JP5246469B2 - アントラセン二量体骨格を有する新規なアクリレート化合物及びその製造法 - Google Patents

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Description

本発明は、高い屈折率を有する高分子材料用のモノマーとして有用なアントラセン二量体骨格を有する新規なアクリレート化合物及びその製造法に関する。
本発明のアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物は、その基本骨格としてアントラセンが9,10の位置で二量化した構造を持つ。アントラセンは光照射によりπ−π*励起し、この励起したシングレット状態のアントラセンと基底状態のアントラセンとが中央のベンゼン環部において付加環状二量化して、トリシクロ環を形成することが知られている(非特許文献1等)。
また、アントラセンの種々の置換体についてもその二量化反応及びその二量体が知られている。アントラセンの1位にメチル基、クロル原子、カルボキシ基が置換したもの、2位にメチル基、カルボキシ基が置換したもの、1位と4位にクロル原子とメチル基が置換したもの、1位と9位にクロル原子とブロム原子が置換したもの、9位にブロム原子、カルボキシ基、メチル基、エチル基、ホルミル基、カルボメトキシ基が置換したものが知られている(非特許文献2等)。
また、9位にフェネチル基が置換したもの、メチルベンジル基が置換したもの、9位にメチル基が置換し且つ10位にアセトキシ基あるいはメトキシ基が置換したもの(非特許文献3等)、9位にアルキル基が置換したもの、9位にアルキルケトン基が置換したもの、フェニル基が置換したもの、シアノ基が置換したもの、メトキシ基が置換したもの、エトキシ基が置換したもの、9位にメチル基が置換し且つ10位にメトキシ基が置換したものの光二量化物が知られている(非特許文献4、非特許文献5等)。
しかし、本発明の化合物について合成された例は無い。また、アントラセンの二量体について、重合物を合成するためのモノマーあるいは光学材料の原料モノマーとして検討された例も無い。
本発明のアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物は、高屈折性を有する芳香族多環化合物であり、かつラジカル重合性基を持つ重合可能な化合物である。そして、この化合物の重合物もまた同様に高屈折率を有し、特に光学分野で有用な化合物として期待される。
最近光学分野においてガラス代替材料としてプラスチックが盛んに用いられている。たとえば、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート等がよく知られている。これらプラスチック材料は、軽量性、安全性、意匠性を有している反面、屈折率の面では無機ガラスより低く、分厚くなりやすいという欠点がある。そこで、近年、高屈折率を有するプラスチック材料に対する要望が高くなってきている。特に、高屈折率プラスチック材料の光学用物品への進出は著しく、液晶ディスプレイ用パネル、カラーフィルター、眼鏡レンズ、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、TFT用のプリズムレンズシート、非球面レンズ、光ディスク、ホログラム、光ファイバー、光道波路等への検討が盛んに行われている。
プラスチックの屈折率とその原料となるモノマーの屈折率とは正の相関関係にあり、高屈折率のプラスチックを得るためには高分子を構成するモノマー部分が高屈折率を有するものであることが必要である。
モノマーとしての有機化合物の屈折率を高くする方法としては、分子構造中にハロゲン原子(フッ素を除く)や硫黄原子さらには芳香環を導入することが有用であることは既に良く知られている。たとえば、ハロゲン原子の有する高い原子屈折を利用し、ビフェニル環にハロゲン原子を導入した高屈折率重合体が報告されている(特許文献1)。しかし、ハロゲン化によって、耐光性が著しく劣化し、また、高比重であるという欠点があった。また、ハロゲン以外に高い原子屈折を有する硫黄原子を有する単量体組成物も報告されている(特許文献2)。しかし、これらは高い屈折率、優れた耐衝撃性を有するものの、得られたポリマーの耐光性が著しく劣り、硫黄特有の不快臭が問題となる欠点があった。また、これらを用いたプラスチックが廃棄物として処理されるとき、有害なガスや化合物を生じることが懸念される。
一方、芳香環の導入に関してはこれまで、ベンゼン環、ビフェニル環を有する高屈折率材料が知られており、これらは、軽く透明性にすぐれ、バランスの良い高屈折率材料となる(特許文献3等)。しかし、これらベンゼン環、ビフェニル環を用いた場合、モノマーの屈折率として1.6を超えるものを得ることは困難であった。また、さらに高い屈折率を得るため、芳香族を含む多環化合物であるアントラセン環、フルオレン環の導入も検討されている(特許文献4)。また、アントラセン基やフルオレン基等芳香環を含む多環化合物基を高分子反応によりポリマーに導入する試みもなされている(特許文献5)。
しかしながら、アントラセン環やフルオレン環の導入により比較的高い屈折率をもつポリマーが得られるが、フルオレン環を導入した場合は、紫外領域に吸収があり、光照射により着色しやすくなり、耐光性に問題が出てくる。またアントラセン環を導入した場合はアントラセン環が蛍光を発するため、光学材料分野での適用は困難である等の問題がある。
また、クロロメチル化ポリスチレン等の高分子骨格にアントラセンカルボン酸を反応させてアントラセン基を高分子骨格に取り込ませたポリマーとし、次いで光照射により高分子鎖中にアントラセン二量体骨格を導入する方法が知られている(特許文献6)。しかし、このものは、高分子反応でアントラセン基を導入する方法であり、かつ高分子体に光照射して二量化する方法であることから、ポリマー中のアントラセン二量体生成率は低く、光照射部分とその他の部分の屈折率に差を持たせるという効果はあるが、高屈折率ポリマーを合成すると言う用途では十分ではない。
よって、高屈折率を有する芳香族多環化合物であり、アントラセン基やフルオレン基にみられるような紫外域の吸収や蛍光の問題が無い透明性にすぐれた化合物基を持つ重合可能なモノマーの開発が望まれている。
有機光化学反応(出版社丸善)、翻訳中田尚男、5章二量化反応:同一分子間の付加反応、p161〜164 F.D.Greene,S.L.Misrock,J.R.Wolfe,Jr.,J.Am.Chem.Soc.,77,3853(1955) R.Lalande,R.Calas,Bull.Soc. Chim. Fr., (1959) 770 R.Lalande,R.Calas, Bull.Soc. Chim. Fr., (1960) 144 H.D.Becker,V.Langer, J.Org.Chemistry (1993) 58(17),4703 特開平05−170702号公報 特開2002−20433 号公報 特開2003−064296号公報 特開2004−083855号公報 特開2006−312709号公報 特開平09−302101号公報
本発明者らは、かかる状況に鑑み、これらの欠点を排除した技術を提供すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明の目的は、高い屈折率を有し、かつ紫外域の吸収や蛍光の問題が無い、透明性に優れかつ重合可能である新規なアクリレート化合物及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、下記の一般式(1)で示されるアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物を提供した。
(一般式(1)において、nは1〜9の整数を示し、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子、メチル基、エチル基のいずれかを示し、X、X’、Y及びY’は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基のいずれかを示す。)
また、請求項2記載の発明は、下記の一般式(2)で示されるアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物を提供した。

(一般式(2)において、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子、メチル基、エチル基のいずれかを示す。)
また、請求項3記載の発明は、下記の一般式(3)で示されるアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物を提供した。
一般式(3)において、Rは水素原子又はメチル基を示し、X、X’、Y及びY’は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基のいずれかを示す。)
また、請求項4記載の発明は、下記の一般式(4)に示されるアントラセン化合物を光二量化することによって得られるアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物を提供した。
(一般式(4)において、nは1〜9の整数を示し、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子、メチル基、エチル基のいずれかを示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基のいずれかを示す。)
また、請求項5記載の発明は、下記の一般式(5)に示されるアントラセン化合物を光二量化することによって得られるアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物を提供した。
(一般式(5)において、Rは水素原子又はメチル基を示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基のいずれかを示す。)
また、請求項6記載の発明は、上記の一般式(4)に示されるアントラセン化合物を光二量化することを特徴とする、アントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物の製造法を提供した。
また、請求項7記載の発明は、上記の一般式(5)に示されるアントラセン化合物を光二量化することを特徴とする、アントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物の製造法を提供した。
また、請求項8記載の発明は、下記の一般式(6)に示されるアントラセン化合物を光二量化した後、塩化アクリロイル又は塩化メタクリロイルと反応させ、アクリロイル基又はメタクリロイル基を導入することを特徴とする、アントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物の製造法を提供した。
(一般式(6)において、nは1〜9の整数を示し、Rは水素原子、メチル基、エチル基のいずれかを示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基のいずれかを示す。)
また、請求項9記載の発明は、下記の一般式(7)に示されるアントラセン化合物を光二量化した後、塩化アクリロイル又は塩化メタクリロイルと反応させ、アクリロイル基又はメタクリロイル基を導入することを特徴とする、アントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物の製造法を提供した。
(一般式(7)において、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基のいずれかを示す。)
また、請求項10記載の発明は、上記の一般式(4)又は一般式(5)に示されるアントラセン化合物を含む組成物に光照射することにより該アントラセン化合物を二量化した後、ラジカル重合開始剤の存在下に該アントラセン化合物を重合あるいは共重合させることを特徴とする重合方法を提供した。
本発明は、以下に詳細に記述するとおりであり、次のような特別に有利な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。
本発明におけるアントラセン二量体骨格を有する新規なアクリレート化合物は、高屈折率を有し、かつ259nm以上の高波長側に吸収の無い透明性に優れた化合物である。そして、当該アントラセン化合物は重合可能であり、その重合物は、高屈折率で透明性が高く光学材料として有用である。
以下、本発明を詳細に記述する。
本発明のアントラセン二量体骨格を有する新規なアクリレート化合物は、アントラセン二量体骨格部分と、アクリロイル基又はメタクリロイル基等のラジカル重合性の官能基を有する重合可能性基により構成されている。この重合可能性基部分を重合することにより、高分子体にアントラセン二量体骨格を組み込むことが可能となる。アントラセン二量体骨格は屈折率が高いことから、当該アントラセン二量体骨格を有する新規なアクリレート化合物を重合することにより高屈折率を有する重合体を得ることができるというのが本発明である。よって、アントラセン二量体骨格に重合可能性基が結合したものであれば目的は達成される。重合可能性基の種類、その重合可能性基のアントラセン二量体骨格との結合位置、結合方法は問わない。
重合可能性基を構成するラジカル重合性の官能基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、エポキシ基、イソシアネート基等が挙げられるが、特に、ラジカル重合性の官能基がアクリロイル基あるいはメタクリロイル基である場合は、重合速度が早く、透明度の高い重合物が得られるので好ましい。
また、このアントラセン二量体骨格を有する化合物は、対応するアントラセン化合物を光二量化することにより合成することが出来る。この二量化する前の対応するアントラセン化合物における重合可能性基が結合する位置としてはアントラセン骨格のすべての位置が可能である。また、アントラセン骨格に結合するこの重合可能性基の数は、1又は2以上の複数であってもよい。
