JP2001347930A - 噴射ノズル - Google Patents

噴射ノズル

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JP2001347930A
JP2001347930A JP2000172390A JP2000172390A JP2001347930A JP 2001347930 A JP2001347930 A JP 2001347930A JP 2000172390 A JP2000172390 A JP 2000172390A JP 2000172390 A JP2000172390 A JP 2000172390A JP 2001347930 A JP2001347930 A JP 2001347930A
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cylinder
piston
movable
nozzle
hole
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JP2000172390A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Nakano
博之 中野
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Asmo Co Ltd
Original Assignee
Asmo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 洗浄液の漏れを確実に防止できる噴射ノズル
を得る。 【構成】 本チェックバルブ10では、可動シリンダ6
0の開口端側にはフランジ部74が形成されており、更
にこの部分の内周部に環状の溝80が形成されてOリン
グ82が設けられている。Oリング82は溝80の底部
と固定ピストン84の外周部に密着して、可動シリンダ
60の開口端側における可動シリンダ60の内周部と固
定ピストン84の外周部との間をシールしている。ここ
で、Oリング82は可動シリンダ60の内圧が上昇して
も比較的変形しづらく、しかも、フランジ部74が形成
されているために剛性が可動シリンダ60の他の部分の
剛性よりも高いため、可動シリンダ60の内圧が上昇し
てもOリング82の緊迫力が損なわれることはなく、洗
浄液漏れを確実に防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車両のヘ
ッドランプの汚れを除去する洗浄液の噴射等に用いられ
る噴射ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】車両のヘッドランプに付着した汚れを除
去するための機構としては、ヘッドランプ近傍に洗浄液
の噴射ノズルを設け、この噴射ノズルからヘッドランプ
表面に洗浄液を吹きかけることで汚れを除去する機構が
ある。また、このような機構に用いられる噴射ノズルに
はノズルの本体部分を筒状に形成されたピストンに設
け、このピストンをシリンダに収容することでノズルの
本体部分をシリンダ及びピストンの軸方向に沿ってスラ
イド可能とした構成もある。
【0003】このような構成の噴射ノズルでは、ピスト
ンとノズルの本体部分との間にピストン側の内圧が所定
の大きさ以上にならない限り閉塞し続けるチェックバル
ブが設けられている。モータポンプの駆動力等により連
続の若しくは断続的に洗浄液がシリンダ内部を介してピ
ストン内部に供給されるが、上述したようにチェックバ
ルブはピストン側の内圧が所定の大きさ以上にならない
限り閉塞し続けるため、上昇したシリンダ及びピストン
の内圧はピストンをシリンダから押し出す。所定位置で
ピストンの押し出しが規制されると、シリンダ及びピス
トンの内圧は上昇しつづけ、この状態でピストン側の内
圧が所定の大きさ以上になるとチェックバルブによる閉
塞が解除され、洗浄液がノズルの本体部分に送給されて
噴射される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したノ
ズルの本体部分が可動する噴射ノズルでは、通常、ゴム
或いはゴム程度の弾性を有する合成樹脂材によりリング
状に形成された所謂Oリング(オーリング)をシリンダ
の底部側でのピストンの端部外周に設けることでシリン
ダの開口端側に洗浄液が漏れないようにシールしてい
た。
【0005】しかしながら、シリンダの内圧が上昇する
と、シリンダの軸方向中間部では膨らみが生じてシリン
ダの内径が拡大する。この状態では、上述したOリング
とシリンダの内周部との間に隙間が生じてしまい、この
ような隙間から洗浄液が漏れてしまう可能性があった。
【0006】本発明は、上記事実を考慮して、洗浄液の
漏れを確実に防止できる噴射ノズルを得ることが目的で
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の噴射ノズ
ルは、有底筒状のシリンダと、前記シリンダの軸方向に
沿って前記シリンダに対して相対的にスライド移動可能
に収容された筒状のピストンと、前記シリンダの底部外
側及び前記シリンダの開口方向側での前記ピストンの端
部の何れか一方に設けられ、前記シリンダの内部及び前
記ピストンの内部を通過した流体を噴射するノズル本体
と、前記シリンダの開口端内周部に沿って設けられ、前
記シリンダの開口端側において前記シリンダ内周部と前
記ピストンの外周部との間をシールするシール手段と、
を備えている。
【0008】上記構成の噴射ノズルによれば、シリンダ
の底部外側及びシリンダの開口方向側でのピストンの端
部の何れか一方にはノズル本体が設けられており、何れ
か他方(ノズル本体が設けられていない側)の内部を介
して何れか一方(ノズル本体が設けられた側)の内部を
通過した流体がノズル本体から噴射される。
【0009】また、ピストンはシリンダの軸方向に沿っ
てスライド移動可能にシリンダに収容されているため、
ピストンにノズル本体が設けられた構成の場合にはシリ
ンダを固定した状態でピストンをスライド移動させるこ
とで、固定されたシリンダに対してノズル本体が接離移
動し、シリンダにノズル本体が設けられた構成の場合に
はピストンを固定した状態でシリンダをスライド移動さ
せることで、固定されたピストンに対してノズル本体が
接離移動する。
【0010】このように、ノズル本体が設けられていな
い側に対してノズル本体が接離移動可能であることか
ら、例えば、使用時にのみノズル本体をノズル本体が設
けられていない側から離間した所定の噴射位置まで移動
させ、不要時にはノズル本体をノズル本体が設けられて
いない側へ接近させてノズル本体の突出寸法を小さくし
たり、ケース等に収容したり、或いは、壁等の遮蔽手段
の裏側にノズル本体を隠す等が可能となる。
【0011】ここで、本噴射ノズルでは、シリンダの開
口端内周部にシール手段が設けられており、このシール
手段によってシリンダの開口端側におけるシリンダの内
周部とピストンの外周部との間がシールされる。ところ
で、上述したように、仮にシリンダの内圧が上昇した際
には、シリンダの軸方向中間部ではその内径寸法が拡大
するようにシリンダが変形するが、シリンダの軸方向端
部近傍では、このような変形はしないか、或いは、変形
したとしてもその変形量は軸方向中間部に比べると極め
て小さい。しかも、シール手段はシリンダの内周部に設
けられているため、シリンダの開口端側の内径が拡大し
てもピストンの外周部への密着が損なわれることはな
い。このため、シリンダの開口端側におけるシリンダの
内周部とピストンの外周部との間を確実にシールでき
る。
【0012】請求項2記載の噴射ノズルは、請求項1記
載の本発明において、前記シリンダの開口端側の剛性を
当該開口端側より底部側の剛性に比べて高く設定したこ
とを特徴としている。
【0013】上記構成の噴射ノズルによれば、シリンダ
の開口端側の剛性をこの開口端側より底部側の剛性に比
べて高く設定しているため、シリンダの内圧が上昇して
もシリンダの開口端側では内径が拡大することはない。
したがって、より一層確実にシリンダの開口端側におけ
るシリンダの内周部とピストンの外周部との間を確実に
シールできる。
【0014】なお、シリンダの開口端側の剛性をこの開
口端側より底部側の剛性に比べて高く設定するための具
体的な構成としては、例えば、シリンダの軸方向中間部
の肉厚よりも開口端側の肉厚を厚くする構成がある。ま
た、他の例としてはシリンダの開口端側にのみに加熱等
を施すことでシリンダを形成する素材を変質させる構成
がある。さらに、他の例としては、シリンダの軸方向中
