JP2004223170A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技機のフロントドアーに設置された液晶ディスプレイが、フロントドアーの開閉によって容易に破損しないような液晶ディスプレイの取り付け構造を提供する。
【解決手段】ドアー3の構成品となる枠体31は、液晶ユニット51をはめ込むための凹部31Aが形成されており、第1緩衝部材54は液晶ユニット51と枠体31内壁との間に配置されている。透明部材53は、透明部材53の角に第2緩衝部材55を被覆した状態で、液晶ユニット51の前面に配置する。カバー52が枠体31にねじ33で固定されることにより、枠体31とカバー52とで、液晶ユニット51と透明部材53を弾性支持することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】ドアー3の構成品となる枠体31は、液晶ユニット51をはめ込むための凹部31Aが形成されており、第1緩衝部材54は液晶ユニット51と枠体31内壁との間に配置されている。透明部材53は、透明部材53の角に第2緩衝部材55を被覆した状態で、液晶ユニット51の前面に配置する。カバー52が枠体31にねじ33で固定されることにより、枠体31とカバー52とで、液晶ユニット51と透明部材53を弾性支持することができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ユニットを備える遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パチンコ、スロット遊技機等の遊技機が流行しており、各遊技機メーカにより様々な形の遊技機が開発されている。
【0003】
このような遊技機には、その筐体に表示部が備えられており、この表示部に遊技の内容を示す画像や、演出を行うための画像等、様々な画像が表示される。このように、遊技機の表示部は、遊技機には必要不可欠のものとなっている。
【0004】
表示部には、ブラウン管を使用したCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや、STN(Super−Twisted Transistor)方式、TFT(Thin Film Transistor)方式等の各種の液晶ディスプレイが用いられている。前述のディスプレイは、遊技機における筐体の内側に凸形状に取り付けられるので、遊技機内の部品実装空間を確保するためにも薄型の液晶ディスプレイが主流となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、図5はスロット遊技機における従来の表示部の要部断面図である。
【0006】
図5を用いてスロット遊技機における従来の表示部80の詳細について説明する。
【0007】
フロントドアーには、表示部80が備えられており、各種の演出画像が表示される。
【0008】
この表示部80は、遊技者により触接された座標位置を検出するタッチパネル81、及び保護カバーである透明アクリル板82の内面側に、透明フィルム材に種々の絵柄が印刷された絵柄シート83と、ITOなどの透明液晶表示装置から構成される液晶表示装置84と、が枠体8Aに積層されている。
【0009】
また、この液晶表示装置84の上方及び下方には、液晶表示装置84のバックライトとしての照明装置の役割を果たす液晶バックライト84Aが設けられている。また、この液晶バックライト84Aは、電源供給時においては、点灯するように制御されている。このため、液晶バックライト84Aを常時電源供給時において常時駆動させることにより、液晶表示装置84に表示される画像を遊技者に対して明瞭に視認可能とさせる。この液晶バックライト84Aは、主として冷陰極管が採用されている。
【0010】
更には、表示部80の内面側上部、及び下部には、リール91上の図柄を照らし出す照明装置の役割を果たす図柄照明用ランプ85が設けられている。また、この図柄照明用ランプ85は、電源供給時においては、点灯するように制御されている。このため、図柄照明用ランプ85を常時駆動させることにより、図柄を明瞭に視認させることが可能である。
【0011】
個々の表示要素の作用としては、絵柄シート83に描かれる図柄は、スロット遊技機の演出制御状態に左右されず、常に遊技者に視認される。液晶表示装置84は、大当たり演出や、各種予告演出などの画像演出の表示領域である。
【0012】
また、リール91の前面近傍には、リールバックランプを装着したランプハウジング92が備えられている。
