JP3963077B2 - 成形体の加飾方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シェーバー、ドライヤ等の電気機器のハウジングや、食器等の家庭用品等の成形体の表面に任意の文字、模様、図形等を形成して加飾を行う成形体の加飾方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
合成樹脂材料、金属、セラミックス等からなる電気機器や家庭用品等といった成形体には、その表面に取り扱い方法の説明の表示やデザイン性向上等の目的のために、表面に任意の文字、模様、図形等を形成して加飾を行う場合がある。
【0003】
従来、成形体の表面にこのような加飾を行う場合には、例えばラッカー塗装等のような溶剤塗料を用いた塗装を行ったり、熱硬化性樹脂等から構成される塗料の塗膜を高温雰囲気下に配置して加熱することにより成膜して塗装を行ったり、あるいは文字等の加飾が施されたフィルムを成形体に貼着したり、フィルムに形成された加飾を成形体に転写したりするなどの方法が行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、溶剤塗料を用いた塗装では溶剤を用いるため作業環境が悪化し、自然環境にも悪影響が及ぶという問題もあった。
【0005】
また熱硬化性樹脂等からなる塗料を用いる場合には、成形体を高温雰囲気下に配置した場合には塗料の硬化に時間がかかり、ライン化できないという問題があった。
【0006】
更に、フィルムの貼着や転写等の方法では、成形体と別部材であるフィルムが必要となって製造コストが高くなり、またフィルム転写の場合にはフィルムの処理や廃棄が必要となって環境面での悪影響が発生するという問題があった。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ライン化が容易であり、環境の悪化を防ぐことができ、作業効率が良好であり、またフィルム等のような別部材を必要とすることなく、成形体に任意の文字等の加飾を行うことができる、成形体の加飾方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る成形体の加飾方法は、エネルギービームの照射を受けることにより硬化する未硬化状態の樹脂組成物にて成形体1の表面に塗膜2を形成し、塗膜2の任意の箇所にエネルギービームを照射することにより塗膜2のエネルギービームの照射を受けた部分を硬化させて表面加飾層3を形成する成形体の加飾方法において、エネルギービームとして半導体レーザ発振装置から照射されるレーザ光を用いると共に、樹脂組成物として特定のエネルギービームの照射を受けることにより単色又は複数色の発色が生じる発色材が添加されたものを用い、塗膜2の任意の箇所に発色材の発色を生じさせないエネルギービームを照射することにより塗膜2のエネルギービームの照射を受けた部分を硬化させて表面加飾層3を形成した後、表面加飾層3における任意の部分に発色材の発色を生じさせるエネルギービームを照射することによりエネルギービームの照射を受けた部分を発色させることを特徴とするものである。
【0011】
また請求項2の発明は、請求項1において、成形体1表面に表面加飾層3を複数層積層して形成することを特徴とするものである。
【0012】
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、表面加飾層3の外層に、透明な樹脂層を形成して成ることを特徴とするものである。
【0013】
また請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、樹脂組成物として熱硬化性樹脂組成物を用い、熱硬化性樹脂組成物中に発熱促進剤を配合することを特徴とするものである。
【0014】
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、成形体1の表面に凹部4を形成し、凹部4内に表面加飾層3を形成することを特徴とするものである。
【0015】
また請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、樹脂組成物からなる塗膜2の任意の箇所にエネルギービームを照射して硬化させることにより表面加飾層3を形成した後、塗膜2の硬化していない部分を除去することを特徴とするものである。
【0016】
また請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかにおいて、樹脂組成物からなる塗膜2の表面に光透過性部材5を接触させて配置し、光透過性部材5を介して塗膜2にエネルギービームを照射して硬化させることを特徴とするものである。
【0017】
また請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれかにおいて、樹脂組成物としてラジカル重合により硬化するものを用い、真空下又は不活性雰囲気下において塗膜2にエネルギービームを照射して硬化させることを特徴とするものである。
【0018】
また請求項9の発明は、請求項1乃至8のいずれかにおいて、表面加飾層3の厚みを0.1〜100μmの範囲に形成することを特徴とするものである。
【0019】
また請求項10の発明は、請求項1乃至9のいずれかにおいて、粘度が0.1〜1000Pa・sに調整された樹脂組成物を用いて塗膜2を形成することを特徴とするものである。
【0020】
また請求項11の発明は、請求項1乃至10のいずれかにおいて、合成樹脂にて成形された成形体1を用いることを特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
本発明にて成形体1の表面に設けられる表面加飾層3は、未硬化状態の樹脂組成物に対してエネルギービームを照射することにより形成することができる。
【0023】
未硬化状態の樹脂組成物としては、レーザ光のエネルギービームの照射を受けて硬化するものが用いられるものであり、樹脂成分に、必要に応じて充填材、重合開始剤、硬化促進剤等を混合したものを用いることができる。例えば樹脂成分として熱硬化性樹脂を用いると、レーザ光のエネルギービームが照射されることにより加熱されて硬化する熱硬化性樹脂組成物を調製することができるものであり、このように樹脂組成物を熱硬化性樹脂組成物として調製する場合には、熱硬化性樹脂として、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、二液型ウレタン樹脂等を用いることができ、これらの熱硬化性樹脂は一種のみを用いることができるほか、二種以上を併用することもできる。
【0024】
また、この樹脂組成物には色素を含有させて発色させることができる。このような色素としては、二酸化チタン、三酸化アンチモン、酸化鉄、酸化クロム、硫化カドミウム、三硫化アンチモン、カーボンブラック、アゾ化合物、金属塩等のような、適宜の顔料や染料等を用いることができる。
【0025】
ここで、色素としては、一種又は二種以上の色素を混合して用い、樹脂組成物に特定の色彩を付与したものを用いることができる。このような樹脂組成物としては、例えば大日本塗料株式会社製の熱可塑性プラスチック用IMC剤(プラグラス#8000グリーン)を挙げることができる。これはウレタンアクリレート(架橋剤、重合禁止剤含む)68質量%、顔料である無機化合物(コバルト系酸化物)30質量%、顔料分散剤や内部離型剤等の添加剤2質量%からなる主剤と、有機過酸化物(ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート;化薬アクゾ株式会社製のパーカドックス16)50質量%、可塑化用溶剤(ジブチルフタレート)50質量%からなる硬化剤とを用い、この主剤100質量部と硬化剤2質量部とを混合したものである。
【0026】
