JP2005153770A - 車輌用クリーナ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 動作性が良好であると共に小型に構成できる車輌用クリーナ装置を提供することを課題とするものである。
【解決手段】 一端部から洗浄液が供給されるシリンダ110と、内部に洗浄液通路121を有すると共に上記シリンダに摺動自在に結合されたピストン120と、上記ピストンをシリンダの一端部側に押圧付勢する第1のバネ手段130と、上記ピストンの一端部に設けられた閉止弁140と、上記ピストンの他端部に配置されピストン内部の洗浄液通路と連通する噴射口152を有する噴射ノズル150とを備え、上記閉止弁は、一端が上記シリンダの内面に接し、他端がピストンの外面に接してピストンの一端部に形成された開口123をシリンダの内部に対して閉塞するゴム状弾性材料から成るシール体141を備え、上記ピストンがシリンダの他端から所定の位置まで突出した後に上記シール体がシリンダの上記開口を開放してシリンダ内部からピストン内部を経て上記噴射ノズルに至る洗浄液流路が形成される車輌用クリーナ装置100。
【選択図】 図3
【解決手段】 一端部から洗浄液が供給されるシリンダ110と、内部に洗浄液通路121を有すると共に上記シリンダに摺動自在に結合されたピストン120と、上記ピストンをシリンダの一端部側に押圧付勢する第1のバネ手段130と、上記ピストンの一端部に設けられた閉止弁140と、上記ピストンの他端部に配置されピストン内部の洗浄液通路と連通する噴射口152を有する噴射ノズル150とを備え、上記閉止弁は、一端が上記シリンダの内面に接し、他端がピストンの外面に接してピストンの一端部に形成された開口123をシリンダの内部に対して閉塞するゴム状弾性材料から成るシール体141を備え、上記ピストンがシリンダの他端から所定の位置まで突出した後に上記シール体がシリンダの上記開口を開放してシリンダ内部からピストン内部を経て上記噴射ノズルに至る洗浄液流路が形成される車輌用クリーナ装置100。
【選択図】 図3
Description
本発明は新規な車輌用クリーナ装置に関する。特に、自動車用のヘッドランプのクリーナ装置として好適であり、動作性が良好であると共に小型に構成できる車輌用クリーナ装置に関する。
自動車に搭載して適時にヘッドランプの前面ガラスの洗浄を行うことができる車輌用クリーナ装置がある。
上記した車輌用クリーナ装置には、洗浄水が供給されるシリンダと、該シリンダに摺動自在に結合されたピストンと、ピストンの先端に支持された噴射ノズルと、閉止弁を備え、シリンダ内に供給される洗浄水の圧力によってピストンがシリンダから突出し、洗浄水の圧力が所定以上になったときに閉止弁が開いて洗浄水が噴射ノズルから噴射されるようにされたものがあり、例えば、特許文献1や特許文献2に示されたものがある。
ところで、上記した特許文献1に示された車輌用クリーナ装置にあっては、閉止弁の洗浄水流路となる部分の外周部分に洗浄水流路とならない部分が存在し、そのために、シリンダの直径を大きくしなければならず、車輌用クリーナ装置の小型化が阻害される。
また、特許文献2に示された車輌用クリーナ装置にあっては、洗浄水を溜める空間がないため、閉止弁に洗浄水の圧力が十分にかからず、閉止弁の動作が悪いという問題がある。さらに、閉止弁の外周がシリンダ内壁に広範囲にわたって面接触しているため、摺動時の摩擦が大きく、閉止弁の動作性が悪いだけでなく、閉止弁が摩耗して、さらに動作性が悪化するという問題がある。
本発明は、上記した問題に鑑み為されたものであり、動作性が良好であると共に小型に構成できる車輌用クリーナ装置を提供することを課題とするものである。
