図1は、本発明に係る生ごみ処理装置の一実施形態を示す一部切り欠き斜視図であり、前面側から見た状態を示している。なお、図1において、X−X方向を幅方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を第1側方、+X方向を第2側方、−Y方向を前方、+Y方向を後方(または背面側)という。図1に示すように、生ごみ処理装置10は、外装ハウジング11と、この外装ハウジング11に内装された処理装置本体12とを備えた二重構造を呈している。外装ハウジング11は、処理装置本体12を全体的に覆って生ごみ処理装置10の外観視を全体的に美麗にするとともに、生ごみ処理装置10からの異質の漏水を防止し、さらに、処理装置本体12内で生じる騒音が外部に漏洩するのを抑えるためのものである。
かかる外装ハウジング11は、側面視で略下半分が矩形状を呈した直方体形状を有しているとともに、略上半分が前方側に先下がりの傾斜が形成された台形状を呈し、平面視で矩形状の底板111と、この底板111の前縁部から立設された前面板112と、底板111の幅方向の両側縁から立設された幅方向一対の側板113と、前記前面板112の上縁部から延設されて一対の側板113の傾斜縁部間に架設された傾斜板114と、この傾斜板114の上縁部から後方に向けて延設されて一対の側板113の上縁部間に架設された天板115と、底板111の後縁部から立設されて一対の側板113の後縁部間に架設された背面板116とからなっている。
前記前面板112には、その中央位置に矩形状を呈した矩形開口112aが設けられているとともに、この矩形開口112aを開閉するための開閉扉112bが設けられている。また、前記傾斜板114には、その中央位置に矩形状を呈した生ごみ投入口114aが開口されているとともに、この生ごみ投入口114aを開閉するための投入口用扉114bが設けられている。
さらに、前記第2側方側の側板113には、前後方向の略中央部の上方位置に後述する集塵器40を出し入れするためのメンテナンス開口113aが開口されているとともに、このメンテナンス開口113aを開閉自在に閉止するメンテナンス開口用扉113bが設けられている。加えて、前記第1側方側の側板113には、前後方向の略中央部における上方位置に外気を取り入れる外気取入れ口113cが開口されている。
なお、特に側板113に外気取入れ口113cを設けずに、外装ハウジング11の各所の隙間から外気を吸入させるようにしたり、底板111を例えばパンチングメダルで形成し、このパンチングメダルの穿設孔から外気を吸入させるようにしてもよい。
図2および図3は、このような外装ハウジング11に内装される処理装置本体12の一実施形態を示す斜視図であり、図2は、前面側から見た状態、図3は、背面側から見た状態をそれぞれ示している。なお、図2および図3においてXおよびYによる方向表示は図1の場合と同様である。
図2および図3に示すように、処理装置本体12は、外装ハウジング11内で底板11
1上に据え付けられる内装ハウジング(処理槽)20と、この内装ハウジング20に内装される攪拌部材30、集塵器(集塵器)40および脱臭装置50と、前記内装ハウジング20の外側に設けられる駆動モータ60、吸引ブロワ70および消音ボックス80とを備えた基本構成を有している。
前記内装ハウジング20は、曲率中心線が幅方向に延びる側面視で円弧状を呈した円弧底板21と、この円弧底板21の前方上縁部から上方に向かって延設された前面板22と、前記円弧底板21の幅方向の両側縁から上方に向かって延設された幅方向一対の側板23と、前記円弧底板21の後方上縁部から上方に向かって延設された背面板24とからなっている。前記円弧底板21の内面側に生ごみを攪拌して当該生ごみに乾燥処理を施す攪拌空間Vが形成されている。
内装ハウジング20の円弧底板21の曲率径(直径)寸法は、前記外装ハウジング11の前面板112と背面板116との間の内寸法より若干短めに設定されているとともに、円弧底板21の長さ寸法(幅方向の寸法)は、外装ハウジング11の一対の側板113間の内寸法より若干短めに設定されている。また、内装ハウジング20の前面板22の上縁部の高さ位置は、外装ハウジング11の前面板112の上縁部の高さ位置より若干低めに設定されているとともに、内装ハウジング20の側板23の上縁部の高さ位置は、外装ハウジング11の背面板116の上縁部の高さ位置より若干低めに寸法設定されている。
