JP3747657B2 - 樹脂成形品のレーザマーキング法 - Google Patents

樹脂成形品のレーザマーキング法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂成形品にレーザビームを照射して文字等のマークを形成するレーザマーキング法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
樹脂成形品に文字などのマークを形成するには、例えばマークを印刷したシールを貼るというような簡便な方法もあるが、この場合には手間がかかったり、表面に凹凸がある樹脂成形品の場合には貼ってもすぐに剥がれてしまうなどの欠点がある。
【0003】
一方、別の方法として、樹脂成形品にレーザビームを照射して文字等のマークを形成するレーザマーキング法がある。この方法では、樹脂成形品の表面にレーザビームを照射することによってマークを形成することができるが、この場合にはマーキングは単色になる。
【0004】
そこで、特開昭62−203692号公報に多色でマーキングを行なうことができるようにしたレーザマーキング法が提供されている。このものは図14に示すように、樹脂成形品1の表面に種々の異なる色の塗料を複数層にコーティングすることによって、複数層のコーティング層10a,10b,10c…を設け、このコーティング層10a,10b,10c…にレーザビームLを照射して、所望のパターンで所望のコーティング層10a,10b,10c…まで貫通して除去することによって、貫通孔4の底に露出する色の違いで複数色のマーキングを行なうことができるようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この特開昭62−203692号公報のものでは、コーティング層10a,10b,10c…は樹脂成形品1の表面の全面に設けられており、コーティング層10a,10b,10c…の端部が樹脂成形品1の表面に露出している。従ってコーティング層10a,10b,10c…は端面が露出している端部からめくられて、樹脂成形品1の表面から剥離し易く、マークの脱落や欠損となってマークが認識できなくなるおそれがあった。またコーティング層10a,10b,10c…はこのように樹脂成形品1の表面の全面に設けられているために、マーキングを施す必要のない部分にもコーティング層10a,10b,10c…が存在し、材料の無駄が大きいという問題があった。
【0006】
また、多色のマーキングを行なう場合には、必要とする色数と同じ層数でコーティング層10a,10b,10c…を形成する必要があり、コーティング層10a,10b,10c…を形成する工数が増加するという問題もあった。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、剥離によるマークの脱落や欠損を防ぐことができると共に材料の無駄を少なくすることができる樹脂成形品のレーザマーキング法を提供することを目的とするものであり、加えて少ない工数で多色のマーキングを行なうことができる樹脂成形品のレーザマーキング法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る樹脂成形品のレーザマーキング法は、キャビティ5内に進退移動自在なコア型6を設けた成形金型7を用い、キャビティ5に樹脂8を供給することによって樹脂成形品1を成形すると共にキャビティ5内に前進したコア型6によって樹脂成形品1の表面の一部に凹部2を形成し、成形金型7内において樹脂成形品1の凹部2に着色した樹脂9を供給して凹部2内に成形層3を成形し、この後、成形層3にレーザビームLを照射してマーキングすることを特徴とするものである。
また請求項1の発明は、キャビティ5内に進退移動自在なコア型6を複数設けた成形金型7を用い、複数のコア型6によって樹脂成形品1の表面に複数の凹部2を形成すると共に各凹部2に異なる色に着色された樹脂9を供給して成形層3を成形することを特徴とするものである。
【0009】
また請求項2の発明は、キャビティ5内にコア型6を前進させた状態でキャビティ5に樹脂8を供給することによって、コア型6で凹部2を形成した樹脂成形品1を成形し、次いでコア型6を後退させることによって形成される凹部2の空間に着色した樹脂9を供給して凹部2内に成形層3を成形することを特徴とするものである。
【0010】
また請求項3の発明は、キャビティ5内にコア型6を前進させた状態でキャビティ5に樹脂8を供給することによって、コア型6で凹部2を形成した樹脂成形品1を成形し、次いでコア型6と凹部2の間に着色した樹脂9を注入すると共にこの樹脂9の注入圧力でコア型6を後退させることによって凹部2内に成形層3を成形することを特徴とするものである。
【0012】
また請求項の発明は、成形金型7のキャビティ5に成形された樹脂成形品1を保持させたまま、成形層3にレーザビームLを照射してマーキングすることを特徴とするものである。
【0013】
また請求項の発明は、成形層3に照射エネルギーの異なる複数種のレーザビームLを照射することによって、成形層3の表面の一部を発泡あるいは変色させることによるマーキングと、成形層3の一部を貫通して除去することによるマーキングを行なうことを特徴とするものである。
【0014】
また請求項の発明は、樹脂成形品1の凹部2に異なる色に着色した樹脂9を複数回に分けて注入することによって、色の異なる複数層に成形層3を成形することを特徴とするものである。
【0015】
また請求項の発明は、成形層3に照射エネルギーの異なる複数種のレーザビームLを照射することによって、成形層3の所定の層まで貫通して除去することによるマーキングと、成形層3の所定の層や成形層2の貫通除去で露出される樹脂成形品1の表面の一部を発泡あるいは変色させることによるマーキングを行なうことを特徴とするものである。
【0016】
本発明の請求項に係る樹脂成形品のレーザマーキング法は、成形金型7のキャビティ5に樹脂8を供給して表面の一部に凹部2を形成した樹脂成形品1を成形し、この樹脂成形品1を成形金型7から脱型した後、凹部2に着色した樹脂9を注入して凹部2内に成形層3を成形し、この後、成形層3にレーザビームLを照射してマーキングすることを特徴とするものである。