本発明車輌用クリーナ装置は、上記した課題を解決するために、一端部から洗浄液が供給されるシリンダと、内部に洗浄液通路を有すると共に上記シリンダに摺動自在に結合されたピストンと、上記ピストンをシリンダの一端部側に押圧付勢する第1のバネ手段と、上記ピストンの一端部に設けられた閉止弁と、上記ピストンの他端部に配置されピストン内部の洗浄液通路と連通する噴射口を有する噴射ノズルとを備え、上記閉止弁は、一端が上記シリンダの内面に接し、他端がピストンの外面に接してピストンの一端部に形成された開口をシリンダの内部に対して閉塞するゴム状弾性材料から成るシール体を備え、上記ピストンがシリンダの他端から所定の位置まで突出した後に上記シール体がシリンダの上記開口を開放してシリンダ内部からピストン内部を経て上記噴射ノズルに至る洗浄液流路が形成されるようにしたものである。
従って、本発明車輌用クリーナ装置にあっては、閉止弁の洗浄液流路となる部分の外周部分に洗浄液流路とならない部分が存在しないので、その分シリンダの直径を小さくすることができて、小型化に寄与する。
また、閉止弁のほぼ全面が洗浄液の圧力を受ける構成であるため、閉止弁の動作性が良好である。
本発明車輌用クリーナ装置は、一端部から洗浄液が供給されるシリンダと、内部に洗浄液通路を有すると共に上記シリンダに摺動自在に結合されたピストンと、上記ピストンをシリンダの一端部側に押圧付勢する第1のバネ手段と、上記ピストンの一端部に設けられた閉止弁と、上記ピストンの他端部に配置されピストン内部の洗浄液通路と連通する噴射口を有する噴射ノズルとを備え、上記閉止弁は、一端が上記シリンダの内面に接し、他端がピストンの外面に接してピストンの一端部に形成された開口をシリンダの内部に対して閉塞するゴム状弾性材料から成るシール体を備え、上記ピストンがシリンダの他端から所定の位置まで突出した後に上記シール体がシリンダの上記開口を開放してシリンダ内部からピストン内部を経て上記噴射ノズルに至る洗浄液流路が形成されることを特徴とする。
従って、本発明車輌用クリーナ装置にあっては、閉止弁の洗浄液流路となる部分の外周部分に洗浄液流路とならない部分が存在しないので、その分シリンダの直径を小さくすることができて、小型化に寄与する。
また、閉止弁のほぼ全面が洗浄液の圧力を受ける構成であるため、閉止弁の動作性が良好である。
請求項2に記載した発明にあっては、上記閉止弁はピストンの摺動方向と同じ方向に移動自在にピストンに支持されると共に上記第1のバネ手段より強いバネ力を有する第2のバネ手段によって上記シール体が上記開口を閉塞した位置に保持され、シリンダ内に流入する洗浄液の圧力によってピストンが所定の位置まで移動したところで第2のバネ手段の付勢力に抗して閉止弁が洗浄液の圧力によってピストンの他端方向に移動してシール体が上記開口を開放するので、未使用時、すなわち、洗浄液の噴射を行っていないときは、閉止弁がピストンの開口を閉塞してピストンとシリンダとの間を遮断しているので、ピストン内の洗浄液通路を介してシリンダ内に水やゴミ等が入るのが確実に防止される。
請求項3に記載した発明にあっては、上記閉止弁はピストンの摺動方向と同じ方向に移動自在にピストンに支持されると共に上記シール体の弾性力によって上記開口を閉塞した位置に保持され、シリンダ内に流入する洗浄液の圧力によってピストンが所定の位置まで移動したところで洗浄液の圧力によって上記シール体が変形して上記開口を開放するので、未使用時、すなわち、洗浄液の噴射を行っていないときは、閉止弁がピストンの開口を閉塞してピストンとシリンダとの間を遮断しているので、ピストン内の洗浄液通路を介してシリンダ内に水やゴミ等が入るのが確実に防止される。また、シール体の材料が有する弾性によって、閉止弁がピストンの開口を閉塞する位置に保持されるので、部品点数を減少させてコストダウンに寄与する。
以下に、本発明車輌用クリーナ装置を実施するための最良の形態について、添付図面を参照して説明する。
なお、図示した実施の形態は、本発明を自動車用のヘッドランプを洗浄するためのクリーナ装置として適用したものである。
まず、図1によって本発明車輌用クリーナ装置の概要を説明する。