このような内装ハウジング20の寸法設定によって、当該内装ハウジング20は、余裕をもって外装ハウジング11に内装されるようになっている。そして、かかる内装ハウジング20の上面は開放状態の開放面201とされ、外装ハウジング11の生ごみ投入口114aから投入された生ごみは、この開放面201を介して内装ハウジング20内に収容されるようになっている。
また、内装ハウジング20の前面板22には、前記外装ハウジング11の矩形開口112aと対向した幅方向に長尺の処理物取出し口221が開口されているとともに、開閉自在にこの処理物取出し口221を閉止する閉止扉222が設けられている。閉止扉222は、上縁部が連結された蝶板の軸回りに回動自在に軸支され、下縁部の適所に設けられた取っ手223を把持して回動操作することにより開放されるようになっている。また、取っ手223の下縁部にはロック部材が設けられ、このロック部材のロック操作で閉止扉222の開放が阻止されるようになっている。
また、前記第1側方側の側板23には、前後方向の略中央部における上方位置に、前記外装ハウジング11の外気取入れ口113cと対向した状態で空気取入れ口232が開口されている。この空気取入れ口232は、後述する仕切板26の若干前方に設けられ、空気取入れ口232を介して内装ハウジング20内に導入された空気は、生ごみとの接触で含塵気体になり、集塵器40へ吸引される。
さらに、内装ハウジング20の前面板22における処理物取出し口221の直下方位置には、前方に向かって先下がりに傾斜した案内シュート224が設けられ、内装ハウジング20内から導出された処理物は、開閉扉112bが開放された状態でこの案内シュート224に案内されつつ外装ハウジング11の矩形開口112aを介して外部へ運び出されるようになっている。
前記攪拌部材30は、内装ハウジング20の攪拌空間Vに供給された生ごみに対して攪拌処理を施すものであり、内装ハウジング20の、下部が円弧状を呈した一対の側板23の曲率中心位置間に貫通架設された攪拌軸31と、この攪拌軸31から径方向に突設された複数本の攪拌ロッド32とからなっている。各攪拌ロッド32は、長さ寸法が円弧底板
21の曲率径寸法より若干短めに設定され、これによって先端部が円弧底板21の内面と離間状態で攪拌軸31回りに一体回転し得るようになっている。かかる攪拌部材30は、前記駆動モータ60によって駆動回転するようになされている。
前記集塵器40は、攪拌空間V内で攪拌部材30による生ごみの攪拌により発生した粉塵を除去するものであり、外観視で直方体状の箱形を呈し、本実施形態においては、第2側方側の側板23の上方位置における内面側(すなわち内装ハウジング20内)に着脱自在に設けられている。本実施形態においては、集塵器40として慣性集塵構造のものが適用されているが、かかる集塵器40の詳細については後に詳述する。
そして、攪拌空間V内の含塵気体は、下面から上向流として集塵器40内に導入されるようになっている。また、攪拌空間V内の含塵空気を集塵器40へ案内するために、第2側方側の側板23の傾斜縁部の内側には、当該傾斜縁部に沿って前後方向に延びる所定幅寸法の集塵フード27が設けられ、この集塵フード27によって攪拌空間V内の含塵気体が集塵器40の近傍に効果的に集められるようになっている。
図5は、集塵器40の装着構造を説明するための内装ハウジング20の部分拡大斜視図である。図5におけるXおよびYによる方向表示は、図1の場合と同様である。図5に示すように、第2側方側の内装ハウジング20の側板23における前記外装ハウジング11の側板113のメンテナンス開口113a(図1)と対向した位置には、外側から集塵器40を嵌挿するための矩形状を呈した集塵器嵌挿口(開口)231が設けられているとともに、当該側板23の内面側には、集塵器40を支持するフード部材25が設けられている。
このフード部材25は、下面に含塵気体を受け入れるための開口252を有するとともに、第2側方側の面が前記集塵器嵌挿口231に臨み、かつ、集塵器嵌挿口231より若干広い直方体状を呈した集塵器装着部251と、この集塵器装着部251から上方に向けて延設されたフード部255とからなっている。前記集塵器装着部251は、平面視でコ字状を呈した囲い板253を有し、この囲い板253は、奥行き寸法(幅方向の寸法)が集塵器40の奥行き寸法より僅かに長めに設定され、これによって集塵器40は、集塵器装着部251内に着脱自在に収納可能になっている。