【0017】
また請求項の発明は、樹脂成形品1の凹部2に異なる色に着色した樹脂8を複数回に分けて注入することによって、色の異なる複数層に成形層3を成形することを特徴とするものである。
【0018】
また請求項10の発明は、成形層3を熱硬化性樹脂の注入及び加熱によって成形することを特徴とするものである。
【0019】
また請求項11の発明は、成形層3を紫外線硬化型樹脂の注入及び紫外線照射によって成形することを特徴とするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
図1は請求項1の発明の実施の形態の一例を説明するための参考例を示すものである。成形金型7は一対の型板12,13によって形成してあり、一方の型板12には型板13に対向する面においてキャビティ5となる凹所が設けてある。この型板12にはキャビティ5に連通する樹脂注入口14が設けてある。また他方の型板13には型板12に対向する面において凹所15を設け、この凹所15内に収容されるようにコア型6が配設してある。型板12,13を型締めした際に、コア型6はキャビティ5の開口の一部に面するように配置されるものである。このコア型6は型板13をスライド自在に貫通するシリンダーロッド16の先端に取り付けてあり、型板13の背方に配設されるシリンダー17を作動させてシリンダーロッド16を進退駆動することによって、コア型6が型板13の表面と面一になるように凹所15に収容される状態と、キャビティ5内に突出する状態との間で、コア型6を進退移動させることができるようにしてある。またコア型6を背面から貫通してコア型6の表面に先端が臨むようにインジェクター18が取り付けてある。このインジェクター18は型板13の背方に配設される樹脂タンク20などに樹脂供給路を介して接続してあり、着色された樹脂9が供給されるようにしてある。
【0022】
上記のように形成される成形装置にあって、先ず図1(a)のように、成形金型7の型板12,13を型締めし、コア型6を後退させてキャビティ5内に突出しないように凹所15内に収容しておく。そして樹脂注入口14に射出成形機などのノズル21から樹脂8を射出注入して図1(b)のようにキャビティ5内に樹脂8を供給する。次にキャビティ5内の樹脂8が硬化乃至固化しないうちに図1(c)のようにコア型6を前進させてキャビティ5内に突出させ、樹脂8によって成形される樹脂成形品1の表面の一部に凹部2を形成する。樹脂8が硬化乃至固化した後にコア型6を後退させると、図1(d)のように凹部2内に空間が形成されるので、インジェクター18から顔料を含有して着色された樹脂9を図1(e)のように凹部2内に注入し、樹脂9を硬化乃至固化させて凹部2内に成形層3を成形する。このように樹脂成形品1を成形すると共に凹部2内に成形層3を成形した後に、成形金型7の型板12,13を開いて脱型することによって、図2(a)のような成形層3を凹部2内に一体に設けた樹脂成形品1を得ることができるものである。
【0023】
図2(a)の樹脂成形品1にあって、樹脂成形品1のマーキングを施す必要のある一部において凹部2が形成されているものであり、凹部2は樹脂成形品1の端部に至らないように形成されるものである。そして凹部2内に成形された成形層3は凹部2の底面の他に凹部2の内側面にも密着しており、密着面積が大きくて剥離し難いものである。特に成形層3の端面は凹部2内にあって露出していないので、端面の露出する端部から剥離されるようなことを防ぐことができるものである。そして、成形層3の表面にレーザビームLを図2(b)のように照射すると共に所定のパターニングで走査させることによって、図2(c)のように成形層3の表面に文字などのマークMを施すことができるものである。例えば、レーザビームLの照射によって成形層3の表面を発泡させたり、変色させたりすることによって、マークMを施すことができるものである。ここで、凹部2に設けた成形層3は上記のように剥離され難いので、成形層3の剥離によってマークMが脱落したり欠損したりすることがなくなり、マークMが認識できなくなるようなことを防ぐことができるものである。またマーキングを施す成形層3は樹脂成形品1の一部の凹部2においてのみ設けられているので、樹脂成形品1の全面に設ける場合のような材料の無駄がなくなるものである。
【0024】
図3は請求項2の発明の実施の形態の一例を説明するための参考例を示すものであり、成形装置として図1に示すものと同じ構造のものを用いることができる。そしてこのものでは、まず図3(a)のように、成形金型7の型板12,13を型締めし、コア型6を前進させてキャビティ5内に突出させておく。この状態で図3(b)のようにノズル21から樹脂注入口14を通して射出注入してキャビティ5内に樹脂8を供給する。樹脂8で形成される樹脂成形品1の表面の一部にはコア型6によって凹部2が形成されている。次にキャビティ5内の樹脂8が硬化乃至固化した後、コア型6を後退させると、図3(c)のように凹部2内に空間が形成されるので、インジェクター18から顔料を含有して着色された樹脂9を図3(d)のように凹部2内に注入し、樹脂9を硬化乃至固化させて凹部2内に成形層3を成形する。このようにコア型6を後退させて凹部2内に空間を形成した後に、凹部2に着色された樹脂9を注入するようにしているので、凹部2への樹脂9の注入を低圧で行なうことができるものである。
【0025】
上記のように樹脂成形品1を成形すると共に凹部2内に成形層3を成形した後に、成形金型7の型板12,13を開いて脱型することによって、既述の図2(a)のような成形層3を凹部2内に一体に設けた樹脂成形品1を得ることができるものである。そして、後は既述の図2(b)(c)と同様にして成形層3の表面にレーザビームLを照射すると共に所定のパターニングで走査させることによって、成形層3の表面に文字などのマークMを施すことができるものである。
【0026】