このような特定の色が付与された樹脂組成物を用いて、成形体1の表面に表面加飾層3を形成して、成形体1の加飾等を行うことができる。成形体1としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の合成樹脂からなるものや、その他、金属、セラミックス等からなるものを用いることができるが、特に合成樹脂にて成形される成形体1を用いると、樹脂組成物から形成される表面加飾層3と成形体1との間に良好な密着性が付与され、表面加飾層3の密着強度を向上することができる。
【0027】
樹脂組成物を用いて成形体1の加飾を行うにあたっては、まず図4(a)に示すように、成形体1の表面の加飾を施したい部分に、上記のような樹脂組成物を塗布して塗膜2を形成する。次いで、図4(b)に示す塗膜2上の平面視四角状の領域や図4(d)に示す平面視円形状の領域のような、塗膜2の任意の箇所に、レーザ光を照射して塗膜2の所望の部分を硬化させ、この硬化させた部分にて表面加飾層3を形成する。
【0028】
このときエネルギービームとしては、樹脂組成物の硬化反応を進行させて樹脂組成物の塗膜2を硬化させることができるものであれば適宜のものを用いることができ、樹脂組成物の種類に応じてレーザ光を用いる。例えば樹脂組成物を熱硬化性樹脂として調製した場合には、レーザ光を照射することにより塗膜2を加熱させて硬化させることができ、また樹脂組成物を紫外線硬化性樹脂として調製した場合には、紫外線を照射することにより塗膜2を硬化させることができる。具体例を挙げると、例えば樹脂組成物として上記に具体的に例示した熱硬化性樹脂組成物を用いる場合には、スペクトラフィジック社製の半導体レーザ発振装置を用い、波長795nm、CW(連続波)発振、出力2.5W、スポット径φ1.5mm、スキャン速度2.5mm/sec、照射時間0.6secの条件でレーザ光の照射を行うことができる。
【0029】
このようにして形成された表面加飾層3は、成形体1の表面に密着して形成され、樹脂組成物に配合されている色素に応じた適宜の色彩が付与される。
【0030】
ここで、塗膜2にエネルギービームを照射するにあたっては、塗膜2の全体に亘ってエネルギービームを照射することにより塗膜2全体を硬化させ、塗膜2全体を表面加飾層3として形成することができ、また図4(b)(d)に示すように塗膜2のうちの所望の箇所のみに部分的にエネルギービームを照射することにより、所望の形状を有する表面加飾層3を形成することもできる。
【0031】
図4(b)や図4(d)に示す場合のように部分的なエネルギービームの照射により四角形状や円形状等の所望の形状の表面加飾層3を形成した場合には、未硬化状態の塗膜2に対してノズルからエアーや水流を噴射するなどして、未硬化状態の塗膜2を除去し、図4(c)や図4(e)に示すように成形体1に表面加飾層3を残存させることができる。
【0032】
また、樹脂組成物を調製するにあたっては、エネルギービームの照射により単色又は複数色の発色が生じる発色材を用い、このような発色材を上記のような樹脂組成物に添加することもできる。
【0033】
発色材としては、例えば特定波長のエネルギービームの照射を受けることにより発色する光反応多色発色体や、酸化、還元反応により発色する化学反応多色発色体や、熱エネルギーの供給を受けて発色する熱反応多色発色体を用いることができる。
【0034】
このような発色材としては、例えば特定波長の光の照射を受けることにより光吸収能が低減したり失われるなどして、色彩形成能が失われるような色素を用い、このような色素を複数種混合することにより調製することができる。具体例を挙げると、例えば二酸化チタン顔料(オランダ国Toifine社製;Toifine R41)5質量部、マゼンダ色顔料(オランダ国Ciba−Geigy社製;Irgalith Rubine 4BP)0.05質量部、シアン色顔料(オランダ国Ciba−Geigy社製;Irgalith blue LGLD)0.05質量部、イエロー顔料(オランダ国Ciba−Geigy社製;Cromophal Yellow 6G)0.05質量部を混合して、発色材を調製することができる。ここに例示する発色材は、特定波長のレーザ光の照射を受けていない状態では黒色又は灰色であるが、波長470nmのレーザ光の照射を受けると青色に発色し、波長575nmのレーザ光の照射を受けると黄色に発色し、波長650nmのレーザ光の照射を受けると橙色に発色する。
【0035】
このような発色材を含む樹脂組成物の具体例としては、上記に挙げた大日本塗料株式会社製の熱可塑性プラスチック用IMC剤(プラグラス#8000グリーン)において、顔料の代わりに上記のような発色材を配合したものを挙げることができる。すなわち、ウレタンアクリレート(架橋剤、重合禁止剤含む)68質量%、上記の発色材30質量%、顔料分散剤や内部離型剤等の添加剤2質量%からなる主剤と、有機過酸化物(ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート;化薬アクゾ株式会社製のパーカドックス16)50質量%、可塑化用溶剤(ジブチルフタレート)50質量%からなる硬化剤とを用い、この主剤100質量部と硬化剤2質量部とを混合したものである。
【0036】
このような発色材が配合された樹脂組成物を用いて成形体1の加飾を行うにあたっては、まず、図1(a)に示すように、成形体1の表面の加飾を施したい部分に、上記のような樹脂組成物を塗布して塗膜2を形成する。次いで、図1(b)に示す塗膜2上の平面視四角状の領域のような、塗膜2の任意の箇所に、エネルギービームを照射して塗膜2の所望の部分を硬化させ、この硬化させた部分にて表面加飾層3を形成する。
【0037】
このときエネルギービームとしては、所望の箇所において樹脂組成物を発色させて所望の色に変色させることができると共に、樹脂組成物の硬化反応を進行させるものであれば、適宜のものを用いることができる。例えば上記に挙げた具体例のようにして、樹脂組成物を熱硬化性樹脂と発色材にて構成する場合には、塗膜2の硬化を行うが変色はさせたくない部分については、発色材の発色が起こらない波長のレーザ光を照射することにより塗膜2を加熱して硬化させ、また、塗膜2の硬化を行うと共に変色させたい部分については、発色材を発色させて塗膜2を変色させると同時に発色材に特定の発色が生じる波長のレーザ光を照射することにより塗膜2を加熱して硬化させるものである。更に具体的な例を挙げると、樹脂組成物として上記に例示したものを用いる場合には、塗膜2を硬化させるが発色材を発色させたくない部分については、スペクトラフィジック社製の半導体レーザ発振装置を用い、波長795nm、CW(連続波)発振、出力2.5W、スポット径φ1.5mm、スキャン速度2.5mm/sec、照射時間0.6secの条件でレーザ光の照射を行うことができる。また、塗膜2を硬化させると共に青色に変色させたい部分については、同様の半導体レーザ発振装置を用い、波長470nm、Qスイッチ周波数(パルス発振周波数)10Hz、出力2.5W、スポット径φ8mm、スキャン速度30mm/sec、パルス長10nsecの条件でレーザ光の照射を行うことができる。また塗膜2を硬化させると共に黄色に変色させたい部分については、同様の半導体レーザ発振装置を用い、波長575nm、Qスイッチ周波数10Hz、出力2.5W、スポット径φ8mm、スキャン速度30mm/sec、パルス長10nsecの条件にてレーザ光の照射を行うことができる。また塗膜2を硬化させると共に橙色に変色させたい部分については、同様の半導体レーザ発振装置を用い、波長650nm、Qスイッチ周波数10Hz、出力2.5W、スポット径φ8mm、スキャン速度30mm/sec、パルス長10nsecの条件にてレーザ光の照射を行うことができる。
【0038】
