JP3964157B2 - ヘッドランプクリーナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なヘッドランプクリーナーに関する。詳しくは、複数の筒体を互いに摺動可能に嵌合させて伸縮可能に形成した外殻筒体の先端部に洗浄液を噴射する噴射ノズルを設け、使用時に外殻筒体が伸張するようにしたヘッドランプクリーナーにおいて、不使用時に外殻筒体を構成する筒体の間に塵埃が侵入するのを防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の筒体が互いに摺動可能に嵌合されて伸縮可能に形成された外殻筒体と、該外殻筒体の先端部に設けられ洗浄液を噴射する噴射ノズルを有するノズル配置部と、上記外殻筒体の内部に配置され収縮力により外殻筒体を収縮させるバネ部材とを備え、上記外殻筒体内に供給される洗浄液の液圧によりバネ部材が伸張して外殻筒体が伸張し、且つ、上記噴射ノズルから洗浄液が噴射されるようにしたヘッドランプクリーナーがある。
【0003】
上記したタイプのヘッドランプクリーナーは、不使用時には外殻筒体を収縮させた状態にしておくことにより、嵩張らず、狭いスペースでも取り付けることができるという利点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来のヘッドランプクリーナーにあっては、外殻筒体を構成する各筒体の間に塵埃が侵入すると、筒体間の摺動動作がスムーズでなくなるという問題が生じる。
【0005】
筒体の間に塵埃が侵入する危険性は不使用時において多く存在する。すなわち、ヘッドランプクリーナーの使用はヘッドランプの前面カバーを洗浄する必要性が生じたときに限られ、洗浄液を噴射してヘッドランプの前面カバーがきれいになれば、洗浄液の噴射は必要なく、従って、外殻筒体が伸張した状態は短時間で終了することになる。
【0006】
そして、外殻筒体が伸張した状態では各筒体の間には隙間が生じることがないので、各筒体の間に塵埃が侵入してしまう危険性はほとんどないが、外殻筒体が収縮した状態では各筒体の間に隙間が生じ各筒体の間に塵埃が侵入してしまう危険性がある。しかも、上記したように、外殻筒体が収縮している状態の方が長時間存在する。
【0007】
そこで、本発明は、外殻筒体が収縮している不使用時において外殻筒体を構成する筒体の間に塵埃が侵入するのを防止することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明ヘッドランプクリーナーは、上記した課題を解決するために、複数の筒体が互いに摺動可能に嵌合されて伸縮可能に形成された外殻筒体と、上記外殻筒体の先端部に設けられ洗浄液を噴射する噴射ノズルが配置されたノズル配置部と、上記外殻筒体の内部に配置され収縮力により外殻筒体を収縮させるバネ部材と、上記複数の筒体のうち最も外側に位置する筒体(以下、「ベース筒体」という。)の先端部に設けられ、収縮時にのみその前面がノズル配置部に設けられたフランジ部の後面と接触し、上記ベース筒体以外の筒体とは接触しない弾性体からなるダストカバーとを備え、上記外殻筒体内に供給される洗浄液の液圧によりバネ部材が伸張して外殻筒体が伸張し、且つ、上記噴射ノズルから洗浄液が噴射されるようにしたものである。
【0009】
従って、本発明ヘッドランプクリーナーにあっては、外殻筒体の収縮時にのみ、すなわち、ヘッドランプクリーナーを使用していないときにだけ、ベース筒体の先端部に設けられた弾性体から成るダストカバーの前面がノズル配置部に設けられたフランジ部の後面と接触し、ベース筒体以外の筒体とは接触しないので、外殻筒体を構成する各筒体の間の間隙部分はダストカバーとフランジ部との接触によって外部に対して封鎖され、従って、外殻筒体を構成する各筒体の間に外部から塵埃が侵入してしまう惧がない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明ヘッドランプクリーナーの実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0011】
ヘッドランプクリーナー1は外殻筒体2を有する。外殻筒体2は3つの筒体が互いに摺動自在に嵌合されて全体として伸縮可能にされている。
【0012】