図1は車輌用クリーナ装置1の使用状態を示すものである。車輌用クリーナ装置1は筒状をしたシリンダ2を有する。シリンダ2の下端部には流入管3が設けられており、該流入管3を介して図示しないタンクからポンプによって洗浄液(洗浄水等)がシリンダ2内に供給されるようになっている。
上記シリンダ2にはピストン4が摺動自在に挿入されており、該ピストン4の先端部には噴射ノズル5が支持されており、該噴射ノズル5がピストン4を貫通するように形成されている洗浄液通路と連通されている。ピストン4の下端部には上記洗浄液通路をシリンダ2の内部に連通させる開口が形成されており、該開口が閉止弁によって開閉されるようになっている。ピストン4とシリンダ1との間にはピストン4をシリンダ2内に引込む方向に付勢する第1のバネ手段が設けられており、不使用時、すなわち、洗浄液を噴射していないときは、該第1のバネ手段によってピストン5はその大部分がシリンダ2内に引込まれた状態とされている。
車輌用クリーナ装置1は、例えば、シリンダ2がバンパー6の下方に位置するように車輛に搭載され、使用時には、噴射ノズル5がバンパーに形成された挿通孔7を介してバンパー6の上方へ突出して噴射ノズル5がヘッドランプ8の前面カバー9と対向し、噴射ノズル5から噴射される洗浄液によってヘッドランプ8の前面カバー9が洗浄されるようになっている。
不使用の状態から、流入管3を介してシリンダ2の下端部に洗浄液が供給され、該洗浄液の圧力が上記した第1のバネ手段のバネ力を上回ると、該洗浄液の圧力によってピストン4がシリンダ2から突出してゆく。そして、ピストン4が所定の位置までシリンダ2から突出すると(図1に示す状態)、上記した閉止弁がピストン4の下端部に形成された開口を開き、これによって、洗浄液はシリンダ2からピストン4内に流入し洗浄液通路を経て噴射ノズル5からヘッドランプ8の前面カバー9に向けて噴射される。
なお、噴射ノズル5の上側にはカバー10が設けられており、不使用時には、該カバー10によってバンパー6の挿通孔7が閉塞されるようになっている。
図2乃至図6は本発明車輌用クリーナ装置の第1の実施の形態を示すものである。
車輌用クリーナ装置100はほぼ上下に長い円筒状をしたシリンダ110を備える。シリンダ110の下端には流入管111が一体に形成され、該流入管111がシリンダ110の内部空間112と連通している。シリンダ110の上端は開放されており、該上端はキャップ113が嵌合されることによって閉塞され、且つ、キャップ113がダストカバー114によって覆われて防塵が為されている。上記キャップ113及びダストカバー114の中心部には挿通孔113a、114aが形成されている。
ピストン120が上記シリンダ110に摺動自在に結合されている。ピストン120にはその中心を貫通して洗浄液通路121が形成されており、下端部においてはバックカバー122によって洗浄液通路121が閉塞されている。
バックカバー122は平面形状でシリンダ110の内径よりやや小さい外径を有する円板の外周縁を周方向にほぼ等間隔に4箇所で切り欠いた形状をしており、上記切欠縁122a、122a、・・・はピストンの半径方向に直交する直縁とされている。そして、上記切欠縁122a、122a、・・・のうち互いに反対側に位置する2つのものの間の距離は上記流入管111のシリンダ110への開口部111aの半径より僅かに大きくされている。また、バックカバー122の下面には十字状に形成された幅広のチャンネル122bが形成され、このチャンネル122bの4つの端部は上記切欠縁122a、122a、・・・でバックカバー122の外周面に開口している。
ピストン120の下端部には側面に開放された開口123、123、・・・が形成され、該開口123、123、・・・を介して洗浄液通路121が外部に開放されている。ピストン120の下端部からやや上方の位置にはバネ受けフランジ124が突出されている。
ピストン120は上端部がキャップ113とダストカバー114の挿通孔113a、114aを挿通された状態で、シリンダ110内に挿入されている。