図4は請求項3の発明の実施の形態の一例を説明するための参考例を示すものであり、成形装置として図1に示すものと同じ構造のものを用いることができる。そしてこのものでは、まず図4(a)のように、成形金型7の型板12,13を型締めし、コア型6を前進させてキャビティ5内に突出させておく。この状態で図4(b)のようにノズル21から樹脂注入口14を通して射出注入してキャビティ5内に樹脂8を供給する。樹脂8で形成される樹脂成形品1の表面の一部にはコア型6によって凹部2が形成されている。次にキャビティ5内の樹脂8が硬化乃至固化する前に、顔料を含有して着色された樹脂9をインジェクター18から注入すると図4(c)のようにこの樹脂9の注入圧力に押されてコア型6が序々に後退し、コア型6が後退した凹部2内に樹脂9が図4(d)のように充填され、凹部2内に成形層3を形成することができる。このように樹脂9の注入圧力でコア型6を後退させながら樹脂9の供給を行なうことによって、樹脂成形品1を形成する樹脂8が硬化乃至固化していない状態でも凹部2の形状がくずれないように成形層3を形成する樹脂9を供給することが可能になるものであり、硬化乃至固化していない樹脂8,9同士の密着性によって、樹脂成形品1に対する成形層3の密着性を強固なものとすることができるものである。
【0027】
そして樹脂8,9を硬化乃至固化させて樹脂成形品1を成形すると共に凹部2内に成形層3を成形した後に、成形金型7の型板12,13を開いて脱型することによって、既述の図2(a)のような成形層3を凹部2内に一体に設けた樹脂成形品1を得ることができるものである。後は既述の図2(b)(c)と同様にして成形層3の表面にレーザビームLを照射すると共に所定のパターニングで走査させることによって、成形層3の表面に文字などのマークMを施すことができるものである。
【0028】
図5は請求項の発明の実施の形態の一例を示すものであり、成形金型7の型板13の型板12に対向する面に複数箇所において凹所15を設け、各凹所15にコア型6が配設してある。各コア型6は型板12のキャビティ5の開口の範囲内に配置されているものである。この各コア型6は図1のものと同様にシリンダーロッド16の先端に取り付けてあり、シリンダー17を作動させてシリンダーロッド16を進退駆動することによって、各コア型6をキャビティ5内に進退移動させることができるようにしてある。また図1のものと同様に各コア型6にインジェクター18が設けてあり、各インジェクター18はコア型6の進退移動に連動して進退移動するようにしてある。この各インジェクター18からはそれぞれ異なる色に顔料で着色された樹脂9が注入されるようにしてある。その他の構成は図1のものと同じである。
【0029】
このように形成される成形装置を用いて図1、図3、図4と同様にして樹脂成形品1を成形することができる。すなわち、例えば図1(a)と同様に各コア型6を後退させておき、この状態で図1(b)と同様にキャビティ5内に樹脂8を供給し、キャビティ5内の樹脂8が硬化乃至固化しないうちに図1(c)と同様にして各コア型6を同時に前進させて複数箇所に凹部2を形成し、樹脂8が硬化乃至固化した後に各コア型6を同時に後退させて図1(d)と同様に各凹部2内に空間を形成させ、各インジェクター18からそれぞれ異なる色に顔料で着色された樹脂9を図1(e)と同様に各凹部2内に注入して、図5(b)に示すように各凹部2内に成形層3を成形する。このように樹脂成形品1を成形すると共に複数の凹部2内に成形層3を成形した後に、成形金型7の型板12,13を開いて脱型することによって、図6(a)のような異なる色の成形層3を複数の凹部2内にそれぞれ一体に設けた樹脂成形品1を得ることができるものである。
【0030】
また例えば図3(a)と同様に、図5(a)に示すように各コア型6を同時に前進させてキャビティ5内に突出させておく。この状態で図3(b)と同様にキャビティ5内に樹脂8を供給し、各コア型6によって複数の凹部2を形成する。次にキャビティ5内の樹脂8が硬化乃至固化した後、各コア型6を同時に後退させて図3(c)と同様に各凹部2内に空間を形成させ、各インジェクター18からそれぞれ異なる色に顔料で着色された樹脂9を図3(d)と同様に各凹部2内に注入して、図5(b)に示すように各凹部2内に成形層3を成形する。このように樹脂成形品1を成形すると共に複数の凹部2内に成形層3を成形した後に、成形金型7の型板12,13を開いて脱型することによって、図6(a)のような異なる色の成形層3を複数の凹部2内にそれぞれ一体に設けた樹脂成形品1を得ることができるものである。
【0031】
また例えば図4(a)と同様に、図5(a)に示すように各コア型6を同時に前進させてキャビティ5内に突出させておく。この状態で図4(b)と同様にキャビティ5内に樹脂8を供給する。樹脂8で形成される樹脂成形品1の表面の一部には各コア型6によって複数の凹部2が形成されている。次にキャビティ5内の樹脂8が硬化乃至固化する前に、異なる色に顔料で着色された樹脂9を各インジェクター18から注入し、図4(c)と同様に各樹脂9の注入圧力で各コア型6を序々に後退させ、各コア型6が後退した各凹部2内にそれぞれ樹脂9を図4(d)と同様に充填して、図5(b)に示すように各凹部2内に成形層3を成形する。このように樹脂成形品1を成形すると共に複数の凹部2内に成形層3を成形した後に、成形金型7の型板12,13を開いて脱型することによって、図6(a)のような異なる色の成形層3を複数の凹部2内にそれぞれ一体に設けた樹脂成形品1を得ることができるものである。
【0032】
上記のようにして、樹脂成形品1の同一面内に複数箇所において異なる色の複数の成形層3を設けることができるものである。そして、各成形層3の表面にレーザビームLを図6(b)のように照射すると共に所定のパターニングで走査させることによって、図6(c)のように各成形層3の表面に文字などのマークMを施すことができるものであり、異なる色の複数の成形層3に複数色でマーキングを施すことができるものである。
【0033】
