以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
第2図は本発明の第1の実施の形態における車載装置と外部装置との通信システムの構成を示す図である。
図において、11は乗用車、トラック、バス、オートバイ等の車両、10は該車両11に搭載された車載装置であり、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク等の記憶手段、CRT、液晶ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等の表示手段、キーボード、ジョイスティック、タッチパネル、押しボタン、回転ダイヤル、リモートコントローラ等の入力手段、入出力インターフェイス等を備える一種のコンピュータである。なお、前記車載装置10は、記憶手段として、磁気テープ、磁気ドラム、CD−ROM、CD−R/W、MD、DVD−ROM、DVD−R/W、DVD−RAM、光ディスク、MO、ICカード、光カード、メモリカード、メモリスティック等の各種の記憶媒体を使用することもできる。ここで、前記車載装置10は、車両用ナビゲーション装置、車載コンピュータ、車両用オーディオ装置、車両用ビデオ再生機、エンジンスタータ装置、車両盗難防止用セキュリティ装置等であるが、いかなる装置であってもよい。ここでは、前記車載装置10が、車両用ナビゲーション装置である場合について説明する。また、車載装置10は、実際には複数であってもよいが、第2図においては、説明の都合上一つだけが示され、前記車載装置10が複数の車載装置を代表するものとする。
また、12は車両11の外部に配設された外部装置であり、ネットワーク13と車載装置10との間の中継装置であり、前記車載装置10からネットワーク13へのアクセスポイントとして機能する。ここで、前記外部装置12は、例えば、無線LANアダプタであり、2.4〔GHz〕ISM帯、5.2〔GHz〕帯、19〔GHz〕帯準ミリ波等を使用したり赤外線を使用したりして、前記車載装置10との間で通信を行うものである。この場合の無線システムとしては、例えば、無線LANシステムとして採用されているIEEE808.11a、IEEE808.11b、IEEE808.11e、家庭内無線システムとして採用されているブルートゥース等であるが、いかなる無線システムであってもよい。例えば、ETCシステムにおけるDSRCのような通信方式であってもよい。なお、前記外部装置12は、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク等の記憶手段、CRT、液晶ディスプレイ、LEDディスプレイ等の表示手段、キーボード、リモートコントローラ等の入力手段、入出力インターフェイス等を備える一種のコンピュータである中継局用サーバのようなものであってもよい。
ここで、前記外部装置12は、前記車両11の駐車場の近くに配設され、該駐車場に駐車している前記車両11の車載装置10と通信するようになっている。例えば、前記車両11を運転者の自宅内又は自宅近くの駐車場に駐車する場合、前記外部装置12は運転者の自宅内に配設され、前記車両11を有料駐車場に駐車する場合、前記外部装置12は前記有料駐車場内に配設され、前記車両11を道路上のパーキングスペースに駐車する場合、前記外部装置12はパーキングメータ等に配設されることが望ましい。
そして、前記ネットワーク13は、外部装置12のバックボーンネットワークであり、有線又は無線の公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット、イントラネット、LAN、WAN(Wide Area Network)等のいかなる種類のものであってもよいし、複数種類の通信回線網を適宜組み合わせたものであってもよい。そして、前記ネットワーク13を介して、地図データ、楽曲データ、画像データ、文字データ等の各種のデータを提供するウェブサーバ等の情報提供装置にアクセス可能であることが望ましい。この場合、前記ネットワーク13は大容量の高速通信が可能であるものが望ましく、例えば、前記ネットワーク13がインターネットである場合、数Mbps(Mega bit per second)以上の高速通信が可能なブロードバンドであるが、いかなる通信方式であってもよい。
また、14は車両11の運転者、同乗者、所有者等の操作者、すなわち、ユーザが操作する操作端末であり、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク等の記憶手段、CRT、液晶ディスプレイ、LEDディスプレイ等の表示手段、キーボード、ジョイスティック、タッチパネル、タブレット、押しボタン、回転ダイヤル、リモートコントローラ等の入力手段、入出力インターフェイス等を備える一種のコンピュータである。前記操作端末14は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、PHS(Personal Handy−Phone System)電話機、据置電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、電子手帳、携帯情報端末、ゲーム機、デジタルテレビ等いかなる種類のものであってもよい。そして、前記操作端末14は、外部装置12に接続され、該外部装置12を介して車載装置10と通信することができる。なお、前記操作端末14は、外部装置12に有線又は無線によって直接接続可能なものであってもよいし、前記ネットワーク13を介して接続可能なものであってもよい。
本実施の形態において、車載装置10は、車両11が所定の駐車場に駐車している間に外部装置12を介して、前記操作端末14や前記ネットワーク13に接続された、図示されないウェブサーバと通信することができるようになっている。例えば、車載装置10が車両用ナビゲーション装置であり、前記操作端末14がユーザである運転者の自宅に配設されたパーソナルコンピュータであり、前記外部装置12は運転者の自宅内に配設されており、さらに、車両11がユーザの自宅内又は自宅近くの駐車場に駐車している場合を想定する。この場合、ユーザは、パーソナルコンピュータとしての操作端末14を操作して前記車載装置10を遠隔操作することができる。例えば、ユーザは操作端末14を操作して、目的地、探索条件等を設定し、前記車載装置10に送信することができる。すると、前記目的地、探索条件等を受信した車両用ナビゲーション装置としての車載装置10は、自動的に目的地までの経路を探索し、ユーザが車両11に乗車して運転を開始するまでに探索を完了し、経路の案内を開始することができるようになっている。また、前記経路に関する情報を車載装置10から受信して、前記経路を操作端末14に表示させることもできる。さらに、ネットワーク13に最新のバージョンの地図データを提供するウェブサーバが接続されている場合、ユーザは操作端末14を操作し、車載装置10を遠隔操作して、前記ウェブサーバから所望の地図データをダウンロードし、車載装置10に転送して、該車載装置10に格納している地図データをバージョンアップすることができる。なお、前記ウェブサーバから車載装置10に地図データを直接ダウンロードするようにしてもよい。
また、前記車載装置10が車載コンピュータである場合、ユーザは車載装置10を遠隔操作して、操作端末14と車載装置10との間でデータの通信を行ったり、車載装置10にアプリケーションプログラムを実行させたりすることができる。なお、ウェブサーバから車載装置10に所望のデータをダウンロードするようにしてもよい。
さらに、前記車載装置10が車両用オーディオ装置である場合、ユーザは操作端末14を操作して楽曲を編集し、車載装置10を遠隔操作することによって該車載装置10に転送して、該車載装置10に格納することができる。そして、ネットワーク13に楽曲を提供するウェブサーバが接続されている場合、ユーザは操作端末14を操作して、前記ウェブサーバから所望の楽曲をダウンロードし、車載装置10に転送して、該車載装置10に格納することができる。なお、前記ウェブサーバから車載装置10に楽曲を直接ダウンロードするようにしてもよい。また、前記車載装置10が車両用ビデオ再生機である場合も、映画等のビデオデータを楽曲と同様にして、車載装置10に格納することができる。
そして、前記車載装置10がエンジンスタータ装置である場合、ユーザは、操作端末14を操作し、車載装置10を遠隔操作して該車載装置10を作動させ、車両11のエンジンをスタートさせることができる。すると、該車両11のエンジンは、ユーザが車両11に乗車して運転を開始するまでに暖機運転を完了し、即座に走行を開始することができるようになっている。なお、車両用の暖房装置や空調装置も併せてスタートさせるようにすると、ユーザが車両11に乗車して運転を開始するまでに車両11の室内が快適な温度状態となり、ユーザが不快に感じることがない。
また、前記車載装置10が車両盗難防止用セキュリティ装置である場合、ユーザは、操作端末14を操作し、車載装置10を遠隔操作して該車載装置10を作動させたり停止させたりすることができる。そのため、ユーザが車両11に乗車する直前に車載装置10をオフにしておくと、車両11に乗車する際にセキュリティを解除するための煩わしい動作を行う必要がない。また、車載装置10が作動している時に車両11に対して何らかの行為(例えば、ドアをこじ開ける、窓ガラスを割る等の行為)が行われた場合に、車載装置10が警報を操作端末14に送信するようにすることもできる。これにより、自宅にいるユーザは、車両11に対して何らかの行為が行われたことを即座に察知することができる。なお、ネットワーク13に警備保障会社等のウェブサーバが接続されている場合、車載装置10がネットワーク13を介して警報を前記警備保障会社等のウェブサーバに送信するようにしてもよい。
さらに、前記操作端末14がユーザの所持する携帯電話機又はPHS電話機であり、前記外部装置12は外出先の有料駐車場(例えば、デパート、テーマパーク等の有料駐車場)内に配設され、該有料駐車場を管理するコンピュータに接続され、車両11が前記有料駐車場に駐車している場合を想定する。この場合、前述された車両11がユーザの自宅内又は自宅近くの駐車場に駐車している場合と同様に、車載装置10を遠隔操作して、地図データ、楽曲、ビデオデータ等を車載装置10にダウンロードさせたり、車載装置10を作動させたり停止させたりすることができる。さらに、前記コンピュータが管理する前記車両11の駐車時間や駐車料金に関するデータが、外部装置12から車載装置10に送信されるようにしてもよい。
また、ユーザは車載装置10を遠隔操作して、該車載装置10から外部装置12を介して、携帯電話機又はPHS電話機としての操作端末14に前記データが送信されるようにすることもできる。これにより、ユーザは、車両11から離れた場所にいても、車両11の駐車時間や駐車料金をリアルタイムで把握することができる。
さらに、前記有料駐車場を管理するコンピュータが、有料駐車場の周辺のデパートやテーマパーク等の各種施設に関する情報、例えば、施設内の地図や特売、景品、営業時間、催し物等に関する情報を提供するものである場合には、各種施設に関する情報が、車載装置10から外部装置12を介して操作端末14に送信される。これにより、ユーザは、有料駐車場の周辺の各種施設に関する情報をリアルタイムで把握することができる。
さらに、前記操作端末14がユーザの所持する携帯電話機又はPHS電話機であり、前記外部装置12はパーキングメータに配設され、該パーキングメータを管理するコンピュータに接続され、車両11が道路上のパーキングスペースに駐車している場合を想定する。この場合、前述された車両11がユーザの自宅内又は自宅近くの駐車場に駐車している場合と同様に、車載装置10を遠隔操作して、地図データ、楽曲、ビデオデータ等を車載装置10にダウンロードさせたり、該車載装置10を作動させたり停止させたりすることができる。さらに、前記コンピュータが管理する前記車両11の駐車時間や駐車料金に関するデータが、外部装置12から車載装置10に送信されるようにしてもよい。