これらの化合物の中で特にアントラセンの9位に水酸基が置換した9−アントロール化合物は、対応するアントラキノン化合物から容易に合成できるアントロン化合物の異性体であり、水酸基に直接あるいはアルコキシ基を介してアクリロイル基あるいはメタクリロイル基を結合することができるので好ましい。水酸基にアルコキシ基を介してアクリロイル基あるいはメタクリロイル基を結合した一般式(4)に示す化合物は、水酸基にアクリロイル基あるいはメタクリロイル基が直接結合した化合物に比べ光二量化の速度が速いため特に好ましい。また、9−アントラセンメタノールのヒドロキシメチル基にアクリロイル基あるいはメタクリロイル基を結合した一般式(5)に示す化合物も容易に合成できるので好ましい。
当該アントラセン化合物は重合可能性基以外に置換基を有することも可能である。二量化反応の際に二分子のアントラセン化合物がそのアントラセン骨格部分をアントラセン環が作る面を平行にして近づくこととなるが、その際に置換基が立体障害となり二量化反応が阻害されないものに限られる。二量化反応を阻害しないような置換基として、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基等が用いられる。その置換基の置換位置としてはアントラセン骨格のすべての位置に置換することが可能である。
まず、当該アントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物として下記一般式(1)の化合物が挙げられる。



(一般式(1)において、nは1〜9の整数を示し、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子、メチル基、エチル基のいずれかを示し、X、X’、Y及びY’は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基のいずれかを示す。)
一般式(1)において、X、X’、Y及びY’で示されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、アミル基、2−エチルヘキシル等が挙げられ、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子,臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基,n―プロポキシ基,n−ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基等が挙げられ、アリールオキシ基としては、フェノキシ基、p−メチルフェノキシ基、o−メチルフェノキシ基、p−クロロフェノキシ基、o−クロロフェノキシ基、p−ヒドロキシフェノキシ基,o−ヒドロキシフェノキシ基等が挙げられる。
また、上記一般式(1)の化合物において、n=1であり、X,X’,YおよびY’が水素原子である場合下記の一般式(2)の化合物となる。

(一般式(2)において、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子、メチル基、エチル基のいずれかを示す。)
一般式(1)又は一般式(2)で示される化合物としては、例えば、次のものが挙げられる。
すなわち、下記構造式(2−1)で表される9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、この構造式(2−1)のアントラセン二量体骨格にアルキル基が置換された9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)−2,13−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)−2,13−ジ−t−ブチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)−2,13−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)−2,19−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)−2,19−ジ−t−ブチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)−2,19−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、同じくアントラセン二量体骨格にハロゲン原子が置換された9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)−2,13−ジクロル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)−2,19−ジクロル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン等が挙げられる。
また、下記構造式(2−3)で表される9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシエトキシ)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、この構造式(2−3)のアントラセン二量体骨格にアルキル基が置換された9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシエトキシ)−2,13−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシエトキシ)−2,13−ジ−t−ブチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシエトキシ)−2,13−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシエトキシ)−2,19−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシエトキシ)−2,19−ジ−t−ブチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシエトキシ)−2,19−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、同じくアントラセン二量体骨格にハロゲン原子が置換された9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシエトキシ)−2,13−ジクロル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシエトキシ)−2,19−ジクロル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン等が挙げられる。
さらには、下記構造式(2−2)で表される9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシプロポキシ)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、この構造式(2−2)のアントラセン二量体骨格にアルキル基が置換された9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシプロポキシ)−2,13−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシプロポキシ)−2,13−ジ−t−ブチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシプロポキシ)−2,13−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシプロポキシ)−2,19−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシプロポキシ)−2,19−ジ−t−ブチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシプロポキシ)−2,19−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、同じくアントラセン二量体骨格にハロゲン原子が置換された9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシプロポキシ)−2,13−ジクロル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシプロポキシ)−2,19−ジクロル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン等が挙げられる。
また、さらには、下記構造式(2−4)で表される9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシプロポキシ)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、この構造式(2−4)のアントラセン二量体骨格にアルキル基が置換された9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシプロポキシ)−2,13−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシプロポキシ)−2,13−ジ−t−ブチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシプロポキシ)−2,13−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシプロポキシ)−2,19−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシプロポキシ)−2,19−ジ−t−ブチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシプロポキシ)−2,19−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、同じくアントラセン二量体骨格にハロゲン原子が置換された9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシプロポキシ)−2,13−ジクロル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシプロポキシ)−2,19−ジクロル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン等が挙げられる。
また、さらには、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシ−n−ブトキシ)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシ−n−ブトキシ)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、この化合物のアントラセン二量体骨格にアルキル基が置換された9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシ−n−ブトキシ)−2,13−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシ−n−ブトキシ)−2,13−ジ−t−ブチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシ−n−ブトキシ)−2,13−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシ−n−ブトキシ)−2,13−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシ−n−ブトキシ)−2,13−ジ−t−ブチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシ−n−ブトキシ)−2,13−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシ−n−ブトキシ)−2,19−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシ−n−ブトキシ)−2,19−ジ−t−ブチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシ−n−ブトキシ)−2,19−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシ−n−ブトキシ)−2,19−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシ−n−ブトキシ)−2,19−ジ−t−ブチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシ−n−ブトキシ)−2,19−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、同じくアントラセン二量体骨格にハロゲン原子が置換された9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシ−n−ブトキシ)−2,13−ジクロル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシ−n−ブトキシ)−2,13−ジクロル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシ−n−ブトキシ)−2,19−ジクロル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシ−n−ブトキシ)−2,19−ジクロル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン等が挙げられる。
また、さらには一般式(1)においてnが2である、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン等が挙げられる。