図7は請求項の発明の実施の形態の一例を説明するための参考例を示すものであり、成形層3を設けた樹脂成形品1の成形は図1、図3、図4、図5と同様にして行なうことができる。そして図1(e)、図3(d)、図4(d)、図5(b)のように成形金型7で成形層3を設けた樹脂成形品1を成形した後、型板12,13を図7(a)のように開くが、樹脂成形品1は型板12のキャビティ5から取り出さずキャビティ5内に保持させたまま、図7(a)のように型板12,13の間に可動ミラー23を挿入して配置し、レーザ発振器24から発振されたレーザビームLを可動ミラー23で反射させて樹脂成形品1の成形層3の表面に照射する。可動ミラー23は所定角度で回動駆動されるものであり、図7(b)のように可動ミラー23を回動させて角度を変位させることによって、成形層3の表面に沿ってレーザビームLを所定のパターニングで走査させ、成形層3の表面に文字などのマークMを施すことができる。このように、樹脂成形品1を成形金型7のキャビティ5内に保持させたままレーザビームLを照射することによって、樹脂成形品1を位置決めする装置を用いる必要なく、成形金型7で樹脂成形品1を位置決めした状態でレーザビームLの照射を行なうことができるものである。また、レーザビームLの照射エネルギーを調整して、照射部分の成形層3の表面を発泡させるようにすると、この発泡部分は成形層3の色よりも白っぽくなり、成形層3の色と白との中間明度色でマークMを形成することができるものであり、また成形層3を形成する樹脂に含有される顔料の選択によって、成形層3の色と異なる色に変色させてマークMを形成することもできるものである。
【0034】
図8は請求項に記載の発明の実施の形態の一例を説明するための参考例を示すものであり、図2(b)、図6(b)、図7(b)のように樹脂成形品1に設けた成形層3にレーザビームLを照射すると共に所定のパターニングで走査させることによって、レーザマーキングを行なうにあたって、照射エネルギーの異なる複数種のレーザビームLを用いるようにしたものである。
【0035】
すなわち、レーザビームLとしてエキシマレーザなどの波長の短い紫外線レーザビームLuを用いると、成形層3の照射部分は光化学的に分解され、マークMが形成されるが、このとき樹脂の成形層3の照射部分には非熱加工によって分解除去が起こり、照射部分の成形層3が削り取られて成形層3を貫通する貫通孔4が形成される。この結果、貫通孔4の底面に樹脂成形品1の表面が露出し、樹脂成形品1の色と成形層3の色違いで、マークM2を形成することができるものである。樹脂成形品1の色と成形層3の色をコントラスト差が大きな組み合わせで選択すれば、大きなコントラストでマークM2を鮮明に形成することができるものである。
【0036】
また、レーザビームLとして炭酸ガスレーザやYAGレーザなどの波長の長い赤外線レーザビームLiを用いると、成形層3の表面は照射部分が局所的に熱せられてマークMが形成されるが、このとき照射部分はいわゆる熱加工により高温となって樹脂の成形層3の表面が発泡し、小さな気泡を含んだ表面状態になる。このように小さな気泡を含むと成形層3の非照射部分の色よりも白っぽくなり、成形層3の他の部分と異なる色になってマークM1を形成することができるものである。例えば成形層3が黒であれば、マークM1はグレー色で、成形層3が赤色であればマークM1は淡赤色で形成されるものであり、つまり成形層3の色と白色の中間明度の色でマークM1を形成することができるものである。また、成形層3を形成する樹脂に含有される顔料の選択によって、赤外線レーザビームLiの照射によって化学変化を誘発させ、成形層3の色と全く異なる色に変色させてマークM1を形成することもできる。このように、赤外線レーザビームLiを照射して成形層3の表面の一部を発泡あるいは変色させることによって、成形層3の色と異なる色でマーキングを行なうことができ、大きなコントラストでマークM1を鮮明に形成することができるものである。
【0037】
さらに、この赤外線レーザビームLiを貫通孔4の底面に露出する樹脂成形品1の表面の一部に照射すると共に所定のパターニングで走査させることによって、樹脂成形品1の表面の一部を発泡させるか変色させてマークM3を形成することもできる。
【0038】
このようにして、一層の成形層3を設けるだけで、成形層3の表面の一部を発泡させるか変色させて形成されるマークM1と、成形層3の貫通孔4を通して樹脂成形品1の表面が露出することによって形成されるマークM2と、貫通孔4の底面において樹脂成形品1の表面の一部を発泡させるか変色させて形成されるマークM3の、最大3種類の色の複数色でマーキングを行なうことができるものである。従って、成形層3を多層に形成せずとも複数色でマーキングが可能になり、成形層3の加工工数を低減することができるものである。
【0039】
図9は請求項の発明の実施の形態の一例を説明するための参考例を示すものであり、成形装置として図1あるいは図5に示すものと同じ構造のものを用いることができる。そしてまず図1(a)(b)、図3(a)(b)、図4(a)(b)と同様にして、図9(a)のように成形金型7のキャビティ5内に樹脂成形品1を形成する樹脂8を供給すると共にコア型6によって凹部2を形成する。次に樹脂8が硬化乃至固化した後、凹部2の深さの数分の1の距離だけコア型6を後退させ、コア型6の後退で凹部2内に形成される空間に図9(b)のようにインジェクター18から顔料で着色された樹脂9aを注入し、凹部2内に着色層3aを成形する。さらに凹部2の深さの数分の1の距離だけコア型6を後退させ、コア型6の後退で凹部2内に形成される空間に同様にインジェクター18から顔料で他の色に着色された樹脂9bを注入し、凹部2内に着色層3bを成形する。この操作を繰り返して凹部2内に異なる色に着色された複数の樹脂9a,9b,9c…を複数回に分けて注入することによって、複数層の着色層3a,3b,3c…を成形し、この着色層3a,3b,3c…によって複数構成の成形層3を形成することができるものである。
【0040】
