JP3920091B2 - レンズ研削加工装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、被加工レンズ(未加工眼鏡レンズ)を玉型形状に研削加工するレンズ研削加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の玉摺機(レンズ研削加工装置)においては、被加工レンズ(円形の未加工眼鏡レンズ)を加工室内で研削砥石によりメガネレンズの形状(玉型形状)に研削加工する際、加工室へのレンズ出入口を透明なカバーで閉成するようにしているのが普通である。この様なレンズ研削加工装置では、加工室内の加工状況を観察する場合に、加工室を密閉する窓を通して観察しているのが現状である。
【0003】
また、従来から例えばプラスチックレンズ等の眼鏡レンズを研削加工する場合に、硫化水素等の悪臭が発生していたため、例えば特開平5−345268号公報や特開2001−334463号公報、実開平6−57551号公報や実開平6−61444号公報や実開平6−61446号公報、特開平6−226629号公報では、悪臭を脱臭するための脱臭装置がレンズ研削加工装置の加工室から隔離されて設けられていた。
【0004】
また、従来の玉摺機には、例えば実開平5−93752号公報におけるように玉摺機の蓋体上部に脱臭装置を設けたり、特開平5−261657号公報におけるように玉摺機の筐体内部に脱臭装置を設けたりしたものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の玉摺機(レンズ研削加工装置)では、加工室内が暗く見えにくいため、眼鏡レンズの加工状況を十分に観察することができなかった。しかも、加工開始前に眼鏡レンズを挟持手段にチャッキングする場合にも、手元が暗く見え難くかった。
【0006】
また、脱臭装置が加工室から隔離されて設けられている場合には、悪臭を吸引するための吸引装置を強力にしなければ、脱臭効果を上げることができず、装置全体が大型になり、狭い店舗面積をもつ眼鏡店には設置することが困難であった。
【0007】
さらに、脱臭装置が玉摺機の蓋体や筐体内部に設けられている場合には、玉摺機の開閉に支障を来たし、筐体内部のキャリッジの移動に障害をもたらす虞があった。
【0008】
そこで、この発明の第1の目的は、作業者が苦労することなく、加工室内の観察や、眼鏡レンズを挟持手段にチャッキングする等の作業を容易に行えるレンズ研削加工装置を提供することにある。
【0009】
また、この発明の第2の目的は、例えばプラスチックレンズ等の眼鏡レンズの研削加工時に発生する悪臭を脱臭することができるレンズ研削加工装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の第1の目的を達成するため、請求項1の発明は、眼鏡レンズを眼鏡フレームの玉型形状に研削加工するための加工室が本体ケース内に設けられ、前記本体ケースに前記加工室へのレンズ出入口が設けられたレンズ研削加工装置であって、前記加工室の後側壁に前記加工室に開口する側壁開口が形成され、通気性があり且つ光を透過可能な撥水性のフィルタで前記側壁開口が閉塞されていると共に、前記後側壁の後方の空間内に光触媒が配設され、可視光及び紫外線を含む光を発する光源が前記側壁開口に近接させて前記光触媒と前記後側壁との間に配設されているレンズ研削加工装置としたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
[構成]
図1〜図4は、この発明に係るレンズ研削加工装置(玉摺機)を示したものである。このレンズ研削加工装置は、図4に示したように本体ケース1を有する。この本体ケース1は、外ケース2と、この外ケース2内に配設された筐体(内ケース)3を備えている。この外ケース2は、上端が開口する下ケース4と、下ケース4上に取り付けられた上ケース5を有する。
【0015】
この上ケース5の上壁5aは手前側に傾斜していて、この上壁5aには図1,図2に示した操作パネル6が設けられている。この操作パネル6は、上壁5aの上部側に設けられた液晶表示器(表示手段)7と、上壁5aに設けられた複数の操作キー群8を有する。
【0016】
この上壁5aの下部側にはレンズ出入口9が形成されている。しかも、レンズ出入口9は、上壁5aに沿って図4に矢印Aで示した方向にスライドする透明なスライド蓋(蓋体)10により、開閉可能に設けられている。
