図1は、本発明に係る生ごみ処理機の一実施形態を示す一部切り欠き斜視図であり、前面側から見た状態を示している。なお、図1において、X−X方向を幅方向または左右方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方(または背面側)という。図1に示すように、生ごみ処理機10は、外装ハウジング11と、この外装ハウジング11に内装された処理装置本体12とを備えた二重構造を呈している。外装ハウジング11は、処理装置本体12を全体的に覆って生ごみ処理機10の外観視を全体的に美麗にするとともに、生ごみ処理機10からの異質の漏水を防止し、さらに、処理装置本体12内で生じる騒音が外部に漏洩するのを抑えるためのものである。
かかる外装ハウジング11は、側面視で略下半分が矩形状を呈した直方体形状を有しているとともに、略上半分が前方側に先下がりの傾斜が形成された台形状を呈し、平面視で矩形状の底板111と、この底板111の前縁部から立設された前面板112と、底板111の幅方向の両側縁から立設された幅方向一対の側板113と、前記前面板112の上縁部から延設されて一対の側板113の傾斜縁部間に架設された傾斜板114と、この傾斜板114の上縁部から後方に向けて延設されて一対の側板113の上縁部間に架設された天板115と、底板111の後縁部から立設されて一対の側板113の後縁部間に架設された背面板116とからなっている。
前記前面板112には、その中央位置に矩形状を呈した矩形開口112aが設けられているとともに、この矩形開口112aを開閉するための開閉扉112bが設けられている。また、前記傾斜板114には、その中央位置に矩形状を呈した生ごみ投入口114aが開口されているとともに、この生ごみ投入口114aを開閉するための投入口用扉114bが設けられている。
さらに、前記右方側の側板113には、前後方向の略中央部の上方位置に後述する集塵器40を出し入れするためのメンテナンス開口113aが開口されているとともに、このメンテナンス開口113aを開閉自在に閉止するメンテナンス開口用扉113bが設けら
れている。加えて、前記左方側の側板113には、前後方向の略中央部における上方位置に外気を取り入れる外気取入れ口113cが開口されている。
図2および図3は、このような外装ハウジング11に内装される処理装置本体12の一実施形態を示す斜視図であり、図2は、前面側から見た状態、図3は、背面側から見た状態をそれぞれ示している。なお、図2および図3においてXおよびYによる方向表示は図1の場合と同様である。但し、図3においては、図上の左右方向とXにより表示する左右方向は逆になっている。
図2および図3に示すように、処理装置本体12は、外装ハウジング11内で底板111上に据え付けられる内装ハウジング(処理槽)20と、この内装ハウジング20に内装される攪拌部材30、集塵器40および脱臭装置50と、前記内装ハウジング20の外側に設けられる駆動モータ60、吸引ブロワ70および消音ボックス80とを備えた基本構成を有している。
前記内装ハウジング20は、曲率中心線が幅方向に延びる側面視で円弧状を呈した円弧底板21と、この円弧底板21の前方上縁部から上方に向かって延設された前面板22と、前記円弧底板21の幅方向の両側縁から上方に向かって延設された幅方向一対の側板23と、前記円弧底板21の後方上縁部から上方に向かって延設された背面板24とからなっている。前記円弧底板21の内面側に生ごみを攪拌して当該生ごみに乾燥処理を施す攪拌空間Vが形成されている。
内装ハウジング20の円弧底板21の曲率径(直径)寸法は、前記外装ハウジング11の前面板112と背面板116との間の内寸法より若干短めに設定されているとともに、円弧底板21の長さ寸法(幅方向の寸法)は、外装ハウジング11の一対の側板113間の内寸法より若干短めに設定されている。また、内装ハウジング20の前面板22の上縁部の高さ位置は、外装ハウジング11の前面板112の上縁部の高さ位置より若干低めに設定されているとともに、内装ハウジング20の側板23の上縁部の高さ位置は、外装ハウジング11の背面板116の上縁部の高さ位置より若干低めに寸法設定されている。
このような内装ハウジング20の寸法設定によって、当該内装ハウジング20は、余裕をもって外装ハウジング11に内装されるようになっている。そして、かかる内装ハウジング20の上面は開放状態の開放面201とされ、外装ハウジング11の生ごみ投入口114aから投入された生ごみは、この開放面201を介して内装ハウジング20内に装填されるようになっている。
また、内装ハウジング20の前面板22には、前記外装ハウジング11の矩形開口112aと対向した幅方向に長尺の処理物取出し口221が開口されているとともに、開閉自在にこの処理物取出し口221を閉止する閉止扉222が設けられている。閉止扉222は、上縁部が連結された蝶板の軸回りに回動自在に軸支され、下縁部の適所に設けられた取っ手223を把持して回動操作することにより開放されるようになっている。また、取っ手223の下縁部にはロック部材が設けられ、このロック部材のロック操作で閉止扉222の開放が阻止されるようになっている。
また、前記左方側の側板23には、前後方向の略中央部における上方位置に、前記外装ハウジング11の外気取入れ口113cと対向した状態で空気取入れ口232が開口されている。この空気取入れ口232は、後述する仕切板26の若干前方に設けられ、空気取入れ口232を介して内装ハウジング20内に導入された新鮮な空気は、生ごみの乾燥を効果的に行うために用いられる。