このとき、図4(b)(c)と同様な工法で複数構成の成形層3を形成することもできる。すなわち、図9(a)のように成形金型7のキャビティ5内に樹脂成形品1を形成する樹脂を供給すると共にコア型6によって凹部2を形成した後、キャビティ5内の樹脂8が硬化乃至固化する前に、顔料で着色された樹脂9aをインジェクター18から注入し、樹脂9aの注入圧力で凹部2の深さの数分の1の距離だけコア型6を後退させ、さらに顔料で他の色に着色された樹脂9bを同様にインジェクター18で注入して樹脂9bの注入圧力で凹部2の深さの数分の1の距離だけコア型6を後退させ、この操作を繰り返して凹部2内に異なる色に着色された複数の樹脂9a,9b,9c…を複数回に分けて注入することによって、複数層の着色層3a,3b,3c…を成形し、この着色層3a,3b,3c…によって複数構成の成形層3を形成することができるものである。
【0041】
上記のように成形を行なった後に、成形金型7の型板12,13を開いて脱型することによって、図10(a)のような、異なる色の複数層の着色層3a,3b,3c…からなる成形層3を凹部2内に一体に設けた樹脂成形品1を得ることができるものである。そして紫外線レーザビームなどのレーザビームLを成形層3の一部に照射すると共に所定のパターニングで走査させるにあたって、レーザビームLの照射条件を変えて図10(b)のように所定の着色層3a,3b,3c…まで到達するように照射することによって、図10(c)のように成形層3の一部を所定の着色層3a,3b,3c…まで貫通して除去する。レーザビームLのエネルギー密度や走査速度、走査回数などの照射条件を変えることによって、所定の着色層3a,3b,3c…まで到達するようにレーザビームLを照射することができるものであり、例えば、同じエネルギー密度、走査速度でレーザビームLを照射する場合、1回の照射では着色層3a,3b,3c…の1層分の厚さより少し薄い深さまで成形層3を除去できるとすると、1回の走査の照射によって最上段の着色層3cを除去する深さまでレーザビームLは達して最上段の着色層3cの一部を除去することができ、同じ場所の2回の走査の照射によって最上段の着色層3c及びその下の着色層3bを除去する深さまでレーザビームLは達して着色層3c,3bの一部を除去することができ、同じ場所の3回の走査の照射によって最上段の着色層3c及びその下の着色層3bとさらにその下の着色層3aを除去する深さまでレーザビームLは達して着色層3a,3b,3cの一部を除去することができる。
【0042】
このように、最上段の着色層3cの一部を除去して着色層3cを貫く貫通孔4を形成することによって、貫通孔4の底面にその下の着色層3bを露出させて着色層3cと着色層3bの色違いによるマークM21を形成することができ、最上段の着色層3cとその下の着色層3bの一部を除去して着色層3c,3bを貫く貫通孔4を形成することによって、貫通孔4の底面にさらにその下の着色層3aを露出させて着色層3cと着色層3aの色違いによるマークM22を形成することができ、最上段の着色層3cとその下の着色層3b及びさらにその下の着色層3aの一部を除去して着色層3c,3b,3aを貫く貫通孔4を形成することによって、貫通孔4の底面に樹脂成形品1を露出させて着色層3cと樹脂成形品1の色違いによるマークM23を形成することができ、成形層3を構成する着色層3a,3b,3cの層数の複数色でマーキングを行なうことができるものである。
【0043】
図11は請求項の発明の実施の形態の一例を説明するための参考例を示すものであり、図10のように異なる色の複数層の着色層3a,3b,3c…からなる成形層3にレーザビームLを照射してマーキングを行なうにあたって、着色層3a,3b,3c…毎に照射エネルギーを変えた複数種のレーザビームLを照射するようにしたものである。すなわち、紫外線レーザビームLを成形層3に照射すると共に所定のパターニングで走査させてマーキングを行なうにあたって、図10(b)と同様に紫外線レーザビームLの照射条件を変えて所定の着色層3a,3b,3c…まで到達するように照射することによって、図10(c)と同様に成形層3の一部を所定の着色層3a,3b,3c…まで貫通して除去し、所定の着色層3a,3b,3c…まで貫く貫通孔4を形成してマーキングを行なうことができる。また、赤外線レーザビームLを成形層3に照射すると共に所定のパターニングで走査させてマーキングを行なうにあたって、最上段の着色層3cの表面に、着色層3cに上記のように形成された貫通孔4を通して着色層3bの表面に、着色層3c,3bを貫いて上記のように形成された貫通孔4を通して着色層3aの表面に、着色層3c,3b,3aを貫いて上記のように形成された貫通孔4を通して樹脂成形品1の表面に、それぞれ赤外線レーザビームLを照射することによって、着色層3a,3b,3c…や樹脂成形品1の表面の一部を発泡させるか変色させてマーキングを行なうことができる。
【0044】
このようにして図11に示すように、最上段の着色層3cの表面に発泡あるいは変色によって形成されるマークM11、最上段の着色層3cを貫く貫通孔4の底面に露出する着色層3bと着色層3cの色違いによって形成されるマークM21、最上段の着色層3cを貫く貫通孔4の底面に露出する着色層3bの表面に発泡あるいは変色によって形成されるマークM12、最上段の着色層3cとその下の着色層3bを貫く貫通孔4の底面に露出する着色層3aと着色層3cの色違いによって形成されるマークM22、最上段の着色層3cとその下の着色層3bを貫く貫通孔4の底面に露出する着色層3aの表面に発泡あるいは変色によって形成されるマークM13、最上段の着色層3cとその下の着色層3b及びさらにその下の着色層3aを貫く貫通孔4の底面に露出する樹脂成形品1と着色層3cの色違いによって形成されるマークM23、最上段の着色層3cとその下の着色層3b及びさらにその下の着色層3aを貫く貫通孔4の底面に露出する樹脂成形品1の表面に発泡あるいは変色によって形成されるマークM14をそれぞれマーキングすることができるものであり、紫外線レーザビームLuの照射による3色と赤外線レーザビームLiの照射による4色の最大7色でマーキングを行なうことができるものである。すなわち成形層3を構成する着色層3a,3b,3c…の層数をnとすると、最大で、n×2+1の色でマーキングを行なうことができるものであり、着色層3a,3b,3c…の層数を少なくしても多色でマーキングを行なうことができるものである。従って、成形層3を形成する着色層3a,3b,3c…の層数を少なくしても多数色でマーキングが可能になり、成形層3の加工工数を低減することができるものである。