また、前記データが車載装置10から外部装置12を介して、携帯電話機又はPHS電話機としての操作端末14に送信されるようにすることもできる。これにより、ユーザは、車両11から離れた場所にいても、該車両11の駐車時間や駐車料金をリアルタイムで把握することができる。
さらに、前記パーキングメータを管理するコンピュータ及び車載装置10が電子マネー決済機能や電子クレジット決済機能を備えるものである場合には、ユーザは操作端末14を操作し、車載装置10を遠隔操作して、追加の駐車料金の支払いを実行する要求を車載装置10に送信することができる。すると、該車載装置10は、前記パーキングメータを管理するコンピュータと通信して、電子マネー決済や電子クレジット決済によって、追加の駐車料金の支払いを実行する。これにより、ユーザは、車両11から離れた場所にいても、追加の駐車料金を支払うことができる。
次に、本実施の形態における車載装置用電源管理システムの構成について説明する。
第1図は本発明の第1の実施の形態における車載装置用電源管理システムの構成を示す図、第3図は本発明の第1の実施の形態における車載装置が車両用ナビゲーション装置である場合の構成を示す図、第4図は本発明の第1の実施の形態における車載装置が車両用ナビゲーション装置である場合の車載装置用電源管理システムの構成を示す図である。
第1図は、車載装置用電源管理システムの構成を示す図であり、電源供給制御部51、起動要求受信部としての起動要求受信回路52、起動制御部53、アンテナ54、主電源55、アクセサリ信号発生部56、意思判断部57及び通信装置58が示されている。
ここで、前記電源供給制御部51は、意思判断部57がユーザの遠隔操作意思の有無を判断して該遠隔操作意思があると判断すると、前記意思判断部57の判断に基づいて、前記起動要求受信回路52への主電源55からの電力の供給を許可する。すなわち、電源供給制御部51は、意思判断部57がユーザの設定する条件に基づいて前記遠隔操作意思の有無を判断して該遠隔操作意思があると判断した場合には、起動要求受信回路52に電力を供給し、意思判断部57が遠隔操作意思がないと判断した場合には、前記起動要求受信回路52への電力を遮断するようになっている。なお、前記意思判断部57の動作については後述する。
そして、前記起動要求受信回路52は、アンテナ54を介して受信した起動要求を受信するための回路であり、電源供給制御部51を介して供給される電力によって作動する。また、前記起動要求は、操作端末14から外部装置12を介して送信された、車載装置10を起動させるための要求である。そして、起動要求受信回路52は、電力が供給されて作動している場合に起動要求を受信するとオン信号を出力するが、電力が遮断されて停止している場合に起動要求を受信しても、オン信号を出力することなく、オフとなっている。
また、起動制御部53は、車載装置10の少なくとも一部の起動を制御する。すなわち、前記起動制御部53は、アクセサリ信号発生部56からのオン信号に基づいて、主電源55から車載装置10へ供給される電力を制御する。なお、アクセサリ信号発生部56は、一般的には、車両11のエンジンスイッチと一体的に形成され、ユーザが車両11のエンジンキーを使用してオン又はオフの操作を行うようになっている。そして、アクセサリ信号発生部56は、ユーザによってオンの操作が行われるとオン信号を出力し、オフの操作が行われるとオン信号の出力を停止してオフとなる。
これにより、起動制御部53は、アクセサリ信号発生部56からのオン信号を受信すると、車載装置10に電力を供給し、オン信号の出力が停止してオフとなると、車載装置10への電力を遮断するようになっている。なお、起動制御部53は、アクセサリ信号発生部56からのオン信号を受信していない場合でも、起動要求受信回路52からオン信号を受信すると車載装置10の少なくとも一部に電力を供給し、オン信号の出力が停止してオフとなると、車載装置10への電力を遮断するようになっている。
そして、主電源55は、一般的には、車両用バッテリであるが、電気二重層コンデンサのようなコンデンサ(キャパシタ)であってもよい。なお、主電源55の端子間電圧としての開放端子間電圧の規定値は、いくらであってもよいが、本実施の形態においては、小型乗用車の車両用バッテリにおいて一般的な12〔V〕である場合について説明する。また、車両11の図示されないエンジンが動作している時には、該エンジンに付属した発電機から、主電源55に電力が供給されて充電が行われ、前記エンジンが停止している時には、主電源55に電力が供給されず充電が行われない。そして、アクセサリ信号発生部56がオフの場合は、前記エンジンが停止しているので、発電機から、主電源55に電力が供給されず充電が行われない。
また、意思判断部57は、ユーザがあらかじめ設定する条件に基づいて前記遠隔操作意思の有無を判断するようになっている。この場合、前記条件は位置に関するもの、又は、日時に関するものである。
ここで、前記位置はユーザが車両11を駐車する駐車場等の場所であり、該場所を含む所定の範囲を登録位置範囲としてあらかじめ登録しておく。例えば、外部装置12が運転者の自宅内に配設されており、さらに、車両11がユーザの自宅内又は自宅近くの駐車場に駐車している場合であると、該駐車場を登録位置とし、該登録位置を含む所定の範囲を登録位置範囲として登録する。ここで、車載装置10と外部装置12との間の通信が通常の無線LANのような無線システムで行われる場合、通信可能範囲は外部装置12を中心とした半径10〜100〔m〕程度の範囲なので、該範囲を登録位置範囲として登録することが望ましい。そして、前記意思判断部57は、車両11の現在地が前記登録位置範囲内にある場合、操作端末14を操作して車載装置10を遠隔操作する遠隔操作意思がユーザにあると判断し、車両11の現在地が前記登録位置範囲外にある場合、遠隔操作意思がユーザにないと判断するようになっている。
また、操作端末14がユーザの所持する携帯電話機又はPHS電話機であり、外部装置12は外出先の有料駐車場内に配設され、車両11が前記有料駐車場に駐車している場合であると、該有料駐車場を含む所定の範囲を登録位置範囲として登録することが望ましい。さらに、前記外部装置12はパーキングメータに配設され、車両11が道路上のパーキングスペースに駐車している場合であると、該パーキングスペースを含む所定の範囲を登録位置範囲として登録する。
なお、該登録位置範囲は適宜変更することができるとともに、複数の登録位置範囲を登録しておくことができるようになっている。例えば、ユーザの自宅内又は自宅近くの駐車場を含む範囲を常に登録位置範囲として登録しておき、道路上のパーキングスペースに駐車する時に、該当するパーキングスペースを含む所定の範囲を登録位置範囲として登録し、前記パーキングスペースを離れる時に、前記登録位置範囲の登録を解除することができる。
また、前記日時はユーザが操作端末14を操作して車載装置10を遠隔操作する日時であり、ユーザの予定表やスケジュールに合わせて設定することができる。この場合、ユーザは車載装置10を操作して、又は、操作端末14から送信して、前記日時を車載装置10に登録する。ここで、前記日時は、例えば、毎週末の休日や休日の前夜のように、操作端末14を操作して車載装置10を遠隔操作する蓋(がい)然性が高い日をスケジュールに組み込んでおくことができる。さらに、例えば、夕刻のように、車載装置10を遠隔操作する蓋然性が高い時間帯を指定して、スケジュールに組み込んでおくことができる。このような日時の設定は、例えば、予定表やスケジュールを管理するPIM(Personal Information Manage)等の個人情報管理用ソフトウェアを利用して容易に行うことができる。
なお、前記日時は、一般的なユーザの意思を反映し、デフォルト(初期設定)として、あらかじめ車載装置10に登録されているようにしてもよい。例えば、前記車載装置10が車両用ナビゲーション装置である場合、休日のドライブに備えて、目的地までの経路をあらかじめ探索させるために車載装置10を遠隔操作することが多いと考えられる。そこで、毎週末の土曜日又は日曜日の前夜、すなわち、金曜日又は土曜日の午後6時〜10時を車載装置10を遠隔操作する蓋然性が高い日時と想定し、デフォルトとして、あらかじめ車載装置10に登録しておく。これにより、ユーザが一般的な給与所得者である場合、前記日時を自身で設定しなくても、ユーザの意思が反映される。
もっとも、デフォルトとして登録された日時はユーザが適宜変更することができる。例えば、前記ユーザの休日が週末でなく、水曜日や木曜日である場合、その前夜を設定して登録することができる。また、時間帯も適宜変更することができ、例えば、深夜の時間帯を設定して登録することができる。さらに、毎週の休日の前夜のように定期的な日時を指定することなく、特定の予定に対応した日時を設定することもできる。例えば、夏期休暇で長距離ドライブを予定しているユーザは、長距離ドライブに出発する前の日時を設定して登録することができる。
また、通信装置58は、外部装置12との間で通信を行うための装置であり、例えば、無線LANカード等である。なお、前記通信装置58は、データ信号受信部として機能し、車載装置10以外からの、例えば、外部装置12からのデータ信号を受信すると、前記起動制御部53に前記車載装置10の少なくとも一部を起動させるようになっている。
ここで、第3図には車載装置10が車両用ナビゲーション装置である場合の構成が示されている。第3図において、15は車両用ナビゲーション装置であり、一種のコンピュータである。そして、車両用ナビゲーション装置15は、第3図に示されるように、現在地を検出して車両位置情報を出力する車両位置情報出力部18、道路データ等が記録された記録媒体としてのデータ記録部16、入力された情報に基づいて、ナビゲーション処理等の各種の演算処理を行うナビゲーション処理部17、入力部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38を有し、前記ナビゲーション処理部17に車速センサ41が接続される。
そして、前記車両位置情報出力部18は、GPS(Global Positioning System)センサ21、地磁気センサ22、距離センサ23、ステアリングセンサ24、ビーコンセンサ25、ジャイロセンサ26、図示されない高度計等から成る。なお、前記GPSセンサ21、地磁気センサ22、距離センサ23、ステアリングセンサ24、ビーコンセンサ25、ジャイロセンサ26、高度計等の中のいくつかは、製造コスト等の観点から、適宜省略することもできる。
そして、前記GPSセンサ21は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することによって地球上における現在地を検出し、前記地磁気センサ22は、地磁気を測定することによって車両11が向いている方位を検出し、前記距離センサ23は、道路上の所定の位置間の距離等を検出する。前記距離センサ23としては、例えば、車輪の回転数を測定し、該回転数に基づいて距離を検出するもの、加速度を測定し、該加速度を二回積分して距離を検出するもの等を使用することができる。
また、前記ステアリングセンサ24は、舵(だ)角を検出し、前記ステアリングセンサ24としては、例えば、図示されないステアリングホイールの回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
