JP2000234073A - ハードコート基材の製造方法 - Google Patents

ハードコート基材の製造方法

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JP2000234073A
JP2000234073A JP10777399A JP10777399A JP2000234073A JP 2000234073 A JP2000234073 A JP 2000234073A JP 10777399 A JP10777399 A JP 10777399A JP 10777399 A JP10777399 A JP 10777399A JP 2000234073 A JP2000234073 A JP 2000234073A
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energy ray
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Kiyoshi Muto
清 武藤
Shinsuke Ochiai
伸介 落合
Katsumi Akata
勝己 赤田
Koichi Tokuyama
恒一 徳山
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚みが小さくとも耐擦傷性が大きく低下して
いないハードコート層を有するハードコート基材を製造
する方法を提供する。 【解決手段】 基材の表面に形成された、活性化エネル
ギー線硬化性化合物および該活性化エネルギー線硬化性
化合物100重量部あたり0.1〜15重量部のシリコ
ーンオイルを含有する層に、活性化エネルギー線を照射
することを特徴とする厚みが3μm以下のハードコート
層を有するハードコート基材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードコート基材
の製造方法に関し、詳しくは厚みが3μm以下のハード
コート層を有するハードコート基材の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】基材の表面にハードコート層を有するハ
ードコート基材は、基材の耐擦傷性などが向上されてい
ることから、様々な用途において使用されている。かか
るハードコート基材は通常、基材の表面に活性化エネル
ギー線硬化性化合物を含有する層を形成した後、この層
を硬化することにより硬化被膜を基材上に形成すること
により製造されている。ここで硬化性化合物を含有する
層は、例えば活性化エネルギー線硬化性化合物を含有す
る溶液を塗布後、乾燥することにより形成することがで
きる。また、かくして形成された層を硬化させるには活
性化エネルギー線を照射すればよく、具体的には電子線
を照射してもよいし紫外線や可視光線を照射してもよ
い。活性化エネルギー線の照射は大気中で行うことがで
きる。
【0003】かくして得られるハードコート基材におけ
るハードコート層は、その厚みが小さい方が、活性化エ
ネルギー線硬化性化合物の使用量が少なくなって経済性
の点で好ましい。ハードコート層の厚みを小さくするに
は基材の表面に形成する活性化エネルギー線硬化性化合
物を含有する層の厚みを小さくすればよく、通常は該層
の厚みが小さくなるように該溶液を塗布すればよい。
【0004】しかし、厚みの小さいハードコート層は、
その耐擦傷性が低下する傾向にあり、例えば厚み3μm
以下とすると耐擦傷性が大きく低下する傾向にあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
厚みが小さくとも耐擦傷性が大きく低下していないハー
ドコート層を有するハードコート基材を製造する方法を
開発するべく鋭意検討した結果、基材表面に形成される
活性化エネルギー線硬化性化合物を含有する層におい
て、該活性化エネルギー線硬化性化合物に対して特定量
のシリコーンオイルを含む場合には、ハードコート層の
厚みが小さくとも耐擦傷性の低下が比較的小さいハード
コート基材を得ることができることを見出し、本発明に
至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、基
材の表面に形成された、活性化エネルギー線硬化性化合
物および該活性化エネルギー線硬化性化合物100重量
部あたり0.1〜15重量部のシリコーンオイルを含有
する層に、活性化エネルギー線を照射することを特徴と
する厚みが3μm以下のハードコート層を有するハード
コート基材の製造方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法に適用される基
材は、通常のハードコート層が表面に設けられる基材と
同様の材質のものが使用でき、無機材料からなるガラス
基材であってもよいし、合成樹脂などからなる樹脂基材
であってもよい。樹脂基材の材質として具体的にはアク
リル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリ
オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチ
レンテレフタレートなどのエステル系樹脂、トリアセチ
ルセルロースなどのセルロース系樹脂などが挙げられ
る。
【0008】基材は、着色剤、顔料などによって着色さ
