JP4715113B2 - インクジェット式記録装置 - Google Patents

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本発明は、インクジェット式記録装置に関するものである。
特開2000−343722号公報に開示されているように、インクタンクの非接続状態におけるインクの漏出を防止するための接続ユニットを備えたインクジェット式記録装置がある。この接続ユニットは、インクタンクから記録ヘッドに至るインク供給路の接続部に設けられた2つの接続装置からなる。これら2つの接続装置が接続状態のときはインクの流通が可能であり、これら2つの接続装置が分離された状態の時はインクの流通が遮断されるよう構成されている。
具体的には、これら2つの接続装置には、シリンダ状ケースから互いに突出する方向に付勢された突当棒と、その突当棒の突出状態においてインク供給路が遮断されるシール部材とが具備されており、2つの接続装置が接続することにより、これらの突当棒が互いに当接してシリンダ状ケース内に後退し、接続部においてインクの流通が可能となるように構成されている。このようにすれば、インクタンクから記録ヘッドに至るインク供給路の接続部において、2つの接続装置が分離されているときには突当棒が突出しインク供給路が閉塞されるので、インク供給路の接続部からインクが漏出するのを抑制することができ、また、インク供給路内のインクが空気に触れて増粘することも防止できる。
特開2000−343722号公報
しかしながら、上述の技術では、2つの接続装置において、それぞれ突当棒と、その突当棒を突出する方向に付勢するバネ部材と、その突当棒の突出状態においてインク供給路を遮断するシール部材とが必要であり、部品点数が多くコストが高くなるという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、インクカートリッジが非装着の状態であってもインク供給路におけるインク漏れ及びインクの乾燥を簡単な構成で抑制することできるインクジェット式記録装置を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載のインクジェット式記録装置は、インクカートリッジが装着される装着部と、前記インクカートリッジからインクの供給を受けるインク供給路と、そのインク供給路と連通し、ノズルよりインクを吐出するインクジェット式記録ヘッドとを有するものにおいて、前記装着部の一側に形成されるとともに前記インク供給路に連通する筒状壁と、その筒状壁内においてその中心軸線方向と平行に移動可能に設けられ、インクカートリッジが非装着状態のときに第1位置に位置しているとともに、インクカートリッジが装着されることにより、前記第1位置よりもインク供給路側の第2位置に移動して、インクカートリッジからのインクを前記インク供給路に供給可能な内部流路を有し、その内部流路の前記インクカートリッジと接続する一端と、前記インク供給路と接続する他端とにそれぞれ開口部を有する中空状のインク供給管と、前記インク供給管を、その両端の開口部の間において支持し、前記インク供給管と前記筒状壁との間を外部に対してシールするシール部材と、前記インク供給管の他端開口部よりも前記インク供給路側にあって前記インク供給管と一体に移動可能に設けられ、前記シール部材と密接及び離隔可能な弁部とを有し、前記インク供給管が前記第1位置にあるときには、前記シール部材に密接して前記他端開口部と前記インク供給路との間の連通を遮断し、前記インク供給管が前記第2位置にあるときには、前記シール部材から離隔して前記他端開口部と前記インク供給路との間を連通し、前記シール部材は、前記インク供給管が前記第2位置にあるときには、そのインク供給管を前記第1位置側へ付勢するように前記インク供給管を支持し、記インク供給管が前記第1位置にあるとき、前記インク供給管の他端開口部を含む外周面を囲む円筒状の弾性部材から構成され、その円筒状弾性部材の前記インクカートリッジ側の端部は前記インク供給管の外周に密接され、前記インク供給路側の端部外周は、前記筒状壁の内面に密接され且つ同側の端部内周は前記インク供給管の他端開口部を前記インク供給路に連通させる開口部を有し、前記インク供給管が前記第1位置にあるとき、前記円筒状弾性部材の前記インク供給路側の開口部を前記弁部によって閉塞し、前記インク供給管が前記第2位置にあるとき、その開口部から前記弁部を離隔する。
この請求項1記載のインクジェット式記録装置によれば、インクカートリッジが装着される装着部の一側に形成されるとともにインク供給路に連通する筒状壁内において、その筒状壁内の中心軸線方向と平行に移動可能に設けられたインク供給管が、インクカートリッジが非装着状態のときに第1位置に位置させられる。一方、インクカートリッジが装着されることにより、そのインク供給路は第1位置よりもインク供給路側の第2位置に移動させられ、そのインク供給管の内部流路を通じてインクカートリッジからのインクがインク供給路に供給可能とされる。ここで、インク供給管の内部流路は、インクカートリッジと接続する一端と、インク供給路と接続する他端とにそれぞれ開口部を有しており、インク供給管は、その両端の開口部の間においてシール部材により支持され、インク供給管と筒状壁との間がそのシール部材により外部に対してシールされる。また、インク供給管が第1位置にあるときには、インク供給管と一体的に移動可能に設けられた弁部がシール部材に密接してインク供給管の他端開口部とインク供給路との間の連通が遮断される。一方、インク供給管が前記第2位置にあるときには、インク供給管と一体的に移動可能に設けられた弁部がシール部材から離隔して前記他端開口部とインク供給路との間の連通が開放される。
また、インク供給管は第2位置にあるときは、シール部材により第1位置側へ付勢される。
また、シール部材を構成する円筒状弾性部材は、インクカートリッジ側の端部はインク供給管の外周に密接され、インク供給路側の端部外周は筒状壁の内面に密接されているので、シール部材によりインク供給管と前記筒状壁との間が外部に対してシールされる。また、インク供給管が第1位置にあるとき、円筒状弾性部材のインク供給路側の開口部が弁部によって閉塞されてインク供給管の他端開口部とインク供給路との連通が遮断される。一方、インク供給管が第2位置にあるとき、円筒状弾性部材のインク供給路側の開口部から弁部が離隔されてインク供給管の他端開口部とインク供給路とが連通される。
