネル(81A)の液晶画面が固定対象の正面にいる者と対峙する面に位置することである。なお、「固定対象」とは、本発明に係る液晶ユニット(80)が固定される対象物であって、例えばスロットマシンなどの遊技機を含み、遊技機以外の機械装置類も含む。
前記「固定枠」は、方形の枠体又は箱体とすることができるが、液晶表示装置(81)を固定対象に固定可能であり、かつ保持フック(90)を固定可能であれば、その形状は問わない。また、保持フック(90)は、固定枠や保護パネル(84)を構成する素材よりも弾力性があり、かつ保護パネル(84)を保持可能な強度を備えた素材で形成するのが好ましい。保持フック(90)は単数であっても複数であってもよい。
そして、この液晶ユニット(80)は、前記液晶表示装置(81)を前記裏枠(82)及び前記前枠(83)中に収納し、その前面に前記保護パネル(84)を位置させ、更に、前記保持フック(90)により前記保護パネル(84)を前枠(83)に押しつけた状態で、保持フック(90の固定部(93)と裏枠(82)の枠固定部(82A)とを固定することによって、前記裏枠(82)、前記液晶表示装置(81)、前記前枠(83)、前記保護パネル(84)及び前記保持フック(90)とを同時に固定されるように形成したことを特徴とする。

本発明によれば、保持フック(90)を固定枠に固定することによって、保護パネル(84)の厚さが最も薄い場合でも、押圧部(92)が保護パネル(84)のパネル面に当接し、保護パネル(84)の厚さが最小寸法よりも厚ければ、保持フック(90)が弾性変形して保護パネル(84)のパネル面を押圧するので、保護パネル(84)は液晶パネル(81A)の前面に隙間無く保持される。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の液晶ユニット(80)を備え、前記液晶ユニット(80)の固定枠が固定される遊技機(1)に係る。
遊技機(1)は、スロットマシンやパチンコ遊技機とすることができる。そして、この遊技機(1)は、前記液晶ユニット(80)の液晶表示装置(81)の作動を制御する制御装置を備えていることを特徴とする。
ここで、「制御装置」は、液晶表示装置(81)を制御するだけでなく、遊技機(1)の他の構成部品の制御が可能であっても構わない。液晶ユニット(80)の固定枠は、遊技機(1)の筐体(2)や前扉(3)に固定することができる。
本発明に係る遊技機(1)によれば、請求項1に記載の液晶ユニット(80)を用いて画像表示演出を行うことができ、リサイクルの際には、遊技機(1)から液晶ユニット(80)を取り外して、液晶表示装置(81)や保護パネル(84)だけでなく、固定枠やフック(90)も再利用することができる。
本発明は、以上のように構成されているので、請求項1の発明によれば、両面テープを用いずに液晶パネルの前面に保護パネルを密着させて固定可能な液晶ユニットを提供することができ、請求項記載の発明によれば、上記液晶ユニットを備えた遊技機を提供することができる。
本発明の実施の形態であって、遊技機1としてのスロットマシンの外観斜視図である。 前扉を開いた遊技機1の斜視図である。 上扉4の分解斜視図である。 上扉枠6の分解斜視図である。 装飾枠7の分解斜視図である。 サイドランプ固定部63の縦断面図である。 コーナーランプユニット50の分解斜視図である。 液晶ユニット80の斜視図である。 液晶ユニット80の分解斜視図である。 保持フック90の斜視図である。 液晶ユニット80の横断面図である。 図13の部分拡大図である。 液晶ユニット80の他の例を示す斜視図である。 液晶ユニット80の他の例を示す斜視図である。
本発明を実施するための最良の形態を、遊技機としてスロットマシンを例に、図面に基づき説明する。
本実施の形態における遊技機1は、図1及び図2に示すように、大きく分けて、正面側に開口部を有する筐体2、筐体1の開口部を開閉可能に塞ぐ前扉3とから構成されている。そして、この前扉3は、筐体2の開口上部を開閉可能に塞ぐ上扉4、筐体2の開口下部を開閉可能に塞ぐ下扉5とに分割されている。
