JP3983078B2 - 有機物処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生ごみ等の有機物を処理する有機物処理装置に係わり、特に前面からの作業性を改善する構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
生ごみ等の有機物を処理する有機物処理装置としては、処理槽内に有機物を分解する微生物担体(例えばおが屑等の木質細片)を収納し、処理槽内を撹拌しながら微生物の活性化温度(例えば約60℃前後)に維持して有機物を分解処理するものや、微生物を用いないで処理槽内の有機物を撹拌しながらより高温で加熱乾燥させて処理するものなどがある。
【0003】
図11〜図13に、上記微生物により有機物を分解処理する方式の有機物処理装置の例として、例えばコンビニエンスストア等で業務用として用いられる大型のものを示す。なお、図11は上記従来の有機物処理装置の基本的システム図であり、図12はこの有機物処理装置の処理槽周りの構成を説明するための側断面図であり、図13は同じく有機物処理装置の処理槽周りの構成を説明するための平面図である。
【0004】
図11に示すように、この有機物処理装置は、一般的に、微生物の作用により有機物を分解させる処理槽1と、処理槽1での分解処理中に発生する排気ガスを脱臭する脱臭器3と、処理槽1内に外気を供給し、処理槽1内の排気ガスを外部に排出するための送風機5とを基本的構成機器としている。
【0005】
処理槽1は、図12に示すように、側断面が略U字形状をなし、左右方向に長い形状をなしている。なお、本明細書においては、図12における左側を正面とする。また、この場合の正面は、生ごみの投入作業や、装置のメンテナンス作業が行われる場合の装置のサービス側面を意味する。したがって、図12において、左側を前面、右側を後面、紙面と直角の方向を左右方向とする。
【0006】
上記形状の処理槽1は、平面形状が左右方向を長手方向とする略長方形の外装ケース6内に収容されている。そして、外装ケース6の上面には、生ごみや微生物担体等を処理槽1内に投入するための投入口61が形成され、この投入口61と対応するように処理槽1の上面部に開口部1aが設けられている。また、この投入口61には、ヒンジ62等により開閉可能に構成された投入蓋63が設けられている。なお、処理槽1内に投入される微生物担体としては、例えばおが屑等の木質細片が用いられている。
【0007】
また、外装ケース6の下面側には脚部64や図示しないキャスターが取り付けられている。
【0008】
処理槽1内には、図13に示すように、左右の側壁間に横架された撹拌軸11に複数の撹拌翼12が立設された撹拌体10が備えられている。そして、撹拌軸11は、両端が処理槽2の側壁に設けられた図示しない軸受によって支持されている。また、撹拌軸11の一方の軸端がスプロケット(図示せず)及びベルト13から成る減速伝達機構を介して撹拌用モータ14に連結されて定期的に正逆回転駆動されると共に、生ごみ投入直後と処理物排出時とに回転駆動されるようになっている。
【0009】
処理槽1の前面側の側壁には、処理物を排出するための排出口15(図12参照)が形成されている。排出口15は、高さ方向に比し左右方向の寸法が大きい長方形状とされている。また、この排出口15には排出シャッタ17が開閉可能に取り付けられている。排出シャッタ17は、開閉レバー18を操作することにより上下動させて開閉するように構成されている。また、閉じられた排出シャッタ17の締め切りを確実にするために、前面から操作可能に固定ネジ(図示せず)が設けられている。
【0010】
排出シャッタ17の前面には、排出口15から排出される処理物を外装ケース6の外部に排出するための排出シュート7が設けられている。この排出シュート7は、左右方向の寸法が大きい断面長方形の通路に形成されている。また、排出シュート7の先端部は、外装ケースの外側に突出している。なお、66は、排出シュート7の先端部を覆うカバーであって、外装ケース6の前面から突出するように設けられている。
【0011】
処理槽1内は、中央部に形成された仕切板20により左右に仕切られ(図13参照)、正面から見て左槽21と右槽22とに区画されており、毎日発生する生ごみを、左槽21と右槽22とに交互に投入して、効率的に処理することができるようになっている。なお、前述の投入口61とその投入蓋63及び排出シュート7は共通であるが、排出口15、排出シャッタ17、開閉レバー18及び排出シャッタ固定ネジ(図示せず)は、各槽それぞれに同一のものが設けられている。したがって、排出シュート7の断面形状は、左槽21の排出口15及び右槽22の排出口15の双方に対応し得る断面寸法とされている。