請求項記載のインクジェット式記録装置は、請求項記載のインクジェット式記録装置において、前記インク供給管は、前記中心軸線方向に対し直角方向に延びる鍔部を有し、前記シール部材のインクカートリッジ側の端部は前記鍔部に密接しており、前記インク供給管が前記第2位置にあるときには、前記インク供給管の鍔部によりそのシール部材のインクカートリッジ側の端部がインク供給路側へ押圧されてそのシール部材が弾性変形させられる。
請求項記載のインクジェット式記録装置によれば、請求項1記載のインクジェット式記録装置において、インク供給管が第2位置にあるときには、インク供給管の鍔部によりシール部材がインク供給路側へ押圧されて弾性変形させられるので、インク供給管はシール部材により第1位置側へ付勢される。
請求項記載のインクジェット式記録装置は、請求項記載のインクジェット式記録装置において、前記シール部材は、前記鍔部に密接するインクカートリッジ側の端部においてそのシール部材の内周側に張り出す延出部を有し、その延出部が前記鍔部及び前記インク供給管の外周面と密接する。
請求項4記載のインクジェット式記録装置は、請求項2または3に記載のインクジェット式記録装置において、前記インクカートリッジは前記インク供給管が挿入されるインク供給口と、そのインク供給口内に設けられた弁座部とを有し、前記インク供給管は、そのインク供給口に挿入される際に、その鍔部が、前記弁座部から前記インク供給管が前記インク供給口に挿入される方向と反対の方向へ延びる凸部に押されることにより、前記第1位置から前記第2位置へ移動するものである。
請求項記載のインクジェット式記録装置は、請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット式記録装置において、前記インクカートリッジは前記インク供給管が挿入されるインク供給口と、そのインク供給口内に設けられた弁座部と、その弁座部に対して接離可能に構成される弁部材とを有し、前記インク供給管が前記インク供給口に挿入されるのに伴い、その弁部材が前記インク供給管の先端部に押されて弁座部から所定距離離れ、そのインクカートリッジ内部のインクがその外部へ流出可能なものであって、前記インク供給管が前記インク供給口の所定位置まで挿入されてインクカートリッジが装着されるとき、前記インク供給管は、その先端部が前記インクカートリッジのインク供給口内に設けられた弁部材に押されることにより、前記第1位置から前記第2位置へ移動し、前記弁部材は前記弁座部から離れるものである。
請求項記載のインクジェット式記録装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット式記録装置と同様に作用する上、インクカートリッジのインク供給口にインク供給管が挿入される際に、インク供給管の先端部がインク供給口内に設けられた弁部材に押されることにより、インク供給管が第1位置から第2位置とされる。
請求項記載のインクジェット式記録装置は、請求項記載のインクジェット式記録装置において、前記弁部材が前記弁座部から離れるのに先立って前記インク供給管が前記第2位置となるように、前記シール部材が弾性変形させられる程度の弾性をそのシール部材が有する。
請求項記載のインクジェット式記録装置によれば、請求項記載のインクジェット式記録装置と同様に作用する上、インクカートリッジのインク供給口にインク供給管が挿入される際には、まずシール部材が弾性変形させられてインク供給管が第2位置となり、続いて弁部材がインク供給管の先端部に押されて弁座部から所定距離離れ、そのインクカートリッジ内部のインクが外部へ流出可能とされる。
請求項記載のインクジェット式記録装置は、請求項1から6のいずれかに記載のインクジェット式記録装置において、前記弁部は前記インク供給管側を小径とするテーパ面を有し、前記インク供給管が前記第1位置のときにそのテーパ面が前記シール部材の前記開口部に密接して前記開口部を閉塞する。
請求項記載のインクジェット式記録装置によれば、請求項1から6のいずれかに記載のインクジェット式記録装置と同様に作用する上、シール部材の開口部は弁部のテーパ面に密接して閉塞される。
請求項に記載のインクジェット式記録装置は、請求項1から7のいずれかに記載のインクジェット式記録装置において、前記シール部材は、前記インク供給路側の端部外周に、前記筒状壁の内面に密接するように張り出した張出部を有し、その張出部と前記インクカートリッジ側の端部との間の円筒状部分の外周面を前記筒状壁の内面との間に隙間をおいて配置している。
請求項に記載のインクジェット式記録装置は、請求項1から8のいずれかに記載のインクジェット式記録装置において、前記筒状壁の内面は、前記インク供給管及び前記シール部材を挿入可能に中心軸線方向の一方の端部を開口し、かつその開口に向いて前記シール部材の前記インク供給路側の端部が当接する段部を有し、前記インク供給管は、前記弁部よりも前記インク供給路側端部に、前記筒状壁に対して前記開口側へ抜け止め可能に係止する係止部を有する。
請求項に記載のインクジェット式記録装置によれば、請求項1から8のいずれかに記載のインクジェット式記録装置と同様に作用する上、インク供給管及びシール部材を筒状壁内に挿入し、抜け止め可能に係止することで組み付けられ、シール部材が段部に当接し、インク供給管が第2位置にあるとき、シール部材の弾性により、第1位置側へ付勢される。
請求項1記載のインクジェット式記録装置によれば、インクカートリッジが非装着状態のときには、インク供給管と一体的に移動可能に設けられた弁部によりインク供給管の他端開口部とインク供給路との間の連通が遮断され、インクカートリッジが装着されると、そのインク供給管が第1位置よりもインク供給路側の第2位置に移動させられ、インク供給管と一体的に移動可能に設けられた弁部によりその遮断が開放され、そのインク供給管の他端開口部を通じてインクカートリッジからのインクがインク供給路に供給される。また、インク供給管の内部流路は、インクカートリッジと接続する一端と、インク供給路と接続する他端とにそれぞれ開口部を有しており、インク供給管は、その両端の開口部の間においてシール部材により支持され、インク供給管と筒状壁との間がそのシール部材により外部に対してシールされるとともに、インク供給管の第1及び第2位置への移動にともない弁部がシール部材と密接及び離隔される。したがって、その弁部よりもインク供給路側は、インクカートリッジの非装着時であっても外気に触れることが抑制されているので、インク供給路においてインクが乾燥し増粘することを簡単な構成で抑制でき、かつインクが漏れるのを防止できるという効果がある。
