JP3967068B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどに用いられ、用紙の両面に画像形成が可能な画像形成装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
複写機、プリンタあるいはファクシミリなどに用いられている画像形成装置においては、原稿の画像データを記憶手段などに一旦記憶し、記憶手段に記憶された画像データを順に読み出し、感光体ドラムで構成された画像形成部で静電潜像を形成し、これを現像してトナー像を得て、用紙に転写する形式のものが、用紙に普通紙が使用できるため、広く普及している。
【０００３】
また、近年用紙の両面に画像を形成するいわゆる両面転写の要求も高まってきており、この要求に沿うべく片面に画像が形成された用紙を反転させて、画像形成部に再送する反転給送部を設けた画像形成装置も提供されている。反転給送部は、片面に画像が形成された用紙を反転させて裏面が画像形成部に当接するようにした後に、再度画像形成部に用紙を搬送するもので、この反転給送部において用紙の紙種や紙厚によっては、片面に画像が形成された用紙にカールなどが発生し、ジャムが発生して搬送性が損なわれたり、コバ面汚れなどが発生することがある。
【０００４】
そこで、例えば特開平５−３０７２９０号にみられるように、反転給送部に反転ローラと羽根車を設け、用紙伸ばしローラなどを用いないで用紙の変形を除去することが提案されている。また、例えば特開平７−２９１５０８号においては、反転給送部に可逆転可能な反転ローラと、この反転ローラに当接するように２つのベルトを配置し、これらベルトにより用紙を反転ローラに密着させるようにしてカールの発生を抑えることが提案されている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の場合反転給送部には湾曲経路部分を設けなければならず、また羽根車では紙種によっては完全に変形を除去できないことがある。また、後者は２つのベルトを反転ローラに当接するように設けなければならず、構造が複雑で保守点検が容易ではないなどの問題点がある。さらに、これら従来技術においては、反転ローラに付着したトナーなどで用紙が汚れることを防止することはできない。
【０００６】
本発明はこのような要望に鑑みてなされたもので、その目的は、簡単な構成でかつ確実に用紙の変形や汚れを防止することができる反転給送部を備えた画像形成装置を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、画像データを画像形成部で用紙上に転写するとともに、用紙の裏面にも画像データを転写するため、前記画像形成部を通った用紙を反転させて再度前記画像形成部に給送する反転給送部を備えた画像形成装置において、前記反転給送部に、前記画像形成部からの用紙をその間で搬送する第１および第２のローラと、これら第１および第２のローラを通過した前記用紙を前記第１と第２のローラによる搬送方向と逆の搬送方向に前記第２のローラとによって搬送する第３のローラとを備え、前記第２のローラは摩擦係数の低いゴム或いは合成ゴムのゴムコロ部と、このゴムコロ部より直径が大きい合成樹脂の樹脂コロ部とから構成し、これにより用紙の先端が常に樹脂コロ部へ当接させて、用紙先端にゴムコロ部に付着したトナー汚れがつかないようしている。
その際、前記第１のローラを樹脂コロによって構成し、前記第２のローラの前記ゴムコロ部に当接させる。これにより画像が形成された用紙の上面は樹脂ローラが当接するので、樹脂ローラが現像剤などで汚れるのを防止することができる。
また、第３のローラをゴムコロによって構成し、前記第２のローラの前記樹脂コロ部に当接させる。これにより反転給送部から送り出される画像が転写された用紙の上面は樹脂ローラが当接するので、樹脂ローラが現像剤などで汚れるのを防止することができるとともに、確実に搬送することができる。