さらには、この化合物のアントラセン二量体骨格にアルキル基が置換された9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)−2,13−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)−2,13−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)−2,13−ジ−t−ブチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)−2,13−ジ−t−ブチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)−2,13−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)−2,13−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)−2,19−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)−2,19−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)−2,19−ジ−t−ブチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)−2,19−ジ−t−ブチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)−2,19−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)−2,19−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、同じくアントラセン二量体骨格にハロゲン原子が置換された9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)−2,13−ジクロル9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)−2,13−ジクロル9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)−2,19−ジクロル9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)−2,19−ジクロル9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン等が挙げられる。
次に、アントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物として下記一般式(3)の化合物が挙げられる。
(一般式(3)において、Rは水素原子又はメチル基を示し、X、X’、Y及びY’は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基のいずれかを示す。)
一般式(3)において、X、X’、Y及びY’で示されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、アミル基、2−エチルヘキシル等が挙げられ、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子,臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基,n―プロポキシ基,n−ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシル基が挙げられ、アリールオキシ基としては、フェノキシ基、p−メチルフェノキシ基、o−メチルフェノキシ基、p−クロロフェノキシ基、o−クロロフェノキシ基、p−ヒドロキシフェノキシ基,o−ヒドロキシフェノキシ基等が挙げられる。
一般式(3)で示される化合物としては、例えば、次のものが挙げられる。すなわち、下記構造式(3−1)で表される9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシメチル)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、下記構造式(3−2)で表される9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシメチル)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセンである。
さらには、これらの化合物のアントラセン二量体骨格にアルキル基が置換された9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシメチル)−2,13−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシメチル)−2,13−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシメチル)−2,13−ジ−t−ブチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシメチル)−2,13−ジ−t−ブチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシメチル)−2,13−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシメチル)−2,13−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシメチル)−2,19−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシメチル)−2,19−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシメチル)−2,19−ジ−t−ブチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシメチル)−2,19−ジ−t−ブチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシメチル)−2,19−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシメチル)−2,19−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、同じくアントラセン二量体骨格にハロゲン原子が置換された9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシメチル)−2,13−ジクロル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシメチル)−2,13−ジクロル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシメチル)−2,19−ジクロル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシメチル)−2,19−ジクロル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン等が挙げられる。
これらのアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物は高い屈折率を有することが特徴である。従来より知られている芳香環を含むアクリレートモノマーで、硫黄原子やハロゲン原子を含まない化合物では屈折率が1.62を超えることは一般的に極めて困難であった。たとえば、ビフェニル環を有する化合物の場合、1.57程度であり(特開平05−170702号公報)、フルオレン環を有する化合物も1.62程度である(特開2004−083855号公報)。本発明の化合物はこれらの化合物より高屈折率を有し、最高1.65の屈折率を達成しうるものである。そして、硫黄原子や、ハロゲン原子を導入することなく、炭素、酸素、水素等の環境に優しい原子のみで構成されている点も注目されるものである。
また、これらアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物は、その二量体形成の前駆体であるアントラセン化合物が350nmから400nmにUV吸収を示すのに対し、259nmから長波長側には全くUV吸収が認められない。これは、光二量化反応によってアントラセン骨格が消失し、ベンゼン骨格が出現することにより、前駆体であるアントラセン骨格に起因する350nmから400nmの間の三つの吸収及び260nmの吸収が消失し、ベンゼン骨格に起因する200nm付近の吸収のみが現れるからである。
よって、当該アントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物は紫外域の吸収やアントラセン骨格由来による蛍光の問題も無く、また当該アントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物を重合したポリマーもまたアントラセン環やフルオレン環を含むポリマーで問題となる紫外域の吸収や蛍光の問題が無く透明性に優れた光学材料として有望なポリマー材料となりうることが期待される。
また、本発明のアントラセン二量体構造を有するアクリレート化合物は、一般式(4)あるいは一般式(5)に示すアントラセン化合物を光二量化することにより得ることが出来る。



(一般式(4)において、nは1〜9の整数を示し、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子、メチル基、エチル基のいずれかを示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基のいずれかを示す。)
(一般式(5)においてRは水素原子又はメチル基を示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基のいずれかを示す。)
なお、一般式(4)及び(5)においてX及びYで示されるアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基の具体例は、一般式(1)又は(3)において、例示したものをそのまま例示することができる
一般式(4)に示すアントラセン化合物は、通常対応する9−アントロール化合物あるいはアントロン化合物を出発原料として、まず下記第一反応で示されるように酸化エチレン又は酸化プロピレン等の酸化アルキレンと反応させ、次いで下記第二反応で示されるように塩化アクリロイルもしくは塩化メタクリロイル(下式中では両者をあわせて塩化(メタ)アクリロイルと称す。)と反応させることにより得ることができる。以下、アントロン化合物を出発原料とする場合を例に挙げて説明する。
第一反応は、塩基存在下、アントロン化合物と酸化アルキレンを有機溶媒中加熱することにより、一般式(6)の化合物を合成することができる。第一反応で用いられる酸化アルキレンとしては、酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレンが挙げられる。このうち好ましくは、酸化エチレン、酸化プロピレンが用いられる。第一反応で用いられる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、ピリジン、ピペリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、アンモニア水等アミン系化合物が挙げられるが、このうちでより好ましいものは水酸化ナトリウム若しくはトリエチルアミンである。前者は水溶性溶媒において用いられ、後者は非水溶媒での使用に好適である。溶媒としては特に限定されないが、反応原料であるアントロン化合物や塩基を一定量溶かすものであればよい。代表的溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、エチレングリコール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピルニトリル等のニトリル系溶媒が挙げられる。中でも、塩基が苛性ソーダの場合はメタノール、また塩基がトリエチルアミンの場合はアセトニトリルが溶媒として好適に用いられる。反応温度は、0℃以上、150℃以下が好ましく、より好ましくは30℃以上90℃以下の範囲である。0℃未満では反応が遅く、反応の終了に時間がかかりすぎ、150℃を越えると生成物中に不純物が多くなりいずれも好ましくない。
酸化アルキレンとの反応において、酸化アルキレンの使用量は反応条件により最適値が異なるがアントロン化合物に対して1モルから8モル倍が好ましい。酸化アルキレンを大過剰量使用する場合はn=2以上の付加反応物の生成が優勢となり、生成物はnの値の異なる化合物の混合物となる。通常は、n=2もしくは3の化合物が主として生成する。n=1の化合物とn=2以上の化合物とは反応溶媒に対する溶解度が違い、n=2以上の化合物は反応溶媒に対して良く溶けるので、溶解したn=2以上の化合物を濾過することにより、n=1の付加体とn=2以上の付加体を分離することが出来る。このn=2以上の付加体を含む溶液から、再結晶あるいはカラム処理することにより、n=2以上の化合物をさらに分離することが出来る。