また、インク供給管は第2位置にあるときは、シール部材により第1位置側へ付勢される。よって、一旦インクカートリッジが装着されることによりインク供給管が第2位置とされ、その後インクカートリッジが取り外されると、インク供給管はシール部材に付勢されて第1位置に復帰し、インク供給管の他端開口部とインク供給路との間の連通が再び遮断されるので、インク供給路からインクが漏れるのを防止することができるという効果がある。また、シール部材によりインク供給管を第1位置側へ付勢するので、インク供給管を第1位置側に付勢するための部品を別途設ける必要がなく簡単な構成とすることができるという効果がある。
また、シール部材を構成する円筒状弾性部材は、インクカートリッジ側の端部がインク供給管の外周に密接され、インク供給路側の端部外周は筒状壁の内面に密接されているので、シール部材によりインク供給管と前記筒状壁との間が外部に対してシールされている。また、インク供給管が第1位置にあるとき、シール部材のインク供給路側の開口部が弁部によって閉塞されてインク供給管の他端開口部とインク供給路との連通が遮断される。よって、弁部よりもインク供給路側は、インクカートリッジの非装着時であっても外気に触れることが抑制されているので、インク供給路において、インクが乾燥して増粘することを抑制でき、かつインクが漏れるのを防止できるという効果がある。一方、インク供給管が第2位置にあるとき、シール部材のインク供給路側の開口部から弁部が離隔されてインク供給管の他端開口部とインク供給路とが連通される。したがって、インクカートリッジが装着されたときにはインクカートリッジからインク供給路へのインクの流通が可能となるという効果がある。
請求項記載のインクジェット式記録装置によれば、請求項記載のインクジェット式記録装置の奏する効果に加え、インク供給管が第2位置にあるときには、インク供給管の鍔部によりシール部材がインク供給路側へ押圧されて弾性変形させられるので、インク供給管はシール部材により第1位置側へ付勢される。よって、インク供給管を第1位置側に付勢するための部品を別途設ける必要がなく簡単な構成とすることができるという効果がある。
請求項記載のインクジェット式記録装置によれば、請求項記載のインクジェット式記録装置の奏する効果に加え、シール部材の前記鍔部に密接するインクカートリッジ側の端部においてそのシール部材の内周側に張り出す延出部を有し、その延出部が前記鍔部及び前記インク供給管の外周面と密接するので、シール部材のインクカートリッジ側の端部が単に鍔部にのみ密接する場合に比較してシール部材とインク供給管との接触面積が大きくなり、より気密にインク供給管と筒状壁との間を外部に対してシールすることができるという効果がある。
請求項4記載のインクジェット式記録装置によれば、請求項2または3に記載のインクジェット式記録装置の奏する効果に加え、前記インクカートリッジは前記インク供給管が挿入されるインク供給口と、そのインク供給口内に設けられた弁座部とを有し、前記インク供給管は、そのインク供給口に挿入される際に、その鍔部が、前記弁座部から前記インク供給管が前記インク供給口に挿入される方向と反対の方向へ延びる凸部に押されることにより、前記第1位置から前記第2位置へ移動するので、インク供給管と一体的に移動可能に設けられた弁部が移動してインク供給管の他端開口部とインク供給路との連通が可能とされ、そのインク供給管の他端開口部を通じてインクカートリッジからのインクがインク供給路に供給されるという効果がある。
請求項記載のインクジェット式記録装置によれば、請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット式記録装置の奏する効果に加え、インクカートリッジのインク供給口にインク供給管が挿入される際には、インク供給管の先端部がインク供給口内に設けられた弁部材に押されることにより、インク供給管が第1位置から第2位置とされるので、インクカートリッジが装着されると、インク供給管と一体的に移動可能に設けられた弁部が移動してインク供給管の他端開口部とインク供給路との連通が可能とされ、且つインクカートリッジ側の弁部材が開放されて、インク供給管の他端開口部を通じてインクカートリッジからのインクがインク供給路に供給されるという効果がある。
請求項記載のインクジェット式記録装置によれば、請求項記載のインクジェット式記録装置の奏する効果に加え、インクカートリッジのインク供給口にインク供給管が挿入される際には、まずシール部材が弾性変形させられてインク供給管が第2位置となり、続いて弁部材がインク供給管の先端部に押されて弁座部から所定距離離れ、そのインクカートリッジ内部のインクが外部へ流出可能とされるので、カートリッジの弁構造を破壊することを防止できるという効果がある。すなわち、弁部材がインク供給管の先端部に押されて弁座部から所定距離離れた後に、インク供給管を第2位置まで移動させようとすると、インク供給管を第2位置とするためにさらに加えられる力により、インク供給管の先端部により弁部材が押されて弁座部から所定距離を超えて離れ、弁構造が破壊されたり、機能が阻害されるのを回避することができる。
請求項記載のインクジェット式記録装置によれば、請求項1から6のいずれかに記載のインクジェット式記録装置の奏する効果に加え、シール部材の開口部は弁部のテーパ面に密接して閉塞されるので、より密閉性高くシール部材の開口部を閉塞することができるという効果がある。
請求項に記載のインクジェット式記録装置によれば、請求項1から7のいずれかに記載のインクジェット式記録装置の奏する効果に加え、シール部材は、そのインク供給路側の端部外周の張出部を、筒状壁の内面に密接するように張り出させ、円筒状部分の外周面を筒状壁の内面との間に隙間をおいて配置しているので、インク供給管の移動にともないシール部材が変形する際に、シール部材と筒状壁との間に摩擦等の抵抗が生じず、インク供給管の移動を容易にすることができる。