基端側の筒体、すなわち、外殻筒体2を構成する筒体のうち最も外側に位置する筒体3(以下、「ベース筒体」という。)が最も太く、且つ、車体に固定されるシリンダとなる。ベース筒体3の内周面には軸方向に延びる複数の案内溝4、4、・・・が形成されている。また、ベース筒体3の基端部の外周面には周方向に等間隔に間をあけて4個の係合突起5、5、・・・(図3、図4参照)が突設されている。さらに、ベース筒体3の先端部の外周面にも周方向に間隔をあけて複数の係合突起6、6、・・・(図1、図3、図4参照)が突設されている。そして、係合突起5、5、・・・の外側面の後端部5a、5a、・・・は後方に行くに従ってベース筒体3の中心方向に変位する傾斜面にされ、係合突起6、6、・・・の外側面の前端部6a、6a、・・・は前方に行くに従ってベース筒体3の中心方向に変位する傾斜面にされている。
【0013】
また、ベース筒体3の外周面のうち上記係合突起6、6、・・・からやや後方に離間した位置に全周に亘って延びるフランジ7が突設され、該フランジ7の外周面から位置決め突起7aが突設されている。さらに、ベース筒体3の外周面のうち前後方向における中間部から僅かに後方に寄った位置に取付片8が突設され、該取付片8には取付孔8aが形成されている(図1参照)。
【0014】
ベース筒体3の前端部内周面9は前端に行くに従って拡径するテーパー面にされている(図1、図2参照)。
【0015】
中間の筒体10は上記ベース筒体3よりやや細い筒状を為し、ベース筒体3内に摺動自在に内嵌されており、これを第1のピストンという。該第1のピストン10の基端部外周面には被案内突起11、11、・・・が突設され、該被案内突起11、11、・・・がベース筒体3の案内溝4、4、・・・に摺動自在に係合されている。そして、第1のピストン10がベース筒体3から最も突出した状態では、その被案内突起11、11、・・・がベース筒体3の案内溝4、4、・・・の先端4a、4a、・・・に衝合し、それ以上ベース筒体3から突出しないようになっている(図6参照)。第1のピストン10の内周面には軸方向に延びる複数の案内溝12、12、・・・が形成されている(図1参照)。
【0016】
先端の筒体13は上記第1のピストン10よりやや細い筒状を為し、第1のピストン10内に摺動自在に内嵌されており、これを第2のピストンという。該第2のピストン13の基端部外周面には被案内突起14、14、・・・が突設され、該被案内突起14、14、・・・が第1のピストン10の案内溝12、12、・・・に摺動自在に係合されている。そして、第2のピストン13が第1のピストン10から最も突出した状態では、その被案内突起14、14、・・・が第1のピストン10の案内溝12、12、・・・の先端12a、12a、・・・に衝合し、それ以上第1のピストン10から突出しないようになっている(図6参照)。
【0017】
第2のピストン13の先端部15は他の部分に比較して僅かに径が小さくされ、その外周面には周方向に間隔をあけて複数の係合突起16、16、・・・が形成されており、該係合突起16、16、・・・の外面の前端部16a、16a、・・・は前端に行くに従って第2のピストン13の中心側に変位していく傾斜面にされている(図2参照)。上記先端部15の内周面には内フランジ17が突設され、該内フランジ17の内縁には基端方向に突出した環状部17aが一体に形成されている。
【0018】
18はゴム、合成ゴム等の弾性材料で形成されたブーツであり、蛇腹状の円筒状をした主部18aの基端には外方へ突出したフランジ18bが形成され、また、主部18aの先端には筒状部18cが連設され、該筒状部18cの先端には外方へ突出したフランジ18dが形成されている(図1参照)。
【0019】
19はバックキャップであり、短い円筒状を為し基端が閉塞された主部20と、該主部20の開口縁に連設され主部20より大きな径を有し短い円筒状をした連結部21と主部20の側面から突出した連結管部22とが一体に形成されて成り、連結部21の側壁部には周方向に等間隔に間をおいて4個の係合孔21a、21a、・・・が形成され(図3、図4参照)、また、主部20の底部内面の中央にはバネ掛け部23が形成されている。該バネ掛け部23は前端が開口した角筒状をしており、上記連結管部22側に位置した壁部に挿通孔23aが形成され、それによって、該壁部の前端部に引掛部23bが形成される(図1、図5参照)。
【0020】
そして、上記ブーツ18が外殻筒体2内に挿入され、ブーツ18の基端側のフランジ18bの先端側面に環状の押えプレート24が当接され、該押えプレート24の周縁部がベース筒体3の基端に当接された状態でバックキャップ19がベース筒体3の基端部に外嵌され(図1参照)、ベース筒体3の基端部外周面の係合突起5、5、・・・がバックキャップ19の係合孔21a、21a、・・・に係合され(図3、図4参照)、これによって、ベース筒体3の基端がバックキャップ19によって閉塞され、ブーツ18の基端部のフランジ18bが押えプレート24を介してベース筒体3の基端とバックキャップ19とによって挟持される(図1参照)。
【0021】