【0013】
さらに、近年では液晶ディスプレイの大型品が量産可能になってきており、この大型液晶ディスプレイによって、遊技のスコアや演出を補助的に表示するのみならず、機械式のリールによる図柄表示に代えて、遊技の中心となる図柄の組み合わせを表示できるようになってきている。
【0014】
【特許文献1】
特開2002−272903号公報(図1参照)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
このような表示部は、遊技機の中でも、遊技者が最も見やすい位置に配置されるものであり、例えば一般のスロットマシンであれば、遊技者にもっとも近いフロントドアーに表示部が設置される場合が多い。
【0016】
しかしながら、液晶ディスプレイはガラス等の薄板に電極や液晶膜を挟んだものであり、捩れや歪みの力に弱く、このような力が加わると容易に壊れやすいものである。
【0017】
図5において示された液晶表示装置84は表示面積の割合に比べて厚みがないので、液晶表示装置84に加わる捩れや歪みの力は特に考慮する必要がある。
【0018】
この一方で、遊技機のフロントドアーは、ヒンジ機構で本体筐体に取り付けられる枠体に、表示部やその制御部そして遊技機の操作部やパネルといったものが設置される平板的な構造を持つものであり、フロントドアーが開けられた状態では、フロントドアー自体の重量や外部からの力によってその形状が、捩れたり、歪んだりし易い。
【0019】
しかも、フロントドアーは、遊技機の動作を設定したり、内部にたまったメダルを取り出したりといった通常の保守のため頻繁に開閉されるものであり、相当の重量を有するフロントドアーが開閉されるときの衝撃力は、遊技機の筐体のみならずフロントドアー自身にも伝わる。そして、フロントドアーに設置された表示部が液晶ディスプレイであった場合には、容易に破損してしまうという問題があった。
【0020】
図5に示された液晶表示装置84は、その表示面は例えば、20インチであり、このような大型表示面積になるほど衝撃力に考慮する必要があり、その対策は最大表示面積の液晶ディスプレイを視野にいれたものでなくてはいけない。
【0021】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、遊技機のフロントドアーに設置された液晶ディスプレイが、フロントドアーの開閉によって容易に破損しないような液晶ディスプレイの取り付け構造を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は、より具体的には以下のようなものを提供する。
【0023】
(1) 液晶ユニットと、前記液晶ユニットを保持している枠体と、前記液晶ユニット及び前記枠体に接触している第1緩衝部材と、を備えているドアーを有していることを特徴とする遊技機。
【0024】
(1)の発明によれば、「液晶ユニットと、前記液晶ユニットを保持している枠体と、前記液晶ユニット及び前記枠体に接触している第1緩衝部材と、を備えているドアーを有している」ので、ドアーを開閉するときの衝撃力によるエネルギーを第1緩衝部材で吸収して液晶ユニットに伝わるのを緩和できる。そして、液晶ユニットの破損を防止する。
【0025】
(2) 前記第1緩衝部材は、前記液晶ユニットと前記枠体との間に配置されていることを特徴とする(1)に記載の遊技機。
【0026】
(2)の発明によれば、「前記第1緩衝部材は、前記液晶ユニットと前記枠体との間に配置されている」ので、衝撃や振動が枠体から液晶ユニットに直接伝達することを第1緩衝部材で緩和できる。さらに、液晶ユニット又は枠体の製作誤差に対して第1緩衝部材で前記誤差を吸収して組み立てることができる。
【0027】
(3) 前記ドアーは、前記液晶ユニットの前面に配置されている透明部材を更に有していることを特徴とする(1)又は(2)に記載の遊技機。
【0028】
(3)の発明によれば、「前記ドアーは、前記液晶ユニットの前面に配置されている透明部材を更に有している」ので、液晶ユニットに物品が直接接触することを防止できる。そして、透明部材なので、液晶ユニットの表示を妨げることがない。
【0029】
(4) 前記透明部材はガラス板又はタッチパネルであることを特徴とする(3)に記載の遊技機。
【0030】
(4)の発明によれば、「前記透明部材はガラス板又はタッチパネルである」ので、ガラス板の場合は安価に部材が入手できる。タッチパネルの場合はスイッチの機能を付加することができる。