請求項に記載のインクジェット式記録装置によれば、請求項1から8のいずれかに記載のインクジェット式記録装置と同様に作用する上、インク供給管及びシール部材を筒状壁内に挿入し、抜け止め可能に係止することで組み付けることができ、また同時に、シール部材が段部に当接し、インク供給管が第2位置にあるとき、シール部材の弾性により、インク供給管を第1位置側へ付勢することができる。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施例におけるインクジェット記録装置2を示した概略図である。
インクジェット記録装置2は、インクカートリッジ1を着脱可能に装着する装着部3と、インクカートリッジ1からインク供給チューブ4を介して供給されるインクを貯留するインクタンク5と、そのインクタンク5に貯留されたインクを記録媒体6に向けて吐出する記録ヘッド7と、インクタンク5と記録ヘッド7とを備える記録ヘッドユニット8が搭載され直線方向に往復動作するキャリッジ9と、そのキャリッジ9が往復移動するガイドとなるキャリッジ軸10と、記録媒体6を搬送する搬送機構11と、パージ装置12とを備えている。
インクカートリッジ1は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等の複数色のカラーインク毎に設けられ、インクジェット記録装置2に装着されてカラー印刷が可能に構成されている。
装着部3は、ベース部3aと、そのベース部3aの両側から立設するガイド部3bとから成り、ガイド部3bに挟まれたベース部3aからは、インクカートリッジ1内に貯留されたインクを抽出するインク供給管13と、インクカートリッジ1内に大気を導入する中空状の大気導入管14とが突出して配設されている。なお、インク供給管13および大気導入管14は、先端が略平面に形成されており、その管の上端部分に内外を連通する連通口13a,14aが欠切状に形成されている。
このインク供給管13は装着部3に一体的に設けられた接続部3dにおいて、その内部を移動可能に設けられており、この接続部3dにはインク供給チューブ4が連結されている。後に詳細に説明するように、インク供給管13は内部流路を有しており、インクカートリッジ1が装着部3に装着されると、そのインク供給管13の内部流路とインク供給チューブ4とが接続部3dを介して連通し、インクカートリッジ1からのインクがインク供給チューブ4を介してインクタンク5に供給されるよう構成されている。大気導入管14の一端側には、大気導入チューブ15が連結され、大気導入管14は、大気導入チューブ15を介して大気と連通されている。
記録ヘッド7は、公知のインクジェット式記録ヘッドと同様に、複数のプレートを積層して形成されインクタンク5からインクが供給されるキャビティプレートと、複数の圧電変形部を有しプレート型に形成された圧電アクチュエータプレートとが接着されて構成され、圧電変形部の変形により圧電変形部に対応するノズルからインクが吐出される。なお、ノズルは、記録ヘッド7の記録媒体6との対向面に、千鳥格子状に複数配列されている。
パージ装置12は、記録範囲外であって記録ヘッド7に対向するように配置されており、記録ヘッド7のノズル形成面を覆うパージキャップ12aと、パージキャップ12aと連通する廃インクチューブ12bと、廃インクチューブ12bを介してノズルからインクを吸引するポンプ12cとを備えている。
次に、図2及び図3を参照して、インクカートリッジ1の構造について説明する。図2は、インクカートリッジ1の断面図であり、図3は、本体ケース1bの上面図である。
インクカートリッジ1は、インクを貯留する空間となる貯留室20を内部に有している。インクカートリッジ1は、その貯留室20を形成する底壁21と周壁22とを有し上面が開放された本体ケース1bと、その本体ケース1bの開放された上面を覆う蓋部材1aと、本体ケース1bの底壁21を覆うキャップ部材1cとで構成されている。このキャップ部材1cには、後述する弁手段27,28を装着部3側に露出する2つの露出孔23,24が形成されている。インクカートリッジ1は、蓋部材1a及びキャップ部材1cがそれぞれ本体ケース1bと溶着されて形成される。蓋部材1a、本体ケース1bおよびキャップ部材1cの材質は、樹脂材料によって構成されているものとする。
底壁21には、貯留室20内のインクを外部に供給するために外部に開口したインク供給口25が形成されている。このインク供給口25は、底壁21(貯留室20の一側)の下面から一体に突出形成された筒状壁25a内に形成されている。また、底壁21には、貯留室20内に大気を導入するために外部に開口した大気導入口26が形成されている。この大気導入口26は、底壁21(貯留室20の一側)の下面から一体に突出形成された筒状壁26a内に形成されている。インクカートリッジ1を装着部3に装着したときには、インク供給口25にインク供給管13が、大気導入口26に大気導入管14がそれぞれ挿入される。
なお、インク供給口25内には、弁手段27が配設されてインクカートリッジ1の内外の連通を封止し、大気導入口26内には、弁手段28が配設されてインクカートリッジ1の内外の連通を封止している。この弁手段27,28の詳細な説明は後述する。
さらに、底壁21には、インク供給口25と貯留室20との間を連通する複数の連通孔30が形成されている。その複数の連通孔30の中心位置には貫通孔31が形成されており、その貫通孔31には、略傘形状に形成された逆止弁32が貫入されている。なお、逆止弁32は、弾性力を有する弾性樹脂材料で構成されている。
図2に示すように、逆止弁32は、連通孔30の下面と対向し、弾性のある傘部33と、その傘部33の略中心位置から貫通孔31を通って貯留室20側に延びる軸部34とで構成されている。軸部34は、貫通孔31の内径より大きな径となる略球状の球部35を有し、傘部33と球部35との間の範囲で貫通孔31に上下摺動可能に支持されている。
また、底壁21には、その底壁21から本体ケース1bの開放上面に向かう方向(以後、「第1の方向」と称す)に立ち上がって底壁21と一体に形成された中空筒状の中空筒状部材40が形成されている。この中空筒状部材40の上端開口42は、貯留室20内のインク液面よりも上方で開口している。また、中空筒状部材40の下端は大気導入口26と連通しており、中空筒状部材40の内部流路41は貯留室20へ大気を導入する流路となる。
