JP4894557B2 - インクカートリッジのインク充填方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクカートリッジ、特に外部及びインク貯留室に連通するインク供給室を有するインクカートリッジインク充填方法とに関する。
インクを噴射して印刷用紙に画像を印刷するインクジェットプリンタ等のインク噴射装置において、インクを貯留するインクカートリッジを用いるものがある。かかるインクカートリッジにおいて、インクの品質が低下するのを防止する等のために、使用前の状態でカートリッジ内のインク貯留室を負圧に保つ場合がある。これにより、インク貯留室内の空気がインクに溶解したり、インクが酸化したりすることが抑制される。特許文献1のインクカートリッジは、スペーサ部材で形成されたカートリッジ内の空間が減圧された状態で包装されている。
特開2000−177142
しかし、インク貯留室が減圧されたインクカートリッジをインクジェットプリンタ等のインク噴射装置に装着して使用する際に、インク貯留室内の負圧がインク噴射装置内に伝播することがある。そして、インクの噴射口に負圧が到達すると、噴射口近傍に形成されたメニスカスが破壊され、その後の印刷処理に支障をきたすおそれがある。
本発明の目的は、インク噴射装置への装着時にインク貯留室内の負圧がインク噴射装置内に伝播しないインクカートリッジインク充填方法を提供することにある。
発明のインク充填方法は、インクを貯留するインク貯留室を有するカートリッジ本体と、前記カートリッジ本体に設けられ、前記インク貯留室内のインクを外部へ供給するインク供給部と、同じく前記カートリッジ本体に設けられ、前記インク貯留室と大気とを連通させる少なくとも1つの大気連通部と、を備え、さらに、前記インク供給部が、前記インク貯留室に連通するとともに、インク供給口を介して外部に連通するインク供給室と、前記インク供給口を封止可能な封止手段と、前記インク供給室から前記インク貯留室へのインクの逆流を防止するように、両者の連通部を閉止可能に構成された逆止弁とを有する、インクカートリッジのインク充填方法である。そして、前記大気連通部から前記インク貯留室内の空気を排出し、前記インク貯留室内の圧力を負圧にする第1減圧工程と、前記第1減圧工程後、前記大気連通部から、前記インク貯留室内、及び、これに連通する前記インク供給室内にインクを注入する注入工程と、前記注入工程後に、前記インク供給室内の圧力を高くすることにより、その圧力を負圧状態の前記インク貯留室内の圧力よりも高くして、その差圧によって前記逆止弁に前記連通部を閉止させる、供給室昇圧工程と、を備えている。
本発明のインクカートリッジのインク充填方法によると、インク供給口が封止された使用前状態において、インク貯留室内の圧力が負圧である一方で、インク供給室内の圧力がインク貯留室内の圧力よりも高くなっており、逆止弁によりインク供給室とインク貯留室とが遮断されたインクカートリッジが実現する。かかるインクカートリッジがインク噴射装置へ装着されたときに、インク貯留室内の負圧が、インク供給室からインク噴射口へ伝播することがなく、メニスカスの破壊が防止される。なお、本発明における大気連通部は、インク貯留室とカートリッジ本体の外の大気を連通させるものを意味している。また、本発明において、前記供給室昇圧工程は、前記インク供給口から前記インク供給室内へとインクを注入する工程を有していることが好ましい。
また、本発明の前記供給室昇圧工程において、前記インク供給室内の圧力を、前記インク貯留室よりも高くしつつも、大気圧よりも低い圧力に抑えることが好ましい。この工程によると、逆支弁が連通部を閉止してインク貯留室内の負圧がインク噴射口へと伝播することがないと共に、インク供給口からインクが漏れにくいインクカートリッジが実現する。
また、本発明においては、前記注入工程後に、再び前記大気連通部から前記インク貯留室内の空気を排出し、前記インク貯留室内の圧力を低下させる第2減圧工程をさらに備えていることが好ましい。この工程によると、インク注入によって圧力が上昇したインク貯留室内を、第2減圧工程で再び減圧することにより、インク貯留室内の圧力を大気圧よりも十分に低い圧力とすることができる。それに加えて、逆止弁で閉止させるために必要なインク供給室との間の差圧を容易に確保することができる。また、供給室昇圧工程においてインク供給室の圧力を大気圧よりも低い圧力にした場合には特に、インク供給室とインク貯留室との間に必要な差圧を確保するために重要となる工程である。
また、前記インク供給室内において、前記インク供給口を封止する封止位置と前記インク供給口から離れた開放位置の間で移動可能に配設された弁体と、前記第1減圧工程及び注入工程の両方において前記封止位置に位置するように前記弁体を前記封止位置に向けて付勢する付勢部材とを前記封止手段が有している場合には、本発明の前記供給室昇圧工程は、前記付勢部材が前記弁体を付勢している方向と反対の方向に前記弁体を押圧することによって前記弁体を前記開放位置に移動させる供給口開放工程と、前記供給口開放工程において開放された前記インク供給口を介して、前記インク供給室内の圧力を負圧状態の前記インク貯留室内の圧力よりも高くする開放後昇圧工程とを有していることが好ましい。この工程によると、弁体を開放位置に移動させることにより、インク供給口を介して昇圧工程を実行することができる。
また、本発明において、前記大気連通部は、前記第1減圧工程において前記インク貯留室内の空気を排出するための大気連通路と、前記注入工程において前記インク貯留室内、及びこれに連通する前記インク供給室内にインクを注入するインク注入路を有していることが好ましい。この構成によると、前記第1減圧工程から前記注入工程にスムーズに移行することができ、インク充填作業をより迅速に行うことが可能となる。
本発明の好適な一実施形態について図面を参照しつつ説明する。まず、第1の実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