さらに、内装ハウジング20の前面板22における処理物取出し口221の直下方位置には、前方に向かって先下がりに傾斜した案内シュート224が設けられ、内装ハウジング20内から導出された処理物は、開閉扉112bが開放された状態でこの案内シュート224に案内されつつ外装ハウジング11の矩形開口112aを介して外部へ運び出されるようになっている。
前記攪拌部材30は、内装ハウジング20の攪拌空間Vに供給された生ごみに対して攪拌処理を施すものであり、内装ハウジング20の、下部が円弧状を呈した一対の側板23の曲率中心位置間に貫通架設された攪拌軸31と、この攪拌軸31から径方向に突設された複数本の攪拌ロッド32とからなっている。各攪拌ロッド32は、長さ寸法が円弧底板21の曲率径寸法より若干短めに設定され、これによって先端部が円弧底板21の内面と離間状態で攪拌軸31回りに一体回転し得るようになっている。かかる攪拌部材30は、前記駆動モータ60によって駆動回転するようになされている。
前記集塵器40は、攪拌空間V内で攪拌部材30による生ごみの攪拌により発生した粉塵を除去するものであり、外観視で直方体状の箱形を呈し、本実施形態においては、右方側の側板23の上方位置における内面側(すなわち内装ハウジング20内)に着脱自在に設けられている。本実施形態においては、集塵器40として慣性集塵構造のものが適用されたているが、かかる集塵器40の詳細については後に詳述する。
そして、攪拌空間V内の含塵気体は、下面から上向流として集塵器40内に導入されるようになっている。また、攪拌空間V内の含塵空気を集塵器40へ案内するために、右方側の側板23の傾斜縁部の内側には、当該傾斜縁部に沿って前後方向に延びる所定幅寸法の集塵フード27が設けられ、この集塵フード27によって攪拌空間V内の含塵気体が集塵器40の近傍に効果的に集められるようになっている。
図4は、集塵器40の装着構造を説明するための内装ハウジング20の部分拡大斜視図である。図4におけるXおよびYによる方向表示は、図1の場合と同様である。図4に示すように、右方側の内装ハウジング20の側板23における前記外装ハウジング11の側板113のメンテナンス開口113a(図1)と対向した位置には、外側から集塵器40を嵌挿するための矩形状を呈した集塵器嵌挿口(開口)231が設けられているとともに、当該側板23の内面側には、集塵器40を支持するフード部材25が設けられている。
このフード部材25は、下面に含塵気体を受け入れるための開口252を有するとともに、右方側の面が前記集塵器嵌挿口231に臨み、かつ、集塵器嵌挿口231より若干広い直方体状を呈した集塵器装着部251と、この集塵器装着部251から上方に向けて延設されたフード部255とからなっている。前記集塵器装着部251は、平面視でコ字状を呈した囲い板253を有し、この囲い板253は、奥行き寸法(幅方向の寸法)が集塵器40の奥行き寸法より僅かに長めに設定され、これによって集塵器40は、集塵器装着部251内に着脱自在に収納可能になっている。
前記フード部255は、集塵器装着部251の上面開口を覆うものであり、上面に形成された後方へ向かって先上がりの傾斜天板256を有している。一方、フード部255の直ぐ後方位置における一対の側板23間には仕切板26が架設されている。この仕切板26には、フード部255の後方開口に対応した位置に連絡開口261が設けられ、集塵器40で集塵処理が施された含塵気体は、脱塵気体となってフード部255および連絡開口261を介し仕切板26の背面側に設けられた脱臭装置50へ向けて送り出されるようになっている。
前記脱臭装置50は、集塵器40において含塵気体に集塵処理が施されることによって
形成された脱塵気体にさらに脱臭処理を施すものであり、図2に示すように、前記仕切板26の背面に沿った状態で一対の側板23間に架設された幅方向に長尺の直方体状のケーシング51を備えて構成されている。前記ケーシング51には、通電発熱体によって気体を加熱するヒータと、このヒータによって加熱された気体との接触によって脱臭処理を施す酸化触媒とが直列で内装されている。
かかる脱臭装置50のケーシング51の下流端の背面側には、図3に示すように、脱臭済みの気体を導出するための連結管57が接続されている。一方、内装ハウジング20の円弧底板21には、その外面の全面を覆うように形成された熱交換用の空気ジャケット28が設けられ、前記連結管57は、その下流端が空気ジャケット28の背面側の上端部に接続されている。したがって、脱臭装置50においてヒータにより加熱処理の施された脱臭処理後の気体は、連結管57を介して空気ジャケット28に供給され、この空気ジャケット28内を流下する間に攪拌空間V内の生ごみと熱交換され、生ごみは、この熱交換による加温で乾燥するようになされている。
前記駆動モータ60は、攪拌空間V内の生ごみを攪拌するための前記攪拌部材30に駆動回転を付与するためのものであり、図3に示すように、駆動軸が幅方向に延びる状態で横置きされ、外装ハウジング11の底板111に据え付けられている。かかる駆動モータ60の駆動軸は、左方側に延ばされているとともに、この駆動軸にプーリ61が同心で一体的に装着されている。一方、左方側の側板23を貫通した攪拌軸31にも同心で一体にプーリ62が装着され、これら両プーリ61,62間に無端ベルト63が張設されている。したがって、駆動モータ60を駆動することにより、この駆動は、駆動モータ60側のプーリ61、無端ベルト63および攪拌部材30側のプーリ62を介して攪拌軸31に伝達され、これによる攪拌ロッド32の攪拌軸31回りの一体回転によって攪拌空間V内の生ごみが攪拌処理されることになる。