【0012】
このように構成されていることにより、処理槽1内に投入された生ごみは、処理槽1内で分解処理される。また、処理槽1を構成する左槽21又は右槽22内の処理物は、所定量より多くなると、撹拌翼12を図12の時計廻り方向に回転駆動させることにより、排出口15側に掻き上げ、左槽21の排出口15又は右槽22の排出口15、及び排出シュート7を介して外部に排出される。
【0013】
脱臭器3は、処理槽1内で生ごみを好気性処理することにより、連続的にかつ大量に発生するアセトアルデヒド、硫化水素、トリメチルアミン、アンモニア等の悪臭を除去するものである。また、この脱臭器3は、処理槽1内から排出される約60度の排気ガスを200〜300度に加熱するヒータ31と、加熱した排気ガスを脱臭する触媒32とからなる。なお、触媒32としては、例えば、白金系触媒をポーラス状の担体に坦持させたものが用いられている。また、この脱臭器3は、配管33により処理槽1の後方上部に設けられた排気口25に連通されている。この排気口25における処理槽1内側の開口寸法は、左槽21及び右槽22の双方と連通するように、左右方向の寸法を大きくしている。
【0014】
この排気口25には、処理槽1内で舞い上がる微生物担体の粉塵が脱臭器3へ流れるのを防止するための排気ガス用フィルタ26が設けられている。また、この排気口25は、処理槽1の上面の開口部1aから着脱可能とするために、処理槽1上面の開口部1a近傍の後面側に配置され、かつ、図12に図示するA方向にスライドさせることにより着脱可能に取り付けられている。
【0015】
なお、図12及び図13には図示されていないが、この脱臭器3は、排気ガスを排出する送風機5とともに処理槽1の後方に配設されている。また、この排気ガス用フィルタ26は、仕切板20を跨いで左槽21及び右槽22の双方に延びており、一つで左槽21及び右槽22に共用されている。
【0016】
一方、このように排気ガスを排出するためには、処理槽1内に外気を取り入れることが必要であるが、外気導入路27は、処理槽1の前面上方中央部に設けられ、左槽21及び右槽22双方に共用されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の有機物処理装置においては、上述のように排出シュート7が外装ケース6から前方に突出していた。このため、この突出部分が、外装ケース6前方でいろいろな作業を行う上で障害物となっていた。また、この突出部分が存在することにより、有機物処理装置の前面から投入口61までの距離が長くなり、生ごみや微生物担体を投入するときの作業性が悪いという問題があった。
【0018】
また、処理槽1の排気口25が処理槽1上面の開口部1a近傍の後面側に配置されていたため、排気ガス用フィルタ26の取り付け位置が有機物処理装置の前面から遠くなり、排気ガス用フィルタ清掃のための作業性が悪いという問題があった。また、投入口の後方側にあるため、生ごみ投入時に排気ガス用フィルタ26が汚れ易く、排気ガス用フィルタ27の清掃が頻繁に必要となる点からも排気ガス用フィルタ清掃のための作業性を悪化していた。
【0019】
このように従来の有機物処理装置においては、運転に伴う日常業務の作業性について改善の余地が残されていた。
【0020】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、運転に伴う日常業務の作業性を改善した有機物処理装置を提供することを目的とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第1の手段は、外装ケースと、該外装ケース内に収納された生ごみ等の有機物を処理するための処理槽と、該処理槽の一側壁に設納された生ごみ等の有機物を処理するための処理槽と、該処理槽の一側壁に設けられた処理物を排出するための排出口と、該排出口から排出される処理物を前記外装ケースの外側に排出するための排出シュートとを備え、前記排出シュートは、一端が前記排出口に連通する基部と、一端が外装ケース外に露出する先端部とに分割され、該先端部は前記外装ケース内に対しスライド式に収納可能に形成されている。
【0024】
上記課題を解決するための第1の手段において、前記排出口を開閉自在に閉塞するシャッタに係止部を設け、シャッタを固定する固定部材に、前記係止部に係合する係合部を設けると共に、該係合部の係止部への係合状態を表示する表示手段を設けることが好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態について図1乃至図3に基づき説明する。なお、図1は本実施の形態に係る有機物処理装置の概略側断面図であり、排出シュートの先端部を外装ケース内に収納した状態を示し、図2は同じく本実施の形態に係る有機物処理装置の概略側断面図であり、排出シュートの先端部を外装ケースから外部に突出させた状態を示し、図3は、図1における排気用フィルタ部分の拡大図であり、排気用フィルタ着脱時の状態で示している。また、これら図面において、図11乃至図13に示した従来の有機物処理装置と同一又は対応する部分には同一の符号を付しその説明を省略する。