【0031】
(5) 中央に開口部が形成されているカバーが前記枠体に固定されていることを特徴とする(1)から(4)の何れかに記載の遊技機。
【0032】
(5)の発明によれば、「中央に開口部が形成されているカバーが前記枠体に固定されている」ので、枠体にカバーを直接固定することにより部品点数を少なくすることができる。
【0033】
(6) 前記枠体の中央には、液晶ユニットをはめ込むための凹部が形成されていることを特徴とする(1)から(5)の何れかに記載の遊技機。
【0034】
(6)の発明によれば、「前記枠体の中央には、液晶ユニットをはめ込むための凹部が形成されている」ので、組み立て容易となり部品点数も少なくできる。
【0035】
(7) 前記第1緩衝部材が複数個設けられていることを特徴とする(1)から(6)の何れかに記載の遊技機。
【0036】
(7)の発明によれば、「前記第1緩衝部材が複数個設けられている」ので、液晶ユニットの大きさや重量に対応して第1緩衝部材を適正配置できる。
【0037】
(8) 前記液晶ユニットの側面には、窪みが形成されており、前記第1緩衝部材には、前記窪みに対応する形状の突起部が形成されていることを特徴とする(7)に記載の遊技機。
【0038】
(8)の発明によれば、「前記液晶ユニットの側面には、窪みが形成されており、前記第1緩衝部材には、前記窪みに対応する形状の突起部が形成されている」ので、窪みに突起部を挿入するだけで液晶ユニットと第1緩衝部材を簡単に組み立てることできる。例えば、ねじ止めなどのように工具を必要としない。
【0039】
(9) 前記透明部材は、少なくとも一つの角を有していて、第2緩衝部材が前記透明部材の前記角を被覆していることを特徴とする(2)から(8)の何れかに記載の遊技機。
【0040】
(9)の発明によれば、「前記透明部材は、少なくとも一つの角を有していて、第2緩衝部材が前記透明部材の前記角を被覆している」ので、衝撃や振動が透明部材に直接伝達することを第2緩衝部材で緩和できる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。尚、本実施の形態は、本発明をスロットマシンに適用して説明するが、本発明はこれに限らず、ビデオ遊技機、メダル遊技機、カード遊技機等、各種の遊技機に採用することができる。
【0042】
次に、スロットマシンの構成を説明する。
【0043】
図1はスロットマシン1の斜視図である。スロットマシン1は、キャビネットとなる筐体2の開口部にドアー(フロントドアー)3が例えば、ヒンジ機構で開閉自在に設けられている。また、筐体2の上部にトップフレーム4が取り付けられている。トップフレーム4の正面には化粧パネル板が施されている。
【0044】
遊技情報を表示する液晶ディスプレイ5はドアー3に設置される。液晶ディスプレイ5の主構成品となる液晶ユニット51は、開口部が形成されているカバー52で被われている。さらに、液晶ユニット51を保護するための透明部材53が液晶ユニット51の前面に取り付けられている。
【0045】
ドアー3の正面中央部には突出する形で操作部6が配置されている。操作部6の左側の傾斜面には、各種操作ボタンが配列されると共にメダルを投入するメダル投入口が備えられている。操作部6の右側には、筐体2内に収納される紙幣識別機(ビルバリデータ)に紙幣を案内するための紙幣案内部が備えられている。
【0046】
操作部6の下部には、ドアー3と開閉自在に連結する扉体7が設けられている。扉体7には化粧パネル板が施されている。扉体7の下部であって、ドアー3の底部にはメダルを収容するメダル受け皿30が形成されている。
【0047】
次に、液晶ディスプレイ5の構成を図2により説明する。図2は液晶ディスプレイ5の斜視分解組立図である。
【0048】
図2の実施の形態において、液晶ユニット51は表示部と枠板で一体に矩形に形成されており、この液晶ユニット51の側面にL字状の第1緩衝部材54が複数個接触するように取り付けられる。液晶ユニット51の側面には矩形の窪み51Aが形成されており、一方、第1緩衝部材54には矩形の窪み51Aに対応した四角形の突起部54Aが形成されている。第1緩衝部材54は天然ゴム又はクロロプレンラバーなどの合成ゴムで組成されており、窪み51Aに突起部54Aが弾性をもって挿入される。
【0049】
そして、このようにユニットとして組み立てられた第1緩衝部材54つき液晶ユニット51を、後述する枠体31の凹部31Aに挿入する際に、液晶ユニット51又は枠体31の製作誤差に対して第1緩衝部材54で前記誤差を吸収して組み立てることができる。