このようにして形成された表面加飾層3は、成形体1の表面に密着して形成され、更に所望の箇所に所望の色彩が適宜付与される。図1(b)に示す例では、平面視四角状の表面加飾層3における、星形の領域3aに発色材を発色させるレーザ光を照射して表面加飾層3を変色させることにより星形の図形を形成し、それ以外の領域3bには発色材を発色させないレーザ光を照射して表面加飾層3を変色させずに形成している。表面加飾層3を変色させる領域3aにおいては、この領域3aに一種類の波長のレーザ光のみを照射して単一色のみに変色させることもできるが、この領域3aを複数の領域に分割して各分割された領域ごとに異なる波長のレーザ光を照射することにより、変色させる領域3aを部分的に異なる色彩に変色させることもできる。
【0039】
ここで、塗膜2にエネルギービームを照射するにあたっては、塗膜2の全体に亘ってエネルギービームを照射することにより塗膜2全体を硬化させ、塗膜2全体を表面加飾層3として形成することができる。また図1(b)に示す場合のように塗膜2のうちの所望の箇所のみに部分的にエネルギービームを照射することにより、所望の形状を有する表面加飾層3を形成することもできる。
【0040】
図1(b)に示すように部分的なエネルギービームの照射により所望の形状の表面加飾層3を形成した場合には、未硬化状態の塗膜2に対してノズルからエアーや水流を噴射するなどして、未硬化状態の塗膜2を除去し、図1(c)に示すように表面加飾層3を残存させることができる。
【0041】
また、上記のように発色材を含む樹脂組成物を用いて表面加飾層3を形成するにあたっては、上記と同様にして図2(a)に示すように成形体1に塗膜2を形成した後、この樹脂組成物にて形成された塗膜2に対して、図2(b)に示すようにまず表面加飾層3を形成する領域に、発色材の発色を生じさせないエネルギービームを照射して塗膜2を変色させずに硬化させて表面加飾層3を形成し、更に図2(c)に示す星形の領域3aのような、表面加飾層3の所望の領域3aに、発色材の変色を生じさせるエネルギービームを照射して表面加飾層3を変色させることにより、所望の領域3aに所望の色彩を付与させることもできる。
【0042】
例えば上記に挙げた具体例のように、樹脂組成物を熱硬化性樹脂と発色材にて構成する場合には、まず表面加飾層3を形成する領域全体に発色材の発色が起こらない波長のレーザ光を照射することにより塗膜2を加熱して硬化させて、表面加飾層3を形成する。このときは表面加飾層3には変色が生じていない。次いで、表面加飾層3における、変色させたい領域3aに、発色材に特定の発色が生じる波長のレーザ光を照射することにより、表面加飾層3を変色させるものである。更に具体的な例を挙げると、樹脂組成物として上記に例示したものを用いる場合には、まず塗膜2を硬化させて表面加飾層3を形成する領域全体にスペクトラフィジック社製の半導体レーザ発振装置を用い、波長795nm、CW(連続波)発振、出力2.5W、スポット径φ1.5mm、スキャン速度2.5mm/sec、照射時間0.6secの条件でレーザ光の照射を行う。次いで、表面加飾層3のうち青色に変色させたい部分については、同様の半導体レーザ発振装置を用い、波長470nm、Qスイッチ周波数10Hz、出力2.5W、スポット径φ8mm、スキャン速度30mm/sec、パルス長10nsecの条件でレーザ光の照射を行ない、また黄色に変色させたい部分については、同様の半導体レーザ発振装置を用い、波長575nm、Qスイッチ周波数10Hz、出力2.5W、スポット径φ8mm、スキャン速度30mm/sec、パルス長10nsecの条件にてレーザ光の照射を行ない、更に橙色に変色させたい部分については、同様の半導体レーザ発振装置を用い、波長650nm、Qスイッチ周波数10Hz、出力2.5W、スポット径φ8mm、スキャン速度30mm/sec、パルス長10nsecの条件にてレーザ光の照射を行うことができる。
【0043】
上記に示した図1,2に示す例では、表面加飾層3における星形の領域3aに発色材に発色を生じさせる波長のレーザ光を照射してこの領域3aを変色させているが、表面加飾層3には、適宜の文字状や図形状の領域3aに発色材に発色を生じさせる波長のレーザ光を照射してこの領域3aを変色させることにより、所望の文字や図形、模様等を形成することができる。例えば図3(a)(b)に示す例では、成形体1に塗膜2を形成した後、表面加飾層3のうちのM字状の領域3aを発色させると共に他の領域3bを発色させないようにして表面加飾層3を形成し、塗膜2の硬化されていない部分を除去している。また図3(c)(d)に示す例では、成形体1に塗膜2を形成した後、表面加飾層3のうちの平面視矩形状の領域3aを発色させると共に他の領域3bを発色させないようにして表面加飾層3を形成し、塗膜2の硬化されていない部分を除去している。このような種々の文字や図形、模様等を形成する場合でも、表面加飾層3のうちの発色させる領域3aにおいて、この領域3aを複数の領域に分割して各分割された領域ごとに異なる波長のレーザ光を照射することにより、変色させる領域3aを部分的に異なる色彩に変色させることができる。
【0044】
また、上記の図1〜4に示す例では、表面加飾層3を平面視四角状に形成しているが、表面加飾層3の形状も適宜の文字状や図形状に形成することができる。例えば図5に示す例では、成形体1に塗膜2を形成した後、表面加飾層3をM字状に形成し、塗膜2の未硬化部分を除去しているものである。
【0045】
上記のようにして成形体1の表面に表面加飾層3を形成するにあたっては、成形体1の表面に複数層の表面加飾層3を積層して形成することができる。例えば図6に示す例では、まず図6(a)(b)に示すように成形体1の表面に平面視四角状の第一の表面加飾層3を形成した後、図6(c)(d)に示すように第一の表面加飾層3の上面に平面視四角状の第二の表面加飾層3を積層して形成している。このような場合は、各表面加飾層3にて異なる色彩や形状からなる文字、模様、図形等を形成すると共に、これらの模様等を重ね合わせて形成することができ、この各表面加飾層3にて形成された模様等を組み合わせて、複雑で多彩な加飾を行うことができるものである。このように複数層の表面加飾層3を形成する場合には、成形体1の表面に既述のようにして表面加飾層3を硬化成形した後、同様の手法を繰り返して、適宜の数の表面加飾層3を形成するものである。
【0046】
また、上記のようにして成形体1の表面に表面加飾層3を形成する場合には、表面加飾層3の表面側に、表面加飾層3を覆うように透明な樹脂層を形成することもでき、この場合、表面加飾層3を透明な樹脂層にて保護することができて、表面加飾層3の傷付きや剥離を防止し、表面加飾層3にて現出される加飾を長期に亘って維持すると共に、透明な樹脂層を介して表面加飾層3にて現出される加飾を容易に視認することができるものである。
【0047】
透明な樹脂層は、色素を含まない以外は上記と同様の樹脂組成物を用いて形成することができる。透明な樹脂層を形成するにあたっては、成形体1に形成された表面加飾層3の表面側に、樹脂組成物を塗布し、樹脂組成物を硬化させるエネルギービームを照射することができる。具体例を挙げると、透明な樹脂層を形成するための樹脂組成物としては、例えば上記に示した大日本塗料株式会社製の熱可塑性プラスチック用IMC剤(プラグラス#8000グリーン)から色素を除いたもの、すなわち、ウレタンアリレート(架橋剤、重合禁止剤含む)98質量%と、内部離型剤等の添加剤2質量%とからなる主剤と、有機過酸化物(ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート;化薬アクゾ株式会社製のパーカドックス16)50質量%、可塑化用溶剤(ジブチルフタレート)50質量%からなる硬化剤とを用い、この主剤100質量部と硬化剤2質量部とを混合したものを用いることができる。また、このような樹脂組成物にて形成された塗膜2にエネルギービームを照射することにより硬化させて透明な樹脂層を形成するにあたっては、例えばスペクトラフィジック社製の半導体レーザ発振装置を用い、波長795nm、CW(連続波)発振、出力2.5W、スポット径φ1.5mm、スキャン速度2.5mm/sec、照射時間0.6secの条件でレーザ光の照射を行うことができる。