ここで、インク供給口25および大気導入口26に配設される封止手段としての弁手段27,28について説明する。
弁手段27は、ゴム状の弾性部材で一体に製作された支持部材50と、樹脂材料で構成され後述する弁座部52と接離可能に構成された弁部材51とを備えている。支持部材50は、ほぼ円筒形の外形をなし、その中心軸線方向の略中間部に弁座部52、その弁座部52よりも貯留室20側に付勢部53、その付勢部53とは反対側へ弁座部52から延びる円筒部54、その円筒部54の外周に間隔をおいて平行に延びる外周壁55とを一体に成形して構成される。弁部材51は、付勢部53によって弁座部52に当接する方向に付勢されてその付勢部53内に収容されている。
外周壁55は、半径方向外方に突起した位置決部56を有しており、インク供給口25は、位置決部56を収納するために外側へ径が大きくなる段状面1fを有している。その位置決部56を段状面1fとキャップ部材1cとの間に押圧挟持した状態で、本体ケース1bとキャップ部材1cとが溶着され、本体ケース1bと弁手段27との間からインク漏れが防止される。
弁座部52は、その中央に中心軸線方向に貫通した開口58を有している。円筒部54は、インクカートリッジ1が装着部3に装着されたとき、インク供給管13が挿入される誘導路59を有し、その誘導路59を開口58と連通した状態で弁座部52から一体に連接されている。誘導路59は、挿入されたインク供給管13と密着するようにその内径をインク供給管13の外形よりも小さく形成され、開口58は、誘導路59の内径よりも大きくかつインク供給管13の外径よりも大きく形成されている。誘導路59のインク供給管13の挿入側端部は、外方に向け拡大するテーパ形に形成されている。
円筒部54と外周壁55との間は、環状の溝60によって隔てられ、外周壁55に対して円筒部54が誘導路59の中心軸線方向と直交する面内で弾性変形可能とされている。
付勢部53は、弁座部52の外周から貯留室20側に円筒状に立ち上がった側壁部61と、その側壁部61と連接し弁部材51の貯留室20側に当接するように内側に張り出した張出部62とにより形成され、張出部62の中央に開口63を有している。付勢部53は、弁部材51を弁座部52に当接させる方向に、側壁部61と張出部62との弾性力により弁部材51を付勢し、常態では弁部材51を弁座部52に密着させている。また、インク供給管13が誘導路59に侵入して弁部材51を貯留室20側に押し上げることで、側壁部61が伸び張出部62が傾斜して弁部材51と弁座部52との間にインク流路のための隙間が形成される。
弁部材51は、支持部材50の弁座部52と当接する底部70と、その底部70の外周より貯留室20側に円筒状に延びる弁側壁部71とを備え、底部70には、その弁座部52と対向する端面に、後述する連通路73よりも中心側でかつ開口58よりも外側となる位置に、弁座部52側に突起し環状に形成された弁部材突起部72を有している。弁部材51が支持部材50内に収納された状態で、弁側壁部71は、付勢部53の張出部62の下面に密着しかつ押圧され、その押圧により、弁部材突起部72は、弁座部52を弾性変形させてその弁座部52の上面に密着し、誘導路59を貯留室20に対して密閉している。
底部70の弁部材突起部72よりも外周側から弁側壁部71に亘る位置には、弁部材51の貯留室20側と弁座部52側とを連通する連通路73が、円周方向に間隔を置いて複数個貫通形成されている。
弁手段28は、弁手段27とほぼ同様の構成を備えており、同一部分には同符号を付して、その説明は省略する。なお、この弁手段28において、弁部材81は、弁部材51と同形状の底部90、弁側壁部91、弁部材突起部92、連通路93とを備え、さらに、底部90上面の略中心部に弁側壁部91よりも貯留室20側に突起した遮断部材94を備えている。遮断部材94は、付勢部53の開口63の内径よりも小さい外径を有し、その開口63と間隔をおいて貫通する。なお、内部流路41は、下端側内径D2から上方部分側の内径D3へ緩やかなテーパに形成されており、弁部材81が後述する正常な開放位置よりも過剰に押されて移動したとき、遮断部材94の上端94aが内部流路41の内面に摩擦結合、いわゆる「食い付き」状態に嵌合し、弁部材81を付勢する付勢部53の弾性力では、その状態が解除されない。この状態で、遮断部材94の上端94aは内部流路41を実質的に密閉し外気の流通を遮断する。
ここで、弁手段27,28の動作について説明する。図4は、弁手段27について開放状態を示すが、弁手段28も基本的には同様である。
インクカートリッジ1が装着部3に装着されると(図1における矢印X方向)、インク供給管13および大気導入管14がそれぞれ誘導路59内に、円筒部54を拡径しながら侵入し、インク供給管13および大気導入管14はそれぞれ対応する弁部材51,81の底部70,90と当接する。その後、さらにインクカートリッジが矢印X方向に押されると、各弁部材51,81はそれぞれ貯留室20方向に押されて弁座部52から離れる。インクカートリッジが装着部に正常に装着されたとき、弁部材51,58が各弁座部52から離れる距離は一定に制御される。弁部材58の遮断部材94は、中空筒状部材の内部流路41と間隔をおいて嵌合していない状態にある。その結果、インクカートリッジ1内部に大気を導入する導入路(大気導入管14−弁部材81と弁座部52との間−連通路93−開口63−大気導入口26−中空筒状部40の内部流路41−貯留室20の上部空間)が形成されると共に、インクカートリッジ1から外部にインクを供給する供給路(貯留室20−連通孔30−インク供給口25−開口63−連通路93−弁部材51と弁座部52との間−インク供給管13)が形成される。
なお、インクカートリッジ1は、梱包時内部が減圧された状態であるので、上記導入路および供給路がほぼ同時に形成されると、インク供給管13と大気導入管14との両方から貯留室20側へ向かう流れが生じるが、インク供給管13と記録ヘッド7との間の流路内に残留していたインクの逆流は逆止弁32によって阻止され、大気が大気導入管14から中空筒状部材40内を通って貯留室20の上部に急速に流入する。