【0045】
図12は請求項に記載の発明の実施形態の一例を示すものである。成形金型7は一対の型板12,13によって形成してあり、一方の型板12には型板13に対向する面においてキャビティ5となる凹所が設けてある。この型板12にはキャビティ5に連通する樹脂注入口14が設けてある。また他方の型板13には型板12に対向する面においてコア型6となる突部が突設してある。型板12,13を型締めした際に、コア型6はキャビティ5の開口の一部に面するように配置されるものである。
【0046】
上記のように形成される成形金型7にあって、先ず型板12,13を型締めし、樹脂注入口14に射出成形機などのノズル21から樹脂8を射出注入して図12(a)のようにキャビティ5内に樹脂8を供給して充填し、樹脂成形品1を成形すると共にコア型6によって樹脂成形品1の表面の一部に凹部2を形成する。そして樹脂8が硬化乃至固化した後に成形金型7の型板12,13を開いて脱型することによって、図12(b)のような凹部2を設けた樹脂成形品1を得ることができるものである。次に、この樹脂成形品1の凹部2内に注入ノズル25から顔料を含有して着色された樹脂9を注入し、樹脂9を硬化乃至固化させることによって、図12(c)のような成形層3を凹部2内に一体に設けた樹脂成形品1を得ることができるものである。このように凹部2を形成した樹脂成形品1を成形金型7で成形した後に、凹部2に樹脂9を注入して成形層3を成形するようにすれば、複雑な構造の成形金型7や注入設備を用いる必要がなくなるので、低設備コストで樹脂成形品1や成形層3の成形が可能になるものである。尚、樹脂成形品1の複数箇所にマーキングを施す場合には、その複数箇所に凹部2を形成すると共に凹部2内に成形層3を設けるようにすればよく、凹部2や成形層3の数は制限されるものではない。
【0047】
そしてこの樹脂成形品1の成形層3の表面に図2(b)、図6(b)、図8(a)と同様にレーザビームLを照射すると共に所定のパターンニングで走査させることによって、レーザマーキングを行なうことができるものである。
【0048】
図13は請求項に記載の発明の実施形態の一例を示すものであり、図12(a)と同様に形成される成形金型7を用い、先ず型板12,13を型締めして樹脂注入口14に射出成形機などのノズル21から樹脂8を射出注入し、図13(a)のようにキャビティ5内に樹脂8を供給して充填することによって、樹脂成形品1を成形すると共にコア型6によって樹脂成形品1の表面の一部に凹部2を形成する。そして樹脂8が硬化乃至固化した後に成形金型7の型板12,13を開いて脱型することによって、図13(b)のような凹部2を設けた樹脂成形品1を得ることができる。次に、この樹脂成形品1の凹部2内に注入ノズル25から顔料を含有して着色された樹脂9aを凹部2の深さの数分の1の厚みで注入し、図13(c)のように凹部2内に着色層3aを成形する。さらにこの上から凹部2の深さの数分の1の厚みで注入ノズル25から顔料で他の色に着色された樹脂9bを注入し、着色層3aの上に着色層3bを成形する。この操作を繰り返して凹部2内に異なる色に着色された複数の樹脂9a,9b,9c…を複数回に分けて注入することによって、複数層の着色層3a,3b,3c…を成形し、この着色層3a,3b,3c…によって凹部2内に複数構成の成形層3を形成することができるものである。このように凹部2を形成した樹脂成形品1を成形金型7で成形した後に、凹部2に樹脂9を複数回に分けて注入して多層構造の成形層3を成形するようにすれば、複雑な構造の成形金型7や注入設備を用いる必要がなくなるので、低設備コストで樹脂成形品1や多層構造の成形層3の成形が可能になるものである。尚、樹脂成形品1の複数箇所にマーキングを施す場合には、その複数箇所に凹部2を形成すると共に凹部2内に成形層3を設けるようにすればよく、凹部2や成形層3の数は制限されるものではない。
【0049】
そしてこの樹脂成形品1の成形層3の表面に図10(b)、図11と同様にレーザビームLを照射すると共に所定のパターンニングで走査させることによって、レーザマーキングを行なうことができるものである。
【0050】
ここで、上記の各実施の形態のように、樹脂成形品1の凹部2内に成形層3を形成するにあたって、既述の特開昭62−203692号公報の場合のように塗料をコーティングして成形層3を形成する場合には、乾燥に時間を要して生産能率が悪くなる。特に図13(d)のように複数層の着色層3a,3b,3c…で成形層3を形成する場合には、コーティングと乾燥を繰り返して行なう必要があるために、生産能率が非常に悪くなる。そこで請求項10の発明では、熱硬化性樹脂を凹部2に注入して硬化を加熱により行なうことによって、成形層3を形成するようにしてある。熱硬化性樹脂はこのように成形工程で加熱を行なうことによって注入と硬化を同時に行わせることができ、乾燥工程が不要になって、成形層3を短時間で生産能率良く形成することができるものである。複数層の着色層3a,3b,3c…で成形層3を形成する場合には一層有利になるものである。この加熱は、熱風を吹き付けることによって行なうようにしてもよいが、遠赤外線加熱やマイクロ波加熱を行なえば、硬化に要する時間をさらに短縮することができるものである。
【0051】
さらに請求項11の発明では、紫外線硬化型の熱硬化性樹脂を凹部2に注入し、紫外線を照射して硬化させる成形を行なうことによって、成形層3を形成するようにしてある。紫外線硬化型樹脂は紫外線を照射することによって非常に短時間で硬化させることができ、乾燥工程が不要であって、成形層3を短時間で生産能率良く形成することができるものである。複数層の着色層3a,3b,3c…で成形層3を形成する場合には一層有利になるものである。
