JP3953605B2 - 薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜トランジスタの製造方法に係り、特にドレイン電流等の電気的特性を低下することなくソース/ドレイン領域のコンタクト抵抗を低減しうる薄膜トランジスタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶ディスプレイやエレクトロルミネッセンスパネル等では、省電力、省スペース、応答速度の速さ、表示の美しさ等の理由から、各画素電極に対して駆動用素子として薄膜トランジスタ(TFT、Thin Film Transistor)が広く用いられている。
【0003】
従来の薄膜トランジスタの製造方法を図10を用いて説明する。図10は従来の薄膜トランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
まず、ガラス基板110上にシリコン酸化膜112を形成し、シリコン酸化膜112上にポリシリコン膜より成るチャネル層118を形成する。そして、チャネル層118上にシリコン酸化膜(図示せず)、Al膜(図示せず)を順次形成する。この後、フォトリソグラフィによりAl膜をゲート電極126の形状にパターニングしてゲート電極126を形成し、次にシリコン酸化膜をゲート絶縁膜124の形状にパターニングしてゲート絶縁膜124を形成する。
【0004】
そして、図10(a)に示すように、III族元素ガスやV族元素ガスを水素ガスで希釈したガスを原料として不純物イオンを注入し、チャネル層118のソース/ドレイン領域130にオーミック領域118aを、ゲート絶縁膜124に自己整合で形成する。そして、イオン注入装置の加速電圧を更に高く設定して不純物イオンを注入し、チャネル層118にLDD(Lightly Doped Drain)領域118bをゲート電極126に自己整合で形成する。
【0005】
次に、図10(b)に示すように、全面にシリコン酸化膜132を形成する。この後、シリコン酸化膜132に、ゲート電極126、ソース/ドレイン領域130のチャネル層118に達するコンタクトホール134をそれぞれ形成する。そしてゲート配線136aをゲート電極126に達するように形成し、ソース/ドレイン配線136bをソース/ドレイン領域130のチャネル層118に達するように形成する。このようにして従来の薄膜トランジスタが形成されていた。
【0006】
なお、液晶ディスプレイやエレクトロルミネッセンスパネル等では、ガラス基板110が大きいため、生産性を向上させるべく大出力が可能な非質量分離型のイオン注入装置を用いて不純物イオンの注入が行われていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、非質量分離型のイオン注入装置を用いて不純物イオンを注入する場合には、本来注入すべきIII族元素やV族元素のみを選択して注入することができないため、原料ガス中の水素までもがIII族元素やV族元素と共に注入されてしまっていた。特に水素は、質量が小さいため飛程が大きく、ゲート電極126やゲート絶縁膜124の膜厚が薄い場合には、ゲート電極126やゲート絶縁膜124を突き抜けてゲート電極126下方のチャネル層118のチャネル領域118cにまで到達してしまうことがあった。
【0008】
ソース/ドレイン配線136bとチャネル層118との間のコンタクト抵抗を低くするためには、ソース/ドレイン領域130のチャネル層118に不純物イオンを十分に注入する必要があるが、不純物イオンの注入量が多くなるほどゲート電極126やゲート絶縁膜124を突き抜けてチャネル領域118cに到達する水素の量も増加してしまう。そして、チャネル領域118cに臨界量を超える水素が到達してしまうとチャネル領域118cに欠陥が誘起されることがあり、これにより薄膜トランジスタのドレイン電流や移動度等の特性が低下してしまうことがあった。
【0009】
水素がゲート電極126下方のチャネル領域に注入されるのを防ぐためには、ゲート電極126の膜厚を厚くすることが考えられるが、単にゲート電極126の膜厚を厚くしたのではガラス基板110上において薄膜トランジスタによる段差が大きくなってしまうため好ましくなかった。