なお、上記したように、ベース筒体3の係合突起5、5、・・・とバックキャップ19の係合孔21a、21a、・・・はそれぞれ周方向に等間隔に間をあけて、すなわち、中心角で90゜の間隔をあけて4個形成されているので、連結管部22の向きを90゜間隔で任意の向きに向けて取り付けることが出来る。
【0022】
第2のピストン13の先端部にはトップキャップ25が取り付けられる。該トップキャップ25は軸方向長さが短い筒状部25aの先端からフランジ25bが外方に突設されて成り、筒状部25aの後端部にバネ掛け部26が一体に形成されている。該バネ掛け部26は筒状部25aの後端のほぼ半分を塞ぐように位置された壁部26aと該壁部26aの縁から前方へ突出した立ち上げ部26bとから成り、立ち上げ部26bの前端縁26cが引掛縁とされている。そして該引掛縁26cは中央部が最も後方に位置するように両脇部が傾斜された浅いV字状に形成されている(図1、図5参照)。
【0023】
そして、上記ブーツ18の筒状部18cが第2のピストン13の先端部内側に形成された環状部17aに内嵌状に位置され、筒状部18cの先端に形成されたフランジ18dが第2のピストン13の先端部に形成された内フランジ17の前側に載置され、その状態のまま、上記トップキャップ25の筒状部25aが上記環状部17aに内嵌される。これによって、ブーツ18の筒状部18cはトップキャップ25の筒状部25aと環状部17aとの間で挟持され、また、ブーツ18のフランジ18dは上記内フランジ17とトップキャップ25のフランジ25bとの間で挟持された状態となる(図1参照)。このようにして、ブーツ18の先端部は第2のピストン13の先端部に固定される。
【0024】
バネ部材27は引張コイルバネとして形成されている。そして、該バネ部材27の両端にそれぞれフック27a、27bが形成されている。そして、基端のフック27aがバックキャップ19のバネ掛け部23に係止され、先端のフック27bがトップキャップ25のバネ掛け部26に係止される(図1参照)。なお、バネ部材27は、フック27a、27bがそれぞれのバネ掛け部23、26に係止される際に、その向きが規定される。すなわち、基端部のバネ掛け部23は角筒状を為す壁部のうち一の壁部にしか挿通孔23aが形成されておらず、フック部27aは該挿通孔23aを挿通して引掛部23bに引っ掛けるしかなく、従って、フック部27aの引っ掛け方向が規定される。また、先端部のバネ掛け部26にあっては、フック27bをトップキャップ25の筒状部25aの後端開口部のうちバネ掛け部26の壁部26aによって塞がれていない部分を通して前側に挿通して引っ掛け縁26cに引っ掛けるしかなく、従って、フック27bの引っ掛け方向も規定される。これによって、バネ部材27は、その両端のフック27a、27bをそれぞれのバネ掛け部23、26に引っ掛ける際にねじれが生じることがない。
【0025】
バネ部材27は引張コイルバネとして形成されている。そして、該バネ部材27の両端にそれぞれフック27a、27bが形成されている。そして、基端のフック27aがバックキャップ19のバネ掛け部23に係止され、先端のフック27bがトップキャップ25のバネ掛け部26に係止される(図5、図6参照)。なお、バネ部材27は、フック27a、27bがそれぞれのバネ掛け部23、26に係止される際に、その向きが規定される。すなわち、基端部のバネ掛け部23は角筒状を為す壁部のうち一の壁部にしか挿通孔23aが形成されておらず、フック部27aは該挿通孔23aを挿通して引掛部23bに引っ掛けるしかなく、従って、フック部27aの引っ掛け方向が規定される。また、先端部のバネ掛け部26にあっては、フック27bをトップキャップ25の筒状部25aの後端開口部のうちバネ掛け部26の壁部26aによって塞がれていない部分を通して前側に挿通して引っ掛け縁26cに引っ掛けるしかなく、従って、フック27bの引っ掛け方向も規定される。これによって、バネ部材27は、その両端のフック27a、27bをそれぞれのバネ掛け部23、26に引っ掛ける際にねじれが生じることがない。
【0026】
バネ部材27が以上のように2つのバネ掛け部23、26間に張設されると、バネ部材27の収縮力により各ピストン10、13はベース筒体3内に収納されるように引っ張られ、非作動時には、図1及び図3に示すように、2つのピストン10、13がベース筒体3内に収納された状態となっている。
【0027】
第2のピストン13の先端部に噴射ノズル配置部28が設けられる(図1参照)。
【0028】
上記噴射ノズル配置部28はチェックバルブ部29とノズルホルダ30とから成る(図1、図2参照)。
【0029】
チェックバルブ部29はトップハーフ31とバックハーフ32とで形成されたバルブケース33内に所要のバルブ要素が配置されてチェックバルブ34が形成されて成る(図1、図2参照)。