このような囲い板253には、第1側方側の下縁部から下方に垂下された垂下板254が設けられ、空気取入れ口232を介して内装ハウジング20内に導入された気体は、この垂下板254と干渉することにより下方へ回り込んだ状態で開口252を介してフード部材25内に導入され、これによって攪拌中の生ごみDと気体との接触がより効果的に行われるようにしている。
前記フード部255は、集塵器装着部251の上面開口を覆うものであり、上面に形成された後方へ向かって先上がりの傾斜天板256を有している。一方、フード部255の直ぐ後方位置における一対の側板23間には仕切板26が架設されている。この仕切板26には、フード部255の後方開口に対応した位置に連絡開口261が設けられ、集塵器40で集塵処理が施された含塵気体は、脱塵気体となってフード部255および連絡開口261を介し仕切板26の背面側に設けられた脱臭装置50へ向けて送り出されるようになっている。
前記脱臭装置50は、集塵器40において含塵気体に集塵処理が施されることによって形成された脱塵気体にさらに脱臭処理を施すものであり、図2に示すように、前記仕切板26の背面に沿った状態で一対の側板23間に架設された幅方向に長尺の直方体状のケーシング51を備えて構成されている。前記ケーシング51には、通電発熱体によって気体
を加熱するヒータと、このヒータによって加熱された気体との接触によって脱臭処理を施す酸化触媒とが直列で内装されている。
かかる脱臭装置50のケーシング51の下流端の背面側には、図3に示すように、脱臭済みの気体を導出するための連結管52が接続されている。一方、内装ハウジング20の円弧底板21には、その外面の全面を覆うように形成された熱交換用の空気ジャケット28が設けられ、前記連結管52は、その下流端が空気ジャケット28の背面側の上端部に接続されている。したがって、脱臭装置50においてヒータにより加熱処理の施された脱臭処理後の気体は、連結管52を介して空気ジャケット28に供給され、この空気ジャケット28内を流下する間に攪拌空間V内の生ごみと熱交換され、生ごみは、この熱交換による温度調節で微生物が活発に活動する状況下に置かれるようになされている。
前記駆動モータ60は、攪拌空間V内の生ごみを攪拌するための前記攪拌部材30に駆動回転を付与するためのものであり、図3に示すように、駆動軸が幅方向に延びる状態で横置きされ、外装ハウジング11の底板111に据え付けられている。かかる駆動モータ60の駆動軸は、第1側方側に延ばされているとともに、この駆動軸にプーリ61が同心で一体的に装着されている。一方、第1側方側の側板23を貫通した攪拌軸31にも同心で一体にプーリ62が装着され、これら両プーリ61,62間に無端ベルト63が張設されている。したがって、駆動モータ60を駆動することにより、この駆動は、駆動モータ60側のプーリ61、無端ベルト63および攪拌部材30側のプーリ62を介して攪拌軸31に伝達され、これによる攪拌ロッド32の攪拌軸31回りの一体回転によって攪拌空間V内の生ごみが攪拌処理されることになる。
前記吸引ブロワ70は、前記集塵器40、脱臭装置50および空気ジャケット28を介して攪拌空間V内の気体を吸引するためのものであり、内装ハウジング20の外側における第2側方側の側板23の後方位置において外装ハウジング11の底板111上に据え付けられている。かかる吸引ブロワ70は、ブロワ用モータ701の駆動による図略の吸引羽根の軸心回りの回転で吸引力をえるようになっている。
一方、第2側方側の側板23に臨んだ空気ジャケット28の下流端には、空気ジャケット28内の空気を導出するための排気ポート72が設けられ、この排気ポート72と前記吸引ブロワ70との間には上流側排気管71が介設されている。したがって、吸引ブロワ70を駆動することにより、攪拌空間V内の気体が集塵器40、脱臭装置50、連結管52、空気ジャケット28、排気ポート72および上流側排気管71を介して吸引ブロワ70に吸引され、消音ボックス80へ向けて排気されることになる。