【0017】
また、筐体3は上部開口端がレンズ出入口9に接続されている。この筐体3は、図4に示したように右側(装置の手前側)に位置する底壁11と、底壁11の前縁部に上方に向けて連設された前側壁12と、底壁11の後縁から後上方に向けて傾斜する傾斜壁13を有する。また、筐体3は、傾斜壁13の後縁に上方に向けて連設された後側壁(加工室側壁)14と、図5に示した左側壁15及び右側壁16を有する。
【0018】
そして、筐体3内には、上方に開放する加工室17が形成されている。この加工室17は、スライド蓋10を図2の如く斜め上方にスライドさせることにより開くようになっている。
【0019】
また、傾斜壁13の下方には、図示しないキャリッジが配設されている。このキャリッジは、図5の筐体3の左右の側壁15,16の外側にそれぞれ配置された左右のアーム部(図示せず)を一体に有する。そして、左右のアーム部の先端部側のキャリッジは後端部を中心に上下回動できるようになっている。
【0020】
この左右のアーム部には、図5に示したレンズ回転軸18,19が被加工レンズの挟持手段として回転自在に保持されている。このレンズ回転軸19は、レンズ回転軸18と同一軸線上に直列に配設されていると共に、レンズ回転軸18に対して進退調節可能に設けられている。これにより、レンズ回転軸18,19の対向端部間に被加工レンズ(円形の未加工眼鏡レンズ)Lを保持(挟持)させたり、レンズ回転軸18,19間から被加工レンズLを取り外したりできるようになっている。しかも、このレンズ回転軸18,19は、図示しないパルスモータにより回転駆動可能に設けられていると共に、同期して回転駆動される様になっている。また、レンズ回転軸18,19は、図示しないキャリッジ旋回手段により、上下に旋回制御されるようになっている。この様なレンズ回転軸18,19の上下への昇降制御(旋回制御)のための構造や制御手段には、周知の構造を採用することができるので、その詳細な説明は省略する。
【0021】
また、側壁15,16の対向面の対応する部分には、図5,図6に示したように、円弧状のガイド板20,21が取り付けられている。この側壁15とガイド板20との間にはキャリッジ(図示せず)の旋回中心を半径の中心とする円弧状のガイド孔22が形成され、側壁16とガイド板21との間にはキャリッジ(図示せず)の旋回中心を半径の中心とする円弧状のガイド孔23が形成されている。
【0022】
しかも、側壁15及びガイド板20には、互いに対応していると共に、キャリッジ(図示せず)の旋回中心を半径の中心とする円弧状のスリット15a,20aがそれぞれ形成されている。また、側壁16及びガイド板21には、互いに対応すると共に、キャリッジ(図示せず)の旋回中心を半径の中心とする円弧状のスリット16a,21aがそれぞれ形成されている。更に、ガイド孔22,23には、キャリッジ(図示せず)の旋回中心を半径の中心とする円弧状のシール板24,25がそれぞれ配設されている。
【0023】
そして、上述したレンズ回転軸18は、スリット15a,20aに挿通されていると共に、シール板24の長手方向の中央部を摺動可能に貫通している。また、レンズ回転軸19は、スリット16a,21aに挿通されていると共に、シール板25の長手方向の中央部を貫通している。しかも、レンズ回転軸18,19はシール板24,25に対して回転自在に設けられている。この様な構造により、レンズ回転軸18は、キャリッジ(図示せず)の後端部を中心に上下に旋回して、キャリッジのアーム部(図示せず)と一体に上下に旋回したとき、スリット15a,20aに沿って上下に旋回できるようになっている。同様に、レンズ回転軸19は、キャリッジ(図示せず)の後端部を中心に上下に旋回して、キャリッジのアーム部(図示せず)と一体に上下に旋回したとき、スリット16a,21aに沿って上下に旋回できるようになっている。しかも、この旋回に際して、シール板24はスリット15a,20aを閉塞し、シール板25はスリット16a,21aを閉塞しているので、加工室17内のエアや研削水等がスリット15a,20aやスリット16a,21aから筐体3の外に漏れるのが防止される。
【0024】