【0048】
また、樹脂組成物として熱硬化性樹脂組成物を用い、樹脂組成物からなる塗膜2にエネルギービームを照射することにより加熱させて硬化させることにより表面加飾層3を形成するためには、樹脂組成物に発熱促進剤を添加することが好ましく、この場合はエネルギービームが照射された場合の樹脂組成物の塗膜2の発熱を促進し、短時間で塗膜2を硬化させて表面加飾層3を形成することができて、作業効率を向上することができるものである。ここで発熱促進剤とはレーザ光等のエネルギービームを吸収して発熱する性質を有する物質を意味する。
【0049】
例えば、樹脂組成物として上記に具体的に例示したようなものを用いる場合には、発熱促進剤として、カーボンブラック等を配合することができる。このようにすると、発熱促進剤を配合せずにレーザ光の照射により塗膜2の硬化を行う場合には上記のようにレーザ光の照射時間を0.6secとすることにより塗膜2の硬化を行うのに対して、例えば樹脂組成物100質量部に対してカーボンブラック0.001質量部配合すると、レーザ光の照射時間を0.3secとしても塗膜2を硬化させて表面加飾層3を形成することができるものである。
【0050】
また、上記のようにして表面加飾層3を形成するにあたっては、予めまず成形体1の表面に表面側に向けて開口する所望の形状の凹部4を形成しておき、この凹部4内に表面加飾層3を形成することもできる。この場合は、樹脂組成物を凹部4内に注入することにより樹脂組成物の塗膜2を凹部4と同一の形状に形成することができ、この塗膜2を硬化することにより、凹部4と同一の形状を有する表面加飾層3を容易に形成することができるものであり、そのため凹部4の形状を所望の表面加飾層3の形状に形成しておくことにより、所望の形状の表面加飾層3を容易に形成することができ、上記の場合のように塗膜2のうちの所望の箇所のみを硬化させて未硬化の部分を除去するような手間が必要なくなるものである。また凹部4内に形成される表面加飾層3は、成形体1の表面から突出しないように形成することができ、摩耗による表面加飾層3の傷付きや剥離を防止することができるものである。
【0051】
例えば図7に示す例では、成形体1として図7(a)(b)に示すように平面視矩形状の凹部4を形成したものを用い、この凹部4内に樹脂組成物を注入して図7(c)(d)に示すように塗膜2を形成し、更にこの塗膜2の全領域を硬化させて、図7(e)(f)に示すように凹部4の平面視形状と同一の形状である平面視矩形状の表面加飾層3を形成している。
【0052】
また図8に示す例では、図8(a)(b)に示すように成形体1に溝状の凹部4を平面視M字状に形成し、この凹部4内に樹脂組成物を注入して塗膜2を形成する。このとき図8(c)(d)に示すように、凹部4を構成する溝の一端部から凹部4内に樹脂組成物を注入し、凹部4内において樹脂組成物を溝の一端側から他端側に流動させることにより、凹部4内の全域に塗膜2を形成することができる。更にこの塗膜2の全領域を硬化させて、図8(e)(f)に示すように凹部4の平面視形状と同一の形状である平面視M字状の表面加飾層3を形成している。
【0053】
また、樹脂組成物の塗膜2に対してエネルギービームを照射して塗膜2を硬化させるにあたっては、塗膜2の表面側に光透過性部材5(透明部材)を接触させて配置し、この光透過性部材5を介して塗膜2にエネルギービームを照射させることが好ましい。この光透過性部材5としては、例えばアクリル樹脂にて成形された透明な樹脂板を用いることができる。
【0054】
図9に示す例では、凹部4が形成されていない成形体1の表面に樹脂組成物の塗膜2を形成し、この塗膜2の表面に光透過性部材5を接触させて配置し、この光透過性部材5を介して塗膜2にレーザ発振装置7からレーザ光6を照射する様子を示している。また、図10に示す例では、凹部4が形成された成形体1の凹部4内に樹脂組成物を注入して、表面が成形体1と面一になる塗膜2を形成し、この塗膜2の表面に光透過性部材5を接触させて配置し、この光透過性部材5を介して塗膜2にレーザ発振装置7からレーザ光6を照射する様子を示している。このようにすると、塗膜2が硬化する過程において塗膜2や塗膜2が硬化して形成される表面加飾層3の表面に光透過性部材5が接触していることから、光透過性部材5にて塗膜2や表面加飾層3の厚みを制御して所望の厚みを有する表面加飾層3を形成することができ、またこのとき表面加飾層3を平滑に形成することができるものである。
【0055】
また、上記において具体的に例示した樹脂組成物は、ラジカル重合により硬化するものであるが、このようなラジカル重合により硬化する樹脂組成物を用いる場合には、樹脂組成物の塗膜2に対してエネルギービームを照射して表面加飾層3を形成するにあたって、塗膜2を真空下又は不活性雰囲気下に配置した状態でエネルギービームの照射を行うことが好ましい。このようにすると、樹脂組成物の塗膜2がラジカル重合により硬化する過程において、ラジカル重合を阻害する酸素等が塗膜2に供給されなくなり、ラジカル重合の反応効率が向上することとなって、より短時間で樹脂組成物の塗膜2を硬化して表面加飾層3を形成することができる。
【0056】
このようにして塗膜2を真空下又は不活性雰囲気下に配置するにあたっては、例えば塗膜2が形成された成形体1を密閉容器8内に配置すると共にこの密閉容器8内を真空又は不活性ガス雰囲気として、この密閉容器8内でエネルギービームの照射を行うようにすることができる。図11は内部が真空又は不活性ガス雰囲気となっている密閉容器8に配置された成形体1の塗膜2にレーザ発振装置7にてレーザ光6を照射して表面加飾層3を形成する様子を示すものである。
【0057】
また図10に示すように、凹部4が形成された成形体1の凹部4内に樹脂組成物を注入して、表面が成形体1と面一になる塗膜2を形成し、この塗膜2の表面に光透過性部材5を接触させて配置し、この光透過性部材5を介して塗膜2にエネルギービームを照射するようにしても良い。この場合、光透過性部材5は凹部4の表面側の開口端縁の全体に亘って配置して、光透過性部材5にて凹部4を塞ぐように配置しておく。このようにすると、光透過性部材5によって凹部4内の塗膜2が外部から遮断されて塗膜2が真空下に配置されることとなり、塗膜2を簡便な構成にて真空下に配置し、塗膜2の硬化を促進することができるものであり、また同時に形成される表面加飾層3の平滑化も行うことができる。
【0058】
また表面加飾層3の厚みは、0.1〜100μmの範囲に形成することが好ましい。このようにすると、塗膜2を硬化させて表面加飾層3を形成するにあたって硬化を促進して短時間で効率よく塗膜2を形成することができ、また表面加飾層3に充分な強度を付与して摩耗を軽減したり成形体1との密着性を向上したりすることができる。また必要以上の厚みの表面加飾層3を形成しないようにして製造コストを削減することもできる。ここで、表面加飾層3の厚みが100μmを越えると塗膜2の硬化に時間がかかり、また形成される表面加飾層3に充分が強度が付与されずに成形体1との密着性が低下するおそれがある。逆に表面加飾層3の厚みが0.1μmに満たないと表面加飾層3を透かして下地である成形体1の表面の色が見えるようになって表面加飾層3による隠蔽性が低下し、表面加飾層3の変色により現出される色彩が成形体1の色と混ざって所望の色彩が得られないおそれがある。
【0059】
また、樹脂組成物にて塗膜2を形成する場合には、塗膜2を形成する直前の樹脂組成物の粘度を0.1〜1000Pa・sの範囲に調整し、この範囲の粘度を有する樹脂組成物を用いて塗膜2を形成することが好ましい。この範囲の粘度を有する樹脂組成物を用いると塗膜2を良好に形成するための充分な流動性を確保できると共に塗膜の膜厚を保つための充分な粘度が確保されるものである。特に、成形体1に凹部4を形成してこの凹部4内に表面加飾層3を形成する場合には、図8に示す場合のように表面加飾層3にて微細な文字や模様等を形成するために凹部4の幅を狭く形成する場合であっても、樹脂組成物を凹部4内に注入した際に樹脂組成物を凹部4内で良好に流動させて、凹部4内に容易に塗膜2を形成することができ、凹部4内において樹脂組成物が行き渡らずに充分な膜厚の表面加飾層3が形成されなくなるような事態が発生することを防ぐことができるものである。