【０００８】
この場合、前記樹脂コロ部を前記ゴムコロ部に対して自由に回転できるように支持させる。これにより、第２のローラと第３のローラとがギヤ連結により回転駆動されている場合などでも、ゴムコロ部が確実にそれに連動するローラを正常に回転させることができる。
【０００９】
また、前記樹脂コロ部を離型性のある合成樹脂で構成すると、樹脂コロ部にトナーのような現像剤が付きにくく、用紙先端にトナー汚れがつかないようにできる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。
【００１３】
図１は本発明の一実施形態に係る画像形成装置を概略的に説明するための図、図２は図１における反転給送部の詳細な構成を説明するための図、図３は図２における反転給送部の上方、中間そして下方の３つの反転ローラの構成を示す一部切断正面図、図４は図３における中間の反転ローラの構成を示す従断面図である。
【００１４】
まず、図１を参照し、本実施形態に係る画像形成装置の構成を動作について説明する。図から分かるように上下２段の給紙カセット２１，２２に収容されている用紙は、これら給紙カセット２１，２２の排出口側にそれぞれ設けられた用紙搬送手段１，２によって画像形成部に給紙される。用紙搬送手段１，２はそれぞれ、用紙を１枚ずつ取り出すためのピックアップローラ２３，２４と、このピックアップローラ２３，２４により取り出された用紙を搬送する搬送ローラ対２５，２６とで構成された分離搬送手段を備えている。上部の分離搬送手段により１枚ずつ搬送される用紙は、主ローラ１３とこの主ローラ１３の回転に従動する２つの従動ローラ１３−１，１３−２とで構成されたグリップローラ対を通過し、後述する再給紙搬送路との合流地点に位置する中間ローラ対１２に搬送される。下部の分離搬送手段からの用紙は、主ローラ１４とこの主ローラ１４の回転に従動する２つの従動ローラ１４−１，１４−２とで構成されたグリップローラ対から、上述した上部のグリップローラ対を通って、上記の中間ローラ対１２に搬送される。この中間ローラ１２を通過した用紙は、画像形成部の手前に位置するレジストローラ対１１から画像形成部へと搬送される。
【００１５】
画像形成部は、用紙に転写すべき静電潜像を担持する感光体ドラム４と、この感光体ドラム４の静電潜像が転写された用紙を搬送する搬送ベルト５と、静電潜像をトナー像として用紙上に定着する定着手段６とを備えている。定着手段6により画像が定着された用紙は、搬送手段７から分岐爪８に搬送される。搬送手段7は搬送ベルト２７と、この搬送ベルト２７の上部の中央付近に圧接する搬送ローラ２８とを備えている。分岐爪８は、用紙の片面にのみ画像を形成する場合や後述する反転された用紙は排紙コロ対９から機外に排出するように切り替え、片面に画像形成された用紙の裏面にも画像を形成する場合や用紙を反転させる場合には、後述する反転給送部に用紙を搬送するように切り替えるためのもので、図示しないソレノイドにより駆動される。ピックアップローラ２３，２４、搬送ローラ対２５，２６、主ローラ１３，１４、中間ローラ対１２，１２−１，１２−２、レジストローラ対１１は、それぞれクラッチ、ステッピングモータ等によって単独で駆動できる構成となっている。
【００１６】
反転給送部は、搬送コロ対１０、第１、第２、第３反転ローラ３１，３２，３３、中間トレイ１０４、スイッチバックローラ１０３ａなどを備えている。搬送コロ対１０は、分岐爪８により反転給送部に搬送された用紙を第２および第３反転コロ３２，３３間を通って中間トレイ１０４に搬送するためのものである。第１、第２、第３反転ローラ３１，３２，３３は、搬送コロ対１０から搬送されてきた用紙を第２および第３反転ローラ３２，３３間を通して中間トレイ１０４に搬送し、中間トレイ１０４からの用紙は第１および第２反転ローラ３１，３２間を通して後述する再給紙搬送路に搬送するためのものである。