【0030】
トップハーフ31はほぼ円筒状を為し、先端には内方へ突出した内フランジ35が形成され、該内フランジ35の内縁からは基端側へ向かって円筒状の筒部36が突設され、該筒部36の外側に環状の空間37が形成される。トップハーフ31の基端部38はその径がその他の部分より大きくされた連結部とされている。そして、この連結部38の外径は上記した第1のピストン10の外径とほぼ同じに形成されていて、周方向に間隔を置いて複数の係合孔38a、38a、・・・が形成されている。また、連結部38の内周面の後端部38bは後端に行くに従って拡径するテーパー面に形成されている(図2参照)。
【0031】
また、トップハーフ31の連結部38の外周面のうち係合孔38a、38a、・・・より前側の位置から全周に亘って延びるフランジ部39が突設されている。そして、上記連結部38には上記フランジ部39の後面と連結部38の外側面との間に連結された複数のリブ40、40、・・・が周方向にほぼ等間隔に間をおいて形成されている。そして、上記リブ40、40、・・・の外側縁40a、40a、・・・は後端に行くに従って連結部38の外側面に近づいていく傾斜縁とされていて、該傾斜縁40a、40a、・・・の傾斜角は上記ベース筒体3の前端部内周面に形成されたテーパー面9の傾斜角に等しくされている(図2参照)。
【0032】
さらに、トップハーフ31の外周面のうち前後方向におけるほぼ中間の位置には周方向に間隔を置いて複数の係合突起41、41、・・・が形成されている。そして、該係合突起41、41、・・・の外側面の前端部は前方に行くに従ってトップハーフ31の中心方向に変位していく傾斜面とされている(図1参照)。
【0033】
バックハーフ32は上面部42の周縁部から円筒部43が基端側に突設された形状を為す。そして、円筒部43の外周面の前端寄りの位置には周方向に間隔を置いて複数の係合突起44、44、・・・が突設され、該係合突起44、44、・・・の外側面の前端部44a、44a、・・・は前端に行くに従って円筒部43の中心に向かって変位する傾斜面にされている。また、円筒部43の後端寄りの位置には周方向に間隔を置いて複数の係合孔45、45、・・・が形成されている。さらに、円筒部43の内周面の後端部43aは後端に行くに従って拡径するテーパー面に形成されている(図2参照)。
【0034】
該バックハーフ32の先端部がトップハーフ31の連結部38に内嵌されることによって、トップハーフ31とバックハーフ32とが結合一体化されてバルブケース33が形成される。すなわち、バックハーフ32の前端部をトップハーフ31の連結部38に内嵌していくと、該連結部38のテーパー面38bがバックハーフ32に形成された係合突起44、44、・・・の傾斜面44a、44a、・・・を乗り上げていき、やがて、係合突起44、44、・・・がトップハーフ31の連結部38に形成された係合孔38a、38a、・・・に係合して、トップハーフ31とバックハーフ32とが一体的に結合される(図2参照)。
【0035】
チェックバルブ34はバルブケース33の基端側での液圧が所定の値以上となったときに開いてバルブケース33の基端から先端までの通路が開通するものであればどのようなものでも良い。例えば、特願平6−24942号や特願平6−216796号に記載された閉止弁のようなものを採用することができる。その特徴を述べれば、チェックバルブ34はバルブケース33の基端から先端までの液通路を途中で仕切る弾性材料から成るダイヤフラム46を有し、該ダイヤフラム46を閉塞位置に保持する圧縮コイルバネ状の閉塞バネ47が上記環状空間37内に配置されている(図1参照)。しかして、バルブケース33の基端側での液圧が所定の値以上になると、閉塞バネ47が圧縮され、ダイヤフラム46が変形して該ダイヤフラム46によって閉止されていた通路が開通する。
【0036】
上記のようなチェックバルブ部29は、バックハーフ32の円筒部43が上記第2のピストン13の先端部15に外嵌されることによって、第2のピストン13の先端部に結合される。すなわち、バックハーフ32の円筒部43を第2のピストン13の先端部15に外嵌していくと、円筒部43のテーパー面43aが第2のピストン13に形成された係合突起16、16、・・・の傾斜面16a、16a、・・・を乗り上げていき、やがて、係合突起16、16、・・・がバックハーフ32の円筒部43に形成された係合孔45、45、・・・に係合して、チェックバルブ部29と第2のピストン13とが一体的に結合される(図2参照)。
【0037】
チェックバルブ部29の先端部にノズルホルダ30が取着される(図1参照)。
【0038】