そして、前記ビーコンセンサ25は、道路に沿って配設されたビーコンからの位置情報を受信して現在地を検出する。前記ジャイロセンサ26は、車両11の回転角速度、すなわち、旋回角を検出し、前記ジャイロセンサ26としては、例えば、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。そして、前記ジャイロセンサ26によって検出された旋回角を積分することによって、車両11が向いている方位を検出することができる。
なお、前記GPSセンサ21及びビーコンセンサ25は、それぞれ、単独で現在地を検出することができる。そして、距離センサ23によって検出された距離と、地磁気センサ22及びジャイロセンサ26によって検出された方位とを組み合わせることによって現在地を検出することもできる。また、距離センサ23によって検出された距離と、ステアリングセンサ24によって検出された舵角とを組み合わせることによって現在地を検出することもできる。
前記データ記録部16は、地図データファイル、交差点データファイル、ノードデータファイル、道路データファイル、写真データファイル、及び、各地域のホテル、ガソリンスタンド、観光地案内所等の施設の情報が記録された施設情報データファイルから成るデータベースを備える。そして、前記データ記録部16には、経路を探索するためのデータの他、前記表示部35の画面に、探索された経路に沿って案内図を表示したり、交差点又は経路における特徴的な写真、コマ図等を表示したり、次の交差点までの距離、次の交差点における進行方向等を表示したり、他の案内情報を表示したりするための各種のデータが記録される。なお、前記データ記録部16には、所定の情報を音声出力部37によって出力するための各種のデータも記録される。
ところで、前記交差点データファイルには交差点データが、ノードデータファイルにはノードデータが、道路データファイルには道路データがそれぞれ記録され、前記交差点データ、ノードデータ及び道路データによって道路状況が画面に表示される。なお、前記交差点データには、交差点の種類、すなわち、交通信号灯器の設置されている交差点であるか又は交通信号灯器の設置されていない交差点であるかが含まれる。また、前記ノードデータは、前記地図データファイルに記録された地図データにおける少なくとも道路の位置及び形状を構成するものであり、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等を含む)、ノード点、及び、各ノード点間を連結するリンクを示すデータから成る。さらに、前記ノード点は、少なくとも道路の屈曲点の位置を示す。
そして、前記道路データには、道路自体について、幅員、勾(こう)配、カント、高度、バンク、路面の状態、道路の車線数、該車線数の減少する地点、幅員の狭くなる地点等のデータが含まれる。なお、高速道路や幹線道路の場合、対向方向の車線のそれぞれが別個の道路データとして格納され、二条化道路として処理される。例えば、片側二車線以上の幹線道路の場合、二条化道路として処理され、上り方向の車線と下り方向の車線は、それぞれ、独立した道路として道路データに格納される。また、コーナについては、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口等のデータが含まれる。さらに、道路属性については、踏切、高速道路出入口ランプウェイ、高速道路の料金所、降坂路、登坂路、道路種別(国道、主要地方道、一般道、高速道路等)等のデータが含まれる。
また、前記ナビゲーション処理部17は、車両用ナビゲーション装置15の全体の制御を行うCPU31、該CPU31が各種の演算処理を行うに当たりワーキングメモリとして使用されるRAM32、及び、制御プログラムの他、目的地までの経路の探索、経路中の走行案内、特定区間の決定、地点、施設等の検索等を行うための各種のプログラムが記録された記憶媒体としてのROM33から成る。そして、前記ナビゲーション処理部17には、前記入力部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38が接続される。そして、経路の探索、経路中の走行案内、特定区間の決定、地点、施設等の検索等の各種処理を実行する。なお、前記音声入力部36、音声出力部37及び通信部38の中のいくつかは、製造コスト等の観点から、適宜省略することもできる。
また、前記ナビゲーションプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、半導体メモリだけでなく、磁気テープ、磁気ディスク、磁気ドラム、CD−R/W、MD、DVD−RAM、光ディスク、MO、ICカード、光カード、メモリカード等、あらゆる形態の記憶媒体を含むものである。
なお、前記データ記録部16及びROM33は、図示されない磁気コア、半導体メモリ等によって構成される。また、前記データ記録部16及びROM33として、磁気テープ、磁気ディスク、磁気ドラム、CD−R/W、MD、DVD−RAM、光ディスク、MO、ICカード、光カード、メモリカード等の各種の記憶媒体を使用することもできる。該記憶媒体は、車両用ナビゲーション装置15にあらかじめ据え付けられたものであってもよく、運転者等によって適宜交換可能なものであってもよい。
本実施の形態においては、前記ROM33に各種のプログラムが記録され、前記データ記録部16に各種のデータが記録されるようになっているが、プログラム及びデータを同じように外部記憶媒体に記録することもできる。この場合、例えば、前記ナビゲーション処理部17に図示されないフラッシュメモリ等の記憶媒体を配設し、前記外部記憶媒体から前記プログラム及びデータを読み出して前記記憶媒体に書き込むこともできる。したがって、外部記憶媒体を交換することによって前記プログラム及びデータを更新することができる。このように、各種の記憶媒体に記録されたプログラムを起動し、データに基づいて各種の処理を行うことができる。なお、前記外部記憶媒体は、磁気テープ、磁気ディスク、磁気ドラム、CD−R/W、MD、DVD−RAM、光ディスク、MO、ICカード、光カード、メモリカード等いかなる種類のものであってもよい。
さらに、前記通信部38は、外部装置12を介して、ネットワーク13及び操作端末14との間で通信を行うようになっている。なお、例えば、図示されない情報センサ等によって受信した渋滞等の道路情報、交通事故情報、GPSセンサ21の検出誤差を検出するD−GPS情報等の各種のデータを受信することもできる。本実施の形態においては、ネットワーク13に接続された最新のバージョンの地図データやプログラムを提供するウェブサーバから送信されたプログラム及びデータの少なくとも一部が受信されると、前記CPU31は、読み書き可能なメモリ、例えば、RAM32、フラッシュメモリ、ハードディスク等の記憶媒体にダウンロードし、前記プログラムを起動し、データに基づいて各種の処理を行うことができる。
また、前記操作端末14を使用し、前記ウェブサーバから送信されたプログラム、データ等をパーソナルコンピュータに対して脱着自在なメモリカード、CD−R等の記憶媒体にダウンロードし、前記プログラムを起動し、データに基づいて各種の処理を行うこともできる。
そして、前記入力部34は、走行開始時の位置を修正したり、目的地を入力したりするためのものであり、車両用ナビゲーション装置15の本体に配設された操作キー、押しボタン、ジョグダイヤル、十字キー等から成るものであるが、リモートコントローラであってもよい。なお、表示部35がタッチパネルである場合には、前記表示部35の画面に表示された操作キー、操作メニュー等の操作スイッチから成るものであることが望ましい。この場合、通常のタッチパネルのように前記操作スイッチを押す(タッチする)ことによって、入力を行うことができる。
そして、前記表示部35の画面には、操作案内、操作メニュー、操作キーの案内、現在地から目的地までの経路、該経路に沿った案内情報等が表示される。前記表示部35としては、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、LEDディスプレイ、プラズマディスプレイ、フロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することができる。
また、音声入力部36は、図示されないマイクロホン等によって構成され、音声によって必要な情報を入力することができる。さらに、音声出力部37は、図示されない音声合成装置及びスピーカを備え、音声情報、例えば、音声合成装置によって合成された音声から成る案内情報、変速情報等をスピーカから出力し、ユーザに知らせる。なお、音声合成装置によって合成された音声の他に、各種の音、あらかじめテープ、メモリ等に録音された各種の案内情報をスピーカから出力することもできる。
ここで、第4図には車載装置10が車両用ナビゲーション装置15である場合の車載装置用電源管理システムの構成が示されている。この場合、車両11はユーザの自宅としてのユーザ住居61の駐車場に駐車しているものとする。そして、ユーザの使用する操作端末14は、CRT、液晶ディスプレイ、LEDディスプレイ等の表示手段62、CPU、MPU等の演算手段や半導体メモリ、磁気ディスク等の記憶手段を備えコンピュータ処理を実行するコンピュータ部63、及び、キーボード、ジョイスティック、タッチパネル、タブレット、押しボタン、回転ダイヤル、リモートコントローラ等の入力手段64を備える。なお、該入力手段64は、タッチパネルやタブレットである場合、表示手段62と一体的に構成されている。
そして、通信装置65は、ネットワーク13(第2図)を介して前記操作端末14と接続される外部装置12に含まれるものであり、ユーザ住居61に配設され、無線によって車両用ナビゲーション装置15の通信装置58との間で通信を行う。なお、前記通信装置65の通信可能範囲は、半径10〜100〔m〕程度の範囲であり、該範囲が前記登録位置範囲となる。
また、車両用ナビゲーション装置15は、電源管理機能の観点からみて、第4図に示されるように、制御処理部71、起動管理部74、電源変換装置75、通信装置58、表示部35、メモリ部72、及び、その他装置73を有する。まず、前記制御処理部71は、車両用ナビゲーション装置15の動作を統合的に制御処理する機能を有し、前記電源供給制御部51、起動制御部53及び意思判断部57を備える。そして、前記起動管理部74は、車両用ナビゲーション装置15のどの部位に電力を供給すべきかを管理し、起動させるべき装置に対して電力を供給し、停止させる装置に対する電力の供給を停止する。なお、車両用バッテリ等の主電源55から供給される電力は、電源変換装置75によって電圧等が変換された後、起動させるべき装置に対して供給される。ここで、前記主電源55から供給される電力は、常時、電源線76を通して前記電源変換装置75に供給されるとともに、アクセサリ信号発生部56によってオン−オフ制御され、アクセサリ連動電源線77を通しても前記電源変換装置75に供給される。
なお、メモリ部72は、第3図に示されるRAM32、ROM33及びデータ記録部16を含むすべての記憶手段や記録手段を含むものであり、半導体メモリだけでなく、磁気テープ、磁気ディスク、磁気ドラム、CD−R/W、MD、DVD−RAM、光ディスク、MO、ICカード、光カード、メモリカード等、あらゆる形態の記憶媒体を含むものである。また、その他装置73は、第3図に示される車両位置情報出力部18、車速センサ41、入力部34、音声入力部36、音声出力部37、通信部38、起動要求受信回路52等を含むものである。
次に、前記構成の車載装置用電源管理システムの動作について説明する。