上記に示した一般式(6)で示される化合物としては、例えば、9−(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセン、9−(2−ヒドロキシプロポキシ)アントラセン、9−(2−ヒドロキシブトキシ)アントラセン、9−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)アントラセン、9−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)アントラセン等が挙げられる。またさらには、2−メチル−9−(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセン、2−メチル−9−(2−ヒドロキシプロポキシ)アントラセン、2−メチル−9−(2−ヒドロキシブトキシ)アントラセン、2−メチル−9−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)アントラセン、2−メチル−9−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)アントラセン、2−t−ブチル−9−(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセン、2−t−ブチル−9−(2−ヒドロキシプロポキシ)アントラセン、2−t−ブチル−9−(2−ヒドロキシブトキシ)アントラセン、2−t−ブチル−9−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)アントラセン、2−t−ブチル−9−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)アントラセン、2−アミル−9−(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセン、2−アミル−9−(2−ヒドロキシプロポキシ)アントラセン、2−アミル−9−(2−ヒドロキシブトキシ)アントラセン、2−アミル−9−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)アントラセン、2−アミル−9−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)アントラセン、2−クロル−9−(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセン、2−クロル−9−(2−ヒドロキシプロポキシ)アントラセン、2−クロル−9−(2−ヒドロキシブトキシ)アントラセン、2−クロル−9−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)アントラセン、2−クロル−9−(2−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)アントラセン等が挙げられる。
次いで、第一反応で得られた一般式(6)で示される化合物と塩化アクリロイルもしくは塩化メタクリロイルとを反応させる第二反応により、一般式(4)に示す化合物を合成することができる。第二反応は、一般式(6)で示される化合物を有機溶媒中、塩基存在下、塩化アクリロイルもしくは塩化メタクリロイルと反応させることにより進行させることが出来る。
第二反応で用いられる塩基としては、ピリジン、ピペリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、アンモニア水等が挙げられるが、このうちでより好ましいものはトリエチルアミンである。溶媒としては、塩化アクリロイルや塩化メタクリロイルと反応しないものであれば、特に種類を選ばない。代表的溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒が挙げられる。中でも、塩基がトリエチルアミンの場合はアセトニトリルが溶媒として好適に用いられる。反応温度は、―20℃以上80℃以下が好ましく、より好ましくは0℃以上40℃以下の範囲である。―20℃未満では反応が遅く、反応の終了に時間がかかりすぎ、80℃を越えると生成物中に不純物が多くなり、いずれも好ましくない。
上記反応によって得られる、一般式(4)で示されるアントラセン化合物としては,例えば,次の化合物が挙げられる。すなわち、9−(2−アクリロイルオキシエトキシ)アントラセン、9−(2−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、9−(2−アクリロイルオキシブトキシ)アントラセン、9−(2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)アントラセン、9−(2−(2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)アントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)アントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシブトキシ)アントラセン、9−(2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)アントラセン、9−(2−(2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)アントラセン等である。
さらには、2−メチル−9−(2−アクリロイルオキシエトキシ)アントラセン、2−メチル−9−(2−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−メチル−9−(2−アクリロイルオキシブトキシ)アントラセン、2−メチル−9−(2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)アントラセン、2−メチル−9−(2−(2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)アントラセン、2−メチル−9−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)アントラセン、2−メチル−9−(2−メタクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−メチル−9−(2−メタクリロイルオキシブトキシ)アントラセン、2−メチル−9−(2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)アントラセン、2−メチル−9−(2−(2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)アントラセン、2−t−ブチル−9−(2−アクリロイルオキシエトキシ)アントラセン、2−t−ブチル−9−(2−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−t−ブチル−9−(2−アクリロイルオキシブトキシ)アントラセン、2−t−ブチル−9−(2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)アントラセン、2−t−ブチル−9−(2−(2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)アントラセン、2−t−ブチル−9−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)アントラセン、2−t−ブチル−9−(2−メタクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−t−ブチル−9−(2−メタクリロイルオキシブトキシ)アントラセン、2−t−ブチル−9−(2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)アントラセン、2−t−ブチル−9−(2−(2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)アントラセン、2−アミル−9−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)アントラセン、2−アミル−9−(2−メタクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−アミル−9−(2−メタクリロイルオキシブトキシ)アントラセン、2−アミル−9−(2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)アントラセン、2−アミル−9−(2−(2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)アントラセン等である。
また、さらには、2−クロル−9−(2−アクリロイルオキシエトキシ)アントラセン、2−クロル−9−(2−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−クロル−9−(2−アクリロイルオキシブトキシ)アントラセン、2−クロル−9−(2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)アントラセン、2−クロル−9−(2−(2−(2−アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)アントラセン、2−クロル−9−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)アントラセン、2−クロル−9−(2−メタクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−クロル−9−(2−メタクリロイルオキシブトキシ)アントラセン、2−クロル−9−(2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)アントラセン、2−クロル−9−(2−(2−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)アントラセン等が挙げられる。
さらに、一般式(5)に示すアントラセン化合物は、下記第三反応に示したように一般式(7)の化合物を塩化アクリロイルもしくは塩化メタクリロイル(下式中では両者をあわせて塩化(メタ)アクリロイルと称す。)と反応させることによって得ることが出来る。
第三反応によって得られる一般式(5)で示されるアントラセン化合物としては,例えば,次の化合物が挙げられる。すなわち、9−(2−アクリロイルオキシメチル)アントラセン、9−(2−メタクリロイルオキシメチル)アントラセン、2−メチル−9−(2−アクリロイルオキシメチル)アントラセン、2−メチル−9−(2−メタクリロイルオキシメチル)アントラセン、2−t−ブチル−9−(2−アクリロイルオキシメチル)アントラセン、2−t−ブチル−9−(2−メタクリロイルオキシメチル)アントラセン、2−アミル−9−(2−アクリロイルオキシメチル)アントラセン、2−アミル−9−(2−メタクリロイルオキシメチル)アントラセン、2−クロル−9−(2−アクリロイルオキシメチル)アントラセン、2−クロル−9−(2−メタクリロイルオキシメチル)アントラセン等である。
次に、一般式(4)あるいは一般式(5)で示されるアントラセン化合物を光照射することにより、9,10−位で二量化したアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物を得ることができる(第四反応)。
このアントラセン化合物の光二量化は、一分子のアントラセン化合物が光によりπ−π*励起され、その励起分子が基底状態のもう一分子のアントラセン化合物と反応することにより起こる。このときアントラセン化合物の中央のベンゼン環のジエン部分同士がその9,10位で両方同時に結合を生じ、環状付加体を形成する。いわゆる[4+4]の環状付加反応を起こす。この反応は、熱では禁制であり、光によって許容される反応である。当該反応によりアントラセン二分子からベンゼン環が四つ付いたトリシクロ化合物が生じる。このときアントラセン骨格の9の位置に置換基があると、両方のアントラセン環の近づく面の組み合わせによって、置換基が同方向に向く「syn型」と別方向に向く「anti型」が生成する可能性がある。置換基の種類によって、選択性は異なる。二量体を生ずるときの遷移状態での電子的な効果あるいは立体的な効果によって決定される。一般的には、「anti型」が主に生成するといわれているが、混合物として得られる場合もある。
本発明では、アントラセン骨格の9位に重合可能性基を有したアントラセン化合物を二量化しアントラセン二量体骨格を形成しているが、本発明の目的のためには、二量化の結果として得られたアントラセン二量体骨格に置換したこの重合可能性基が「anti型」である場合に限られることは無く、「syn型」であっても、またその混合物であってもよい。
また、9,10位以外の位置に置換基を有するアントラセン化合物も本発明において使用可能である。9,10位以外の位置の置換基はアントラセンの両端のベンゼン環についており反応の場から離れた位置にあるため、9,10位ほど光二量化に与える電子的及び立体的な効果は大きくなく、種々の置換基が許容される。しかし、アントラセン環がお互いに近づくことができないほど大きな置換基でない場合に限られる。
この9,10位以外の位置にひとつの置換基を有するアントラセンの場合、二量体を形成するときのその置換基の二分子間の立体的な関係により、その置換基が、生成した二量体において同方向に向いている「Head−to−Head型」になるか、反対方向を向く「Head−to−Tail型」になる場合が考えられ。そして、前述の「syn型」となる場合と「anti型」となる場合を組み合わせると、「anti−Head−to−Head型」、「syn−Head−to−Head型」、「anti−Head−to−Tail型」、「syn−Head−to−Tail型」の4種類が生成する可能性があり、これらの混合物となる場合が多いと推測される。たとえば、アントラセンの2の位置に置換基を持つ2−メチル−9−(2−アクリロイルオキシエトキシ)アントラセンの光二量化の場合は、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)−2,13−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)−2,19−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)−2,14−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)−2,18−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセンの4種類が生成し、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)−2,13−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)−2,19−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセンが主たる生成物となる。本発明の目的のためには、これらのひとつをカラムクロマトグラフィー等により精製単離した物を用いてもよいし、混合物のまま用いてもよい。