【0060】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって詳述する。
【0061】
(実施例1)
樹脂組成物としては、大日本塗料株式会社製の熱可塑性プラスチック用IMC剤(プラグラス#8000グリーン)を用いた。これはウレタンアクリレート(架橋剤、重合禁止剤含む)68質量%、顔料である無機化合物(コバルト系酸化物)30質量%、顔料分散剤や内部離型剤等の添加剤2質量%からなる主剤と、有機過酸化物(ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート;化薬アクゾ株式会社製のパーカドックス16)50質量%、可塑化用溶剤(ジブチルフタレート)50質量%からなる硬化剤とを用い、この主剤100質量部と硬化剤2質量部とを混合したものであり、その粘度は5Pa・sである。
【0062】
一方、ABS樹脂(ダイセル化学工業株式会社製;セビアンVF−191)にて、90mm×40mm×3.0mmの寸法の平板状の成形体1を成形した。
【0063】
この成形体1の表面に上記の樹脂組成物をディスペンサにて塗布することにより、成形体1の表面に図4(a)に示すように平面視円形状の塗膜2を形成した。
【0064】
この塗膜2中の、30mm×30mmの寸法の領域の全域に、次のaのような条件にてレーザ光の照射を行って塗膜2を硬化させて、図4(b)に示すような表面加飾層3を形成した。
【0065】
a.スペクトラフィジック社製の半導体レーザ発振装置を用い、波長795nm、CW(連続波)発振、出力2.5W、スポット径φ1.5mm、スキャン速度2.5mm/sec、照射時間0.6secの条件でレーザ光の照射を行った。
【0066】
そして、このようにして塗膜2を硬化させた後、成形体1の表面に向けて、ノズルからエアーを噴出することにより未硬化状態の塗膜2を除去し、図4(c)に示すような平面視寸法30mm×30mm、厚み20μmの表面加飾層3を形成した。
【0067】
この表面加飾層3は緑色の色彩が現出した。
【0068】
(実施例2)
二酸化チタン顔料(オランダ国Toifine社製;Toifine R41)5質量部、マゼンダ色顔料(オランダ国Ciba−Geigy社製;Irgalith Rubine 4BP)0.05質量部、シアン色顔料(オランダ国Ciba−Geigy社製;Irgalith blue LGLD)0.05質量部、イエロー顔料(オランダ国Ciba−Geigy社製;Cromophal Yellow 6G)0.05質量部を混合して、発色材を調製した。
【0069】
次いで、架橋剤、重合禁止剤を含むウレタンアクリレート68質量%、上記の発色材30質量%、顔料分散剤や内部離型剤等の添加剤2質量%からなる主剤と、有機過酸化物(ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート;化薬アクゾ株式会社製のパーカドックス16)50質量%、可塑化用溶剤(ジブチルフタレート)50質量%からなる硬化剤とを用い、この主剤100質量部と硬化剤2質量部とを混合して、粘度5Pa・sの樹脂組成物を調整した。
【0070】
この樹脂組成物を、実施例1の場合と同様の成形体1の表面にディスペンサにて塗布することにより、図1(a)に示すように平面視円形状の塗膜2を形成した。
【0071】
この塗膜2中の、30mm×30mmの寸法の領域を更に分割して、各分割された領域につき、次のような条件にてレーザ光の照射を行って塗膜2を硬化させて、図1(b)に示すように表面加飾層3を形成した。
【0072】
ここで、下記b〜dの条件でのレーザ光の照射は、図1(b)に示すように塗膜2中の30mm×30mmの寸法の領域のうちの、星形の領域3a内において行い、残りの領域3bにおいてaの条件でのレーザ光の照射を行った。
【0073】
a.スペクトラフィジック社製の半導体レーザ発振装置を用い、波長795nm、CW(連続波)発振、出力2.5W、スポット径φ1.5mm、スキャン速度2.5mm/sec、照射時間0.6secの条件でレーザ光の照射を行った。
【0074】
b.上記の半導体レーザ発振装置を用い、レーザ光の波長を470nm、Qスイッチ周波数10Hz、出力2.5W、スポット径φ8mm、スキャン速度30mm/sec、パルス長10nsecとして、レーザ光の照射を行った。
【0075】
c.レーザ光の波長を575nmとする以外は上記bと同様にしてレーザ光の照射を行った。
【0076】
d.レーザ光の波長を波長650nmとする以外は上記bと同様にしてレーザ光の照射を行った。
【0077】
そして、このようにして塗膜2を硬化させた後、成形体1の表面に向けて、ノズルからエアーを噴出することにより未硬化状態の塗膜2を除去し、図1(c)に示すような、平面視寸法30mm×30mm、厚み20μmの表面加飾層3を形成した。
【0078】
この表面加飾層3は、aの条件でレーザ光の照射を行った領域3bは黒色であり、星形の領域3aのうちbの条件でレーザ光の照射を行った部分は青色の色彩が現出し、cの条件でレーザ光の照射を行った部分は黄色の色彩が現出し、dの条件でレーザ光の照射を行った部分は橙色の色彩が現出した。
【0079】
(実施例3)
樹脂組成物及び成形体1としては、実施例1と同様のものを用いた。
【0080】
この成形体1の表面に上記の樹脂組成物を用いて、図2(a)に示すように平面視円形状の塗膜2を形成した。
【0081】
この塗膜2中の、30mm×30mmの寸法の領域の全域に、次のような条件にてレーザ光の照射を行って塗膜2を硬化させて、図2(b)に示すような表面加飾層3を形成した。
【0082】
a.スペクトラフィジック社製の半導体レーザ発振装置を用い、波長795nm、CW(連続波)発振、出力2.5W、スポット径φ1.5mm、スキャン速度2.5mm/sec、照射時間0.6secの条件でレーザ光の照射を行った。
【0083】
更に、この表面加飾層3のうちの、図2(c)に示すような星形の領域3aにおいて、この領域内を更に分割して、各分割された領域につき、次のような条件にてレーザ光の照射を行った。
【0084】
b.上記の半導体レーザ発振装置を用い、レーザ光の波長を470nm、Qスイッチ周波数10Hz、出力2.5W、スポット径φ8mm、スキャン速度30mm/sec、パルス長10nsecとして、レーザ光の照射を行った。
【0085】
b.レーザ光の波長を575nmとする以外は上記bと同様にしてレーザ光の照射を行った。
【0086】
d.レーザ光の波長を波長650nmとする以外は上記bと同様にしてレーザ光の照射を行った。
【0087】
そして、このようにして塗膜2を硬化させた後、成形体1の表面に向けてノズルからエアーを噴出することにより未硬化状態の塗膜2を除去し、図2(d)に示すような、平面視寸法30mm×30mm、厚み20μmの表面加飾層3を形成した。
【0088】
この表面加飾層3は、aの条件のみでレーザ光の照射を行った領域は黒色であった。また、星形の領域3aのうち、aの条件でレーザ光の照射を行った後、bの条件でレーザ光の照射を行った部分は青色の色彩が現出し、cの条件でレーザ光の照射を行った部分は黄色の色彩が現出し、dの条件でレーザ光の照射を行った部分は橙色の色彩が現出した。
【0089】
(評価)
実施例1〜3において形成された表面加飾層3に対して、JIS K 5400 8.5.2に準拠した碁盤目テープ法により、密着性を評価した。具体的には、カッターナイフを用いて2mm間隔で縦横各11本の碁盤目状の切り込みを入れ、100個の碁盤目のますを形成した。この碁盤目状の部分に粘着テープ(積水化学株式会社製;商品名「セロテープ」)を貼着した後、引き剥がして、残存する碁盤目のますの数にて表面加飾層3と成形体1との間の密着性を評価した。この結果を表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