(筐体2)
筐体2は、図2に示すように、前面(遊技者と対峙する正面)側に開口する箱体である。そして、筐体2の開口上部の内部には、3個の回転リール10を備えたリールユニット200と、メイン基板ユニット20が収納されており、開口下部の内部には、電源ユニットとホッパーユニット15が設置されている。
ここで、リールユニット200は、筐体2に着脱自在に形成されており、メイン基板ユニット20はリールユニット200の枠体に固定されている。メイン基板ユニット20は、CPU、ROMなど種々の電子部品を装着したメイン基板を、基板ケースに収納したものであり、遊技機1の作動を制御するための主制御手段として機能する。ホッパーユニット15はメダルを貯留するとともに入賞時等にはメダルを払い出す払い出し装置である。
(前扉3)
前扉3のうち、上扉4は、筐体2の側板にヒンジを介して回転自在に軸支された板状の扉であり、図1に示すように、略中央部に回転リール23を正面側から見ることができる図柄表示窓8Aを有し、図柄表示窓8Aの上方には、演出表示を行うための装飾枠7が設けられている。なお、上扉4の詳細な構成については後述する。
上扉4を閉じると、筐体2のヒンジの反対側に設けられたラッチ錠により自動的にロックされ、筐体2の開口上部が閉塞される。また、下扉4を解放した状態で、下扉4の裏側(内部側)下部に設けられた解除つまみ(図示せず)を下方に引き下げることにより、上扉4のロックが解除されるようになっている。
前扉3のうち、下扉5は、筐体2の側板にヒンジを介して回転自在に軸支された上扉4よりも幅厚の扉であり、図1に示すように、下扉5の上部は、遊技機1を作動させるためのカウンター状の操作部となっている。また、下扉5の下部には、ホッパーユニット15から払い出されたメダルを貯めておくことができる払い出し皿13が形成されており、払い出し皿13の奥側の壁には、下部スピーカ110が設けられている。
前記操作部には、遊技メダルを投入するためのメダル投入口14、回転リール10の回転を開始及び停止させるためのスタートスイッチ11及びストップスイッチ12などが設けられている。さらに、図2に示すように、下扉5の裏面側には、前記メダル投入口14から投入されたメダルを誘導しながらメダルの正偽を判断するためのメダルセレクター16が設けられている。メダルセレクター16を通過したメダルは、ホッパーユニット15に転送され、メダルセレクター16によりキャンセルされたメダルは、図1に示す払い出し皿13に排出される。そして、下扉5を閉めると、ラッチ錠により自動的にロックされ、筐体2の開口下部が閉塞されるものである。また、下扉5は、鍵穴に所定の鍵を差し込んで回すことによりロックが解除され、下扉5を解放することにより、上扉4のロックを解除することができるようになっている。
なお遊技機1は、メイン基板により行われる当選判定の抽選結果が所定の当選役に当選し、前記ストップスイッチ12の操作により当選図柄が入賞の態様となるように回転リール10を停止させることができると入賞となり、ホッパーユニット15からメダルが払い出されたり、ボーナスゲームなどの有利な遊技が開始されるようになっている。
(上扉4)
次に、上扉4の構造について詳述する。
上扉4は、図3に示すように、装飾枠7を固定して上扉4の外観を成す上扉枠6と、上扉枠6の内側に設けられる基体9と、基体9の正面側に配置される上パネル8とを備えている。上扉枠6は、中央よりも下側が前後に貫通する開口部61となっている枠本体60からなる枠部材である。基体9は、略中央部に、前後に貫通する開口部9Aが形成された板部材である。開口部9Aの両側には発光体が内蔵された発光表示部9Bが設けてあり、開口部9Aの下方には、7セグメント表示器等から成る表示部9Cが設けられている。上パネル8は、透明なアクリル板に種々の絵柄を印刷して成り、中央部に透明な可視部を設けて、図柄表示窓8Aを形成してある。基体9の正面側に上パネル8を固定し、上扉枠6に収納固定することにより、上パネル8が上扉枠6の開口部61を裏面側から塞ぐ。そして、上扉4を閉めた状態で、筐体2の内部に収納されているリールユニット200の回転リール10が、図柄表示窓8Aから視認できるようになっている。
