JP5569669B2 - 自己光重合性化合物及び当該自己光重合性化合物を含有する光硬化性組成物 - Google Patents

自己光重合性化合物及び当該自己光重合性化合物を含有する光硬化性組成物 Download PDF

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本発明は、自己光重合性化合物及び当該自己光重合性化合物を含有する光硬化性組成物に関するものである。さらに詳しくは、光重合開始剤を用いることなく光重合させることのできる、アントロン骨格を有する自己光重合性化合物に関するものである。なお、本発明において、自己光重合性化合物とは、光照射、特に紫外線照射により、光重合開始剤を用いることなく、自ら重合し、また、共存する重合性モノマーを(共)重合させることができる化合物をいう。
紫外線や可視光線等の光により、重合する光硬化性樹脂は、硬化が速いということから、塗料、インキ、接着剤、コーティング剤等に広く利用されている。従来の光硬化性樹脂はそれ自体では重合開始機能がないため、硬化させる場合は通常、光重合開始剤を添加する。光重合開始剤については、多数の報告がされている。具体例としては、ベンジルケタール類、ヒドロキシアセトフェノン類、アミノアセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ベンゾインエーテル類、ハロゲノビスイミダゾール類、ハロゲノトリアジン類等が挙げられる。
しかしながら、これらの光重合開始剤は、重合反応骨格に取り込まれないため、光照射時或いは重合物の使用時に、光重合開始剤或いはその分解生成物が揮散したり、不快臭を発したり、溶出による材料表面の白化現象や、黄変などを引き起こす問題がある。また、光照射する時、照射光から重合成分に転移できるエネルギーを光重合開始剤に与えるためには、チオキサントン等の増感剤が必要となる場合がある。これらの増感剤も重合反応骨格に取り込まれないため、同様の問題が生じる恐れがある。そのため、これらの光重合開始剤や増感剤はその使用が忌避される傾向にある。
一方、光重合開始剤を必要としない光硬化性組成物として、エポキシ化合物とエチレン不飽和性基をもつモノカルボン酸とチオキサントンカルボン酸とを反応させて得られる自己光重合開始型感光性樹脂が提案されている(特許文献1)。これは、光重合開始剤を必要としないため、光照射した時の不快臭が軽減されているが、チオキサントンカルボン酸を含有するため、得られた感光性樹脂を焼却した時に硫黄由来の化合物が環境中に放出されることが懸念される。
特開2004−107590号公報
従って本発明の目的は、光重合開始剤を必要とせず、且つ、焼却処理した時に硫黄原子や窒素原子由来の化合物を環境中に放出しない自己重合可能な光重合性化合物及び光重合性化合物を光照射により硬化した光硬化物を提供することである。
本発明者らは上記課題に鑑みて、鋭意検討した結果、アントロン骨格を有する(メタ)アクリレート誘導体を光重合開始剤の不存在下で光照射したところ、当該(メタ)アクリレート誘導体が自己重合し、光硬化物が生成することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第1の要旨は、下記一般式(1)で示される自己光重合性化合物を含有し、且つ、光重合開始剤を含まないことを特徴とする光硬化性組成物に存する。
Figure 0005569669
(一般式(1)において、R1はアリル基、アラルキル基、アルキル基のいずれかを表し、R2は水素原子又はメチル基を表し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基のいずれかを表す。)
本発明の第2の要旨は、さらに他のラジカル重合性モノマーを含有することを特徴とする上記第1の要旨に記載の光硬化性組成物に存する。
本発明の第3の要旨は、他のラジカル重合性モノマーが、(メタ)アクリレート化合物、脂肪酸ビニル化合物又はビニルエーテル化合物のいずれかであることを特徴とする上記第2の要旨に記載の光硬化性組成物に存する。
本発明の第の要旨は、上記第1の要旨乃至第3の要旨に記載の光硬化性組成物を光照射により硬化した光硬化物に存する。
本発明により、自己光重合性化合物を提供することができる。また、当該自己光重合性化合物を含有する光硬化性組成物は光重合開始剤を用いなくとも光照射することにより光硬化物を得られるため、光重合開始剤由来の揮発性ガスの発生がなく、且つ、硫黄や窒素原子を含有しないため、焼却廃棄した時に硫黄や窒素由来の化合物を放出しない、いわゆる環境にやさしい光硬化物または光硬化性組成物を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の自己光重合性化合物は、下記一般式(1)で表される、アントロン骨格を有する(メタ)アクリレート誘導体である。なお、本発明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートを総称し、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル及びメタクリロイルを総称し、(メタ)アクリロイルオキシとは、アクリロイルオキシ及びメタクリロイルオキシを総称したものである。
Figure 0005569669
(一般式(1)において、R1はアリル基、アラルキル基、アルキル基のいずれかを表し、R2は水素原子又はメチル基を表し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基のいずれかを表す。)
一般式(1)において、R1で表されるアリル基としては、アリル基、メタリル基、クロチル基が挙げられ、アラルキル基としては、ベンジル基、p−メチルベンジル基、o−メチルベンジル基、p−クロロベンジル基、o−クロロベンジル基、p−メトキシベンジル基、o−メトキシベンジル基、フェネチル基、等が挙げられ、アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