図1に示すように、本実施形態に係るインクジェット記録システム1は、記録用紙Pに対してインクを噴射して所望の画像等を記録するインクジェットプリンタ2と、このインクジェットプリンタ2の全体動作を制御する制御装置3と、インクジェットプリンタ2で使用される4色(シアン(C)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、及び、ブラック(BK))のインクをそれぞれ貯留する4つのインクカートリッジ4などを備えている。
インクジェットプリンタ2は、インクの液滴を下方へ噴射する複数のノズル5aを有するインクジェットヘッド5と、このインクジェットヘッド5の下方において記録用紙Pを所定の用紙搬送方向(図1の左方)へ搬送する搬送機構6と、4つのインクカートリッジ4がそれぞれ装着される4つのカートリッジ装着部8を有するホルダ7とを備えている。
インクジェットヘッド5は、図1の紙面垂直方向に延びる2本のガイド軸10に沿って往復移動可能なキャリッジ9に装着されている。インクジェットヘッド5の内部には、ノズル5aのそれぞれに連通するインク流路が形成されている(不図示)。また、ホルダ7の4つのカートリッジ装着部8には、4色のインクをそれぞれ貯留するインクカートリッジ4が所定の装着方向(図1の紙面垂直方向)に着脱自在に装着される。カートリッジ装着部8の所定位置には後述のインク抽出管163が設置されており、インクカートリッジ4が装着されると、インク抽出管163がインクカートリッジ4のインク供給口に挿入される(図5参照)。さらに、インクジェットヘッド5とホルダ7の4つのカートリッジ装着部8は、4本のチューブ15を介して互いに接続されている。4つのカートリッジ装着部8に4つのインクカートリッジ4がそれぞれ装着されている状態では、4つのインクカートリッジ4に貯留されている4色のインクがインク抽出管163及びチューブ15を介してインクジェットヘッド5内のインク流路にそれぞれ供給される。
そして、インクジェットプリンタ2は、インクジェットヘッド5をキャリッジ9と一体的に図1の紙面垂直方向に移動させながら、インクジェットヘッド5の複数のノズルから、搬送機構6により図1の左方へ搬送される記録用紙Pに対して4色のインクを噴射して、記録用紙Pに画像等を記録するように構成されている。
また、インクジェットプリンタ2は、インクジェットヘッド5のインク流路内に混入したエアや高粘度化したインクを吸引するパージ機構11をさらに備えている。このパージ機構11は、インクジェットヘッド5の複数のノズルが開口するインク噴射面(図1の下面)に対して接近/離隔する方向に移動可能で、且つ、インクジェットヘッド5にインク噴射面を覆うように装着可能なパージキャップ12と、ノズルからインクを吸引する吸引ポンプ13を備えている。そして、パージ機構11は、パージキャップ12がインク吐出面を覆っている状態で吸引ポンプ13による吸引動作を行うことにより、インク流路内に混入したエアや、あるいは、水分が蒸発して高粘度化したインクを、ノズルから強制的に排出するように構成されている。
次に、インクカートリッジ4について図2〜図6を参照しつつ説明する。尚、4色のインクをそれぞれ貯留する4つのインクカートリッジ4は全て同様の構造を有することから、以下ではそれらのうちの1つについて説明する。
図2に示すように、インクカートリッジ4は、ほぼ6面体(直方体)に構成されている。さらに、その6面のうち最も大きな面積を有する2つの矩形面が対向し、これら2つの矩形面が他の4面によって連結された構造を有する。そして、インクカートリッジ4は、前記2つの矩形面が鉛直面となるような姿勢(図4に示す姿勢)で、矩形面の長手方向に沿ってカートリッジ装着部8に装着される。尚、以下のインクカートリッジ4の説明において、インクカートリッジ4の装着方向である矩形面の長手方向を前後方向、矩形面の短手方向を上下方向と定義する。また、矩形面に直交する方向をインクカートリッジ4の幅方向と定義する。
図2、図3に示すように、インクカートリッジ4は、インクを貯留するカートリッジ本体20と、このカートリッジ本体20のほぼ全体を覆う外部ケース21と、外部ケース21の前端部に取り付けられるプロテクタ22とを備えている。尚、本実施形態においては、カートリッジ本体20、外部ケース21、及び、プロテクタ22は、ナイロン、ポリエチレン、あるいは、ポリプロピレンなどの合成樹脂材料で形成されている。以下、カートリッジ本体20、及び、外部ケース21について順に説明する。
図3に示すように、カートリッジ本体20は、内部にインクを貯留するインク貯留室40を有するインク貯留体30と、このインク貯留体30の前端部の下部に設けられてインク貯留室40内のインクを前方へ導出するインク供給部31と、インク貯留体30の前端部の上部に設けられてインク貯留室40内に大気を前方から導入する大気連通部32とを備えている。また、インク貯留室40内にインクを導入するインク分注部60を備えている(図4参照)。そして、後述するように、大気連通部32とインク分注部60は、それぞれインク貯留室40とカートリッジ本体20の外の大気とを連通させる通路であり、大気連通部32は、本発明における「大気連通部」と「大気連通路」に対応し、インク分注部60は、本発明における「大気連通部」と「インク注入路」に対応する。すなわち、第1実施形態の構成は、本発明の「大気連通部」を2つ有している形態である。
図4に示すように、インク貯留体30は、フレーム部41と、このフレーム部41に連結されたリブ43〜49と、フレーム部41及びリブ43〜49(特に、図4の黒塗りされた部分)に両側(図4の紙面手前側と紙面向こう側)からそれぞれ溶着される2枚のフィルム42とを有する。そして、フレーム部41により区画された空間が2枚のフィルム42により両側から塞がれることによって、その内部にインクを貯留する空間であるインク貯留室40が形成されている。尚、フィルム42は、例えば、超音波溶着によりフレーム部41及びリブ43〜49に溶着される。この構成によれば、インク貯留室40の周囲が全て厚みのある壁部で囲われている場合に比べて、インク貯留体30の厚みを薄くするとともに、フィルム42を用いることによる強度低下をリブ43〜49により補うことが可能になっている。