【0050】
なお、図2の実施の形態においては、液晶ユニット51における長手方向の側面に二対、短手方向の側面に一対、合計6個の第1緩衝部材54を配置したが、液晶ユニット51の大きさや重量に対応して第1緩衝部材54の取り付け個数を増減したり、第1緩衝部材54の取り付け間隔を変えるなど適正配置も可能である。
【0051】
一方、透明部材53は矩形の板であり、透明部材53における四隅の角に三角形状の第2緩衝部材55が取り付けられる。透明部材53は、安価に部材が入手できるガラス板又は、スイッチの機能を付加することができるタッチパネルを使用する。第2緩衝部材55は天然ゴム又はクロロプレンラバーなどの合成ゴムで組成されている。第2緩衝部材55は透明部材53の板厚相当分開口しており、透明部材53における四隅の角を被覆する。
【0052】
このように、透明部材53の四隅に第2緩衝部材55を取り付けるようにしたのは、組み立て容易性を考慮したことによる。すなわち、ゴムである第2緩衝部材55は密着性がよく、第2緩衝部材55つき透明部材53をユニットとして予め組み立てておき、次の組み立て工程となる液晶ディスプレイ5での組み立てが容易となる。
【0053】
次に、液晶ディスプレイ5の取り付け構造における実施の形態を図3により説明する。図3は、液晶ディスプレイ5の部分断面組立図である。
【0054】
図3において、ドアー3の構成品となる枠体31は、液晶ユニット51をはめ込むための凹部31Aが形成されており、第1緩衝部材54は液晶ユニット51と枠体31内壁との間に配置されている。凹部31Aは、液晶ユニット51の裏面が目視できるように開口部を形成してもよい。
【0055】
また、透明部材53は、図2で示されたように透明部材53の角に第2緩衝部材55を被覆した状態で、液晶ユニット51の前面に配置する。そして、カバー52が枠体31にねじ33などの締結具で固定されることにより、枠体31とカバー52で液晶ユニット51と透明部材53を弾性支持することができる。
【0056】
なお、カバー52における透明部材53との対向面(枠体31への取り付け面)には予め、防水ゴム56が全周に亘り埋設されており、この防水ゴム56は本来の防水機能の他に、透明部材53に対する緩衝機能も働いている。
【0057】
また、図4に示されるように、図3における枠体31は、ドアー3のメインフレーム32と溶接により固定してもよく、枠体31とメインフレーム32を一体に成形してもよい。このように、枠体31とメインフレーム32を構造化することにより、固定ドアー自体の重量や外部からの力によってその形状が、捩れたり、歪んだりに抗しているのである。そして、板金である枠体31を凹字状に形成したのは、液晶ユニット51を保持するためばかりではなく、曲げ個所を多くして構造力学的にも曲げ応力や捩りに抗するように考慮したことにある。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、遊技機におけるドアーは、液晶ユニットと、前記液晶ユニットを保持している枠体と、前記液晶ユニット及び前記枠体に接触している第1緩衝部材と、を備えている。さらに、前記第1緩衝部材は、前記液晶ユニットと前記枠体との間に配置されているので、ドアーを開閉するときの衝撃力によるエネルギーを第1緩衝部材で吸収して液晶ユニットに伝わるのを緩和できる。そして、液晶ユニットの破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるスロットマシンの斜視図である。
【図2】本発明における液晶ディスプレイの斜視分解組立図である。
【図3】本発明における液晶ディスプレイの部分断面組立図である。
【図4】本発明における枠板とメインフレームの関係図である。
【図5】従来の表示部の要部断面図である。
【符号の説明】
1 スロットマシン
2 筐体
3 ドアー
4 トップフレーム
5 液晶ディスプレイ
6 操作部
7 扉体
30 メダル受け皿
31 枠体
31A 凹部
32 メインフレーム
33 ねじ
51 液晶ユニット
52 カバー
53 透明部材
54 第1緩衝部材
54A 突起部
55 第2緩衝部材
56 防水ゴム
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ユニットを備える遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パチンコ、スロット遊技機等の遊技機が流行しており、各遊技機メーカにより様々な形の遊技機が開発されている。