間部とシリンダの開口端側とを別体で構成してから溶接
や接着等で一体に形成する構成とし、その際、シリンダ
の開口端側を構成する部材を予めシリンダの軸方向中間
部を構成する部材よりも剛性が高い素材で形成しておく
構成等がある。
【0015】請求項3記載の噴射ノズルは、請求項1又
は請求項2記載の本発明において、有底筒状に形成され
て前記シリンダ並びに前記ピストンを内側に収容した状
態で所定の取付部位に取り付けられると共に、前記取付
部位への取付状態で外側が略下方へ向き内側が略上方へ
向くように内外を連通するドレイン孔が形成されたフレ
ームを備えることを特徴としている。
【0016】上記構成の噴射ノズルによれば、シリンダ
並びにピストンは有底筒状のフレームに収容されてお
り、このフレームが所定の取付部位に取り付けられるこ
とで本噴射ノズルが設置される。ここで、このフレーム
にはドレイン孔が形成されている。ドレイン孔はフレー
ム内方側が略上方でフレーム外方側が略下方を向くよう
にフレームを貫通しているため、フレーム内に雨水や異
物等が入り込んだ場合にはフレームの底部側へ落ちる際
にドレイン孔からフレームの外部に排出される。これに
より、雨水等がフレーム内で凍結してシリンダ及びピス
トンのうちノズル本体が設けられた側のスライド移動を
阻害したり、ノズル本体が設けられた側のスライド移動
を異物が阻害したりすることはなく、常に、円滑にノズ
ル本体が設けられた側をスライド移動させることができ
る。
【0017】請求項3記載の噴射ノズルは、請求項1乃
至請求項3の何れかに記載の本発明において、前記シリ
ンダ及び前記ピストンのうち、前記ノズル本体が設けら
れた側の内部と前記ノズル本体の内部との間を閉塞し、
前記ノズル本体が設けられた側の内圧が所定の大きさ以
上となった状態で前記ノズル本体が設けられた側の内部
と前記ノズル本体の内部との間を開放する弁を備えるこ
とを特徴としている。
【0018】上記構成の噴射ノズルによれば、シリンダ
及びピストンのうち、ノズル本体が設けられた側の内部
とノズル本体の内部との間には弁が設けられている。こ
の弁は、通常、ノズル本体が設けられた側の内部とノズ
ル本体の内部との間を閉塞しており、ノズル本体が設け
られた側の内圧が所定の大きさ以上になると、その内圧
によりノズル本体が設けられた側の内部とノズル本体の
内部との間を開放する。
【0019】したがって、流体がシリンダ及びピストン
の内部に供給されてシリンダ及びピストンの内圧が上昇
しても、その圧力が弁を作動させるだけの大きさに至る
まではシリンダ及びピストンの各々の内部の圧力はシリ
ンダ及びピストンのうちノズル本体が設けられていない
側に対するノズル本体が設けられた側の移動に供され
る。
【0020】更に詳細に説明するならば、ピストンにノ
ズル本体が設けられてシリンダが固定される構成ならば
シリンダ及びピストンの内圧が上昇すると、ピストンが
シリンダから押し出され、シリンダにノズル本体が設け
られてピストンが固定される構成ならばシリンダ及びピ
ストンの内圧が上昇すると、シリンダの内底に内圧が作
用し、ピストンの軸方向端部からシリンダの内底を離間
させるようにシリンダを移動させる(すなわち、この構
成でもシリンダを基準に見るとピストンがシリンダから
押し出される)。
【0021】このように、本発明では、特にノズル本体
が設けられた側を移動させる作業を行なわずとも、使用
時には自動的にノズル本体が設けられた側を移動させる
ことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】<第1の実施の形態の構成>図1
には本発明の第1の実施の形態に係る噴射ノズル10に
適用した分解斜視図が示されており、図2には本噴射ノ
ズル10の断面図が示されている。
【0023】(フレーム18の構成)図1及び図2に示
されるように、噴射ノズル10は一対のフレームパーツ
14、16により構成されたフレーム18を備えてい
る。フレーム18のフレームパーツ14は長手方向に対
して直交した方向に沿って切った断面が略半円形状に湾
曲しており、その長手方向一方の端部では、略半円形状
の縦壁20が形成されている。また、フレームパーツ1
4の長手方向他方の端部からはフレームパーツ14の長
手方向に対して直交し、且つ、フレームパーツ14の外
側へ向けて略矩形板状の取付片22が延出されている。
取付片22にはその厚さ方向に貫通した1乃至複数個の
貫通孔24が形成されており、これらの貫通孔24にボ
ルト等の締結手段が貫通する。貫通孔24を貫通した締
結手段は、例えば、車両のヘッドライト近傍に設けられ
た支持体に形成された貫通孔(何れも図示省略)をも貫
通して締結固定される。
【0024】一方、フレームパーツ16もまたフレーム
パーツ14と同様に断面略半円形状で、その長手方向一
端部には縦壁26が形成され、長手方向一端部には取付
片28が形成されている。また、フレームパーツ16の
幅方向(周方向)両端部近傍及びフレームパーツ16の
湾曲部分とは接していない側の縦壁26の端部近傍では
肉厚が他の部分よりも薄く形成されており、フレームパ
ーツ16の内側ではこの薄肉の部分が段差30となって
いる。
【0025】この段差30には、フレームパーツ14の
幅方向(周方向)両端部及びフレームパーツ14の湾曲
部分とは接していない側の縦壁20の端部から延出され
た薄肉の嵌合片32が嵌まり込む。嵌合片32が段差3
0に嵌まり込んだ状態では、各フレームパーツ14、1
6の長手方向に対して直交する方向に沿って切った断面
が略円形の略円筒状で、しかも、縦壁20と縦壁26と
がフレーム18の軸方向一端の底部34で且つ取付片2
2、28側が開口端とされた略有底円筒形状となる。
【0026】また、フレームパーツ14の外周部には略
半リング形状(概ね円形のリングを二つに割った形状)
の固定部36が1つ乃至フレームパーツ14の長手方向
に沿って複数個形成されている。この固定部36の周方
向両端部からは固定部36の内外周に対する接線方向で
且つフレームパーツ14の開口方向へ向けて係合爪38
が突出形成されている。
【0027】一方、フレームパーツ16の外周部には略
半リング形状の固定部40が上述した固定部36に対応
して形成されている。この固定部40の長手方向両端部
にはフレームパーツ16の外方へ向けて略矩形板状の固
定片42が延出されている。これらの固定片42にはそ
の厚さ方向(より詳細にはフレームパーツ14とフレー
ムパーツ16とを嵌合させた状態における係合爪38の
突出方向)へ向けて貫通した矩形の係合孔44が形成さ
れており、フレームパーツ14とフレームパーツ16と
が嵌合した状態では係合爪38が係合孔44を貫通した
状態で嵌め合わされ、フレームパーツ16から離間する
方向へのフレームパーツ14の移動を制限する。
【0028】なお、本実施の形態では、固定部36、4
0をフレームパーツ14、16に形成した(すなわち、
固定部36をフレームパーツ14に予め一体に形成し、
固定部40をフレームパーツ16に予め一体に形成し
た)構成であったが、固定部36、40をフレームパー
ツ14、16とは別体で構成してもよい。しかしなが
ら、固定部36、40をフレームパーツ14、16に形
成した構成の方が部品点数を増加させずに済むというメ
リットがあるうえ、固定部36、40をフレームパーツ
14、16へ取り付けるといった作業を省くことができ
るというメリットもある。
【0029】さらに、フレームパーツ16にはドレイン
孔としての一対の排水孔46、48が形成されている。
排水孔46はフレームパーツ16の軸方向(長手方向)
中間部でフレームパーツ16の内周部側と外周側とを貫
通しており、排水孔48はフレームパーツ16の縦壁2
6側でフレームパーツ16の内周部側と外周側とを貫通
している。排水孔46、48は何れもフレーム18が車
体の所定位置に組み付けられた状態で概ね上下方向に貫
通する孔となる。
【0030】また、上述した取付片22には1乃至複数
個の係合爪50が形成されている。係合爪50はその基
端部が取付片22の裏面(底部34側の面)で取付片2
2に繋がっており、先端部は取付片22の外周端部のう
ち、フレームパーツ14とフレームパーツ16とを嵌合
させた状態で取付片28と接する側の端部よりも取付片
28側へ向けて突出している。
【0031】この係合爪50に対応して取付片28には
係合孔52が形成されている。係合孔52は取付片28
の厚さ方向に貫通した矩形の孔で、フレームパーツ14
をフレームパーツ16へ嵌合させた状態では係合爪50
の先端側が係合孔52へ入り込み、その内周部がフレー
ムパーツ16からフレームパーツ14が離間する方向へ
の係合爪50の変位を制限する。
