JP5246469B2 - アントラセン二量体骨格を有する新規なアクリレート化合物及びその製造法 - Google Patents
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Description
有機光化学反応(出版社丸善)、翻訳中田尚男、5章二量化反応:同一分子間の付加反応、p161〜164 F.D.Greene,S.L.Misrock,J.R.Wolfe,Jr.,J.Am.Chem.Soc.,77,3853(1955) R.Lalande,R.Calas,Bull.Soc. Chim. Fr., (1959) 770 R.Lalande,R.Calas, Bull.Soc. Chim. Fr., (1960) 144 H.D.Becker,V.Langer, J.Org.Chemistry (1993) 58(17),4703
すなわち、本発明の目的は、高い屈折率を有し、かつ紫外域の吸収や蛍光の問題が無い、透明性に優れかつ重合可能である新規なアクリレート化合物及びその製造方法を提供することである。
(一般式(2)において、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は水素原子、メチル基、エチル基のいずれかを示す。)
本発明におけるアントラセン二量体骨格を有する新規なアクリレート化合物は、高屈折率を有し、かつ259nm以上の高波長側に吸収の無い透明性に優れた化合物である。そして、当該アントラセン化合物は重合可能であり、その重合物は、高屈折率で透明性が高く光学材料として有用である。
本発明のアントラセン二量体骨格を有する新規なアクリレート化合物は、アントラセン二量体骨格部分と、アクリロイル基又はメタクリロイル基等のラジカル重合性の官能基を有する重合可能性基により構成されている。この重合可能性基部分を重合することにより、高分子体にアントラセン二量体骨格を組み込むことが可能となる。アントラセン二量体骨格は屈折率が高いことから、当該アントラセン二量体骨格を有する新規なアクリレート化合物を重合することにより高屈折率を有する重合体を得ることができるというのが本発明である。よって、アントラセン二量体骨格に重合可能性基が結合したものであれば目的は達成される。重合可能性基の種類、その重合可能性基のアントラセン二量体骨格との結合位置、結合方法は問わない。
(一般式(1)において、nは1〜9の整数を示し、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は水素原子、メチル基、エチル基のいずれかを示し、X、X’、Y及びY’は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基のいずれかを示す。)
(一般式(2)において、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は水素原子、メチル基、エチル基のいずれかを示す。)
すなわち、下記構造式(2−1)で表される9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、この構造式(2−1)のアントラセン二量体骨格にアルキル基が置換された9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)−2,13−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)−2,13−ジ−t−ブチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)−2,13−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)−2,19−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)−2,19−ジ−t−ブチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)−2,19−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、同じくアントラセン二量体骨格にハロゲン原子が置換された9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)−2,13−ジクロル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)−2,19−ジクロル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン等が挙げられる。
(一般式(4)において、nは1〜9の整数を示し、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は水素原子、メチル基、エチル基のいずれかを示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基のいずれかを示す。)
すなわち、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン等が挙げられる。