ノズルホルダ30は連結管48の先端に収納部49が一体に形成されて成り、収納部49はほぼ一端が閉塞した円筒状をしており、軸方向が上記連結管48の軸方向と交差する向きで閉塞端側が連結管48の先端に連結され、連結管48の中心孔と収納部49の内部空間とが連通される。そして、上記収納部49内には噴射ノズル50が傾動可能に内嵌されている(図1参照)。そして、連結管48と収納部49との間には外方へ突出したフランジ51が形成されている。また、ノズルホルダ30は上記連結管48の後端よりやや後ろの部分に位置した円環部52を備えており、該円環部52と上記フランジ部51とは複数の連結片53、53、・・・によって連結されている。そして、上記連結片53、53、・・・の円環部寄りの部分に係合孔53a、53a、・・・が形成されている(図1、図4参照)。
【0039】
ノズルホルダ30には天蓋部54が取り付けられる。天蓋部54は天蓋板55と該天蓋板55の後面から突設されたステー56、56とから成る。天蓋板55は不使用時にノズルホルダ30が突出される開口部を閉塞しておくものであり、たとえば、ヘッドランプクリーナー1が自動車のバンパーの裏側に配置されるものである場合は、バンパーに形成された開口部を表側から閉塞するべく、バンパーの曲面形状に適合した曲面を為すように形成されている。そして、ステー56、56の後端がノズルホルダ30のフランジ部51の前面に当接され、その状態で、フランジ部51の裏側から切欠51a、51aを挿通されたネジ57、57がステー56、56に螺着され、これによって、天蓋部54はその天蓋板55がノズルホルダ30の収納部49の前側を覆うようにノズルホルダ30に取り付けられる(図1、図4参照)。
【0040】
上記したノズルホルダ30はその連結管48がオーリング58を外嵌された状態で上記バルブケース33のトップハーフ31の筒部36に内嵌され、連結片53、53、・・・に形成された係合孔53a、53a、・・・に、チェックバルブ部29のトップハーフ31の外周面に形成された係合突起41、41、・・・が係合され、これによって、ノズルホルダ30がチェックバルブ部29に結合される(図1参照)。
【0041】
上記ベース筒体3の先端部にはダストカバー59が取着される。ダストカバー59はゴム、合成ゴム等の弾性を有する材料、例えば、EPDM(ethylen-propylene-dienomethylene rubber)で形成され、シリンダ3の先端部の外径とほぼ等しい内径を有する筒部60と該筒部60の先端から内方へ突出した内フランジ部61とが一体に形成されて成り、内フランジ部61の内径は上記トップハーフ31の連結部38の外径よりやや小さくされている。また、筒部60には複数の係合孔60a、60aが周方向に間隔を置いて形成されている(図2、図3、図4参照)。
【0042】
また、ダストカバー59の筒部60の外周面の後端にはオーリング状の突条62が一体に突設されている。さらに、筒部60の外周面の先端近くにも全周に亘って突条63が形成されている。
【0043】
そして、上記ダストカバー59は、筒部60がベース筒体3の先端部に外嵌され、ベース筒体3の先端部外面に形成された係合突起6、6、・・・が筒部60の係合孔60a、60a、・・・に係合されて、ベース筒体3の先端部に取着され。筒部60の後端はベース筒体3の先端部に形成されたフランジ7の前面に接した状態となる。そして、ベース筒体3の係合突起6、6、・・・はその大部分がダストカバー59の筒部60の外側面から突出された状態とされる(図2参照)。
【0044】
そして、ヘッドランプクリーナー1が使用されていない状態、すなわち、外殻筒体2が収縮している状態では、チェックバルブ部29のトップハーフ31の連結部38に形成されたフランジ部39の後面がベース筒体3の先端部に外嵌されたダストカバー59の内フランジ61の前面に弾接した状態となる(図1、図2参照)。そして、この状態はバネ部材27の収縮力によって維持される。従って、外殻筒体2の内部は外部に対して密閉されることになり、上記連結部38とベース筒体3の先端との間から外殻筒体2の内部に塵埃が侵入することが防止される(図1、図2参照)。
【0045】
また、不使用時にあっては、ベース筒体3の前端部内周面のテーパー面9がチェックバルブ部29のトップハーフ31の連結部38が有するフランジ部39の後面に連続して形成されたリブ40、40、・・・の傾斜縁40a、40a、・・・と摺合、すなわち、摺り合わせられるように当接することによって、チェックバルブ部29の中心とベース筒体3の中心とが一致され、従って、上記フランジ部39の後面が上記ダストカバー59の内フランジ部61の前面に確実に弾接された状態となると共に、ベース筒体3とノズル配置部28との間のガタつきが防止される(図2参照)。