第5図は本発明の第1の実施の形態における車載装置用電源管理システムの動作を示すフローチャート、第6図は本発明の第1の実施の形態におけるユーザの設定する条件が位置である場合の車載装置用電源管理システムの動作を示すフローチャート、第7図は本発明の第1の実施の形態におけるユーザの設定する条件が日時である場合の車載装置用電源管理システムの動作を示すフローチャート、第8図は本発明の第1の実施の形態におけるユーザの設定する条件が位置及び日時である場合の電源供給制御部の動作を示すフローチャートである。
ここでは、車両11がユーザの自宅の駐車場に駐車している間に、操作端末14から車載装置10にデータを転送する場合の動作について説明する。
まず、制御処理部71は、アクセサリ信号発生部56のアクセサリ信号がオンからオフになったか否かを判断する。そして、オンである場合は、判断を繰り返し行う。また、オフになったと判断すると、意思判断部57は、操作端末14を操作して車載装置10を遠隔操作する遠隔操作意思がユーザにあるか否かを判断する。続いて、前記意思判断部57がユーザの遠隔操作意思があると判断すると、電源供給制御部51は、起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を供給する。また、前記意思判断部57がユーザの遠隔操作意思がないと判断すると、電源供給制御部51は、起動要求受信回路52又は通信装置58への電力を遮断する。
ここで、意思判断部57がユーザの遠隔操作意思の有無を判断する条件が位置である場合、前記意思判断部57は車両11の現在地が登録位置範囲内にあるか否かを判断する。なお、該登録位置範囲は、ユーザ住居61に配設された通信装置65の通信可能範囲であるとする。そして、車両11の現在地が登録位置範囲内にある場合、意思判断部57がユーザの遠隔操作意思があると判断するので、電源供給制御部51は、起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を供給する。また、車両11の現在地が登録位置範囲外にある場合、前記意思判断部57がユーザの遠隔操作意思がないと判断するので、電源供給制御部51は起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を遮断する。
一方、意思判断部57がユーザの遠隔操作意思の有無を判断する条件が日時である場合、前記意思判断部57は、車載装置10が備える図示されない時計に基づいて、現時点が所定の日時であるか否かを判断する。なお、該所定の日時は、ユーザがあらかじめ設定した日、例えば、土曜日の所定の時間帯、例えば、午後8〜10時であるとする。そして、所定の日時である場合、意思判断部57がユーザの遠隔操作意思があると判断するので、電源供給制御部51は、起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を供給する。また、所定の日時でない場合、前記意思判断部57がユーザの遠隔操作意思がないと判断するので、電源供給制御部51は、起動要求受信回路52又は通信装置58への電力を遮断する。
さらに、意思判断部57がユーザの遠隔操作意思の有無を判断する条件が位置及び日時である場合、前記意思判断部57は車両11の現在地が登録位置範囲内にあるか否かを判断する。そして、車両11の現在地が登録位置範囲内にある場合、前記意思判断部57は、続いて、現時点が所定の日時であるか否かを判断する。なお、車両11の現在地が登録位置範囲外にある場合、前記意思判断部57がユーザの遠隔操作意思がないと判断するので、電源供給制御部51は、起動要求受信回路52又は通信装置58への電力を遮断する。また、現時点が所定の日時であるか否かを判断した結果、所定の日時である場合には、意思判断部57がユーザの遠隔操作意思があると判断するので、電源供給制御部51は、起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を供給する。また、所定の日時でない場合、前記意思判断部57がユーザの遠隔操作意思がないと判断するので、電源供給制御部51は、起動要求受信回路52又は通信装置58への電力を遮断する。
次に、フローチャートについて説明する。まず、第5図に示されるフローチャートについて説明する。
ステップS1 アクセサリ信号がONからOFFになったか否かを判断する。OFFになった場合はステップS2に進み、OFFにならない場合は待機する。
ステップS2 ユーザの遠隔操作意思があるか否かを判断する。遠隔操作意思がある場合はステップS3に進み、遠隔操作意思がない場合はステップS4に進む。
ステップS3 起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を供給する。
ステップS4 起動要求受信回路52又は通信装置58への電力を遮断する。
次に、第6図に示されるユーザの設定する条件が位置である場合のフローチャートについて説明する。
ステップS1 アクセサリ信号がONからOFFになったか否かを判断する。OFFになった場合はステップS2−1に進み、OFFにならない場合は待機する。
ステップS2−1 車両の現在地が登録位置範囲内にあるか否かを判断する。登録位置範囲内にある場合はステップS3に進み、登録位置範囲内にない場合はステップS4に進む。
ステップS3 起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を供給する。
ステップS4 起動要求受信回路52又は通信装置58への電力を遮断する。
次に、第7図に示されるユーザの設定する条件が日時である場合のフローチャートについて説明する。
ステップS1 アクセサリ信号がONからOFFになったか否かを判断する。OFFになった場合はステップS2−2に進み、OFFにならない場合は待機する。
ステップS2−2 所定の日時であるか否かを判断する。所定の日時である場合はステップS3に進み、所定の日時でない場合はステップS4に進む。
ステップS3 起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を供給する。
ステップS4 起動要求受信回路52又は通信装置58への電力を遮断する。
次に、第8図に示されるユーザの設定する条件が位置及び日時である場合のフローチャートについて説明する。
ステップS1 アクセサリ信号がONからOFFになったか否かを判断する。OFFになった場合はステップS2−1に進み、OFFにならない場合は待機する。
ステップS2−1 車両の現在地が登録位置範囲内にあるか否かを判断する。登録位置範囲内にある場合はステップS2−2に進み、登録位置範囲内にない場合はステップS4に進む。
ステップS2−2 所定の日時であるか否かを判断する。所定の日時である場合はステップS3に進み、所定の日時でない場合はステップS4に進む。
ステップS3 起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を供給する。
ステップS4 起動要求受信回路52又は通信装置58への電力を遮断する。
次に、第1図に示される車載装置用電源管理システムにおいて、電源供給制御部51が起動要求受信回路52に電力を供給する場合について説明する。この場合、車載装置起動処理が行われ、データ送信処理が行われた後、車載装置停止処理が行われる。
第9図は本発明の第1の実施の形態における車載装置を起動させてから停止させるまでの動作を示すフローチャートである。
車載装置起動処理においては、まず、操作端末14から、外部装置12を介して、車載装置10へ起動要求が送信される。該起動要求には、車載装置10を特定するためのIDが含まれる。そして、車載装置10は、起動要求を受信したことを確認する受信確認を、外部装置12を介して、操作端末14へ送信する。なお、該操作端末14は、起動要求を送信した後、所定時間が経過しても受信確認を受信することができない場合、三回まで繰り返して、起動要求を送信する。
そして、車載装置10は起動処理を実行して起動する。続いて、車載装置10は、起動処理が終了したことを示す起動終了通知を、外部装置12を介して、操作端末14へ送信する。また、該操作端末14は、起動終了通知を受信したことを確認する受信確認を、外部装置12を介して、車載装置10へ送信する。なお、該車載装置10は、起動終了通知を送信した後、所定時間が経過しても受信確認を受信することができない場合、三回まで繰り返して、起動終了通知を送信する。
続いて、データ送信処理としてのデータ転送処理において、操作端末14から、外部装置12を介して、車載装置10へユーザを認証するためのユーザIDが送信される。また、該ユーザIDとともに、パスワードも送信される。そして、車載装置10は、ユーザIDを受信したことを確認する受信確認を、外部装置12を介して、操作端末14へ送信する。なお、前記操作端末14は、ユーザIDを送信した後、所定時間が経過しても受信確認を受信することができない場合、三回まで繰り返して、ユーザIDを送信する。
そして、車載装置10においては、ユーザIDとパスワードに基づいてユーザの認証処理が実行される。続いて、車載装置10は、認証処理が終了したことを示す認証OKを、外部装置12を介して、操作端末14へ送信する。また、操作端末14は、認証OKを受信したことを確認する受信確認を、外部装置12を介して、車載装置10へ送信する。なお、該車載装置10は、認証OKを送信した後、所定時間が経過しても受信確認を受信することができない場合、三回まで繰り返して、認証OKを送信する。
続いて、操作端末14から、外部装置12を介して、車載装置10へ転送開始要求が送信される。そして、車載装置10は、転送開始要求を受信したことを確認する受信確認を、外部装置12を介して、操作端末14へ送信する。なお、該操作端末14は、転送開始要求を送信した後、所定時間が経過しても受信確認を受信することができない場合、三回まで繰り返して、転送開始要求を送信する。続いて、操作端末14から、外部装置12を介して、車載装置10へデータが転送される。
そして、該データの転送が終了すると、操作端末14から、外部装置12を介して、車載装置10へ転送終了が送信される。続いて、車載装置10は、転送終了を受信したことを確認する受信確認を、外部装置12を介して、操作端末14へ送信する。
最後に、車載装置停止処理において、操作端末14から、外部装置12を介して、車載装置10へ停止要求が送信される。該停止要求には、車載装置10を特定するためのIDが含まれる。そして、車載装置10は、停止要求を受信したことを確認する受信確認を、外部装置12を介して、操作端末14へ送信する。なお、該操作端末14は、停止要求を送信した後、所定時間が経過しても受信確認を受信することができない場合、三回まで繰り返して、停止要求を送信する。
そして、車載装置10は、停止完了通知を、外部装置12を介して、操作端末14へ送信する。また、該操作端末14は、停止完了通知を受信したことを確認する受信確認を、外部装置12を介して、車載装置10へ送信する。なお、該車載装置10は、停止完了通知を送信した後、所定時間が経過しても受信確認を受信することができない場合、三回まで繰り返して、停止完了通知を送信する。最後に、車載装置10は、車載装置停止処理を実行して停止する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS10 車載装置起動処理を実行する。
ステップS20 データ送信処理を実行する。
ステップS30 車載装置停止処理を実行する。
次に、特定小電力無線で車載装置起動処理を行い、無線LANでデータ送信処理を行う場合の動作について説明する。
第10図は本発明の第1の実施の形態における特定小電力無線で車載装置起動処理を行い、無線LANでデータ送信処理を行う場合の動作を示すフローチャートである。