また、図4に示すように、インク貯留体30の前端部(図4において右端部)には、フィルム42が溶着されるフレーム部41よりもさらに前方(装着方向先端側)へ突出するとともに、透光性を有する被検知部50が設けられている。この被検知部50の内部空間は後方に位置するインク貯留室40とフレーム部41を越えて連通している。
インク貯留室40内にはセンサアーム51が配設されている。センサアーム51は、インク貯留室40の下部において、ほぼ前後方向に沿って延在している。センサアーム51の前端には遮光板52が固定されており、後端にはフロート53が固定されている。フロート53はインク貯留室40内のインクより比重が小さく、インク貯留室40内のインク液面に従動するように構成されている。センサアーム51は、遮光板52とフロート53との間を枢支位置として、アーム支持部55に枢支されている。これによって、フロート53がインク貯留室40内のインク液面に従動すると、遮光板52が被検知部50内を上下に移動するように構成されている。一方で、インクカートリッジ4がカートリッジ装着部8に装着された状態では、被検知部50の下端部は、プリンタ側の図示しない光センサの発光部と受光部との間に位置する。インクジェットプリンタ2は、光センサにおいて遮光板52の通過を検出することにより、インク貯留室40内のインクの量を検出することができる。
次に、インク供給部31及び大気連通部32について説明する。図5に示すように、インク供給部31と大気連通部32は、インク貯留体30の前壁部30a(装着方向先端側の壁部)の、被検知部50を挟む上下両端部から前方へ水平に延びている。そして、大気連通部32においてインク貯留室40へ前方から大気を導入しつつ、インク供給部31においてインク貯留室40内のインクを前方へ導出するように構成されている。尚、図5においてはセンサアーム51の図示を省略している。
インクカートリッジ4が装着姿勢にあるときには、大気連通部32がインク貯留体30の上端側に位置するとともに、インク供給部31がインク貯留体30の下端側に位置している。そのため、大気連通部32によりインク貯留室40の上部空間に大気をスムーズに導入するとともに、インク貯留室40内の下部空間に残留するインクをできるだけ最後まで排出することが可能になる。
図5に示すように、インク供給部31は、インク貯留体30内のインク貯留室40に連通するインク導出路70と、このインク導出路70を開閉する第1開閉機構71とを備えている。インク導出路70は、インク貯留体30の前壁部30aに設けられた隔壁30bによって区画されるとともに、隔壁30bに形成された連通孔72を介してインク貯留室40に連通する供給前室73と、インク貯留体30の前壁部30aに前方開放状に形成されて、第1開閉機構71の大部分が収納される第1収納室74(インク供給室)と、前壁部30aに形成されて供給前室73と第1収納室74とを連通させる連通孔75とを有する。そして、インク導出路70は全体として前方へ向けてほぼ水平に延びており、インク貯留室40内のインクは、供給前室73から連通孔75を介して第1収納室74へ流出するように構成されている。
第1開閉機構71は、供給キャップ76と、供給ジョイント77(ジョイント部)と、供給バルブ78(弁体)と、第1供給スプリング79(付勢部材)と、供給スライダ80と、第2供給スプリング81(付勢部材)と、弁座82と、逆止弁83と、カバー84とを備えている。
供給キャップ76は、インク貯留体30の前端面に第1収納室74を覆うように装着されている。また、供給ジョイント77は、ゴム等の弾性を有する材料で構成され、その中央部に貫通孔77aを有する環状に形成されており、インク導出路70の出口である、第1収納室74の開口を一部を残して塞いでいる。さらに、供給バルブ78は、第1収納室74内において、貫通孔77aの開口(インク供給口)を塞いでインク導出路70を閉止する閉止位置と、供給ジョイント77から離間してインク導出路70を開放する開放位置とにわたって、前後方向に移動可能に配設されている。
第1供給スプリング79と第2供給スプリング81は、同じ材料で形成されており、供給スライダ80を挟んで向かい合うように配置されている。第1供給スプリング79の前端は供給バルブ78に当接し、第2供給スプリング81の後端は弁座82に当接している。供給スライダ80は、供給バルブ78の後方(図中右方)に配置されるとともに、第1収納室74内において前後に移動可能であり、第2供給スプリング81により前方へ付勢されている。つまり、第2供給スプリング81により供給スライダ80が前方へ付勢され、さらに、その付勢力が第1供給スプリング79を介して供給バルブ78に作用しており、その結果、供給バルブ78が、供給ジョイント77の貫通孔77aを塞ぐ閉止位置へ向けて前方へ付勢されている。
逆止弁83は軸部83bと弁本体83aとを有しており、弁座82とカバー84とに支持されている。弁座82は第2供給スプリング81の後端に配置されている。弁座82内には前後方向に沿って貫通孔が形成されており、その貫通孔の内表面に第2供給スプリング81の後端が当接している。カバー84は弁座82の背面を覆うように弁座82に当接しており、インク導出路70の後端に配置されている。カバー84の内表面84cと弁座82との間には逆止弁83の弁本体83aを収容する空間が形成されている。カバー84には連通孔75と連通する貫通孔84a及び84bが形成されている。弁本体83aが収容された上記の空間は貫通孔84a及び連通孔75を介して供給前室73と連通していると共に、弁座82の貫通孔を介して第1収納室74内の空間と連通している。
逆止弁83の軸部83bは貫通孔84bを前方から後方へと貫通している。また弁本体83aは、前方から弁座82に支持されている。逆止弁83は樹脂などの弾性材料からなり、弁本体83aが収容された上記の空間における流体の圧力と供給前室73における流体の圧力との差に応じて弾性変形する。そして、かかる弾性変形により、第1収納室74内の圧力がインク貯留室40内の圧力より所定の大きさ以上に大きい場合には弁本体83aが貫通孔84aの開口を封止し、第1収納室74内の圧力がインク貯留室40内の圧力より所定の大きさ以上に大きくない場合には弁本体83aが貫通孔84aを開放するように構成されている。これによって、インク貯留室40から第1収納室74へはインクが円滑に流出するのに対して、第1収納室74からインク貯留室40へのインクの逆流が防止されている。