前記消音ボックス80は、ブロワ用モータ701の回転音等の騒音を消音するものであり、前記吸引ブロワ70から第1側方側に向けて導出された下流側排気管73に接続されている。この消音ボックス80は、内部が空洞の直方体状の箱体によって形成され、消音ボックス80内における音波の干渉によって減衰させて消音するようになされている。かかる消音ボックス80は、下面が開放状態とされているとともに、下縁部が密着状態で外装ハウジング11の底板111に固定されている一方、底板111には、消音ボックス80内に連通した排気孔81が穿設され、消音ボックス80内で消音処理の完了した気体は、この排気孔81を介して外部に排気されるようになっている。
なお、外装ハウジング11の底板111の下面には、図略の支持突起が突設され、これによって生ごみ処理装置10が据え付けられた床面と底板111との間に隙間が形成され、排気孔81を介して排気された清浄気体がこの隙間を通って外部に排出されるようになっている。
図4は、空気の流れに注目して模式的に示した生ごみ処理装置10の説明図であり、Xによる方向表示は図1の場合と同様である。また、図4において空気の流れを太線矢印および太い点線矢印で示している。因みに、図4では、空気の流れを説明する便宜上吸引ブロワ70を外装ハウジング11内における内装ハウジング20の第2側方側に示したため、集塵器40を内装ハウジング20内に設けたにも拘らず外装ハウジング11が大きく誇張して示されているが、実際は吸引ブロワ70が内装ハウジング20の背面側(図4の紙面の裏側)に設けられるため、外装ハウジング11が図示されている程大きくならない。
図4に示すように、内装ハウジング20の攪拌空間V内に収容された生ごみDは、駆動モータ60の駆動によるプーリ61、無端ベルト63およびプーリ62を介した攪拌部材30の攪拌軸31回りの回転で攪拌ロッド32により攪拌された状態になっている。
一方、吸引ブロワ70の駆動による吸引力の発生で当該吸引ブロワ70と連通した内装ハウジング20の攪拌空間V内が負圧になっている。したがって、外気が外装ハウジング11の外気取入れ口113cおよび内装ハウジング20の空気取入れ口232を介して攪拌空間V内に導入されることになる。
そして、この攪拌空間V内に導入された空気は、当該攪拌空間V内において生ごみDの直上位置を第1側方側から第2側方側に向けて流通して含塵気体になる。この含塵気体は、集塵器40に導入され、この集塵器40内で慣性集塵による集塵処理が施されたのち脱塵気体となって脱臭装置50へ導入される。脱臭装置50に導入された脱塵気体は、当該脱臭装置50内でまずヒータにより所定の温度に加熱され、引き続き酸化触媒との接触による脱臭処理が施されて清浄気体になる。
ついで、この清浄気体は、脱臭装置50の下流端から連結管52を介して空気ジャケット28内に導入される。この空気ジャケット28内に導入された清浄気体は、当該空気ジャケット28内を蛇行しながら流下し、この間に攪拌空間V内の生ごみDと熱交換して自身は冷却されながら生ごみDを微生物の活動が活発になる温度に温度調節する。
そして、生ごみDとの熱交換が終了した清浄気体は、空気ジャケット28の下流端から上流側排気管71、吸引ブロワ70および下流側排気管73を介して消音ボックス80に導入され、この消音ボックス80内での消音処理を経たのち外装ハウジング11の底板111に設けられた排気孔81を介して外部に排気される。
つぎに、集塵器40について、図6を基に詳細に説明する。図6は、集塵器40の一実施形態を示す一部切り欠き斜視図であり、(イ)は、フィルター押え枠および下部邪魔板の双方が閉じられた状態、(ロ)は、フィルター押え枠が開かれた状態をそれぞれ示している。なお、図6におけるXおよびYによる方向表示は、図1の場合と同様である。また、図6の(ロ)では、集塵器40の説明のためにフィルター押え枠および下部邪魔板の双方が開かれた状態を示しているが、実際の操業において双方が同時に開かれることはない。
図6に示すように、集塵器40は、上面および下面が開放状態の角筒状の集塵器本体41と、この集塵器本体41に内装される邪魔板42と、集塵器本体41の上面開口位置に設けられるフィルター装着枠45とを備えた基本構成を有し、平面視で長方形状を呈している。
集塵器本体41は、前後方向一対の側板411と、これら一対の側板411の第2側方側の端縁間に架設された化粧板413と、同側板411の第1側方側の端縁間に架設された奥板412とからなっている。各側板411の上下寸法は、内装ハウジング20の側板
23に設けられた集塵器嵌挿口231(図4)の上下寸法より僅かに短く寸法設定されている。また、奥板412は、上下寸法が側板411の上下寸法と同一に設定されているとともに、前後幅寸法が集塵器嵌挿口231の前後長より僅かに短く寸法設定されている。