ここでは、ウェブサイトにアクセスして目的地までの経路探索を実行させ、探索された経路に関して作成されたデータを車載装置10に送信する場合について説明する。この場合、ユーザは、操作端末14を操作して図示されないウェブサーバにアクセスし、該ウェブサーバ内に開設された所定のウェブサイトにログインする。なお、該ウェブサイトはナビゲーション処理を実行して、目的地までの経路を探索するサービスを提供するものとする。そして、前記ウェブサイトはユーザ専用のエリアを備え、ユーザはユーザ名、パスワード等を入力して、前記エリアにログインすることができる。続いて、ユーザが出発地、目的地等の探索条件を入力すると、目的地までの経路が探索され、該経路を案内するためのデータが作成される。そして、ユーザは、作成されたデータを操作端末14にダウンロードする。これにより、データ作成処理が終了する。
続いて、ユーザが操作端末14を操作して、前記データを車載装置10に送信する。この場合、外部装置12から車載装置10へ起動要求を送信する。そして、車載装置10は起動要求を受信すると車載装置起動処理を実行して起動する。これにより、車載装置起動処理が終了すると、車載装置10の通信装置58としての無線LANカードは、アクセスポイントとして機能する外部装置12へユーザIDを送信する。そして、該外部装置12は、ユーザIDを受信すると、前記通信装置58に受信確認を送信し、また、該通信装置58の認証処理を実行する。続いて、外部装置12は、認証処理が終了したことを示す認証OKを通信装置58へ送信する。そして、該通信装置58は認証OKを受信したことを確認する受信確認を外部装置12へ送信する。これにより、認証処理が終了する。
続いて、前記操作端末14から、外部装置12を介して、前記データが車載装置10に送信されると、該車載装置10は受信したデータを記憶する。これにより、データ送信処理が終了する。最後に、車載装置停止処理において、操作端末14から、外部装置12を介して、車載装置10へ停止要求が送信され、該車載装置10は車載装置停止処理を実行して停止する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS41 データ作成処理を実行する。
ステップS42 車載装置起動処理を実行する。
ステップS43 認証処理を実行する。
ステップS44 データ送信処理を実行する。
ステップS45 車載装置停止処理を実行する。
次に、無線LANで車載装置起動処理を行い、無線LANでデータ送信処理を行う場合の動作について説明する。
第11図は本発明の第1の実施の形態における無線LANで車載装置起動処理を行い、無線LANでデータ送信処理を行う場合の動作を示すフローチャートである。
ここでは、ウェブサイトにアクセスして目的地までの経路探索を実行させ、探索された経路に関して作成されたデータを車載装置10に送信する場合について説明する。この場合、車載装置10の通信装置58としての無線LANカードは、アクセスポイントとして機能する外部装置12へユーザIDを送信する。そして前記外部装置12は、ユーザIDを受信すると、前記通信装置58に受信確認を送信し、また、該通信装置58の認証処理を実行する。続いて、外部装置12は、認証処理が終了したことを示す認証OKを通信装置58へ送信する。そして、該通信装置58は認証OKを受信したことを確認する受信確認を外部装置12へ送信する。これにより、認証処理が終了する。
続いて、ユーザは、操作端末14を操作して図示されないウェブサーバにアクセスし、該ウェブサーバ内に開設された所定のウェブサイトにログインする。なお、該ウェブサイトはナビゲーション処理を実行して、目的地までの経路を探索するサービスを提供するものとする。そして、前記ウェブサイトはユーザ専用のエリアを備え、ユーザはユーザ名、パスワード等を入力して、前記エリアにログインすることができる。続いて、ユーザが出発地、目的地等の探索条件を入力すると、目的地までの経路が探索され、該経路を案内するためのデータが作成される。そして、ユーザは、作成されたデータを操作端末14にダウンロードする。これにより、データ作成処理が終了する。
続いて、ユーザが操作端末14を操作して、前記データを車載装置10に送信する。この場合、前記操作端末14から、外部装置12を介して、前記データが車載装置10に送信されると、該車載装置10の所定部位が起動する。そして、車載装置10は受信したデータを記憶する。これにより、データ送信処理が終了する。最後に、車載装置停止処理において、操作端末14から、外部装置12を介して、車載装置10へ停止要求が送信され、該車載装置10は車載装置停止処理を実行して停止する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS51 認証処理を実行する。
ステップS52 データ作成処理を実行する。
ステップS53 データ送信処理を実行する。
ステップS54 車載装置停止処理を実行する。
このように、本実施の形態においては、意思判断部57がユーザに遠隔操作意思があると判断すると、起動要求受信回路52又は通信装置58へ電力が供給されるようになっている。この場合、意思判断部57は、ユーザがあらかじめ設定する位置又は日時に関する条件に基づいて遠隔操作意思の有無を判断するようになっている。そして、位置に関する条件であると、前記意思判断部57は、車両11の現在地が前記登録位置範囲内にある場合、操作端末14を操作して車載装置10を遠隔操作する遠隔操作意思がユーザにあると判断し、車両11の現在地が前記登録位置範囲外にある場合、遠隔操作意思がユーザにないと判断するようになっている。また、日時に関する条件であると、前記意思判断部57は、所定の日時である場合、操作端末14を操作して車載装置10を遠隔操作する遠隔操作意思がユーザにあると判断し、所定の日時でない場合、遠隔操作意思がユーザにないと判断するようになっている。
これにより、車両11が登録位置範囲内に駐車している場合、又は、所定の日時である場合、起動要求受信回路52は、供給される電力によって作動し、外部装置12から送信された起動要求を受信し、起動制御部53に車載装置10の少なくとも一部を起動させることができる。また、通信装置58は、供給される電力によって作動し、外部装置12から送信されたデータ信号を受信し、起動制御部53に車載装置10の少なくとも一部を起動させることができる。
ここで、前記起動制御部53が起動する車載装置10の一部とは、例えば、該車載装置10にデータをダウンロードして、該車載装置10が記憶手段として備える磁気ディスクとしてのハードディスクに格納する場合には、該ハードディスク、前記車載装置10が記憶手段として備える半導体メモリとしてのRAM、及び、演算手段として備えるCPUである。また、例えば、ダウンロードしたデータを前記RAMに格納する場合には、該RAM及びCPU、又は、RAMのみである。
そして、車両11が登録位置範囲外に駐車している場合、又は、所定の日時でない場合には、起動要求受信回路52又は通信装置58への電力は遮断されるようになっている。
これにより、車両11が所定の場所以外の場所に駐車している場合、又は、所定の日時でない場合には、起動要求受信回路52又は通信装置58への電力を遮断して、主電源55としての車両用バッテリの放電を防止することができる。また、車両11が所定の場所に駐車している場合、又は、所定の日時である場合には、ユーザは操作端末14を操作して、車載装置10を遠隔操作して作動させたり、車載装置10にデータを送信したりすることができる。
したがって、車両11がエンジンを停止して駐車している場合、意思判断部57が車載装置10を遠隔操作する遠隔操作意思がユーザにあると判断しない限り、車載装置10への電力を遮断するようになっているので、主電源55としての車両用バッテリの放電を低減することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、前記第1の実施の形態と同じ構成を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
第12図は本発明の第2の実施の形態における車載装置用電源管理システムの構成を示す図である。
本実施の形態において、81は各種の情報を提供する情報センタに配設されたセンタサーバであり、前記第1の実施の形態において説明したインターネット等のネットワーク13(第2図)等を介して、ユーザ住居61の通信装置65に通信可能に接続されている。前記センタサーバ81は、CPU、MPU等の演算手段、半導体メモリ、磁気ディスク等の記憶手段、CRT、液晶ディスプレイ、LEDディスプレイ等の表示手段、キーボード、タッチパネル、タブレット、押しボタン、マウス等の入力手段、入出力インターフェイス等を備える一種のコンピュータである。また、前記センタサーバ81は、例えば、インターネットに接続されるウェブサーバであるが、パーソナルコンピュータ、ワークステーション等、いかなる種類のものであってもよい。そして、前記センタサーバ81は、独立して構成されたものであってもよいし、複数のサーバを有機的に結合した分散型サーバであってもよいし、大型のコンピュータの中に構築されたシステムの一つであってもよい。
なお、前記センタサーバ81は、車両用ナビゲーション装置15で使用される地図データ、道路データ、写真データ、各地域のホテル、ガソリンスタンド、観光地案内所等の施設の情報が記録された施設情報データ等のナビゲーション装置用データ、車両用ナビゲーション装置15の更新用プログラム、車両用ナビゲーション装置15で利用可能な個人情報管理用ソフトウェア、ユーザのスケジュールデータ、ゲーム用ソフトウェア等のアプリケーションプログラム、楽曲、ビデオデータ等のエンタテインメント用ソフトウェア等をネットワーク13を介して配信する。また、前記センタサーバ81は、ユーザ情報を管理したり、配信するデータやプログラムを管理する。例えば、前記データが地図データである場合、地図データのバージョン情報を管理する。また、前記データがスケジュールデータである場合、データ自体又は該データに含まれる地点情報、日時情報等を管理するようになっている。
ここで、前記センタサーバ81は、配信するデータやプログラムを格納する記憶手段としてのポータルメモリ部82、情報センタのオペレータがモニタとして使用する表示手段83、コンピュータ処理を実行するコンピュータ部84、前記オペレータ操作する入力手段85、及び、前記ネットワーク13等を介して、ユーザ住居61の通信装置65と通信を行うための通信装置86を有する。この場合、前記センタサーバ81が配信するデータやプログラムは、まず、操作端末14に一旦(たん)格納される。その後、ユーザ住居61の通信装置65と車両用ナビゲーション装置15の通信装置58とを接続して、前記データやプログラムを操作端末14から車両用ナビゲーション装置15に送信する。
なお、前記通信装置65は、家庭内ネットワーク等で使用される記憶手段を備えるルータやホームサーバであってもよい。この場合、前記センタサーバ81が配信するデータやプログラムは、前記通信装置65の記憶手段に一時的に格納され、該通信装置65と車両用ナビゲーション装置15の通信装置58との間の通信が確立されると、前記通信装置65から車両用ナビゲーション装置15に送信される。
さらに、センタサーバ81の通信装置86と、車両用ナビゲーション装置15の通信装置58との間で直接通信を行うことができるようにしてもよい。例えば、前記ネットワーク13が携帯電話回線網、PHS電話回線網等の無線データと通信可能な回線網を含み、前記通信装置58が携帯電話モデム、PHS電話モデム等の無線データ通信モデムを備える場合には、センタサーバ81の通信装置86と、車両用ナビゲーション装置15の通信装置58との間で直接通信を行うことができる。