ここで、上扉枠6の枠本体60には、図4に示すように、開口部61の上側に、装飾枠7を固定するための装飾枠固定部62が設けられているとともに、開口部61の両側の脚部60Aには、サイドランプ固定部63が形成されている。そして、サイドランプ固定部63には、後述する拡散ランプユニット40が取り付けられている。なお、サイドランプ固定部63は、拡散ランプユニット40の一部を成すものとなっているが、これについては後述する。
(装飾枠7)
装飾枠7は、図3及び図4に示すように、上扉枠6の正面上部に着脱自在に固定される演出用ブロックであって、中空箱形の枠本体70に種々の演出用デバイスを取り付けた構造になっている。具体的には、図4に示すように、枠本体70の正面中央部には液晶ユニット80が、枠本体70の正面上側中央部及び正面下側の左右には拡散ランプユニット40が、正面上側角隅部にはコーナーランプユニット50が、正面中央の左右には上部スピーカ100が、それぞれ設けられている。拡散ランプユニット40及びコーナーランプユニット50は、遊技機1の発光表示部となる照明装置である。
さらに、枠本体70の背面側上部には、装飾枠7に搭載されている演出用デバイスの作動を制御するための表示制御基板を有する表示制御基板ユニット30が設けられている。表示制御基板ユニット30は、CPU、ROMなど種々の電子部品を装着した表示制御基板を、基板ケースに収納したものである。
そして、装飾枠7は、上扉枠6に固定する際、枠本体70の背面上端部に後方に向かって突設された突部301(図4参照)を、上扉枠6の枠本体60の正面側上端部設けられた嵌合孔部300(図4参照)に差し込んで嵌合させることにより、容易に上扉枠6に取り付けることができるとともに、装飾枠7の上面と上扉枠6の上面とが略面一となるようにお互いを矯正できるようになっている。
(枠本体70)
前記枠本体70は、背面側が開放する枠部材であって、図5に示すように、コーナーランプユニット50を取り付けるためのコーナーランプ固定部71、拡散ランプユニット40を取り付けるための上部ランプ固定部72及び下部ランプ固定部73、上部スピーカ100を取り付けるためのスピーカ固定部74、液晶ユニット80を取り付けるための液晶ユニット固定部75が、それぞれ設けられている。コーナーランプ固定部71は、枠本体70の正面上側角隅部に設けられた切り欠き段部であり、奥側の壁には、コーナーランプユニット50の筒状レンズ54を嵌入可能な開口部が形成されている。上部ランプ固定部72及び下部ランプ固定部73は、上扉枠6のサイドランプ固定部63と同様の構成を有しているものである。スピーカ固定部74は、枠本体70の正面に設けられた楕円形の開口部であり、背面側から上部スピーカ100を取り付けることにより、上部スピーカ100のグリル面によって塞がれるようになっている。液晶ユニット固定部75は、枠本体70の正面中央部に形成された方形の開口部であり、背面側から液晶ユニット80を取り付けることにより、液晶パネル81Aの前面に固定されている強化ガラス84によって塞がれるようになっている。
(拡散ランプユニット40)
拡散ランプユニット40は、図4乃至図6に示すように、LED基板41と、LED基板41の手前側に配置され複数の円柱形の拡散レンズ42Aが形成されたレンズ部材42と、拡散レンズ42Aにより拡散された光線を反射させるための複数の凹面反射鏡43と、凹面反射鏡43を正面側から覆い隠すレンズカバー45とを備えている。上扉枠6のサイドランプ固定部63及び装飾枠7の下部ランプ固定部73に配置される拡散ランプユニット40は、LED基板41が基板ケース46(図5では省略している)に収納されて、それぞれ上扉枠6の枠本体60、装飾枠7の枠本体70に固定される。装飾枠7の上部ランプ固定部72に配置される拡散ランプユニット40のLED基板41は、図5に示すように、表示制御基板ユニット30の前面に取り付いている。