【0032】以上の構成のフレーム18の内部にはシリ
ンダとしての可動シリンダ60が収容されている。
【0033】(可動シリンダ60の構成)可動シリンダ
60はその外径寸法がフレーム18の内径寸法よりも充
分に小さく、フレーム18の底部34とは反対側の端部
が底部62とされた略有底円筒形状に形成されている。
この可動シリンダ60に対応して上述した取付片22と
取付片28にはそれぞれ略半円形状の切欠部64、66
が形成されている。フレームパーツ14、16が嵌合し
た状態では切欠部64と切欠部66とで内径寸法が可動
シリンダ60の外径寸法よりも僅かに大きな円孔68と
なり、可動シリンダ60は円孔68を貫通してフレーム
18の外側へ向けて延びることができる。
【0034】図1及び図3に示されるように、可動シリ
ンダ60の外周部には可動シリンダ60の軸方向に沿っ
て長手とされたリブ70が形成されている。このリブ7
0に対応して切欠部64には溝72が形成されており、
少なくとも可動シリンダ60が円孔68を貫通した状態
ではリブ70が溝72の内側を貫通している。
【0035】なお、本実施の形態では、リブ70及び溝
72は何れも1つであったが、図4に示されるように可
動シリンダ60の外周部周りに所定角度毎(図4の態様
では90度毎)にリブ70を形成し、これに応じて円孔
68の内周部(すなわち、切欠部64、66)に溝72
を形成してもよい。
【0036】また、図1及び図2に示されるように、可
動シリンダ60の開口端側にはフランジ74が形成され
ている。フランジ74は全体的にリング状でその外径寸
法は可動シリンダ60の外径寸法よりも充分に大きく且
つフレーム18の内径寸法よりも僅かに小さい。すなわ
ち、上述した円孔68の内周部が底部62側で可動シリ
ンダ60(すなわち、可動シリンダ60)の径方向の変
位(可動シリンダ60の軸方向に対して直交する方向へ
の変位)を制限すると共に、フレーム18の内周部がフ
ランジ74に干渉することで可動シリンダ60の径方向
の変位(可動シリンダ60の軸方向に対して直交する方
向への変位)を制限する。したがって、基本的には可動
シリンダ60の移動の方向はフレーム18の開口方向
(軸方向)に沿った方向に限定される。
【0037】また、フレーム18内部の取付片22、2
8側にはカップ76が収容されている。カップ76は外
径寸法がフレーム18の内径寸法よりも僅かに小さく、
内径寸法が可動シリンダ60の外径寸法よりも充分に大
きな有底円筒形状でその開口端はフレーム18の底部3
4側へ向いている。カップ76の底部には可動シリンダ
60の外径寸法よりも大きな孔が形成されており、この
孔を可動シリンダ60が貫通している。
【0038】また、可動シリンダ60の外側で且つフレ
ーム18の内側には圧縮コイルスプリング78が配置さ
れている。圧縮コイルスプリング78はその形状を円筒
形状とみなした場合、外径寸法がカップ76の内径寸法
よりも僅かに小さく、内径寸法が可動シリンダ60の外
径寸法よりも大きい。圧縮コイルスプリング78はその
一端がカップ76の底部に当接してカップ76を取付片
22、28へ圧接されており、他端がフランジ74に当
接してフレーム18の底部34側へ押圧している。カッ
プ76は取付片22、28に当接していることで基本的
に動くことができないため、結果的に圧縮コイルスプリ
ング78はその付勢力でフランジ74を介して可動シリ
ンダ60(すなわち、可動シリンダ60)を底部34側
へ付勢している。
【0039】また、図2に示されるように、上述したフ
ランジ74の内周部には環状の溝80が形成されてお
り、その内側にはゴムや比較的柔軟で弾性を有する合成
樹脂材により形成されたシール手段としてのリング状の
Oリング(オーリング)82が配置されている。さら
に、この可動シリンダ60の内側にはピストンとしての
固定ピストン84が収容されている。
【0040】(固定ピストン84の構成)図1及び図2
に示されるように、固定ピストン84は外径寸法が可動
シリンダ60の内径寸法よりも僅かに小さな円柱形状と
されている。したがって、この固定ピストン84によっ
ても可動シリンダ60の変位は自らの軸方向にのみ制限
されている。
【0041】また、固定ピストン84の外周部のうち、
上述したフランジ74に対応した部分では上述したOリ
ング82が圧接している。Oリング82は弾性変形して
溝80の底部と固定ピストン84の外周部の双方へ圧接
し密着することで可動シリンダ60の内周部と固定ピス
トン84の外周部との間をシールしている。
【0042】フレーム18の底部側の固定ピストン84
の外周部には環状の溝86が形成されている。この溝8
6の部分に対応してフレームパーツ14の縦壁20には
半円径の切欠部88が形成されており、フレームパーツ
16の縦壁26には半円径の切欠部90が形成されてい
る。これらの切欠部88、90はフレームパーツ14と
フレームパーツ16とを嵌め合わせた状態で底部34の
円孔92となる。円孔92はその内径寸法が溝86での
本体の外径寸法よりも極僅かに大きい程度とされ、固定
ピストン84は溝86の部分で円孔92を貫通してい
る。
【0043】また、フレーム18の底部34には円孔9
2と同心の環状の段部94が形成されており、この段部
94では底部34の肉厚が他の部分よりも薄い。この段
部94にはリング状のシール96が嵌め込まれている。
シール96はその一方の端面が段部94に密着している
と共に、他方の端面が段部94と対向する側の溝86の
内壁及び溝86の底部に密着し、円孔92をシールして
いる。
【0044】さらに、円孔92を貫通してフレーム18
の外部に露出した固定ピストン84の一端部には連結部
98が形成されている。連結部98は固定ピストン84
よりも外径寸法が充分に小さく固定ピストン84に対し
て同軸的な円筒状でその外周部には固定ピストン84と
は反対側へ向けて漸次外形寸法が小さくなる係合環10
0が形成されている。
【0045】この係合環100は内径寸法が連結部98
の外径寸法程度とされたホースやチューブ等の管状部材
(図示省略)の内側に連結部98が挿入された際に、管
状部材の内周部に係合環100が食い込んで連結部98
が管状部材から抜けることを防止する。この図示しない
管状部材は連結部98とは反対側で直接或いは間接的に
モータポンプ及び洗浄液が溜められたタンク(何れも図
示省略)へ接続されており、モータポンプが作動するこ
とでタンク内の洗浄液が管状部材へ供給され、更に、連
結部98の内部に供給される。
【0046】また、上述した固定ピストン84には供給
孔102が形成されている。供給孔102は一端が連結
部98の内部と連通し、他端が可動シリンダ60の底部
62側の固定ピストン84の端部で開口している。
【0047】(ノズル110及びチェックバルブ12の
構成)一方、図1及び図2に示されるように、上述した
可動シリンダ60の底部62の外側側方にはノズル本体
としてのノズル110が設けられている。ノズル110
は略半球形状に形成されており、その外周一部には噴射
口112が形成されている。このノズル110にはチェ
ックバルブ12を構成するボディ114が形成されてい
る。
【0048】図2及び図5に示されるように、ボディ1
14は外径寸法が上述した可動シリンダ60の外径寸法
よりも小さな略円柱形状とされ、その内側には弁収容部
116が形成されている。
【0049】図6に示されるように、弁収容部116は
ノズル110の本体部分(略半球形状の部分)とは反対
側のボディ114の軸方向端部で開口した有底の孔でボ
ディ114の外周部と略同軸とされており、その内側に
は弁としての球状弁118が収容されている。球状弁1
18はその外形状が球状とされており、且つ、その外径
寸法は弁収容部116の内径寸法よりも充分に小さい。
【0050】また、弁収容部116の内周部からは弁収
容部116の軸心へ向けて複数の凸部120が突出形成
されている。各凸部120は弁収容部116の軸方向に
沿って長手方向とされた棒状若しくは板状で、弁収容部
116の内周方向に沿って所定間隔毎に形成されてい
る。これらの凸部120の先端(弁収容部116の軸心
側の端部)を通る仮想円の直径寸法は、上述した球状弁
118の外径寸法よりも僅かに大きく、球状弁118は
これらの凸部120の先端によって弁収容部116の軸
方向に対して直交する方向への変位が制限された状態で
弁収容部116の軸方向に沿って移動可能に弁収容部1
16に収容されている。
【0051】ここで、上述したように複数の凸部120
は弁収容部116の内周方向に沿って所定間隔毎に形成
されているため、弁収容部116の内周方向に沿って互
いに隣り合う凸部120同士の間には隙間が形成され