XまたはYで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、アミル基、2−エチルヘキシルなどが挙げられ、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基などが挙げられ、アリールオキシ基としては、フェノキシ基、p−メチルフェノキシ基、o−メチルフェノキシ基、p−クロロフェノキシ基、o−クロロフェノキシ基、p−ヒドロキシフェノキシ基、o−ヒドロキシフェノキシ基などが挙げられる。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては次の化合物が挙げられる。すなわち、9−アリル−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレート、9−メタリル−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレート、9−ベンジル−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレート、9−フェネチル−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレート、9−シクロヘキシル−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレート、9−(2−エチルヘキシル)−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレート、9−(n−ブチル)−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレート、9−(i−ブチル)−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレート、9−(n−プロピル)−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレート、9−(i−プロピル)−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレート、9−エチル−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレート、9−メチル−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレート、9−(2−メトキシエチル)−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレート、9−(2−エトキシエチル)−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレート、9−(2−ヒドロキシエチル)−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレート、9−(2−クロロエチル)−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレート、9−アリル−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルメタクリレート、9−メタリル−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルメタクリレート、9−ベンジル−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルメタクリレート、9−フェネチル−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルメタクリレート、9−シクロヘキシル−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルメタクリレート、9−(2−エチルヘキシル)−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルメタクリレート、9−(n−ブチル)−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルメタクリレート、9−(i−ブチル)−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルメタクリレート、9−(n−プロピル)−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルメタクリレート、9−(i−プロピル)−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルメタクリレート、9−エチル−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルメタクリレート、9−メチル−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルメタクリレート、9−(2−メトキシエチル)−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルメタクリレート、9−(2−エトキシエチル)−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルメタクリレート、9−(2−ヒドロキシエチル)−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルメタクリレート、9−(2−クロロエチル)−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルメタクリレートである。
本発明の一般式(1)で表される自己光重合性化合物は、9,10−ジヒドロキシアントラセン化合物を、有機ハロゲン化物と反応させ、下記一般式(2)で表される10−置換−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オン化合物とする下記第1反応、および、下記一般式(2)で示される10−置換−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オン化合物を、アクリル化剤とを反応させる下記第2反応により製造することができる。なお、下記第1反応式を示す構造式における、R1、XおよびYは、下記一般式(2)のものと同じ意味であり、下記第2反応式を示す構造式における、R1、R2、XおよびYは、一般式(1)のものと同じ意味である。
Figure 0005569669
(一般式(2)において、R1はアリル基、アラルキル基、アルキル基のいずれかを表し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基のいずれかを表す。)
Figure 0005569669
Figure 0005569669
上記第1反応において原料として用いられる9,10−ジヒドロキシアントラセン化合物は、通常、9,10−アントラキノン化合物を、触媒の存在下に水素ガスを用いて還元する他、各種の還元剤を用いて還元することによって得られる。使用されるアントラキノン化合物としては、例えば、9,10−アントラキノン、2−メチル−9,10−アントラキノン、1−メチル−0,10−アントラキノン、2−エチル−9,10−アントラキノン、2−(t−ブチル)−9,10−アントラキノン、2−(i−アミル)−9,10−アントラキノン、2−(4−メチルペンチル)−9,10−アントラキノン、2−(4−メチル−3−ペンテニル)−9,10−アントラキノン、2−クロロ−9,10−アントラキノン、1−クロロ−9,10−アントラキノン、2−ブロモ−9,10−アントラキノン、1−ブロモ−9,10−アントラキノン、2,6−ジクロロー9,10−アントラキノン、2,7−ジクロロー9,10−アントラキノン、2−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン、1−ヒドロキシ−9,10−アントラキノン、2−メトキシ−9,10−アントラキノン、2−エトキシ−9,10−アントラキノン、2−フェノキシ−9,10−アントラキノン、1−フェノキシ−9,10−アントラキノンなどが挙げられる。