中間トレイ１０４上には、用紙をその搬送方向に対して直角な方向を規制する規制部材（以下ジョガーフェンスと称する）１０２が設けられ、用紙のジョギング動作が可能になっている。スイッチバックローラ１０３ａは、常に用紙の搬送方向に回転するように制御されている。中間トレイ１０４を介したスイッチバックローラ１０３ａの上方には、通常は上昇しており、用紙を搬送するときのみ下降してスイッチバックローラ１０３ａに圧接するスイッチバック従動コロ１０３ｂが設けられている。このスイッチバック従動コロ１０３ｂの昇降は、ソレノイド（図示しない）を駆動源として動作する。動作タイミングは第２および第３反転ローラ３２，３３３の上流に配設された入口センサ１０５にて用紙の後端が抜けたのを検知した後、ある一定時間後にソレノイドを動作させて、用紙に駆動を伝える。これらスイッチバックローラ１０３ａおよびスイッチバック従動コロ１０３ｂは、用紙の搬送方向に対して直角の方向で、かつ用紙のほぼ中央に位置している。
【００１７】
中間トレイ１０４の下方には、第１および第２反転ローラ３１，３２によって反転された用紙の再給紙搬送路が設けられている。この再給紙搬送路は所定の間隔を置いて配置された４組の反転搬送ローラ対３４，３５，３６，３７によって構成されている。この再給紙搬送路の出口は中間ローラ対１２の上流側に向けられている。なお、４１は、中間トレイ１０４上の用紙をその裏面に画像を形成することなく、反転させた状態で排紙コロ対９から機外に排紙するように切り替える切り替え爪で、この切り替え爪４１は排紙の方向に切り替えられると、用紙は２組の排紙ローラ対４２，４３を通って排紙コロ対９に搬送される。
【００１８】
両面に画像を形成するために用紙を反転させる場合は、切り替え爪４１を第１および第２反転ローラ３１，３２間を通った用紙が排紙ローラ対４２，４３方向に搬送され無いように切り替えておくとともに、分岐爪８を図１に示すように切り替えておく。これにより、用紙は搬送コロ対１０から第２および第３反転コロ３２，３３間を通って中間トレイ１０４に一旦搬送される。中間トレイ１０４に搬送された用紙は、スイッチバックローラ１０３ａと下降したスイッチバック従動コロ１０３ｂとにより逆方向に搬送され、第１および第２反転ローラ３１，３２間を通って再給紙搬送路へ搬送される。用紙が中間トレイ１０４に進入する際、第２および第３反転ローラ３２，３３の上流に配設された入口センサ１０５によって用紙の進入を検知し、用紙の先端および後端の検知をトリガとして、下流のジョガーフェンス１０２やスイッチバックローラ１０３ａを動作させるようにする。再給紙搬送路からの用紙は中間ローラ対１２から画像形成部に搬送され、裏面が感光体ドラム４に当接し、裏面に画像が形成される。
【００１９】
第１ないし第３反転ローラ３１，３２，３３は、図３に示すように、シャフト４３，４４，４５のそれぞれに用紙を搬送するための３個のコロ４３ａ、４４ａ、４５ａを所定の間隔で装着することにより構成されている。また、第１および第２反転ローラ３１，３２のシャフト４３および４４はギヤ１０９，１０８で連結され、第１反転ローラ３１を駆動ローラとした時に、第１反転ローラ３１の駆動を第２反転ローラ３２に確実に伝えるようにしている。第１反転ローラ３１のコロ４３ａはそれぞれ全体がゴム材質で構成され、第３反転ローラ３３のコロ４５ａはそれぞれ全体が樹脂材質で構成されている。
【００２０】
残りの第２反転ローラ３２のコロ４４ａはそれぞれ、図４に示すように、ゴム材質部分１０６と、このゴム材質部分１０６を挟むように軸方向両端に位置する樹脂材質部分１０７とで構成されている。ゴム材質部分１０６はシャフト４４に固定で、連結ギヤ１０８の駆動力で回転し、第３反転ローラ３３を従動コロとして用紙を中間トレイ１０４に搬送する。一方、樹脂材質部分１０７は、シャフト４４およびゴム材質部分１０６とは別にフリーで回転するように構成され、第１反転ローラ３１との摩擦で回転し、用紙を中間トレイ１０４から排出させる。なお、図３に示すように、樹脂材質部分１０７の径Ｘ２と、ゴム材質部分１０６の径Ｘ１では、樹脂材質部分１０７の径Ｘ２のほうを大きくするようにして、中間トレイ１０４に用紙が進入するときには用紙の画像が転写された面が第２反転ローラ３２のコロ４４ａの樹脂材質部分１０７と当接し、中間トレイ１０４から排出されるときは用紙の画像が形成された面が第１反転ローラのコロ４３ａに当接するようにしている。なお、コロ４５ａおよびコロ４４ａの樹脂材質部分１０７の材質は、よりトナーが付きにくくするため、例えばテトラフルオロエチレンのような離型性のよい材質を使用するとよい。また、１０８は平行ピンである。