上記の構成において、インクカートリッジ4がカートリッジ装着部8に装着されていない未装着状態(使用前の状態)にあるときには、前方へ付勢されている供給バルブ78の前面が供給ジョイント77の後端に当接して、供給バルブ78により供給ジョイント77の貫通孔77aの開口が封止されている。これによって、インク供給部31からインクが漏れ出すのが確実に防止されている。一方、インクカートリッジ4がカートリッジ装着部8に装着されるときには、カートリッジ装着部8に設置されたインク抽出管163が供給ジョイント77の貫通孔77aに前後方向に沿って挿入される。そして、貫通孔77aを塞いでいる供給バルブ78が、インク抽出管163の先端により第2供給スプリング81の付勢力に抗して後方へ押圧される。すると、供給バルブ78が供給ジョイント77から離間して貫通孔77aが開放され、インク貯留室40内のインクがインク導出路70を介してインク抽出管163へ導出される。
図5に示すように、大気連通部32は、インク貯留体30内のインク貯留室40に連通する大気導入路90と、この大気導入路90を開閉する第2開閉機構91とを備えている。大気導入路90は、インク貯留体30の前壁部30aに前方開放状に形成されて、第2開閉機構91の大部分が収納される第2収納室94と、前壁部30aに形成されてインク貯留室40と第2収納室94とを連通させる連通孔95とを有する。そして、大気導入路90は全体として前方へ向けてほぼ水平に延びており、第2収納室94及び連通孔95を介して、大気がインク貯留室40へ流入するように構成されている。
第2開閉機構91は、大気キャップ96と、大気ジョイント97と、大気バルブ98と、第1大気スプリング99と、大気スライダ100と、第2大気スプリング101とを備えている。
大気キャップ96は、インク貯留体30の前端に第2収納室94を覆うように装着されている。また、大気ジョイント97は、ゴム等の弾性を有する材料で構成され、その中央部に貫通孔97aを有する環状に形成されており、大気導入路90の出口である、第2収納室94の開口を一部を残して塞いでいる。さらに、大気バルブ98は第2収納室94内において、大気ジョイント97の貫通孔97aを塞いで大気導入路90を閉止する閉止位置と、大気ジョイント97から離間して大気導入路90を開放する開放位置とにわたって、前後方向に移動可能に配設されている。さらに、大気バルブ98には、その前面から大気ジョイント97の貫通孔97a内において前方へ延び、大気キャップ96及び大気ジョイント97よりもさらに前方へ突出する突出部98aが設けられている。
第1大気スプリング99と第2大気スプリング101は、同じ材料でほぼ同形状に形成されており、大気スライダ100を挟んで向かい合うように配置されている。また、第1大気スプリング99の前端は大気バルブ98に当接し、第2大気スプリング101の後端は第2収納室94の奥端に当接している。さらに、大気スライダ100は、大気バルブ98の後方(図中右方)に配置されるとともに、第2収納室94内において前後に移動可能であり、第2大気スプリング101により前方へ付勢されている。つまり、第2大気スプリング101により大気スライダ100が前方へ付勢され、さらに、その付勢力が第1大気スプリング99を介して大気バルブ98に作用しており、その結果、大気バルブ98が、大気ジョイント97の貫通孔97aを塞ぐ閉止位置へ向けて前方へ付勢されることになる。
上記の構成において、インクカートリッジ4がカートリッジ装着部8に装着されていない未装着状態のときには、前方へ付勢されている大気バルブ98の前面が大気ジョイント97の後端面に当接して、大気バルブ98により大気ジョイント97の貫通孔97aの開口が封止されている。これによって、インク貯留室40内と外部との通気が抑制され、インク貯留室40内のインクの乾燥や変質が抑制される。一方、インクカートリッジ4がカートリッジ装着部8に装着されるときには、大気バルブ98の突出部98aがカートリッジ装着部8に当接することにより、大気バルブ98が第2大気スプリング101の付勢力に抗して後方へ押圧される。すると、大気バルブ98が大気ジョイント97から離間して大気導入路90が開放され、この大気導入路90を介して大気がインク貯留室40内に導入される。
次に、インク分注部60について図6を参照しつつ説明する。図6(a)は、図4のインク分注部60周辺の拡大図である。図6(b)は、図6(a)のB−B線に沿ったインク分注部60の断面図である。
インク分注部60は、インク貯留体30の後端からほぼ前方に向かう方向に沿って形成された分注室61を有している。分注室61は隔壁62によって画定されている。隔壁62は筒状の概略形状を有しており、フレーム部41と一体に形成されている。隔壁62には連通孔62aが形成されている。また、隔壁62には、U字型の形状を有する隔壁63が一体に固定されている。隔壁63は隔壁62の表面から、隔壁62に垂直な方向へとインク貯留室40の内部に向かって延在している。そして、隔壁63の端面63aにはフィルム42が溶着されている。フィルム42、隔壁62及び63によって、分注流路64が画定されている。分注流路64は隔壁63のU字型の先端63bが形成されている位置においてインク貯留室40内の空間へと開口しており、開口64aが形成されている。分注室61内の空間61bは、連通孔62a、分注流路64、及び連通孔62aを介して、インク貯留室40内の空間と連通している。