【0046】
しかして、ベース筒体3が車体に支持され(図7参照)、車体の一部、例えばバンパー64に形成された開口部65からノズルホルダ30が出入りするようにされる。ベース筒体3の車体への支持には取付用のブラケット66(図3、図4参照)が使用される。
【0047】
ブラケット66はほぼ円筒状をした支持筒67と該支持筒67から側方へ突出された取付片68、69とが一体に形成されて成る。上記支持筒67は前半部67aに比較して後半部67bが大径に形成され、これによって、支持筒67の内周面には前半部67aと後半部67bとの境界部に後ろ向きの段差面70が形成される。また、支持筒67の前半部67aには周方向に間隔を置いて複数の係合孔71、71、・・・が形成されている。さらに、後半部67bには後端に開口した位置決め切欠67cが形成されている。そして、上記ブラケット66は、支持片68.69の取付孔68a、69a、69a及び車体73の取付孔73a、73a、73aを挿通されたボルト74、74、74にナット75、75、75が締結されることによって、車体73に支持される(図3、図4、図7参照)。
【0048】
そこで、ヘッドランプクリーナー1のベース筒体3の先端部を上記ブラケット66の支持筒67に後側から挿入する。そして、ベース筒体3の先端が支持筒67の前半部67a内に挿入されると、ダストカバー59の筒部60の前端の突条63の外径が支持筒67の前半部67aの内径より大きく形成されているため、上記突条63が支持筒67の前半部67aの内周面によって押し潰されて変形しながら、ベース筒体3の先端部はさらに支持筒67内に挿入される。そして、ついには、ベース筒体3の先端部に形成された係合突起6、6、・・・がブラケット66の支持筒67の係合孔71、71、・・・に係合し、これによって、ベース筒体3の先端部がブラケット66を介して車体に支持される。なお、この状態で、ダストカバー59の筒部60の後端に形成されたオーリング状突条62がブラケット66の支持筒67の内周面に形成された段差面70に圧接される。従って、ブラケット66の支持筒67とベース筒体3の先端部との間は、ダストカバー59の前端部の突条63が支持筒67の内周面に圧接し、ダストカバー59の後端のオーリング状突条62が支持筒67の段差面70に弾接することによって、ベース筒体3とブラケット66の支持筒67との間のガタつきが防止される(図8参照)。
【0049】
なお、ベース筒体3の位置決め突起7aがブラケット66の位置決め切欠67cと係合され、これによって、ヘッドランプクリーナー1のブラケット66に対する回転方向の位置決めがされる。なお、図3において、ヘッドランプクリーナー1は、位置決め突起7aが位置決め切欠67cと係合するように、ブラケット66に少し回転させて取り付けられる。
【0050】
ヘッドランプクリーナー1は、ベース筒体3が上記したようにブラケット66を介して車体に支持されたり、また、ベース筒体3の外側面から突設された取付片8が取付孔8aを挿通された図示しないネジによって車体にネジ止めされ、車体に安定に支持される。
【0051】
上記したように、ヘッドランプクリーナー1は、ベース筒体3に形成された係合突起6、6、・・・をブラケット66に形成された係合孔71、71、・・・に係合すると共に、取付片8を車体にネジ止めするだけで、車体に取り付けることが出来るため、車体への取付作業が簡単であると共に、車体にブラケット66を取り付けることが出来れば、どのような車体にも、大きな加工を要せずして取り付けることが出来、汎用性が増大する。
【0052】
そして、収納状態において、図1及び図3に示すように、各ピストン10、13はバネ部材27の収縮による引張力によってベース筒体3内に収納され、ノズルホルダ30はバンパー64の開口部65の内側に位置され天蓋部54の天蓋板55がバンパー64の開口部65を覆った状態となっている。なお、ベース筒体3の基端部に設けられた連結管部22は図示しないモータポンプと連結され、作動時にモーターポンプによって洗浄液が該連結管部22を介してベース筒体3内に供給されるようになっている。そして、供給された洗浄液はブーツ18内を通ってチェックバルブ部29の基端部に達する。
【0053】
そして、ベース筒体3内に洗浄液が供給され、その液圧が高まってくると、該液圧によってバネ部材27が伸張されて第1及び第2のピストン10、13がベース筒体3から突出していく。これによって、ピストン10、13が図6及び図7に示す状態まで伸張し、噴射ノズル50がヘッドランプの前面カバー72を洗浄するに適した位置に達することができる。
【0054】