【００２１】
このように、樹脂材質部分１０７がフリーで回転するようにしたことで、樹脂材質部分１０７の相手側である第１反転ローラのゴム材質のコロ４３ａとギヤ連結したときに、線速差による樹脂材質部１０７とコロ４３ａとの擦れが発生しない。また、樹脂材質部分１０７の径と、ゴム材質部分１０６の径では、樹脂材質部分１０７の径のほうを大きくするようにしたので、常に樹脂材質部分１０７に用紙の先端が当接するので、用紙先端にゴム材質部分１０６に付着したトナー汚れが付かず、搬送性能の面でも効果がある。
【００２２】
なお、前述したスイッチバックローラ１０３ａおよびスイッチバック従動コロ１０３ｂは、用紙の搬送方向に対して直角の方向で用紙のほぼ中央に位置しており、また中間トレイ１０４に進入した用紙の下側に位置するのスイッチバックローラ１０３ａが搬送方向に常に回転しているので、用紙の進入の際に用紙先端とスイッチバックローラ１０３ａとが衝突しないように、スイッチバックローラ上流にジャンプ台１０１を配設するのが好ましい。これにより、用紙を中間トレイ１０４より排出する場合、用紙の先端がジャンプ台１０１分中央部が持ち上がって搬送される。中央部が持ち上がるため、第１および第２反転ローラ３１，３２に用紙が進入する際、中央に位置するコロのニップに進入しにくくなる。
【００２３】
【発明の効果】
これまでの説明から明らかなように、本発明によれば、簡単な構成でかつ確実に用紙の変形や汚れを防止することができる反転給送部を備えた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施の形態における全体構成を概略的に示す図である。
【図２】図１における反転給送部の詳細な構成を示す図である。
【図３】図２における反転給送部の上方、中間、下方の３つの反転ローラの構成を示す一部を断面した正面図である。
【図４】図３における中間の反転ローラの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
１，２ 用紙搬送手段
４ 感光体ドラム
６ 定着装置
８ 分岐爪
１０ 搬送コロ対
１２ 中間ローラ対
３１，３２，３３ 第１、第２、第３反転ローラ
３４，３５，３６，３７ 反転搬送ローラ対
４３，４４，４５ シャフト
４３ａ，４４ａ，４５ａ コロ
１０４ 中間トレイ
１０３ａ スイッチバックローラ
１０３ｂ スイッチバック従動コロ
１０６ ゴム材質部分
１０７ 樹脂材質部分
１０８、１０９ ギヤ
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどに用いられ、用紙の両面に画像形成が可能な画像形成装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
複写機、プリンタあるいはファクシミリなどに用いられている画像形成装置においては、原稿の画像データを記憶手段などに一旦記憶し、記憶手段に記憶された画像データを順に読み出し、感光体ドラムで構成された画像形成部で静電潜像を形成し、これを現像してトナー像を得て、用紙に転写する形式のものが、用紙に普通紙が使用できるため、広く普及している。
【０００３】