【0028】
本実施の形態の有機物処理装置も、従来例として図11乃至図13を用いて説明した有機物処理装置と同様、例えばコンビニエンスストア等において業務用として用いられる大型のものである。また、排出シュート周り、処理槽上面における排気口周り及び外気導入路の取付位置周りを除いては、この従来例と同一である。そこで、以下の説明においてはこれら相違する部分を中心に説明する。
【0029】
本実施の形態において、排出シュート70は、一端が排出口15に接続される基部71と、一端が外装ケース6の前面側外部に連通される先端部72とに分割されている。
【0030】
基部71は、従来のものと同一の断面形状(すなわち、左右方向に長い長方形であり、その大きさも同一)を備えたものである。ただし、その長さは、従来のものより短く形成されており、その先端が外装ケース6の前面部付近で終了する程度とされている。
【0031】
先端部72は、図1におけるB方向又は図2におけるC方向にスライド可能に形成されており、外装ケース6内に収納させた状態(図1の状態)又は外部に突出させた状態(図2の状態)を選択して維持できるように形成されている。
【0032】
また、先端部72は、このようにスライド可能とするために、垂直方向に配置される前板部73と、逆への字状に折り曲げた底板と、この底板の左右両端に形成されている側板とで断面コの字状の角形溝状に形成したガイド部74とを有し、これらが一体に構成されている。そして、この側板間に基部71の端部を挟んで受け入れることができるような寸法、形状とされている。
【0033】
また、ガイド部74の両側板の外側には、側方に突出する突出部75を有し、この突出部75が外装ケース6側に取り付けられた水平方向のガイドレール76により前後方向にスライド可能に支持されている。なお、前板部73の前面には、この先端部72をスライド式に引き出すときに使用するつまみ77が取り付けられている。
【0034】
したがって、処理槽1内の処理物を外部に排出しないときは、先端部72を外装ケース6内側(図2におけるC方向)へ押し込むことにより、図1のように、先端部72を外装ケース6内に収納することができる。また、処理槽1内の処理物を外部に排出するときは、つまみ77をつまんで先端部72を図1におけるB方向へ引き出すことにより、図2のように、先端部72の底板を基部71に当接させてガイド部74と基部71とが連続した状態とし、図2における実線矢印Dのように処理物を排出することができる。
【0035】
次に、本実施の形態において、処理槽1の排気口81は、処理槽1の開口部1a近傍の前面側に、処理槽1内に垂直面で開口するように配置されている。そして、その入口部に、排気ガス吸い込み面が垂直面となるように排気ガス用フィルタ82が配設されている。
【0036】
また、排気ガス用フィルタ82は、図3のように、下端部を回転軸として上下に回転可能に構成されたフィルタ枠83に保持されて取り付けられており、図3の状態においては排気ガス用フィルタ82を上方に持ち上げることにより、容易にフィルタ枠83から取り外しでき、また、排気ガス用フィルタ82を装着するときは、排気ガス用フィルタ82を図3の状態にあるフィルタ枠83の上に載せることにより装着可能に構成されている。なお、図3において、84はフィルタ枠83を図1のような状態に保持するためのローラキャッチャーである。
【0037】
一方、外気導入路27は、処理槽1の開口部1a近傍の後面側中央部に開口するように、処理槽1に対し接続されている。
【0038】
以上のように構成された本実施の形態によれば、排出シュート70を、一端が排出口15に接続される基部71と、一端が外部に連通される先端部72とに分割し、この先端部72を前記外装ケース6内に収納可能に形成しているので、先端部72を外装ケース6内に収納している限り、作業上の障害となる排出シュート70の突出を回避することができる。また、このように排出シュート70の突出を回避することにより、有機物処理装置の前面から投入口61までの距離が短くなるため、生ごみや微生物担体を投入するときの作業が楽になり、その作業性が改善される。なお、先端部72を引き出したときには、基部71と先端部72とが連続した排出シュートとして構成されるので、処理物が途中で漏れるようなこともない。
【0039】