尚、表1の密着性評価の欄の分母は表面加飾層3に形成された碁盤目のますの数を示し、分子はテープ剥離後に表面加飾層3に残存する碁盤目のますの数を示す。
【0092】
表1に示すように、いずれの実施例においても、100個の碁盤目のますの全てが残存し、表面加飾層3と成形体1との間の良好な密着性が確認された。
【0093】
(実施例4)
まず、図6(a)(b)に示すように、実施例1と同様にして、成形体1の表面に30mm×30mm×20μmの緑色の第一の表面加飾層3を形成し、未硬化の塗膜2を除去した。
【0094】
一方、顔料として酸化鉄を用いた実施例2の場合と同様の組成を有する粘度5Pa・sの樹脂組成物を調製し、この樹脂組成物にて上記の第一の表面加飾層3上面に塗布して平面視円形状の塗膜2を形成した。この塗膜2の全域に対して、次のような条件にてレーザ光の照射を行って塗膜2を硬化させて、図6(c)(d)に示すように円形状の厚み20μmの第二の表面加飾層3を形成した。
【0095】
a.スペクトラフィジック社製の半導体レーザ発振装置を用い、波長795nm、CW(連続波)発振、出力2.5W、スポット径φ1.5mm、スキャン速度2.5mm/sec、照射時間0.6secの条件でレーザ光の照射を行った。
【0096】
この第二の表面加飾層3は赤色の色彩が現出した。
【0097】
(評価)
実施例4では、緑色の色彩を有する第一の表面加飾層3と赤色の色彩を有する第二の表面加飾層3によって、四角状の緑色の図形中に円形状の赤色の図形が配置された模様が形成されることとなり、このような複数の色彩からなる模様を容易に形成することができた。
【0098】
(実施例5)
まず、図6(a)(b)に示すように、実施例1と同様にして、成形体1の表面に30mm×30mm×20μmの緑色の表面加飾層3を形成し、未硬化の塗膜2を除去した。
【0099】
一方、ウレタンアクリレート(架橋剤、重合禁止剤含む)98質量%と、内部離型剤等の添加剤2質量%とからなる主剤と、有機過酸化物(ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート;化薬アクゾ株式会社製のパーカドックス16)50質量%、可塑化用溶剤(ジブチルフタレート)50質量%からなる硬化剤とを用い、この主剤100質量部と硬化剤2質量部とを混合して透明な樹脂層のための樹脂組成物を調製した。
【0100】
この樹脂組成物を上記の表面加飾層3の上面の全面に塗布し、この塗膜2の全域に対して、次のような条件にてレーザ光の照射を行って塗膜2を硬化させて、表面加飾層3の上面の全面に厚み20μmの透明な樹脂層を形成した。
【0101】
a.スペクトラフィジック社製の半導体レーザ発振装置を用い、波長795nm、CW(連続波)発振、出力2.5W、スポット径φ1.5mm、スキャン速度2.5mm/sec、照射時間0.6secの条件でレーザ光の照射を行った。
【0102】
(評価)
実施例1のようにして形成された、透明な樹脂層にて被覆されていない表面加飾層3と、実施例5のようにして形成された、透明な樹脂層にて被覆された表面加飾層3に対して、その上面にガーゼを16枚重ねたものを載せ、このガーゼを介してクロックメータにて9.8N(1kgf)の荷重をかけて、表面加飾層3を複数回こすりつけた。
【0103】
この結果、実施例1のものでは、クロックメータにて約2000回こすり付けた時点で表面加飾層3に剥離が発生したのに対して、実施例5では約5000回こすりつけた時点で剥離が発生したものであり、透明な樹脂層を形成することにより表面加飾層3の強度を向上することができた。
【0104】
(実施例6)
樹脂組成物100質量部に対して発熱促進剤としてカーボンブラックを0.001質量部配合した以外は、実施例1と同様にして、成形体1に表面加飾層3を形成した。
【0105】
(評価)
実施例1,6につき、表面加飾層3形成時のレーザ照射時のスキャン速度を変動させてレーザ光照射時間を変更し、上記と同様の碁盤目テープ法による密着性試験を行なって、表面加飾層3に形成された100個の碁盤目のますが全て残存するようになるまでに必要なレーザ光照射時間を調査した。
【0106】
【表2】
【0107】
この結果から明らかなように、発熱促進剤を用いた実施例6では、レーザ光の照射時間を短縮しても塗膜2を完全に硬化させて表面加飾層3を形成することができた。
【0108】
(実施例7)
成形体1としては、ABS樹脂(ダイセル化学工業株式会社製;セビアンVF−191)にて、90mm×40mm×3.0mmの寸法の平板状に成形したものを用い、この成形体1の上面に、図7(a)(b)に示すように平面視寸法30mm×30mm、深さ1.5mmの凹部4を形成した。
【0109】
また樹脂組成物としては、実施例1と同様のものを用いた。
【0110】
そして、図7(c)(d)に示すように、樹脂組成物を、ディスペンサを用いて成形体1の凹部4内に注入して凹部4内に塗膜2を形成し、この塗膜2に実施例1と同様の条件にてレーザ光を照射して、図7(e)(f)に示すように凹部4内に厚み20μmの表面加飾層3を形成した。
【0111】
(評価)
実施例7では、未硬化の塗膜2を除去することなく、所望の形状を有する表面加飾層3を形成することができた。
【0112】
(実施例8)
塗膜2に対してレーザ光の照射を行う際に、図9に示すように塗膜2の表面に厚み3mmのアクリル製の透明な樹脂板(光透過性部材5)を接触して配置し、この樹脂板を介して塗膜2にレーザ光6の照射を行った。それ以外の条件は実施例1と同様にして、成形体1の表面に表面加飾層3を形成した。
【0113】
(評価)
実施例1及び実施例8にて形成された表面加飾層3につき、その表面を表面粗度計を用いて観測して、表面の凹凸の最大高低差を表面粗度として導出した。その結果を表3に示す。
【0114】
【表3】
【0115】
表3に示すように、透明な樹脂板を塗膜2に接触させた状態で塗膜2を硬化させることにより、表面粗度が低減して、表面加飾層3の平滑性が向上することが確認できた。
【0116】
(実施例9)
成形体1としては、ABS樹脂(ダイセル化学工業株式会社製;セビアンVF−191)にて、90mm×40mm×3.0mmの寸法の平板状に成形したものを用い、この成形体1の上面に、平面視寸法30mm×30mm、深さ20μmの凹部4を形成した。
【0117】
また樹脂組成物としては、実施例1と同様のものを用いた。
【0118】
そして、樹脂組成物をディスペンサを用いて成形体1の凹部4内に注入して凹部4内に厚み20μmの塗膜2を形成して、塗膜2の表面を成形体1と面一にした。そして図10に示すように成形体1の上面にこの凹部4を覆うように厚み3mmのアクリル製の透明な樹脂板(光透過性部材5)を配置すると共に、この樹脂板を塗膜2の表面に接触させて、塗膜2を外部の雰囲気から遮断した。この樹脂板を介して塗膜2にレーザ光6の照射を行った。それ以外の条件は実施例1と同様にして、成形体1の表面に表面加飾層3を形成した。
【0119】
(評価)
実施例1,9につき、表面加飾層3形成時のレーザ照射時のスキャン速度を変動させてレーザ光照射時間を変更し、塗膜2が完全に硬化して充分な強度の表面加飾層3が形成されるのに必要なレーザ光照射時間を調査した。この結果を表4に示す。
【0120】
【表4】
【0121】
この結果から明らかなように、塗膜2を樹脂板によって外部の雰囲気と遮断した実施例9では、レーザ光6の照射時間を短縮しても塗膜2を完全に硬化させて表面加飾層3を形成することができた。
【0122】
(実施例10−1〜10−6)
形成される表面加飾層3の厚みを、0.08μm、0.1μm、1.0μm、10μm、100μm、120μmと変動させるようにした以外は、実施例1と同様にして、成形体1の表面に表面加飾層3を形成した。