これに対し、化粧板413は、奥板412より上下長および前後長の双方が長く設定され、これによって集塵器嵌挿口231から内装ハウジング20内に入り込まないようになされている。かかる化粧板413の外面側には取っ手49が設けられ、この取っ手49を把持して集塵器40を内装ハウジング20から引き出し得るようになっている。また、化粧板413の前端部および後端部には、前後幅方向一対の係止突片413aがそれぞれ設けられている。そして、集塵器40が集塵器嵌挿口231から内装ハウジング20内に押し込まれた状態で、これら一対の係止突片412aが内装ハウジング20の側板23に設けられた図略の受け金具に係止され、これによって集塵器40の内装ハウジング20に対する収納状態が安定するようになされている。
邪魔板42は、一対の上部邪魔板43と、この上部邪魔板(第2の邪魔板)43の下方に設けられた下部邪魔板(第1の邪魔板)44とからなっている。上部邪魔板43は、一対の側板411間におけるフィルター装着枠45より若干下方位置の第1側方側に架設された第1上部邪魔板431と、同第2側方側に架設された第2上部邪魔板432とからなっている。
第1上部邪魔板431は、前後方向に延びる第1側方側の縁部(基端縁部)が奥板413に当接された状態で先端側(第2側方側)が先下がりに傾斜して設けられている一方、第2上部邪魔板432は、前後方向に延びる第2側方側の縁部(基端縁部)が化粧板412に当接された状態で先端側(第1側方側)が先下がりに傾斜している。そして、第1および第2上部邪魔板431,432は、先端縁部間に前後方向に延びる中央部隙間433が形成されるように幅方向の寸法が設定されている。
下部邪魔板44は、第1上部邪魔板431の下方位置で当該第1上部邪魔板431と平行に側板411間に架設された第1下部邪魔板441と、第2上部邪魔板432の下方位置で当該第2上部邪魔板432と平行に側板411間に架設された第2下部邪魔板442とからなっている。
第1下部邪魔板441は、上縁部が奥板412から若干離間した位置において側板411間に架設された第1架設軸441a回りに回動自在に軸支され、第1上部邪魔板431と平行になった傾斜姿勢と、第1架設軸441aから垂下した垂下姿勢との間で姿勢変更可能になっている。また、第2下部邪魔板442は、上縁部が化粧板412から若干離間した位置において側板411間に架設された第2架設軸442a回りに回動自在に軸支され、第2上部邪魔板432と平行になった傾斜姿勢と、第2架設軸442aから垂下した垂下姿勢との間で姿勢変更可能になっている。第1下部邪魔板441と奥板412との間および第2下部邪魔板442と化粧板413との間には、前後方向に延びた端部隙間443がそれぞれ形成されている。
また、第1下部邪魔板441の図6(イ)における第1側方側の前後方向中央部および第2下部邪魔板442の同第2側方側の前後方向中央部には、干渉突片444がぞれぞれ突設されている。第1下部邪魔板441の干渉突片444は、第1下部邪魔板441が第1上部邪魔板431と平行になった状態で奥板412と干渉して(当接して)それ以上の上方へ向かう回動が阻止されるとともに、第2下部邪魔板442の干渉突片444は、第2下部邪魔板442が第2上部邪魔板432と平行になった状態で化粧板412と干渉して(当接して)それ以上の上方へ向かう回動が阻止され、これによって後述の開放隙間446が閉止されるようになっている。
そして、第1および第2架設軸441a,442aには、第1および第2下部邪魔板441,442を上方へ向かわせるように付勢するコイルスプリング445がそれぞれ外嵌されている。したがって、普段、第1および第2下部邪魔板441,442は、コイルスプリング445の付勢力によって各先端縁部がそれぞれ当接した傾斜姿勢に姿勢設定される一方、所定の重量が加わることによって第1および第2架設軸441a,442a回りにそれぞれ下方に向かって回動し、各先端部間に開放隙間446が形成されるようになっている。
そして、本実施形態においては、前記コイルスプリング445は、下部邪魔板44上に所定の重量の粉塵が堆積した状態で開放隙間446が形成されるように付勢力が張設されている。したがって、下部邪魔板44上に所定の重量の粉塵が堆積することにより、第1および第2下部邪魔板441,442は、それぞれ第1および第2架設軸441a,442a回りに互いに反対方向に回動し、これによって形成された開放隙間446を介して攪拌空間V内に落下するようになっている。