【0003】
このような遊技機には、その筐体に表示部が備えられており、この表示部に遊技の内容を示す画像や、演出を行うための画像等、様々な画像が表示される。このように、遊技機の表示部は、遊技機には必要不可欠のものとなっている。
【0004】
表示部には、ブラウン管を使用したCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや、STN(Super−Twisted Transistor)方式、TFT(Thin Film Transistor)方式等の各種の液晶ディスプレイが用いられている。前述のディスプレイは、遊技機における筐体の内側に凸形状に取り付けられるので、遊技機内の部品実装空間を確保するためにも薄型の液晶ディスプレイが主流となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、図5はスロット遊技機における従来の表示部の要部断面図である。
【0006】
図5を用いてスロット遊技機における従来の表示部80の詳細について説明する。
【0007】
フロントドアーには、表示部80が備えられており、各種の演出画像が表示される。
【0008】
この表示部80は、遊技者により触接された座標位置を検出するタッチパネル81、及び保護カバーである透明アクリル板82の内面側に、透明フィルム材に種々の絵柄が印刷された絵柄シート83と、ITOなどの透明液晶表示装置から構成される液晶表示装置84と、が枠体8Aに積層されている。
【0009】
また、この液晶表示装置84の上方及び下方には、液晶表示装置84のバックライトとしての照明装置の役割を果たす液晶バックライト84Aが設けられている。また、この液晶バックライト84Aは、電源供給時においては、点灯するように制御されている。このため、液晶バックライト84Aを常時電源供給時において常時駆動させることにより、液晶表示装置84に表示される画像を遊技者に対して明瞭に視認可能とさせる。この液晶バックライト84Aは、主として冷陰極管が採用されている。
【0010】
更には、表示部80の内面側上部、及び下部には、リール91上の図柄を照らし出す照明装置の役割を果たす図柄照明用ランプ85が設けられている。また、この図柄照明用ランプ85は、電源供給時においては、点灯するように制御されている。このため、図柄照明用ランプ85を常時駆動させることにより、図柄を明瞭に視認させることが可能である。
【0011】
個々の表示要素の作用としては、絵柄シート83に描かれる図柄は、スロット遊技機の演出制御状態に左右されず、常に遊技者に視認される。液晶表示装置84は、大当たり演出や、各種予告演出などの画像演出の表示領域である。
【0012】
また、リール91の前面近傍には、リールバックランプを装着したランプハウジング92が備えられている。
【0013】
さらに、近年では液晶ディスプレイの大型品が量産可能になってきており、この大型液晶ディスプレイによって、遊技のスコアや演出を補助的に表示するのみならず、機械式のリールによる図柄表示に代えて、遊技の中心となる図柄の組み合わせを表示できるようになってきている。
【0014】
【特許文献1】
特開2002−272903号公報(図1参照)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
このような表示部は、遊技機の中でも、遊技者が最も見やすい位置に配置されるものであり、例えば一般のスロットマシンであれば、遊技者にもっとも近いフロントドアーに表示部が設置される場合が多い。
【0016】
しかしながら、液晶ディスプレイはガラス等の薄板に電極や液晶膜を挟んだものであり、捩れや歪みの力に弱く、このような力が加わると容易に壊れやすいものである。
【0017】
図5において示された液晶表示装置84は表示面積の割合に比べて厚みがないので、液晶表示装置84に加わる捩れや歪みの力は特に考慮する必要がある。
【0018】
この一方で、遊技機のフロントドアーは、ヒンジ機構で本体筐体に取り付けられる枠体に、表示部やその制御部そして遊技機の操作部やパネルといったものが設置される平板的な構造を持つものであり、フロントドアーが開けられた状態では、フロントドアー自体の重量や外部からの力によってその形状が、捩れたり、歪んだりし易い。
【0019】