アントラキノン化合物の還元反応において使用される還元剤としては、9,10−アントラキノンのカルボニル基を還元するものであれば良く、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、亜ジチオン酸ナトリウム、過酸化チオ尿素などが挙げられる。また、1,4−ナフトキノンと1,3−ブタジエンとのディールス・アルダー反応によって得られる、1,4,4a,9a−テトラヒドロ−9,10−アントラキノン、およびそのアルカリ塩である1,4−ジヒドロ−9,10−アントラセンジオールのアルカリ塩は、9,10−アントラキノン化合物の還元剤として有用である。これら還元剤の添加量は、9,10−アントラキノン化合物に対して2モル倍以上で、通常は2〜4モル倍である。
アントラキノン化合物の還元反応において使用される触媒は、主として貴金属触媒である。貴金属触媒の具体例としては、パラジウム担持活性炭、パラジウム担持アルミナ、白金担持活性炭などが挙げられる。特に、担持率5重量%のパラジウム担持活性炭が好適である。アントラキノン化合物に対する貴金属触媒の添加量は、通常、0.01〜5重量%の範囲で選ばれる。触媒の添加量が0.01%未満であると水素化速度が遅く、5重量%を超えると副反応で芳香環の水素化が併発し好ましくない。触媒のより好ましい添加量は、0.2〜2重量%である。
アントラキノン化合物の還元反応を遂行する際に使用できる溶媒は、特に種類が制約されるものではなく、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド系溶媒、メタノール、エタノールのようなアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンのようなエーテル系溶媒が好適である。このほか、水または水と水混和性の溶媒、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール系溶媒、アセトンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフランなどの水溶性エーテル系溶媒などの水との混合溶媒も使用可能である。溶媒中の、9,10−ジヒドロキシアントラセンの濃度は、溶媒に対する溶解度によるが、通常、5〜20重量%程度である。
アントラキノン化合物の還元反応を遂行する際の反応温度は、原料の種類、溶媒の種類、溶媒中の原料濃度、触媒の種類、触媒の量などに依存する。通常は、0〜120℃の範囲で選ばれる。反応温度が0℃より低いと反応が遅く、また120℃より高いと副反応が起き易く、製品の純度が低下する。反応時間は、原料の種類、溶媒の種類、溶媒中の原料濃度、触媒の種類、触媒の量、反応温度などに依存する。通常は0.5〜3時間の範囲で選ばれる。得られた、9,10−ジヒドロキシアントラセン化合物は、通常単離せずに、次の有機ハロゲン化物との反応に供することができる。水素によって還元する際の水素の圧力は、通常、1〜10Paの範囲が好ましい。水素による還元終了後、触媒を濾別して除き、濾液を第1反応における有機ハロゲン化物との反応に供する。
上記第1反応おいて使用される有機ハロゲン化物としては、ハロゲン化アリル類、ハロゲン化アラルキル類、ハロゲン化アルキル類などが挙げられる。ハロゲン化アリル類としては、例えば、臭化アリル、臭化メタリル、臭化クロチル、塩化アリル、塩化メタリル、塩化クロチルなどが挙げられる。ハロゲン化アラルキル類としては、臭化ベンジル、塩化ベンジル、臭化フェネチル、塩化フェネチル、臭化−p−ヒドロキシベンジル、臭化−o−ヒドロキシベンジル、臭化−p−メトキシベンジル、臭化−p−クロロベンジルなどが挙げられる。ハロゲン化アルキル類としては、臭化メチル、臭化エチル、臭化−n−プロピル、臭化−i−プロピル、臭化−n−ブチル、臭化−i−ブチル、臭化−n−アミル、臭化−i−アミル、臭化−n−ヘキシル、臭化シクロヘキシル、臭化−2−エチルヘキシル、2−ブロモエタノール、3−ブロモエタノール、塩化メチル、塩化エチル、塩化−n−プロピル、塩化−i−プロピル、塩化−n−ブチル、塩化−i−ブチル、塩化−n−アミル、塩化−i−アミル、塩化−n−ヘキシル、塩化シクロヘキシル、塩化−2−エチルヘキシルなどが挙げられる。
9,10−アントラヒドロキノン化合物に対する有機ハロゲン化物の添加モル比率は、1.0〜3.0の範囲とするのが好ましい。前者に対する後者(有機ハロゲン化物)の添加モル比率が1.0未満では、9,10−アントラヒドロキノン化合物が未反応のままで残り、3.0を超えると、生成する10−置換−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オン化合物の反応液に対する溶解度が高くなり、反応生成物から結晶化し難くなり収率が低下する。特に好ましい前者に対する後者の添加モル比率は、1.2〜2.0の範囲である。
上記第1反応での反応温度は、原料の種類、溶媒の種類、溶媒中の原料濃度、触媒の種類、触媒の量などに依存する。通常は、0〜100℃の範囲で選ばれる。反応温度が0℃より低いと反応速度が遅すぎて、反応に時間がかかりすぎ、100℃より高いと、副反応が起きて生成物の純度が低下する。特に好ましい反応温度は、20℃〜60℃である。反応時間は、原料の種類、溶媒の種類、溶媒中の原料濃度、触媒の種類、触媒の量などに依存し、通常は0.5〜3時間の範囲で選ばれる。反応終了後は、反応液に貧溶媒、例えば水を加え、析出した結晶またはオイル状物質を取り出し、アルコールに溶解し、冷蔵庫などの冷所中に静置して結晶化させる。
第2反応では、第1反応で得られた10−置換−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オン化合物を、塩基性化合部物の存在または非存在下、溶媒の存在または非存在下で、塩化アクリロイルまたは塩化メタクリロイルと反応させることにより、相当する9−置換−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレート化合物が得られる。第2反応において、原料として使用できるものは、第1反応において、アントラキノン化合物を還元した後、有機ハロゲン化物と反応させて得られた、10−置換−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オン化合物である。