第四反応の一例を以下に示す。
第四反応の光二量化に使用される光源としては、350〜420nmの波長領域の光を照射できる光源であれば良く、特に種類は問わない。使用できる光源としては,高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、紫外線LED、青色LED、フュージョン社製のHランプ、Dランプ、Vランプが挙げられる。太陽光の使用も可能である。
反応温度は、−20℃から80℃で行うことが好ましい。さらに好ましくは、0℃から40℃である。この範囲より低温になると反応速度が遅く実用的ではない。また、高温では逆反応が起こり単量体に戻ったり、あるいは重合物の生成が起ったりする可能性があり好ましくない。反応時間は、照射強度、反応物の濃度、反応温度等にもよるが10分〜50時間である。反応は、バッチ式で行うことが出来、流通式で行うことも出来る。
光二量化反応は、光が透過しうる状態であれば可能であって、溶融状態でもまた溶媒中で実施してもよい。一般的には溶媒中で実施される。溶媒としては、照射光の光吸収を妨げなければ特に種類を選ばない。例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、メタノール、エタノール,n−プロピルアルコール等のアルコール系の溶媒、テトラヒドロフラン。1,4ージオキサン等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族系溶媒、酢酸、プロピオン酸,酪酸等の有機酸系溶媒が好適に使用できる。
溶媒を使用する際のアントラセン化合物の濃度は、化合物の溶解度によるができる限り高いほうが望ましい。通常は1重量%から30重量%程度の濃度で反応させるのが良い。反応濃度が1重量%未満では、反応速度が遅く、二量化に時間がかかりすぎて好ましくない。光照射により二量化反応が進行するが、反応の進行に伴って二量体の結晶が析出してくる場合が一般的である。この場合は、析出した結晶を吸引ろ過・乾燥し、無色の結晶体である二量体を得ることができる。
また、溶融状態で光二量化を行わせる場合は、原料の単量体を溶融し、溶融液に光照射を行う。単量体の融点が100℃以下の場合は溶融させることは容易である。光照射中、二量化の進行に伴い溶融物から二量化物が析出するので、得られたスラリーをトルエン等の溶剤で洗い単量体を溶かして除き、ろ過すれば所望の二量体を単離することができる。
当該光二量化反応において、アクリロイル基あるいはメタクリロイル基の重合反応を防止するために重合禁止剤を存在させてもよい。重合禁止剤としては、ハイドロキノン、4−メトキシフェノール等が用いられる。重合禁止剤の添加量としては、アントラセン化合物に対して0.1〜5重量%添加するのが好ましい。
また、一般式(6)あるいは一般式(7)で示されるアントラセン化合物を、まず光二量化したのち、アクリロイル基又はメタクリロイル基を導入することもできる。
一般式(6)あるいは一般式(7)の化合物の光二量化反応は、一般式(4)あるいは一般式(5)の化合物の光二量条件と同様の条件で行うことができる。すなわち、光二量化に使用される光源としては、350〜420nmの波長領域の光を照射できる光源であれば良く、特に種類は問わない。使用できる光源としては,高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、紫外線LED、青色LED、フュージョン社製のHランプ、Dランプ、Vランプが挙げられる。太陽光の使用も可能である。
反応温度は、−20℃から80℃で行うことが好ましい。さらに好ましくは、0℃から40℃である。この範囲より低温になると反応速度が遅く実用的ではない。また、高温では逆反応が起こり単量体に戻ったり、あるいは重合物の生成が起ったりする可能性があり好ましくない。反応時間は、照射強度、反応物の濃度、反応温度等にもよるが10分〜50時間である。反応は、バッチ式で行うことが出来、流通式で行うことも出来る。
光二量化反応は、光が透過しうる状態であれば可能であって、溶融状態でもまた溶媒中で実施してもよい。一般的には溶媒中で実施される。溶媒としては、照射光の光吸収を妨げなければ特に種類を選ばない。例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、メタノール、エタノール,n−プロピルアルコール等のアルコール系の溶媒、テトラヒドロフラン。1,4ージオキサン等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族系溶媒、酢酸、プロピオン酸,酪酸等の有機酸系溶媒が好適に使用できる。
溶媒を使用する際のアントラセン化合物の濃度は、化合物の溶解度によるができる限り高いほうが望ましい。通常は1重量%から30重量%程度の濃度で反応させるのが良い。反応濃度が1重量%未満では、反応速度が遅く、二量化に時間がかかりすぎて好ましくない。光照射により二量化反応が進行するが、反応の進行に伴って二量体の結晶が析出してくる場合が一般的である。この場合は、析出した結晶を吸引ろ過・乾燥し、無色の結晶体である二量体を得ることができる。
また、溶融状態で光二量化を行わせる場合は、原料の単量体を溶融し、溶融液に光照射を行う。単量体の融点が100℃以下の場合は溶融させることは容易である。光照射中、二量化の進行に伴い溶融物から二量化物が析出するので、得られたスラリーをトルエン等の溶剤で洗い単量体を溶かして除き、ろ過すれば所望の二量体を単離することができる。
一般式(6)の光二量化反応によって得られる化合物としては、たとえば下記のものが挙げられる。
すなわち、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン等が挙げられる。
この化合物のアントラセン二量体骨格にアルキル基が置換された9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2,13−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)−2,13−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)−2,13−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2,13−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)−2,13−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)−2,13−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2,19−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)−2,19−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)−2,19−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−2,19−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−ヒドロキシプロポキシ)−2,19−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−ヒドロキシブトキシ)−2,19−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン等が挙げられる。
また、一般式(7)の光二量化反応によって得られる化合物としては、たとえば下記のものが挙げられる。
すなわち、すなわち、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(ヒドロキシメチル)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(ヒドロキシメチル)−2,13−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(ヒドロキシメチル)−2,13−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(ヒドロキシメチル)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(ヒドロキシメチル)−2,19−ジメチル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(ヒドロキシメチル)−2,19−ジアミル−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン等である。
そして、生成した一般式(6)あるいは一般式(7)の二量化物のアクリル化又はメタクリル化反応も、一般式(6)あるいは一般式(7)の化合物のアクリル化又はメタクリル化反応と同様の条件で行うことができる。すなわち、一般式(6)あるいは一般式(7)の二量化物を有機溶媒中、塩基存在下、塩化アクリロイルもしくは塩化メタクリロイルと反応させることにより一般式(1)、一般式(2)あるいは一般式(3)に示す化合物を合成することができる。
アクリル化又はメタクリル化反応で用いられる塩基としては、ピリジン、ピペリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、アンモニア水等が挙げられるが、このうちでより好ましいものはトリエチルアミンである。溶媒としては、塩化アクリロイルや塩化メタクリロイルと反応しないものであれば、特に種類を選ばない。代表的溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒が挙げられる。中でも、塩基がトリエチルアミンの場合はアセトニトリルが溶媒として好適に用いられる。反応温度は、―20℃以上80℃以下が好ましく、より好ましくは0℃以上40℃以下の範囲である。―20℃未満では反応が遅く、反応の終了に時間がかかりすぎ、80℃を越えると生成物中に不純物が多くなり、いずれも好ましくない。
本発明における一般式(1)、一般式(2)あるいは一般式(3)で示されるアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物は、ラジカル重合開始剤存在下に、一般的な重合条件で重合あるいは共重合することができる。ラジカル重合開始剤としては、熱ラジカル重合開始剤及び光ラジカル重合開始剤が挙げられる。
熱ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物やアゾ系化合物等のどちらでも使用可能である。有機過酸化物としては、例えばt−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート類等のパーオキシ エステル類、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール類、 ラウロイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド 類等を挙げることができる。またアゾ系化合物の開始剤 としては、例えば2,2'−アゾビスイソブチロニトリルや、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1'−アゾビス (シクロヘキサン−1−カーボニトリル)等のアゾニトリル類を挙げることができる。
熱ラジカル重合開始剤の添加濃度は、アントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物および必要に応じて併用されるラジカル重合性モノマーの合計重量に対して 0.1〜10重量%の範囲から選ばれ、好ましくは 1〜3重量%である。0.1重量%より少ないと硬化速度が遅く、10重量%より多いと重合物の物性が悪化するので好ましくない。
熱ラジカル重合開始剤の存在下に行われる熱ラジカル重合は、通常溶媒の存在下で行われるが、加熱し溶融状態で重合させることも可能である。溶媒を用いる場合は、溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、t−ブチルベンゼン、クロロベンゼン、クロロナフタレン等の芳香族系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、シクロヘキサノン、メイルエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン等のケトン系溶媒、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が用いられる。重合温度は、通常50℃から150℃の間で行われる。50℃未満では、重合が遅すぎて好ましくなく、また150℃を超えると重合物が着色して好ましくない。より好ましくは、80℃から120℃の範囲である。溶媒を用いた場合は、重合の進行に伴い、重合物が不溶性となり沈澱する。この沈殿物を、濾過・乾燥し、アントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物が重合した重合物を得ることが出来る。
光重合開始剤としては、α−ヒドロキシケトン系の1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジメチルケタール系の2,2’−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、α−アミノケトン系の2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モリフォリノプロパン−1−オン及び2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン、アシルフォスフィンオキサイド系のビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド等が好適に用いられる。ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムも有効である。さらにまた、ナフタセンキノン化合物である6,12−(ビス)トリメチルシリルオキシ−5,11−ナフタセンキノン化合物も使用可能である。