分注室61にはゴム栓65が、図6(b)の白抜き矢印に沿って挿入されている。ゴム栓65は分注室61とほぼ同じ形状を有しているが、分注室61より若干大きく、圧縮されて挿入されている。インク分注部60を介してインク貯留室40内にインクを導入する際には、例えばインクを流出させる流出口を有した金属管が、その流出口が連通孔62aと連通するようにゴム栓65に刺し通される。そして、流出口から連通孔62aへとインクが流入される。インクの導入が完了してゴム栓65から金属管が引き抜かれた後は、分注室61にゴム栓65が挿入された状態でインクカートリッジ4が使用される。しかし、金属管が引き抜かれてもその刺し痕はゴム栓65の圧縮により塞がれるため、インクが漏れ出ることはない。
次に、外部ケース21について図2及び図3を参照しつつ説明する。外部ケース21は、略直方体形状のブロック体であり、インク貯留体30を幅方向両側からそれぞれ挟み込む2つのケース部材、第1ケース部材23及び第2ケース部材24から構成されている。第1ケース部材23はインク貯留体30の一方の側面を覆う部材であり、第2ケース部材24はインク貯留体30の他方の側面を覆う部材である。尚、これら第1ケース部材23と第2ケース部材24は、それぞれ合成樹脂材料から射出成形等によって成形される。
第1ケース部材23と第2ケース部材24とは略同形状に形成されている。これら第1ケース部材23と第2ケース部材24の前端部には、インク貯留体30を挟み込んだ状態において、インク供給部31の一部を外部に露出させる略円形の貫通孔を構成するケース切欠部110,111と、大気連通部32の一部を外部に露出させる略円形の貫通孔を構成するケース切欠部112,113が形成されている。さらに、第1ケース部材23と第2ケース部材24の前端部には、カートリッジ装着部8に設けられた光センサを、被検知部50を挟み込む位置まで挿入するための貫通孔を構成するケース切欠部114,115とがそれぞれ形成されている。
第1ケース部材23の上下両端部(インクカートリッジ4の短手方向両端部)には、この第1ケース部材23の表面よりも一段低い段差部分120,121が前後方向(インクカートリッジ4の長手方向)に延在するように形成されている。同様に、第2ケース部材24の上下両端部にも、この第2ケース部材24の表面よりも一段低い段差部分122,123が前後方向に延在するように形成されている。これらの段差部分120〜123において、相対向する第1ケース部材23と第2ケース部材24が溶着される。即ち、第1ケース部材23の上側(大気連通部32側:図3左奥側)の段差部分120と、第2ケース部材24の上側の段差部分122とが溶着され、また、第1ケース部材23の下側(インク供給部31側:図3右手前側)の段差部分121と、第2ケース部材24の下側の段差部分123とが溶着される。さらに、段差部分120〜123は、それぞれ、第1ケース部材23、第2ケース部材24の前端面よりもさらに前方に突出する突出部120a〜123aを有する。尚、2つの突出部120a,122aには、後方へ延びる嵌合溝120b,122bがそれぞれ形成されている。
また、第2ケース部材24において、段差部分123の後端部には、段差部分123の表面から第2ケース部材24の表面と面一となる高さまで突出するとともに、下方へ延びる係合部123bが形成されている。また、図には示されていないが、第1ケース部材23の段差部分121にも、係合部123bと同様の係合部121bが形成されている。さらに、第1ケース部材23の上側の段差部分120と第2ケース部材24の上側の段差部分122には、前後方向に関する略中間位置において凹状の係止部120c,122cが形成されている。
次に、プロテクタ22について図2及び図3を参照して説明する。このプロテクタ22は、インク貯留体30のインク供給部31及び大気連通部32が設けられている前端部を覆う部材であり、インクカートリッジ4が出荷される場合に、インク供給部31及び大気連通部32を保護するための部材である。図3に示すように、プロテクタ22には、大気連通部32側(図2左奧側)に対応した箇所にプロテクタ貫通孔22aが形成されている。そのため、インク供給部31を覆うとともに、大気バルブ98の突出部98aをプロテクタ貫通孔22aで逃しながら大気連通部32を覆うことができ、インク供給部31と大気連通部32の両方を確実に保護することができる。尚、インクカートリッジ4は、プロテクタ22が取り外された状態(つまり、インク供給部31及び大気連通部32が露出した状態)で、次述のホルダ7のカートリッジ装着部8に装着される。
以下、インクカートリッジ4にインクを充填する方法について、図7〜図12を参照しつつ説明する。図7は一連の工程を示すフローチャートである。図8〜図12には、各工程におけるカートリッジ本体20が示されている。これらの図においては、図を見やすくするため、各構成を適宜簡略化したり省略したりして示している。特に、第1開閉機構71及び第2開閉機構91の構成を簡略化して図示している。
図8は、インクカートリッジ4にインクを充填する前のカートリッジ本体20を示している。この状態において第1及び第2開閉機構により、貫通孔77a及び97aの開口が封止されている。また、第1収納室74内の圧力とインク貯留室40内の圧力とは同じ大きさであり、逆止弁83は貫通孔84aを封止しておらず、インク貯留室40と第1収納室74とは互いに連通している。
図8の状態から、図9に示されるように、カートリッジ本体20の大気連通部32に吸入管108の一端を挿入する。そして、吸入管108の一端を大気バルブ98に当接させ、第1大気スプリング99及び第2大気スプリング101の付勢力に抗して大気バルブ98を後方へと移動させる。これによって、貫通孔97aを開放させると共に、貫通孔97aを介して吸入管108の一端を第2収納室94内に進入させ、吸入管108の一端近傍に形成された吸入口101aを第2収納室94と連通させる。
吸入管108の他端にはポンプ102が設置されており、吸入管108の一端と他端との間にバルブ103が設置されている。バルブ103を切り替えることによって、吸入管108の一端から他端までを連通させた状態とこれらの間を閉塞させた状態とを切り替えることができる。バルブ103を開放してポンプ102を作動することにより、一点鎖線の矢印で示されるように、大気連通部32を介してインク貯留室40から空気を排出する。これによって、インク貯留室40内の空気を減圧し、P1の大きさの負圧にする(図7のS1;第1減圧工程)。P1は、例えば大気圧より90kPa(キロパスカル)小さい程度である。