【0052】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係る樹脂成形品のレーザマーキング法は、キャビティ内に進退移動自在なコア型を設けた成形金型を用い、キャビティに樹脂を供給することによって樹脂成形品を成形すると共にキャビティ内に前進したコア型によって樹脂成形品の表面の一部に凹部を形成し、成形金型内において樹脂成形品の凹部に着色した樹脂を供給して凹部内に成形層を成形し、この後、成形層にレーザビームを照射してマーキングするようにしたので、成形層をコア型で成形される凹部内に形成することができ、成形層は凹部の底面の他に凹部の内側面にも密着して剥離し難く、特に成形層の端面は凹部内にあって露出していず、端面の露出する端部から剥離されるようなことを防ぐことができるものであり、成形層の剥離によってマークが脱落したり欠損したりすることを防止することができるものである。しかも、成形層はマーキングを行なう箇所の凹部においてのみ設けられているものであり、材料の無駄を少なくすることができるものである。
また請求項1の発明は、キャビティ内に進退移動自在なコア型を複数設けた成形金型を用い、複数のコア型によって樹脂成形品の表面に複数の凹部を形成すると共に各凹部に異なる色に着色された樹脂を供給して成形層を成形するようにしたので、樹脂成形品内に複数箇所において異なる色の複数の成形層を設けることができ、異なる色の複数の成形層に複数色でマーキングを施すことができるものである。
【0053】
また請求項2の発明は、キャビティ内にコア型を前進させた状態でキャビティに樹脂を供給することによって、コア型で凹部を形成した樹脂成形品を成形し、次いでコア型を後退させることによって形成される凹部の空間に着色した樹脂を供給して凹部内に成形層を成形するようにしたので、凹部への着色した樹脂の供給はコア型を後退させて凹部内に形成される空間に対して行なうことができ、凹部への樹脂の注入を低圧で行なうことができて、成形層の成形が容易になるものである。
【0054】
また請求項3の発明は、キャビティ内にコア型を前進させた状態でキャビティに樹脂を供給することによって、コア型で凹部を形成した樹脂成形品を成形し、次いでコア型と凹部の間に着色した樹脂を注入すると共にこの樹脂の注入圧力でコア型を後退させることによって凹部内に成形層を成形するようにしたので、樹脂成形品を形成する樹脂が硬化乃至固化していない状態でも成形層を形成する樹脂を凹部に供給することが可能になるものであり、硬化乃至固化していない樹脂同士の密着性によって、樹脂成形品に対する成形層の密着性を強固なものとすることができるものである。
【0056】
また請求項の発明は、成形金型のキャビティに成形された樹脂成形品を保持させたまま、成形層にレーザビームを照射してマーキングするようにしたので、樹脂成形品を位置決めする装置を用いる必要なく、成形金型で樹脂成形品を位置決めした状態でレーザビームの照射を行なうことができ、レーザマーキングの設備コストを低減することができるものである。
【0057】
また請求項の発明は、成形層に照射エネルギーの異なる複数種のレーザビームを照射することによって、成形層の表面の一部を発泡あるいは変色させることによるマーキングと、成形層の他の一部を貫通して除去することによるマーキングを行なうようにしたので、一層の成形層を設けるだけで、成形層の表面の一部を発泡させるか変色させて形成されるマークと、成形層の貫通孔を通して樹脂成形品の表面が露出することによって形成されるマークと、さらに貫通孔の底面において樹脂成形品の表面の一部を発泡させるか変色させて形成されるマークの、最大3種類の色の複数色でマーキングを行なうことができ、成形層を多層に形成せずとも複数色でマーキングが可能になり、成形層の加工工数を低減することができるものである。
【0058】
また請求項の発明は、樹脂成形品の凹部に異なる色に着色した樹脂を複数回に分けて注入することによって、色の異なる複数層に成形層を成形するようにしたので、成形層を構成する着色層の層数の複数色でマーキングを行なうことができるものである。
【0059】
また請求項の発明は、成形層に照射エネルギーの異なる複数種のレーザビームを照射することによって、成形層の所定の層まで貫通して除去することによるマーキングと、成形層の所定の層や成形層の貫通除去で露出される樹脂成形品の表面の一部を発泡あるいは変色させることによるマーキングを行なうようにしたので、貫通孔の底面に各着色層や樹脂成形品を露出させてマーキングを行なうことができると共に各着色層や樹脂成形品の表面に発泡あるいは変色によるマーキングを行なうことができ、成形層を構成する着色層の層数×2+1の種類の色でマーキングを行なうことが可能になり、着色層の層数を少なくしても多色でマーキングを行なうことができ、着色層を成形する工数を少なくすることができるものである。
【0060】
また請求項の発明は、成形金型のキャビティに樹脂を供給して表面の一部に凹部を形成した樹脂成形品を成形し、この樹脂成形品を成形金型から脱型した後、凹部に着色した樹脂を注入して凹部内に成形層を成形し、この後、成形層にレーザビームを照射してマーキングするようにしたので、凹部を形成した樹脂成形品を成形金型で成形した後に凹部に樹脂を注入して成形層を成形することができ、複雑な構造の成形金型や注入設備を用いる必要なく、低設備コストで成形が可能になるものである。
【0061】
また請求項の発明は、樹脂成形品の凹部に異なる色に着色した樹脂を複数回に分けて注入することによって、色の異なる複数層に成形層を成形するようにしたので、凹部を形成した樹脂成形品を成形金型で成形した後に、凹部に樹脂を複数回に分けて注入して多層構造の成形層を成形することができ、複雑な構造の成形金型や注入設備を用いる必要なく、低設備コストで樹脂成形品や多層構造の成形層の成形が可能になるものである。
【0062】
また請求項10の発明は、成形層を熱硬化性樹脂の注入及び加熱によって成形するようにしたので、熱硬化性樹脂は成形工程で加熱を行なうことによって注入と硬化を同時に行わせることができ、乾燥工程が不要になって、成形層を短時間で生産能率良く成形することができるものである。
【0063】
また請求項11の発明は、成形層を紫外線硬化型樹脂の注入及び紫外線照射によって成形するようにしたので、紫外線硬化型樹脂は紫外線を照射することによって非常に短時間で硬化させることができ、乾燥工程が不要になって、成形層を短時間で生産能率良く成形することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1の発明の実施の形態の一例を説明するための参考例を示すものであり、(a)乃至(e)はそれぞれ成形工程の断面図である。