れていてもよいし、通常の基材に使用されると同様の添
加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤などを含有して
いてもよい。
【0009】基材の形状は、表面が平面な板状、フィル
ム状であってもよいし、これらの表面がエンボス加工さ
れた凹凸を有する形状であってもよく、さらには凸レン
ズや凹レンズ、凸面鏡、凹面鏡などのような凹面または
凸面の形状を有する基材であってもよい。
【0010】本発明の方法においては、かかる基材の表
面に活性化エネルギー線硬化性化合物およびシリコーン
オイルを含有する層が形成される。活性化エネルギー線
硬化性化合物は、電子線、紫外線などの活性化エネルギ
ー線を照射されることにより硬化する性質を有する化合
物であって、例えば電子線を照射されることにより硬化
する電子線硬化性化合物であってもよいし、紫外線を照
射されることにより硬化する紫外線硬化性化合物であっ
てもよい。これらの化合物は、通常のハードコート層の
形成に用いられるハードコート剤の主成分と同様の化合
物であり、多官能アクリレート系化合物を主成分とする
ものなどが例示される。
【0011】ここで、多官能アクリレート系化合物と
は、分子中に少なくとも2個のアクリロイルオキシ基ま
たはメタクリロイルオキシ基を有する化合物であり、具
体的には、
【0012】エチレングリコールジアクリレート、ジエ
チレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、
トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロ
ールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタン
テトラアクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタ
エリスリトールテトラアクリレート、グリセリントリア
クリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレート、トリス(アクリロイル
オキシエチル)イソシアヌレート、
【0013】エチレングリコールジメタクリレート、ジ
エチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコール
ジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタク
リレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、
テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメ
チロールメタンテトラメタクリレート、ペンタグリセロ
ールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメ
タクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレ
ート、グリセリントリメタクリレート、ジペンタエリス
リトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトール
テトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
メタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタク
リレート、トリス(メタクリロイルオキシエチル)イソ
シアヌレート、
【0014】ホスファゼン化合物のホスファゼン環にア
クリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基が導
入されたホスファゼン系アクリレート化合物またはホス
ファゼン系メタクリレート化合物、
【0015】分子中に少なくとも2個のイソシアネート
基を有するポリイソシアネートと少なくとも1個のアク
リロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基および
水酸基を有するポリオール化合物との反応により得られ
るウレタンアクリレート化合物やウレタンメタクリレー
ト化合物、分子中に少なくとも2個のカルボン酸ハロゲ
ン化物と少なくとも1個のアクリロイルオキシ基または
メタクリロイルオキシ基および水酸基を有するポリオー
ル化合物との反応により得られるポリエステルアクリレ
ート化合物、ポリエステルメタクリレート化合物、なら
びに
【0016】上記各化合物の2量体、3量体などのよう
なオリゴマーなどが挙げられる。これらの化合物はそれ
ぞれ単独または2種以上を混合して用いられる。
【0017】かかる活性化エネルギー線硬化性化合物
は、溶剤と混合された状態の溶液として用いてもよい。
活性化エネルギー線硬化性化合物またはその溶液は、ハ
ードコート剤として市販されているものであってもよ
い。市販のハードコート剤として具体的には、「NKハ
ードM101」(新中村化学(株)製、ウレタンアクリ
レート化合物)、「NKエステルA−TMM−3L」
(新中村化学(株)製、テトラメチロールメタントリア
クリレート)、「NKエステルA−9530」(新中村
化学(株)製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレ
ート)、「KAYARAD DPCAシリーズ」(日本
化薬(株)製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレ
ート化合物の誘導体)、「アロニックスM−8560」
(東亜合成(株)製、ポリエステルアクリレート化合
物)、「ニューフロンティアTEICA」(第一工業製
薬(株)製、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソ
シアヌレート)、「PPZ」(共栄社化学(株)製、ホ
スファゼン系メタクリレート化合物)などが例示され
る。
【0018】シリコーンオイルとしては、通常のものが
使用でき、具体的にはジメチルシリコーンオイル、フェ
ニルメチルシリコーンオイル、アルキル・アラルキル変
性シリコーオイル、フルオロシリコーンオイル、ポリエ
ーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸エステル変性シリ
コーンオイル、メチル水素シリコーンオイル、シラノー
ル基含有シリコーンオイル、アルコキシ基含有シリコー
ンオイル、フェノール基含有シリコーンオイル、メタク
リル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイ
ル、カルボン酸変性シリコーンオイル、カルビーノル変
性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、
メルカプト変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコー
ンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイルなどが例
示される。これらのシリコーンオイルはそれぞれ単独で
用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0019】シリコーンオイルの粘度(25℃で測定し
た値)は、通常1mm2/s程度以上100万mm2/s
程度以下であるが、上記シリコーンオイルの中でも粘度
が約1000mm2/s以上、特には約1万mm2/s以
上のものが好ましい。これらのシリコーンオイルを使用
することにより、耐擦傷性能はもとより得られるハード
コート基材の外観も良く、また耐久性能も十分なハード
コート層を得ることができる。
【0020】かかるシリコーンオイルの使用量は、活性
化エネルギー線硬化性化合物100重量部あたり0.1
〜15重量部である。0.1重量部未満であると耐擦傷
性の向上が不十分となる傾向にあり、また15重量部を
越えると活性化エネルギー線硬化性化合物の効果が不十
分となりまたハードコート層の外観が悪化する傾向にあ
る。
【0021】本発明の製造方法においては、かかる活性
化エネルギー線硬化性化合物およびシリコーンオイルを
含有する層が基材の表面に形成される。かかる層を基板
の表面に形成するには、例えば活性化エネルギー線硬化
性化合物およびシリコーンオイルを含有する組成物を基
板の表面に塗布すればよい。かかる組成物は活性化エネ
ルギー線硬化性化合物およびシリコーンオイルを混合す
ることにより得ることができる。
【0022】活性化エネルギー線硬化性化合物およびシ
リコーンオイルを含有する組成物は、通常は溶剤で希釈
されて用いられるが、この場合には、活性化エネルギー
線硬化性化合物とシリコーンオイルとを混合した後に溶
剤で希釈してもよいし、活性化エネルギー線硬化性化合
物を溶剤で希釈した後にシリコーンオイルと混合しても
よく、活性化エネルギー線硬化性化合物と予め溶剤で希
釈されたシリコーンオイルとを混合してもよい。また、
予め溶剤で希釈された活性化エネルギー線硬化性化合物
と予め溶剤で希釈されたシリコーンオイルとを混合して
もよい。混合後の組成物は更に攪拌されてもよい。
【0023】また、活性化エネルギー線硬化性化合物お
よびシリコーンオイルを含有する組成物は溶剤で希釈さ
れていることが、容易に塗布し得る点で好ましい。溶剤
の種類や使用量は、用いる活性化エネルギー線硬化性化
合物の種類、シリコンオイルの種類や使用量、基材の材
質、形状、塗布方法、目的とするハードコート層の厚み
などに応じて適宜選択される。
【0024】活性化エネルギー線硬化性化合物およびシ
リコーンオイルを含有する組成物は重合開始剤を含有し
ていてもよい。活性化エネルギー線として紫外線や可視
光線を用いる場合には通常、重合開始剤として光重合開
始剤が用いられる。
【0025】光重合開始剤としては、例えばアセトフェ
ノン、アセトフエノンベンジルケ夕ール、アントラキノ
ン、1−(4−イソプロピルフエニル−2−ヒドロキシ
−2−メチルプロパン−1−オン、カルバゾール、キサ
ントン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジアミ
ノベンゾフェノン、1,1−ジメトキシデオキシベンゾ
イン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノ
ン、チオキサントン、2,2−ジメトキシ−2−フェニ
ルアセトフェノン、1−(4−ドデシルフェニル)−2
−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メ