本発明の目的は、非質量分離型のイオン注入装置を用いて不純物イオンを注入する薄膜トランジスタの製造方法であって、ドレイン電流等の電気的特性を低下させることなくソース/ドレイン領域のコンタクト抵抗を低減することができる薄膜トランジスタの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、下地基板の一方の面にチャネル層を形成するチャネル層形成工程と、前記一方の面側の全面にゲート絶縁膜を形成するゲート絶縁膜形成工程と、前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、前記ゲート絶縁膜を所定の形状にパターニングする工程と、前記一方の面側の全面にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、前記レジスト膜を前記ゲート電極に自己整合でパターニングし、前記ゲート電極上に前記レジスト膜より成るレジストマスクを形成するレジストマスク形成工程と、前記レジストマスク形成工程の後に、前記ゲート絶縁膜をマスクとして不純物イオンを注入し、前記ゲート絶縁膜の両側の前記チャネル層にオーミック領域を形成する第1のイオン注入工程と、前記レジストマスクをマスクとして非質量分離型のイオン注入装置により不純物イオンを注入し、前記ゲート電極の両側の前記チャネル層に前記オーミック領域より不純物濃度の低い低濃度領域を形成する第2のイオン注入工程とを有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法により達成される。これにより、ゲート電極上にレジストマスクをゲート電極に自己整合で形成することができるので、非質量分離型のイオン注入装置を用いてイオン注入した場合でも水素がゲート電極下方のチャネル層のチャネル領域に注入されることがない。これによりソース/ドレイン領域のチャネル層に十分に不純物イオンを注入することができるので、ドレイン電流等の電気的特性を低下させることなくソース/ドレイン領域のコンタクト抵抗を低減することができる。
【0011】
また、上記目的は、下地基板の一方の面の第1の領域にチャネル層を形成するチャネル層形成工程と、前記チャネル層上方にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、前記一方の面側の全面にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、前記第1の領域と異なる第2の領域の前記レジスト膜を選択的に露光する第2領域露光工程と、前記レジスト膜を加熱して前記第2の領域の前記レジスト膜を現像液に対して不溶性にする熱処理工程と、前記ゲート電極上の領域を除く領域の前記レジスト膜を露光し、前記レジスト膜を現像して前記第1の領域の前記レジスト膜を前記ゲート電極に自己整合でパターニングし、前記ゲート電極上及び前記第2の領域上に前記レジスト膜より成るレジストマスクを形成するレジストマスク形成工程と、前記レジストマスクをマスクとして非質量分離型のイオン注入装置により第1導電型の不純物イオンを注入し、前記チャネル層に第1導電型の薄膜トランジスタのソース/ドレイン領域を形成する第1導電型イオン注入工程とを有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法により達成される。これにより、異なる導電型の薄膜トランジスタが形成される領域をレジスト膜で覆うと共に、同じレジスト膜によりイオン注入をすべき薄膜トランジスタのゲート電極上にレジストマスクを形成することができる。このため、従来の製造方法に対する製造工程の増加を抑制しつつ薄膜トランジスタを形成することができる。
【0012】
また、上記の薄膜トランジスタの製造方法において、前記第2の領域に前記第1導電型と異なる第2導電型の薄膜トランジスタを形成する工程を有することが望ましい。
また、上記の薄膜トランジスタの製造方法において、前記レジストマスク形成工程では、前記下地基板の他方の面側から前記ゲート電極をマスクとして前記レジスト膜を露光し、前記レジスト膜を前記ゲート電極に自己整合でパターニングすることが望ましい。これにより、背面露光により、ゲート電極上にレジストマスクをゲート電極に自己整合で形成することができるので、非質量分離型のイオン注入装置を用いてイオン注入した場合でも水素がゲート電極下方のチャネル層のチャネル領域に注入されることがない。これによりソース/ドレイン領域のチャネル層に十分に不純物イオンを注入することができるので、ドレイン電流等の電気的特性を低下させることなくソース/ドレイン領域のコンタクト抵抗を低減することができる。
【0013】
また、上記の薄膜トランジスタの製造方法において、前記第2のイオン注入工程では、水素で希釈した不純物ガスを用いることが望ましい。
また、上記の薄膜トランジスタの製造方法において、前記第1導電型イオン注入工程では、水素で希釈した不純物ガスを用いることが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による薄膜トランジスタの製造方法を図1を用いて説明する。図1乃至図3は、本実施形態による薄膜トランジスタの製造方法を示す工程断面図である。
【0015】
本実施形態による薄膜トランジスタの製造方法は、ゲート電極をマスクとして背面露光をすることによりゲート電極上にレジストマスクを形成し、このレジストマスクにより水素がゲート電極下方のチャネル層に注入されるのを防止することに主な特徴がある。