凹面反射鏡43は、前述したように、サイドランプ固定部63に複数個、縦列して形成されているとともに、上部ランプ固定部72、下部ランプ固定部73に複数個、並列して形成されている。そして、各凹面反射鏡43の中央部に設けられた開口部43Bから、拡散レンズ42Aが正面側に突出するようになっている(図6参照)。レンズカバー45は、サイドランプ固定部63、上部ランプ固定部72、下部ランプ固定部73をそれぞれ覆う透光性を有する着色カバーである。
本実施の形態における拡散ランプユニット40は、光源であるLED素子41Aの点発光を拡散レンズ42Aにより拡散させ、凹面反射鏡43によって特定の方向(遊技者の方向)に反射させることにより、レンズカバー45が全体的に発光しているように見える構成となっている。
(コーナーランプユニット50)
コーナーランプユニット50は、図9に示すように、LED基板51と、ベース板52と、固定ホルダー53と、筒状レンズ54と、反射部材55と、正面レンズ56と、外周部独立レンズ57と、レンズカバー58(図5参照)と、を備えている。なお、図9に示したのは、装飾枠7の正面左側に位置するコーナーランプユニット50である。正面右側に位置するコーナーランプユニット50の各構成部品は、図示したものと対称に形成されている。
前記LED基板51及びベース板52は、枠本体70の背面側に取り付けられるものであり、筒状レンズ54と反射部材55は、固定ホルダー53を介して枠本体70の正面側からベース板52に固定されるものである。正面レンズ56は、反射部材55の正面に固定されるものである。また、外周部独立レンズ57は、枠本体70のコーナーランプ固定部71の奥壁の隅角部に設けられた三角孔(図示せず)を通して、正面側からベース板52に固定されるものである。
本実施の形態におけるコーナーランプユニット50においては、ベース板52には、LED基板51に設けられたLED素子の照射光を通過させるための開口部が複数形成されており、複数の開口部は遊技者の位置から見たときに円形となるように楕円形に配置されているとともに、各開口部はLED素子の照射光を遊技者の方向にまっすぐ照射できるように中心軸を斜めにして穿設されている。また、筒状レンズ54及び反射部材55は、正面が遊技者の方向に向かうように取り付けられている。これらの構成によって、LED素子の光が遊技者の方向に指向性を持って照射される。また、筒状レンズ54及び反射部材55の形状は、照射光が遊技者の方向に向けてだけでなく、他の方向、例えば隣の遊技機に座している遊技者や遊技者の後ろを通過する通行人などに向けても拡散されるような構造となっている。さらに、LED素子は異なる色の発光が可能であり、各色の照射光が、枠本体70のコーナーランプ固定部71の内面や、筒状レンズ54、反射部材55、外周部独立レンズ57に反射して種々の方向に屈折すると同時に、各部材によって反射領域が区切られて、光の色が混ざらないように形成されている。
(液晶ユニット80)
液晶ユニット80は、図9及び図11に示すように、液晶表示装置81を裏枠82及び前枠83の間に挟み、前枠83の正面側に配置した強化ガラス84を保持フック90で固定した構成となっている。液晶表示装置81は、液晶パネル81Aと駆動回路基板等を備えた市販の液晶モジュールである。裏枠82は、図11に示すように、液晶表示装置81を収納可能な箱形の枠であり、その背面には、液晶表示装置81の作動を制御するための液晶制御基板86が固定され、裏ケース85が取り付けられる。液晶制御基板86に設けられたチップには、CPU機能があってもよいし、単なるROMであってもよい。前枠83は、裏枠82に収納された液晶表示装置81の正面側に配置される中央が開口する枠体であり、この中央開口83Dから液晶パネル81Aの画面を視認できるようになっている。強化ガラス84は、前枠83の中央開口83Dを正面側から覆う透明な板ガラスであり、液晶パネル81Aを保護するためのものである。保持フック90は、ポリアセタール樹脂などの弾力性の高い素材によって形成されており、強化ガラス84の左右の縁部を挟持して押さえるためのものである。そして、裏枠82、前枠83、保持フック90は、固定ネジ87によって一体的に固定されるとともに、強化ガラス84は保持フック90によって液晶パネル81Aの前面に保持される。そして、裏枠82を装飾枠7の枠本体70の裏面に固定することにより、液晶ユニット固定部75から液晶パネル81Aが視認可能となる状態で、装飾枠7に装着されるようになっている。