ピストン120のバネ受けフランジ124とキャップ113との間で第1のバネ手段としてコイルスプリング130がピストン120に外嵌状に位置され、該第1のバネ手段130がピストン120を下方へ付勢してバックカバー122をシリンダ110の底面115に当接させた状態とする。バックカバー122がシリンダ110の底面に当接した状態で、シリンダ110とピストン120とバネ受けフランジ124とによって画成される空間116(以下、「弁配置空間」という)がバックカバー122の下面に形成されたチャンネル122bを介して流入管111と連通される。
閉止弁140がピストン120のバネ受けフランジ124から下方の部分に外嵌状に位置される。閉止弁140はNBR(Nitrile-Butadiene Rubber)、EPDM(Ethylene-Propylene-Dienomethylene Rubber)等のゴム状弾性を有する材料で形成されたシール体141と剛性を有する材料、例えば、合成樹脂、金属(例えば、SUS)等で形成された支持体142との複合構造によって形成されている。
シール体141は円筒部143と該円筒部143の上端から外方へ突出したフランジ状部144と該フランジ状部144の外周縁から下方へ且つ外方へ向かって斜めに突出した弾接部145とが一体に形成されて成る。上記円筒部143は内径がピストン120の下端部の外径より僅かに大きな円筒状を成し、内周面に環状に複数の襞143a、143a、・・・が突設され、該襞143a、143a、・・・がピストン120の外周面に弾接するようになっている。また、弾接部145の下端部の外径はシリンダ110の内径より僅かに大きくされており、該下端部がシリンダ110の内周面に弾接されるようになっている。
支持体142は円筒部146と該円筒部146の上端から外方へ張り出したフランジ部147とが一体に形成されて成り、円筒部146は円筒状を無し、且つ、シール体141の円筒部143の外側に接するように形成され、フランジ部147はシール体141のフランジ状部144とほぼ同じ大きさ及び形状に形成され、該フランジ状部144の上面に接触するように位置される。そして、シール体141のフランジ状部144の円筒部143寄りの部分には複数の図示しない挿通孔が周方向に間隔をおいて形成されており、支持体142の円筒部146とフランジ部147とは上記挿通孔を介して一体に連結されている。このような支持体142は、例えば、合成樹脂で形成される場合は、上記シール体141といわゆる多色成形法により成形され、また、金属で形成される場合は、インサート成形法により、シール体141と支持体142とは一体に形成されている。
上記した閉止弁140はピストン120の下端部、すなわち、バネ受けフランジ124から下の部分に外嵌状に位置され、シール体141の円筒部143(正確には襞143a、143a、・・・)がピストン120の外周面に弾接した状態でピストン120の軸方向に沿って移動自在とされている。
上記閉止弁140の支持体142のフランジ部147とピストン120のバネ受けフランジ124との間で第2のバネ手段としてコイルスプリング148がピストン120に外嵌された状態で圧縮状に位置される。この第2のバネ手段148によって閉止弁140は下方へ付勢され、洗浄液の圧力を受けていない状態では、支持体142の下端がバックカバー122の上面に当接した状態に保持される(図3、図4参照)。そして、第2のバネ手段148のバネ力は上記第1のバネ手段130のバネ力より大きくされており、閉止弁140に洗浄液の圧力が加えられたときに、第1のバネ手段130が第2のバネ手段148に先駆けて圧縮されるようになっている。
ピストン120の上端には噴射ノズル150が取り付けられる。噴射ノズル150は連結管151と噴射口152を備え、連結管151がピストン120の洗浄液通路121の上端に内嵌状に連結され、これによって、噴射口152が洗浄液通路121と連通される。また、噴射ノズル150にはバンパー等に設けられた挿通孔を閉塞するためのカバー153が設けられている。