第2反応で原料として使用できる化合物としては、例えば、次の化合物が挙げられる。すなわち、10−アリル−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オン、10−メタリル−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オン、10−クロチル−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オン、10−ベンジル−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オン、10−フェネチル−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オン、10−(p−メチルベンジル)−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オン、10−(o−メチルベンジル)−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オン、10−(p−クロロベンジル)−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オン、10−(o−クロロベンジル)−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オン、10−メチル−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オン、10−エチル−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オン、10−(n−プロピル)−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オン、10−(i−プロピル)−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オン、10−(n−ブチル)−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オン、10−(i−ブチル)−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オン、10−(n−アミル)−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オン、10−(i−アミル)−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オン、10−(n−ヘキシル)−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オン、10−シクロヘキシル−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オン、10−(2−エチルヘキシル)−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オンなどである。
第2反応を遂行する際、10−置換−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オン化合物に対する、塩化アクリロイルまたは塩化メタアクリロイルの添加モル比は、1.0〜3.5の範囲で選ばれる。前者に対する後者(アクリル化剤)の添加モル比率が1.0未満では、未反応のヒドロキシ化合物が残り、また添加比率が3.5を超えると、第2反応で使用した塩化アクリロイルまたは塩化メタアクリロイル自体が重合するため、目的物の9−置換−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレート化合物の分離が困難で、目的物の純度が低下するので好ましくない。
第2反応を塩基の存在下で遂行する場合、使用できる塩基は、有機塩基、無機塩基のいずれでもよく、これらの混合物であってもよい。有機塩基の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ピペリジン、ピリジン、α−ピコリン、γ−ピコリンなどが挙げられる。無機塩基の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムなどが挙げられる。塩化アクリロイルまたは塩化メタアクロイルに対する塩基の添加モルは、好ましくは1.0〜3.5である。前者に対する後者(塩基)の添加モル比が1.0未満では、ヒドロキシ化合物が未反応のまま残存し、3.5を超えると、生成物の反応液に対する溶解性が高くなって結晶化し難くなるので好ましくない。添加モル比のより好ましい範囲は、1.0〜1.5である。
第2反応を溶媒の存在下で遂行する場合、使用できる反応溶媒としては、塩化アクリロイルまたは塩化メタアクリロイルなどと反応しないものであれば、特に種類を選ばない。具体的には、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、エチルベンゼン、i−プロピルベンゼン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、メチルナフタレン、クロルナフタレンなどの芳香族系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロルエタン、1,2−ジクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶媒などが挙げられる。溶媒に対する反応物の濃度は、特に制限はなく、溶媒に溶解し難い場合には、反応物をスラリー状態に分散させて反応させることもできる。
反応温度は、塩基の種類、塩基の添加量、反応溶媒の種類などに依存する。通常は、0〜80℃の範囲で選ぶのが好ましい。温度が0℃以下であると、反応速度が遅く時間がかかりすぎ、また80℃以上であると、塩化アクリロイルまたは塩化メタアクリロイル自体の重合が進行し、生成物の純度が低下するため好ましくない。より好ましい反応温度は、20〜50℃の範囲である。
次に本発明の光硬化性組成物について説明する。本発明の光硬化性組成物は上記の一般式(1)で示される自己光重合性化合物を含有する光硬化性組成物である。当該光硬化性組成物には、後述する各種添加剤を含んでも良い。
本発明の光硬化性組成物においては、さらに他のラジカル重合性モノマーを含有しても良い。他のラジカル重合性モノマーとは、本発明の一般式(1)で表される自己光重合性化合物以外の重合性モノマーであり、少なくとも1つのエチレン不飽和基を有する化合物のことをいう。例えば、(メタ)アクリレート化合物、脂肪酸ビニル化合物、ビニル化合物、ビニルエーテル化合物等が挙げられる。これらは単独で使用しても複数併用してもよい。
(メタ)アクリレート化合物としては、具体的に次の化合物が挙げられる。すなわち、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