(液晶ユニット80の詳細)
次に、本発明の特徴部分である液晶ユニット80について、さらに詳述する。
裏枠82は、液晶表示装置81を装飾枠7の枠本体70に固定するとともに、液晶制御基板86を一体的に取り扱い可能とするためのものであって、図9に示すように、左右の側板には、裏枠82を前枠83及び保持フック90と固定するための裏枠固定部82Aと、裏枠82を枠本体70に固定するための固定片82Bが設けられている。裏枠固定部82Aは、樹脂製のネジボスに固定ネジ87(Pタイトネジ)をねじ込むことによってネジ穴が形成されるようになっているものであって、縦方向に間をあけて、各側板に2つずつ設けられている。固定片82Bは、2つの丸孔が形成されたブラケットであり、裏枠固定部82Aの間に位置している。
前枠83は、液晶表示装置81の前面側縁周部を覆う方形の枠体であり(図11参照)、幅方向の断面が略L字型に形成された枠材から構成されている。そして枠材によって囲まれた中央開口83Dは、正面側から液晶パネル81Aの全面が視認可能となる大きさに形成されている。また、前枠83の左右の側板には、図8及び図9に示すように、前記裏枠82の裏枠固定部82Aのネジボスと合致するネジ挿通孔を有する前枠固定部83Aが設けられており、2つの前枠固定部83Aの間には、側面方向に突出する係止突起83Bが形成されている。
さらに、前枠83の全面には、中央開口83Dの外側を囲うように、正面側に突出する突条からなる保持突起83Cが形成されている。保持突起83Cによって形成される方形の囲いの内寸は、強化ガラス84の外寸と同一あるいはやや大きい寸法になっており、保持突起83Cの内側に強化ガラス84を収めることができるようになっている。そして、保持突起83Cによって、強化ガラス84の上下左右方向の移動が規制されるようになっている。
保持フック90は図9に示すように2つ設けられている。そして、各保持フック90は、図10に示すように、本体部91と、固定部93と、押圧部92とを備えている。本体部91は、保持フック90の使用状態での水平方向の断面が略コ字型の長尺部材であって、コ字型の開放部側を背面側にして前枠83の側方に取り付けられるものである(図8参照)。固定部93は、断面コ字型の本体部91の相対向する二片のうちの一片91Bの背面側の側面から側方(保持フック90を前枠83に取り付けるときに前枠83の側面側となる方向)に張り出して形成された舌片であって、前枠固定部83Aのネジ挿通孔と合致するネジ挿通孔を有している。固定部93は本体部91の上下端部に2つ設けられている。押圧部92は、断面コ字型の本体部91において固定部93と反対側の正面端部から固定部93の張り出し方向と反対側に張り出すとともに長さ方向にわたって延設されている。
押圧部92についてさらに詳述すると、押圧部92は、図10及び図12に示すように、本体部91の反固定部93側の前端部から正面側に突出する突出部92aと、この突出部92aから反固定部93側に張り出す張り出し部92bと、この張り出し部92bの端部から背面側に突出する突出部92cとを有している。そしてこの押圧部92は、本体部91の前端から反固定部93側に張り出した形状によっても、保持フック90を前後方向の圧力に対して弾性変形可能にさせている。また、押圧部92の背面側に突出した突出片92cの背面は、保持フック90が前面に強化ガラス84を配置した前枠83に取り付けられた際、強化ガラス84の側方縁部に当接する当接面95となっている。このように、張り出し部92bの可動側に背面側に突出した当接面95を形成することにより、当接面95に押圧力が集中し、押圧部92は、張り出し部92bの弾力性と当接面95の密着によって、強化ガラス84を確実に押さえることができるものとなる。