る。これらの隙間は洗浄液流路122とされ、ここに上
述した洗浄液が流れる。
【0052】また、各凸部120は弁収容部116の底
部側には連続してスプリング保持片124が形成されて
いる。スプリング保持片124は基本的に各凸部120
と同様に弁収容部116の内周部から弁収容部116の
軸心へ向け突出形成された棒状部若しくは板状部である
が、弁収容部116の内周部からの突出寸法が各凸部1
20よりも大きく、スプリング保持片124の先端部を
通る仮想円は、弁収容部116と略同軸ではあるものの
直径寸法が球状弁118の外径寸法よりも小さくなる。
したがって、球状弁118は、基本的に凸部120より
もスプリング保持片124側へ移動することはできな
い。
【0053】なお、スプリング保持片124に関してこ
れまで凸部120とスプリング保持片124を別の部位
のように説明してきたが、これは機能上、便宜的に別部
位として説明したものである。もちろん、スプリング保
持片124と凸部120とを真に別部位として形成して
もよいが、図5に示されるように、実質的には凸部12
0の一部(弁収容部116の底部側の部分)における弁
収容部116の内周部からの突出寸法を大きくしただけ
でのもので構わない。
【0054】さらに、図5に示されるように、弁収容部
116の内側には圧縮コイルスプリング126が収容さ
れている。圧縮コイルスプリング126はその形状を円
筒形状とみなした場合、内径寸法が球状弁118の外径
寸法よりも充分に小さく、且つ、外径寸法が上述したス
プリング保持片124の先端部を通る仮想円の直径寸法
よりも僅かに小さい。
【0055】圧縮コイルスプリング126は球状弁11
8と弁収容部116の底部との間に配置されており、そ
の一端は球状弁118へ当接しいると共に、他端は弁収
容部116のスプリング保持片124側に入り込んで弁
収容部116の底部へ当接し、球状弁118を弁収容部
116の開口端側へ向けて付勢している。上述したよう
に、圧縮コイルスプリング126の形状を円筒とみなし
た場合の外径寸法はスプリング保持片124の先端部を
通る仮想円の直径寸法よりも僅かに小さいため、スプリ
ング保持片124側では各スプリング保持片124の先
端部によって弁収容部116の内径方向に沿った変位が
制限されている。
【0056】また、ボディ114の内部にはボディ11
4の外周部と同軸の洗浄液流路128が形成されてい
る。洗浄液流路128は弁収容部116と略同軸とさ
れ、その内径寸法は上述したスプリング保持片124の
先端部を通る仮想円の直径寸法よりも小さい。これに対
し、洗浄液流路128の他端部はノズル110の本体部
分側で屈曲して噴射口112に連通している。
【0057】さらに、ボディ114の外周部には環状の
溝130が形成されており、この溝130にはゴムや比
較的柔軟で弾性を有する合成樹脂材により形成されたリ
ング状のOリング(オーリング)132が嵌め込まれて
いる。
【0058】また、ボディ114に対応して上述した可
動シリンダ60には筒体134が形成されている。筒体
134は可動シリンダ60と底部の外側で可動シリンダ
60と同軸的に形成されると共に可動シリンダ60の底
部62を底とする有底円筒状部で、その内径寸法はボデ
ィ114の外径寸法よりも僅かに大きく、その内側にボ
ディ114を嵌挿できる。さらに、可動シリンダ60の
底部62の略中央には底部62の厚さ方向に沿って貫通
した透孔136が形成されており、筒体134内と可動
シリンダ60内とが連通している。したがって、ボディ
114を筒体134に嵌挿した状態では、透孔136及
び筒体134内を介して可動シリンダ60内と弁収容部
116とが連通可能であると共に、筒体134及びボデ
ィ114の軸方向に沿って透孔136と球状弁118と
が対向する(すなわち、概ね透孔136の軸線の仮想延
長線上に球状弁118の中心が位置する)。また、上述
したOリング132はボディ114を筒体134に嵌挿
した状態で溝130の底部と筒体134の内周部とから
の押圧力で弾性変形しつつ溝130の底部と筒体134
の内周部へ密着してボディ114の外周部と筒体134
の内周部との間をシールする。
【0059】さらに、筒体134の内側にはゴムや比較
的柔軟で弾性を有する合成樹脂材により形成されたシー
ル138が配置されている。シール138は内径寸法が
球状弁118の外径寸法よりも充分に小さな孔が透孔1
36に対して同軸的に形成されたリング状の部材で、外
径寸法は筒体134の内径寸法よりも僅かに小さく、弁
収容部116の内径寸法よりも充分に大きい。したがっ
て、筒体134内にボディ114を嵌挿した状態では底
部62とボディ114の軸方向端面とで挟まれて少なく
ともボディ114の端面に対応した部分が底部62側で
底部62へ密着し、ボディ114側でボディ114の端
面へ密着する。
【0060】一方、筒体134の開口縁部からは筒体1
34の径方向に互いに対向する如く延出された一対のノ
ズル保持爪140が形成されている。各ノズル保持爪1
40は筒体134よりも薄肉とされた基部142を備え
ている。基部142は一端が筒体134の開口縁のなか
でも径方向外側部分で筒体134の開口縁に接続されて
おり、このため、図5に示されるように、対となる基部
142同士の間隔は筒体134の内径寸法よりも大き
く、基部142と筒体134の内周部とでは筒体134
の径方向に沿って段差が生じる。
【0061】この基部142の他端には爪144が形成
されている。爪144は基部142との連結部分側で基
部142よりも厚肉とされ、この部分では対となる爪1
44同士の間隔が対となる基部142同士の間隔よりも
大きい。但し、爪144は先端側へ向けて漸次薄肉とさ
れており、筒体134の半径内方側に沿った各爪144
の端面は筒体134の開口方向に沿った方向へ傾斜した
斜面146となっている。
【0062】以上の構成のノズル保持爪140に対応し
てボディ114外周部にはリング状の係合リング148
が一体形成されている。係合リング148はその軸方向
寸法が筒体134の開口縁から爪144までの間隔(す
なわち、筒体134の軸方向に沿った基部142の長
さ)よりも僅かに小さく、さらに、その形成位置はボデ
ィ114の端面がシール138に密着した状態でその一
部がボディ114の径方向に沿って基部142と対向し
て筒体134の開口縁と爪144との間に入り込むよう
になっている。
【0063】なお、本実施の形態では、上述したノズル
110の本体部分(略半球状の部分)とボディ114と
が基本的に一体の構成であるが、例えば、ノズル110
の本体部分とボディ114とを別体で構成して、後に一
体的に連結する構成としてもよい。その一例としては、
ノズル110の本体部分及びボディ114の何れか一方
に雄ねじ部を形成すると共に、何れか他方に雌ねじ部を
形成し、雄ねじ部と雌ねじ部とを螺合させることでノズ
ル110を組み立てる構成などがある。
【0064】このように、ノズル110の本体部分とボ
ディ114とを別体で構成した場合には、組付工数が増
えるという欠点があるものの、車両の仕様、例えば、噴
射ノズル10の設置位置に対するヘッドライトの位置に
応じて噴射口112の位置を変えた各種のノズル110
を用意しておけば、車種が異なった場合でもノズル11
0以外の部品を共用できたり、噴射口112から噴射さ
れる洗浄液の噴射態様が異なる各種のノズル110を用
意しておけば適宜にノズル110を交換し、車両の使用
環境等に最も適した噴射態様にすることが可能になる等
のメリットがある。
【0065】<第1の実施の形態の作用、効果>次に、
本実施の形態の作用並びに効果について本噴射ノズル1
0の組立面(製造面)と作動面の双方から説明する。
【0066】(噴射ノズル10の組立工程)本噴射ノズ
ル10を組み立てる際には、先ず、ピストン−シリンダ
組付工程で可動シリンダ60の開口端から固定ピストン
84が嵌挿される。また、このピストン−シリンダ組付
工程に前後してスプリング装着工程で可動シリンダ60
の外側にカップ76及び圧縮コイルスプリング78が取
り付けられる。このスプリング装着工程及びピストン−
シリンダ組付工程の終了後には、カップ76の内底に圧
縮コイルスプリング78の一端が当接し、固定ピストン
84のフランジ74に圧縮コイルスプリング78の他端
が当接する。
【0067】また、上記のピストン−シリンダ組付工程
及びスプリング装着工程に前後してノズル装着工程でノ
ズル110のボディ114が筒体134へ嵌挿される。
ボディ114を筒体134へ嵌挿する際には、筒体13
4とボディ114とが略同軸となった状態で概ねその軸
線に沿ってボディ114を相対的に筒体134へ接近さ