光ラジカル重合において用いる、光ラジカル重合開始剤の添加濃度は、アントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物および必要に応じて併用されるラジカル重合性モノマーの合計重量に対して0.1〜5重量%の範囲から選ばれ、好ましくは0.3〜1重量%である。0.1重量%より少ないと硬化速度が遅く、5重量%より多いと重合物の物性が悪化するので好ましくない。本発明のアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物は、使用する光ラジカル重合開始剤の吸収波長に相当する波長の光を含む光線を照射することで容易に硬化させることができる。好ましい波長範囲は、250〜500nmである。照射光の波長範囲がこの範囲を外れると、充分な硬化ができず好ましくない。具体的には、この波長範囲の光線を照射できるランプ等の光源を用いて硬化させることができる。具体的には、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、UV−LED,青色LED,白色LED等の光源が挙げられる。太陽光の使用も可能である。
光ラジカル重合の具体的な態様としては、溶媒を使用した溶液状態での重合、溶媒を使用しない塊状態での重合共に可能である。
本発明の重合において、上記のアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物を単独で重合させることも出来るが、上記のアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物以外に通常のラジカル重合性モノマーを加えて共重合性の組成物とすることも出来る。このラジカル重合性モノマーとしては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、さらにはベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、ビフェニル−4−イル−アクリレート、1−ナフチルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、9−アントリルアクリレート、1,4−ジアクリロイルオキシナフタレン、1,6−ジアクリロイルオキシナフタレン、1、4−ジメタクリロイルオキシナフタレン、2,7−ジアクリロイルオキシナフタレン、9,10−ジアクリロイルオキシアントラセン、4,4’−(9H−フルオレン−9,9’−ジイル)ジフェニルジアクリレート等が挙げられる。
また、これらの重合操作の前にラジカル重合開始剤以外の添加剤を加えることも可能である。添加剤としては、重合物の変質、劣化等を防止するために、重合禁止剤、酸化防止剤、光(紫外線)吸収剤、光安定剤、老化防止剤、防火微剤等、美観、意匠を向上させるための顔料、染料、光沢材等、加工性を向上させるための可塑剤、スリップ剤、離型剤、ゲル化剤等、その他の機能を付与させるために難燃剤、帯電防止剤、抗菌剤、防臭剤、香料等挙げられる。
また、一般式(4)あるいは一般式(5)のアントラセン化合物を第四反応により、光二量化したのち、該二量化物を取り出すことなく、ラジカル重合開始剤存在下に重合あるいは共重合することも出来る。重合条件等は、アントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物の重合条件と同様である。
一般式(4)あるいは一般式(5)のアントラセン化合物は、アントラセン骨格の持つラジカル安定化作用によりアクリロイル基あるいはメタクリロイル基のラジカル重合が阻害され、一般的なラジカル重合条件ではアクリロイル基あるいはメタクリロイル基が重合しづらくなっている。その原因は定かではないが、アントラセン環が生成したラジカルを安定化するためではないかと思われる。ところが、本発明に示したように、一般式(4)あるいは一般式(5)のアントラセン化合物が光二量化することにより、アントラセン骨格ではなくなるため、ラジカル安定化作用がなくなり、重合可能となる。よって、一般式(4)あるいは一般式(5)のアントラセン化合物を光二量化した後、あるいは光二量化させながら、生成したアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物を取り出すことなく重合させ、その重合物を得ることができる。
また、一般式(4)あるいは一般式(5)に示すアントラセン化合物と他の重合性モノマー及び光ラジカル重合開始剤を加えて調整した組成物を、例えば、ポリエステルフィルム等に塗布した塗布物とした場合、当該組成物を窒素中で光照射したときは当該他の重合性モノマーの重合とアントラセン化合物の光二量化の両方が進行する。この場合、他の重合性モノマーの重合により表面が一部重合して硬化し膜を作るため、光透過性が低下し塗膜内部にあるアントラセン化合物の光二量化が進行しづらくなり、結果として高屈折率を有する重合物が得られにくくなるという問題がある。このような組成物の場合は、この組成物をあらかじめ空気存在下に光照射する。そうするとアントラセン化合物は二量化するが、他のモノマーの重合は進行しないことが判明した。さらに、アントラセン化合物が二量化した後に、窒素雰囲気下に光照射すると良好な光硬化フィルムが得られることも判明した。これは、空気中で光照射した場合、当該他の重合性モノマーは酸素の存在により重合が阻害されるのに対して、アントラセン化合物の光二量化は酸素により阻害されずに進行し、その後に窒素中で引き続き光照射することにより二量化したアントラセン骨格を有するアクリレート化合物と他の重合性モノマーが共重合反応を起こすからと推測される。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下の記載例に限定されるものではない。
(化合物の同定)
得られた化合物の物性測定は、(1)融点:ゲレンキャンプ社製融点測定装置、型式:MFB−595(JIS K0064準拠)(2)屈折率:アタゴ製屈折率計 T1(3)IRスペクトル:赤外線(IR)分光光度計、日本分光社製、型式:IR−810(4)H−NMR分析:核磁気共鳴装置(NMR)、日本電子社製、型式:GSX FT NMR Spectorometer(5)マススペクトル:質量分析計、島津製作所製GCMS QP5000等を用いて行った。
「9−(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセンの合成」
窒素ボックス中、攪拌機を付したオートクレーブ中で9−アントロン4.9g(0.025 mol)をメタノール25mlに分散し、水酸化ナトリウムの20重量%水溶液20g(水酸化ナトリウム4g、0.1 mol)を入れ密閉した。60℃で20分間加熱して9−アントロンを9−アントロールとした後、反応液の温度を45℃まで下げた。そこに酸化エチレン5.5g(0.125mol)を温度を50℃以下、かつ圧力を0.3MPa以下に保ちつつ60分要して導入した。更に、反応温度を40℃に保持しながら反応を3時間続けた。反応終了後、室温まで冷却し、5重量%硫酸水溶液で中和した。中和に従い、結晶が析出するので、結晶を吸引濾過し、得られた結晶を濾別して水洗した。80℃で乾燥することで9−(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセンを3.5g(0.015mol)得た。収率59mol%。
「9−(2−ヒドロキシプロポキシ)アントラセンの合成」
窒素ボックス中、攪拌機を付したオートクレーブ中で9−アントロン4.9g(0.025 mol)をメタノール25mlに分散し、水酸化ナトリウムの20重量%水溶液20g(水酸化ナトリウム4g、0.1 mol)を加え、60℃で20分間加熱した後、反応液の温度を45℃まで下げた。次に、酸化プロピレン7g(0.12 mol)を少量ずつ加え、液の温度を約50℃に保持し、そのまま1時間加熱した。その後、室温まで冷却し、5重量%硫酸水溶液で中和する。中和に従い、結晶が析出するので、結晶を吸引濾過し、乾燥後、カーキ色の粉末である9−(2−ヒドロキシプロポキシ)アントラセンを2.7g(0.011mol)を得た。収率44mol%。
「9−(2−アクリロイルオキシエトキシ)アントラセンの合成」
実施例1で合成した9−(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセン2.0g(8.4mmol)をアセトニトリル40ml、トリエチルアミン2.3g(22.7mmol)の混合溶液に溶解した後、室温で塩化アクリロイル1.9g(21.0mmol)のアセトニトリル10ml溶液を添加して1時間攪拌した。さらに、純水10mlを加え10分間攪拌した後、飽和食塩水10ml、酢酸エチル40mlを加え、酢酸エチル層に生成物を抽出し、得られた有機層を純水10mlで3回洗浄した。洗浄後の有機層を濃縮し、得られた油状物質をヘキサン、酢酸エチルを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、橙色油状の9−(2−アクリロイルオキシエトキシ)アントラセン1.5g(5.1mmol,収率:61mol%)を得た。
得られた物質の分析結果は以下に示すとおりであり、1H−NMR、IR、マススペクトルより、このものは9−(2−アクリロイルオキシエトキシ)アントラセンであることが確認された。
(1)融点: 室温油状
(2)IR(neat,cm−1):1730,1060,1094,1161,1188,1265,1290,1335,1402,1720.
(3)H−NMR(CDCl,270MHz):δ=4.44−4.47(m,2H,メチレン基),4.66−4.68(m,2H,メチレン基),5.92(dd,1H,ビニル基),6.26(dd,1H,ビニル基),6.48(dd,1H,ビニル基),7.38−7.54(m,4H,アントラセン環),7.90−8.36(m,5H,アントラセン環).
(4)マススペクトル:(EI−MS)m/z=292(M
「9−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)アントラセンの合成」
実施例1で合成した9−(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセン2.0g(8.4mmol)をアセトニトリル40ml、トリエチルアミン2.3g(22.7mmol)の混合溶液に溶解した後、室温で塩化メタクリロイル2.2g(21.0mmol)のアセトニトリル10ml溶液を添加して1時間攪拌した。純水10mlを加え10分攪拌した後、飽和食塩水10ml、酢酸エチル40mlを加え、酢酸エチル層に生成物を抽出し、得られた有機層を純水10mlで3回洗浄した。洗浄後の有機層を濃縮し、得られた油状物質をヘキサン、酢酸エチルを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、黄色結晶の9−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)アントラセン1.3g(4.1mmol,収率:50mol%)を得た。
得られた物質の分析結果は以下に示すとおりであり、1H−NMR、IR、マススペクトルより、このものは9−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)アントラセンであることが確認された。
(1)融点:49℃
(2)IR(KBr,cm−1):1731,1085,1155,1292,1318,1339,1383,1715.
(3)H−NMR(CDCl,270MHz):δ=2.04(s,3H,メチル基),4.43−4.50(m,2H,メチレン基),4.66−4.69(m,2H,メチレン基),5.66−5.82(m,1H,ビニル基),6.19−6.26(m,1H,ビニル基),7.39−7.54(m,4H,アントラセン環),7.77−8.37(m,5H,アントラセン環).
(4)マススペクトル:(EI−MS)m/z=306(M
「9−(2−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセンの合成」
実施例2で合成した9−(2−ヒドロキシプロポキシ)アントラセン2.0g(7.9mmol)をアセトニトリル40ml、トリエチルアミン2.2g(21.3mmol)の混合液に溶解した後、塩化アクリロイル1.8g(19.9mmol)のアセトニトリル10ml溶液を添加して1時間攪拌した。純水10mlを加え10分攪拌した後、飽和食塩水10ml、酢酸エチル40mlを加え、酢酸エチル層に生成物を抽出し、得られた有機層を純水10mlで3回洗浄した。洗浄後の有機層を濃縮し、得られた油状物質をヘキサン、酢酸エチルを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、橙色油状の9−(2−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン1.3g(4.2mmol,収率:53mol%)を得た。
得られた物質の分析結果は以下に示すとおりであり、1H−NMR、IR、マススペクトルより、このものは9−(2−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセンであることが確認された。
(1)融点: 室温油状
(2)IR(neat,cm−1): 732,1090,1195,1342,1405,1720.
(3)H−NMR(CDCl,270MHz):δ=1.56(d,3H,メチル基),4.16−4.34(m,2H,メチレン基),5.53−5.64(m,1H,メチン基),5.90(dd,1H,ビニル基),6.25(dd,1H,ビニル基),6.50(dd,1H,ビニル基),7.39−7.50(m,4H,アントラセン環),7.93−8.36(m,5H,アントラセン環).