また、先端部72は、外装ケース6内にスライド式に収納する構成としているので、簡易な構造として製作することができる。
【0040】
また、処理槽1の排気口81が処理槽1の開口部1a近傍の前面側に配置され、更に、排気ガス用フィルタ82が処理槽1の開口部1aを通して、排気口81から着脱可能に設置されているので、排気ガス用フィルタ82の取付位置が有機物処理装置の前面から近くなり、排気ガス用フィルタ82清掃のための作業が容易となる。また、生ごみや微生物担体を投入口61から投入するとき、排気ガス用フィルタ82がこの投入方向と逆方向の位置、つまり処理槽1上面の開口部1a近傍の前面側に位置するため、排気ガス用フィルタ82を汚すことが少なくなる。この結果、排気ガス用フィルタ82の清掃頻繁を少なくすることができ、排気ガス用フィルタ82の清掃作業の能率を向上することができる。
【0041】
つぎに、本発明の第2の実施の形態について、図4及び図5に基づき説明する。
この実施の形態は、第1の実施の形態における排出シュートを他の形式に変更したものであって、処理槽1の高さが異なる点を除いては、基本的に第1の実施の形態と同様のものである。以下の説明では、第1の実施の形態と相違する排出シュートについてのみ説明する。なお、図4は本実施の形態に係る有機物処理装置の概略断面図であり、排出シュートの先端部を外装ケース内に収納した状態を示し、図5は同じく本実施の形態に係る有機物処理装置の概略断面図であり、排出シュートの先端部を外装ケース内から突出させた状態を示す。また、これら図面において、図1乃至図3に示した第1の実施の形態の有機物処理装置と同一又は対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0042】
本実施の形態における排出シュート90は、一端が排出口15に接続される基部91と、一端が外装ケース6の前面側外部に連通される先端部92とに分割されている。
【0043】
基部91は、従来のものと同一の断面形状(すなわち、左右方向に長い長方形であり、その大きさも同一)を備えたものである。ただし、その長さは、従来のものより短く、その先端が外装ケース6の内側で終了している。
【0044】
先端部92は、外装ケース6の前面部に位置する支点90a及び基部91の先端部に位置する支点90bを中心に回転可能に形成されており、外装ケース6内に収納させた状態(図4の状態)又は外部に突出させた状態(図5の状態)を選択して維持できるように形成されている。
【0045】
すなわち、先端部92は、前板部93と、底板と、底板の左右両端の側板とで断面を角形溝状に形成され、この側板間に基部91の端部を挟んで受け入れることができるような寸法、形状としたガイド部94とを有する。そして、支点90aを中心として前板部93を回転可能とし、支点90bを支点としてガイド部94を回転可能とし、更に、前板部93とガイド部94とを、回転ローラ95及びこの回転ローラ95をスライドさせるガイド部材からなる相対位置調整機構により連結している。また、この相対位置調整機構にはダンパー99が用いられており、このダンパー99の作用により、先端部92を図4及び図5の位置に保持可能としている。なお、前板部93の前面には、この先端部92を回転式に引き出すときに使用するつまみ97が取り付けられている。
【0046】
したがって、処理槽1内の処理物を外部に排出しないときは、先端部92を外装ケース6内側へ折り畳むことにより、図4のように、先端部92を外装ケース6内に収納することができる。また、処理槽1内の処理物を外部に排出するときは、つまみ97をつまんで先端部92を前方側へ回転させて引き伸ばすことにより、図5のように、先端部92のガイド部94を基部91に連続させた状態とし、図5における実線矢印Eのように処理物を排出することができる。
【0047】
以上のように構成された本発明の第2の実施の形態によれば、排出シュート90を、一端が排出口15に接続される基部91と、一端が外部に連通される先端部92とに分割し、この先端部92を前記外装ケース6内に収納可能に形成しているので、先端部92を外装ケース6内に折り畳んで収納している限り、作業上の障害となる排出シュート90の突出を無くすことができる。
【0048】
また、このように排出シュート90の突出を回避することにより、有機物処理装置の前面から投入口61までの距離が短くなるため、生ごみや微生物担体を投入するときの作業が楽になり、その作業性が改善される。なお、先端部92を引き伸ばして突出させたときには、基部91と先端部92とが連続した排出シュートとして構成されるので、処理物が途中で漏れるようなこともない。
【0049】