なお、図10に示すように、押圧部92の長さ方向の中央部には、突出部92aと張り出し部92bの一部を切り欠いて形成した開口部92dが設けられているが、これは押圧部92の(特に張り出し部92bの)前後方向の弾力性を高めるためのものである。前後方向の弾力性を向上させるために、押圧部92を複数に分割してもよいが、押圧部92の剛性及び当接面95による押圧力を保持するには、図示したような構成とするのが好ましい。
さらに、前記本体部91において二つの固定部93の間の位置には、側方に開口する方形の係合孔94が設けられている。係合孔94は、図10に示すように、本体部91の固定部93が設けられている一片91Bの一部を背面側に延設した突片91Cに形成された開口部であり、前枠83に設けられた係止突起83Bと係合可能である(図8参照)。この係合孔94は、保持フック90を固定する際の位置決め及び仮固定をするとともに、強化ガラス84の厚さ寸法が大きい場合に本体部91の側面中央部が正面側に反るのを防止するためのものである。
ここで、強化ガラス84の厚さの寸法公差はプラスマイナス0.3mmとなっており、保持フック90は、少なくとも0.6mmの寸法誤差を吸収可能な構造となっている。具体的には、本体部91の背面91Aから押圧部92の当接面95までの奥行き寸法w(図10参照)は、強化ガラス84の標準厚さをTmmとした場合に、T−0.3mm以下となるよう形成されているとともに、当接面95に背面側から圧力がかけられた場合に保持フック90の全体の弾力性によって、wがT+0.3mmを超える寸法となるまで変形可能となるように設計されているものである。
液晶ユニット80を組み立てる場合には、まず、液晶制御基板86を固定し裏ケース85を取り付けた裏枠82に、液晶表示装置81を収納する。液晶表示装置81の背面側は裏枠82によって覆われる。なお、液晶表示装置81と液晶制御基板86は裏枠82に形成された開口部に電気的接続手段を通して接続する。次に、裏枠82から露出している液晶表示装置81の前面側に前枠83を被せる。このとき、裏枠固定部82Aと前枠固定部83Aとが重なり、それぞれに設けられているボス孔とネジ挿通孔が合致する。液晶表示装置81の背面及び側面及び上下面は裏枠82及び前枠83によって覆われ、正面に液晶パネル81Aの画面が表出する。
続いて、前枠83の前面に、強化ガラス84を設置する。強化ガラス84は保持突起83Cの内側に収まり、前枠83の中央開口83Dを塞ぐ(図11参照)。しかる後、前枠83の係止突起83Bに2つの保持フック90の係合孔94をそれぞれ係合させて仮設置し、固定部93を前枠固定部83Aに重ね合わせる。そうすると、図12に示すように、本体部91の背面91Aは前枠83の前面縁部に当接し、押圧部92の当接面95は強化ガラス84の前面縁部に当接する。そして、固定ネジ87を固定部93のネジ挿通孔から前枠固定部83Aを通して裏枠固定部82Aのネジボスにねじ込んで締結することにより、保持フック90が前枠83に固定されるとともに、保持フック90、前枠83、裏枠82が一体的に固定される。
なお、固定ネジ87としてPタイトネジを用いてあるので、液晶表示装置81の固定枠への着脱(裏枠82及び前枠83の分解・組み立て)を繰り返し行っても、裏枠固定部82Aのネジボスのネジ山が潰れにくくなってはいるが、長期の再使用に耐えられるよう、ネジボスの部材を裏枠固定部82Aから着脱自在に形成し、新たな部材と交換可能にしてもよい。