すなわち、すなわち、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(ヒドロキシメチル)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(ヒドロキシメチル)−2,13−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(ヒドロキシメチル)−2,13−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(ヒドロキシメチル)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(ヒドロキシメチル)−2,19−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(ヒドロキシメチル)−2,19−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン等である。
光ラジカル重合の具体的な態様としては、溶媒を使用した溶液状態での重合、溶媒を使用しない塊状態での重合共に可能である。
得られた化合物の物性測定は、(1)融点:ゲレンキャンプ社製融点測定装置、型式:MFB−595(JIS K0064準拠)(2)屈折率:アタゴ製屈折率計 T1(3)IRスペクトル:赤外線(IR)分光光度計、日本分光社製、型式:IR−810(4)1H−NMR分析:核磁気共鳴装置(NMR)、日本電子社製、型式:GSX FT NMR Spectorometer(5)マススペクトル:質量分析計、島津製作所製GCMS QP5000等を用いて行った。
窒素ボックス中、攪拌機を付したオートクレーブ中で9−アントロン4.9g(0.025 mol)をメタノール25mlに分散し、水酸化ナトリウムの20重量%水溶液20g(水酸化ナトリウム4g、0.1 mol)を入れ密閉した。60℃で20分間加熱して9−アントロンを9−アントロールとした後、反応液の温度を45℃まで下げた。そこに酸化エチレン5.5g(0.125mol)を温度を50℃以下、かつ圧力を0.3MPa以下に保ちつつ60分要して導入した。更に、反応温度を40℃に保持しながら反応を3時間続けた。反応終了後、室温まで冷却し、5重量%硫酸水溶液で中和した。中和に従い、結晶が析出するので、結晶を吸引濾過し、得られた結晶を濾別して水洗した。80℃で乾燥することで9−(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセンを3.5g(0.015mol)得た。収率59mol%。
窒素ボックス中、攪拌機を付したオートクレーブ中で9−アントロン4.9g(0.025 mol)をメタノール25mlに分散し、水酸化ナトリウムの20重量%水溶液20g(水酸化ナトリウム4g、0.1 mol)を加え、60℃で20分間加熱した後、反応液の温度を45℃まで下げた。次に、酸化プロピレン7g(0.12 mol)を少量ずつ加え、液の温度を約50℃に保持し、そのまま1時間加熱した。その後、室温まで冷却し、5重量%硫酸水溶液で中和する。中和に従い、結晶が析出するので、結晶を吸引濾過し、乾燥後、カーキ色の粉末である9−(2−ヒドロキシプロポキシ)アントラセンを2.7g(0.011mol)を得た。収率44mol%。
実施例1で合成した9−(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセン2.0g(8.4mmol)をアセトニトリル40ml、トリエチルアミン2.3g(22.7mmol)の混合溶液に溶解した後、室温で塩化アクリロイル1.9g(21.0mmol)のアセトニトリル10ml溶液を添加して1時間攪拌した。さらに、純水10mlを加え10分間攪拌した後、飽和食塩水10ml、酢酸エチル40mlを加え、酢酸エチル層に生成物を抽出し、得られた有機層を純水10mlで3回洗浄した。洗浄後の有機層を濃縮し、得られた油状物質をヘキサン、酢酸エチルを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、橙色油状の9−(2−アクリロイルオキシエトキシ)アントラセン1.5g(5.1mmol,収率:61mol%)を得た。
(1)融点: 室温油状
(2)IR(neat,cm−1):1730,1060,1094,1161,1188,1265,1290,1335,1402,1720.
(3)1H−NMR(CDCl3,270MHz):δ=4.44−4.47(m,2H,メチレン基),4.66−4.68(m,2H,メチレン基),5.92(dd,1H,ビニル基),6.26(dd,1H,ビニル基),6.48(dd,1H,ビニル基),7.38−7.54(m,4H,アントラセン環),7.90−8.36(m,5H,アントラセン環).
(4)マススペクトル:(EI−MS)m/z=292(M+)
実施例1で合成した9−(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセン2.0g(8.4mmol)をアセトニトリル40ml、トリエチルアミン2.3g(22.7mmol)の混合溶液に溶解した後、室温で塩化メタクリロイル2.2g(21.0mmol)のアセトニトリル10ml溶液を添加して1時間攪拌した。純水10mlを加え10分攪拌した後、飽和食塩水10ml、酢酸エチル40mlを加え、酢酸エチル層に生成物を抽出し、得られた有機層を純水10mlで3回洗浄した。洗浄後の有機層を濃縮し、得られた油状物質をヘキサン、酢酸エチルを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、黄色結晶の9−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)アントラセン1.3g(4.1mmol,収率:50mol%)を得た。
(1)融点:49℃
(2)IR(KBr,cm−1):1731,1085,1155,1292,1318,1339,1383,1715.