常態では、逆止弁32は傘部33が連通孔30から離れた位置へ自重で下降し、貯留室20からインクが記録ヘッド7に供給される。そして貯留室20からのインクの流出にともない、大気導入管14から貯留室20の上部に大気が供給される。
次に、図5及び図6を参照して、接続部3dについて説明する。図5(a)は接続部3dの側面図であり、(b)は接続部3dの上面図である。また、図6(a)は図5のVIa−VIa線における接続部3dの縦断面図であり、(b)は図5(a)のVIb−VIb線における接続部3dの横断面図であり、(c)は図5(b)のVIc−VIc線における接続部3dの縦断面図である。
接続部3dは、インク供給チューブ4が連結される連結部100と、その連結部100の内部を摺動するインク供給管13とを備え、装着部3(図1参照)に一体的に設けられている。インクカートリッジ1から流出されたインクはこの接続部3dを介してインク供給チューブ4へ供給される。
図6(a)に示すように、連結部100は中空状に構成され、装着部3のインクカートリッジ1が装着される側(以下、インクカートリッジ側という)に開口する円筒状の内面を構成する第1筒状壁101と、その第1筒状壁101よりも小径の内面を構成する第2筒状壁102と、その第2筒状壁102よりも小径でインク供給チューブ4と連通する第3筒状壁103とがその内部に形成されている。また、第1筒状壁101には、インク供給管13の外周面を囲むシール部材104が設けられている。
第1筒状壁101と第2筒状壁102との境は、インクカートリッジ側に内径を拡大する段部101aを形成し、第2筒状壁102には、図6(b)に示すように、その第2筒状壁102内に開口している中心軸線方向と平行な流通溝105が複数本形成されている。インク供給管13が後述する第2位置のとき、この流通溝105は、シール部材104の内周面側と連通させられる。
第2筒状壁102と第3筒状壁103との間の段部106には、第2筒状壁102からその第2筒状壁102の中心部に向かって延びる複数本の規制板107が設けられている。インク供給管13が後述する第2位置のとき弁部13eがこの規制板107に当接し、インク供給管13がそれ以上インク供給チューブ4側へ移動することを規制する。
第1筒状壁101内に設けられるシール部材104は、円筒状のゴム状弾性部材であって、延出部104aと、張出部104bと、開口部104cとを備えている。
延出部104aは、シール部材104のインクカートリッジ1側の端部において、そのシール部材104の内周側に張り出して設けられており、インク供給管13の外周面に密接する。張出部104bは、シール部材104のインク供給チューブ4側の端部外周においてそのシール部材104の外周側に張り出して設けられており、第1筒状壁101の内周面に密接する。したがって、インク供給管13と第1筒状壁101との間はシール部材104により外部に対してシールされている。
また、張出部104bは第2筒状壁102よりも大径に構成され、第1筒状壁101と第2筒状壁102との境に形成された段部101aに中心軸線方向から当接されている。したがって、シール部材104はその段部101aによりインク供給チューブ4側への移動が規制されるので、インクカートリッジ1側から押圧力が加えられると圧縮変形させられる。延出部104aと張出部104b間のシール部材104の外周は、第1筒状壁と間隔をおいて保持され、前記圧縮変形によっても第1筒状壁と強く摩擦接触することがない。
開口部104cは、張出部104bの内周に設けられ、第2筒状壁102側へ向けて開口している。この開口部104cは、インク供給管13が後述する第1位置のときは閉塞されると共に、インク供給管13が後述する第2位置のときは開放されて、シール部材104の内周側と第2筒状壁102に設けられた流通溝105との間を連通する。
インク供給管13は、連通口13aと一端で接続しインク供給管内を中心軸線方向に延びる内部流路13bと、その内部流路13bの連通口13aと異なる端部に設けられ、内部流路13bとインク供給管13の外部とを連通させる連通孔13cと、その連通口13aと連通孔13cとの間に設けられた鍔部13dとを備えている。またインク供給管13のインク供給チューブ4側の端部には、弁部13eと脚部13gとが一体に設けられている。
連通孔13cは、インク供給管13の外周面に設けられており、内部流路13bを通じてインクカートリッジ1から供給されたインクをインク供給管13の外部へ導出する。シール部材104は、インク供給管13の連通孔13cを含む外周面を囲むように設けられている。具体的には、シール部材104の延出部104aが連通口13aと連通孔13cとの間においてインク供給管13を支持している。
鍔部13dは、インク供給管13の外周面から、第1筒状壁101内の中心軸線方向に対し直角方向に延出させられるとともに、そのインク供給チューブ4側の端面がシール部材104の延出部104aに密接させられている。
弁部13eは、少なくともその最大径がシール部材104の開口部104cよりも大きく、インク供給管13側が小径となるテーパ面13fを有しており、インク供給管13が第1筒状壁101内を移動するのに伴って、そのインク供給管13と一体に第2筒状壁102内を摺動する。そのテーパ面13fが開口部14cと当接する部位から鍔部13dのインク供給チューブ14側の端面までの距離は、シール部材104の中心軸線方向の自然状態での長さ(テーパ面13fが当接する開口部14c端面から鍔部13dに当接する延出部104aの端面までの長さ)よりもやや小さく形成され、鍔部13dに延出部104aを当接させてインク供給管103にシール部材104を装着したとき、テーパ面13fがシール部材104の開口部104cに密接するように設定されている。これにより、シール部材104の内周側と流通溝105との間の流路を密閉性高く閉塞する。
脚部13gは、弁部13eから第3筒状壁103内に突出して設けられた、複数の板状部材からなり、互いに接近する方向に撓む弾性を有する。脚部13gの先端に外方へ突出しかつ先端に向け小径となる係止部13hを有している。
インク供給管103及びシール部材104の組を第1筒状壁101内に開口側から挿入し、脚部13gの弾性に抗して係止部13hを、第3筒状壁103内に張り出した規制板107を乗り越えさせると、係止部13hが規制板107のインク供給チューブ14側の面に係止し、インク供給管103及びシール部材104が連結部100内に抜け止め状態に組み付けることができる。同時に、シール部材104の張出部104bが第1筒状壁101と第2筒状壁102との境の段部101aに当接するが、テーパ面13fが開口部14cを閉塞した状態は維持する。