せて筒体134内にボディ114を挿入する。所定長さ
ボディ114を筒体134に挿入すると、ボディ114
に形成された係合リング148が爪144の斜面146
へ当接する。斜面146は筒体134の半径内方側に対
して筒体134の開口方向に沿った方向へ傾斜している
ため、ボディ114及び筒体134の軸線に沿った方向
の力を係合リング148から受けた爪144は基部14
2の筒体134との接続部分周りにボディ114及び筒
体134の軸線から遠ざかるように回動する如く弾性変
形する。この状態から更にボディ114を筒体134内
に挿入すると、爪144が係合リング148の外周面に
乗り上げ、更に、係合リング148よりもノズル110
の本体部分側に爪144が位置することで、基部142
の弾性によりノズル保持爪140が元の形状に復元す
る。この復元状態では、爪144の底部62側の端面と
ノズル110の本体部分側の係合リング148の端面と
がボディ114及び筒体134の軸線方向に沿って互い
に対向する。このため、この状態でボディ114を筒体
134から抜き取ろうとすると、爪144が係合リング
148に干渉して筒体134からのボディ114の抜き
取りが規制される。これにより、筒体134とボディ1
14とが一体的に連結される。
【0068】また、ピストン−シリンダ組付工程及びス
プリング装着工程が終了した後にはピストン−シリンダ
収容工程にて可動シリンダ60と固定ピストン84とが
フレーム18の内部に収容される。
【0069】このピストン−シリンダ収容工程では、分
割状態のフレームパーツ14、16の何れか一方の内側
に可動シリンダ60が収容される。このとき、フレーム
パーツ14、16のうち可動シリンダ60が収容された
側の取付片22若しくは取付片28にカップ76の外底
部を当接させられる。また、可動シリンダ60がフレー
ムパーツ14、16の何れか一方に収容される際に、固
定ピストン84の溝86がフレームパーツ14、16の
うち可動シリンダ60が収容された側の切欠部88若し
くは切欠部90に嵌め合わされる。
【0070】次いで、フレームパーツ14とフレームパ
ーツ16とが各々の断面形状である略半円形の開口が互
いに対向した状態で相対的に互いに接近させられる。フ
レームパーツ14とフレームパーツ16とが所定距離接
近すると、フレームパーツ16の段差30にフレームパ
ーツ14の嵌合片32が嵌まり込む。また、このとき、
固定部36の係合爪38が固定片42の係合孔44が貫
通する。係合孔44を係合爪38が貫通した状態では、
フレームパーツ14の本体部分側の係合爪38の端面が
取付片28の端面と対向し、フレームパーツ14をフレ
ームパーツ16から相対的に離間させようとすると係合
爪38の端面と取付片28とが互いに干渉する。これに
より、フレームパーツ14とフレームパーツ16との機
械的な連結が維持される。
【0071】また、フレームパーツ16の段差30にフ
レームパーツ14の嵌合片32が嵌まり込む際には取付
片22の係合爪50が取付片28に乗り上げて弾性変形
し、段差30に嵌合片32が嵌まり込んだ状態ではフレ
ーム18の軸方向に沿って係合孔52と係合爪50とが
対向し、係合爪50の弾性で係合爪50が元の形状に復
元しつつ係合孔52に入り込む。この状態でフレームパ
ーツ14をフレームパーツ16から相対的に離間させよ
うとすると係合爪50の取付片22側の端面と係合孔5
2の内周部とが互いに干渉する。したがって、これによ
ってもフレームパーツ14とフレームパーツ16との機
械的な連結が維持される。
【0072】以上の各工程を経た本噴射ノズル10は連
結部98に上述した管状部材が連結されてモータポンプ
及びタンクへ接続されると共に、取付片22、28が車
体に固定される。
【0073】ここで、上述したように、本噴射ノズル1
0の組立時において略一体すべき部材の連結は係合リン
グ148と爪144との嵌合、嵌合片32と段差30と
の嵌合、係合爪38と係合孔44との嵌合、及び係合爪
50と係合孔52との嵌合等で行なわれ、これらの連結
に際してねじやボルト等の締結手段や接着材等を用いる
ことはなく、極めて容易に連結でき、組立作業に熟練を
要さずとも簡単に本噴射ノズル10を組み立てることが
できる。このため、組立工程を簡素化できると共に、固
着や締結のための別の部材や特別な装置を要しないため
組み立てコストを安価にでき、ひいては本噴射ノズル1
0の製造コストを安価にできる。
【0074】(噴射ノズル10の作動面からの作用、効
果)次に、本噴射ノズル10及びチェックバルブ12の
作動面から見た作用、効果について説明する。
【0075】洗浄液を貯留したタンクの側に設けられた
モータポンプが作動して、タンクから洗浄液を吸い上げ
ると、この洗浄液はモータポンプの出力に対応した水圧
でホースやチューブ等の管状部材へ送られ、更に、この
管状部材を通過した洗浄液が固定ピストン84の内部、
すなわち、供給孔102を通過して可動シリンダ60の
内部に供給される。
【0076】一方、可動シリンダ60の透孔136の外
側(すなわち、筒体134側)では、圧縮コイルスプリ
ング126の付勢力で球状弁118がシール138の孔
へ圧接されてシール138の孔が閉塞されている。シー
ル138はボディ114並びに底部62へ密着してお
り、しかも、シール138の孔は透孔136と連通して
いるため透孔136は球状弁118により閉塞される。
【0077】可動シリンダ60の内部に供給された洗浄
液は底部62の透孔136を通過して可動シリンダ60
の外部へ出ようとするが、上述したように、透孔136
は球状弁118により閉塞されているため、洗浄液は可
動シリンダ60の外部に出ることができない。この状態
であっても、可動シリンダ60へは洗浄液が供給され続
けるため、可動シリンダ60の内部では内圧が高まり、
可動シリンダ60の開口端から固定ピストン84を押し
出そうとするが、固定ピストン84は溝86にてフレー
ム18の円孔92へ係合していることで基本的には動く
ことができない。したがって、可動シリンダ60の内部
で洗浄液の水圧が高まることで圧縮コイルスプリング7
8の付勢力に抗して底部62が固定ピストン84から離
間する方向へ向けて可動シリンダ60が自らの軸方向に
沿って移動する。これにより、可動シリンダ60がフレ
ーム18から突出する。
【0078】また、このとき、洗浄液は可動シリンダ6
0の内周部と固定ピストン84の外周部との間を通り可
動シリンダ60の開口端から漏れようともするが、可動
シリンダ60の開口端側ではOリング82が可動シリン
ダ60の内周部と固定ピストン84の外周部との間をシ
ールしているため、基本的には洗浄液が可動シリンダ6
0の開口端から漏れ出ることはない。
【0079】さらに、可動シリンダ60の内圧が上昇す
ると、可動シリンダ60の軸方向中間部ではその内径寸
法が拡大するように可動シリンダ60が弾性変形する
が、上述したOリング82は内径寸法が拡大しないか或
いは拡大量が極めて小さな可動シリンダ60の開口端に
設けられている。しかも、可動シリンダ60の開口端に
はフランジ74が形成されており、そのために可動シリ
ンダ60の開口端では肉厚が他の部分よりも厚く剛性が
高い。これにより、Oリング82の緊迫力が低下を防止
でき、シール性を維持できる。
【0080】上述した状態でフレーム18の外部へ可動
シリンダ60が突出し続けると可動シリンダ60のフラ
ンジ74がカップ76の開口端に干渉して可動シリンダ
60の突出する方向への移動が規制される。この状態か
ら更に洗浄液が可動シリンダ60の内部に供給され続け
ると、可動シリンダ60の内圧が圧縮コイルスプリング
126の付勢力を上回り、洗浄液が圧縮コイルスプリン
グ126の付勢力に抗して球状弁118を押圧してシー
ル138から離間する方向へ球状弁118を移動させ
る。これにより、透孔136は開放され、洗浄液は透孔
136を通過して弁収容部116の内側へ流れ込み、更
に、洗浄液流路128を通過してノズル110の噴射口
112からヘッドランプへ向けて噴射される。
【0081】ここで、可動シリンダ60がスライドした
り、或いは、その他の外力が作用した場合に洗浄液の水
圧やそのたの外力の作用方向によっては可動シリンダ6
0が自らの軸周りに回転しようとすることがあり、可動
シリンダ60が回転した場合には、洗浄液の噴射方向が
変化してしまい、ヘッドランプへ洗浄液を噴きかけるこ
とができなくなってしまう。しかしながら、本実施の形
態においては可動シリンダ60が回転しようとすると、
可動シリンダ60の外周部に形成されたリブ70に溝7
2が干渉し、可動シリンダ60の軸周り方向に沿ったリ
ブ70の変位、すなわち、可動シリンダ60の回転が制