(3)1H−NMR(CDCl3,270MHz):δ=2.04(s,3H,メチル基),4.43−4.50(m,2H,メチレン基),4.66−4.69(m,2H,メチレン基),5.66−5.82(m,1H,ビニル基),6.19−6.26(m,1H,ビニル基),7.39−7.54(m,4H,アントラセン環),7.77−8.37(m,5H,アントラセン環).
(4)マススペクトル:(EI−MS)m/z=306(M+)
実施例2で合成した9−(2−ヒドロキシプロポキシ)アントラセン2.0g(7.9mmol)をアセトニトリル40ml、トリエチルアミン2.2g(21.3mmol)の混合液に溶解した後、塩化アクリロイル1.8g(19.9mmol)のアセトニトリル10ml溶液を添加して1時間攪拌した。純水10mlを加え10分攪拌した後、飽和食塩水10ml、酢酸エチル40mlを加え、酢酸エチル層に生成物を抽出し、得られた有機層を純水10mlで3回洗浄した。洗浄後の有機層を濃縮し、得られた油状物質をヘキサン、酢酸エチルを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、橙色油状の9−(2−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン1.3g(4.2mmol,収率:53mol%)を得た。
(1)融点: 室温油状
(2)IR(neat,cm−1): 732,1090,1195,1342,1405,1720.
(3)1H−NMR(CDCl3,270MHz):δ=1.56(d,3H,メチル基),4.16−4.34(m,2H,メチレン基),5.53−5.64(m,1H,メチン基),5.90(dd,1H,ビニル基),6.25(dd,1H,ビニル基),6.50(dd,1H,ビニル基),7.39−7.50(m,4H,アントラセン環),7.93−8.36(m,5H,アントラセン環).
(4)マススペクトル:(EI−MS)m/z=306(M+)
実施例2で合成した9−(2−ヒドロキシプロポキシ)アントラセン2.0g(7.9mmol)をアセトニトリル40ml、トリエチルアミン2.2g(21.3mmol)の混合液に溶解した後、塩化メタクリロイル2.1g(19.9mmol)のアセトニトリル10ml溶液を添加して1時間攪拌した。純水10mlを加え10分攪拌した後、飽和食塩水10ml、酢酸エチル40mlを加え、酢酸エチル層に生成物を抽出し、得られた有機層を純水10mlで3回洗浄した。洗浄後の有機層を濃縮し、得られた油状物質をヘキサン、酢酸エチルを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、橙色油状物1.3g(4.1mmol,収率:52mol%)を得た。
(1) 融点: 室温油状
(2) IR(neat,cm−1):1732,1085,1160,1340,1712.
(3) 1H−NMR(CDCl3,270MHz):δ=1.55(d,3H,メチル基),2.00(s,3H,メチル基),4.23−4.38(m,2H,メチレン基),5.52−5.62(m,1H,メチン基),5.64−5.81(m,1H,ビニル基),6.22−6.24(m,1H,ビニル基),7.38−7.50(m,4H,アントラセン環),7.92−8.37(m,5H,アントラセン環).
(4) マススペクトル:(EI−MS)m/z=320(M+)
攪拌子、温度計を装備した容量が50mlの四つ口フラスコに、アントラセンメタノール 2.0g(9.6mmol)、アセトニトリル40ml、トリエチルアミン2.6g(25.9mmol)を仕込み、室温で、フラスコの内容物を攪拌・混合した後、塩化アクリロイル2.1g(23.5mmol)をアセトニトリル10mlに溶解した溶液を添加し、室温で1時間攪拌を継続した。このフラスコに純水10mlを加え、10分間攪拌を継続した後、さらに飽和食塩水10ml、酢酸エチル40mlを加えた。酢酸エチル層に生成物を抽出し、得られた有機層に純水10mlを加えて洗浄し、この洗浄操作を3回繰り返した。純水によって洗浄した後の液から有機層を分離した。分離した有機層を濃縮して得られた油状物質にメタノールを加えて冷却晶析し、得られた結晶を濾過、乾燥することにより黄色結晶の9−(アクリロイルオキシメチル)アントラセン1.4g(5.3mmol,収率:56mol%)を得た。
(1)融点: 84−85℃
(2)IR(KBr,cm−1):1720,1630,1410,1300,1200,990,940,900,810,730,630.