さらに、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、トリシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
脂肪酸ビニル化合物としては、酢酸ビニル、酪酸ビニル、プロピオン酸ビニル、へキサン酸ビニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等が挙げられる。
ビニル化合物としては、酢酸アリル、アリルアルコール、アリルベンゼン、シアン化アリル等のアリル化合物、シアン化ビニル、ビニルシクロヘキサン、ビニルメチルケトン、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン等が挙げられる。
ビニルエーテル化合物としては、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、シクロヘキサンモノビニルエーテル、エチルシクロヘキサノールビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシペンチルビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等が挙げられる。
本発明の光硬化性組成物において、さらに他のラジカル重合性モノマーを含有する場合の組成としては、用いる他のラジカル重合性モノマーの種類にもよるが、一般的には本発明の一般式(1)で表される自己光重合性化合物1重量部に対し、それ以外の重合性モノマーを0.01〜100重量部、好ましくは0.05〜20重量部用いる。0.01〜100重量部の範囲とすることで、当該組成物を容易に重合・硬化させることができ、かつ、屈折率や耐昇華性等に優れた硬化物を得ることができるので好ましい。
本発明の光硬化性組成物は、一般式(1)で表される化合物が自己重合性を有するため、光ラジカル重合開始剤を用いることなく、後述の条件で光硬化させることができるが、硬化速度の向上や、均一な硬化性を求めるため、必要に応じて光ラジカル重合開始剤を含有してもよい。この場合に、使用できる光ラジカル重合開始剤としては、トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(商品名:DAROCUR TRO チバ・スペシャリティ社製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(商品名:IRGACURE819 チバ・スペシャリティ社製)等のアシルフォスフィンオキサイド化合物;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム(商品名IRGACURE784 チバ・スペシャリティ社製)等のチタノセン化合物;6,12−ビス(トリメチルシリルオキシ)−1,11−ナフタセンキノン等のナフタセンキノン化合物等が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤の使用量は、本発明の自己光重合性化合物と他のラジカル重合性モノマーの合計に対して0.1〜5.0重量%の範囲、好ましくは0.2〜3.0重量%、より好ましくは0.3〜1.0重量%である。0.1重量%未満だと光照射による硬化速度が遅く、効率が悪く、一方5.0重量%より多いと、硬化物の耐熱性が低下、臭気の発生、硬化物の表面が濁る等の物性が悪化するため好ましくない。
本発明の光硬化性組成物は、さらに必要に応じて各種添加剤を含有してもよい。例えば、顔料、染料、タルク、石膏及びシリカ等の無機質充填剤;ヒンダードフェノール系や亜リン酸エステル系等の酸化防止剤;増感剤、難燃化剤、難燃化助剤、離型剤、帯電防止剤等が挙げられる。
次に本発明の自己光重合性化合物又は自己光重合性化合物と他のラジカル重合性化合物を含有する光硬化性組成物は、光照射により光ラジカル重合させて光硬化物を得ることができる。照射する光としては、本発明の自己光重合性化合物の吸収波長の光線を使用する。具体的には、300〜500nmの波長範囲の光線である。照射する光線が300〜500nmの範囲の波長でないと、硬化しないか、硬化するのに時間がかかるため好ましくない。光源としては、300〜500nmの範囲の波長の光線を照射できるLEDやランプを使用する。LEDとしては、UV−LED、青色LED、白色LED等が挙げられる。ランプとしては、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。
光硬化は、通常無溶媒下で行うが、溶媒存在下で光硬化することもできる。使用できる溶媒としては、トルエン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
また、光硬化は、空気存在下でもすることができるが、酸素による重合阻害を避けるため、窒素やアルゴン等の不活性ガス存在下で光硬化することが好ましい。
本発明において、光照射により重合させる温度条件は、通常、0℃より高い温度から当該光硬化性組成物の融点に30℃加えた温度よりも低い温度範囲であり、より好ましくは、20℃より高い温度から当該光硬化性組成物の融点に20℃加えた温度よりも低い温度範囲である。 0℃以下の温度では重合速度が遅く硬化に時間がかかるため好ましくない。一方、当該光硬化性組成物の融点よりもはるかに高い温度では自己光重合性化合物の分解を引き起こし、自己光重合能が低下し、十分な硬化ができず、硬化物の物性が低下する可能性があるため好ましくない。
本発明の自己光重合性化合物及び当該自己光重合性化合物を含有する光硬化性組成物は、インキ等に代表されるような、アルミニウム、鉄、銅等の金属類、塩化ビニル、アクリル、ポリカーボネート、PET、ABS、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のプラスチック類、ガラス等のセラミックス類、木材、紙、印刷紙、繊維等の各種材料のコーティング材や表面処理剤として使用されるほか、バインダー、プラスチック材料、成形材料、積層板、接着剤、粘着剤、封止剤等の用途に有用である。また、レンズ、フィルター、発光体封止剤等の光学材料に用いることもできる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
生成物の確認は下記の機器による測定により行った。
(1)融点:ゲレンキャンプ社製の融点測定装置、型式MFB−595(JIS K0064に準拠)
(2)核磁気共鳴装置(NMR):日本電子社製、型式GSX FT NMR Spectorometer
(3)赤外線(IR)分光光度計:日本分光社製、型式IR−810
(合成例1)
9−ベンジル−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレートの合成:
<第1反応>