しかも、フロントドアーは、遊技機の動作を設定したり、内部にたまったメダルを取り出したりといった通常の保守のため頻繁に開閉されるものであり、相当の重量を有するフロントドアーが開閉されるときの衝撃力は、遊技機の筐体のみならずフロントドアー自身にも伝わる。そして、フロントドアーに設置された表示部が液晶ディスプレイであった場合には、容易に破損してしまうという問題があった。
【0020】
図5に示された液晶表示装置84は、その表示面は例えば、20インチであり、このような大型表示面積になるほど衝撃力に考慮する必要があり、その対策は最大表示面積の液晶ディスプレイを視野にいれたものでなくてはいけない。
【0021】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、遊技機のフロントドアーに設置された液晶ディスプレイが、フロントドアーの開閉によって容易に破損しないような液晶ディスプレイの取り付け構造を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は、より具体的には以下のようなものを提供する。
【0023】
(1) 液晶ユニットと、前記液晶ユニットを保持している枠体と、前記液晶ユニット及び前記枠体に接触している第1緩衝部材と、を備えているドアーを有していることを特徴とする遊技機。
【0024】
(1)の発明によれば、「液晶ユニットと、前記液晶ユニットを保持している枠体と、前記液晶ユニット及び前記枠体に接触している第1緩衝部材と、を備えているドアーを有している」ので、ドアーを開閉するときの衝撃力によるエネルギーを第1緩衝部材で吸収して液晶ユニットに伝わるのを緩和できる。そして、液晶ユニットの破損を防止する。
【0025】
(2) 前記第1緩衝部材は、前記液晶ユニットと前記枠体との間に配置されていることを特徴とする(1)に記載の遊技機。
【0026】
(2)の発明によれば、「前記第1緩衝部材は、前記液晶ユニットと前記枠体との間に配置されている」ので、衝撃や振動が枠体から液晶ユニットに直接伝達することを第1緩衝部材で緩和できる。さらに、液晶ユニット又は枠体の製作誤差に対して第1緩衝部材で前記誤差を吸収して組み立てることができる。
【0027】
(3) 前記ドアーは、前記液晶ユニットの前面に配置されている透明部材を更に有していることを特徴とする(1)又は(2)に記載の遊技機。
【0028】
(3)の発明によれば、「前記ドアーは、前記液晶ユニットの前面に配置されている透明部材を更に有している」ので、液晶ユニットに物品が直接接触することを防止できる。そして、透明部材なので、液晶ユニットの表示を妨げることがない。
【0029】
(4) 前記透明部材はガラス板又はタッチパネルであることを特徴とする(3)に記載の遊技機。
【0030】
(4)の発明によれば、「前記透明部材はガラス板又はタッチパネルである」ので、ガラス板の場合は安価に部材が入手できる。タッチパネルの場合はスイッチの機能を付加することができる。
【0031】
(5) 中央に開口部が形成されているカバーが前記枠体に固定されていることを特徴とする(1)から(4)の何れかに記載の遊技機。
【0032】
(5)の発明によれば、「中央に開口部が形成されているカバーが前記枠体に固定されている」ので、枠体にカバーを直接固定することにより部品点数を少なくすることができる。
【0033】
(6) 前記枠体の中央には、液晶ユニットをはめ込むための凹部が形成されていることを特徴とする(1)から(5)の何れかに記載の遊技機。
【0034】
(6)の発明によれば、「前記枠体の中央には、液晶ユニットをはめ込むための凹部が形成されている」ので、組み立て容易となり部品点数も少なくできる。
【0035】
(7) 前記第1緩衝部材が複数個設けられていることを特徴とする(1)から(6)の何れかに記載の遊技機。
【0036】
(7)の発明によれば、「前記第1緩衝部材が複数個設けられている」ので、液晶ユニットの大きさや重量に対応して第1緩衝部材を適正配置できる。
【0037】
(8) 前記液晶ユニットの側面には、窪みが形成されており、前記第1緩衝部材には、前記窪みに対応する形状の突起部が形成されていることを特徴とする(7)に記載の遊技機。
【0038】
(8)の発明によれば、「前記液晶ユニットの側面には、窪みが形成されており、前記第1緩衝部材には、前記窪みに対応する形状の突起部が形成されている」ので、窪みに突起部を挿入するだけで液晶ユニットと第1緩衝部材を簡単に組み立てることできる。例えば、ねじ止めなどのように工具を必要としない。
【0039】