次に、図10(a)に示されるように、インク分注部60(のゴム栓65)に注入管104の一端を挿入する。注入管104の一端近傍には連通孔104aが形成されており、連通孔104aが連通孔62aと連通する位置まで注入管104を挿入する。注入管104の一端と他端との間にはバルブ105が設置されている。バルブ105を切り替えることにより、注入管104の一端から他端までを連通させた状態とこれらの間を閉塞させた状態とを切り替えることができる。バルブ105を開放して注入管104の他端からインクを流入させることによって、二点鎖線の矢印で示されるように、連通孔104a及び62aを介してインク分注部60からインク貯留室40内にインクを注入する(S2;注入工程)。そして、図10(b)に示されるようにインクの液面Sが連通孔95より下方の所定の充填位置まで達すると、インクの注入を停止する。なお、これによって、貫通孔84aを介して第1収納室74にもインクが注入される。
ここで、インクを注入する際に、インク貯留室40内の圧力が工程S1の直後と比べて高くなる場合がある。そこで、バルブ103を開放しポンプ102を作動して、図10(b)の一点鎖線の矢印で示されるようにインク貯留室40から空気を排出する。これによって、インク貯留室40内の空気を再び減圧し、P2の大きさの負圧にする(図7のS3;第2減圧工程)。例えばP2は、S1の工程と同様に大気圧より90kPa小さい程度である。なお、第1減圧工程(インク貯留室40からの空気の排出)、注入工程(インク貯留室40内へのインクの注入)、及び第2減圧工程(インク貯留室40からの空気の排出)を同一の連通路(例えば、大気連通部32)から行うことも可能であるが、その場合は、各工程の間に、吸入管108と注入管104を付け外すための手間を要するため、インク充填作業にかかる時間は長くなる。しかし、本実施形態においては、第1減圧工程及び第2減圧工程と注入工程とを異なる連通路で行うため、各工程の間に、吸入管108と注入管104を付け外すための手間がかからず、インク充填作業にかかる時間を短くすることができる。
次に、図11に示されるように、インク供給部31に注入管106の一端を挿入する。そして、注入管106の一端を供給バルブ78に当接させ、第1供給スプリング79及び第2供給スプリング81の付勢力に抗して供給バルブ78を後方へと移動させる。これによって、貫通孔77aを開放する(供給口開放工程)と共に、貫通孔77aを介して注入管106の一端を第1収納室74内に進入させ、注入管106の一端近傍に形成された注入口106aを第1収納室74と連通させる。
注入管106の一端と他端との間にはバルブ107が設置されている。バルブ107を切り替えることによって、注入管106の一端から他端までを連通させた状態とこれらの間を閉塞させた状態とを切り替えることができる。バルブ107を開放して注入管106の他端からインクを流入させることによって、二点鎖線の矢印で示されるように、注入口106aを介して第1収納室74内にインクを注入する。そして、第1収納室74内の圧力を、インク貯留室40内の圧力P2より大きく且つ大気圧より小さいP3にする。ここでP3は、インク貯留室40内と第1収納室74との間の差圧P3−P2によって逆止弁83が貫通孔84aの開口を封止する程度の大きさである。例えば、第1収納室74の圧力がインク貯留室40の圧力より10kPa(キロパスカル)程度大きければ十分に貫通孔84aの開口を封止するように逆止弁83が構成されているとする。このときには、P3はP2より10kPa以上大きく且つ大気圧より小さい値に調整される。これによって、貫通孔84aの開口が封止される(S4;供給室昇圧工程、開放後昇圧工程)。
そして、吸入管108、注入管104及び106が、大気連通部32、インク分注部60及びインク供給部31から引き抜かれる。この状態において、図12に示されているように、インク貯留室40内にインクが充填されていると共に、第1開閉機構71及び第2開閉機構91によって、貫通孔77a及び97aの開口が封止されている。また、上記の通り、ゴム栓65により、インク分注部60も閉止されている。
以下、本実施形態の作用及び効果について説明する。上記のようにインクが充填されたインクカートリッジ4のカートリッジ本体20は、インクジェットプリンタ2に装着される前の未装着状態において図12に示される状態に保持される。そして、インクカートリッジ4がインクジェットプリンタ2に装着されると、インク抽出管163がインク供給部31に挿入されると共に、大気連通部32が開放される。
ここで、インクカートリッジ4の装着時において逆止弁83が貫通孔84aの開口を封止しており、インク貯留室40と第1収納室74とは遮断されている。したがって、インク抽出管163がインク供給部31に挿入された際に、インク貯留室40内の負圧がインク抽出管163を伝播することがない。したがって、本実施形態によると、インク貯留室40内の負圧がインク抽出管163を介してノズル5aまで伝播することでノズル5aのメニスカスが破壊されることが防止される。
そして、大気連通部32が開放されると、インク貯留室40内の圧力が大気圧となり、第1収納室74の圧力がインク貯留室40の圧力以下となるため、逆止弁83が貫通孔84aの開口を開放する。これによって、インク貯留室40内のインクを第1収納室74を介してインクジェットプリンタ2へと導出可能な状態が実現する。
また、未装着状態において第1収納室74内の圧力が、インク貯留室40内の圧力より大きく且つ大気圧より小さいものに保持されている。これによって、装着時にインク貯留室40内の負圧がノズル5aまで伝播するのを防止すると同時に、装着前に第1収納室74からインクが漏れ出るのが抑制される。
また、未装着状態において第1収納室74にインクが充填されているので、空気が充填される場合と比べて装着時にインクジェットプリンタ2のインク流路へと空気が流れることが抑制される。なお、インク流路に空気が流れた場合でもパージ機構11によってインク流路内の空気を除去した後に印刷処理を実行することが可能であるが、上記の構成によるとこのような余計な除去処理を少なくすることができる。
