JP3983150B2 - 自己光重合開始型感光性樹脂及びそれを用いた感光性樹脂組成物並びにその硬化物 - Google Patents

自己光重合開始型感光性樹脂及びそれを用いた感光性樹脂組成物並びにその硬化物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性樹脂及びそれを用いた感光性樹脂組成物並びにその硬化物に関し、更に詳しくは、エチレン性不飽和基を有する樹脂もしくは樹脂組成物の光重合のための自己光重合開始型感光性樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】
光化学的に開始される重合反応は、例えば、紙、金属、プラスチックへの塗料のコーティングや、印刷インキを硬化させる場合等、エネルギーを節約でき、しかも環境負荷が少ないという点で優れているため、工業的にきわめて重要な技術の一つとなっている。しかしながらこの方法においては、重合成分が光化学活性放射線を十分吸収し得ないことから、紫外線等の入射光エネルギー線を吸収して自己で光重合を開始する活性ラジカルを形成することができる化合物もしくは、吸収した光エネルギーを重合成分に転移できる化合物を添加する必要がある。これらの化合物は一般に光重合開始剤と呼ばれている。この光重合開始剤は通常の重合を開始するのみであり、実際の重合反応には参画しない。
【0003】
従来多く用いられている光重合開始剤の具体例としては例えば、ベンゾフェノン類、ベンゾインエーテル類、ベンジルケタール類、ジベンゾスベロン類、アントラキノン類、キサントン類、チオキサントン類、ハロゲノアセトフェノン類、ジアルコキシアセトフェノン類、ヒドロキシアセトフェノン類、ハロゲノビスイミダゾール類、ハロゲノトリアジン類があげられる。しかしながらこれらの化合物は、重合反応の結果生ずる高分子鎖に取り込まれないため、硬化膜の硬度を低下させるという欠点や光重合開始剤自体またはこの光照射による分解生成物の多くは揮発性・昇華性を有するため塗膜から不快臭を発生することや光エネルギー照射装置の汚染を引き起こす等の欠点を有する。
【0004】
かかる課題を解決するべく、重合反応に関与するオレフィン置換基を有するヒドロキシアルキルフェノン系光重合開始剤が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。また、オレフィン置換基のみでなく、イソシアネート基、イソチオシアネート基、アジド基、トリエトキシシラノ基、オキシシラニル基を有する光重合開始剤が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0005】
これらの開始剤は重合反応の結果生ずる高分子鎖に取り込むことができるが、この多くが自己解裂型の光重合開始剤であり分解生成物の揮発性が問題となる。さらに例えば、イソシアネート基やイソチオシアネート基は、水、アルコール、アミノ基、カルボキシル基、フェノール等と反応する恐れがあり、他方、アジド基は熱分解を起こしやすく、またビニル基と共存すると不安定なアジリジン環を生成する恐れがあり、これらの光重合開始剤を添加した組成物の貯蔵安定性が問題となる。
【0006】
【特許文献1】
西独国特許出願公開第3534645号明細書(第2頁)
【特許文献2】
欧州特許出願公開第161463号明細書(第2〜4頁)
【特許文献3】
特許第2855429号公報(第1、2頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は上記の課題を解決するため、重合反応の結果生ずる高分子鎖に取り込まれ、硬化皮膜からの揮発・昇華生成物を発生しない新規な自己光重合開始型感光性樹脂を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前述の課題を解決するため、鋭意研究の結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、
(1)分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)と分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸(b)及びチオキサントンカルボン酸との反応生成物である自己光重合開始型感光性樹脂(A) 、
(2)分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)1当量に対し、分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸(b)を0.5〜0.9当量、チオキサントンカルボン酸は、1から使用するモノカルボン酸(b)の当量を減じた値の当量を反応させて得られる(1)に記載の自己光重合開始型感光性樹脂(A)、
(3)分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)のエポキシ当量が、90〜600g/当量のエポキシ化合物である(1)又は(2)に記載の自己光重合開始型感光性樹脂(A)、
(4)分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸(b)が、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸とε−カプロラクトンとの反応生成物又は桂皮酸の中から選択されたモノカルボン酸である(1)乃至(3)のいずれか一項に記載の自己光重合開始型感光性樹脂(A)、
(5)(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の自己光重合開始型感光性樹脂
(A)、架橋剤(B)を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物、
(6)(5)に記載の感光性樹脂組成物の硬化物、
を提供することにある。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の自己光重合開始型感光性樹脂(A)は、分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)と分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸(b)及びチオキサントンカルボン酸との反応生成物であることを特徴とする。
【0010】
本発明の自己光重合開始型感光性樹脂(A)を製造するために使用する分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)は、この条件を満たすものであればすべて用いることができるが、特にエポキシ当量が、90〜600g/当量のエポキシ化合物であることが望ましい。エポキシ当量が90未満の場合、得られる自己光重合開始型感光性樹脂(A)の分子量が小さく、揮発・昇華の原因となる恐れがあり、エポキシ当量が600を超える場合、分子量が大きくなりすぎ、重合開始効率の低下による感光性が低くなる恐れがある。
【0011】
分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)の具体例としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールエポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノール−Aノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0012】
フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、例えばエピクロンN−770(大日本インキ化学工業(株)製)、D.E.N438(ダウ・ケミカル社製)、エピコート154(油化シェルエポキシ(株)製)、RE−306(日本化薬(株)製)等が挙げられる。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、例えばエピクロンN−695(大日本インキ化学工業(株)製)、EOCN−102S、EOCN−103S、EOCN−104S(日本化薬(株)製)、UVR−6650(ユニオンカーバイド社製)、ESCN−195(住友化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0013】
トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂としては、例えばEPPN−503、EPPN−502H、EPPN−501H(日本化薬(株)製)、TACTIX−742(ダウ・ケミカル社製)、エピコートE1032H60(油化シェルエポキシ(株)製)等が挙げられる。ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂としては、例えばエピクロンEXA−7200(大日本インキ化学工業(株)製)、TACTIX−556(ダウ・ケミカル社製)等が挙げられる。
【0014】
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えばエピコート828、エピコート1001(油化シェルエポキシ製)、UVR−6410(ユニオンカーバイド社製)、D.E.R−331(ダウ・ケミカル社製)、YD−8125(東都化成社製)、RE−310S(商品名:日本化薬(株)製)等のビスフェノール−A型エポキシ樹脂、UVR−6490(ユニオンカーバイド社製)、YDF−8170(東都化成社製)等のビスフェノール−F型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0015】
ビフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、NC−3000P、NC−3000S(日本化薬(株)製)等のビフェノール型エポキシ樹脂、YX−4000(油化シェルエポキシ(株)製)のビキシレノール型エポキシ樹脂、YL−6121(油化シェルエポキシ(株)製)のビフェノール型エポキシ樹脂とビキシレノール型エポキシ樹脂の1:1の混合物等が挙げられる。ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂としては、例えばエピクロンN−880(大日本インキ化学工業(株)製)、エピコートE157S75(油化シェルエポキシ(株)製)等が挙げられる。
【0016】
ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂としては、例えばNC−7000(日本化薬社製)、EXA−4750(大日本インキ化学工業(株)製)等が挙げられる。脂環式エポキシ樹脂としては、例えばEHPE−3150(ダイセル化学工業(株)製)等が挙げられる。複素環式エポキシ樹脂としては、例えばTEPIC,TEPIC−L,TEPIC−H、TEPIC−S(いずれも日産化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0017】
本発明の自己光重合開始型感光性樹脂(A)を製造するために使用する分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸(b)としては、例えばアクリル酸類やクロトン酸、α−シアノ桂皮酸、桂皮酸、或いは飽和二塩基酸または不飽和二塩基酸と不飽和基を有するモノグリシジル化合物との反応物が挙げられる。飽和二塩基酸の具体例としては、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。不飽和二塩基酸の具体例としては、例えばマレイン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸等が挙げられる。不飽和基を有するモノグリシジル化合物の具体例としては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとエピハロヒドリンとの反応物、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートとエピハロヒドリンとの反応物等が挙げられる。アクリル酸類としては、例えば(メタ)アクリル酸、β−スチリルアクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、飽和二塩基酸無水物又は不飽和二塩基酸無水物と1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート誘導体と等モル反応物である半エステル類、飽和二塩基酸又は不飽和二塩基酸とモノエポキシ(メタ)アクリレート誘導体類との等モル反応物である半エステル類等が挙げられる。飽和二塩基酸無水物の具体例としては、例えば無水コハク酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。また、不飽和二塩基酸無水物の具体例としては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート誘導体の具体例としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等が挙げられる。等モル反応物である半エステル類は、例えば上記の飽和二塩基酸無水物又は不飽和二塩基酸無水物と1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート誘導体との反応生成物である。モノエポキシ(メタ)アクリレート誘導体類の具体例としては、例えば、フェニルグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、トルイルグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物、ナフチルモノグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸との反応生成物等が挙げられる。分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸(b)は、感光性樹脂組成物としたときの感度の点で(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸とε−カプロラクトンとの反応生成物又は桂皮酸が特に好ましい。
【0018】