また、近年用紙の両面に画像を形成するいわゆる両面転写の要求も高まってきており、この要求に沿うべく片面に画像が形成された用紙を反転させて、画像形成部に再送する反転給送部を設けた画像形成装置も提供されている。反転給送部は、片面に画像が形成された用紙を反転させて裏面が画像形成部に当接するようにした後に、再度画像形成部に用紙を搬送するもので、この反転給送部において用紙の紙種や紙厚によっては、片面に画像が形成された用紙にカールなどが発生し、ジャムが発生して搬送性が損なわれたり、コバ面汚れなどが発生することがある。
【０００４】
そこで、例えば特開平５−３０７２９０号にみられるように、反転給送部に反転ローラと羽根車を設け、用紙伸ばしローラなどを用いないで用紙の変形を除去することが提案されている。また、例えば特開平７−２９１５０８号においては、反転給送部に可逆転可能な反転ローラと、この反転ローラに当接するように２つのベルトを配置し、これらベルトにより用紙を反転ローラに密着させるようにしてカールの発生を抑えることが提案されている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の場合反転給送部には湾曲経路部分を設けなければならず、また羽根車では紙種によっては完全に変形を除去できないことがある。また、後者は２つのベルトを反転ローラに当接するように設けなければならず、構造が複雑で保守点検が容易ではないなどの問題点がある。さらに、これら従来技術においては、反転ローラに付着したトナーなどで用紙が汚れることを防止することはできない。
【０００６】
本発明はこのような要望に鑑みてなされたもので、その目的は、簡単な構成でかつ確実に用紙の変形や汚れを防止することができる反転給送部を備えた画像形成装置を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、画像データを画像形成部で用紙上に転写するとともに、用紙の裏面にも画像データを転写するため、前記画像形成部を通った用紙を反転させて再度前記画像形成部に給送する反転給送部を備えた画像形成装置において、前記反転給送部に、前記画像形成部からの用紙をその間で搬送する第１および第２のローラと、これら第１および第２のローラを通過した前記用紙を前記第１と第２のローラによる搬送方向と逆の搬送方向に前記第２のローラとによって搬送する第３のローラとを備え、前記第２のローラは摩擦係数の低いゴム或いは合成ゴムのゴムコロ部と、このゴムコロ部より直径が大きい合成樹脂の樹脂コロ部とから構成し、これにより用紙の先端が常に樹脂コロ部へ当接させて、用紙先端にゴムコロ部に付着したトナー汚れがつかないようしている。
その際、前記第１のローラを樹脂コロによって構成し、前記第２のローラの前記ゴムコロ部に当接させる。これにより画像が形成された用紙の上面は樹脂ローラが当接するので、樹脂ローラが現像剤などで汚れるのを防止することができる。
また、第３のローラをゴムコロによって構成し、前記第２のローラの前記樹脂コロ部に当接させる。これにより反転給送部から送り出される画像が転写された用紙の上面は樹脂ローラが当接するので、樹脂ローラが現像剤などで汚れるのを防止することができるとともに、確実に搬送することができる。
【０００８】
この場合、前記樹脂コロ部を前記ゴムコロ部に対して自由に回転できるように支持させる。これにより、第２のローラと第３のローラとがギヤ連結により回転駆動されている場合などでも、ゴムコロ部が確実にそれに連動するローラを正常に回転させることができる。
【０００９】
また、前記樹脂コロ部を離型性のある合成樹脂で構成すると、樹脂コロ部にトナーのような現像剤が付きにくく、用紙先端にトナー汚れがつかないようにできる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。
【００１３】
図１は本発明の一実施形態に係る画像形成装置を概略的に説明するための図、図２は図１における反転給送部の詳細な構成を説明するための図、図３は図２における反転給送部の上方、中間そして下方の３つの反転ローラの構成を示す一部切断正面図、図４は図３における中間の反転ローラの構成を示す従断面図である。