(3)1H−NMR(CDCl3,270MHz):δ=5.80(dd,J1=2Hz,J2=10Hz,1H,ビニル基),6.12(dd,J1=10Hz,J2=17Hz,1H,ビニル基)、6.24(s,2H,メチレン基),6.43(dd,J1=2Hz,J2=17Hz,1H,ビニル基),7.46−7.64(m,4H,アントラセン環),8.03(d,J1=8Hz,2H,アントラセン環),8.35(d,J=8Hz,2H,アントラセン環),8.52(s,1H,アントラセン環)
(4)マススペクトル:(EI−MS)m/z=262(M+)
ガラス製の50mlフラスコに、実施例3において合成した9−(2−アクリロイルオキシエトキシ)アントラセンを1.0g仕込み、アセトニトリル 7g、重合禁止剤として4−メトキシフェノールを5mg加え、紫外線LEDランプを用いて光照射した。ランプの中心波長は395nm、照射強度は3mW/cm2であった。照射と同時に、無色の針状結晶が沈殿し始めた。6時間照射後、析出物を吸引ろ過、乾燥し0.43gの無色の結晶を得た。収率:43mol%。
(1)融点: 155−156℃
(2)屈折率 nD=1.649
(3)IR(KBr、cm−1): 3060,2950、1722、1628、1584、1470、1450、1410、1275、1200、1062,1024,960,802,780,694.
(4)1H−NMR(CDCl3,270MHz):δ=3.74−3.82(m,4H,メチレン基),4.47(s,2H,メチン基),4.50−4.59(m,4H,メチレン基),5.94(d,J=10Hz,2H,ビニル基),6.28(dd,J1=10Hz,J2=17Hz,2H,ビニル基),6.54(d,J=17Hz,2H,ビニル基),6.78−6.91(m,8H,ベンゼン環),6.95−7.10(m,8H,ベンゼン環).
ガラス製の50mlフラスコに、実施例4において合成した9−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)アントラセンを1.0g仕込み、アセトニトリル6g、重合禁止剤として4−メトキシフェノールを2mg加え、紫外線LEDランプを用いて光照射した。ランプの中心波長は395nm、照射強度は3mW/cm2であった。照射と同時に、無色の針状結晶が沈殿し始めた。6時間照射後、析出物を吸引ろ過、乾燥し 0.61gの無色の結晶を得た。
(1)融点: 172−173℃
(2)屈折率 nD=1.652
(3)IR(KBr、cm−1): 3060,2950、1718、1630、1464、1442、1318,1290,1170,1120、1068、1020、940,780,691,640,600.
(4)1H−NMR(CDCl3,270MHz):δ=2.07(s,6H,メチル基),3.80(t,J=6Hz,4H,メチレン基),4.46(s,2H,メチン基),4.51(t,J=6Hz,4H,メチレン基),5.68(s,2H,ビニル基),6.26(s,2H,ビニル基),6.76−6.88(m,8H,ベンゼン環),6.96−7.04(m,4H,ベンゼン環),7.04−7.12(m,4H,ベンゼン環).
ガラス製の50mlフラスコに、実施例5において合成した9−(2−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセンを1.2g仕込み、アセトニトリル10g、重合禁止剤として4−メトキシフェノールを10mg加え、紫外線LEDランプを用いて光照射した。ランプの中心波長は395nm、照射強度は3mW/cm2であった。照射と同時に、無色の針状結晶が沈殿し始めた。6時間照射後、析出物を吸引ろ過、乾燥し0.65gの無色の結晶を得た。また、このものは、nD=1.636と非常に高い屈折率を有することがわかった。
(1)融点: 153−154℃
(2)屈折率 nD=1.636
(3)IR(KBr、cm−1): 2980,1720,1630,1464,1445,1401,1292,1196,1114,1062,1036,980,780,690.