前記吸引ブロワ70は、前記集塵器40、脱臭装置50および空気ジャケット28を介して攪拌空間V内の気体を吸引するためのものであり、内装ハウジング20の外側における右方側の側板23の後方位置において外装ハウジング11の底板111上に据え付けられている。かかる吸引ブロワ70は、ブロワ用モータ701の駆動による図略の吸引羽根の軸心回りの回転で吸引力をえるようになっている。
一方、右方側の側板23に臨んだ空気ジャケット28の下流端には、空気ジャケット28内の空気を導出するための排気ポート72が設けられ、この排気ポート72と前記吸引ブロワ70との間には上流側排気管71が介設されている。したがって、吸引ブロワ70を駆動することにより、攪拌空間V内の気体が集塵器40、脱臭装置50、連結管57、空気ジャケット28、排気ポート72および上流側排気管71を介して吸引ブロワ70に吸引され、消音ボックス80へ向けて排気されることになる。
前記消音ボックス80は、ブロワ用モータ701の回転音等の騒音を消音するものであり、前記吸引ブロワ70から左方側に向けて導出された下流側排気管73に接続されている。この消音ボックス80は、内部が空洞の直方体状の箱体によって形成され、消音ボックス80内における音波の干渉によって減衰させて消音するようになされている。かかる消音ボックス80は、下面が開放状態とされているとともに、下縁部が密着状態で外装ハウジング11の底板111に固定されている一方、底板111には、消音ボックス80内に連通した排気孔81が穿設され、消音ボックス80内で消音処理の完了した気体は、この排気孔81を介して外部に排気されるようになっている。
なお、外装ハウジング11の底板111の下面には、図略の支持突起が突設され、これによって生ごみ処理機10が据え付けられた床面と底板111との間に隙間が形成され、
排気孔81を介して排気された無臭または減臭気体がこの隙間を通って外部に排出されるようになっている。
図5は、空気の流れに注目して模式的に示した生ごみ処理機10の説明図であり、Xによる方向表示は図1の場合と同様である。また、図5において空気の流れを太線矢印および太い点線矢印で示している。因みに、図5では、空気の流れを説明する便宜上吸引ブロワ70を外装ハウジング11内における内装ハウジング20の右方側に示したため、集塵器40を内装ハウジング20内に設けたにも拘らず外装ハウジング11が大きく誇張して示されているが、実際は吸引ブロワ70が内装ハウジング20の背面側(図5の紙面の裏側)に設けられるため、外装ハウジング11が図示されている程大きくならない。
図5に示すように、内装ハウジング20の攪拌空間V内に装填された生ごみDは、駆動モータ60の駆動によるプーリ61、無端ベルト63およびプーリ62を介した攪拌部材30の攪拌軸31回りの回転で攪拌ロッド32により攪拌された状態になっている。
一方、吸引ブロワ70の駆動による吸引力の発生で当該吸引ブロワ70と連通した内装ハウジング20の攪拌空間V内が負圧になっている。したがって、外気が外装ハウジング11の外気取入れ口113cおよび内装ハウジング20の空気取入れ口232を介して攪拌空間V内に導入されることになる。
そして、この攪拌空間V内に導入された空気は、当該攪拌空間V内において生ごみDの直上位置を左方側から右方側に向けて流通して含塵気体になる。この含塵気体は、集塵器40に導入され、この集塵器40内で慣性集塵による集塵処理が施されたのち脱塵気体となって脱臭装置50へ導入される。脱臭装置50に導入された脱塵気体は、当該脱臭装置50内でまずヒータにより所定の温度に加熱され、この加熱された気体が引き続き酸化触媒との接触により脱臭されて無臭または減臭気体になる。
ついで、この無臭または減臭気体は、脱臭装置50の下流端から連結管57を介して空気ジャケット28内に導入される。この空気ジャケット28内に導入された無臭または減臭気体は、当該空気ジャケット28内を蛇行しながら流下し、この間に攪拌空間V内の生ごみDと熱交換して自身は冷却されながら生ごみDの乾燥に適した温度に加温する。
そして、生ごみDとの熱交換が終了した無臭または減臭気体は、空気ジャケット28の下流端から上流側排気管71、吸引ブロワ70および下流側排気管73を介して消音ボックス80に導入され、この消音ボックス80内での消音処理を経たのち外装ハウジング11の底板111に設けられた排気孔81を介して外部に排気される。
つぎに、第1実施形態に係る脱臭装置50について、図6および図7を基に詳細に説明する。図6は、脱臭装置50の第1実施形態を示す一部切り欠き斜視図である。また、図7は、図6の断面図であり、(イ)は、A−A線断面図、(ロ)は、B−B線断面図である。なお、図6におけるXおよびYによる方向表示は、図1の場合と同様である。また、図中太線矢印で気体の流れを示している。