前記フィルター装着枠45は、多孔質なシート体からなるフィルター46を装着するためのものであり、上部装着枠451と、下部装着枠452とからなっている。これら上部および下部装着枠451,452は、平面視で集塵器本体41に対応した矩形状を呈し、それぞれ枠内を横断するように形成された十字状の桟材453を有している。
前記下部装着枠452は、集塵器本体41における上部邪魔板43の若干上方位置に嵌め込まれて固定されている一方、上部装着枠451は、集塵器本体41の上面位置に開閉自在に装着され、図6の(イ)に示す閉止姿勢と、図6の(ロ)に示す開放姿勢との間で姿勢変更可能になっている。そして、フィルター46は、図6の(イ)に示すように、上部装着枠451が閉止姿勢に姿勢設定された状態で、上部および下部装着枠451,452間に挟持されることにより、集塵器40に装着されるようになっている。フィルター46を交換するときは、上部装着枠451が、図6の(ロ)に示すように、開放姿勢に姿勢変更される。
図7は、集塵器内における含塵気体の蛇行の状態を示す説明図であり、(イ)は、本実施形態に係る集塵器40に関するものであり、(ロ)は、後述する他の実施形態に係る集塵器40′に関するものである。本実施形態に係る集塵器40においては、集塵器本体41の下面の開口から集塵器40内に導入された含塵気体は、V字状の下部邪魔板44によって図7における左右に分離され、左右の端部隙間443を通り、引き続き第1および第2上部邪魔板431,432の各先端間の上部邪魔板43を通過することによって蛇行するようになっている。
以上のように構成された集塵器40によれば、当該集塵器40が内装ハウジング20の側板23に設けられた集塵器嵌挿口231を介して仕切板26(図4)内に嵌挿された当初は、下部邪魔板44に粉塵が堆積されていないため、第1および第2下部邪魔板441,442は、図6の(イ)に示すように、いずれも傾斜姿勢に姿勢設定されている。
この状態で、生ごみ処理装置10の操業が実行されることにより、図4に示すように、生ごみDが攪拌空間V内で攪拌ロッド32により攪拌され、これによって攪拌空間V内で発生した粉塵を含む含塵気体は、吸引ブロワ70の吸引力により集塵器本体41の下面開口から集塵器40内に導入される。
そして、集塵器40内に導入された含塵気体は、傾斜姿勢に姿勢設定されている第1および第2下部邪魔板441,442の下面の傾斜に案内されて第1および第2側方の各端
部隙間443を通って第1および第2上部邪魔板431,432と衝突し、このときの慣性力によって含塵気体中の粉塵が気体から分離されて落下し、下部邪魔板44上に堆積されていく。
上部邪魔板43に衝突した後の含塵気体は、第1および第2上部邪魔板431,432間に形成された中央部隙間433を通って上部邪魔板43の上方の空間に導入され、ここでフィルター46の下面と衝突することにより、粗い粉塵は気体中から分離されて落下し、第1および第2上部邪魔板431,432上に落下する一方、微細な粉塵はそのまま気流に同伴してフィルター46内に侵入して当該フィルター46に捕捉される。そして、フィルター46を透過した脱塵気体は、脱臭装置50へ向けて送り出されることになる。
一方、第1および第2上部邪魔板431,432上に堆積した粉塵は、所定の量になると団塊化し、第1および第2上部邪魔板431,432の傾斜面を滑って下方へ移動し、中央部隙間433を介して下部邪魔板44上に落下する。
そして、下部邪魔板44上の粉塵量が予め設定された重量を越えると、その重みで第1および第2下部邪魔板441,442がそれぞれコイルスプリング445の付勢力に抗して第1および第2架設軸441a,442a回りに反対方向(先端が離間する方向)に回動し、これによって第1および第2下部邪魔板441,442間に開放隙間446が形成されるため、第1および第2下部邪魔板441,442上の粉塵はこれらの傾斜面を滑って開放隙間446から攪拌空間V内に落下する。この粉塵の落下が完了すると、第1および第2下部邪魔板441,442は、負荷がなくなって軽くなるため、コイルスプリング445の付勢力によって開放隙間446が閉じる方向に向けてそれぞれ第1および第2架設軸441a,442a回りに回動し、これによって元の開放隙間446が閉じられた状態になる。