また、先端部92は、外装ケース6内に折畳み式に収納する構成としているので、簡易な構造として製作することができる。
【0050】
つぎに、本発明の第3の実施の形態について、図6乃至図10に基づき説明する。この実施の形態は、第2の実施の形態における排出シュートを他の形式に変更したものである。以下の説明では、第2の実施の形態と相違する排出シュートについてのみ説明する。なお、図6は本実施の形態に係る有機物処理の排出シュートの先端部を外装ケース内に収納した状態を示し、図7は本実施の形態に係る有機物処理の排出シュートの先端部を外装ケース内から突出させた状態を示す。図8は本実施の形態に係る有機物処理の排出口を排出シャッタで閉塞した状態を示し、図9は本実施の形態に係る有機物処理の排出口を開放した状態を示す。図10は本実施の形態に係る有機物処理の排出シュート周辺の状態を示す。
【0051】
図4及び図5に示した第2の実施の形態の有機物処理装置と同一又は対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0052】
本実施の形態における排出シュート100は、一端が排出口15に接続される基部101と、一端が外装ケース6の前面側外部に連通される断面形状が上方を開放した略コ字状の先端部102とに分割されている。
【0053】
基部101は、従来のものと同一の断面形状(すなわち、左右方向に長い長方形であり、その大きさも同一)を備えたものである。ただし、その長さは、従来のものより短く、その先端が外装ケース6の内側で終了している。
【0054】
先端部102は、支点103を中心に回転可能に形成されており、外装ケース6内に収納させた状態(図6の状態)又は外部に突出させた状態(図7の状態)を選択して維持できるように形成されている。104は基部101に設けられた係止部材、105は先端部102に設けられた係合部材で、係合部材105を係止部材104に係合させることにより、先端部102が外装ケース6内に収納させた状態を維持できるようになっている。
【0055】
従って、処理槽1内の処理物を外部に排出しないときは、先端部102を上方に回動させて外装ケース6内側へ折り畳み基部101に保持することにより、図6のように、先端部102を外装ケース6内に収納することができる。また、処理槽1内の処理物を外部に排出するときは、先端部102を下方へ回転させて引き伸ばすことにより、図7のように、先端部102を基部101に連通させた状態として処理物を排出することができる。
【0056】
以上のように構成された本発明の第3の実施の形態によれば、先端部102を外装ケース6内に折り畳んで収納している限り、作業上の障害となる排出シュート100の突出を無くすことができる。
【0057】
また、このように排出シュート100の突出を回避することにより、有機物処理装置の前面から投入口61までの距離が短くなるため、生ごみや微生物担体を投入するときの作業が楽になり、その作業性が改善される。なお、先端部102を回動させて突出させたときには、基部101と先端部102とが連続した排出シュートとして構成されるので、処理物が途中で漏れるようなこともない。
【0058】
また、先端部102は、外装ケース6内に折畳み式に収納する構成としているので、簡易な構造として製作することができる。さらに、先端部102の上方は開放されているため、処理物の排出状態を容易に目視することができると共に、処理物が詰った状態になっても容易にメンテナンスすることができる。
【0059】
また、本実施の形態においては排出口15を開閉自在に閉塞する排出シャッタ17を固定する固定ピン106に、排出シャッタ17を固定した状態を表示する表示手段107を設けた構成になっている。
【0060】
排出口15を排出シャッタ17が閉塞した状態では、排出シャッタ17に形成された貫通孔108に固定ピン106が貫通し、排出シャッタ17が開放した状態では、排出シャッタ17に形成された擂鉢状の凹所109に固定ピン106が当接するようになっている。また、固定ピン106はバネ110により排出シャッタ17側に付勢されるようになっている。
【0061】
図8は排出口15を排出シャッタ17で閉塞した状態を示す。この状態では貫通孔108に固定ピン106が挿入された状態になっているため、固定ピン106を手前に引いて開閉レバー18を操作しない限り、排出口15を開放することができず、有機物処理運転中に排出口15が誤って開放することはない。また、この状態では、表示手段107はプレート111に当接しているため、排出口15の閉塞状態を容易に目視により確認できるようになっている。
【0062】
図9は排出口15を開放した状態を示す。この状態では擂鉢状の凹所109に固定ピン106が係止した状態になっているため、固定ピン10が手前に移動し、