(4)マススペクトル:(EI−MS)m/z=306(M
「9−(2−メタクリロイルオキシプロポキシ)アントラセンの合成」
実施例2で合成した9−(2−ヒドロキシプロポキシ)アントラセン2.0g(7.9mmol)をアセトニトリル40ml、トリエチルアミン2.2g(21.3mmol)の混合液に溶解した後、塩化メタクリロイル2.1g(19.9mmol)のアセトニトリル10ml溶液を添加して1時間攪拌した。純水10mlを加え10分攪拌した後、飽和食塩水10ml、酢酸エチル40mlを加え、酢酸エチル層に生成物を抽出し、得られた有機層を純水10mlで3回洗浄した。洗浄後の有機層を濃縮し、得られた油状物質をヘキサン、酢酸エチルを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、橙色油状物1.3g(4.1mmol,収率:52mol%)を得た。
得られた物質の分析結果は以下に示すとおりであり、1H−NMR、IR、マススペクトルより、このものは9−(2−メタクリルオキシプロポキシ)アントラセンであることが確認された。
(1) 融点: 室温油状
(2) IR(neat,cm−1):1732,1085,1160,1340,1712.
(3) H−NMR(CDCl,270MHz):δ=1.55(d,3H,メチル基),2.00(s,3H,メチル基),4.23−4.38(m,2H,メチレン基),5.52−5.62(m,1H,メチン基),5.64−5.81(m,1H,ビニル基),6.22−6.24(m,1H,ビニル基),7.38−7.50(m,4H,アントラセン環),7.92−8.37(m,5H,アントラセン環).
(4) マススペクトル:(EI−MS)m/z=320(M
「9−(アクリロイルオキシメチル)アントラセンの合成」
攪拌子、温度計を装備した容量が50mlの四つ口フラスコに、アントラセンメタノール 2.0g(9.6mmol)、アセトニトリル40ml、トリエチルアミン2.6g(25.9mmol)を仕込み、室温で、フラスコの内容物を攪拌・混合した後、塩化アクリロイル2.1g(23.5mmol)をアセトニトリル10mlに溶解した溶液を添加し、室温で1時間攪拌を継続した。このフラスコに純水10mlを加え、10分間攪拌を継続した後、さらに飽和食塩水10ml、酢酸エチル40mlを加えた。酢酸エチル層に生成物を抽出し、得られた有機層に純水10mlを加えて洗浄し、この洗浄操作を3回繰り返した。純水によって洗浄した後の液から有機層を分離した。分離した有機層を濃縮して得られた油状物質にメタノールを加えて冷却晶析し、得られた結晶を濾過、乾燥することにより黄色結晶の9−(アクリロイルオキシメチル)アントラセン1.4g(5.3mmol,収率:56mol%)を得た。
得られた物質の分析結果は以下に示すとおりであり、1H−NMR、IR、マススペクトルより、このものは9−(アクリロイルオキシメチル)アントラセンであることが確認された。
(1)融点: 84−85℃
(2)IR(KBr,cm−1):1720,1630,1410,1300,1200,990,940,900,810,730,630.
(3)H−NMR(CDCl,270MHz):δ=5.80(dd,J=2Hz,J=10Hz,1H,ビニル基),6.12(dd,J=10Hz,J=17Hz,1H,ビニル基)、6.24(s,2H,メチレン基),6.43(dd,J=2Hz,J=17Hz,1H,ビニル基),7.46−7.64(m,4H,アントラセン環),8.03(d,J=8Hz,2H,アントラセン環),8.35(d,J=8Hz,2H,アントラセン環),8.52(s,1H,アントラセン環)
(4)マススペクトル:(EI−MS)m/z=262(M
「9−(2−アクリロイルオキシエトキシ)アントラセンの光二量化体の合成」
ガラス製の50mlフラスコに、実施例3において合成した9−(2−アクリロイルオキシエトキシ)アントラセンを1.0g仕込み、アセトニトリル 7g、重合禁止剤として4−メトキシフェノールを5mg加え、紫外線LEDランプを用いて光照射した。ランプの中心波長は395nm、照射強度は3mW/cmであった。照射と同時に、無色の針状結晶が沈殿し始めた。6時間照射後、析出物を吸引ろ過、乾燥し0.43gの無色の結晶を得た。収率:43mol%。
得られた物質の分析結果は以下に示すとおりであり、1H−NMR、IRより、このものは9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン(構造式2−1)であることが確認された。また、このものは、n=1.649と非常に高い屈折率を有することがわかった。
(1)融点: 155−156℃
(2)屈折率 n=1.649
(3)IR(KBr、cm−1): 3060,2950、1722、1628、1584、1470、1450、1410、1275、1200、1062,1024,960,802,780,694.
(4)H−NMR(CDCl,270MHz):δ=3.74−3.82(m,4H,メチレン基),4.47(s,2H,メチン基),4.50−4.59(m,4H,メチレン基),5.94(d,J=10Hz,2H,ビニル基),6.28(dd,J1=10Hz,J2=17Hz,2H,ビニル基),6.54(d,J=17Hz,2H,ビニル基),6.78−6.91(m,8H,ベンゼン環),6.95−7.10(m,8H,ベンゼン環).
「 9−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)アントラセンの光二量化体の合成」
ガラス製の50mlフラスコに、実施例4において合成した9−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)アントラセンを1.0g仕込み、アセトニトリル6g、重合禁止剤として4−メトキシフェノールを2mg加え、紫外線LEDランプを用いて光照射した。ランプの中心波長は395nm、照射強度は3mW/cmであった。照射と同時に、無色の針状結晶が沈殿し始めた。6時間照射後、析出物を吸引ろ過、乾燥し 0.61gの無色の結晶を得た。
得られた物質の分析結果は以下に示すとおりであり、1H−NMR、IRより、このものは9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタアクリロイルオキシエトキシ)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン(構造式2−3)であることが確認された。収率:60mol%。また、このものは、n=1.652と非常に高い屈折率を有することがわかった。
(1)融点: 172−173℃
(2)屈折率 n=1.652
(3)IR(KBr、cm−1): 3060,2950、1718、1630、1464、1442、1318,1290,1170,1120、1068、1020、940,780,691,640,600.
(4)H−NMR(CDCl,270MHz):δ=2.07(s,6H,メチル基),3.80(t,J=6Hz,4H,メチレン基),4.46(s,2H,メチン基),4.51(t,J=6Hz,4H,メチレン基),5.68(s,2H,ビニル基),6.26(s,2H,ビニル基),6.76−6.88(m,8H,ベンゼン環),6.96−7.04(m,4H,ベンゼン環),7.04−7.12(m,4H,ベンゼン環).
「 9−(2−アクリロイルオキシ)プロポキシ)アントラセンの光二量化体の合成」
ガラス製の50mlフラスコに、実施例5において合成した9−(2−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセンを1.2g仕込み、アセトニトリル10g、重合禁止剤として4−メトキシフェノールを10mg加え、紫外線LEDランプを用いて光照射した。ランプの中心波長は395nm、照射強度は3mW/cmであった。照射と同時に、無色の針状結晶が沈殿し始めた。6時間照射後、析出物を吸引ろ過、乾燥し0.65gの無色の結晶を得た。また、このものは、n=1.636と非常に高い屈折率を有することがわかった。
得られた物質の分析結果は以下に示すとおりであり、1H−NMR、IRより、このものは9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシプロポキシ)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン(構造式2−2)であることが確認された。収率:54mol%。
(1)融点: 153−154℃
(2)屈折率 n=1.636
(3)IR(KBr、cm−1): 2980,1720,1630,1464,1445,1401,1292,1196,1114,1062,1036,980,780,690.
(4)H−NMR(CDCl,270MHz) ;δ=1.40(d,J=8Hz,6H,メチル基),3.56−3.74(m,4H,メチレン基),4.40(s,2H,メチン基),5.41−5.55(m,2H,メチン基),5.91(d,J=10Hz,2H,ビニル基),6.25(dd,J1=10Hz,J2=17Hz,2H,ビニル基),6.51(d,J=17Hz,2H,ビニル基),6.78−6.911(m,8H,ベンゼン環),6.91−6.98(m,2H,ベンゼン環),6.98−7.06(m,4H,ベンゼン環),7.06−7.13
(m,2H,ベンゼン環).
「 9−(2−メタクリロイルオキシ)プロポキシ)アントラセンの光二量化体の合成」
ガラス製の50mlフラスコに、実施例6において合成した9−(2−メタクリロイルオキシ)プロポキシ)アントラセンを1.2g仕込み、アセトニトリル10g、重合禁止剤として4−メトキシフェノールを10mg加え、紫外線LEDランプを用いて光照射した。ランプの中心波長は395nm、照射強度は3mW/cmであった。照射と同時に、無色の針状結晶が沈殿し始めた。6時間照射後、析出物を吸引ろ過、乾燥し0.73gの無色の結晶を得た。
得られた物質の分析結果は以下に示すとおりであり、1H−NMR、IRより、このものは9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−メタクリロイルオキシプロポキシ)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン(構造式2−4)であることが確認された。収率:60mol%。また、このものは、n=1.633と非常に高い屈折率を有することがわかった。
(1)融点: 150−151℃
(2)屈折率 n=1.633
(3)IR(KBr、cm−1): 2960,1720,1635,1475,1456,1296,1186,1170,1072,782,700.