そして、ユーザは、操作端末14を操作して前記車両用ナビゲーション装置15にデータをダウンロードすることができる。ここで、該データは、前記ナビゲーション装置用データ、更新用プログラム、アプリケーションプログラム、ゲームソフト、エンタテインメント用ソフトウェア、探索された経路、検索された地点や施設等に関するデータ等を含むものである。
例えば、前記センタサーバ81が、ナビゲーション装置用データとして、最新のバージョンの地図データを提供するものである場合、ユーザは操作端末14を操作し、前記センタサーバ81から所望の地図データを通信装置65を介して操作端末14にダウンロードする。そして、前記地図データを、通信装置65を介して、車両用ナビゲーション装置15に転送してダウンロードし、該車両用ナビゲーション装置15に格納している地図データをバージョンアップすることができる。なお、前記操作端末14に一旦ダウンロードすることなく、前記センタサーバ81から車両用ナビゲーション装置15に地図データを直接ダウンロードするようにしてもよい。
また、前記車両用ナビゲーション装置15が駆動プログラムを書き換え可能な装置である場合、ユーザは、前記センタサーバ81から車両用ナビゲーション装置15に、更新用の駆動プログラムをダウンロードするようにしてもよい。さらに、前記車載装置15が車両用オーディオ装置としての機能を有するものである場合、ユーザは操作端末14を操作して楽曲を編集し、車両用ナビゲーション装置15に転送して、該車両用ナビゲーション装置15に格納することができる。そして、前記センタサーバ81が楽曲を配信する場合、ユーザは操作端末14を操作して、前記センタサーバ81から所望の楽曲をダウンロードし、車両用ナビゲーション装置15に転送して、該車両用ナビゲーション装置15に格納することができる。なお、前記センタサーバ81から車両用ナビゲーション装置15に楽曲を直接ダウンロードするようにしてもよい。
そして、前記車両用ナビゲーション装置15が静止画像やビデオ画像の再生機としての機能を有するものである場合、映画等の画像データを楽曲と同様にして、車両用ナビゲーション装置15に格納することができる。また、ユーザがデジタルカメラやビデオカメラを操作して自分で撮影した静止画像、ビデオ画像等のデータを、操作端末14や車両用ナビゲーション装置15からセンタサーバ81にアップロードしておくこともできる。そして、必要なときには、前記センタサーバ81から操作端末14や車両用ナビゲーション装置15にダウンロードすることもできる。
さらに、前記車両用ナビゲーション装置15が予定表やスケジュールを管理したり表示したりする機能を有するものである場合、ユーザは操作端末14を操作して、PIM等の個人情報管理用ソフトウェアを利用して作成した予定表、スケジュール等のデータを車両用ナビゲーション装置15に転送して、車両用ナビゲーション装置15に格納することができる。なお、前記センタサーバ81が予定表やスケジュールを管理するようにしてもよい。
このように、本実施の形態においては、データやプログラムがセンタサーバ81から車両用ナビゲーション装置15に配信されるようになっているので、該車両用ナビゲーション装置15において大量のデータやプログラムを容易に利用することができる。また、車両用ナビゲーション装置15の構成を簡素化することができる。そのため、前記車両用ナビゲーション装置15を小型軽量化することが可能となり、製造コストを低くすることができる。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、前記第1及び第2の実施の形態と同じ構成を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
第13図は本発明の第3の実施の形態における車載装置用電源管理システムの構成を示す図、第14図は本発明の第3の実施の形態における車載装置用電源管理システムの動作を示すフローチャートである。
本実施の形態においては、車両用ナビゲーション装置15が意思判断部57を有しておらず、センタサーバ81が意思判断部87を有している。該意思判断部87は、前記意思判断部57と同様の機能を有するものである。そして、電源供給制御部51は、意思判断部87がユーザの遠隔操作意思の有無を判断して該遠隔操作意思があると判断すると、前記意思判断部87の判断に基づいて、前記起動要求受信回路52への主電源55からの電力の供給を許可するようになっている。なお、その他の点の構成については、前記第2の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
次に、本実施の形態における車載装置用電源管理システムの動作について説明する。
まず、車両用ナビゲーション装置15の制御処理部71は、アクセサリ信号発生部56のアクセサリ信号がオンからオフになったか否かを判断する。そして、オンである場合は、判断を繰り返し行う。また、前記制御処理部71がオフになったと判断すると、通信装置58はアクセサリ信号がオンからオフになったことを示すオフ(OFF)情報をセンタサーバ81の通信装置86に送信する。なお、前記オフ情報は、ユーザ住居61の通信装置65を介して、センタサーバ81の通信装置86に送信されてもよい。
そして、前記通信装置86がオフ情報を受信すると、意思判断部87はユーザの遠隔操作意思があるか否かを判断する。続いて、前記意思判断部87がユーザの遠隔操作意思があると判断すると、センタサーバ81の通信装置86は、車両用ナビゲーション装置15の通信装置58に判断結果を送信する。そして、該通信装置58から電源供給制御部51に判断結果が送信されると、該電源供給制御部51は起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を供給する。なお、前記ユーザ住居61の通信装置65を介して、前記車両用ナビゲーション装置15の通信装置58に判断結果を送信してもよい。
また、前記意思判断部87がユーザの遠隔操作意思がないと判断すると、センタサーバ81の通信装置86は、車両用ナビゲーション装置15の通信装置58に判断結果を送信する。そして、該通信装置58から電源供給制御部51に判断結果が送信されると、該電源供給制御部51は起動要求受信回路52又は通信装置58への電力を遮断する。なお、前記ユーザ住居61の通信装置65を介して、前記車両用ナビゲーション装置15の通信装置58に判断結果を送信してもよい。
ここで、前記意思判断部87は、五つの判断項目、すなわち、位置、ユーザがあらかじめ設定した日時、センタサーバ81においてあらかじめ登録されている日時(例えば、センタサーバ81の管理者が設定する新規なプログラムやデータを配信する日時等)、センタサーバ81において管理されているユーザの予定表やスケジュールの日時、及び、ユーザのリクエスト(例えば、センタサーバ81から配信されるプログラムやデータに対するリクエスト)の有無に基づいて前記ユーザの遠隔操作意思の有無を判断する。なお、前五つの判断項目を適宜組み合わせることもできる。例えば、前記五つの判断項目の中の二つ以上の判断項目を組み合わせると、26通りの組合せを作ることができる。
そして、意思判断部87が位置に基づいて前記ユーザの遠隔操作意思の有無を判断する場合、前記意思判断部87は、車両11の現在地が登録位置範囲内にあるか否かを判断する。また、ユーザがあらかじめ設定した日時又はセンタサーバ81においてあらかじめ登録されている日時に基づいて前記ユーザの遠隔操作意思の有無を判断する場合、前記意思判断部87は、図示されない時計に基づいて現時点が所定の日時であるか否かを判断する。さらに、ユーザのリクエストの有無に基づいて前記ユーザの遠隔操作意思の有無を判断する場合、前記意思判断部87は、オフ情報を通信装置86が受信した時点までに車両用ナビゲーション装置15からユーザのリクエストを受信したか否かを判断する。
次に、フローチャートについて説明する。まず、第14図に示されるフローチャートについて説明する。
ステップS61 アクセサリ信号がONからOFFになったか否かを判断する。OFFになった場合はステップS62に進み、OFFにならない場合は待機する。
ステップS62 車両用ナビゲーション装置15からセンタサーバ81へオフ情報を送信する。
ステップS63 ユーザの遠隔操作意思があるか否かを判断する。遠隔操作意思がある場合はステップS64に進み、遠隔操作意思がない場合はステップS65に進む。
ステップS64 電源供給制御部51はセンタサーバ81の判断結果に基づいて、起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を供給する。
ステップS65 電源供給制御部51はセンタサーバ81の判断結果に基づいて、起動要求受信回路52又は通信装置58への電力を遮断する。
このように、本実施の形態においては、センタサーバ81がユーザの遠隔操作意思があるか否かを判断して、車両用ナビゲーション装置15の通信装置58に判断結果を送信すると、電源供給制御部51は起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を供給したり、電力を遮断したりするので、車両用ナビゲーション装置15の構成を簡素化することができる。そのため、前記車両用ナビゲーション装置15を小型軽量化することが可能となり、製造コストを低くすることができる。
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、前記第1〜第3の実施の形態と同じ構成を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1〜第3の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
第15図は本発明の第4の実施の形態における車載装置用電源管理システムの構成を示す図、第16図は本発明の第4の実施の形態における車載装置が車両用ナビゲーション装置である場合の車載装置用電源管理システムの構成を示す図である。
本実施の形態における車載装置用電源管理システムは、第15及び16図に示されるように、意思判断部57に代えて、電源能力判断部59を有する点で前記第1の実施の形態における車載装置用電源管理システムと相違する。ここで、電源供給制御部51は、電源能力判断部59が電源としての主電源55の電力供給能力の有無を判断して該電力供給能力があると判断すると、前記電源能力判断部59の判断に基づいて、前記起動要求受信回路52への主電源55からの電力の供給を許可する。すなわち、電源供給制御部51は、電源能力判断部59が環境条件又は電源の能力を示す情報に基づいて電力供給能力の有無を判断して該電力供給能力があると判断した場合には、起動要求受信回路52に電力を供給し、電源能力判断部59が電力供給能力がないと判断した場合には、前記起動要求受信回路52への電力を遮断するようになっている。
そして、前記電源能力判断部59は、環境条件又は電源の能力を示す情報に基づいて電源としての主電源55の電力供給能力の有無を判断するようになっている。この場合、前記環境条件は車両11の外の気温、すなわち、外気温度であり、電源能力判断部59は、外気温度が所定値以上である場合、電力供給能力があると判断する。前記主電源55が車両用バッテリである場合、一般的に、その電力供給能力は温度によって大きく影響され、低温になると、十分に電力を供給することができなくなってしまう。そこで、前記電源能力判断部59は、車両11の外気温度に基づいて主電源55の電力供給能力の有無を判断し、外気温度が所定の温度、例えば、−10〔℃〕以上の場合には電力供給能力があると判断し、外気温度が前記所定の温度より低い場合には電力供給能力がないと判断する。なお、車両11の図示されないエンジン制御装置は、通常、適切な混合気をエンジンに供給するために外気温度を検出するようになっているので、前記電源能力判断部59はエンジン制御装置の検出した外気温度を利用することができる。