【0123】
(評価)
実施例10−1〜10−6における各表面加飾層3につき、実施例1〜3の場合と同様の碁盤目密着性試験を行った。また各表面加飾層3を目視で観察して、成形体1の下地の色が透けて見えるか否かを評価した。その結果を表5に示す。
【0124】
【表5】
【0125】
尚、隠蔽性評価の欄の「○」は表面加飾層3を透かして成形体1の下地の色が見えなかったことを示し、「×」は表面加飾層3を透かして成形体1の下地の色が見えたことを示す。
【0126】
この結果から明らかなように、表面加飾層3の厚みが100μmを越えた時点で急激に表面加飾層3の密着性が低下し、また厚みが0.1μm未満となると隠蔽性が低下するものであり、表面加飾層3は厚み0.1〜100μmの範囲で良好な密着強度と隠蔽性とを有することが確認された。
【0127】
(実施例11−1〜11−6)
実施例1における樹脂組成物の可塑化用溶剤(ジブチルフタレート)の配合量を調整することにより、粘度が0.08Pa・s、0.1Pa・s、10Pa・s、100Pa・s、1000Pa・s、1100Pa・sの各樹脂組成物を調製した。
【0128】
一方、成形体1としては、ABS樹脂(ダイセル化学工業株式会社製;セビアンVF−191)にて、90mm×40mm×3.0mmの寸法の平板状に成形したものを用い、この成形体1の上面に図8(a)(b)に示すように、幅1.0mm、深さ1.5mmの溝状の凹部4を、M字状に形成した。
【0129】
そして、成形体1の凹部4を構成する溝の一端から上記の樹脂組成物を注入して、図8(c)(d)に示すように凹部4内で樹脂組成物を流動させて行き渡らせることにより塗膜2を形成し、実施例1の場合と同様の条件にて塗膜2にレーザ光を照射して塗膜2を硬化させ、図8(e)(f)に示すように表面加飾層3を形成した。
【0130】
(評価)
実施例11−1〜11−6につき、凹部4に樹脂組成物を注入した際の流動性を、凹部4の一端側から凹部4を満たす量の樹脂組成物を注入した場合に樹脂組成物が凹部4の一端側から他端側に向けて行き渡るか否かを、目視にて観察し、樹脂組成物が凹部4の他端側まで行き渡ったものを「○」、樹脂組成物が凹部4に達する前に樹脂組成物が流動しなくなったものを「×」として評価した。
【0131】
また実施例11−1〜11−6にて得られた各表面加飾層3につき、既述と同様の隠蔽性の評価を行った。
【0132】
この結果を表6に示す。
【0133】
【表6】
【0134】
この結果から明らかなように、樹脂組成物の粘度が1000Pa・sを越えると樹脂組成物の流動性が低下して細かい凹部4内に全て行き渡らせることが困難となり、また、粘度が0.1Pa・sに満たないと得られる表面加飾層3に充分な厚みが付与されず、成形体1の下地が表面加飾層3を透かして見えてしまうものであった。それに対して、樹脂組成物の粘度を0.01〜1000Pa・sの範囲に調整することにより、樹脂組成物には良好な流動性が得られ、形成される表面加飾層3は充分な厚みを有することとなって、隠蔽性が良好なものであった。
【0135】
(実施例12−1,12−2)
実施例12−1では成形体1の材質を鋳鉄とし、実施例12−2では成形体1の材質をセラミックス(石原薬品株式会社製の商品名「アコール」、SiO2:46%,MgO:17%,Al2O3:16%,K2O:10%,B2O3:7%,F:4%)とした。それ以外は実施例1と同様にして、成形体1の表面に表面加飾層3を形成した。
【0136】
(評価)
実施例1、12−1、12−2につき、得られた表面加飾層3に対して既述のような碁盤目密着性試験を行った。この結果を表7に示す。
【0137】
【表7】
【0138】
この結果から明らかなように、成形体1を実施例1のように合成樹脂にて成形すると、金属にて成形した実施例12−1やセラミックスにて成形した実施例12−2よりも、表面加飾層3と成形体1との間に良好な密着性を有するものであった。
【0139】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係る成形体の加飾方法は、エネルギービームの照射を受けることにより硬化する未硬化状態の樹脂組成物にて成形体の表面に塗膜を形成し、塗膜の任意の箇所にエネルギービームを照射することにより塗膜のエネルギービームの照射を受けた部分を硬化させて表面加飾層を形成するにあたって、エネルギービームとして半導体レーザ発振装置から照射されるレーザ光を用いると共に、樹脂組成物として、特定のエネルギービームの照射を受けることにより単色又は複数色の発色が生じる発色材が添加されたものを用い、塗膜の任意の箇所に発色材の発色を生じさせないエネルギービームを照射することにより塗膜のエネルギービームの照射を受けた部分を硬化させて表面加飾層を形成した後、表面加飾層における任意の部分に発色材の発色を生じさせるエネルギービームを照射することによりエネルギービームの照射を受けた部分を発色させるため、塗膜を金型や治具等で加熱することなく、エネルギービームの照射によって短時間で硬化させて表面加飾層を形成して、成形体に任意の文字や図形等の加飾を行うことができる。また成形体における加飾が必要な箇所のみに表面加飾層を形成することができると共にフィルム等のような別部材を必要とすることがなく、低コストで加飾を行うことができるものである。また表面加飾層を形成する際には塗膜のみにエネルギービームの照射等の処理を行うため成形体を構成する材料に何ら影響を与えることなく表面加飾層を形成することができて種々の材質の成形体に対して加飾を行うことができるものである。また、成形体の成形と表面加飾層の形成が一連のラインで構成できて表面加飾層が形成された成形体の製造効率が高いものである。また、表面加飾層の形成にあたって溶剤成分の揮発等が起こらないため、環境の悪化を防ぐことができるものである。また、表面加飾層を単色又は複数色に変色させることにより多彩な加飾を施すことができるものである。
【0142】
また請求項2の発明は、請求項1において、成形体表面に表面加飾層を複数層積層して形成するため、積層された各表面加飾層にて異なる色彩からなる文字、模様、図形等を形成すると共に、これらの模様等を重ね合わせて形成することができ、各表面加飾層にて形成された模様等を組み合わせて、複雑で多彩な加飾を行うことができるものである。
【0143】
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、表面加飾層の外層に、透明な樹脂層を形成するため、表面加飾層を透明な樹脂層にて保護することができて、表面加飾層の傷付きや剥離を防止し、表面加飾層にて現出される装飾を長期に亘って維持すると共に、透明な樹脂層を介して表面加飾層にて現出される装飾を容易に視認することができるものである。
【0144】
また請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、樹脂組成物として熱硬化性樹脂組成物を用い、熱硬化性樹脂組成物中に発熱促進剤を配合するため、エネルギービームが照射された場合の樹脂組成物の塗膜の発熱を促進し、短時間で塗膜を硬化させて表面加飾層を形成することができて、作業効率を向上することができるものである。
【0145】
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、成形体の表面に凹部を形成し、凹部内に表面加飾層を形成するため、凹部と同一の形状を有する表面加飾層を容易に形成することができ、凹部の形状を所望の表面加飾層の形状に形成しておくことにより、所望の形状の表面加飾層を容易に形成することができるものである。また凹部内に形成される表面加飾層は、成形体の表面から突出しないように形成することができ、摩耗による表面加飾層の傷付きや剥離を防止することができるものである。
【0146】