(4)1H−NMR(CDCl3,270MHz) ;δ=1.40(d,J=8Hz,6H,メチル基),3.56−3.74(m,4H,メチレン基),4.40(s,2H,メチン基),5.41−5.55(m,2H,メチン基),5.91(d,J=10Hz,2H,ビニル基),6.25(dd,J1=10Hz,J2=17Hz,2H,ビニル基),6.51(d,J=17Hz,2H,ビニル基),6.78−6.911(m,8H,ベンゼン環),6.91−6.98(m,2H,ベンゼン環),6.98−7.06(m,4H,ベンゼン環),7.06−7.13
(m,2H,ベンゼン環).
ガラス製の50mlフラスコに、実施例6において合成した9−(2−メタクリロイルオキシ)プロポキシ)アントラセンを1.2g仕込み、アセトニトリル10g、重合禁止剤として4−メトキシフェノールを10mg加え、紫外線LEDランプを用いて光照射した。ランプの中心波長は395nm、照射強度は3mW/cm2であった。照射と同時に、無色の針状結晶が沈殿し始めた。6時間照射後、析出物を吸引ろ過、乾燥し0.73gの無色の結晶を得た。
(1)融点: 150−151℃
(2)屈折率 nD=1.633
(3)IR(KBr、cm−1): 2960,1720,1635,1475,1456,1296,1186,1170,1072,782,700.
(4)1H−NMR(CDCl3,270MHz);δ=1.37(d,J=8Hz,6H,メチル基),2.08(s,6H,メチル基),3.54−3.74(m,4H,メチレン基),4.43(s,2H,メチン基),5.36−5.49(m,2H,メチン基),5.66(s,2H,ビニル基),6.24(2,2H,ビニル基),6.78−6.90(m,8H,ベンゼン環),6.90−6.98(m,2H,ベンゼン環),6.98−7.06(m,4H,ベンゼン環),7.06−7.16
(m,2H,ベンゼン環).
ガラス製の50mlフラスコに、実施例7において合成した9−(アクリロイルオキシメチル)アントラセンを1.31g仕込み、アセトニトリル13g、重合禁止剤として4−メトキシフェノールを5mg加え、紫外線LEDランプを用いて光照射した。ランプの中心波長は395nm、照射強度は3mW/cm2であった。照射と同時に、無色の針状結晶が沈殿し始めた。6時間照射後、析出物を吸引ろ過、乾燥し0.46gの無色の結晶を得た。この結晶は、「anti型」である9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(アクリロイルオキシメチル)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセンと「syn型」である9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ビス(アクリロイルオキシメチル)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセンの混合物であり、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(アクリロイルオキシメチル)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン0.20gを分離した。
(1)融点: 243−245℃
(2)IR(KBr,cm−1): 1726,1638,1480,1456,1410,1300,1266,1192,1066,1050,972,810,780,750,695,640.
(3)1H−NMR(CDCl3,270MHz): δ=3.80(s,2H,メチン基),5.30(bs,4H,メチレン基),5.73(d,J=10Hz,2H,ビニル基),6.00(dd,J1=10Hz,J2=17Hz,2H,ビニル基),6.28(d,J=17Hz,2H,ビニル基),6.80−6.90(m,8H,ベンゼン環),6.90−7.00(m,4H,ベンゼン環),7.08−7.16(m,4H,ベンゼン環).
ガラス製の50mlフラスコに、実施例1において合成した9−(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセンを1.25g仕込み、アセトニトリル10g、重合禁止剤として4−メトキシフェノールを10mg加え、紫外線LEDランプを用いて光照射した。ランプの中心波長は395nm、照射強度は3mW/cm2であった。照射と同時に、無色の針状結晶が沈殿し始めた。6時間照射後、析出物を吸引ろ過、乾燥し0.55gの無色の結晶を得た。
(1)融点: 182−183℃
(2)IR(KBr,cm−1): 3030,2940,2880,1620,1470,1450,1290,1083,1046,1021,940,882,776,690.