チル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モル
フオリノプロパン−1−オン、トリフェニルアミン、
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィ
ンオキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプ
ロパン−1−オン、フルオレノン、フルオレン、ベンズ
アルデヒド、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイソプ
ロピルエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、3
−メチルアセトフェノン、3,3’,4,4’−テトラ
tert−ブチルパーオキシカルボニルベンゾフエノン
(BTTB)、2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−
(モルフォリニル)フェニル〕−2−フェニルメチル)
−1−ブタノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェ
ニルサルファイド、ベンジルなどが挙げられる。また、
光重合開始剤は色素増感剤と組合せて用いてもよい。色
素増感剤としては、例えばキサンテン、チオキサンテ
ン、クマリン、ケトクマリンなどが挙げられる。光重合
開始剤と色素増感剤との組合せとしては、例えばBTT
Bとキサンテンとの組合せ、BTTBとチオキサンテン
との組合せ、BTTBとクマリンとの組合せ、BTTB
とケトクマリンとの組合せなどが挙げられる。
【0026】光重合開始剤を用いる場合、その使用量
は、活性化エネルギー線硬化性化合物100重量部あた
り0.1重量部以上である。0.1重量部未満であると
光重合開始剤を使用しない場合と比較して硬化速度が大
きくならない傾向にある。なお、光重合開始剤の使用量
の上限は、活性化エネルギー線硬化性化合物100重量
部あたり高々10重量部である。
【0027】活性化エネルギー線硬化性化合物およびシ
リコーンオイルを含有する組成物は、帯電防止剤を含有
していてもよい。帯電防止剤を含有することにより、帯
電防止性能や制電性能を有するハードコート基材を得る
ことができる。帯電防止剤としては、例えば界面活性
剤、導電性高分子からなる帯電防止剤、導電性粒子など
が挙げられる。導電性粒子としては、例えばインジウム
−スズ−複合酸化物(ITO)、アンチモンがドープさ
れた酸化スズなどの粒子が挙げられる。これらの帯電防
止剤は、それぞれ1種または2種以上を混合して使用さ
れる。
【0028】また、かかる組成物がブロム原子、フッ素
原子、硫黄原子、ベンゼン環などを含む有機化合物、酸
化錫、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化ジルコニウ
ム、酸化亜鉛、酸化ケイ素などの無機酸化物微粒子など
を含有する場合には、得られるハードコート基材におけ
るハードコート層の屈折率を調整することができる。
【0029】かかる組成物を基材の上に塗布したのち、
乾燥することにより、活性化エネルギー線硬化性化合物
およびシリコーンオイルを含有する層を形成することが
できる。塗布は、通常の方法、例えばマイクログラビア
コート法、ロールコート法、ディッピングコート法、ス
ピンコート法、ダイコート法、キャスト転写法、フロー
コート法、スプレーコート法などの方法により行なうこ
とができる。
【0030】その後、活性化エネルギー先を照射するこ
とにより、基材の表面に形成されたそうを構成する活性
化エネルギー線硬化性化合物が硬化して、目的とするハ
ードコート基材を得る。活性化エネルギー線としては、
例えば電子線、紫外線、可視光線などが挙げられ、使用
する活性化エネルギー線硬化性化合物の種類に応じて適
宜選択される。活性化エネルギー線は、通常のハードコ
ート層の形成におけると同様に照射すればよい。照射す
る活性化エネルギー線の強度、照射時間などは、用いる
硬化性化合物の種類、硬化性化合物を含有する層の厚み
などに応じて適宜選択される。活性化エネルギー線は、
不活性ガス雰囲気中で照射してもよい。窒素雰囲気中で
活性化エネルギー線を照射するには、例えば不活性ガス
でシールした容器の中で活性化エネルギー線照射を行え
ばよく、不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス
などが使用できる。
【0031】かくして得られる本発明のハードコート基
材は、基材の表面に、活性化エネルギー線硬化性化合物
の硬化物および該活性化エネルギー線硬化性化合物10
0重量部あたり0.1〜15重量部のシリコーンオイル
を含有するハードコート層を有するものであるが、該ハ
ードコート層の厚みが3μm以下であっても従来のシリ
コーンオイルを含まないで得たハードコート基材と比較
して耐擦傷性の低下が少なく、厚みが2μm以下、さら
には1μm以下である場合にはその傾向が大きいため、
好ましい。
【0032】本発明のハードコート基材は、ハードコー
ト層の厚みが小さくとも耐擦傷性に優れているので、例
えばプロジェクションテレビ用前面板、プラズマディス
プレイ用前面板、液晶表示装置の前面板、液晶表示装置
の最表面に配置される偏光フィルムなどの表示装置の部
材、光学レンズ、光学フィルム、めがねレンズ、光ファ