本発明の生ごみ処理装置10は、以上詳述したように、収容された生ごみに対して所定の生ごみ処理を施す処理槽としての内装ハウジング20と、この内装ハウジング20で発生した含塵気体から粉塵を分離して集塵する集塵器40とを備えてなるものであり、集塵器40が内装ハウジング20内に設けられているため、生ごみ処理装置10は、集塵器40が内装ハウジング20の外側に設けられている従来の生ごみ処理装置に比較し、出っ張り部分がなくなり、これによって外観視がデザイン的に簡素で見栄えのよいものになるとともに、出っ張り部分がない分小型化し、当該生ごみ処理装置10を据え付けた際に据え付け位置における無駄な占有空間をなくすることが可能になり、無駄な空間の有効利用を図ることができる。
また、集塵器40は、上下の面が開放された筒状に形成され、下面に含塵気体を流入させる流入口を備えているとともに、上面に含塵気体から粉塵が除去された脱塵気体を流出させる流出口を備えているため、生ごみが収容された内装ハウジング20の底部から発する粉塵を含んだ含塵気体は、最短距離で集塵器40の下面の流入口に到達し、これによって内装ハウジング20で発生した粉塵を含む含塵気体を効率的に集塵器40に導入することができる。
また、内装ハウジング20内に取り入れた空気は、流入口が集塵器40の側壁に設けられている場合に比較し、短絡することなく遠回りをして生ごみと接近しながら集塵器40へ流入するため、生ごみから発生した粉塵がより効果的に気流に取り込まれ、生ごみ処理の除塵をより効率的に実行することができる。
また、集塵器40は、慣性集塵で集塵する慣性集塵構造を採用しているため、慣性集塵は、流路を流れる含塵気体中の粉塵の慣性力を利用した集塵方式であって、流路を曲折させたり、円形に形成したりすることによって含塵気体中の粉塵が曲折した流路の壁面に衝突したり、遠心力によって円形の流路の壁面に押し遣られることによって集塵を行うものであり、構造的に極めて簡素で低コストのものであり、したがって、かかる慣性集塵構造を採用した生ごみ処理装置10によれば、集塵器40の構造を簡単なものにすることが可能になり、設備コストの低減化に貢献することができる。
また、上記の実施形態においては、慣性集塵構造として集塵器40内の含塵気体の流路において気体流通方向と交差する方向に延びる邪魔板42を設けたものを採用しているため、集塵器40内の流路を流通する含塵気体は邪魔板42に衝突し、このとき含塵気体内の粉塵を慣性力によって捕捉することができる。また、集塵器40の構造を簡単なものにすることが可能であり、装置コストの低減化に寄与することができる。
また、邪魔板42は、含塵気体が蛇行するべく上下方向に2段になるように設けられているとともに、各邪魔板42は、一方の端部が他方の端部より若干上位に高さ設定されて攪拌空間V内に向けて先下がりに傾斜しているため、流入口から集塵器40内に流入した含塵気体は、2段の邪魔板42に邪魔されることによって蛇行しながら上方へ向けて流通し、このとき邪魔板42との衝突で捕捉された含塵気体中の粉塵は、所定量を超えると団塊化し上方の邪魔板の裏面から自重で落下して下方の邪魔板42に受けられる。
そして、本実施形態においては、下部邪魔板44は、第1および第2下部邪魔板441,442からなり、これら第1および第2下部邪魔板441,442は、いずれも一方の端部(第1および第2架設軸441a,442a)を回動支点として下開きに回動するようになされているため、傾斜した第1および第2下部邪魔板441,442の上面に堆積した粉塵は、当該第1および第2下部邪魔板441,442を回動支点回りに下方に向けて回動させることにより、急峻になった邪魔板42の傾斜に誘導されて攪拌空間Vへ向けて落下する。したがって、集塵器40を内装ハウジング20から引き出して捕捉された粉塵を一々回収する面倒な作業を行う必要がなくなり、作業性が向上する。
また、集塵器40は、内装ハウジング20に対して着脱自在にしてあるため、必要に応じて集塵器40を内装ハウジング20から外部に取り出すことができ、集塵器40のメンテナンス作業が容易になる。なお、本実施形態においては、内装ハウジング20の壁面に集塵器40を着脱するための集塵器嵌挿口231開口が設けられているため、集塵器40を、内装ハウジング20の壁面に設けられた集塵器嵌挿口231を介して着脱することができ、集塵器40の内装ハウジング20に対する着脱操作が容易になる。