まず、図1(a)に示すように、ガラス基板10上に、プラズマCVD(plasma enhanced Chemical Vapor Deposition)法により膜厚200nmのシリコン酸化膜12を形成する。シリコン酸化膜12の成膜条件は、SiH4ガス流量は20sccm、N2Oガス流量は2000sccm、成膜室の圧力は100Pa、RFパワーは300Wとする。続いて、真空状態を継続したままで、シリコン酸化膜12上に、プラズマCVD法により膜厚50nmのアモルファスシリコン膜14を形成する。アモルファスシリコン膜14の成膜条件は、SiH4ガス流量は200sccm、H2ガス流量は800sccm、成膜室の圧力は100Pa、RFパワーは80Wとする。
【0016】
次に、N2雰囲気、450℃、1時間の熱処理によりアモルファスシリコン膜14中の水素を除去する。この後、アモルファスシリコン膜14にレーザを照射して結晶化することによりポリシリコン膜16を形成する。レーザ照射には、XeClエキシマレーザを用い、基板温度は200℃、エネルギー密度は400mJ/cm2とする(図1(b)参照)。
【0017】
次に、ポリシリコン膜16をチャネル層18の形状にパターニングし、シリコン酸化膜12上及びチャネル層18上に、プラズマCVD法により膜厚150nmのシリコン酸化膜20を形成する。この後、スパッタ法により膜厚300nmのAl膜22を形成する(図1(c)参照)。
次に、全面にフォトレジスト膜(図示せず)を形成し、フォトリソグラフィによりゲート電極26の形状にパターニングされたレジストマスク(図示せず)を形成する。そしてこのレジストマスクをマスクとして、Al膜22をゲート電極26の形状にパターニングしてゲート電極26を形成する。この後、レジストマスクをアッシングにより除去する。
【0018】
次に、全面にフォトレジスト膜(図示せず)を形成し、フォトリソグラフィによりゲート絶縁膜24の形状にパターニングされたレジストマスク(図示せず)を形成する。そしてこのレジストマスクをマスクとして、シリコン酸化膜20をゲート絶縁膜24の形状にパターニングしてゲート絶縁膜24を形成する。この後、レジストマスクをアッシングにより除去する。この後、ポジ型レジストを塗布して膜厚1μmのポジ型レジスト膜28を形成する(図2(a)参照)。
【0019】
次に、ゲート電極26をマスクとして背面露光を行うと、ゲート電極26はAl膜より成るため光を通さないので、ポジ型レジスト膜28の斜線部28aのみが露光される(図2(b)参照)。
次に、現像を行うと、図3(a)示すように、ゲート電極26上にレジストマスク28bが形成される。この後、ポストベークを行う。そしてこの後、非質量分離型のイオン注入装置を用いて不純物イオンを注入する。n形チャネルの薄膜トランジスタを形成する場合には、原料ガスとして水素ガスで希釈した5%のPH3ガスを用い、加速電圧を10kVとしてリンイオンを注入する。加速電圧を低く設定しているため、リンイオンがゲート絶縁膜24を突き抜けることがなく、これによりゲート絶縁膜24に自己整合してソース/ドレイン領域30のチャネル層18に、オーミック領域18aが形成される。なお、オーミック領域18aにおけるリンのドーズ量は2×1015/cm2とする。
【0020】
次に、加速電圧を90kVとして、上記と同様に非質量分離型のイオン注入装置を用いてリンイオンを注入する。加速電圧を高く設定しているため、リンイオンはゲート絶縁膜24を突き抜けてチャネル層18に達するが、ゲート電極26上にはレジストマスク28bが形成されているのでリンイオンがゲート電極26下方のチャネル層18のチャネル領域18cに達することはない。これにより、ゲート電極26に自己整合してLDD領域18bが形成される。なお、LDD領域18bにおけるリンのドーズ量は1×1014/cm2とする。
【0021】
なお、p形チャネルの薄膜トランジスタを形成する場合には、原料ガスとして、水素ガスで希釈した5%のB2H6ガスを用い、加速電圧を10kVとしてボロンイオンを注入し、例えばドーズ量5×1015/cm2のオーミック領域18aを形成すればよい。一方、LDD領域18bを形成する場合には、加速電圧70kVとし、上記と同様にしてボロンイオンを注入する。ボロンのドーズ量は例えば2×1014/cm2とすればよい。
【0022】
次に、アッシングによってレジストを除去する。そして、オーミック領域18aに注入した不純物の活性化を行うため、レーザ照射を行う。不純物の活性化は、アモルファスシリコン膜14を結晶化する場合より低いエネルギーで行うことができるため、エネルギー密度は例えば250mJ/cm2に設定すればよい。次に、プラズマCVD法により、層間絶縁膜として膜厚350nmのシリコン酸化膜32を形成する。この後、ゲート電極26、及びソース/ドレイン領域30のチャネル層18に達するコンタクトホール34をそれぞれ形成する。そしてAl膜(図示せず)をスパッタ法により形成する。この後、Al膜をゲート配線36a、ソース/ドレイン配線36bの形状にパターニングすることにより、ゲート配線36a、ソース/ドレイン配線36bをそれぞれ形成する(図3(b)参照)。