本発明の自己光重合開始型感光性樹脂(A)を製造するために使用するチオキサントンカルボン酸の具体例としては、例えばチオキサントン−1−カルボン酸、チオキサントン−2−カルボン酸、チオキサントン−2,4−ジカルボン酸、チオキサントン−2,7−ジカルボン酸、チオキサントン−2,4,5,7−テトラカルボン酸等があげられる。
【0019】
本発明の自己光重合開始型感光性樹脂(A)の製造は、分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)に分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸(b)及びチオキサントンカルボン酸とを反応させることにより得ることができる。
【0020】
反応は、無溶剤もしくは溶媒、具体的には例えば、アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、グルタル酸ジアルキル、コハク酸ジアルキル、アジピン酸ジアルキル等のエステル類、γ−ブチロラクトン等の環状エステル類、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤、更には後述する架橋剤(B)等の単独又は混合有機溶媒中で行うことができる。上記反応で、溶媒、架橋剤(B)を用いる場合、それらの使用量は任意である。
【0021】
この反応における原料の仕込み割合としては、分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)1当量に対し、分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸(b)を0.5〜0.9当量、チオキサントンカルボン酸は、1から使用するモノカルボン酸(b)の当量を減じた値の当量であるのが好ましい。
【0022】
反応時には、反応を促進させるために触媒を使用することが好ましく、該触媒の使用量は、反応液に対して、通常0.1〜10重量%である。その際の反応温度は60〜130℃であり、また反応時間は、好ましくは5〜60時間である。使用しうる触媒の具体例としては、例えばトリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムアイオダイド、トリフェニルフォスフィン、トリフェニルスチビン、メチルトリフェニルスチビン、オクタン酸クロム、オクタン酸ジルコニウム、4−ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。
【0023】
また、反応時には、分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸(b)中のエチレン性不飽和基の熱重合を防止するため、熱重合禁止剤を添加することが好ましい。使用しうる熱重合禁止剤の具体例としては、例えばハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、第三ブチルカテコール、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール等があげられる。該熱重合禁止剤の使用量は、反応液に対して、通常0.1〜10重量%である。
【0024】
本発明の感光性樹脂組成物は、前述の自己光重合開始型感光性樹脂(A)及び、架橋剤(B)を含有することを特徴とする。
【0025】
本発明の感光性樹脂組成物は、例えば前述の自己光重合開始型感光性樹脂(A)に、後述の架橋剤(B)又は前述の溶媒と後述の架橋剤(B)を兼用したものを混合して得ることができる。架橋剤(B)又は溶媒兼架橋剤(B)は、単独又は混合して用いられて、これらの使用量は任意である。
【0026】
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる前述の感光性樹脂(A)の含有割合としては、感光性樹脂組成物の固形分を100重量%としたとき、通常10〜90重量%、好ましくは、20〜80重量%である。
【0027】
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる架橋剤(B)の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、水酸基を有する(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等)と多カルボン酸の酸無水物(例えば、無コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等)の反応物であるハーフエステル,ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート〔KAYARAD TMPTA{商品名:日本化薬(株)製 アクリレートモノマー}〕、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、グリセンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペングリコールのε−カプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート(例えば、日本化薬(株)製、KAYARAD HX−220、HX−620、等)、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールとε−カプロラクトンの反応物のポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、モノ又はポリグリシジル化合物(例えば、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、グリセリンポリグリシジルエーテル、グリセリンポリエトキシグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリエトキシポリグリシジルエーテル等と(メタ)アクリル酸の反応物であるエポキシ(メタ)アクリレート、3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、2−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−5−エチル−5−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキサン、トリシクロデカンジメタノール、シクロヘキサンジメタノール等と(メタ)アクリル酸との反応物〔例えば、トリシクロデカンジメタノールとアクリル酸の反応物{KAYARAD R−684(商品名:日本化薬(株)製2官能アクリレートモノマー)}〕等を挙げることができる。これらの添加割合としては、感光性樹脂組成物の固形分を100重量%としたとき、通常10〜90重量%、好ましくは、20〜80重量%である。
【0028】
本発明の感光性樹脂組成物には、さらに必要に応じて重合促進剤としてトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミンなどの第3級アミン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル等の安息香酸誘導体等の促進剤などと組み合わせて使用することができる。
【0029】