(3)1H−NMR(CDCl3,270MHz):δ=3.68−3.77(bm,4H,メチレン基),3.82−4.04(bm,4H,メチレン基),4.48(s,2H,メチン基),6.80−6.92(m,8H,ベンゼン環),6.97−7.11(m,8H,ベンゼン環).
実施例13で合成した9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン0.43g(1.0mmol)とアセトニトリル20ml、トリエチルアミン0.30g(3.0mmol)を混合した後、室温で塩化アクリロイル0.27g(3.0mmol)のアセトニトリル5ml溶液を添加して1時間攪拌した。純水10mlを加え10分攪拌した後、飽和食塩水10ml、酢酸エチル40mlを加え、酢酸エチル層に生成物を抽出し、得られた有機層を純水10mlで3回洗浄した。洗浄後の有機層を濃縮し、無色結晶を0.224g得た。
9−(2−アクリロイルオキシ)プロポキシ)アントラセン1g、トリメチロールプロパントリアクリレート4g及び光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)80mgを混合し、当該混合物をバーコーターを用いてポリエステルフィルム(東レ製 ルミラー 膜厚100μm)上に12μmの厚さになるように塗布した。ついで、当該塗布物を空気雰囲気下に、紫外線LEDランプを用いて10分間光照射した。ランプの中心波長は395nm、照射強度は3mW/cm2であった。この間、重合反応の顕著な進行は見られなかった。しかし、塗膜のUV吸収スペクトルを測定した結果、392nmのアントラセン骨格に起因する吸収が消失し、同時に蛍光の消失が観察された。これらのことから、当該塗布物中の9−(2−アクリロイルオキシ)プロポキシ)アントラセンの光二量化が進行したと推測される。その後、窒素気流下に当該塗布物をおき、366nm(照射強度1mW/cm2)の波長の光を1分間照射したところ、塗膜の硬化が進行し、透明なフィルムが得られた。
Claims (10)
- 下記の一般式(1)で示されるアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物。
- 下記の一般式(2)で示されるアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物。
- 下記の一般式(3)で示されるアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物。
(一般式(3)において、R1は水素原子又はメチル基を示し、X、X’、Y及びY’は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基のいずれかを示す。) - 下記の一般式(4)に示されるアントラセン化合物を光二量化することによって得られるアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物。
- 下記の一般式(5)に示されるアントラセン化合物を光二量化することによって得られるアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物。
- 下記の一般式(4)に示されるアントラセン化合物を光二量化することを特徴とする、アントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物の製造法。
(一般式(4)において、nは1〜9の整数を示し、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は水素原子、メチル基、エチル基のいずれかを示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基のいずれかを示す。) - 下記の一般式(5)に示されるアントラセン化合物を光二量化することを特徴とする、アントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物の製造法。
(一般式(5)において、R1は水素原子又はメチル基を示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基のいずれかを示す。) - 下記の一般式(6)に示されるアントラセン化合物を光二量化した後、塩化アクリロイル又は塩化メタクリロイルと反応させ、アクリロイル基又はメタクリロイル基を導入することを特徴とする、アントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物の製造法。
- 下記の一般式(7)に示されるアントラセン化合物を光二量化した後、塩化アクリロイル又は塩化メタクリロイルと反応させ、アクリロイル基又はメタクリロイル基を導入することを特徴とする、アントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物の製造法。
- 下記の一般式(4)又は一般式(5)に示されるアントラセン化合物を含む組成物に光照射することにより該アントラセン化合物を二量化した後、ラジカル重合開始剤の存在下に該アントラセン化合物を重合あるいは共重合させることを特徴とする重合方法。
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