上記した車輌用クリーナ装置100において、流入管111を介してシリンダ110内に洗浄液が供給されると、洗浄液はシリンダ110の底面115とピストン120のバックカバー122に形成されたチャンネル122bとの間にできた通路を通って、弁配置空間116内に流入する。
上記したように、弁配置空間116内に流入した洗浄液の圧力は閉止弁140に加わり、さらに第2のバネ手段148を介してピストン120に加わる。
弁配置空間116内に流入した洗浄液の圧力が第1のバネ手段130のバネ力を上回ると、それによって、第1のバネ手段130が圧縮され、ピストン120はシリンダ110から突出していく。
そして、ピストン120がシリンダ110に対して突出していって、バネ受けフランジ124の周縁部がキャップ113の下端に当接すると、それがストッパとなって、ピストン120のそれ以上のシリンダ110からの突出が阻止される。すなわち、ピストン120が所定の位置まで突出したことになり、噴射ノズル150の噴射口152がヘッドランプの前面カバーに対向した状態となる。
そして、シリンダ110内に流入した洗浄液の圧力は、ピストン120がそれ以上シリンダ110から突出する方向へ移動できないことによって、全てが閉止弁140を介して第2のバネ手段148を圧縮させる力として働くため、これによって、第2のバネ手段148が圧縮され、よって、閉止弁140が上方へ移動する。そして、閉止弁140が図5及び図6に示す位置まで移動すると、シール体141の円筒部143によって閉塞されていたピストン120の下端の開口13、123、・・・が開放され、従って、洗浄液が該開口123、123、・・・からピストン120の洗浄液通路121内に流入し(図6の矢印参照)、さらに、洗浄液通路121を介して噴射ノズル150に達し、その噴射口152からヘッドランプ8の前面カバー9に向けて噴射される。
ヘッドランプ8の前面カバー9の洗浄が終了してシリンダ110内への洗浄液の供給が停止すると、シリンダ110内の洗浄液の圧力が低下し、これによって、第2のバネ手段148によって閉止弁140が図2乃至図4に示す閉塞位置に戻され、シール体141によってピストン120の開口123、123、・・・が閉塞されるため、ピストン120の洗浄液通路121への洗浄液の供給が停止され、さらに、第1のバネ手段130によってピストン120が図2に示す格納位置へと戻される。
図7乃至図11は本発明車輌用クリーナ装置の第2の実施の形態を示すものである。
車輌用クリーナ装置200はほぼ上下に長い円筒状をしたシリンダ210を備える。シリンダ210の下端には流入管211が一体に形成され、該流入管211がシリンダ210の内部空間212と連通している。シリンダ210の上端は開放されており、該上端はキャップ213が嵌合されることによって閉塞され、且つ、キャップ213がダストカバー214によって覆われて防塵が為されている。上記キャップ213及びダストカバー214の中心部には挿通孔213a、214aが形成されている。
ピストン220が上記シリンダ210に摺動自在に結合されている。ピストン220にはその中心を貫通して洗浄液通路221が形成されており、下端部においてはバックカバー222によって洗浄液通路221が閉塞されている。
バックカバー222は平面形状でシリンダ210の内径よりやや小さい外径を有する円板の外周縁を周方向にほぼ等間隔に4箇所で切り欠いた形状をしており、上記切欠縁222a、222a、・・・はピストンの半径方向に直交する直縁とされている。そして、上記切欠縁222a、222a、・・・のうち互いに反対側に位置した2つのものの間の距離は上記流入管211のシリンダ210への開口部210aの半径より僅かに大きくされている。また、バックカバー222の下面には十字状に形成された幅広のチャンネル222bが形成され、このチャンネル222bの4つの端部は上記切欠縁222a、222a、・・・でバックカバー222の外周面に開口している。