表示手段107はプレート111から離れるため、排出口15の開放状態を容易に目視により確認できるようになっている。
【0063】
また、固定ピン106は擂鉢状の凹所109に係止しているだけなので、固定ピン開閉106を手前に引くことなく、開閉レバー18を操作するだけで係止状態を解除することができるため、排出口15の閉塞作業を容易に行えることができるようになっている。
【0064】
尚、本発明の第1の実施の形態乃至第3の実施の形態においては、処理槽1内の収納物を外装ケース6外に排出する排出シュートを外装ケース6の長手方向に設けたが、図14に示す如く、排出シュートを外装ケースの短手方向に設けた構成にしても第1の実施の形態乃至第3の実施の形態と同様な作用効果を奏する。
【0065】
【発明の効果】
本発明の請求項1の構成によると、排出シュートを、一端が前記排出口連通される基部と一端が外装ケース外に露出する先端部とに分割し、この先端部を外装ケース内に収納可能に形成しているので、外装ケース周辺での作業において、従来障害となっていた突起部をなくすことができる。また、この突出部分をなくすことにより、有機物処理装置の前面から投入口までの距離が短くなり、生ごみや微生物担体を投入するときの作業性を改善することができる等の効果を奏する。しかも、排出シュートの先端部を外装ケースに対しスライド式収納可能としているため、簡易な構造で外装ケース内に収納可能とすることができる等の効果を奏する。
【0068】
本発明の請求項2の構成によると、シャッタにより確実に排出口を閉塞することができると共に、排出口の閉塞状態を容易に目視確認できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る有機物処理装置の概略側断面図であり、排出シュートの先端部を外装ケース内に収納した状態を示す。
【図2】第1の実施の形態に係る有機物処理装置の概略側断面図であり、排出シュートの先端部を外装ケースから外部に突出させた状態を示す。
【図3】第1の実施の形態に係る有機物処理装置の排気用フィルタ部分の拡大図であり、排気用フィルタ着脱時の状態で示している。
【図4】第2の実施の形態に係る有機物処理装置の概略断面図であり、排出シュートの先端部を外装ケース内に収納した状態を示す。
【図5】第2の実施の形態に係る有機物処理装置の概略側断面図であり、排出シュートの先端部を外装ケースから外部に突出させた状態を示す。
【図6】第3の実施の形態に係る有機物処理装置の概略側断面図であり、排出シュートの先端部を外装ケース内に収納した状態を示す。
【図7】第3の実施の形態に係る有機物処理装置の概略側断面図であり、排出シュートの先端部を外装ケースから外部に突出させた状態を示す。
【図8】第3の実施の形態に係る有機物処理装置の概略側断面図であり、排出口を排出シャッタで閉塞した状態を示す。
【図9】第3の実施の形態に係る有機物処理装置の概略側断面図であり、排出口を開放した状態を示す。
【図10】第3の実施の形態に係る有機物処理装置の要部斜視図。
【図11】従来の有機物処理装置の基本的システム図である。
【図12】従来の有機物処理装置の処理槽周りの構成を説明するための側断面図である。
【図13】従来の有機物処理装置の処理槽周りの構成を説明するための平面図である。
【図14】排出シュートを外装ケースの短手方向に設けた有機物処理装置を示す図である。
【符号の説明】
1 処理槽
1a 開口部
2 処理槽
3 脱臭器
6 外装ケース
15 排出口
17 排出シャッタ
25 排気口
26 排気ガス用フィルタ
61 投入口
70 排出シュート
71 基部
72 先端部
81 排気口
82 排気ガス用フィルタ
90 排出シュート
91 基部
92 先端部
Claims (2)
- 外装ケースと、該外装ケース内に収納された生ごみ等の有機物を処理するための処理槽と、該処理槽の一側壁に設けられた処理物を排出するための排出口と、該排出口から排出される処理物を前記外装ケースの外側に排出するための排出シュートとを備え、前記排出シュートは、一端が前記排出口に連通する基部と、一端が外装ケース外に露出する先端部とに分割され、該先端部は前記外装ケース内に対しスライド式に収納可能に形成されていることを特徴とする有機物処理装置。
- 前記排出口を開閉自在に閉塞するシャッタに係止部を設け、シャッタを固定する固定部材に、前記係止部に係合する係合部を設けると共に、該係合部の係止部への係合状態を表示する表示手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の有機物処理装置。
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