また、レンズ回転軸18,19及び被加工レンズLの下方には図示しない駆動モータにより回転駆動される研削砥石26が配設されている。また、前側壁12には、研削液を矢印27,28で示したように研削砥石26側に吐出するノズル29が取り付けられている。しかも、後側壁14の左右方向中央部の下縁部には研削液を傾斜壁13に沿って流下させるノズル30が設けられている。尚、底壁11上に流下した研削液は図示しない排水ホースを介して排水タンク等に回収される様になっている。また、排水タンクの上部の研削水が上述したノズル29,30に循環される様になっている。
【0025】
更に、上ケース5の後側壁5bには筐体3の後側壁14に向けて延びる筒部5cが形成され、後側壁14と上ケース5の後側壁5bとの間には筒部5c内に位置する空間31が形成されている。また、この後側壁14には加工室17の上端部と空間31に開口する側壁開口部32が形成されている。この側壁開口部32は、図5に示した如く左右に延設されて、長方形状をしている。
【0026】
この側壁開口部32は、撥水性のフィルタ33により閉塞されている。このフィルタ33は、多数の小孔を穿設した金属板を用いても良いし、通気性及び透光性のあるストッキングやゴアテックス(登録商標)等を用いても良い。更に、フィルタ33としては、通気性があり且つ透明なガラス板、通気性があり且つ透明なプラスチック板等を用いることもできる。このガラス板やプラスチック板に通気性を持たせると共に撥水性を持たせるには、例えばガラス板やプラスチック板に多数の小孔を設けると良い。
【0027】
また、空間31内には、脱臭装置(脱臭手段)34が配設されている。この脱臭装置34は、脱臭用の光触媒装置35及び送風ファン(送風手段)36を有する。
【0028】
この光触媒装置35は、筒状の触媒ケース37と、触媒ケース37内に取り付けられた通気性のある光触媒38とを有する。この触媒ケース37は、一端部の開口端が側壁開口部32に接続されている。また、光触媒38は、触媒ケース37の他端部の開口端を閉塞する閉塞部38aと、触媒ケース37の内面に沿って設けられた板状部38bから断面が略コ字状に形成されている。
【0029】
尚、光触媒38には、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タングステン等、或いはこれらの混合物を用いることができる。また、光触媒38は、通気性を有する断面コ字状の多孔板或いはメッシュ状の金網の表面や不織布或いは織物等の線維の表面に添着した構成としても良い。特に、酸化チタンはアンモニア、アセトアルデヒト、酢酸、トリメチルアミン、メチルメルカプタン、硫化水素、スチレン、硫化メチル、二流化ジメチル等を除去できる。
【0030】
更に、光触媒装置35は、コ字状の光触媒38内に配設された軸状の光源39を有する。この光源39は、側壁開口部32の上下方向中間部に位置させられていると共に、側壁開口部32の左右方向両端まで延設されている。しかも、光源39は、フィルタ33に密接又は近接して配置することにより、側壁開口部32に対して近接又は略密接するような位置に位置している。また、この光源39としては、略400nm以下の波長の紫外線を含むものが用いられている。
【0031】
この様に光源39は400nm程度の可視光線を含むので、作業者が加工室17の窓を通して眼鏡レンズの加工状況を観察することができる。また、未加工の眼鏡レンズを挟持手段にチャッキングさせるときにも、十分に手元が照明される。
【0032】
尚、光触媒38に紫外線ランプ(UVランプ)を照射すると水酸基と酸素イオンが生成し、光触媒38に吸着した有機系悪臭を炭酸ガスと水に分解することで脱臭が行われる様になっている。
【0033】
また、上ケース5の後側壁5bの左右方向中央部には排気口40が形成され、排気口40が後側壁5bの内面に取り付けた排気フィルタ41で閉塞されている。しかも、後側壁5bには、排気フィルタ41を介して空間31内のエアを外部に排気させる上述の送風ファン36が取り付けられている。
[作用]
以下、この様な構成のレンズ研削加工装置の作用を説明する。
【0034】
この様な構成において、レンズ研削加工装置の図示しない電源スイッチをONさせると、光源39が点灯すると共に、送風ファン36が作動する様になっている。そして、光源39が点灯すると、光源39からは400nmの波長を含む紫外線が出射される。この略400nm付近の波長の可視光の一部は、フィルタ33が金属板である場合にはフィルタ33に設けた多数の小孔を介して加工室17内を照明する。また、フィルタ33が透光性のある部材から形成されている場合には、略400nm付近の波長の可視光の一部がフィルタ33を透過して加工室17内を照明する。