【図2】 請求項1の発明の実施の形態の一例を説明するための参考例を示すものであり、(a),(b)はマーキング工程の断面図、(c)は平面図である。
【図3】 請求項2の発明の実施の形態の一例を説明するための参考例を示すものであり、(a)乃至(d)はそれぞれ成形工程の断面図である。
【図4】 請求項3の発明の実施の形態の一例を説明するための参考例を示すものであり、(a)乃至(d)はそれぞれ成形工程の断面図である。
【図5】 請求項の発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a),(b)はそれぞれ成形工程の断面図である。
【図6】 請求項の発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)乃至(c)はそれぞれマーキング工程の断面図である。
【図7】 請求項の発明の実施の形態の一例を説明するための参考例を示すものであり、(a)は成形工程の断面図、(b)は一部の拡大した断面図である。
【図8】 請求項の発明の実施の形態の一例を説明するための参考例を示すものであり、(a)はマーキング工程の断面図、(b)は平面図である。
【図9】 請求項の発明の実施の形態の一例を説明するための参考例を示すものであり、(a)乃至(c)は成形工程の断面図である。
【図10】 請求項の発明の実施の形態の他の一例を説明するための参考例を示すものであり、(a)乃至(c)はマーキング工程の断面図である。
【図11】 請求項の発明の実施の形態の他の一例を説明するための参考例を示すマーキング工程の断面図である。
【図12】 請求項の発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)乃至(d)は成形工程の断面図である。
【図13】 請求項の発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)乃至(e)は成形工程の断面図である。
【図14】 従来例の成形工程の断面図である。
【符号の説明】
1 樹脂成形品
2 凹部
3 成形層
3a,3b,3c 着色層
5 キャビティ
6 コア型
7 成形金型
8 樹脂
9 着色樹脂

Claims (11)

  1. キャビティ内に進退移動自在なコア型を複数設けた成形金型を用い、キャビティに樹脂を供給することによって樹脂成形品を成形すると共にキャビティ内に前進した複数のコア型によって樹脂成形品の表面の一部に複数の凹部を形成し、成形金型内において樹脂成形品の凹部に異なる色に着色した樹脂を供給して凹部内に成形層を成形し、この後、成形層にレーザビームを照射してマーキングすることを特徴とする樹脂成形品のレーザマーキング法。
  2. キャビティ内にコア型を前進させた状態でキャビティに樹脂を供給することによって、コア型で凹部を形成した樹脂成形品を成形し、次いでコア型を後退させることによって形成される凹部の空間に着色した樹脂を供給して凹部内に成形層を成形することを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形品のレーザマーキング法。
  3. キャビティ内にコア型を前進させた状態でキャビティに樹脂を供給することによって、コア型で凹部を形成した樹脂成形品を成形し、次いでコア型と凹部の間に着色した樹脂を注入すると共にこの樹脂の注入圧力でコア型を後退させることによって凹部内に成形層を成形することを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形品のレーザマーキング法。
  4. 成形金型のキャビティに成形された樹脂成形品を保持させたまま、成形層にレーザビームを照射してマーキングすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の樹脂成形品のレーザマーキング法。
  5. 成形層に照射エネルギーの異なる複数種のレーザビームを照射することによって、成形層の表面の一部を発泡あるいは変色させることによるマーキングと、成形層の一部を貫通して除去することによるマーキングを行なうことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の樹脂成形品のレーザマーキング法。
  6. 樹脂成形品の凹部に異なる色に着色した樹脂を複数回に分けて注入することによって、色の異なる複数層に成形層を成形することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の樹脂成形品のレーザマーキング法。
  7. 成形層に照射エネルギーの異なる複数種のレーザビームを照射することによって、成形層の所定の層まで貫通して除去することによるマーキングと、成形層の所定の層や成形層の貫通除去で露出される樹脂成形品の表面の一部を発泡あるいは変色させることによるマーキングを行なうことを特徴とする請求項6に記載の樹脂成形品のレーザマーキング法。
  8. 成形金型のキャビティに樹脂を供給して表面の一部に凹部を形成した樹脂成形品を成形し、この樹脂成形品を成形金型から脱型した後、凹部に着色した樹脂を注入して凹部内に成形層を成形し、この後、成形層にレーザビームを照射してマーキングすることを特徴とする樹脂成形品のレーザマーキング法。
  9. 樹脂成形品の凹部に異なる色に着色した樹脂を複数回に分けて注入することによって、色の異なる複数層に成形層を成形することを特徴とする請求項8に記載の樹脂成形品のレーザマーキング法。
  10. 成形層を熱硬化性樹脂の注入及び加熱によって成形することを特徴とする請求項8又は9に記載の樹脂成形品のレーザマーキング法。
  11. 成形層を紫外線硬化型樹脂の注入及び紫外線照射によって成形することを特徴とする請求項8又は9に記載の樹脂成形品のレーザマーキング法。
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