本発明の感光性樹脂組成物は、例えばコーティング剤、印刷インキ、封止剤、塗料として有用であるほか、電子部品の層間の絶縁材やプリント基板用のソルダーレジスト、カバーレイ等のレジスト材料としても使用できる。
【0030】
本発明の硬化物は、紫外線等のエネルギー線照射により上記の樹脂組成物を硬化させたものである。紫外線等のエネルギー線照射により硬化は常法により行うことができる。例えば紫外線を照射する場合、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、紫外線発光レーザー(エキシマーレーザー等)等の紫外線発生装置を用いればよい。
【0031】
本発明の樹脂組成物の硬化物は、例えば紙やプラスチックのコーティング剤、印刷インキ、封止剤、塗料等に塗布され、硬化して利用される。この硬化物層の膜厚は0.5〜160μm程度で、1〜100μm程度が好ましい。
【0032】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでない。
【0033】
実施例1
攪拌装置、還流冷却管をつけた500mlフラスコ中に、分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)として、RE−310S(商品名:日本化薬(株)製ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、エポキシ当量184g/当量)を184.0g(1.000モル)、分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸(b)として、アクリル酸58.2g(0.800モル)、チオキサントン−2−カルボン酸(純度98%)を52.3g(0.200当量)、熱重合禁止剤として、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール0.88g、反応触媒として、トリフェニルフォスフィンを0.88g加え、120℃の温度で24時間反応させ、本発明の自己光重合開始型感光性樹脂(固形分濃度100%)を得た。この樹脂を(A−1)とする。
なお、本実施例(以下の実施例においても同様に)において、分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)のエポキシ当量は、JIS K7236に従って測定した。
【0034】
実施例2
攪拌装置、還流冷却管をつけた1Lフラスコ中に、反応溶媒兼架橋剤(B)として、KAYARAD TMPTA{商品名:日本化薬(株)製アクリレートモノマー}を292.9g、分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)として、NC−3000{商品名:日本化薬(株)製ビフェノール型エポキシ樹脂、エポキシ当量274g/当量}を274.0g(1.000モル)、分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸(b)として、アクリル酸36.0g(0.500モル)、チオキサントン−2−カルボン酸(純度98%)を130.8g(0.500当量)、熱重合禁止剤として、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール2.2g、反応触媒として、4−ジメチルアミノピリジンを1.1g加え、120℃の温度で24時間反応させ、本発明の自己光重合開始型感光性樹脂を含有する樹脂組成物(固形分濃度100%)を得た。この樹脂組成物を(A−2)とする。
【0035】
実施例3
実施例1で得られた自己光重合開始型感光性樹脂(A−1)を50g、架橋剤(B)としてKAYARAD R−684{商品名:日本化薬(株)製2官能アクリレートモノマー}50g加え、本発明の感光性樹脂組成物を得た。この樹脂組成物をポリカーボネート製基板上にバーコーターを用いて均一に塗布した後、ベルトコンベア型紫外線照射装置を用いて紫外線を照射した。照射量が500mJ/cmに達したところで、表面タックのない硬化膜が形成された。この硬化膜を150℃のホットプレート上にのせたところ、アウトガスは全く発生しなかった。さらに得られた硬化膜についてJIS K5400に準じて、試験片に1mmのごばん目を100個作りセロテープ(登録商標){ニチバン(株)製、セロハン粘着テ−プ}によりピーリング試験を行ったところ、剥がれのない密着性の優れた硬化物であることがわかった。
なお、実施例3において、ピーリング試験は、JIS K5400の試験方法に従って行なったものである。
【0036】
実施例4
実施例2で得られた樹脂組成物(A−2)をポリカーボネート製基板上にバーコーターを用いて均一に塗布した後、ベルトコンベア型紫外線照射装置を用いて紫外線を照射した。照射量が300mJ/cmに達したところで、表面タックのない硬化膜が形成された。次いで、この硬化膜をメチルエチルケトンを染み込ませた脱脂綿で拭いたところ、曇りのない硬化物であることがわかった。
【0037】
【発明の効果】
本発明の自己光重合開始型感光性樹脂及びそれを用いた感光性樹脂組成物は、紫外線により露光硬化することによる塗膜の形成において、光重合開始剤を添加することなく硬化し、得られた硬化物は、アウトガスを発生することなく、密着性、耐溶剤性(曇りがないこと)等も十分に満足するものである。

Claims (6)

  1. 分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)と分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸(b)及びチオキサントンカルボン酸との反応生成物である自己光重合開始型感光性樹脂(A)。
  2. 分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)1当量に対し、分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸(b)を0.5〜0.9当量、チオキサントンカルボン酸は、1から使用するモノカルボン酸(b)の当量を減じた値の当量を反応させて得られる請求項1に記載の自己光重合開始型感光性樹脂(A)。
  3. 分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)のエポキシ当量が、90〜600g/当量のエポキシ化合物である請求項1又は請求項2に記載の自己光重合開始型感光性樹脂(A)。
  4. 分子中にエチレン性不飽和基を有するモノカルボン酸(b)が、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸とε−カプロラクトンとの反応生成物又は桂皮酸の中から選択されたモノカルボン酸である請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の自己光重合開始型感光性樹脂(A)。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の自己光重合開始型感光性樹脂(A)、架橋剤(B)を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
  6. 請求項5に記載の感光性樹脂組成物の硬化物。
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