イバーのクラッド材料、導光板などの光学部品、防音
板、看板、標識などの建築材料、水槽、自動車計器カバ
ー、太陽電池カバー、ショーウインドウガラスなどとし
て使用することができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明をより詳細に説明
するが、本発明はかかる実施例により限定されるもので
はない。
【0034】なお、各実施例において得たハードコート
基材は、以下の方法により評価した。 (1)ハードコート層の厚み 小型膜厚測定装置「OP−50S」(東レ(株)製)を
用いて測定した。 (2)硬度 チーズクロス耐擦傷性試験〔米国Summers Op
tical社製〕を用いて、チーズクロスを5kg/c
2の荷重でハードコート層に傷が生じるまで荷重で往
復し、その往復回数を測定した。
【0035】実施例1 ウレタンアクリレート系化合物を含有するハードコート
剤〔「NKハードM−101」、新中村化学(株)製、
ハードコート剤100重量部中にウレタンアクリレート
系化合物80重量部を含有する。〕(10重量部)にジ
メチルシリコーンオイル〔「KF96H−10万c
s」、粘度10万mm2/s、屈折率1.403、信越
シリコーン(株)製〕(0.16重量部)、キシレン(9
0重量部)、酢酸エチル(30重量部)およびエチレン
グリコールモノブチルエーテル(30重量部)を混合し
てウレタンアクリレート系化合物およびシリコーンオイ
ルを含有する組成物を得た。この組成物におけるシリコ
ーンオイルの含有量は、ウレタンアクリル系化合物10
0重量部あたり2重量部である。
【0036】この組成物をバーコーター(No.8)を
用いて基材〔アクリル系樹脂板、「スミペックスE」、
住友化学工業(株)製、厚みは2mm〕の一方の面の上
に塗布したのち、室温で10分間乾燥して、ウレタンア
クリレート系化合物およびシリコーンオイルを含有する
層をアクリル系樹脂板の表面に形成した。次いで、アク
リル系樹脂板の上に形成された層に、120Wの高圧水
銀ランプ〔ウシオ電気製、「UVC−3533/1HO
L03−MXC」〕を用いて窒素雰囲気下(酸素濃度は
0.2%以下)で0.5J/cm2の紫外線を照射し
て、ハードコートアクリル系樹脂板を得た。このハード
コートアクリル系樹脂板の評価結果を表1に示す。
【0037】実施例2 キシレンの使用量を156重量部とし、酢酸エチルの使
用量を52重量部とし、エチレングリコールものブチル
エーテルの使用量を52重量部とする以外は、実施例1
と同様に操作して、ウレタンアクリレート系化合物およ
びシリコーンオイルを含有する組成部物を得、ハードコ
ートアクリル系樹脂板を得た。評価結果を表1に示す。
【0038】実施例3 キシレンの使用量を234重量部とし、酢酸エチルの使
用量を78重量部とし、エチレングリコールモノブチル
エーテルの使用量を78重量部とする以外は、実施例1
と同様に操作して、ウレタンアクリレート系化合物およ
びシリコーンオイルを含有する組成部物を得、ハードコ
ートアクリル系樹脂板を得た。評価結果を表1に示す。
【0039】比較例1〜3 ジメチルシリコーンオイルを用いない以外は、実施例1
〜3と同様に操作して、組成物を得、ハードコートアク
リル系樹脂板を得た。このハードコートアクリル系樹脂
板の評価結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、ハードコー
ト層の厚みが3μm以下であっても、十分な耐擦傷性を
有するハードコート基材を製造することができるので、
原料である活性化エネルギー線硬化性化合物の使用量を
低減して経済的にハードコート基材を製造することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤田 勝己 愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住友化学 工業株式会社内 (72)発明者 徳山 恒一 愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住友化学 工業株式会社内 Fターム(参考) 4D075 CA02 EA21 EB42 4J038 DL032 FA011 NA11 PA17 PC08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の表面に形成された、活性化エネルギ
    ー線硬化性化合物および該活性化エネルギー線硬化性化
    合物100重量部あたり0.1〜15重量部のシリコー
    ンオイルを含有する層に、活性化エネルギー線を照射す
    ることを特徴とする厚みが3μm以下のハードコート層
    を有するハードコート基材の製造方法。
  2. 【請求項2】活性化エネルギー線硬化性化合物および該
    活性化エネルギー線硬化性化合物100重量部あたり
    0.1〜15重量部のシリコーンオイルを含有する組成
    物。
  3. 【請求項3】基材の表面に、活性化エネルギー線硬化性
    化合物の硬化物および該活性化エネルギー線硬化性化合
    物100重量部あたり0.1〜15重量部のシリコーン
    オイルを含有し、厚みが3μm以下のハードコート層を
    有することを特徴とするハードコート基材。
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