ピストン220の下端部には側面に開放された開口223、223、・・・が形成され、該開口223、223、・・・を介して洗浄液通路221が外部に開放されている。ピストン220の下端部からやや上方に位置にはバネ受けフランジ224が突出されている。上記バネ受けフランジ224の周縁部には複数の切欠部224a、224a、・・・が形成されている。また、ピストン220の下端部のうち上記開口223、223、・・・の直ぐ下側の位置に全周に亘って延びる突条225が突設されている。
ピストン220は上端部がキャップ213とダストカバー214の挿通孔213a、214aを挿通された状態で、シリンダ210内に挿入されている。
ピストン220のバネ受けフランジ224とキャップ213との間で第1のバネ手段としてコイルスプリング230がピストン220に外嵌状に位置され、該第1のバネ手段230がピストン220を下方へ付勢してバックカバー222をシリンダ210の底面215に当接させた状態とする。バックカバー222がシリンダ210の底面に当接した状態で、シリンダ210とピストン220とバネ受けフランジ224とによって画成される空間216(以下、「弁配置空間」という)がバックカバー222の下面に形成されたチャンネル222bを介して流入管211と連通される。
ピストン220の上端には噴射ノズル250が取り付けられる。噴射ノズル250は連結管251と噴射口252を備え、連結管251がピストン220の洗浄液通路221の上端に内嵌状に連結され、これによって、噴射口252が洗浄液通路221と連通される。また、噴射ノズル250にはバンパー等に設けられた挿通孔を閉塞するためのカバー253が設けられている。
閉止弁240がピストン220のバネ受けフランジ224から下方の部分に外嵌状に位置される。閉止弁240はNBR(Nitrile-Butadiene Rubber)、EPDM(Ethylene-Propylene-Dienomethylene Rubber)等のゴム状弾性を有する材料で形成されたシール体241と剛性を有する材料、例えば、合成樹脂、金属(例えば、SUS)等で形成された支持体242との複合構造によって形成されている。
シール体241はほぼ円筒状をした筒状部243と該筒状部243の上端部とリング状の連結部244を介して連結された弾接部245とが一体に形成されて成る。上記弾接部245は下方が拡径するスカート状を成しており、軸方向長さが筒状部243の半分以下の長さとされている。また、筒状部243の下端には周方向に間隔をおいて複数の切欠孔246、246、・・・が形成されている。支持体242はほぼリング状をしており、シール体241の連結部244の上面側に埋込状に一体化されている。このような閉止弁240はいわゆる多色成形法又はインサート成形法によってシール体241と支持体242とが一体に形成される。
上記閉止弁240の上側には摺動プレート260がピストン220に対して摺動自在に位置される。摺動プレート260は幅広のリング状をした主部261と該主部261の周縁部から上方へ突出した複数の突出部262、262、・・・とが合成樹脂により一体に形成されて成り、主部261がピストン220に閉止弁240とバネ受けフランジ224との間で摺動自在に外嵌される。なお、このような摺動プレート260は、例えば、多色成形法により、閉止弁240と一体に形成されても良い。
そして、図7乃至図9に示す閉塞状態において、摺動プレート260の突出部262、262、・・・はピストン220のバネ受けフランジ224の切欠部224a、224a、・・・から上方へ突出した状態とされる。また、閉止弁240のシール体241の筒状部243の下端はバックカバー222の上面に当接した状態とされ、さらに、上記筒状部243の内周面はピストン220の突条225に密着した状態とされる。従って、筒状部243の下端部はピストン220の外周面とやや離間した状態にあっても、ピストン220の開口223、223、・・・はシール体241の筒状部243とピストン220の突条225との密着によって弁配置空間216に対して閉塞した状態とされる。さらに、下端がスカート状に広がっている弾接部245の下端部がシリンダ210の内周面に弾接した状態とされる。