まず、図6に示すように、脱臭装置50は、外観視で左右方向に長尺の直方体状を呈し、同直方体状のケーシング51と、このケーシング51内に設けられ集塵器40による除塵後の含臭気体に加熱処理を施す加熱装置(加熱部)55と、ケーシング51内における加熱装置55の下流側に設けられ加熱装置55によって加熱された含臭気体に脱臭処理を施す脱臭装置(脱臭部)56とを備えた基本構成を有している。
前記ケーシング51は、最も外側を形成する前後方向に長尺の筒状(本実施形態では角
筒状)の直方体形状を呈した外ケーシング52と、この外ケーシング52に内装された仕切部材53と、この外ケーシング52の内側に形成された当該外ケーシング52と略相似の立体形状(すなわち角筒状)を有する内ケーシング54とを備えて構成されている。外ケーシング52は、平面視で長方形状の底板521と、この底板521の前縁部から立設された前方板522と、同後縁部から立設された後方板523と、底板521の左右の縁部から立設された左右方向一対の側板524と、前方板522、後方板523および一対の側板524の上縁部間に架設された天板525とを備えている。
前記前方板522の右端上方位置には、仕切板26の連絡開口261と対応した流入口526が設けられ、集塵器40で除塵処理が施された後の含臭気体は、連絡開口261を介してこの流入口526から外ケーシング52内に導入されるようになっている。
前記仕切部材53は、底板521上における流入口526より若干左方位置から立設された垂直仕切板531と、この垂直仕切板531の上縁部から左方に向かって延設された水平仕切板532とからなっている。各仕切板531,532の前後の縁部は、前方板522および後方板523と一体に接合され、気体の流通が阻止されるようになっている。これに対し、水平仕切板532の左端縁は、左側の側板524に対して所定寸法離間し、この部分に気体が流通し得る隙間533が設けられている。
そして、かかる仕切部材53の外面側と、外ケーシング52の底板521、前方板522、右側の側板524および天板525との間に流入口526からの気体を流通させるためのプレ流路501が形成されている。
前記内ケーシング54は、垂直仕切板531の左方における水平仕切板532の前方位置から垂下された左右方向に延びる前板541と、同後方位置に前板541と平行に水平仕切板532から垂下された後板542と、これら前板541および後板542の下縁部間に架設された底板543と、前板541および後板542の左端縁部間に架設され封止板544とからなっている。封止板544によって内ケーシング54の左端部は気体の流通が生じないようになっている。
また、内ケーシング54の後板542の左端位置には、前記連結管57へ連通した流出口545が開孔されている。そして、かかる内ケーシング54の前板541、後板542および水平仕切板532と、前記外ケーシング52の前方板522、後方板523および天板525との間に下方へ流下した含臭気体を右方に向けて流通させる第1流路502が形成されている。内ケーシング54の封止板544と、外ケーシング52の左方の側板524との間には、含臭気体をプレ流路501から第1流路502へ導くヘアピン流路(反転流路)508が形成されている。
また、前記内ケーシング54の右面に第1流路502を流通した含臭気体を内ケーシング54内に流入させるための流入開口503が形成されているとともに、内ケーシング54内に流入開口503を介して内ケーシング54内に導入された気体を流出口545へ向けて流通させる第2流路504が形成されている。
そして、内ケーシング54の左端面(すなわち流入開口503)と、前記垂直仕切板531との間に、含臭気体の流通方向を180°変更して折り返させる折返し連通部505が形成されている。第1流路502内を右方へ向かって流通してきた含臭気体は、この折返し連通部505において、垂直仕切板531と衝突したのち反転し流入開口503を介して第2流路504内へ導入される。
本実施形態の脱臭装置50においては、図7の(ロ)に示すように、内ケーシング54
の前板541と外ケーシング52の前方板522との間の離間距離mと、内ケーシング54の後板542と外ケーシング52の後方板523との間の離間距離nと、内ケーシング54の天板543と仕切部材53の垂直仕切板531との間の離間距離dとは、略同一に設定されているが、本発明は、離間距離m、nおよびdが略同一であることに限定されるものではなく、異なっていてもよい。なお、m=n=dの場合、ヘアピン流路508を流通する含臭気体は、遠心力によって第1流路502の下側(断面視でコ字状を呈した第2流路504の一部である内ケーシング54の底板543と外ケーシング52の底板521との間)へ向かう量が多くなって流れが不均一になるが、例えば、m=n>dとすれば、気体が第1流路502の上側(内ケーシング54の前板541と外ケーシング52の前方板522との間、および内ケーシング54の後板542と外ケーシング52の後方板523との間)に流れ込み易くなり、気体が第1流路502の下側に集中するという不都合が解消される。
なお、本実施形態においては、前記離間距離mおよびnの値は、同一に設定されているが、本発明はm=nであることに限定されるものではなく、状況に応じてmの値とnの値とを異ならせてもよい。
前記加熱装置55は、左右の面に開口を有する外装箱551内に配設された加熱源としての複数本の通電発熱体552とを備えて構成されている。外装箱551は、外面が内ケーシング54の内面と密着状態で内ケーシング54内に嵌挿され、これによって含臭気体の短絡が生じないようになされている。したがって、内ケーシング54内に導入された含臭気体は、通電発熱体552により脱臭処理に適した所定の温度に加熱される。