ここで、強化ガラス84の厚さtが、保持フック90の本体部91の背面91Aから押圧部92の当接面95までの奥行き寸法wと同じ場合には、当接面95と強化ガラス84の前面との間に隙間が生じることはなく、強化ガラス84は当接面95と前枠83の前面との間に挟持される。一方、図12に示すように、tがwよりも大きい場合には、少なくとも押圧部92が弾性変形して、強化ガラス84は当接面95と前枠83の前面との間に挟持され、かつ押圧部92によって前枠83の前面に押圧される。また、固定部93は、本体部91を挟んで押圧部92と離れた位置にあるため、強化ガラス84の厚さが最も厚い(誤差が最大公差である)場合でも、固定部93をネジ止めする際に保持フック90の全体が撓んで、押圧部92によって強化ガラス84を押圧することができる。この際、固定部93から遠い位置にある本体部91の側面部の高さ方向の中央付近が、押圧部92の弾性変形に伴い正面側に持ち上げられるような力を受けるが、係合孔94が係止突起83Bに係止されているため、係合孔94を構成する本体部91の側面部は背面側に押し戻され、本体部91の側面部が反り返ってしまうことがない。
このように、強化ガラス84は、保持フック90によって前後方向の移動を規制されると同時に、前枠83に設けられた保持突起83Cによって、上下左右方向の移動を規制される。また、強化ガラス84は保持フック90によって相対向する二辺の縁部を挟持されるので、前枠83の前面に隙間なくぴったりと固定され、周囲から埃などが進入するおそれもない。なお、本体部91の背面91Aから押圧部92の当接面95までの奥行き寸法wを、T−0.3mmよりも小さく設定しておけば、強化ガラス84の厚さが最も薄い場合(誤差が最小公差である)であっても、保持フック90の弾性変形による押圧力によって前枠83に押圧されるため、保持突起83Cを設けなくても、押圧力によって強化ガラス84を前枠83の前面に保持させることができる。
上記構成を有する液晶ユニット80を装飾枠7に固定する場合には、裏枠82の固定片82Bを、枠本体70の裏面に設けられた固定用ネジ穴(図示せず)にネジ止めする。
(液晶ユニット80の他の例)
上記した実施の形態では、液晶表示装置81を裏枠82及び前枠83の二つの固定枠の内部に収納する構成としてあったが、液晶表示装置81を遊技機1に固定するための固定枠は単一であっても構わない。例えば、図13に示すように、固定枠として裏枠82のみを設け、裏枠82に係合孔94に係合する係止突起82Cを設け、裏枠固定部82Aに固定部93を合致させて保持フック90を固定するようにしてもよい。この場合には、強化ガラス84は液晶表示装置81の前面に直接固定される。又この場合、裏枠82の上面と下面の前端部に、強化ガラス84の上下方向の移動を規制する係止保持部として、板状の保持片82Dを突設することができる。もちろん、保持フック90の弾力性のみで強化ガラス84を十分に保持可能な設定となっている場合には、保持片82Dを設けなくてもよい。
また、係止保持片は、固定枠に設ける場合だけに限られない。例えば、図14に示すように、保持フック90の全長を保護パネル84の左右の側辺よりも長く形成し、押圧部92の上下端部を固定部93の反対側に水平方向に延設して、係止保持部96としてもよい。
また、特に図示しないが、固定枠は方形枠状に限られず、例えばコ字型の枠体であってもよい。また、保持フック90を、液晶表示装置81の上下に設けてもよい(つまり固定枠の上下面に固定可能としてもよい)。この場合には、固定枠の側板に係止保持部を設けることができ、あるいは、係止保持部を設けなくてもよい。
さらに、保持フック90は、3つ以上設けてもよいが、必ずしも2つ以上設ける必要もない。例えば、正面視コ字型の保持フック90の、相対向する二辺に押圧部92を設け、固定部93を2つの押圧部92を連結する一辺にも設け、固定枠のいずれかの側面又は上下いずれかの面に固定部93を固定可能とし、保持フック90を固定枠に固定すると2つの押圧部92が強化ガラス84の周縁部に当接し又は押圧するように形成することができる。要は、保持フック90によって、強化ガラス84の少なくとも相対向する二辺の縁部が挟持され、強化ガラス84が液晶パネル81Aの前面に保持されるようになっていればよい。
(総括)