上記した車輌用クリーナ装置200において、流入管211を介してシリンダ210内に洗浄液が供給されると、洗浄液はシリンダ210の底面215とピストン220のバックカバー222に形成されたチャンネル222bとの間にできた通路を通って、弁配置空間216内に流入する。
弁配置空間216内に流入した洗浄液の圧力は閉止弁240に加わり、さらに摺動プレート260を介してピストン220に加わる。
弁配置空間216内に流入した洗浄液の圧力が第1のバネ手段230のバネ力を上回ると、それによって、第1のバネ手段230が圧縮され、ピストン220はシリンダ210から突出していく。
そして、ピストン220がシリンダ210に対して突出していって、バネ受けフランジ224の周縁部がキャップ213の下端に当接すると、それがストッパとなって、ピストン220のそれ以上のシリンダ210からの突出が阻止される。すなわち、ピストン220が所定の位置まで突出したことになり、噴射ノズル250の噴射口252がヘッドランプの前面カバーに対向した状態となる。
また、バネ受けフランジ224がキャップ213の下端に当接する少し手前で、摺動プレート260の突出部262、262、・・・の上端がキャップ213の下端に当接し、そこからさらに、バネ受けフランジ224がキャップ213の下端に当接するまでピストン220が上昇するので、摺動プレート260は主部261がバネ受けフランジ224の下面に当接した状態からピストン220に対して相対的にやや下方に移動される。
摺動プレート260が閉塞状態から下方へ移動されると、閉止弁240の筒状部243はその下端がバックカバー222の上面と当接しているため、筒状部243の上半部がピストン220の外周面に対して摺動して下方へ移動する。
上記したように、シール体241の筒状部243の上半部が下方へ移動すると、筒状部243の下端がバックカバー222に当接しているため、筒状部243は中間部、すなわち、ピストン220の突条225に密接している部分及びその近辺が外方へ突出するように変形する。従って、筒状部243の内周面と突条225との間に間隙が生じ、これによって、図11に矢印で示すように、筒状部243の下端の切欠孔246、246、・・・→筒状部243の下半部とピストン220の外周面との間の間隙→筒状部243の中間部とピストン220の突条225との間の間隙→開口223という流路が形成され、該流路を介して洗浄液がピストン220の洗浄液通路221内に流入する。なお、この間、シール体241の弾接部245の下端部はシリンダ210の内周面に接触(摺接)した状態に保たれる。
そして、洗浄液は洗浄液通路121を介して噴射ノズル250に達し、その噴射口252からヘッドランプ8の前面カバー9に向けて噴射される。
ヘッドランプ8の前面カバー9の洗浄が終了してシリンダ210内への洗浄液の供給が停止すると、シリンダ210内の洗浄液の圧力が低下し、これによって、第1のバネ手段130によってピストン120が図2に示す格納位置へと戻される。そして、ピストン220が僅かにシリンダ210内に引き込まれたときに、閉止弁240のシール体241の弾性により、シール体241の筒状部243が元の状態に戻り、これによって、筒状部243の中間部分がピストン220の突条225と密着し、ピストン220の開口223、223、・・・が閉塞されるため、ピストン220の洗浄液通路121への洗浄液の供給が停止される。そして、ピストン220は第1のバネ手段230によって図7乃至図9に示す格納位置へと戻される。
また、これによって、摺動プレート260の上方への移動を阻止するものがなくなるので、閉止弁240のシール体241が弾性復元力によって変形していた状態から元の状態に戻り、再びピストン220の開口223、223、・・・がシール体241の筒状部243によって閉塞される。