前記脱臭装置56は、加熱装置55によって所定の温度に加熱された含臭気体に対して脱臭処理を施すものであり、本実施形態においては、2台が直列に配設されている。かかる脱臭装置56は、外面が内ケーシング54の内面に密着した外装箱561と、この外装箱561に内装されたハニカム状の脱臭触媒562とを備えて構成されている。そして、加熱装置55によって加熱された含臭気体が脱臭装置56に導入されることにより、当該含臭気体は、臭気成分が脱臭触媒562の触媒作用で分解することにより脱臭されて無臭または減臭気体になる。この無臭または減臭気体は、流出口545を介して連結管57へ向けて導出されることになる。
また、加熱装置55によって加熱された気体は、第1流路502を流通する含臭気体と内ケーシング54を介して熱交換されるようになっている。かかる第1流路502内の含臭気体よる熱回収によって含臭気体が予熱され、これによって脱臭装置50は熱効率が良好なものになっている。
そして、第1実施形態においては、折返し連通部505の左右方向の長さ寸法が、通常の長さ寸法より長く設定され、この長く設定された部分で余長部(バッファ)507が形成されている。この点について詳しく説明すると、気体が方向転換するに際しては、流路(図7の(イ)に示す例では同図中の第1流路502)の横断寸法(上下寸法)d(前記の離間寸法dと同じ)と同一の寸法だけ内ケーシング54の右端部から右方へ寄った図7の(イ)に一点鎖線で示す位置までを方向転換流路(基準方向転換部506)として採用することが、極力脱臭装置50のコンパクト化を図る意味を加味して考えられる。これによって第1流路502を流通する含臭気体の流速に対し基準方向転換部506を流通する流速が極端に変化しないようにすることができるが、本実施形態においては、折返し連通部505を基準方向転換部506からさらに右方に向けて所定長d1だけ延長させ、この延長した部分に余長部507を形成している。
折返し連通部505にこのような余長部507を形成することにより、第1流路502
を流通してきた含臭気体は、折返し連通部505において流速が低下するため、方向転換による含臭気体の流通状態に偏りが生じない状態で内ケーシング54内に導入される。したがって、内ケーシング54内を流通する気体は、第2流路504の流路断面内で均一化されるので(すなわち偏流が防止されるので)、加熱装置55内で均一に加熱され、このため脱臭装置56内で均一な脱臭処理が施されることとなる。
これに対し、折返し連通部505が基準方向転換部506のみで形成されている場合、含臭気体は、基準方向転換部506で流速が低下しないことにより方向転換のときの慣性力で含臭気体の流通が上方に偏った状態になって下方にデッドスペースが形成されてしまうため、含臭ガスは第2流路504の流路断面に対し均一な状態で内ケーシング54内を流通しなくなり(すなわち偏流が生じ)、これによって含臭気体に均一な加熱処理および脱臭処理を施し得なくなるという不都合が生じるのである。
このように、第1実施形態の脱臭装置50によれば、折返し連通部505を基準方向転換部506にさらに余長部507を加えて容量設定しているため、簡単な構造でありながら内ケーシング54内での気体の偏流を有効に防止することができ、ばらつきの少ないより確実な脱臭処理を含臭気体に施すことができる。
因みに、余長部507の左右方向の長さ寸法d1は、外ケーシング52の底板521と内ケーシング54の底板546との間の隙間寸法である前記横断寸法d(図7の(イ))の2〜8倍が適切であり、好ましくは6〜7倍が好適である。これらの数値は、実施試験の結果得られたものである。余長部507の左右方向の長さ寸法d1が前記のように設定されるのは、内ケーシング54の底板546側からのみならず、前板541および後板542側からも含臭気体が折返し連通部505へ向かうからである。また、上限を8倍としたのは、8倍を超えると脱臭装置50の長さ寸法が長くなりすぎ、装置のコンパクト化に反するためである。
図8は、本発明に係る脱臭装置50の第2実施形態を示す図であり、(イ)は、一部切り欠き斜視図、(ロ)は、(イ)の要部の正面視の断面図である。なお、図8におけるXおよびYによる方向表示は、図1の場合と同様である。第2実施形態の脱臭装置50においては、折返し連通部505の上部における内ケーシング54の流入開口503に寄った位置に、含臭気体の偏流防止のための傾斜邪魔板(干渉部材)90が設けられている。この傾斜邪魔板90は、折返し連通部505において含臭気体が上部に偏るのを防止するためのものであり、前後方向に長尺に形成されている。
かかる傾斜邪魔板90は、本実施形態においては、上部傾斜邪魔板91と下部傾斜邪魔板92との2段で設けられている。これら上下の傾斜邪魔板91,92の間には、気体が流通し得る隙間が形成され、いずれも下縁部が上縁部より流入開口503側に位置するように気体の流れ方向に対して先上がりに傾斜して設けられている。したがって、折返し連通部505に流入した含臭気体は、図8の(ロ)に示すように、第1流路502を底板521に沿って流通し、垂直仕切板531と衝突して上向流となった含臭気体は、その一部が上下の傾斜邪魔板91,92の先下がりの傾斜に誘導されることによって下方へ向かい、内ケーシング54内での偏流が有効に防止されるようになっている。