限される。このため、本実施の形態では確実に洗浄液を
ヘッドランプへ噴きかけることができる。
【0082】一方、本実施の形態では、球状弁118は
複数の凸部120によって弁収容部116の軸方向に対
して直交する方向への変位が制限されているため、洗浄
液の水圧による球状弁118の移動方向は弁収容部11
6の軸方向、すなわち、透孔136及びシール138の
孔の軸方向となる。このため、モータポンプの停止等に
より圧縮コイルスプリング126の付勢力よりも洗浄液
の水圧が低くなると、圧縮コイルスプリング126の付
勢力で球状弁118は透孔136の軸方向に沿ってシー
ル138の孔へ同軸(心)的に接近してシール138の
孔を閉塞する。このように、シール138の孔及び透孔
136の軸線と球状弁118の中心が略一致した状態で
球状弁118がシール138へ圧接することでシール1
38の孔と球状弁118との間には隙間が形成されるこ
とはなく、確実に球状弁118でシール138の孔及び
透孔136を閉塞できる。
【0083】また、上記のように各凸部120で球状弁
118の変位を制限しているものの、弁収容部116の
内周方向に沿って各凸部120の間には隙間、すなわ
ち、洗浄液流路122が形成されているため、洗浄液は
円滑に流れることができる。
【0084】さらに、圧縮コイルスプリング126の一
端側はスプリング保持片124によって弁収容部116
の内径方向に沿った変位が制限されているため、基本的
に付勢方向が変化することはない。したがって、圧縮コ
イルスプリング126は常に球状弁118を透孔136
及びシール138の孔に対して同軸(心)的に付勢で
き、これによっても確実に球状弁118でシール138
の孔及び透孔136を閉塞できる。
【0085】(その他の作用、効果)次に、組立面、作
動面以外での本実施の形態の作用並びに効果について説
明する。上述したように本噴射ノズル10は車体に取り
付けられる。しかも、洗浄液をヘッドランプに噴きかけ
るという機能上、ノズル110は外部に露出できなけれ
ばならず、当然、フレーム18の内部は車両の外部と連
通する。このため、円孔68を介して雨水等がフレーム
18の内部に浸入することがありうる。このような雨水
等がフレーム18の内部に浸入し、且つ、冬季等で浸入
した雨水等が冷却されて氷となると、可動シリンダ60
の外周部とフレーム18の内周部とを機械的に連結して
しまい、可動シリンダ60を円滑にスライドさせること
ができなくなる。
【0086】しかしながら、本実施の形態では、フレー
ムパーツ16に排水孔46、48が形成されているた
め、円孔68から浸入した雨水等は排水孔46にてフレ
ーム18の外部へ排水され、また、排水孔46の側方を
通過して縦壁26側まで達した雨水等は排水孔48にて
フレーム18の外部へ排水される。このため、本噴射ノ
ズル10では、フレーム18の内部で雨水等が貯留され
ることはなく、冬季等においても可動シリンダ60を円
滑にスライドさせることができる。
【0087】また、本実施の形態では、固定ピストン8
4の双方がフレーム18に収容されているため、固定ピ
ストン84に雨水や泥等の異物が付着することはなく、
しかも、使用していない状態では可動シリンダ60の内
部に固定ピストン84が収容されるため、固定ピストン
84に雨水や泥等の異物が付着する可能性はより一層低
くなる。雨水や泥等の異物が固定ピストン84の外周部
に付着した状態で可動シリンダ60がスライドすると固
定ピストン84の外周部及び可動シリンダ60の内周部
に傷がついたり、Oリング82を損傷したりする可能性
があるが、本実施の形態では、そもそも固定ピストン8
4に雨水や泥等の異物が付着する可能性が極めて低いた
め、そのような不具合が生じることはない。
【0088】<本実施の形態の変形例> (凸部120に関する変形例)なお、本実施の形態で
は、図6に示されるように、弁収容部116の軸線周り
に90度毎に4つの凸部120を形成した構成であった
が、例えば、図7に示されるように、弁収容部116の
軸線周りに120度毎に3つの凸部120を形成した構
成としてもよい。すなわち、単純に凸部120が球状弁
118に接触して球状弁118の変位を制限するのであ
れば、120度毎に3つの凸部120を形成し、この3
つの凸部120により球状弁118を3点支持する構成
とすれば確実に球状弁118の変位を制限できる。
【0089】また、図8に示されるように、凸部120
に代えて凸部162を弁収容部116の内周部に設ける
構成でもよい。この凸部162は凸部120とは異なり
180度毎に2つしか形成されていないが、各々の先端
部には弁収容部116の軸線側へ向けて開口した凹部1
64が形成されており、球状弁118はその一部が凹部
164の内側に入り込む。したがって、凹部164の周
方向両端側では一方の凸部162と他方の凸部162と
の間の距離が球状弁118の外径寸法未満となり、一対
の凸部162による球状弁118の保持が解除されるこ
とはない。したがって、この構成では凸部162は2つ
しか形成されていないものの確実に球状弁118の変位
を制限できる。
【0090】(連結部98に関する変形例)また、本実
施の形態では、連結部98を固定ピストン84に対して
同軸的な円筒状に形成した構成であったが、例えば、図
9及び図10に示されるように、固定ピストン84の軸
方向に対して連結部98の軸方向を傾斜させてもよい。
【0091】このような構成とした場合には、管状部材
の連結部98への差し込み部分での軸方向を固定ピスト
ン84の軸方向に対して傾斜させることになる。すなわ
ち、環状部材はその配置位置によっては必ずしも固定ピ
ストン84の軸方向と同軸に配置されるとは限らない。
したがって、連結部98を固定ピストン84に対して同
軸的な円筒状に形成した構成では、無理に管状部材の軸
方向を固定ピストン84に対して同軸にしなければなら
ず、組み付けが煩雑になったり、組み付け後に管状部材
が折れ曲がったりする可能性が考えられる。
【0092】これに対して上述したように固定ピストン
84の軸方向に対して連結部98の軸方向を傾斜させた
構成では、連結部98へ自然に管状部材を組み付けるこ
とができ、管状部材の折れ曲がりを防止若しくは極めて
小さくできる。
【0093】しかも、連結部98への管状部材の連結時
に固定ピストン84をその軸周りに適宜に回動させれ
ば、連結部98の向きも変えることができる。これによ
り、管状部材を連結部98へ連結させる際に最も連結し
やすく且つ連結後に最も管状部材の折れ曲がりが少ない
向きに連結部98を向けさせることで、組付性がより一
層向上し、管状部材の折れ曲がりも更に小さくなる。
【0094】<第2の実施の形態の構成>次に本発明の
その他の実施の形態について説明する。なお、以下の各
実施の形態を説明するうえで、上述した第1の実施の形
態及を含めて説明している実施の形態よりも前出の実施
の形態と実質的に同一の部位については同一の符号を付
与してその説明を省略する。
【0095】図11には本発明の第2の実施の形態に係
る噴射ノズル200の構成が斜視図によって示されてお
り、図12には本噴射ノズル200の構成が断面図によ
って示されている。これらの図に示されるように、本噴
射ノズル200は、シリンダとしての固定シリンダ20
2を備えている。図12に示されるように、固定シリン
ダ202は全体的に有底円筒形状に形成されており、そ
の底部204の外側には前記第1の実施の形態における
連結部98と同様の構成の連結部206が形成され、固
定シリンダ202の底部204側では連結部206を介
して内外が連通している。
【0096】一方、固定シリンダ202の開口端側には
フランジ部208が形成されており、このフランジ部2
08が形成された部分では固定シリンダ202の肉厚が
他の部分よりも厚い。また、このフランジ部208の外
周部からは一対の取付片210、212が延出されてい
る。取付片210、212は固定シリンダ202の軸方
向に沿って厚さ方向とされた板状部で、フランジ部20
8及固定シリンダ202の本体部分を介して互いに相反
する方向へ延出されている。これらの取付片210、2
12には各々の厚さ方向に沿って貫通した貫通孔214
が形成されており、これらの貫通孔214にボルト等の
締結手段が貫通する。貫通孔214を貫通した締結手段
は、例えば、車両のヘッドライト近傍に設けられた支持
体に形成された貫通孔(何れも図示省略)をも貫通して
締結固定される。
【0097】また、上述した固定シリンダ202にはピ
ストンとしての可動ピストン220が固定シリンダ20
2の軸方向に沿って摺動(スライド移動)自在に収容さ
れている。可動ピストン220にはその軸心に沿って貫