【００１４】
まず、図１を参照し、本実施形態に係る画像形成装置の構成を動作について説明する。図から分かるように上下２段の給紙カセット２１，２２に収容されている用紙は、これら給紙カセット２１，２２の排出口側にそれぞれ設けられた用紙搬送手段１，２によって画像形成部に給紙される。用紙搬送手段１，２はそれぞれ、用紙を１枚ずつ取り出すためのピックアップローラ２３，２４と、このピックアップローラ２３，２４により取り出された用紙を搬送する搬送ローラ対２５，２６とで構成された分離搬送手段を備えている。上部の分離搬送手段により１枚ずつ搬送される用紙は、主ローラ１３とこの主ローラ１３の回転に従動する２つの従動ローラ１３−１，１３−２とで構成されたグリップローラ対を通過し、後述する再給紙搬送路との合流地点に位置する中間ローラ対１２に搬送される。下部の分離搬送手段からの用紙は、主ローラ１４とこの主ローラ１４の回転に従動する２つの従動ローラ１４−１，１４−２とで構成されたグリップローラ対から、上述した上部のグリップローラ対を通って、上記の中間ローラ対１２に搬送される。この中間ローラ１２を通過した用紙は、画像形成部の手前に位置するレジストローラ対１１から画像形成部へと搬送される。
【００１５】
画像形成部は、用紙に転写すべき静電潜像を担持する感光体ドラム４と、この感光体ドラム４の静電潜像が転写された用紙を搬送する搬送ベルト５と、静電潜像をトナー像として用紙上に定着する定着手段６とを備えている。定着手段6により画像が定着された用紙は、搬送手段７から分岐爪８に搬送される。搬送手段7は搬送ベルト２７と、この搬送ベルト２７の上部の中央付近に圧接する搬送ローラ２８とを備えている。分岐爪８は、用紙の片面にのみ画像を形成する場合や後述する反転された用紙は排紙コロ対９から機外に排出するように切り替え、片面に画像形成された用紙の裏面にも画像を形成する場合や用紙を反転させる場合には、後述する反転給送部に用紙を搬送するように切り替えるためのもので、図示しないソレノイドにより駆動される。ピックアップローラ２３，２４、搬送ローラ対２５，２６、主ローラ１３，１４、中間ローラ対１２，１２−１，１２−２、レジストローラ対１１は、それぞれクラッチ、ステッピングモータ等によって単独で駆動できる構成となっている。
【００１６】
反転給送部は、搬送コロ対１０、第１、第２、第３反転ローラ３１，３２，３３、中間トレイ１０４、スイッチバックローラ１０３ａなどを備えている。搬送コロ対１０は、分岐爪８により反転給送部に搬送された用紙を第２および第３反転コロ３２，３３間を通って中間トレイ１０４に搬送するためのものである。第１、第２、第３反転ローラ３１，３２，３３は、搬送コロ対１０から搬送されてきた用紙を第２および第３反転ローラ３２，３３間を通して中間トレイ１０４に搬送し、中間トレイ１０４からの用紙は第１および第２反転ローラ３１，３２間を通して後述する再給紙搬送路に搬送するためのものである。中間トレイ１０４上には、用紙をその搬送方向に対して直角な方向を規制する規制部材（以下ジョガーフェンスと称する）１０２が設けられ、用紙のジョギング動作が可能になっている。スイッチバックローラ１０３ａは、常に用紙の搬送方向に回転するように制御されている。中間トレイ１０４を介したスイッチバックローラ１０３ａの上方には、通常は上昇しており、用紙を搬送するときのみ下降してスイッチバックローラ１０３ａに圧接するスイッチバック従動コロ１０３ｂが設けられている。このスイッチバック従動コロ１０３ｂの昇降は、ソレノイド（図示しない）を駆動源として動作する。動作タイミングは第２および第３反転ローラ３２，３３３の上流に配設された入口センサ１０５にて用紙の後端が抜けたのを検知した後、ある一定時間後にソレノイドを動作させて、用紙に駆動を伝える。これらスイッチバックローラ１０３ａおよびスイッチバック従動コロ１０３ｂは、用紙の搬送方向に対して直角の方向で、かつ用紙のほぼ中央に位置している。
【００１７】