【0035】
しかも、光源39は側壁開口部32に略密接するように配置されているので、光源39からの可視光が効率的に加工室17内を照明することになる。
【0036】
従って、この様な状態で、被加工レンズ(未加工眼鏡レンズ)Lをレンズ回転軸18,19間にチャッキングする際、即ち被加工レンズLをレンズ回転軸18,19間に挟持させる作業をする際、又は、被加工レンズLをレンズ回転軸18,19間から取り外す作業をする際には、その作業を行っている手元が光源39からの可視光により照明されることになる。この結果、被検レンズLのレンズ回転軸18,19間に対する着脱作業を確認しながら容易に行うことができる。
【0037】
また、この様にして被加工レンズLをレンズ回転軸18,19間に挟持させて、レンズ回転軸18,19を玉型形状情報(θi,ρi)に基づいて図示しないパルスモータにより回転させることにより、被加工レンズLを回転させる。一方、研削砥石26を回転駆動して、レンズ回転軸18,19を玉型形状情報(θi,ρi)に基づいて上下に旋回制御することにより、被加工レンズLを研削砥石26により眼鏡フレームの玉型形状或いは型板の玉型形状に研削加工する。この様な研削加工制御には、周知の制御回路や制御方法を用いることができるので、その詳細な説明は省略する。
【0038】
この被加工レンズLの研削加工に際して、光源39からの略400nm付近の波長の可視光の一部がフィルタ33を透過して加工室17内を照明しているので、加工室17内の被加工レンズLの研削状態をスライド蓋10を介して容易に視認することができる。
【0039】
一方、この様な研削に際して、ノズル29からは研削液が研削砥石26側に吐出されて、研削砥石26による被加工レンズLの研削部に研削液が供給されて、研削液により研削部の冷却が行われる同時に、研削砥石26により研削された被加工レンズLの研削屑が研削液により洗い流されることになる。
【0040】
ところで、この様な研削に際して、研削される被加工レンズLがプラスチックレンズである場合、特有の臭気として例えば硫黄成分による硫化水素の臭気ガスを生じさせることが知られている。この様な臭気ガスは不快であると共に有害である。
【0041】
そこで、この様な被加工レンズLの研削加工に際して、送風ファン36を作動させると、送風ファン26は加工室17内のエアを吸引して排気口410から外部に排気する様になっている。この送風ファン36の作動は、被加工レンズLの研削加工を開始させると同時に行わせる。この様な動作制御は、図示を省略した演算制御回路により行わせる。
【0042】
この排気に際して、加工室17内の臭気を含むエア即ち臭気ガスは、側壁開口部32及びフィルタ33を介して断面コ字状の光触媒38内に流入して、光触媒28の表面に接触することになる。この際、光触媒38は、光源39からの紫外線を受けて、表面に接触する臭気ガス中の臭気成分、例えば硫化水素、硫化メチル、二流化ジメチル等の硫黄成分を含む臭気成分を分解して無臭で無害の成分にする。即ち、触媒38は、紫外線ランプ(UVランプ)からの紫外線すなわち光源39からの紫外線が照射されると、水酸基と酸素イオンが生成して、表面に接触又は付着した有機系悪臭を炭酸ガスと水に分解することで、脱臭を行う。
【0043】
この様にして脱臭されたエアが送風ファン36により排気口40を介して外部に排気される。
【0044】
この様に一つの光源39からの光は、光触媒38の触媒作用を行わせると共に、被加工レンズLのレンズ回転軸18,19間に対する着脱作業時の照明と、被加工レンズLの研削加工時の加工室17内の照明を行うことができる。この様に光触媒38の触媒作用の光源と加工室17内の照明のための光源を別々に設けていないので、部品点数を少なくできると共に、省エネルギー化を図ることができる。
【0045】
また、この様に脱臭されたエアは本体ケース2の上ケース5の後方に排気されるので、本体ケース2の手前側で作業している作業者に排気が吹き付けられることがない。この結果、排気が作業者に不快感を与えることがない。しかも、脱臭装置34は、本体ケース2の手前側に設けずに、本体ケース2内の後部側に設けているので、加工室17が本体ケース2の手前側に位置することになる。この結果、本体ケース2の手前側で作業する作業者から加工室17が離れることはないので、作業者による被加工レンズの加工室17内への着脱作業の作業性が低下することはない。即ち、作業者による被加工レンズの加工室17内への着脱作業の作業性が向上する。