通した供給孔222が形成されており、言わば可動ピス
トン220は略円筒形状とされている。可動ピストン2
20の先端側(すなわち、固定シリンダ202の底部2
04とは反対側の可動ピストン220の端部側)には筒
体134及び一対のノズル保持爪140が形成されてい
る。この筒体134及び一対のノズル保持爪140に関
しては、設けられている部位が可動シリンダ60ではな
く可動ピストン220であるという点が前記第1の実施
の形態における筒体134並びに一対のノズル保持爪1
40と異なるが、基本的には筒体134並びに一対のノ
ズル保持爪140と同じ構成であるため、詳細な説明は
省略する。
【0098】この筒体134には筒体134と同様にノ
ズル110のボディ114が嵌め込まれており、ボディ
114の内部と可動ピストン220の供給孔222とが
略同軸的に連通している。
【0099】筒体134のノズル保持爪140とは反対
側の可動ピストン220の外周部には一対のシャフト支
持片224、226が形成されている。シャフト支持片
224、226は可動ピストン220の軸方向に沿って
厚さ方向とされた板状部で、可動ピストン220の本体
部分を介して互いに相反する方向へ延出されている。シ
ャフト支持片224には固定シリンダ202及び可動ピ
ストン220の各軸方向に沿って貫通したシャフト支持
孔228が形成されており、シャフト230の軸方向一
端側が貫通している。シャフト230の軸方向一端側に
は雄ねじが形成されており、外径がシャフト支持孔22
8よりも大径のナット232が螺合している。ナット2
32はシャフト支持片224を介してシャフト230の
軸方向他端部とは反対側で対応するシャフト支持片22
4へ当接しており、このため、シャフト230の軸方向
他端側への変位が規制されている。
【0100】一方、シャフト支持片226には固定シリ
ンダ202及び可動ピストン220の各軸方向に沿って
貫通したシャフト支持孔234が形成されており、シャ
フト236の軸方向一端側が貫通している。シャフト2
36の軸方向一端側には雄ねじが形成されており、外径
がシャフト支持孔234よりも大径のナット232が螺
合している。ナット232はシャフト支持片226を介
してシャフト236の軸方向他端部とは反対側で対応す
るシャフト支持片226へ当接しており、このため、シ
ャフト236の軸方向他端側への変位が規制されてい
る。
【0101】また、シャフト支持孔228は一方の貫通
孔216に対して同軸とされていると共にシャフト支持
孔234は他方の貫通孔216に対して同軸とされてい
る。各シャフト230、236は対応する貫通孔216
を貫通しフランジ部208を介してシャフト支持片22
4、226とは反対側へ延びている。
【0102】一方、フランジ部208よりも固定シリン
ダ202の底部204側にはガイドリング238が設け
られている。ガイドリング238は内径寸法が固定シリ
ンダ202の外径寸法よりも極僅かに大きな環状部材で
固定シリンダ202に沿ってその軸方向にスライド自在
とされている。このガイドリング238からはその半径
方向外側へ向けてシャフト支持片240、242が延出
されている。シャフト支持片240には固定シリンダ2
02及び可動ピストン220の各軸方向に沿って貫通し
たシャフト支持孔244が形成されており、シャフト2
36の軸方向他端側が貫通している。シャフト236の
軸方向他端部には外径がシャフト支持孔244よりも大
径の頭部246が形成されている。頭部246はシャフ
ト支持片240を介してシャフト230の軸方向一端部
とは反対側で対応するシャフト支持片240へ当接して
おり、このため、シャフト236の軸方向他端側への変
位が規制されている。
【0103】また、シャフト支持片242には固定シリ
ンダ202及び可動ピストン220の各軸方向に沿って
貫通したシャフト支持孔248が形成されており、シャ
フト236の軸方向他端側が貫通している。シャフト2
36の軸方向他端部には外径がシャフト支持孔248よ
りも大径の頭部246が形成されている。頭部246は
シャフト支持片242を介してシャフト236の軸方向
一端部とは反対側で対応するシャフト支持片242へ当
接しており、このため、シャフト236の軸方向他端側
への変位が規制されている。
【0104】このように、ガイドリング238と可動ピ
ストン220とはシャフト230、236を介して機械
的に連結されているため、可動ピストン220の摺動
(スライド移動)に連動して一体的にガイドリング23
8が固定シリンダ202に沿ってスライド移動する。
【0105】また、固定シリンダ202の外側には圧縮
コイルスプリング250が配置されている。この圧縮コ
イルスプリング250はその形状を円筒状とみなした場
合、内径寸法が固定シリンダ202の外径寸法よりも充
分に大きく、固定シリンダ202が圧縮コイルスプリン
グ250を貫通している。また、圧縮コイルスプリング
250の外径寸法はシャフト230の外周部からシャフ
ト236の外周部までの最短寸法よりと同じか或いは小
さく、シャフト230とシャフト236との間に位置し
ている。
【0106】この圧縮コイルスプリング250の一端は
上述したフランジ部208へ圧接しており、他端がガイ
ドリング238のシャフト支持片240、242へ圧接
している。このため、シャフト支持片240、242は
圧縮コイルスプリング250の付勢力によってフランジ
部208から離間する方向へ付勢されている。
【0107】さらに、固定シリンダ202の開口端側の
内周部には固定シリンダ202の内周方向に沿って環状
の溝252が形成されており、その内側にはゴム若しく
はゴム程度の弾性を有する合成樹脂材によってリング状
に形成されたシール手段としてのOリング(オーリン
グ)254が配置されている。Oリング254は溝25
2の底部と可動ピストン220の外周部の双方へ密着し
て固定シリンダ202の開口端側における固定シリンダ
202の内周部と可動ピストン220の外周部との間を
シールしている。
【0108】<第2の実施の形態の作用、効果>次に、
本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
【0109】洗浄液を貯留したタンクの側に設けられた
モータポンプが作動して、タンクから洗浄液を吸い上げ
ると、この洗浄液はモータポンプの出力に対応した水圧
でホースやチューブ等の管状部材へ送られる。さらに、
管状部材を介して連結部206の内部を通過した洗浄液
は送られ固定シリンダ202の内部及び可動ピストン2
20の内部に供給される。
【0110】一方、可動ピストン220の先端側(すな
わち、筒体134側)では、圧縮コイルスプリング12
6の付勢力で球状弁118がシール138の孔へ圧接さ
れてシール138の孔が閉塞されている。シール138
はボディ114並びに底部62へ密着しており、しか
も、シール138の孔は供給孔222と連通しているた
め供給孔222の先端部は球状弁118により閉塞され
る。
【0111】可動ピストン220の内部に供給された洗
浄液は供給孔222を通過して可動ピストン220の外
部へ出ようとするが、上述したように、供給孔222は
球状弁118により閉塞されているため、洗浄液は可動
ピストン220の外部に出ることができない。この状態
であっても、固定シリンダ202及び可動ピストン22
0へは洗浄液が供給され続けるため、固定シリンダ20
2の内部では内圧が高まり、これによって、圧縮コイル
スプリング250の付勢力に抗して固定シリンダ202
の開口端から可動ピストン220が押し出される。
【0112】また、このとき、洗浄液は可動ピストン2
20の内周部と固定シリンダ202の外周部との間を通
り固定シリンダ202の開口端から漏れようともする
が、固定シリンダ202の開口端側ではOリング254
が固定シリンダ202の内周部と可動ピストン220の
外周部との間をシールしているため、洗浄液が固定シリ
ンダ202の開口端から漏れ出ることはない。
【0113】さらに、固定シリンダ202の内圧が上昇
すると、固定シリンダ202の軸方向中間部ではその内
径寸法が拡大するように固定シリンダ202が変形する
が、上述したOリング254は内径寸法が拡大しないか
或いは拡大量が極めて小さな固定シリンダ202の開口
端に設けられている。しかも、固定シリンダ202の開
口端にはフランジ部208が形成されており、そのため
に固定シリンダ202の開口端では肉厚が他の部分より
も厚く剛性が高い。これにより、Oリング254の緊迫
力が低下を防止でき、シール性を維持できる。
【0114】上述した状態で可動ピストン220が突出
し続けると可動ピストン220と共に一体的に移動する