そして、前記電源の能力を示す情報は、主電源55の端子間電圧、主電源55の電解液量、又は、主電源55の使用期間である。前記主電源55の端子間電圧としての開放端子間電圧は、電力供給能力がある、すなわち、充電容量(SOC:State of Charge)が十分に高い場合には、規定値を示しているが、SOCが低下すると低い値を示すようになる。そこで、端子間電圧が所定値以上であれば、主電源55の電力供給能力が十分に高いと判断することができ、また、端子間電圧が所定値より低ければ、主電源55の電力供給能力が十分に高くないと判断することができる。例えば、前記主電源55が端子間電圧の規定値が12〔V〕である車両用バッテリである場合、一般的に、端子間電圧が10〔V〕より低いと、エンジンを始動させることが困難になる。そのため、前記電源能力判断部59は、主電源55の端子間電圧に基づいて主電源55の電力供給能力の有無を判断し、端子間電圧が所定値、例えば、エンジンを始動させるために必要な電圧としての10〔V〕以上の場合には電力供給能力があると判断し、端子間電圧が前記所定値より低い場合には電力供給能力がないと判断する。なお、車両11の図示されない警告装置は、通常、主電源55の端子間電圧を検出し該端子間電圧が低い場合に警告を発するようになっているので、前記電源能力判断部59は警告装置の検出した端子間電圧を利用することができる。
また、前記主電源55が、車両用バッテリのように電解液を使用するものである場合、該電解液の量が低下すると十分に機能せず、電力供給能力が低下してしまう。そこで、前記電源能力判断部59は、主電源55の電解液量に基づいて主電源55の電力供給能力の有無を判断し、電解液量が所定値以上の場合には電力供給能力があると判断し、電解液量が前記所定値より低い場合には電力供給能力がないと判断する。なお、前記警告装置は、通常、主電源55の電解液量を検出し該電解液量が少ない場合に警告を発するようになっているので、前記電源能力判断部59は警告装置の検出した電解液量を利用することができる。
さらに、前記主電源55は、経時変化により劣化するので、電力供給能力が徐々に低下してしまう。例えば、前記主電源55が車両用バッテリの場合、一般的に、使用開始後二〜三年で劣化が進み、電力供給能力が大きく低下してしまう。そこで、前記電源能力判断部59は、主電源55の使用期間に基づいて主電源55の電力供給能力の有無を判断し、使用期間が所定値、例えば、三年以下の場合には電力供給能力があると判断し、使用期間が前記所定値より長い場合には電力供給能力がないと判断する。なお、前記警告装置は、通常、主電源55を交換した時期が入力され、該時期から計測した主電源55の使用期間が所定の使用期間より長くなった場合に交換を促すようになっているので、前記電源能力判断部59は警告装置の計測した使用期間を利用することができる。
また、第16図には車載装置10が車両用ナビゲーション装置15である場合の車載装置用電源管理システムの構成が示されている。本実施の形態において、制御処理部71は、車両用ナビゲーション装置15の動作を統合的に制御処理する機能を有し、前記電源供給制御部51、起動制御部53及び電源能力判断部59を備える。なお、他の点の構成については、前記第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
次に、前記構成の車載装置用電源管理システムの動作について説明する。
第17図は本発明の第4の実施の形態における車載装置用電源管理システムの動作を示すフローチャート、第18図は本発明の第4の実施の形態における環境条件が外気温度である場合の車載装置用電源管理システムの動作を示すフローチャート、第19図は本発明の第4の実施の形態における電源の能力を示す情報が電源の端子間電圧である場合の車載装置用電源管理システムの動作を示すフローチャート、第20図は本発明の第4の実施の形態における電源の能力を示す情報が電源の電解液量である場合の電源供給制御部の動作を示すフローチャート、第21図は本発明の第4の実施の形態における電源の能力を示す情報が電源の使用期間である場合の電源供給制御部の動作を示すフローチャートである。
ここでは、車両11がユーザの自宅の駐車場に駐車している間に、操作端末14から車載装置10にデータを転送する場合の動作について説明する。
まず、制御処理部71は、アクセサリ信号発生部56のアクセサリ信号がオンからオフになったか否かを判断する。そして、オンである場合は、判断を繰り返し行う。また、オフになったと判断すると、電源能力判断部59は主電源55に電力供給能力があるか否かを判断する。続いて、前記電源能力判断部59が主電源55に電力供給能力があると判断すると、電源供給制御部51は、起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を供給する。また、前記電源能力判断部59が主電源55に電力供給能力がないと判断すると、電源供給制御部51は、起動要求受信回路52又は通信装置58への電力を遮断する。
ここで、電源能力判断部59が環境条件としての外気温度に基づいて前記電力供給能力の有無を判断する場合、前記電源能力判断部59は外気温度が所定値以上であるか否かを判断する。なお、前記所定値は、例えば、−10〔℃〕であるとする。そして、外気温度が−10〔℃〕以上である場合、前記電源能力判断部59が主電源55に電力供給能力があると判断するので、電源供給制御部51は、起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を供給する。また、外気温度が−10〔℃〕より低い場合、前記電源能力判断部59が主電源55に電力供給能力がないと判断するので、電源供給制御部51は、起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を遮断する。
また、電源能力判断部59が電源の能力を示す情報としての電源の端子間電圧に基づいて前記電力供給能力の有無を判断する場合、前記電源能力判断部59は主電源55の端子間電圧が所定値以上であるか否かを判断する。なお、前記所定値は、例えば、10〔V〕であるとする。そして、主電源55の端子間電圧が10〔V〕以上である場合、前記電源能力判断部59が主電源55に電力供給能力があると判断するので、電源供給制御部51は、起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を供給する。また、主電源55の端子間電圧が10〔V〕より低い場合、前記電源能力判断部59が主電源55に電力供給能力がないと判断するので、電源供給制御部51は、起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を遮断する。
そして、電源能力判断部59が電源の能力を示す情報としての電源の電解液量に基づいて前記電力供給能力の有無を判断する場合、前記電源能力判断部59は主電源55の電解液量が所定値以上であるか否かを判断する。なお、電解液量が所定値以上の場合には電力供給能力があると判断するので、電源供給制御部51は、起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を供給する。また、電解液量が前記所定値より低い場合には電力供給能力がないと判断するので、電源供給制御部51は、起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を遮断する。
さらに、電源能力判断部59が電源の能力を示す情報としての電源の使用期間に基づいて前記電力供給能力の有無を判断する場合、前記電源能力判断部59は主電源55の使用期間が所定値以下であるか否かを判断する。なお、前記所定値は、例えば、三年であるとする。そして、主電源55の使用期間が三年以下である場合、前記電源能力判断部59が主電源55に電力供給能力があると判断するので、電源供給制御部51は、起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を供給する。また、主電源55の使用期間が三年より長い場合、前記電源能力判断部59が主電源55に電力供給能力がないと判断するので、電源供給制御部51は、起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を遮断する。
ここで、前記電源能力判断部59は、四つの判断項目、すなわち、環境条件としての外気温度、電源の端子間電圧、電源の電解液量、及び、電源の使用期間に基づいて前記電力供給能力の有無を判断するものであるが、前記四つの判断項目を適宜組み合わせることもできる。例えば、前記四つの判断項目の中の二つ以上の判断項目を組み合わせると、11通りの組合せを作ることができる。
次に、フローチャートについて説明する。まず、第17図に示されるフローチャートについて説明する。
ステップS71 アクセサリ信号がONからOFFになったか否かを判断する。OFFになった場合はステップS72に進み、OFFにならない場合は待機する。
ステップS72 主電源55に電力供給能力があるか否かを判断する。電力供給能力がある場合はステップS73に進み、電力供給能力がない場合はステップS74に進む。
ステップS73 起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を供給する。
ステップS74 起動要求受信回路52又は通信装置58への電力を遮断する。
次に、第18図に示される電源能力判断部59の設定する環境条件が外気温度である場合のフローチャートについて説明する。
ステップS71 アクセサリ信号がONからOFFになったか否かを判断する。OFFになった場合はステップS72−1に進み、OFFにならない場合は待機する。
ステップS72−1 外気温度が所定値以上であるか否かを判断する。所定値以上である場合はステップS73に進み、所定値より低い場合はステップS74に進む。
ステップS73 起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を供給する。
ステップS74 起動要求受信回路52又は通信装置58への電力を遮断する。
次に、第19図に示される電源の能力を示す情報が主電源55の端子間電圧である場合のフローチャートについて説明する。
ステップS71 アクセサリ信号がONからOFFになったか否かを判断する。OFFになった場合はステップS72−2に進み、OFFにならない場合は待機する。
ステップS72−2 端子間電圧が所定値以上であるか否かを判断する。所定値以上である場合はステップS73に進み、所定値より低い場合はステップS74に進む。
ステップS73 起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を供給する。
ステップS74 起動要求受信回路52又は通信装置58への電力を遮断する。
次に、第20図に示される電源の能力を示す情報が主電源55の電解液量である場合のフローチャートについて説明する。
ステップS71 アクセサリ信号がONからOFFになったか否かを判断する。OFFになった場合はステップS72−3に進み、OFFにならない場合は待機する。
ステップS72−3 電解液量が所定値以上であるか否かを判断する。所定値以上である場合はステップS73に進み、所定値より低い場合はステップS74に進む。
ステップS73 起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を供給する。
ステップS74 起動要求受信回路52又は通信装置58への電力を遮断する。
次に、第21図に示される電源の能力を示す情報が主電源55の使用期間である場合のフローチャートについて説明する。