それから、チェックバルブ部29の基端部分における洗浄液の液圧、すなわち、ダイヤフラム46にかかる液圧が所定以上になると、閉塞バネ47が圧縮され、ダイヤフラム46が変形してチェックバルブ34が開き洗浄液がノズルホルダ30を経て噴射ノズル50からヘッドランプの前面カバー72に向けて噴射される。
【0055】
このように、洗浄液が供給されると、先ず、外殻筒体2が伸張し、それからチェックバルブ34が開いて噴射ノズル50から洗浄液が噴射される。このために、バネ部材27のバネ力を閉塞バネ47のバネ力より小さくしてある。なお、必ずしも外殻筒体2が完全に伸張しきってから洗浄液の噴射が為されるようようにする必要はなく、外殻筒体2が伸張しながら洗浄液の噴射が始まっても特に差し支えはない。
【0056】
洗浄液の供給が停止すると、液圧が下がるので、チェックバルブ34が閉じ、且つ、外殻筒体2が収縮して、図1及び図3に示す収納状態になる。そして、バンパー64の開口部65がノズルホルダ30に設けられた天蓋部54の天蓋板55によって閉じられる。
【0057】
上記したヘッドランプクリーナー1にあっては、外殻筒体2が収縮した状態にある不使用時に、最外周に位置している筒体であるベース筒体3と外殻筒体2の先端部に設けられた噴射ノズル配置部28との間をダストカバー59で封止した状態となるので、互いに摺動自在に嵌合している筒体であるベース筒体3及びピストン10、13の間に侵入しようとする塵埃は上記ダストカバー59によって該侵入を妨げられ、従って、互いに摺動自在に嵌合している筒体であるベース筒体3及びピストン10、13の間に塵埃が侵入してしまうことが防止される。
【0058】
なお、外殻筒体2が伸張状態にあるとき(図6、図7参照)、すなわち、使用状態にあるときは、第1のピストン10及び第2のピストン13の外周面のほとんどが外気に曝され、また、第1のピストン10と第2のピストン13との間を覆うものはないが、ヘッドランプクリーナー1の使用は短時間で終わるものであり、第1のピストン10と第2のピストン13との間に塵埃が侵入する惧れはそれほど大きなものではない。
【0059】
なお、上記した実施の形態において示した各部の形状乃至構造は、いずれも本発明を実施する際に行う具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されるようなことがあってはならないものである。
【0060】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように、本発明ヘッドランプクリーナーは、複数の筒体が互いに摺動可能に嵌合されて伸縮可能に形成された外殻筒体と、上記外殻筒体の先端部に設けられ洗浄液を噴射する噴射ノズルが配置されたノズル配置部と、上記外殻筒体の内部に配置され収縮力により外殻筒体を収縮させるバネ部材と、上記複数の筒体のうち最も外側に位置する筒体(以下、「ベース筒体」という。)の先端部に設けられ、収縮時にのみその前面がノズル配置部に設けられたフランジ部の後面と接触し、上記ベース筒体以外の筒体とは接触しない弾性体からなるダストカバーとを備え、上記外殻筒体内に供給される洗浄液の液圧によりバネ部材が伸張して外殻筒体が伸張し、且つ、上記噴射ノズルから洗浄液が噴射されることを特徴とする。
【0061】
従って、本発明ヘッドランプクリーナーにあっては、外殻筒体の収縮時にのみ、すなわち、ヘッドランプクリーナーを使用していないときにだけ、ベース筒体の先端部に設けられた弾性体から成るダストカバーの前面がノズル配置部に設けられたフランジ部の後面と接触し、ベース筒体以外の筒体とは接触しないので、外殻筒体を構成する各筒体の間の間隙部分はダストカバーとフランジ部との接触によって外部に対して封鎖され、従って、外殻筒体を構成する各筒体の間に外部から塵埃が侵入してしまう惧がない。
【0062】
請求項2に記載した発明にあっては、上記フランジ部の後面に連続し後方に行くに従って筒体の中心方向に変位する傾斜部を形成すると共に、上記ベース筒体の上記フランジ部の後面と接触する先端部の内周面に上記傾斜部の傾斜とほぼ同じ角度の傾斜を有する傾斜面を形成したので、不使用時には、ノズル配置部に設けられた傾斜部とベース筒体に設けられた傾斜面とが摺合するので、ノズル配置部とベース筒体の中心が一致して、ダストカバーとフランジ部との接触が確実に為されると共に、ノズル配置部とベース筒体との間のガタつきが防止される。
【0063】
請求項3に記載した発明にあっては、上記ダストカバーは上記ベース筒体の先端部に外嵌される筒状を為し、車体に支持されるブラケットにはベース筒体の先端部を内嵌状に支持する支持筒部を有し、ベース筒体を上記支持筒部に内嵌したときにダストカバーが支持筒部の内周面との間で圧縮変形されるようにしたので、ダストカバーがパッキングの機能も果たし、ベース筒体とブラケットとの間のガタつきが防止される。