また請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、樹脂組成物からなる塗膜の任意の箇所にエネルギービームを照射して硬化させることにより表面加飾層を形成した後、塗膜の硬化していない部分を除去するため、成形体に凹部を形成するような加工を行うことなく、所望の形状を有する表面加飾層を形成することができるものである。
【0147】
また請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかにおいて、樹脂組成物からなる塗膜の表面に光透過性部材を接触させて配置し、光透過性部材を介して塗膜にエネルギービームを照射して硬化させるため、塗膜が硬化する過程において塗膜や塗膜が硬化して形成される表面加飾層の表面に光透過性部材が接触していることとなり、光透過性部材にて塗膜や表面加飾層の厚みを制御して所望の厚みを有する表面加飾層を形成することができ、またこのとき表面加飾層を平滑に形成することができるものである。
【0148】
また請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれかにおいて、樹脂組成物としてラジカル重合により硬化するものを用い、真空下又は不活性雰囲気下において塗膜にエネルギービームを照射して硬化させるため、樹脂組成物の塗膜がラジカル重合により硬化する過程において、ラジカル重合を阻害する酸素等が塗膜に供給されなくなり、ラジカル重合の反応効率が向上することとなって、より短時間で樹脂組成物の塗膜を硬化して表面加飾層を形成することができるものである。
【0149】
また請求項9の発明は、請求項1乃至8のいずれかにおいて、表面加飾層の厚みを0.1〜100μmの範囲に形成するため、塗膜を硬化させて表面加飾層を形成するにあたって硬化を促進して短時間で効率よく塗膜を形成することができ、また表面加飾層に充分な強度を付与して摩耗を軽減したり成形体との密着性を向上したりすることができる。また必要以上の厚みの表面加飾層を形成しないようにして製造コストを削減することもできるものである。
【0150】
また請求項10の発明は、請求項1乃至9のいずれかにおいて、粘度が0.1〜1000Pa・sに調整された樹脂組成物を用いて塗膜を形成するため、塗膜を良好に形成するための充分な樹脂組成物の流動性を確保できると共に塗膜の膜厚を保つための充分な粘度が確保されるものである。また特に、成形体に凹部を形成してこの凹部内に表面加飾層を形成する場合には、凹部の幅を狭く形成する場合であっても、樹脂組成物を凹部内に注入した際に発色組成物を凹部内で良好に流動させて、凹部内に容易に塗膜を形成することができ、凹部内において樹脂組成物が行き渡らずに充分な膜厚の表面加飾層が形成されなくなるような事態が発生することを防ぐことができるものである。
【0151】
また請求項11の発明は、請求項1乃至10のいずれかにおいて、合成樹脂にて成形された成形体を用いるため、樹脂組成物から構成される発色組成物にて形成される表面加飾層と成形体との間に良好な密着性が付与され、表面加飾層の密着強度を向上することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)乃至(c)は本発明の実施の形態の一例を示す平面図である。
【図2】(a)乃至(d)は本発明の実施の形態の他例を示す平面図である。
【図3】(a)(b)は本発明の実施の形態の更に他例を示す平面図であり、(c)(d)は別の実施形態を示す平面図である。
【図4】(a)乃至(c)は本発明の実施の形態の更に他例を示す平面図であり、(d)(e)は別の実施形態を示す平面図である。
【図5】(a)乃至(c)は本発明の実施の形態の更に他例を示す平面図である。
【図6】(a)乃至(d)は本発明の実施の形態の更に他例を示すものであり、(a)(c)は平面図、(b)(d)は(a)(c)のそれぞれの正面図である。
【図7】(a)乃至(f)は本発明の実施の形態の更に他例を示すものであり、(a)(c)(e)は平面図、(b)(d)(f)は(a)(c)(e)のぞれぞれの断面図である。
【図8】(a)乃至(f)は本発明の実施の形態の更に他例を示すものであり、(a)(c)(e)は平面図、(b)(d)(f)は(a)(c)(e)のぞれぞれの断面図である。
【図9】本発明の実施の形態の更に他例を示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態の更に他例を示す断面図である。
【図11】本発明の実施の形態の更に他例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 成形体
2 塗膜
3 表面加飾層
4 凹部
5 光透過性部材
Claims (11)
- エネルギービームの照射を受けることにより硬化する未硬化状態の樹脂組成物にて成形体の表面に塗膜を形成し、塗膜の任意の箇所にエネルギービームを照射することにより塗膜のエネルギービームの照射を受けた部分を硬化させて表面加飾層を形成する成形体の加飾方法において、エネルギービームとして半導体レーザ発振装置から照射されるレーザ光を用いると共に、樹脂組成物として特定のエネルギービームの照射を受けることにより単色又は複数色の発色が生じる発色材が添加されたものを用い、塗膜の任意の箇所に発色材の発色を生じさせないエネルギービームを照射することにより塗膜のエネルギービームの照射を受けた部分を硬化させて表面加飾層を形成した後、表面加飾層における任意の部分に発色材の発色を生じさせるエネルギービームを照射することによりエネルギービームの照射を受けた部分を発色させることを特徴とする成形体の加飾方法。
- 成形体表面に表面加飾層を複数層積層して形成することを特徴とする請求項1に記載の成形体の加飾方法。
- 表面加飾層の外層に、透明な樹脂層を形成して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形体の加飾方法。
- 樹脂組成物として熱硬化性樹脂組成物を用い、熱硬化性樹脂組成物中に発熱促進剤を配合することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の成形体の加飾方法。
- 成形体の表面に凹部を形成し、凹部内に表面加飾層を形成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の成形体の加飾方法。
- 樹脂組成物からなる塗膜の任意の箇所にエネルギービームを照射して硬化させることにより表面加飾層を形成した後、塗膜の硬化していない部分を除去することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の成形体の加飾方法。
- 樹脂組成物からなる塗膜の表面に光透過性部材を接触させて配置し、光透過性部材を介して塗膜にエネルギービームを照射して硬化させることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の成形体の加飾方法。
- 樹脂組成物としてラジカル重合により硬化するものを用い、真空下又は不活性雰囲気下において塗膜にエネルギービームを照射して硬化させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の成形体の加飾方法。
- 表面加飾層の厚みを0.1〜100μmの範囲に形成することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の成形体の加飾方法。
- 粘度が0.1〜1000Pa・sに調整された樹脂組成物を用いて塗膜を形成することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の成形体の加飾方法。
- 合成樹脂にて成形された成形体を用いることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の成形体の加飾方法。
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