攪拌機、温度計、原料仕込み口を装備した容量が100mlのオートクレーブに、水18g、9,10−アントラキノン2.4g(11.4ミリモル)、1,4,4a,9a―テトラヒドロアントラキノン2.5g(11.4ミリモル)、水酸化ナトリウム1g(25ミリモル)を仕込み、攪拌しつつ、窒素雰囲気下、110℃のオイルバスに浸漬し1時間加熱した。1時間経過後、オートクレーブを室温まで冷却し、9,10−アントラセンジオールのジナトリウム塩の深紅な水溶液20mlを得た。
次に、攪拌機、温度計を装備した容量が300mlの三口フラスコに、上の反応で得られた9,10−ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム塩20mlの水溶液(アントラキノン換算で20重量%、22.6ミリモル)を仕込んだ。フラスコ内容物を攪拌しつつ、窒素雰囲気下、メタノール26mlを加え、最後に臭化ベンジル3.8g(28ミリモル)のメタノール4ml溶液を仕込んだ。フラスコ内温を23℃に調節しながら、攪拌を継続したところ、次第に反応生成物の析出が認められた。内温を23℃に維持しならが、2時間反応させた後、フラスコ内のスラリーに水20mlを加えて良く攪拌した。ついで、スラリーをロータリーエバポレーターに移し、これによってスラリー量を、最初の量の2/3程度になるまで減圧濃縮した。濃縮によって沈殿した結晶を吸引濾過し、水洗いし、乾燥して、無色の結晶を5.97g(19.7ミリモル)得た。原料の9,10−アントラヒドロキノンに対する生成物の収率は、87モル%であった。
得られた化合物の分析結果は以下の通りであり、1H−NMR、IRより化合物の構造を同定した。無色の結晶は、10−ベンジル−10−ヒドロキシ−9(10H)−アントラセンオンであることが確認された。
(1)融点:142〜144℃。
(2)IR(KBr,cm−1):3360、3060、3030、2910、1668、1645、1595、1450、1370、1320、1280、1170、1025、925、780、762、698、694。
(3)1H−NMR(CDCl3,270MHz):δ2.60(s,1H)、3.25(s,2H)、6.14(d,J=8Hz,2H)、6.90(t,J=8Hz,2H)、7.06(t,J=8Hz,1H)、7.46(t,J=8Hz,2H)、7.68(t,J=8Hz,2H)、7.90(t、J=8Hz,2H)、8,04(t,J=8Hz,2H)。
<第2反応>
攪拌機、温度計を装備した容量が100mlの四つ口フラスコに、上記第1反応で得られた10−ベンジル−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オンを2.0g(6.7ミリモル)入れ、次いでアセトニトリル30ml、トリエチルアミン2.0g(19.9ミリモル)を仕込んだ。四つ口フラスコを氷浴に浸し、フラスコの内容物を攪拌・混合した後、塩化アクリロイル1.8g(19.9ミリモル)を、アセトニトリル10mlに溶解した溶液として仕込み、仕込み後に室温で3時間攪拌を継続した。このフラスコに純水20mlを加え、10分間攪拌を継続した後、さらに飽和食塩水40ml、酢酸エチル80mlを加えた。得られた反応生成物に純水20mlを加えて洗浄し、この洗浄操作を3回繰り返した。純水によって洗浄した後の液から、有機層を分離した。分離した有機層を濃縮して得られた油状物質を、ヘキサン、酢酸エチルを展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィー法によって精製し、白色結晶の9−ベンジル−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレート0.9g(2.5ミリモル)を得た。生成物の10−ベンジル−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オンに対する収率は、37mol%であった。
得られた化合物の分析結果は以下の通りであり、1H−NMR、IRより化合物の構造を同定した。白色結晶は9−ベンジル−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレートであることが確認された。
(1)融点:133〜134℃。
(2)IR(KBr,cm−1):690、975、1030、1170、1280、1600、1650、1720。
(3)1H−NMR(CDCl3,270MHz):δ3.43(s,2H)、5.93(dd,J1=2Hz,J2=10Hz,1H)、6.15(d,J=8Hz,2H)、6.28(dd,J1=10Hz,J2=17Hz,1H)、6.47(dd,J1=2Hz,J2=10Hz,1H)、6.83−7.68(m,9H)、8.12(dd,J1=1Hz,J2=8Hz,2H)。
(合成例2)
9−(n−プロピル)−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレートの合成:
<第1反応>
攪拌機、温度計、原料仕込み口を装備した容量が100mlのオートクレーブに、9,10−アントラキノン2.4g(11.4ミリモル)、1,4,4a,9a−テトラヒドロアントラキノン2.5g(11.4ミリモル)、水酸化ナトリウム1g(25ミリモル)、水18gを仕込み、攪拌しつつ、窒素雰囲気下、110℃のオイルバスに浸漬し1時間加熱した。1時間経過後、オートクレーブを室温まで冷却し、9,10−アントラセンジオールのジナトリウム塩の深紅な水溶液20mlを得た。
次に、攪拌機、温度計を装備した容量300mlの三口フラスコに、上の反応で得られた9,10−ジヒドロキシアントラセンのナトリウム塩20mlの水溶液(アントラキノン換算で20重量%、22.6ミリモル)を窒素雰囲気下仕込み、次いでメタノール26mlを添加し、最後に臭化−n−プロピル3.4g(27.6ミリモル)のメタノール4ml溶液を仕込んだ。反応液の温度を23℃に調節しつつ、攪拌を継続すると反応生成物の析出が認められた。内温を23℃に維持しならが、2時間反応させた後、フラスコ内のスラリーに水20mlを加えて良く攪拌した。スラリー中に沈殿した結晶を吸引濾過、水洗い、乾燥し、無色の結晶を4.64g(18.4ミリモル)得た。生成物の9,10−アントラヒドロキノンに対する収率は、81モル%であった。
得られた化合物の分析結果は以下の通りであり、1H−NMR、IRより化合物の構造を同定した。無色結晶は10−(n−プロピル)−10−ヒドロキシ−9(10H)−アントラセンオンであることが確認された。
(1)融点:172〜174℃。
(2)IR(KBr,cm−1):3260、3060、2950、2930、1660、1596、1450、1314、1280、1034、1020、922、772、696。
(3)1H−NMR(CDCl3,270MHz):δ1.66(t,J=7Hz,3H)、1.64−1.76(m、2H)、1.96−2.06(m,2H)、2.50(s,1H)、7.47(t,J=8Hz,2H)、7.68(t,J=8Hz,2H)、7.92(d,J=8Hz,2)、8.24(d,J=8Hz,2H)。