以上のように、本実施の形態によれば、液晶ユニット80において、液晶パネル81Aの前面に配置される保護用の強化ガラス84を、両面テープなどで固定せず、液晶表示装置81を遊技機1に固定するための固定枠に、保持フック90を介して固定枠と一体的に固定するようにしたので、容易に組み立てができるとともに、リサイクル、リユースの際にテープを剥がす手間もない。もちろん、固定枠(裏枠82及び前枠83)及び保持フック90はそれぞれ再利用可能である。保持フック90は、強化ガラス84の寸法公差を吸収できる弾力性を有しており、保持フック90の形状自体も、押圧部92で強化ガラス84を挟持したときに前後方向に弾力性を有するような形状としてあるので、強化ガラス84は保持フック90により液晶パネル81Aの前面に隙間無く保持され、防塵性にも優れている。
また、遊技機1の発光表示部に、光源の照射光を拡散させかつ特定の方向に指向性をもって反射させることができる拡散ランプユニット40を用いてあるので、LEDを用いながら、あたかも面発光しているような発光表示を行わせることができる。これに加え、照射光が遊技者の方向に指向性を有すると同時に、複数の光の領域を区切って光の色が混ざらないようにしたコーナーランプユニット50を用いてあるので、遊技者の視覚をシャープに刺激する演出を行うことができ、興趣をより高めることができるものである。
さらに、上扉4の上扉枠6に装飾枠7を取り付ける構造としてあるので、機種交換の際、上扉4を筐体1に残しておいたままでも、装飾枠7を交換するだけで全く異なる機種のスロットマシンに変貌させることができ、リサイクル及び機種交換に要するコスト削減に効果的である。
本発明はスロットマシン以外の遊技機(例えばパチンコ遊技機やアーケード遊技機)にも応用できるものである。また、各ユニットは前扉3に設ける場合に限られず、遊技機の筐体2に設けてもよいものである。また、本発明は、遊技機以外の、液晶表示装置を備える機械装置(例えば工作機械の制御盤)や、設備(例えば工場や住宅の壁面モニター)などにも応用することができるものである。
1 遊技機 2 筐体
3 前扉 4 上扉
5 下扉 6 上扉枠
7 装飾枠 8 上パネル
9 基体 10 回転リール
40 拡散ランプユニット 50 コーナーランプユニット
60 枠本体 70 枠本体
80 液晶ユニット 81 液晶表示装置
81A 液晶パネル 82 裏枠(固定枠)
82A 裏枠固定部(枠固定部) 82D 保持片(係止保持部)
83 前枠(固定枠) 83A 表枠固定部(枠固定部)
83C 保持突起(係止保持部) 84 強化ガラス(保護パネル)
90 保持フック 91 本体部
92 押圧部 93 固定部
94 係合孔 95 当接部
96 係止保持部

Claims (2)

  1. 液晶パネルを正面側にして設置される液晶表示装置と、この液晶表示装置を固定対象に固定するための少なくとも前方が開口する固定枠と、前記固定枠の外部に配置される透明な保護パネルと、この保護パネルを前記固定枠に固定するための保持フックとを少なくとも備えた液晶ユニットであって、
    前記固定枠として、前記液晶表示装置の裏面部を収納可能な裏枠と、この裏枠に固定され前記液晶表示装置の前面側縁周部を覆う前枠とを設け、
    前記裏枠及び前枠の外側面の各々には、それぞれ対応する位置に、前記保持フックを固定するための枠固定部が設けられ、
    前記保持フックは、前記固定枠の枠固定部に固定される固定部と、前記固定部を前記枠固定部に固定した状態で前記保護パネルの前面縁部に位置する押圧部とを備えているととともに、全体が弾力性を有する素材によって形成され、
    前記液晶表示装置を前記裏枠及び前記前枠中に収納し、その前面に前記保護パネルを位置させ、更に、前記保持フックにより前記保護パネルを前枠に押しつけた状態で、保持フックの固定部と裏枠の枠固定部とを固定することによって、前記裏枠、前記液晶表示装置、前記前枠、前記保護パネル及び前記保持フックとを同時に固定されるように形成したことを特徴とする液晶ユニット。
  2. 請求項1に記載の前記液晶ユニットを備え、前記液晶ユニットの前記固定枠が固定されている遊技機であって、
    前記液晶ユニットの前記液晶表示装置の作動を制御する制御装置を備えていることを特徴とする遊技機。
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