(4)H−NMR(CDCl,270MHz);δ=1.37(d,J=8Hz,6H,メチル基),2.08(s,6H,メチル基),3.54−3.74(m,4H,メチレン基),4.43(s,2H,メチン基),5.36−5.49(m,2H,メチン基),5.66(s,2H,ビニル基),6.24(2,2H,ビニル基),6.78−6.90(m,8H,ベンゼン環),6.90−6.98(m,2H,ベンゼン環),6.98−7.06(m,4H,ベンゼン環),7.06−7.16
(m,2H,ベンゼン環).
「9−(アクリロイルオキシメチル)アントラセンの光二量化体の合成」
ガラス製の50mlフラスコに、実施例7において合成した9−(アクリロイルオキシメチル)アントラセンを1.31g仕込み、アセトニトリル13g、重合禁止剤として4−メトキシフェノールを5mg加え、紫外線LEDランプを用いて光照射した。ランプの中心波長は395nm、照射強度は3mW/cmであった。照射と同時に、無色の針状結晶が沈殿し始めた。6時間照射後、析出物を吸引ろ過、乾燥し0.46gの無色の結晶を得た。この結晶は、「anti型」である9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(アクリロイルオキシメチル)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセンと「syn型」である9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ビス(アクリロイルオキシメチル)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセンの混合物であり、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(アクリロイルオキシメチル)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン0.20gを分離した。
得られた物質の分析結果は以下に示すとおりであり、1H−NMR、IRより、このものは9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(アクリロイルオキシメチル)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン(構造式3−1)であることが確認された。収率:15mol%。
(1)融点: 243−245℃
(2)IR(KBr,cm−1): 1726,1638,1480,1456,1410,1300,1266,1192,1066,1050,972,810,780,750,695,640.
(3)H−NMR(CDCl,270MHz): δ=3.80(s,2H,メチン基),5.30(bs,4H,メチレン基),5.73(d,J=10Hz,2H,ビニル基),6.00(dd,J=10Hz,J=17Hz,2H,ビニル基),6.28(d,J=17Hz,2H,ビニル基),6.80−6.90(m,8H,ベンゼン環),6.90−7.00(m,4H,ベンゼン環),7.08−7.16(m,4H,ベンゼン環).
「9−(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセンの光二量化体の合成」
ガラス製の50mlフラスコに、実施例1において合成した9−(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセンを1.25g仕込み、アセトニトリル10g、重合禁止剤として4−メトキシフェノールを10mg加え、紫外線LEDランプを用いて光照射した。ランプの中心波長は395nm、照射強度は3mW/cmであった。照射と同時に、無色の針状結晶が沈殿し始めた。6時間照射後、析出物を吸引ろ過、乾燥し0.55gの無色の結晶を得た。
得られた物質の分析結果は以下に示すとおりであり、1H−NMR、IRより、このものは9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセンであることが確認された。収率:44mol%。
(1)融点: 182−183℃
(2)IR(KBr,cm−1): 3030,2940,2880,1620,1470,1450,1290,1083,1046,1021,940,882,776,690.
(3)H−NMR(CDCl,270MHz):δ=3.68−3.77(bm,4H,メチレン基),3.82−4.04(bm,4H,メチレン基),4.48(s,2H,メチン基),6.80−6.92(m,8H,ベンゼン環),6.97−7.11(m,8H,ベンゼン環).
「9−(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセンの光二量化体のアクリル化反応」
実施例13で合成した9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセン0.43g(1.0mmol)とアセトニトリル20ml、トリエチルアミン0.30g(3.0mmol)を混合した後、室温で塩化アクリロイル0.27g(3.0mmol)のアセトニトリル5ml溶液を添加して1時間攪拌した。純水10mlを加え10分攪拌した後、飽和食塩水10ml、酢酸エチル40mlを加え、酢酸エチル層に生成物を抽出し、得られた有機層を純水10mlで3回洗浄した。洗浄後の有機層を濃縮し、無色結晶を0.224g得た。
得られた物質の1H−NMR、IRより、このものは実施例8で合成した9,10,11,16−テトラヒドロ−9,11−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)−9,10[9’,10’]−アントラセノアントラセンと同一であることが確認された。収率:42mol%。
「9−(2−アクリロイルオキシ)プロポキシ)アントラセン、トリメチロールプロパントリアクリレート及び光重合開始剤よりなる組成物の光重合反応」
9−(2−アクリロイルオキシ)プロポキシ)アントラセン1g、トリメチロールプロパントリアクリレート4g及び光重合開始剤(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン)80mgを混合し、当該混合物をバーコーターを用いてポリエステルフィルム(東レ製 ルミラー 膜厚100μm)上に12μmの厚さになるように塗布した。ついで、当該塗布物を空気雰囲気下に、紫外線LEDランプを用いて10分間光照射した。ランプの中心波長は395nm、照射強度は3mW/cmであった。この間、重合反応の顕著な進行は見られなかった。しかし、塗膜のUV吸収スペクトルを測定した結果、392nmのアントラセン骨格に起因する吸収が消失し、同時に蛍光の消失が観察された。これらのことから、当該塗布物中の9−(2−アクリロイルオキシ)プロポキシ)アントラセンの光二量化が進行したと推測される。その後、窒素気流下に当該塗布物をおき、366nm(照射強度1mW/cm)の波長の光を1分間照射したところ、塗膜の硬化が進行し、透明なフィルムが得られた。


表1の結果から明らかなように、本発明のアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物は、1.63以上の高屈折率を示す化合物であることがわかる。また、参考例の屈折率との比較からアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物は、従来より知られている芳香環を有する高屈折率化合物の屈折率と比べても高い屈折率を有することがわかる。また、図1及び図2の比較により、二量化することにより300nm以上の領域の吸収と260nmの吸収が消失し、200nm付近の吸収のみになっていることがわかる。これらの結果より、アントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物は高い屈折率を有し、かつ紫外域の吸収や蛍光の問題が無い透明性に優れた化合物であるといえる。
本発明のアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物は、新規な高屈折率化合物であり、可視光から紫外領域にかけて光の吸収が無く、かつラジカル重合可能で、重合することにより高屈折率光学材料となりうる、工業的に有用な化合物である。
本発明のアントラセン二量体骨格を含むアクリレートのUVスペクトル アントラセン骨格を含むアクリレートのUVスペクトル

Claims (10)

  1. 下記の一般式(1)で示されるアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物。
    (一般式(1)において、nは1〜9の整数を示し、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子、メチル基、エチル基のいずれかを示し、X、X’、Y及びY’は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基のいずれかを示す。)
  2. 下記の一般式(2)で示されるアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物。
    (一般式(2)において、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子、メチル基、エチル基のいずれかを示す。)
  3. 下記の一般式(3)で示されるアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物。

    (一般式(3)において、Rは水素原子又はメチル基を示し、X、X’、Y及びY’は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基のいずれかを示す。)
  4. 下記の一般式(4)に示されるアントラセン化合物を光二量化することによって得られるアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物。
    (一般式(4)において、nは1〜9の整数を示し、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子、メチル基、エチル基のいずれかを示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基のいずれかを示す。)
  5. 下記の一般式(5)に示されるアントラセン化合物を光二量化することによって得られるアントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物。
    (一般式(5)において、Rは水素原子又はメチル基を示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基のいずれかを示す。)
  6. 下記の一般式(4)に示されるアントラセン化合物を光二量化することを特徴とする、アントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物の製造法。

    (一般式(4)において、nは1〜9の整数を示し、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子、メチル基、エチル基のいずれかを示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基のいずれかを示す。)
  7. 下記の一般式(5)に示されるアントラセン化合物を光二量化することを特徴とする、アントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物の製造法。

    (一般式(5)において、Rは水素原子又はメチル基を示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基のいずれかを示す。)
  8. 下記の一般式(6)に示されるアントラセン化合物を光二量化した後、塩化アクリロイル又は塩化メタクリロイルと反応させ、アクリロイル基又はメタクリロイル基を導入することを特徴とする、アントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物の製造法。
    (一般式(6)において、nは1〜9の整数を示し、Rは水素原子、メチル基、エチル基のいずれかを示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基のいずれかを示す。)
  9. 下記の一般式(7)に示されるアントラセン化合物を光二量化した後、塩化アクリロイル又は塩化メタクリロイルと反応させ、アクリロイル基又はメタクリロイル基を導入することを特徴とする、アントラセン二量体骨格を有するアクリレート化合物の製造法。
    (一般式(7)において、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基のいずれかを示す。)
  10. 下記の一般式(4)又は一般式(5)に示されるアントラセン化合物を含む組成物に光照射することにより該アントラセン化合物を二量化した後、ラジカル重合開始剤の存在下に該アントラセン化合物を重合あるいは共重合させることを特徴とする重合方法。
    (一般式(4)において、nは1〜9の整数を示し、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子、メチル基、エチル基のいずれかを示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基のいずれかを示す。)
    (一般式(5)において、Rは水素原子又はメチル基を示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基のいずれかを示す。)
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