(9) 前記透明部材は、少なくとも一つの角を有していて、第2緩衝部材が前記透明部材の前記角を被覆していることを特徴とする(2)から(8)の何れかに記載の遊技機。
【0040】
(9)の発明によれば、「前記透明部材は、少なくとも一つの角を有していて、第2緩衝部材が前記透明部材の前記角を被覆している」ので、衝撃や振動が透明部材に直接伝達することを第2緩衝部材で緩和できる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。尚、本実施の形態は、本発明をスロットマシンに適用して説明するが、本発明はこれに限らず、ビデオ遊技機、メダル遊技機、カード遊技機等、各種の遊技機に採用することができる。
【0042】
次に、スロットマシンの構成を説明する。
【0043】
図1はスロットマシン1の斜視図である。スロットマシン1は、キャビネットとなる筐体2の開口部にドアー(フロントドアー)3が例えば、ヒンジ機構で開閉自在に設けられている。また、筐体2の上部にトップフレーム4が取り付けられている。トップフレーム4の正面には化粧パネル板が施されている。
【0044】
遊技情報を表示する液晶ディスプレイ5はドアー3に設置される。液晶ディスプレイ5の主構成品となる液晶ユニット51は、開口部が形成されているカバー52で被われている。さらに、液晶ユニット51を保護するための透明部材53が液晶ユニット51の前面に取り付けられている。
【0045】
ドアー3の正面中央部には突出する形で操作部6が配置されている。操作部6の左側の傾斜面には、各種操作ボタンが配列されると共にメダルを投入するメダル投入口が備えられている。操作部6の右側には、筐体2内に収納される紙幣識別機(ビルバリデータ)に紙幣を案内するための紙幣案内部が備えられている。
【0046】
操作部6の下部には、ドアー3と開閉自在に連結する扉体7が設けられている。扉体7には化粧パネル板が施されている。扉体7の下部であって、ドアー3の底部にはメダルを収容するメダル受け皿30が形成されている。
【0047】
次に、液晶ディスプレイ5の構成を図2により説明する。図2は液晶ディスプレイ5の斜視分解組立図である。
【0048】
図2の実施の形態において、液晶ユニット51は表示部と枠板で一体に矩形に形成されており、この液晶ユニット51の側面にL字状の第1緩衝部材54が複数個接触するように取り付けられる。液晶ユニット51の側面には矩形の窪み51Aが形成されており、一方、第1緩衝部材54には矩形の窪み51Aに対応した四角形の突起部54Aが形成されている。第1緩衝部材54は天然ゴム又はクロロプレンラバーなどの合成ゴムで組成されており、窪み51Aに突起部54Aが弾性をもって挿入される。
【0049】
そして、このようにユニットとして組み立てられた第1緩衝部材54つき液晶ユニット51を、後述する枠体31の凹部31Aに挿入する際に、液晶ユニット51又は枠体31の製作誤差に対して第1緩衝部材54で前記誤差を吸収して組み立てることができる。
【0050】
なお、図2の実施の形態においては、液晶ユニット51における長手方向の側面に二対、短手方向の側面に一対、合計6個の第1緩衝部材54を配置したが、液晶ユニット51の大きさや重量に対応して第1緩衝部材54の取り付け個数を増減したり、第1緩衝部材54の取り付け間隔を変えるなど適正配置も可能である。
【0051】
一方、透明部材53は矩形の板であり、透明部材53における四隅の角に三角形状の第2緩衝部材55が取り付けられる。透明部材53は、安価に部材が入手できるガラス板又は、スイッチの機能を付加することができるタッチパネルを使用する。第2緩衝部材55は天然ゴム又はクロロプレンラバーなどの合成ゴムで組成されている。第2緩衝部材55は透明部材53の板厚相当分開口しており、透明部材53における四隅の角を被覆する。
【0052】
このように、透明部材53の四隅に第2緩衝部材55を取り付けるようにしたのは、組み立て容易性を考慮したことによる。すなわち、ゴムである第2緩衝部材55は密着性がよく、第2緩衝部材55つき透明部材53をユニットとして予め組み立てておき、次の組み立て工程となる液晶ディスプレイ5での組み立てが容易となる。
【0053】
次に、液晶ディスプレイ5の取り付け構造における実施の形態を図3により説明する。図3は、液晶ディスプレイ5の部分断面組立図である。
【0054】
図3において、ドアー3の構成品となる枠体31は、液晶ユニット51をはめ込むための凹部31Aが形成されており、第1緩衝部材54は液晶ユニット51と枠体31内壁との間に配置されている。凹部31Aは、液晶ユニット51の裏面が目視できるように開口部を形成してもよい。