【0023】
この後、350℃、2時間の水素プラズマ雰囲気中でアニール処理を行って、チャネル層18におけるダングリングボンドを終端し、本実施形態による薄膜トランジスタが形成される。
このように本実施形態によれば、ゲート電極をマスクとして背面露光をすることによりゲート電極上にレジストマスクを形成することができるので、非質量分離型のイオン注入装置を用いてイオン注入した場合でも水素がゲート電極下方のチャネル層のチャネル領域に注入されることがない。これによりソース/ドレイン領域のチャネル層に十分に不純物イオンを注入することができるので、ドレイン電流等の電気的特性を低下させることなくソース/ドレイン領域のコンタクト抵抗を低減することができる薄膜トランジスタの製造方法を提供することができる。
【0024】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による薄膜トランジスタの製造方法を図4乃至図9を用いて説明する。図4乃至図8は、本実施形態による薄膜トランジスタの製造方法を示す工程断面図である。図9は、薄膜トランジスタのドレイン電流−ゲート電圧特性を示すグラフである。図1乃至図3に示す第1実施形態による薄膜トランジスタの製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
【0025】
本実施形態による薄膜トランジスタの製造方法は、nチャネルとpチャネルの薄膜トランジスタを同一基板上に形成する場合に、イメージリバーサルレジストを用いることにより製造工程の増加を抑制しつつ、第1実施形態と同様に薄膜トランジスタを形成することに主な特徴がある。
イメージリバーサルレジストは、通常はポジ型レジストとして機能するが、露光後、現像前にリバーサルベークという熱処理を行った場合には露光された領域のイメージリバーサルレジストが現像液に対して不溶性となるものである。なお、リバーサルベーク前に露光されなかった領域のイメージリバーサルレジストについては、リバーサルベーク後もポジ型レジストとして機能する。
【0026】
まず、第1実施形態と同様にして、ガラス基板10上にシリコン酸化膜12、アモルファスシリコン膜14を順に形成し(図4(a)参照)、アモルファスシリコン膜14にレーザを照射してポリシリコン膜16を形成する(図4(b)参照)。
次に、図4(c)に示すように、ポリシリコン膜16をチャネル層18の形状にパターニングする。この後、第1実施形態と同様にして、シリコン酸化膜20、Al膜22を順に形成する。なお、便宜上、図4(c)においては、左側のチャネル層18をn形チャネルの薄膜トランジスタ用、右側のチャネル層18をp形チャネルの薄膜トランジスタ用として説明する。
【0027】
次に、第1実施形態と同様にして、Al膜22をゲート電極26の形状にパターニングしてゲート絶縁膜26を形成し、この後シリコン酸化膜20をゲート絶縁膜24の形状にパターニングしてゲート絶縁膜24を形成する(図5(a)参照)。
次に、図5(b)に示すように、イメージリバーサルレジストを塗布することにより膜厚1μmのイメージリバーサルレジスト膜38を形成する。そして、n形チャネルの薄膜トランジスタが形成される領域39aをフォトマスク40により覆い、p形チャネルの薄膜トランジスタが形成される領域39bのイメージリバーサルレジスト膜38を露光する。この後、120℃、11分のリバーサルベークを行う。このリバーサルベークにより、p形チャネルの薄膜トランジスタが形成される領域39bのイメージリバーサルレジスト膜38は、現像液に対して不溶性となる。
【0028】
次に、図6(a)に示すように、ゲート電極26をマスクとして背面露光を行う。これにより、ゲート電極26をマスクとしてイメージリバーサルレジスト膜38が露光されるので、n形チャネルの薄膜トランジスタが形成される領域39aの斜線部のイメージリバーサルレジスト膜38aが現像液に対して可溶性となる。
【0029】
次に、現像を行うと、図6(b)に示すように、斜線部のイメージリバーサルレジスト膜38aが除去される。n形チャネルの薄膜トランジスタが形成される領域39aのゲート電極26上のイメージリバーサルレジスト膜38は露光されていないので、現像液により溶解されることはなく、ゲート電極26上にはイメージリバーサルレジスト膜38より成るレジストマスク38bが形成される。そしてこの後、ポストベークを行う。この後、第1実施形態と同様にしてチャネル層18にリンイオンを注入し、オーミック領域18a、LDD領域18bを順に形成する。図6(b)において左側はn形チャネルの薄膜トランジスタとなるため、第1実施形態で示したn形チャネルの薄膜トランジスタを形成する場合と同様の条件で形成する。