中間トレイ１０４の下方には、第１および第２反転ローラ３１，３２によって反転された用紙の再給紙搬送路が設けられている。この再給紙搬送路は所定の間隔を置いて配置された４組の反転搬送ローラ対３４，３５，３６，３７によって構成されている。この再給紙搬送路の出口は中間ローラ対１２の上流側に向けられている。なお、４１は、中間トレイ１０４上の用紙をその裏面に画像を形成することなく、反転させた状態で排紙コロ対９から機外に排紙するように切り替える切り替え爪で、この切り替え爪４１は排紙の方向に切り替えられると、用紙は２組の排紙ローラ対４２，４３を通って排紙コロ対９に搬送される。
【００１８】
両面に画像を形成するために用紙を反転させる場合は、切り替え爪４１を第１および第２反転ローラ３１，３２間を通った用紙が排紙ローラ対４２，４３方向に搬送され無いように切り替えておくとともに、分岐爪８を図１に示すように切り替えておく。これにより、用紙は搬送コロ対１０から第２および第３反転コロ３２，３３間を通って中間トレイ１０４に一旦搬送される。中間トレイ１０４に搬送された用紙は、スイッチバックローラ１０３ａと下降したスイッチバック従動コロ１０３ｂとにより逆方向に搬送され、第１および第２反転ローラ３１，３２間を通って再給紙搬送路へ搬送される。用紙が中間トレイ１０４に進入する際、第２および第３反転ローラ３２，３３の上流に配設された入口センサ１０５によって用紙の進入を検知し、用紙の先端および後端の検知をトリガとして、下流のジョガーフェンス１０２やスイッチバックローラ１０３ａを動作させるようにする。再給紙搬送路からの用紙は中間ローラ対１２から画像形成部に搬送され、裏面が感光体ドラム４に当接し、裏面に画像が形成される。
【００１９】
第１ないし第３反転ローラ３１，３２，３３は、図３に示すように、シャフト４３，４４，４５のそれぞれに用紙を搬送するための３個のコロ４３ａ、４４ａ、４５ａを所定の間隔で装着することにより構成されている。また、第１および第２反転ローラ３１，３２のシャフト４３および４４はギヤ１０９，１０８で連結され、第１反転ローラ３１を駆動ローラとした時に、第１反転ローラ３１の駆動を第２反転ローラ３２に確実に伝えるようにしている。第１反転ローラ３１のコロ４３ａはそれぞれ全体がゴム材質で構成され、第３反転ローラ３３のコロ４５ａはそれぞれ全体が樹脂材質で構成されている。
【００２０】
残りの第２反転ローラ３２のコロ４４ａはそれぞれ、図４に示すように、ゴム材質部分１０６と、このゴム材質部分１０６を挟むように軸方向両端に位置する樹脂材質部分１０７とで構成されている。ゴム材質部分１０６はシャフト４４に固定で、連結ギヤ１０８の駆動力で回転し、第３反転ローラ３３を従動コロとして用紙を中間トレイ１０４に搬送する。一方、樹脂材質部分１０７は、シャフト４４およびゴム材質部分１０６とは別にフリーで回転するように構成され、第１反転ローラ３１との摩擦で回転し、用紙を中間トレイ１０４から排出させる。なお、図３に示すように、樹脂材質部分１０７の径Ｘ２と、ゴム材質部分１０６の径Ｘ１では、樹脂材質部分１０７の径Ｘ２のほうを大きくするようにして、中間トレイ１０４に用紙が進入するときには用紙の画像が転写された面が第２反転ローラ３２のコロ４４ａの樹脂材質部分１０７と当接し、中間トレイ１０４から排出されるときは用紙の画像が形成された面が第１反転ローラのコロ４３ａに当接するようにしている。なお、コロ４５ａおよびコロ４４ａの樹脂材質部分１０７の材質は、よりトナーが付きにくくするため、例えばテトラフルオロエチレンのような離型性のよい材質を使用するとよい。また、１０８は平行ピンである。
【００２１】
このように、樹脂材質部分１０７がフリーで回転するようにしたことで、樹脂材質部分１０７の相手側である第１反転ローラのゴム材質のコロ４３ａとギヤ連結したときに、線速差による樹脂材質部１０７とコロ４３ａとの擦れが発生しない。また、樹脂材質部分１０７の径と、ゴム材質部分１０６の径では、樹脂材質部分１０７の径のほうを大きくするようにしたので、常に樹脂材質部分１０７に用紙の先端が当接するので、用紙先端にゴム材質部分１０６に付着したトナー汚れが付かず、搬送性能の面でも効果がある。