図9は、本発明に係る脱臭装置50の第3実施形態を示す図であり、(イ)は、パンチングメタル93が脱臭装置50の上流側に設けられた状態、(ロ)は、パンチングメタル93が脱臭装置50の下流側に設けられた状態をそれぞれ示している。なお、図9におけるXおよびYによる方向表示は、図1の場合と同様である。
第3実施形態においては、内ケーシング54内の第2流路504における含臭気体の偏
流を防止するために、内ケーシング54にパンチングメタル(整流部材)93が装着されている。パンチングメタル93は、金属板に所定ピッチで縦横に複数の貫通孔931が穿設されたものである。含臭気体は、かかるパンチングメタル93に衝突すると、当該パンチングメタル93の衝突面に沿って四方に拡散し、各所の貫通孔931を通って第2流路504内へ導入されるため、第2流路504内における含臭気体の偏流が有効に防止される。
因みに、図9の(イ)に示す例では、パンチングメタル93が内ケーシング54の流入開口503に装着され、これによって含臭気体は、第2流路504の上流端から整流された状態になり、この整流された含臭気体が加熱装置55で加熱処理されるようになっている。
これに対し、図9の(ロ)に示す例では、パンチングメタル93が加熱装置55と上流側(右方)の脱臭装置56との間に介設されている。かかる位置にパンチングメタル93を設けると、加熱装置55では整流処理が施されていない状態で当該含臭気体に加熱処理が施されるが、脱臭装置56の上流側に設けられたパンチングメタル93によって流速分布および温度分布の不均一が解消されて脱臭装置56へ送られる。
図10は、本発明に係る脱臭装置50の第4実施形態を示す図であり、(イ)は、邪魔板が内ケーシング54の底板543の下流端に設けられた例、(ロ)は、邪魔板が同底板543の上流側に設けられた例、(ハ)は、邪魔板94が底板543、前板541および後板542の上流側に設けられた例をそれぞれ示している。なお、図10におけるXおよびYによる方向表示は、図1の場合と同様である。
第4実施形態においては、先の実施形態と異なる視点で邪魔板(干渉部材)94が採用されている。すなわち、図8に示す第2実施形態においては、傾斜邪魔板90は、内ケーシング54内の第2流路504を流れる含臭気体の偏流防止が目的であったが、特に第4実施形態における図9の(ロ)および(ハ)に示す態様ではこの目的に加えて熱交換の効率化をも目的として邪魔板94が採用されている。
そして、図10の(イ)に示す例では、邪魔板94が内ケーシング54の底板543の下流端(右方)に下方に向かって突設されている。こうすることによって、第1流路502を底板521に沿って流通する含臭気体は、下流端の邪魔板94に衝突して拡散し、これによる攪拌作用で流路断面において均一化した状態で第2流路504に侵入するため、結果として第2流路504内の偏流が防止される。
また、図10の(ロ)に示す例では、邪魔板94が内ケーシング54の底板543の上流側(右側)に下方に向かって突設されている。こうすることによって、プレ流路501からヘアピン流路508を介して第1流路502へ導入された含臭気体の内の底板543に沿うものは、直ちに邪魔板94と衝突して拡散し、その一部が前板541および後板542側へ流れるため第1流路502内での偏流が防止され、結果として第2流路504内の偏流防止に好影響を与えることになる。そして、含臭気体を第1流路502の入口側で直ちに拡散させることにより、第1流路502を通過中の含臭気体と第2流路504内を流通する加熱気体との熱交換の効率も向上する。
さらに、図10の(ハ)に示す例では、図10の(ロ)に示す邪魔板94に加え、この内ケーシング54の若干下流側における前板541および後板542に反対方向へ突出した上下方向に延びる邪魔板94がそれぞれ設けられている。このように、底板543、前板541および後板542に邪魔板94を設けることにより、プレ流路501からヘアピン流路508を通って流入開口503へ向かう含塵気体は、第2流路504の入口位置に
おいて、まず底板543の邪魔板94によって前後に振り分けられ、引き続き前板541および後板542の邪魔板94と干渉することで拡散されることになり、結果として第2流路504内の偏流が解消されることになる。そして、含臭気体を第1流路502の入口側で直ちに拡散させることにより、第1流路502を通過中の含臭気体と第2流路504内を流通する加熱気体との熱交換の効率も向上する。
以上詳述したように、本発明に係る脱臭装置50は、臭気を含む気体が導入される筒状の第1流路502と、第1流路502と平行配置され、筒状の内部に気体を加熱する加熱装置55とその下流に設けられる脱臭装置56とを備えた第2流路504と、第1流路502の気体の流通方向下流端部と第2流路504の加熱装置55側の端部とを連通する折返し連通部505とを備えたものであり、折返し連通部505は、第1および第2流路502,504の長手方向への寸法が気体を一時的に整流する厚みを有する余長部507を備えているため(第1実施形態)、第1流路502を流通して折返し連通部505に到達した気体は、ここでの第2流路504に向かう方向転換に際し、この余長部507によってその分流速が低下して方向転換時の流れの乱れが緩和され、これによって第2流路504内に均一に流れ込む。したがって、含臭気体は、第2流路504内に設けられた脱臭装置56よって均一に脱臭処理が施される。