ガイドリング238がフランジ部208に干渉して可動
ピストン220の突出する方向への移動が規制される。
この状態から更に洗浄液が固定シリンダ202及び可動
ピストン220の内部に供給され続けると、固定シリン
ダ202及び可動ピストン220の内圧が圧縮コイルス
プリング126の付勢力を上回り、洗浄液が圧縮コイル
スプリング126の付勢力に抗して球状弁118を押圧
してシール138から離間する方向へ球状弁118を移
動させる。これにより、供給孔222は開放され、洗浄
液は供給孔222を通過して弁収容部116の内側へ流
れ込み、更に、洗浄液流路128を通過してノズル11
0の噴射口112からヘッドランプへ向けて噴射され
る。
【0115】ここで、可動ピストン220がスライドし
たり、或いは、その他の外力が作用した場合に洗浄液の
水圧やそのたの外力の作用方向によっては可動ピストン
220が自らの軸周りに回転しようとすることがあり、
可動ピストン220が回転した場合には、洗浄液の噴射
方向が変化してしまい、ヘッドランプへ洗浄液を噴きか
けることができなくなってしまう。
【0116】しかしながら、本実施の形態においては可
動ピストン220が回転しようとすると、フランジ部2
08の貫通孔216の内周部がシャフト230、236
に干渉する。このため、シャフト230、236は可動
ピストン220の軸周りに回転することはできず、これ
によって、可動ピストン220は自らの軸周りに回転す
ることはできない。このため、本実施の形態では確実に
洗浄液をヘッドランプへ噴きかけることができる。
【0117】次に、作動面以外での本実施の形態の作用
並びに効果について説明する。上述したように本噴射ノ
ズル200は前記第1の実施の形態に係る可動ノズル1
0と同様に車体に取り付けられるが、固定シリンダ20
2の開口端の内周部と可動ピストン220の外周部との
間はOリング254によってシールされているため、雨
水や泥等の異物が固定シリンダ202の内部に入り込む
ことはない。
【0118】しかも、固定シリンダ202内に可動ピス
トン220が収容された状態では可動ピストン220の
固定シリンダ202内の部分が外部に露出することはな
く、また、上述したように固定シリンダ202の内側に
は雨水や泥等の異物が入り込むことはないため、この状
態において可動ピストン220の外周部に異物が付着す
ることはない。これにより、可動ピストン220がスラ
イドする際に異物によって固定シリンダ202の内周部
や可動ピストン220の外周部を傷つけることがなくな
る。
【0119】<第3の実施の形態>次に、本発明の第3
の実施の形態について説明する。
【0120】図13には本実施の形態に係る噴射ノズル
280の構成が斜視図によって示されており、図14に
は本噴射ノズル280の構成が断面図によって示されて
いる。
【0121】これらの図に示されるように、本噴射ノズ
ル280は上述した第2の実施の形態における圧縮コイ
ルスプリング250を備えておらず、代わりに一対の圧
縮コイルスプリング282、284を備えている。
【0122】圧縮コイルスプリング282はその形状を
円筒状とみなした場合、内径寸法がシャフト230の外
径寸法よりも大きく、シャフト230が圧縮コイルスプ
リング282を貫通している。この圧縮コイルスプリン
グ282の一端は上述したフランジ部208へ圧接して
おり、他端がシャフト支持片240へ圧接している。こ
のため、シャフト支持片240は圧縮コイルスプリング
282の付勢力によってフランジ部208から離間する
方向へ付勢されている。
【0123】一方、圧縮コイルスプリング284はその
形状を円筒状とみなした場合、内径寸法がシャフト23
6の外径寸法よりも大きく、シャフト236が圧縮コイ
ルスプリング284を貫通している。この圧縮コイルス
プリング284の一端は上述したフランジ部208へ圧
接しており、他端がシャフト支持片242へ圧接してい
る。このため、シャフト支持片242は圧縮コイルスプ
リング284の付勢力によってフランジ部208から離
間する方向へ付勢されている。
【0124】上述したように、噴射ノズル200と噴射
ノズル280とは基本的に圧縮コイルスプリング250
と圧縮コイルスプリング282、284が異なるだけで
あるため、基本的には上述した第2の実施の形態に係る
噴射ノズル200と同様の作用を奏し、同様の効果を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る噴射ノズルの
分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る噴射ノズルの
側面断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る噴射ノズルの
正面断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る噴射ノズルの
変形例を示す図3に対応した正面断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るチェックバル
ブの要部を示す拡大側面断面図である。
【図6】図5の6−6線に沿った断面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係るチェックバル
ブの変形例を示す図6に沿った断面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係るチェックバル
ブの別の変形例を示す図6に沿った断面図である。
【図9】噴射ノズルの変形例を示す側面断面図である。
【図10】噴射ノズルの他の変形例を示す図9に対応し
た側面断面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る噴射ノズル
の斜視図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る噴射ノズル
の側面断面図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係る噴射ノズル
の分解斜視図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係る噴射ノズル
の側面断面図である。
【符号の説明】
10 噴射ノズル 18 フレーム 46 排水孔(ドレイン孔) 48 排水孔(ドレイン孔) 60 可動シリンダ(シリンダ) 82 Oリング(シール手段) 84 固定ピストン(ピストン) 110 ノズル(ノズル本体) 118 球状弁(弁) 200 噴射ノズル 202 固定シリンダ(シリンダ) 220 可動ピストン(ピストン) 254 Oリング(シール手段) 280 噴射ノズル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有底筒状のシリンダと、 前記シリンダの軸方向に沿って前記シリンダに対して相
    対的にスライド移動可能に収容された筒状のピストン
    と、 前記シリンダの底部外側及び前記シリンダの開口方向側
    での前記ピストンの端部の何れか一方に設けられ、前記
    シリンダの内部及び前記ピストンの内部を通過した流体
    を噴射するノズル本体と、 前記シリンダの開口端内周部に沿って設けられ、前記シ
    リンダの開口端側において前記シリンダ内周部と前記ピ
    ストンの外周部との間をシールするシール手段と、 を備える噴射ノズル。
  2. 【請求項2】 前記シリンダの開口端側の剛性を当該開
    口端側より底部側の剛性に比べて高く設定したことを特
    徴とする請求項1記載の噴射ノズル。
  3. 【請求項3】 有底筒状に形成されて前記シリンダ並び
    に前記ピストンを内側に収容した状態で所定の取付部位
    に取り付けられると共に、前記取付部位への取付状態で
    外側が略下方へ向き内側が略上方へ向くように内外を連
    通するドレイン孔が形成されたフレームを備えることを
    特徴とする請求項1又は請求項2記載の噴射ノズル。
  4. 【請求項4】 前記シリンダ及び前記ピストンのうち、
    前記ノズル本体が設けられた側の内部と前記ノズル本体
    の内部との間を閉塞し、前記ノズル本体が設けられた側
    の内圧が所定の大きさ以上となった状態で前記ノズル本
    体が設けられた側の内部と前記ノズル本体の内部との間
    を開放する弁を備えることを特徴とする請求項1乃至請
    求項3の何れかに記載の噴射ノズル。
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