さらに、集塵器40には、内装ハウジング20に対する着脱操作用の取っ手49を有しているため、取っ手49を引っ張ることによって集塵器40を内装ハウジング20から外部に取り出すことができ、集塵器40の取り出し操作がさらに容易になるとともに、熱くなった集塵器本体41本体に手を触れることなく取っ手49を引っ張って集塵器40を外部に引き出すことができ、安全性を向上させることができる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
(1)上記の実施形態においては、生ごみ処理装置10として、生ごみDに対し乾燥処理を施すものを例に挙げて説明したが、本発明は、生ごみ処理装置が乾燥方式のものであることに限定されるものではなく、好気性微生物によって生ごみを生分解する、いわゆるバイオ方式のものを採用してもよい。さらに、生ごみ処理機10として乾燥処理方式とバイオ方式とを併用してもよい。
(2)上記の実施形態においては、慣性集塵構造として集塵器40の集塵器本体41内に邪魔板42を設けたものが採用されているが、本発明は、慣性集塵構造として邪魔板方式を採用するものに限定されるものではなく、円筒状の集塵器本体の内周面に沿って気流を送気し、遠心力で集塵器本体の内周面に粉塵を分離する、いわゆるサイクロン式の集塵器を採用してもよい。
(3)上記の実施形態においては、邪魔板42として第1および第2上部邪魔板431,432からなる上部邪魔板43と、第1および第2下部邪魔板441,442からなる下部邪魔板44とを備えたものが採用されているが、本発明は、邪魔板の配設に関し特に上記実施形態のものに限定されるものではなく、縦方向に延びる複数枚の邪魔板を横方向に延びる気体の流路に沿って互い違いに並設したものや、横方向に延びる複数枚の邪魔板を縦方向に延びる気体の流路に沿って互い違いに並設したもの等、気体を蛇行状態で流通させるものであれば、どのような配設態様で邪魔板を配設してもよい。
図7の(ロ)は、他の実施形態の集塵器40′内における含塵気体の蛇行の状態を示す説明図である。図7の(ロ)に示すように、集塵器40′は、集塵器本体47の底部に底板471を、頂部に天板472有している。そして、底板471の一部に含塵気体を流入させる流入口473が開口されているとともに、天板472における流入口473から最も離間した位置に脱塵気体を流出させる流出口474が設けられている。
そして、含塵気体を流入口473から天板472の直下位置まで導く仕切壁475が設けられ、この仕切壁475上端縁から集塵室V1に導入された含塵気体は、当該集塵室V1内に上下方向に延びるように配設された複数枚の垂直邪魔板42′と衝突し、このときの慣性力によって含塵気体中の粉塵が垂直邪魔板42′の表面に捕捉されるようになっている。
各垂直邪魔板42′は、上下方向で互いに位置ずれするように配設され、上流側の垂直邪魔板42′に衝突した含塵気体は、下流側の垂直邪魔板42′と順次衝突し、これによって集塵効率が向上するようになっている。
そして、本発明においては、このような集塵器40′を採用した場合も、攪拌空間V(図4)内の含塵気体は、集塵器本体41の底部の流入口473から集塵室V1内に導入されるようになされているため、流入口が集塵器本体41の側部に設けられている場合に比較し、空気の生ごみDとの接触が良好に行われ、より効率的な生ごみDの乾燥が実現する。
(4)上記の実施形態においては、下部邪魔板44は、第1および第2下部邪魔板441,442がそれぞれ第1および第2架設軸441a,442a回りに回動可能とされ、これら第1および第2下部邪魔板441,442は、上面に落下して堆積した粉塵が所定の重量を超えると第1および第2架設軸441a,442a回りに下開きに回動し、粉塵を形成された開放隙間446から攪拌空間Vへ向けて落下させるようになされているが、こうする代わりに下部邪魔板44を集塵器本体41に動かないように固定してもよい。但しこの場合、集塵器40を内装ハウジング20から定期的に引き出して下部邪魔板44上に堆積した粉塵を回収する必要がある。
(5)上記の実施形態においては、内装ハウジング20内に導入される気体として空気が適用されているが、本発明は、内装ハウジング20内に導入される気体が空気であることに限定されるものではなく、酸素が富化された酸素濃度の高い、いわゆる酸素富化空気であってもよいし、酸素であってもよい。