【0064】
請求項4に記載した発明にあっては、上記ベース筒体の先端部外周面には複数の係合突起が形成され、ベース筒体の先端部に外嵌されるダストカバーの係合孔に上記係合突起が係合されてダストカバーがベース筒体の先端部に支持されると共に上記係合突起はダストカバーの外側面から突出され、ベース筒体の先端部は上記ブラケットの支持筒部に内嵌されると共に上記係合突起が支持筒部に形成された係合孔に係合されてベース筒体の先端部が支持筒部に支持され、ダストカバーのオーリング状突条が係合孔より後端寄りの位置に形成されたので、ベース筒体のブラケットへの取付状態が強固になる。
【0065】
また、ブラケットへのベース筒体の取付作業は、ベース筒体の先端部をブラケットの支持筒部に内嵌していくだけの作業で良く、取付作業が簡単であると共に、車体形状の如何を問わず、ブラケットを取り付けることが出来る車輌であれば、どのような車輌にも大きな加工を要すること無しに取り付けることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図面は本発明ヘッドランプクリーナーの実施の形態を示すものであり、本図は非作動時における縦断面図である。
【図2】要部の拡大縦断面図である。
【図3】外殻筒体が収縮した状態を噴射ノズルを除去し、且つ、取付用のブラケットと共に示す斜視図である。
【図4】ブラケットに取り付けられた状態を示す斜視図である。
【図5】バネ部材とその両端部の取付部を示す斜視図である。
【図6】動作時における縦断面図である。
【図7】使用状態を示す縦断面図である。
【図8】ブラケットに取り付けた状態の要部を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1…ヘッドランプクリーナー、2…外殻筒体、3…ベース筒体、6…係合突起、9…テーパー面(ベース筒体の傾斜面)、10…第1のピストン(筒体)、13…第2のピストン(筒体)、27…バネ部材、28…噴射ノズル配置部(ノズル配置部)、39…フランジ部、40…リブ、40a…傾斜縁(フランジ部の後面に連続する傾斜部)、50…噴射ノズル、59…ダストカバー、62…オーリング状突条、66…ブラケット、67…支持筒(支持筒部)、71…ブラケットの係合孔
Claims (4)
- 複数の筒体が互いに摺動可能に嵌合されて伸縮可能に形成された外殻筒体と、
上記外殻筒体の先端部に設けられ洗浄液を噴射する噴射ノズルが配置されたノズル配置部と、
上記外殻筒体の内部に配置され収縮力により外殻筒体を収縮させるバネ部材と、
上記複数の筒体のうち最も外側に位置する筒体(以下、「ベース筒体」という。)の先端部に設けられ、収縮時にのみその前面がノズル配置部に設けられたフランジ部の後面と接触し、上記ベース筒体以外の筒体とは接触しない弾性体からなるダストカバーとを備え、
上記外殻筒体内に供給される洗浄液の液圧によりバネ部材が伸張して外殻筒体が伸張し、且つ、上記噴射ノズルから洗浄液が噴射される
ことを特徴とするヘッドランプクリーナー。 - 上記フランジ部の後面に連続し後方に行くに従って筒体の中心方向に変位する傾斜部を形成すると共に、上記ベース筒体の上記フランジ部の後面と接触する先端部の内周面に上記傾斜部の傾斜とほぼ同じ角度の傾斜を有する傾斜面を形成した
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドランプクリーナー。 - 上記ダストカバーは上記ベース筒体の先端部に外嵌される筒状を為し、
車体に支持されるブラケットにはベース筒体の先端部を内嵌状に支持する支持筒部を有し、
ベース筒体を上記支持筒部に内嵌したときにダストカバーが支持筒部の内周面との間で圧縮変形される
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のヘッドランプクリーナー。 - 上記ベース筒体の先端部外周面には複数の係合突起が形成され、
ベース筒体の先端部に外嵌されるダストカバーの係合孔に上記係合突起が係合されてダストカバーがベース筒体の先端部に支持されると共に上記係合突起はダストカバーの外側面から突出され、
ベース筒体の先端部は上記ブラケットの支持筒部に内嵌されると共に上記係合突起が支持筒部に形成された係合孔に係合されてベース筒体の先端部が支持筒部に支持され、
ダストカバーのオーリング状突条が係合孔より後端寄りの位置に形成された
ことを特徴とする請求項3に記載のヘッドランプクリーナー。
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