ステップS71 アクセサリ信号がONからOFFになったか否かを判断する。OFFになった場合はステップS72−4に進み、OFFにならない場合は待機する。
ステップS72−4 使用期間が所定値以下であるか否かを判断する。所定値以下である場合はステップS73に進み、所定値より長い場合はステップS74に進む。
ステップS73 起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を供給する。
ステップS74 起動要求受信回路52又は通信装置58への電力を遮断する。
なお、他の点の動作については、前記第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
このように、本実施の形態においては、電源能力判断部59が電源としての主電源55に電力供給能力があると判断すると、起動要求受信回路52又は通信装置58へ電力が供給されるようになっている。この場合、電源能力判断部59は、環境条件又は電源の能力を示す情報に基づいて電力供給能力の有無を判断するようになっている。
そして、前記環境条件が外気温度であると、前記電源能力判断部59は、外気温度が所定値以上である場合、主電源55に電力供給能力があると判断し、外気温度が所定値より低い場合、主電源55に電力供給能力がないと判断するようになっている。また、電源の能力を示す情報が主電源55の端子間電圧であると、前記電源能力判断部59は、端子間電圧が所定値以上である場合、主電源55に電力供給能力があると判断し、端子間電圧が所定値より低い場合、主電源55に電力供給能力がないと判断するようになっている。さらに、電源の能力を示す情報が主電源55の電解液量であると、前記電源能力判断部59は、電解液量が所定値以上である場合、主電源55に電力供給能力があると判断し、電解液量が所定値より低い場合、主電源55に電力供給能力がないと判断するようになっている。さらに、電源の能力を示す情報が主電源55の使用期間であると、前記電源能力判断部59は、使用期間が所定値以下である場合、主電源55に電力供給能力があると判断し、使用期間が所定値より長い場合、主電源55に電力供給能力がないと判断するようになっている。
これにより、外気温度が所定値以上である場合、又は、端子間電圧が所定値以上である場合、電解液量が所定値以上である場合、若しくは、使用期間が所定値以下である場合、起動要求受信回路52は、供給される電力によって作動し、外部装置12から送信された起動要求を受信し、起動制御部53に車載装置10の少なくとも一部を起動させることができる。また、通信装置58は、供給される電力によって作動し、外部装置12から送信されたデータ信号を受信し、起動制御部53に車載装置10の少なくとも一部を起動させることができる。
ここで、前記起動制御部53が起動する車載装置10の一部とは、例えば、前記車載装置10にデータをダウンロードして、前記車載装置10が記憶手段として備える磁気ディスクとしてのハードディスクに格納する場合には、該ハードディスク、前記車載装置10が記憶手段として備える半導体メモリとしてのRAM32、及び、演算手段として備えるCPU31である。また、例えば、ダウンロードしたデータを前記RAM32に格納する場合には、該RAM32及びCPU31、又は、RAM32のみである。
そして、外気温度が所定値より低い場合、又は、端子間電圧が所定値より低い場合、電解液量が所定値より低い場合、若しくは、使用期間が所定値より長い場合には、起動要求受信回路52又は通信装置58への電力は遮断されるようになっている。
これにより、外気温度が所定値より低い場合、又は、端子間電圧が所定値より低い場合、電解液量が所定値より低い場合、若しくは、使用期間が所定値より長い場合には、起動要求受信回路52又は通信装置58への電力を遮断して、主電源55としての車両用バッテリの放電を防止することができる。また、外気温度が所定値以上である場合、又は、端子間電圧が所定値以上である場合、電解液量が所定値以上である場合、若しくは、使用期間が所定値以下である場合には、ユーザは操作端末14を操作して、車載装置10を遠隔操作して、作動させたり、車載装置10にデータを送信したりすることができる。
したがって、車両11がエンジンを停止して駐車している場合、電源能力判断部59が主電源55に電力供給能力があると判断しない限り、車載装置10への電力を遮断するようになっているので、主電源55としての車両用バッテリの放電を低減することができる。
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、前記第1〜第4の実施の形態と同じ構成を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1〜第4の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
第22図は本発明の第5の実施の形態における車載装置用電源管理システムの構成を示す図である。
本実施の形態における車載装置用電源管理システムは、前記第2の実施の形態と同様に、センタサーバ81を有し、データやプログラムがセンタサーバ81から車両用ナビゲーション装置15に配信されるようになっている。そして、制御処理部71が、意思判断部57に代えて電源能力判断部59を備える点で前記第2の実施の形態と相違する。なお、他の点の構成については、前記第2の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。なお、前記第1〜第5の実施の形態と同じ構成を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1〜第5の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
第23図は本発明の第6の実施の形態における車載装置用電源管理システムの構成を示す図、第24図は本発明の第6の実施の形態における車載装置用電源管理システムの動作を示すフローチャートである。
本実施の形態においては、車両用ナビゲーション装置15が電源能力判断部59を有しておらず、センタサーバ81が電源能力判断部88を有している。該電源能力判断部88は、前記電源能力判断部59と同様の機能を有するものである。そして、電源供給制御部51は、電源能力判断部88が主電源55の電力供給能力の有無を判断して該電力供給能力があると判断すると、前記電源能力判断部88の判断に基づいて、前記起動要求受信回路52への主電源55からの電力の供給を許可するようになっている。なお、その他の点の構成については、前記第5の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
次に、本実施の形態における車載装置用電源管理システムの動作について説明する。
まず、車両用ナビゲーション装置15の制御処理部71は、アクセサリ信号発生部56のアクセサリ信号がオンからオフになったか否かを判断する。そして、オンである場合は、判断を繰り返し行う。また、前記制御処理部71がオフになったと判断すると、通信装置58はアクセサリ信号がオンからオフになったことを示すオフ(OFF)情報をセンタサーバ81の通信装置86に送信する。なお、前記オフ情報は、ユーザ住居61の通信装置65を介して、センタサーバ81の通信装置86に送信されてもよい。
そして、前記通信装置86がオフ情報を受信すると、電源能力判断部88は主電源55に電力供給能力があるか否かを判断する。続いて、前記電源能力判断部88が主電源55に電力供給能力があると判断すると、センタサーバ81の通信装置86は、車両用ナビゲーション装置15の通信装置58に判断結果を送信する。そして、該通信装置58から電源供給制御部51に判断結果が送信されると、該電源供給制御部51は起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を供給する。なお、前記ユーザ住居61の通信装置65を介して、前記車両用ナビゲーション装置15の通信装置58に判断結果を送信してもよい。
また、前記電源能力判断部88が主電源55に電力供給能力がないと判断すると、センタサーバ81の通信装置86は、車両用ナビゲーション装置15の通信装置58に判断結果を送信する。そして、該通信装置58から電源供給制御部51に判断結果が送信されると、該電源供給制御部51は起動要求受信回路52又は通信装置58への電力を遮断する。なお、前記ユーザ住居61の通信装置65を介して、前記車両用ナビゲーション装置15の通信装置58に判断結果を送信してもよい。
ここで、前記電源能力判断部88は、前記電源能力判断部59と同様に、四つの判断項目、すなわち、環境条件としての外気温度、電源の端子間電圧、電源の電解液量、及び、電源の使用期間に基づいて前記電力供給能力の有無を判断する。なお、前記四つの判断項目を適宜組み合わせることもできる。例えば、前記四つの判断項目の中の二つ以上の判断項目を組み合わせると、11通りの組合せを作ることができる。
そして、電源能力判断部88が環境条件としての外気温度に基づいて前記電力供給能力の有無を判断する場合、前記電源能力判断部88は外気温度が所定値以上であるか否かを判断する。また、電源の能力を示す情報としての電源の端子間電圧に基づいて前記電力供給能力の有無を判断する場合、前記電源能力判断部88は主電源55の端子間電圧が所定値以上であるか否かを判断する。さらに、電源の能力を示す情報としての電源の電解液量に基づいて前記電力供給能力の有無を判断する場合、前記電源能力判断部88は主電源55の電解液量が所定値以上であるか否かを判断する。さらに、電源の能力を示す情報としての電源の使用期間に基づいて前記電力供給能力の有無を判断する場合、前記電源能力判断部88は主電源55の使用期間が所定値以下であるか否かを判断する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS81 アクセサリ信号がONからOFFになったか否かを判断する。OFFになった場合はステップS82に進み、OFFにならない場合は待機する。
ステップS82 車両用ナビゲーション装置15からセンタサーバ81へオフ情報を送信する。
ステップS83 主電源55に電力供給能力があるか否かを判断する。電力供給能力がある場合はステップS84に進み、電力供給能力がない場合はステップS85に進む。
ステップS84 電源供給制御部51はセンタサーバ81の判断結果に基づいて、起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を供給する。
ステップS85 電源供給制御部51はセンタサーバ81の判断結果に基づいて、起動要求受信回路52又は通信装置58への電力を遮断する。
このように、本実施の形態においては、センタサーバ81が主電源55に電力供給能力があるか否かを判断して、車両用ナビゲーション装置15の通信装置58に判断結果を送信すると、電源供給制御部51は起動要求受信回路52又は通信装置58に電力を供給したり、電力を遮断したりするので、車両用ナビゲーション装置15の構成を簡素化することができる。そのため、前記車両用ナビゲーション装置15を小型軽量化することが可能となり、製造コストを低くすることができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
以上詳細に説明したように、本発明によれば、車載装置のユーザが必要とする場合、及び、電源に電力供給能力がある場合に、通信装置へ電力を供給して通信可能の状態とし、車載装置を遠隔操作することができるようにするとともに、車載装置のユーザが必要とする場合、及び、電源に電力供給能力がない場合には、前記通信装置へ電力の供給を遮断して、電源としての車両用バッテリの放電を低減することができる。