また、本実施形態には第1開閉機構71が設けられているので、インク供給部31が確実に閉止される。そして、後述の第2の実施形態のようにシールテープで封止する場合と異なり、インクジェットプリンタ2に一旦装着してから取り外した後でも、再びインク供給部31が閉止される。
また、本実施形態のインク充填方法においては、インク分注部60からインクを注入した後に、インク貯留室40の減圧を再び実行している。インク分注部60からインクを注入した際にインク貯留室40内の圧力が上昇するおそれがある。インク貯留室40内の圧力が上昇すると、インクの品質劣化を防止するほどの負圧を確保できなくなるおそれがあるばかりか、逆止弁83による封止を保てなくなるおそれがある。しかし、上記のようにインク貯留室40の減圧を再び実行することにより、インク貯留室40内の負圧を確保することができ、インクの品質劣化を抑制すると共に逆止弁83による封止を確保することが可能となる。
[第2の実施形態]
以下、第2の実施形態について図13を参照しつつ説明する。第2の実施形態のインクカートリッジにおいて第1の実施形態との違いはインク供給部にあり、以下においてはインク供給部の周辺についてのみ説明する。また、第2の実施形態において第1の実施形態と同じ構成には同じ符号を付す。
図13(a)は、第2の実施形態のインクカートリッジに設置されたインク供給部131の構成を示す概略図である。第2の実施形態のインクカートリッジは第1の実施形態のインクカートリッジ4においてインク供給部31をインク供給部131に置換したものに相当する。インク供給部131はインク供給部31と異なり、第1開閉機構71を有していない。インク供給部131は、第3収納室174及び逆止弁83を有している。逆止弁83は、第1の実施形態と同様に、第3収納室174とインク貯留室40との差圧によって貫通孔84aの開口を封止することができる。インク充填前において第3収納室174は、前方に向かって開口する開口177a(インク供給口)を介して外部へと開放されている。
第2の実施形態のインクカートリッジにインクを充填する方法について、図13(b)〜図13(e)を参照しつつ説明する。まず、図13(a)に示されるように、開口177aから注入管106が挿入される。そして、バルブ107が閉鎖される。
次に、大気連通部32を介してインク貯留室40が減圧される(第1減圧工程)。そして、インク分注部60を介してインク貯留室40にインクが注入される(注入工程)。図13(c)は、インクが注入された後の様子を示している。さらに、大気連通部32を介してインク貯留室40が減圧される(第2減圧工程)。
次に、バルブ107が開放され、図13(d)の二点差線で示されるように注入管106を介して第3収納室174へとインクが注入される。これによって、第3収納室174の圧力がインク貯留室40の圧力より高くなり、逆止弁83が貫通孔84aの開口を封止する(供給室昇圧工程)。ここで、第3収納室174内の圧力は大気圧まで上昇されてもよいし、大気圧未満の大きさまで上昇されてもよい。
そして、注入管106がインク供給部131から引き抜かれ、その後、開口177aを覆うようにインク供給部131の外表面にシールテープ201が貼り付けられる。シールテープ201により、第3収納室174からインクが漏れ出すのが防止される。なお、注入管106が引き抜かれる際に開口177aを介して第3収納室174内に空気が流入し得るが、この場合には第3収納室174内の圧力が上昇するか大気圧が維持されるかのどちらかであるため、逆止弁83が貫通孔84aの開口を封止した状態は維持される。
以上、第2の実施形態においても、インクカートリッジの装着時において逆止弁83が貫通孔84aの開口を封止しており、インク貯留室40と第3収納室174とは遮断されている。したがって、インク抽出管163がインク供給部131に挿入された際に、インク貯留室40内の負圧がインク抽出管163を伝播することがない。したがって、インク貯留室40内の負圧がインク抽出管163を介してノズル5aまで伝播することでノズル5aのメニスカスが破壊されることが防止される。
また、インク供給部131に開閉機構が設けられていない。しかし、インク貯留室40にインクを導入する前に開口177aに注入管106を挿入することで、インク貯留室40にインクを導入する際に開口177aを通じてインクが漏れだすことが防止される。
<変形例>
以上は、本発明の好適な実施形態についての説明であるが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、課題を解決するための手段に記載された範囲の限りにおいて様々な変更が可能なものである。
例えば、上述の実施形態のインク充填方法においては、第1収納室74又は第3収納室174にインクを注入している。しかし、これらの収納室に空気などの気体を充填してもよい。また、これらの圧力が負圧ではなく、大気圧であってもよいし、大気圧より大きくてもよい。
また、上述の実施形態において、インクカートリッジにはインク分注部60が設けられているが、インク分注部60が設けられていなくてもよい。この場合には、例えば大気連通部32を介してインクが注入されればよい。
また、上述の第1の実施形態のインク充填方法において、吸入管108や注入管104は大気連通部32やインク分注部60に一旦挿入すると、全ての工程が終了するまで挿入したままである。しかし、それぞれを使用し終わった段階ですぐに抜き取ってもよい。この場合でも、第2開閉機構91やゴム栓65により各開口が封止されるので、開口を封止する工程を必要とせず速やかに次の工程を実行することが可能である。あるいは、吸入管108、注入管104及び106がいずれも図1の工程S1の前に挿入され、インク充填が終了するまで挿入されたままでもよい。