【0046】
しかも、側部開口32は被加工レンズLの研削砥石26による研削部から最も離れていると共に、この研削部より上方に位置しているので、上述したような脱臭に際して、加工室17内のエアが送風ファン36により光触媒装置35の光触媒38内に側部開口32を介して吸引される際に、ノズル39から吐出される研削液が被加工レンズLの研削砥石26による研削部から飛散したとしても、この飛散した研削液が側部開口32側に殆ど到達することなく自重により底壁11や傾斜壁13等に落下することになる。
【0047】
また、仮に研削液の一部が側部開口32に到達したとしても、この研削液は撥水性のフィルタ33に付着して下方に流下するか、或いはフィルタ33に付着した研削液がエアの流により蒸発する。従って、この研削液が光触媒38側に流入することがないので、光触媒38の脱臭機能が研削液により低下したり阻害されたりするのを未然に確実に防止できる。
【0048】
送風ファン36は、従来からレンズ研削加工装置に備えられていたものを兼用させても良いし、これとは別途設けても良い。例えば、電気掃除機等に用いられている様な若干強力な吸引力を備えた電動送風機を用いても良い。
(変形例)
また、光触媒38に加えて、オゾン分解触媒を設けることにより、オゾン分解触媒表面に生成した活性酸素がアンモニア、硫化水素等の無機系の悪臭の脱臭が行われる。
【0049】
更に、光触媒38の前に活性炭を備えることにより、十二分に硫化水素等の悪臭を脱臭することもできる。すなわち、活性炭で硫化水素等の分子を物理吸着し、第一段階で悪臭濃度を低減することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明は、眼鏡レンズを眼鏡フレームの玉型形状に研削加工するための加工室が本体ケース内に設けられ、前記本体ケースに前記加工室へのレンズ出入口が設けられたレンズ研削加工装置であって、前記加工室の後側壁に前記加工室に開口する側壁開口が形成され、通気性があり且つ光を透過可能な撥水性のフィルタで前記側壁開口が閉塞されていると共に、前記後側壁の後方の空間内に光触媒が配設され、可視光及び紫外線を含む光を発する光源が前記側壁開口に近接させて前記光触媒と前記後側壁との間に配設されている構成としたので、加工室内が光源からの光により照明されることになる。これにより、作業者が苦労することなく、加工室内の観察や、眼鏡レンズを挟持手段にチャッキングする等の作業を容易に行うことができる。しかも、光源からの紫外線が光触媒に照射されると、光触媒はプラスチックレンズ等の眼鏡レンズの研削加工時に発生する悪臭を分解して脱臭することができる。しかも、一つの光源で加工室の照明と光触媒による脱臭を行わせることができるので、少ない部品で加工室の照明と脱臭を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るレンズ研削加工装置の斜視図である。
【図2】図1のレンズ研削加工装置のスライド蓋を開いた状態の斜視図である。
【図3】図1のレンズ研削加工装置の背面図である。
【図4】図1のレンズ研削加工装置の一部を破断して示した左側面図である。
【図5】図2の加工室を形成する筐体及びその内部の説明用の斜視図である。
【図6】図5のレンズ回転軸の軸線に沿って筐体の左右の側壁を断面して示した説明用断面図である。
【図7】図4の光触媒及び光源の説明用斜視図である。
【符号の説明】
L・・・被加工レンズ(未加工眼鏡レンズ)
3・・・筐体
14・・・後側壁(加工室側壁)
17・・・加工室
32・・・側壁開口部
34・・・脱臭装置
38・・・光触媒
39・・・光源
Claims (1)
- 眼鏡レンズを眼鏡フレームの玉型形状に研削加工するための加工室が本体ケース内に設けられ、前記本体ケースに前記加工室へのレンズ出入口が設けられたレンズ研削加工装置であって、
前記加工室の後側壁に前記加工室に開口する側壁開口が形成され、通気性があり且つ光を透過可能な撥水性のフィルタで前記側壁開口が閉塞されていると共に、前記後側壁の後方の空間内に光触媒が配設され、可視光及び紫外線を含む光を発する光源が前記側壁開口に近接させて前記光触媒と前記後側壁との間に配設されていることを特徴とするレンズ研削加工装置。
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