なお、テーパ面13fを開口部14cに密接させるシール部材104の付勢力と、インクカートリッジ内の弁部材51を弁座部52に密接させる付勢部53の付勢力との関係は、前者が後者よりも小さく設定されている。つまり、後述するようにインクカートリッジ1を装着部3に装着するとき、さきにテーパ面13fが開口部14cから離れ、その後インク供給管13が弁部材51を弁座部52から離すように、シール部材104と付勢部53の付勢力が設定されている。
本実施例のインクジェット記録装置2によれば、インクカートリッジ1が非装着状態のときには、インク供給管13がシール部材104の付勢力により、インクカートリッジ1側へ突出した位置(第1位置)にある。この位置では、インク供給管13に一体に設けられた弁部13eがシール部材104の付勢力により開口部104cに密接し、その開口部104cを閉塞している。つまり、インク供給管13の連通孔13cは第2筒状壁102内の流路と連通せず、第2筒状壁102内からインク供給チューブ4側のインクは外部に対してシールされている。このため、第2筒状壁102内からインク供給チューブ4側のインクは、乾燥し増粘することが抑制される。また、記録ヘッド7のノズル内に形成されたインクのメニスカスが外因等により破壊されると、記録ヘッド7とインク供給管13との水頭差により記録ヘッド7側のインクがインク供給管13へ逆流し、インク供給管13からインクが漏れることになるが、上記弁部13eが開口部104cを閉塞していることで、これを防止することができる。
また、インクカートリッジ1内では、弁部材51が、付勢部53の付勢力により弁座部52に密接され、貯留室20内のインクが外部に対してシールされている。
インクカートリッジ1を装着部3に装着すると、インクカートリッジ1のインク供給口25にインク供給管13が挿入され、図4で説明したように、インク供給管13の先端が弁部材51に当接する。前述のようにシール部材104の付勢力が付勢部53の付勢力よりも小さいから、弁部材51が弁座部52に密接した状態で、付勢部53の付勢力によりインク供給管13がシール部材104を圧縮しながらインク供給チューブ4側に移動し、弁部13eがシール部材104の開口部104cから離れる。この位置(第2位置)で、図7に示すようにインク供給管13の内部流路13bが、連通孔13c、シール部材104の開口部104c、第2筒状壁102内、連通溝105、弁部13eよりもインク供給チューブ4側の第2筒状壁102内、第3筒状壁103内を介してインク供給チューブ4に連通する。
第2位置で、弁部13eが規制板107に当接すると、インク供給管13の後退移動が規制される。この状態でインクカートリッジ1をさらに装着部3への装着完了方向に移動すると、図4で説明したように、インク供給管13がその先端で弁部材51を付勢部53の付勢力に抗して押し上げ、弁座部52から離す。また同時に、大気導入管14によって、弁手段28が開放される。
したがって、インクカートリッジ1内のインクは、開放された弁手段27、インク供給管13、シール部材104の開放された開口部104c、インク供給チューブ4を経て記録ヘッド7に供給される。
そして、インクカートリッジ1を装着部3から取り外すと、インク供給管13がシール部材104の付勢力により第1位置に復帰し、シール部材104の開口部104cが閉塞され、インクカートリッジ内の弁手段27、28も閉塞される。
上記実施例で、シール部材104の付勢力を付勢部53の付勢力よりも小さく設定したのは、仮にシール部材104の付勢力が付勢部53の付勢力よりも大きいと、弁部13eよりも弁部材51がさきに開放して付勢部53が伸張し、さらにシール部材104の付勢力をうけて付勢部53が伸張することになるので、弁部材51が付勢部53の上端開口63から抜け出て、弁手段27を破壊してしまうことを回避するためである。また、付勢部53に代えて弁部材51と底壁21との間に圧縮バネを挿入した場合でも、バネが過度に圧縮されインク流路を制限し機能を阻害するため、これを回避する。
以上、実施例に基づいて本発明を説明したが、本発明は、上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施例では、インクカートリッジ1がそのインク供給口25内に弁手段27が配設されたものであったが、弁手段27は必ずしも設けられていなくても良い。また、インク供給口25の近傍に設けられた部材(例えば、図2に示す円筒部54)より、インク供給管13の鍔部13dを押圧し、インク供給管13を第1位置から第2位置へ移動させるように構成しても良い。
また、上記実施例では、シール部材104が円筒状に構成されていたが、インク供給管13を連通口13aと連通孔13cとの間において支持し、インク供給管13と第1筒状壁101との間を外部に対してシールするもので有れば良く、例えばインク供給管13の外周面を囲う半球状に構成されていても良い。
本発明の実施例におけるインクカートリッジが装着されるインクジェット記録装置を示した概略図である。 インクカートリッジの断面図である。 本体ケースの上面図である。 弁部材が弁座部から離れて移動した状態を示した断面図である。 (a)は接続部の側面図であり、(b)は接続部の上面図である。 (a)は図5のVIa−VIa線における接続部の縦断面図であり、(b)は図5(a)のVIb−VIb線における接続部の横断面図であり、(c)は図5(b)のVIc−VIc線における接続部の縦断面図である。 第2位置にあるインク供給管を示す図である。
1 インクカートリッジ
2 インクジェット記録装置(インクジェット式記録装置)
3 装着部
4 インク供給チューブ(インク供給路の一部)
7 記録ヘッド(インクジェット式記録ヘッド)
13 インク供給管
13a 連通口(インクカートリッジと接続する一端の開口部)
13b 内部流路
13c 連通孔(インク供給路と接続する他端の開口部)
13d 鍔部
13e 弁部
13f テーパ面
13h 係止部
25 インク供給口(連通口)
51 弁部材
52 弁座部