また、折返し連通部505は、折り返し方向下流位置であって折り返しの外回りとなる側の内壁に所定寸法を有する傾斜邪魔板90を設けることにより(第2実施形態)、第1流路502を流通して折返し連通部505に到達した気体は、外回りとなる側での第2流路504に向かう方向反転に際し、邪魔板との干渉で流通方向が変えられる。したがって、この邪魔板を第2流路504向かう気体が第2流路504内で偏らないような位置や寸法で設置することにより、気体は、第2流路504内において偏らないで均一に流通し、これによって第2流路504内の脱臭装置56において、気体に対する均一な脱臭処理が実現する。
そして、傾斜邪魔板90は、気体の流れ方向に傾斜しているため、気体は、流れ方向に傾斜した傾斜邪魔板90に案内されることによって、第2流路504内の偏流がより効果的に防止される。
また、第2流路504内であって、加熱装置55の上流側と下流側の少なくとも一方にパンチングメタル93を備えれば(第3実施形態)、第1流路502を流通して折返し連通部505に到達した気体は、第2流路504内における加熱装置55の上流側と脱臭装置56の上流側との間に配設された気体の流れを整流するパンチングメタル93によって偏りのない整流された状態で脱臭装置56に向かうため、脱臭装置56での偏りのない均一な脱臭処理が施される。
また、第1流路502の内部に流路断面内での気体の偏りを低減する邪魔板94を設ければ(第4実施形態)、当該邪魔板94を適所に配置することにより、脱臭装置50内での熱交換効率を向上させた上で、第1流路502内での気体の流れの偏流が解消され、ひいては気体の第2流路504内での偏流が防止される。
邪魔板94を設ける形態として内ケーシング54の下流端において底板543の下流端縁に邪魔板94を垂下させるもの(図10の(イ))、内ケーシング54の上流側において底板543から邪魔板94を垂下するもの(図10の(ロ))、さらに、これに加えて内ケーシング54の上流側において前板541,後板542および底板543のそれぞれに邪魔板94を設けるもの(図10の(ハ))を挙げたが、本発明は、邪魔板94の設置位置がこれらに限定されるものではなく、第2流路504内で流量が多くなる部分に邪魔板94を設けるようにすればよい。なお、邪魔板94を設けることなく、設計段階で第1
流路502の上流側の流路断面を第1流路502の下流側の流路断面に比して小さい形状に設定してもよい。
因みに、第2流路504の上流側の流路断面を下流側のそれより小さくする理由は、第1流路502と第2流路504とをつなぐヘアピン流路508では、流路が折り返されているため乱流が発生し易く、したがって、第2流路504の流路断面が均一であると、この乱流の影響が尾を引くことになるため、これを防止するべく第2流路504の下流側の流路断面を上流側の流路断面より大きくして気体の流速を落とせばよいという考え方に基づく。
かかる観点から本発明の脱臭装置50を規定すると、臭気を含む気体が導入される筒状の第1流路502と、前記第1流路502と平行配置され、筒状の内部に気体を加熱する加熱装置55と気体に脱臭処理を施す脱臭装置56とを直列に備えた第2流路504と、前記第1流路502の気体の流通方向下流端部と前記第2流路504の加熱装置55側の端部とを連通する折返し連通部505とを備えた脱臭装置50において、第1流路502は、下流側の流路の断面積が上流側の流路の有効断面積より大きく設定されていることを特徴とする脱臭装置50ということになる。
なお、前記有効断面積とは、下流側に向けて流速を減じるために有効に作用する断面積のことであり、流路そのものの断面積であってもよいし、流路に邪魔板を設けた場合には邪魔板の部分の流路の断面積のことである。
かかる構成によれば、第1流路502を流通する気体は、その上流側から下流側に向かうに際し、下流側の流路の断面積が上流側の流路の有効断面積より大きく設定されていることにより、下流側で流速が減じられ、これによる気体の拡散で流れが均一化するため、結果として第2流路に均一な状態で流れ込むことになる。
特に、第1流路502内における部分的に流量が多い部分の断面積を、部分的に流量が少ない部分の断面積に比して小さくするような態様を、例えば、図10に示す第4実施形態のように、邪魔板94を設けることで対応することにより、簡便でかつ状況に応じた対応が可能になり、設計上の自由度が向上する。
そして、第1流路502の下流側の流路の断面積が上流側の流路の有効断面積より大きく設定されているという要件さえ満足させれば、第1流路502の断面形状については、矩形状、円形環状、C字状あるいはその他の各種の形状であってもよく、いずれの形状であっても第1流路502において下流側で流速が減じられるため、これによる気体の拡散で流れが均一化するという作用が得られるため、結果として気体は第2流路に均一な状態で流れ込むことになる。
また、上記の実施形態においては、第1流路502は、断面視でコ字状に形成され、第2流路504は、第1流路502の断面視でコ字状を呈したコ字状壁に包持された状態で形成され、第1流路502の上流側の有効断面積は、第1流路502に邪魔板94を設けることによって設定されているため、含臭気体を流通させる流路が、第1流路502と、当該第1流路502に包持された第2流路504とで二重構造になり、これによって単に筒状の第1および第2流路504を重ね合わせたものに比べて重ね合わせ方向に長尺になることがなく、脱臭装置のコンパクト化を実現することができる。