【００２２】
なお、前述したスイッチバックローラ１０３ａおよびスイッチバック従動コロ１０３ｂは、用紙の搬送方向に対して直角の方向で用紙のほぼ中央に位置しており、また中間トレイ１０４に進入した用紙の下側に位置するのスイッチバックローラ１０３ａが搬送方向に常に回転しているので、用紙の進入の際に用紙先端とスイッチバックローラ１０３ａとが衝突しないように、スイッチバックローラ上流にジャンプ台１０１を配設するのが好ましい。これにより、用紙を中間トレイ１０４より排出する場合、用紙の先端がジャンプ台１０１分中央部が持ち上がって搬送される。中央部が持ち上がるため、第１および第２反転ローラ３１，３２に用紙が進入する際、中央に位置するコロのニップに進入しにくくなる。
【００２３】
【発明の効果】
これまでの説明から明らかなように、本発明によれば、簡単な構成でかつ確実に用紙の変形や汚れを防止することができる反転給送部を備えた画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施の形態における全体構成を概略的に示す図である。
【図２】図１における反転給送部の詳細な構成を示す図である。
【図３】図２における反転給送部の上方、中間、下方の３つの反転ローラの構成を示す一部を断面した正面図である。
【図４】図３における中間の反転ローラの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
１，２ 用紙搬送手段
４ 感光体ドラム
６ 定着装置
８ 分岐爪
１０ 搬送コロ対
１２ 中間ローラ対
３１，３２，３３ 第１、第２、第３反転ローラ
３４，３５，３６，３７ 反転搬送ローラ対
４３，４４，４５ シャフト
４３ａ，４４ａ，４５ａ コロ
１０４ 中間トレイ
１０３ａ スイッチバックローラ
１０３ｂ スイッチバック従動コロ
１０６ ゴム材質部分
１０７ 樹脂材質部分
１０８、１０９ ギヤ
Claims (4)
- 前記画像形成部で画像を転写された用紙を反転させて、再度前記画像形成部に給送する反転給送部を備えた画像形成装置において、
前記反転給送部は、前記画像形成部からの用紙をその間で搬送する第１および第２のローラと、
該第１および第２のローラを通過した前記用紙を前記第１と第２のローラの搬送方向と逆の方向に前記第２のローラとによって搬送する第３のローラとを備え、
前記第２のローラはゴムあるいは合成ゴムからなるゴムコロ部と、該ゴムコロ部より直径が大きい合成樹脂からなる樹脂コロ部と
を備え、
前記第１のローラは合成樹脂から形成された樹脂コロからなり、前記第２のローラの前記ゴムコロ部に当接することを特徴とする画像形成装置。 - 前記画像形成部で画像を転写された用紙を反転させて、再度前記画像形成部に給送する反転給送部を備えた画像形成装置において、
前記反転給送部は、前記画像形成部からの用紙をその間で搬送する第１および第２のローラと、
該第１および第２のローラを通過した前記用紙を前記第１と第２のローラの搬送方向と逆の方向に前記第２のローラとによって搬送する第３のローラとを備え、
前記第２のローラはゴムあるいは合成ゴムからなるゴムコロ部と、該ゴムコロ部より直径が大きい合成樹脂からなる樹脂コロ部と
を備え、
前記第３のローラはゴムまたは合成ゴムから形成されたゴムコロからなり、前記第２のローラの前記樹脂コロ部に当接することを特徴とする画像形成装置。 - 前記樹脂コロ部は前記ゴムコロ部に対して回転自在に支持されていることを特徴とする請求項１又は２記載の画像形成装置。
- 前記樹脂コロ部は離型性のある合成樹脂で構成されていることを特徴とする請求項１又は２記載の画像形成装置。
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