【0055】
また、透明部材53は、図2で示されたように透明部材53の角に第2緩衝部材55を被覆した状態で、液晶ユニット51の前面に配置する。そして、カバー52が枠体31にねじ33などの締結具で固定されることにより、枠体31とカバー52で液晶ユニット51と透明部材53を弾性支持することができる。
【0056】
なお、カバー52における透明部材53との対向面(枠体31への取り付け面)には予め、防水ゴム56が全周に亘り埋設されており、この防水ゴム56は本来の防水機能の他に、透明部材53に対する緩衝機能も働いている。
【0057】
また、図4に示されるように、図3における枠体31は、ドアー3のメインフレーム32と溶接により固定してもよく、枠体31とメインフレーム32を一体に成形してもよい。このように、枠体31とメインフレーム32を構造化することにより、固定ドアー自体の重量や外部からの力によってその形状が、捩れたり、歪んだりに抗しているのである。そして、板金である枠体31を凹字状に形成したのは、液晶ユニット51を保持するためばかりではなく、曲げ個所を多くして構造力学的にも曲げ応力や捩りに抗するように考慮したことにある。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、遊技機におけるドアーは、液晶ユニットと、前記液晶ユニットを保持している枠体と、前記液晶ユニット及び前記枠体に接触している第1緩衝部材と、を備えている。さらに、前記第1緩衝部材は、前記液晶ユニットと前記枠体との間に配置されているので、ドアーを開閉するときの衝撃力によるエネルギーを第1緩衝部材で吸収して液晶ユニットに伝わるのを緩和できる。そして、液晶ユニットの破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるスロットマシンの斜視図である。
【図2】本発明における液晶ディスプレイの斜視分解組立図である。
【図3】本発明における液晶ディスプレイの部分断面組立図である。
【図4】本発明における枠板とメインフレームの関係図である。
【図5】従来の表示部の要部断面図である。
【符号の説明】
1 スロットマシン
2 筐体
3 ドアー
4 トップフレーム
5 液晶ディスプレイ
6 操作部
7 扉体
30 メダル受け皿
31 枠体
31A 凹部
32 メインフレーム
33 ねじ
51 液晶ユニット
52 カバー
53 透明部材
54 第1緩衝部材
54A 突起部
55 第2緩衝部材
56 防水ゴム
Claims (9)
- 液晶ユニットと、
前記液晶ユニットを保持している枠体と、
前記液晶ユニット及び前記枠体に接触している第1緩衝部材と、
を備えているドアーを有していることを特徴とする遊技機。 - 前記第1緩衝部材は、前記液晶ユニットと前記枠体との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
- 前記ドアーは、前記液晶ユニットの前面に配置されている透明部材を更に有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
- 前記透明部材はガラス板又はタッチパネルであることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
- 中央に開口部が形成されているカバーが前記枠体に固定されていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の遊技機。
- 前記枠体の中央には、液晶ユニットをはめ込むための凹部が形成されていることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の遊技機。
- 前記第1緩衝部材が複数個設けられていることを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の遊技機。
- 前記液晶ユニットの側面には、窪みが形成されており、前記第1緩衝部材には、前記窪みに対応する形状の突起部が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の遊技機。
- 前記透明部材は、少なくとも一つの角を有していて、第2緩衝部材が前記透明部材の前記角を被覆していることを特徴とする請求項2から8の何れかに記載の遊技機。
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