そして、第1流路502がコ字状と異形であることに起因した気体の流れの不均一は、流量が多くなる部分に邪魔板94を設けて流量が少なくなっている部分へ誘導することで全体的に気体の流れを均一にすることが可能になる。また、邪魔板94の設置は、第1流
路502の下流側の断面積を上流側の有効断面積より大きくする方策として、第1流路502の上流側の流路の断面積を全体的に小さくする場合に比較し極めて簡便であり、かつ、状況に応じて邪魔板94の設置位置やサイズなどを容易に変更することも可能であり、設計上の自由度が大きくなる。
そして、第1流路502の下流側の流路の断面積が上流側の流路の有効断面積より大きく設定されているという要件さえ満足させれば、第1流路502の断面形状については、矩形状、円形環状、C字状あるいはその他の各種の形状であってもよく、いずれの形状であっても第1流路502において下流側で流速が減じられるため、これによる気体の拡散で流れが均一化するという作用が得られるため、結果として気体は第2流路504に均一な状態で流れ込むことになる。
そして、このような脱臭装置50が内装された生ごみ処理機10は、当該脱臭装置50を囲むように断熱材を設けなくても、無駄に熱が逃げることがなく、脱臭装置50からの放熱は内装ハウジング20内の気体の加熱に貢献され、生ごみ処理機10の総合的な熱効率を向上させることができ、ランニングコストの低減化に貢献することができるとともに、断熱材を採用しない分装置コストの低減化に寄与することができる。さらに、脱臭装置を処理槽内に設けることによって生ごみ処理機の小型化を図ることができる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
(1)上記の実施形態においては、生ごみ処理装置10として、生ごみDに対し乾燥処理を施すものを例に挙げて説明したが、本発明は、生ごみ処理装置が乾燥方式のものであることに限定されるものではなく、好気性微生物によって生ごみを生分解する、いわゆるバイオ式のものを採用してもよい。
(2)上記の第2実施形態(図8)においては、折返し連通部505に2段で傾斜邪魔板90が設けられているが、本発明は、傾斜邪魔板90が2段で設けられることに限定されるものではなく、1段であってもよいし、3段以上であってもよい。また、傾斜邪魔板90とはせずに単に底板521から上方にむけて突出した突起であってもよい。
(3)上記の実施形態においては、内ケーシング54にはその背面を閉止する後板542が設けられているが、この後板542を設ける代わりに、外ケーシング52の後方板523を内ケーシング54および外ケーシング52の後面(背面)を閉止する部材として共用してもよい。
(4)図11は、脱臭装置の第5実施形態を示す一部切り欠き斜視図である。また、図12は、図11に示す脱臭装置の断面図であり、(イ)は、C−C線断面図、(ロ)は、E−E線断面図である。この実施形態においては、脱臭装置50′は、内ケーシング54′が仕切部材53の水平仕切板532ではなく、外ケーシング52の底板521に一体に取り付けられている点が上記の実施形態のものと相違している。具体的には、内ケーシング54′の前板541、後板542および封止板544の各下縁部が底板521に固定されている。また、内ケーシング54′には、先の底板543に代えて天板546が設けられている。
そして、水平仕切板532の下流端部分に極めて急なヘアピン流路508が形成されている。そして、第1流路502は、内ケーシング54′の上方位置で内ケーシング54′の天板546と、仕切部材53の水平仕切板532との間、外ケーシング52の前方板522と内ケーシング54の前板541との間、および外ケーシング52の後方板523と
内ケーシング54の後板542との間に形成されている。脱臭装置50′のその他の構成は、先の実施形態のものと同様である。
第5実施形態の脱臭装置50′によれば、集塵器40(図4)および連絡開口261を介して攪拌空間V(図5)から脱臭装置50′内に導入された含臭気体は、まずプレ流路501を通って図12の(イ)における左方へ向けて流通し、プレ流路501の下流端からヘアピン流路508へ導入され、このヘアピン流路508で多くが下向流となったのち内ケーシング54の前板541および後板542に沿って右方に向けて流通するとともに、残部がヘアピン流路508で反転し、内ケーシング54の天板546に沿って右方に向けて流通した後、下流端の折返し連通部505でさらに反転し、流入開口503を通って第2流路504内へ導入される。
したがって、第5実施形態の脱臭装置50′においては、含臭気体は、その一部が第2流路504の下流端から上向流となる点が、下向流となる先の実施形態と相違しているが、折返し連通部505における余長部507の作用や、内ケーシング54′の外面に邪魔板94を設けることによる作用等については先の実施形態と変わるところはない。
第5実施形態の脱臭装置50′によれば、脱臭装置50が生ごみ処理機10の攪拌空間V内に設けられることにより、攪拌空間V内の含塵気体が空気ジャケット28を介した加熱気体との熱交換に加えて加熱装置55によって直接加熱されるため、全体的な熱効率が向上する。