<第2反応>
攪拌機、温度計を装備した容量が100mlの四つ口フラスコに、上記第1反応で得られた10−(n−プロピル)−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オン1.0g(4.0ミリモル)を仕込み、次いでアセトニトリル15ml、トリエチルアミン1.2g(11.8ミリモル)を仕込んだ。四つ口ラスコを氷浴中に浸漬し、フラスコの内容物を攪拌・混合した後、塩化アクリロイル1.0g(11.0ミリモル)を、アセトニトリル5mlに溶解した溶液として添加し、室温で3時間攪拌を継続した。このフラスコに純水10mlを加え、10分間攪拌を継続した後、さらに飽和食塩水20ml、酢酸エチル40mlを加えた。得られた反応生成物に純水10mlを加えて洗浄し、この洗浄操作を3回繰り返した。純水によって洗浄した後の液から、有機層を分離した。分離した有機層を濃縮して得られた油状物質を、ヘキサン、酢酸エチルを展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィー法によって精製し、白色結晶の9−プロピル−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレート0.5g(1.7ミリモル)を得た。生成物の10−(n−プロピル)−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オンに対する収率は、42mol%であった。
得られた化合物の分析結果は以下の通りであり、1H−NMR、IRより化合物の構造を同定した。白色結晶は9−(n−プロピル)−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレートであることが確認された。
(1)融点:77〜78℃。
(2)IR(KBr,cm−1):700、1185、1318、1598、1660、1727。
(3)1H−NMR(CDCl3,270MHz):δ0.66(t,J=5Hz,2H)、0.63−0.78(m,2H)、2.17−2.23(m,2H)、5.87(dd,J1=1Hz,J2=11Hz,1H),6.19(dd,J1=11Hz,J2=17Hz,1H)、6.38(dd,J1=1Hz,J2=17Hz,1H)、7.45−7.66(m,6H)、8.31(dd,J1=1Hz,J2=8Hz,2H)。
(合成例3)
9−シクロヘキシル−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレートの合成:
<第1反応>
攪拌機、温度計を装備した容量が100mlのオートクレーブに、9,10−アントラキノン2.4g(11.4ミリモル)、1,4,4a,9a−テトラヒドロアントラキノン2.5g(11.4ミリモル)、水酸化ナトリウム1g(25ミリモル)、水18gを仕込み、攪拌しつつ、窒素雰囲気下、110℃のオイルバスに浸漬し、1時間加熱した。1時間経過後、オートクレーブを室温まで冷却し、9,10−アントラセンジオールのジナトリウム塩の深紅な水溶液20mlを得た。
窒素雰囲気下、得られた9,10−ジヒドロキシアントラセンのナトリウム塩20mlの水溶液(アントラキノン換算で20重量%、22.6ミリモル)にメタノール16mlを添加し、ついで臭化シクロヘキシル4.4g(27.3ミリモル)のメタノール4ml溶液を添加した。50℃に調節した油浴に浸漬して3時間攪拌を継続した。3時間経過後、反応液を室温まで冷却し、析出した結晶状生成物を吸引濾過し、水洗いして乾燥し、薄い肌色の粉末5.68g(19.2ミリモル)を得た。生成物の9,10−アントラヒドロキノンに対する収率は、84モル%であった。
得られた化合物の分析結果は以下の通りであり、1H−NMR、IRより化合物の構造を同定した。薄い肌色の粉末は10−シクロヘキシル−10−ヒドロキシ−9(10H)−アントラセンオンであることが確認された。
(1)融点:153〜154℃。
(2)IR(KBr、cm-1):3440、2910、2845、1640、1594、1450、1340、1320、1260、1162、1022、945、922、890、762、758、695、618、522、504。
(3)1H−NMR(CDCl3,270MHz):δ0.52(2H,dt,J1=J2=12Hz)、0.80(1H,t,J=12Hz)、1.01(2H,dt,J1=J2=12Hz)、1.40−1.80(5H,m)、7.48(2H,t、J=9Hz)、7.63(2H,t,J−9Hz)、7.88(2H,d,J=9Hz)、8.17(2H,d,J=9Hz)。
<第二反応>
攪拌機、温度計を装備した容量が100mlの三口フラスコに、10−シクロヘキシル−10−ヒドロキシ−9(10H)−アントラセンオン2.1g(7.2ミリモル)のアセトン28m溶液を仕込み、そこに塩化アクリロイル1.9g(21.0ミリモル)を加え、ついで、反応液を氷浴に浸漬して冷却し、そこにトリエチルアミン3.0g(29.6ミリモル)のアセトン12ml溶液を仕込んだ。フラスコ内は、トリエチルアミンを添加した後直ちに、白い結晶の析出が観察された。フラスコ内容物を氷浴中で1時間攪拌した後、水10ml加え、沈殿物を溶解させた。さらに、水を20ml加えスラリー状にし、実施例1におけると同様の手順でスラリーを濃縮したところ、結晶が析出した。析出した結晶を吸引濾過し、水洗,乾燥して、薄い黄色の結晶600mg(1.7ミリモル)を得た。生成物の10−シクロヘキシル−10−ヒドロキシアントラセン−9(10H)−オンに対する収率は、24mol%であった。
得られた化合物の分析結果は以下の通りであり、1H−NMR、IRより化合物の構造を同定した。薄い肌色の粉末は9−シクロヘキシル−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレートであることが確認された。
(1)融点:141〜142℃。
(2)IR(KBr、cm−1):2925、2850、1730、1660、1595、1400、1316、1270、1180、981、922、800、704。
(3)1H−NMR(CDCl3,270MH):δ0.61(2H,dt,j1=J2=11Hz)、0.86(1H,t,J=11Hz)、1.08(2H,dt,j1=J2=11Hz)、1.46−1.72(5H,m)、5.93(1H,d,J=11Hz)、6.28(1H,dd,J1=11Hz,J2=17Hz)、6.43(1H,d,J=17Hz)、7.46(2h、t、J=9Hz)、7.59(2h、t、J=9Hz)、7.82(2H,d,J=9Hz)、8.28(2H,d,J=10Hz)。
(実施例1)
9−ベンジル−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレートの膜厚12μmの光硬化物の作成:
合成例1と同様にして得た9−ベンジル−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレートを、140℃のオイルバス中に浸漬して溶融した。得られた融液をポリエステルフィルム(東レ製 ルミラーS)の上にバーコーターを使用して融液の膜厚が12μmとなるように塗布した。その後、窒素雰囲気下、膜を135℃に保温した状態で、膜の表面に中心波長が395nm、照射強度が10mw/cm2の紫外LEDランプの光線を照射した。照射後、膜の表面を指で押し付ける指触試験をしたところ、光線を照射してから膜表面のべたつきがなくなるまでの時間(タックフリータイム)は2分であった。
(実施例2)
9−(n−プロピル)−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレートの膜厚12μmの光硬化物の作成:
合成例2と同様にして得た9−(n−プロピル)−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレートを、110℃のオイルバス中に浸漬して溶融した。得られた融液をポリエステルフィルム(東レ製 ルミラーS)の上にバーコーターを使用して融液の膜厚が12μmとなるように塗布した。その後、窒素雰囲気下、膜を110℃に保温した状態で、膜の表面に中心波長が395nm、照射強度が10mw/cm2の紫外LEDランプの光線を照射した。照射後、膜の表面を指で押し付ける指触試験をしたところ、光線を照射してから膜表面のべたつきがなくなるまでの時間(タックフリータイム)は1分であった。
(実施例3)
9−シクロヘキシル−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレートの膜厚12μmの光硬化物の作成:
合成例3と同様にして得た9−シクロヘキシル−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレートを、150℃のオイルバス中に浸漬して溶融した。得られた融液をポリエステルフィルム(東レ製 ルミラーS)の上にバーコーターを使用して融液の膜厚が12μmとなるように塗布した。その後、窒素雰囲気下、膜を150℃に保温した状態で、膜の表面に中心波長が395nm、照射強度が10mw/cm2の紫外LEDランプの光線を照射した。照射後、膜の表面を指で押し付ける指触試験をしたところ、光線を照射してから膜表面のべたつきがなくなるまでの時間(タックフリータイム)は2分であった。
(実施例4)
トリメチロールプロパントリアクリレートと9−ベンジル−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレートの共光硬化:
合成例1と同様にして得た9−ベンジル−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレートを50重量部取り、トリメチロールプロパントリアクリレート50重量部と混合し、130℃のオイルバス中に浸漬して溶融した。得られた融液をポリエステルフィルム(東レ製 ルミラーS)の上にバーコーターを使用して融液の膜厚が12μmとなるように塗布した。その後、窒素雰囲気下、膜を130℃に保温した状態で、膜の表面に中心波長が395nm、照射強度が10mw/cm2の紫外LEDランプの光線を照射した。照射後、膜の表面を指で押し付ける指触試験をしたところ、光線を照射してから膜表面のべたつきがなくなるまでの時間(タックフリータイム)は1分であった。
(実施例5)
トリメチロールプロパントリアクリレートと9−(n−プロピル)−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレートの共光硬化:
合成例2と同様にして得た9−(n−プロピル)−10−オキソ−9,10−ジヒドロアントラセン−9−イルアクリレートを50重量部取り、トリメチロールプロパントリアクリレート50重量部と混合し、85℃のオイルバス中に浸漬して溶融した。得られた融液をポリエステルフィルム(東レ製 ルミラーS)の上にバーコーターを使用して融液の膜厚が12μmとなるように塗布した。その後、窒素雰囲気下、膜を85℃に保温した状態で、膜の表面に中心波長が395nm、照射強度が10mw/cm2の紫外LEDランプの光線を照射した。照射後、膜の表面を指で押し付ける指触試験をしたところ、光線を照射してから膜表面のべたつきがなくなるまでの時間(タックフリータイム)は4分であった。
(比較例1)
トリメチロールプロパントリアクリレートの単独光硬化:
トリメチロールプロパントリアクリレートをポリエステルフィルム(東レ製 ルミラーS)の上にバーコーターを使用して融液の膜厚が12μmとなるように塗布した。その後、窒素雰囲気下、膜を85℃に保温した状態で、膜の表面に中心波長が395nm、照射強度が10mw/cm2の紫外LEDランプの光線を照射した。光線を20分照射したが、照射前と変化は無く硬化しなかった。
実施例1〜5の結果から次のことが明らかである。すなわち、上記一般式(1)の構造を持つアントロン骨格を有するアクリレート誘導体に光重合開始剤を添加せずに光照射しても、容易に光硬化物を得ることができ、一般式(1)の構造を持つアントロンを有するアクリレート誘導体は光重合開始剤を必要としない自己光重合性化合物であるといえる。また、一般式(1)の構造を持つアントロン骨格を有するアクリレート誘導体と他のラジカル重合性モノマーとの組成物を光照射することにより、同様に光硬化物を得られたことから一般式(1)の構造を持つアントロン骨格を有するアクリレート誘導体を含む組成物は自己光硬化性組成物であるといえる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で示される自己光重合性化合物を含有し、且つ、光重合開始剤を含まないことを特徴とする光硬化性組成物。
    Figure 0005569669

    (一般式(1)において、R1はアリル基、アラルキル基、アルキル基のいずれかを表し、R2は水素原子又はメチル基を表し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基のいずれかを表す。)
  2. さらに他のラジカル重合性モノマーを含有することを特徴とする請求項1に記載の光硬化性組成物。
  3. 他のラジカル重合性モノマーが、(メタ)アクリレート化合物、脂肪酸ビニル化合物又はビニルエーテル化合物のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の光硬化性組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光硬化性組成物を光照射により硬化した光硬化物。
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