また、上述の実施形態のインク充填方法において、インク貯留室40内の減圧を2回実施している。しかし、インク分注部60を介してインクを注入してもインク貯留室40内の圧力がそれほど変化しない場合など、必要がなければ1回実施するだけでもよい。
また、上述の実施形態においてインク分注部60は、ゴム栓65の圧縮によって注入管104の抜き差し後の刺し痕を塞いでいるが、他の構成によって塞いでもよい。例えば、注入管104を分注室61から抜き取った後、分注室61にシール部材を充填することでインク分注部60を塞いでもよい。
また、上述の実施形態においては、移動可能なキャリッジにインクジェットヘッドを装着したインクジェットプリンタが想定されているが、プリンタ筐体に対して固定されたインクジェットヘッドを有するプリンタに本発明が適用されてもよい。
本発明の一実施形態に係るインクジェット記録システムの構成を示す害略図である。 図1のインクジェット記録システムにおいて用いられるインクカートリッジの斜視図である。 図2のインクカートリッジの分解斜視図である。 図3のカートリッジ本体の左側面図である。 図3のカートリッジ本体の右側面から見た部分断面図である。 図6(a)は図4のインク分注部付近の拡大図であり、図6(b)は図6(a)のB−B線に沿った断面図である。 図2のインクカートリッジにインクを充填する方法の一連の工程を示す工程図である。 図7のインク充填方法においてインクを充填する前のカートリッジ本体の概略図である。 図7のインク充填方法においてインク貯留室を減圧する工程を示すカートリッジ本体の概略図である。 図7のインク充填方法においてインク貯留室にインクを注入する工程を示すカートリッジ本体の概略図である。 図7のインク充填方法においてインク供給部にインクを注入する工程を示すカートリッジ本体の概略図である。 図7のインク充填方法において全ての工程が終了した後のカートリッジ本体の概略図である。 本発明の別の実施形態の構成及びインク充填方法を示すインク供給部の概略図である。
1 インクジェット記録システム
2 インクジェットプリンタ
4 インクカートリッジ
5 インクジェットヘッド
5a ノズル
20 カートリッジ本体
30 インク貯留体
31 インク供給部
32 大気連通部
40 インク貯留室
41 フレーム部
60 インク分注部
71 第1開閉機構
74 第1収納室
77a 貫通孔
78 供給バルブ
79 供給スプリング
81 供給スプリング
83 逆止弁
91 第2開閉機構
94 第2収納室
97a 貫通孔
99 第1大気スプリング
101 第2大気スプリング
131 インク供給部
174 第3収納室
177a 開口
201 シールテープ

Claims (6)

  1. インクを貯留するインク貯留室を有するカートリッジ本体と、前記カートリッジ本体に設けられ、前記インク貯留室内のインクを外部へ供給するインク供給部と、同じく前記カートリッジ本体に設けられ、前記インク貯留室と大気とを連通させる少なくとも1つの大気連通部と、を備え、
    さらに、前記インク供給部が、前記インク貯留室に連通するとともに、インク供給口を介して外部に連通するインク供給室と、前記インク供給口を封止可能な封止手段と、前記インク供給室から前記インク貯留室へのインクの逆流を防止するように、両者の連通部を閉止可能に構成された逆止弁とを有する、インクカートリッジのインク充填方法であって、
    前記大気連通部から前記インク貯留室内の空気を排出し、前記インク貯留室内の圧力を負圧にする第1減圧工程と、
    前記第1減圧工程後、前記大気連通部から、前記インク貯留室内、及び、これに連通する前記インク供給室内にインクを注入する注入工程と、
    前記注入工程後に、前記インク供給室内の圧力を高くすることにより、その圧力を負圧状態の前記インク貯留室内の圧力よりも高くして、その差圧によって前記逆止弁に前記連通部を閉止させる、供給室昇圧工程と、
    を備えていることを特徴とするインクカートリッジのインク充填方法。
  2. 前記供給室昇圧工程において、前記インク供給室内の圧力を、前記インク貯留室よりも高くしつつも、大気圧よりも低い圧力に抑えることを特徴とする請求項に記載のインクカートリッジのインク充填方法。
  3. 前記注入工程後に、再び前記大気連通部から前記インク貯留室内の空気を排出し、前記インク貯留室内の圧力を低下させる第2減圧工程をさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクカートリッジのインク充填方法。
  4. 前記封止手段は、前記インク供給室内において、前記インク供給口を封止する封止位置と前記インク供給口から離れた開放位置の間で移動可能に配設された弁体と、前記第1減圧工程及び注入工程の両方において前記封止位置に位置するように前記弁体を前記封止位置に向けて付勢する付勢部材とを有し、
    前記供給室昇圧工程は、
    前記付勢部材が前記弁体を付勢している方向と反対の方向に前記弁体を押圧することによって前記弁体を前記開放位置に移動させる供給口開放工程と、
    前記供給口開放工程において開放された前記インク供給口を介して、前記インク供給室内の圧力を負圧状態の前記インク貯留室内の圧力よりも高くする開放後昇圧工程とを有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクカートリッジのインク充填方法。
  5. 前記大気連通部は、前記第1減圧工程において前記インク貯留室内の空気を排出するための大気連通路と、前記注入工程において前記インク貯留室内、及びこれに連通する前記インク供給室内にインクを注入するインク注入路を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクカートリッジのインク充填方法。
  6. 前記供給室昇圧工程は、前記インク供給口から前記インク供給室内へとインクを注入する工程を有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクカートリッジのインク充填方法。
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