54 円筒部(凸部)
101 第1筒状壁(筒状壁)
101a 段部
104 シール部材
104a 延出部
104b 張出部
104c 開口部
105 流通溝(インク供給路の一部)

Claims (9)

  1. インクカートリッジが装着される装着部と、前記インクカートリッジからインクの供給を受けるインク供給路と、そのインク供給路と連通し、ノズルよりインクを吐出するインクジェット式記録ヘッドとを有するインクジェット式記録装置において、
    前記装着部の一側に形成されるとともに前記インク供給路に連通する筒状壁と、
    その筒状壁内においてその中心軸線方向と平行に移動可能に設けられ、インクカートリッジが非装着状態のときに第1位置に位置しているとともに、インクカートリッジが装着されることにより、前記第1位置よりもインク供給路側の第2位置に移動して、インクカートリッジからのインクを前記インク供給路に供給可能な内部流路を有し、その内部流路の前記インクカートリッジと接続する一端と、前記インク供給路と接続する他端とにそれぞれ開口部を有する中空状のインク供給管と、
    前記インク供給管を、その両端の開口部の間において支持し、前記インク供給管と前記筒状壁との間を外部に対してシールするシール部材と、
    前記インク供給管の他端開口部よりも前記インク供給路側にあって前記インク供給管と一体に移動可能に設けられ、前記シール部材と密接及び離隔可能な弁部とを有し、
    前記インク供給管が前記第1位置にあるときには、前記シール部材に密接して前記他端開口部と前記インク供給路との間の連通を遮断し、前記インク供給管が前記第2位置にあるときには、前記シール部材から離隔して前記他端開口部と前記インク供給路との間を連通し、
    前記シール部材は、前記インク供給管が前記第2位置にあるときには、そのインク供給管を前記第1位置側へ付勢するように前記インク供給管を支持し、記インク供給管が前記第1位置にあるとき、前記インク供給管の他端開口部を含む外周面を囲む円筒状の弾性部材から構成され、その円筒状弾性部材の前記インクカートリッジ側の端部は前記インク供給管の外周に密接され、前記インク供給路側の端部外周は、前記筒状壁の内面に密接され且つ同側の端部内周は前記インク供給管の他端開口部を前記インク供給路に連通させる開口部を有し、前記インク供給管が前記第1位置にあるとき、前記円筒状弾性部材の前記インク供給路側の開口部を前記弁部によって閉塞し、前記インク供給管が前記第2位置にあるとき、その開口部から前記弁部を離隔するものであることを特徴とするインクジェット式記録装置。
  2. 前記インク供給管は、前記中心軸線方向に対し直角方向に延びる鍔部を有し、
    前記シール部材のインクカートリッジ側の端部は前記鍔部に密接しており、前記インク供給管が前記第2位置にあるときには、前記インク供給管の鍔部によりそのシール部材のインクカートリッジ側の端部がインク供給路側へ押圧されてそのシール部材が弾性変形させられるものであることを特徴とする請求項記載のインクジェット式記録装置。
  3. 前記シール部材は、前記鍔部に密接するインクカートリッジ側の端部においてそのシール部材の内周側に張り出す延出部を有し、その延出部が前記鍔部及び前記インク供給管の外周面と密接するものであることを特徴とする請求項記載のインクジェット式記録装置。
  4. 前記インクカートリッジは前記インク供給管が挿入されるインク供給口と、そのインク供給口内に設けられた弁座部とを有し、
    前記インク供給管は、そのインク供給口に挿入される際に、その鍔部が、前記弁座部から前記インク供給管が前記インク供給口に挿入される方向と反対の方向へ延びる凸部に押されることにより、前記第1位置から前記第2位置へ移動するものであることを特徴とする請求項2または3に記載のインクジェット式記録装置。
  5. 前記インクカートリッジは前記インク供給管が挿入されるインク供給口と、そのインク供給口内に設けられた弁座部と、その弁座部に対して接離可能に構成される弁部材とを有し、前記インク供給管が前記インク供給口に挿入されるのに伴い、その弁部材が前記インク供給管の先端部に押されて弁座部から所定距離離れ、そのインクカートリッジ内部のインクがその外部へ流出可能なものであって、
    前記インク供給管が前記インク供給口の所定位置まで挿入されてインクカートリッジが装着されるとき、前記インク供給管は、その先端部が前記インクカートリッジのインク供給口内に設けられた弁部材に押されることにより、前記第1位置から前記第2位置へ移動し、また前記弁部材は前記弁座部から離れるものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  6. 前記弁部材が前記弁座部から離れるのに先立って前記インク供給管が前記第2位置となるように、前記シール部材が弾性変形させられる程度の弾性をそのシール部材が有することを特徴とする請求項記載のインクジェット式記録装置。
  7. 前記弁部は前記インク供給管側を小径とするテーパ面を有し、前記インク供給管が前記第1位置のときにそのテーパ面が前記シール部材の前記開口部に密接して前記開口部を閉塞することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  8. 前記シール部材は、前記インク供給路側の端部外周に、前記筒状壁の内面に密接するように張り出した張出部を有し、その張出部と前記インクカートリッジ側の端部との間の円筒状部分の外周面を前記筒状壁の内面との間に隙間をおいて配置したことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
  9. 前記筒状壁の内面は、前記インク供給管及び前記シール部材を挿入可能に中心軸線方向の一方の端部を開口し、かつその開口に向いて前記シール部材の前記インク供給路側の端部が当接する段部を有し、
    前記インク供給管は、前記弁部よりも前記インク供給路側端部に、前記筒状壁に対して前記開口側へ抜け止め可能に係止する係止部を有することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のインクジェット式記録装置。
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