上記した車輌用クリーナ装置100、200にあっては、閉止弁140、240の洗浄液流路となる部分の外周部分に洗浄液流路とならない部分が存在しないので、その分シリンダ110、210の直径を小さくすることができて、小型化に寄与する。
また、閉止弁140、240のほぼ全面が洗浄液の圧力を受ける構成であるため、閉止弁の動作性が良好である。
さらに、未使用時、すなわち、洗浄液の噴射を行っていないときは、閉止弁140、240がピストン120、220の開口123、223を閉塞してピストン120、220とシリンダ110、210との間を遮断しているので、ピストン120、220内の洗浄液通路121、221を介してシリンダ110、210内に水やゴミ等が入るのが確実に防止される。
なお、上記した各実施の形態の説明において、噴射ノズル150、250によって噴射される物を洗浄液として説明したが、これは洗浄のために特別に作られた液体の他単なる水も含む意味で用いている。
その他、上記した各実施の形態において示した各部の形状及び構造は、何れも本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
本発明車輌用クリーナ装置は、小型軽量に構成することができ、且つ、動作性が確実であるので、自動車等に搭載するクリーナ装置として、例えば、自動車のヘッドランプの前面カバーの洗浄用のクリーナ装置として好適である。
1…車輌用クリーナ装置、2…シリンダ、4…ピストン、5…噴射ノズル、100…車輌用クリーナ装置、110…シリンダ、120…ピストン、121…洗浄液通路、123…開口、130…第1のバネ手段、140…閉止弁、141…シール体、148…第2のバネ手段、150…噴射ノズル、152…噴射口、200…車輌用クリーナ装置、210…シリンダ、220…ピストン、221…洗浄液通路、223…開口、230…第1のバネ手段、240…閉止弁、241…シール体、250…噴射ノズル、252…噴射口
Claims (3)
- 一端部から洗浄液が供給されるシリンダと、内部に洗浄液通路を有すると共に上記シリンダに摺動自在に結合されたピストンと、上記ピストンをシリンダの一端部側に押圧付勢する第1のバネ手段と、上記ピストンの一端部に設けられた閉止弁と、上記ピストンの他端部に配置されピストン内部の洗浄液通路と連通する噴射口を有する噴射ノズルとを備え、
上記閉止弁は、一端が上記シリンダの内面に接し、他端がピストンの外面に接してピストンの一端部に形成された開口をシリンダの内部に対して閉塞するゴム状弾性材料から成るシール体を備え、
上記ピストンがシリンダの他端から所定の位置まで突出した後に上記シール体がシリンダの上記開口を開放してシリンダ内部からピストン内部を経て上記噴射ノズルに至る洗浄液流路が形成される
ことを特徴とする車輌用クリーナ装置。 - 上記閉止弁はピストンの摺動方向と同じ方向に移動自在にピストンに支持されると共に上記第1のバネ手段より強いバネ力を有する第2のバネ手段によって上記シール体が上記開口を閉塞した位置に保持され、
シリンダ内に流入する洗浄液の圧力によってピストンが所定の位置まで移動したところで第2のバネ手段の付勢力に抗して閉止弁が洗浄液の圧力によってピストンの他端方向に移動してシール体が上記開口を開放する
ことを特徴とする請求項1に記載の車輌用クリーナ装置。 - 上記閉止弁はピストンの摺動方向と同じ方向に移動自在にピストンに支持されると共に上記シール体の弾性力によって上記開口を閉塞した位置に保持され、
シリンダ内に流入する洗浄液の圧力によってピストンが所定の位置まで移動したところで洗浄液の圧力によって上記シール体が変形して上記開口を開放する
ことを特徴とする請求項1に記載の車輌用クリーナ装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2003
- 2003-11-27 JP JP2003396823A patent/JP2005153770A/ja active Pending
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