【0030】
この後、イメージリバーサルレジスト膜38及びレジストマスク38bをアッシングにより除去した後、イメージリバーサルレジストを塗布することにより上記と同様にしてイメージリバーサルレジスト膜42を形成する。そして、p形チャネルの薄膜トランジスタが形成される領域39bをマスクし、上記と同様にしてイメージリバーサルレジスト膜42を露光する(図7(a)参照)。
【0031】
次に、上記と同様して背面露光を行う(図7(b)参照)。
次に、上記と同様にして現像を行うと、図8(a)に示すように、p形チャネルの薄膜トランジスタが形成される領域39bの斜線部のイメージリバーサルレジスト膜42aが除去され、p形チャネルの薄膜トランジスタが形成される領域39bのゲート電極26上にはレジストマスク42bが形成される。そして、第1実施形態と同様にしてボロンイオンを注入し、オーミック領域18d、LDD領域18eを順に形成する。なお、ここではp形チャネルの薄膜トランジスタを形成するため、第1実施形態で示したp形チャネルの薄膜トランジスタを形成する場合と同様の条件で形成する。
【0032】
次に、第1実施形態と同様に、アッシングによってレジストを除去し、オーミック領域18a、18dの不純物を活性化するためのレーザ照射を行う。この後、第1実施形態と同様にして層間絶縁膜としてシリコン酸化膜32を形成し、コンタクトホール34を形成し、上記と同様にしてゲート配線36a、ソース/ドレイン配線36bを形成する。この後、第1実施形態と同様にしてチャネル層18におけるダングリングボンドを終端し、本実施形態による薄膜トランジスタが形成される。
【0033】
従来は、チャネル層のソース/ドレイン領域にイオン注入を行う場合は、異なる導電型の薄膜トランジスタが形成される領域については予めレジスト膜で覆い、イオン注入をすべき薄膜トランジスタのチャネル層のソース/ドレイン領域にのみイオン注入を行っていた。これに対し、本実施形態では、イメージリバーサルレジスト膜を用いたので、異なる導電型の薄膜トランジスタが形成される領域をイメージリバーサルレジスト膜で覆うと共に、同じイメージリバーサルレジスト膜によりイオン注入をすべき薄膜トランジスタのゲート電極上にレジストマスクを形成することができる。このため、従来の製造方法に対する製造工程の増加を抑制しつつ薄膜トランジスタを形成することができる。
【0034】
本実施形態による薄膜トランジスタの製造方法により製造した薄膜トランジスタの特性について、図9を用いて説明する。図9は、ドレイン電圧を10Vとし、横軸にゲート電圧(V)、縦軸にドレイン電流(A)を示したドレイン電流−ゲート電圧特性のグラフである。従来の薄膜トランジスタと本実施形態による薄膜トランジスタとを、ぞれぞれ10個のサンプルを用いて測定した。
【0035】
図9からわかるように、ゲート電圧が正の領域では、本実施形態による薄膜トランジスタでは、従来の薄膜トランジスタに比べて大きなドレイン電流が得られる。
このように本実施形態によれば、イメージリバーサルレジスト膜を用いたので、異なる導電型の薄膜トランジスタが形成される領域をイメージリバーサルレジスト膜で覆うと共に、同じイメージリバーサルレジスト膜によりイオン注入をすべき薄膜トランジスタのゲート電極上にレジストマスクを形成することができる。このため、従来の製造方法に対する製造工程の増加を抑制しつつ薄膜トランジスタを形成することができる。
【0036】
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、第1又は第2実施形態ではガラス基板を用いたが、ガラス基板に限定されるものではなく、フォトレジストを背面露光できるならば露光波長に対して透明性を有するあらゆる基板に適用することができる。
【0037】
また、第1又は第2実施形態では、チャネル層としてポリシリコン膜を用いたが、ポリシリコン膜に限定されるものではなく、アモルファスシリコン膜等を用いてもよい。
また、第1又は第2実施形態では、III族元素としてボロンを用いたが、ボロンに限定されるものではなく、例えばGa、In等の他のIII族元素を用いてもよい。
【0038】
また、第1又は第2実施形態では、V族元素としてリンを用いたが、リンに限定されるものではなく、例えばAs、Sb等の他のV族元素を用いてもよい。
【0039】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、ゲート電極をマスクとして背面露光をすることによりゲート電極上にレジストマスクを形成することができるので、非質量分離型のイオン注入装置を用いてイオン注入した場合でも水素がゲート電極下方のチャネル層のチャネル領域に注入されることがない。これによりソース/ドレイン領域のチャネル層に十分に不純物イオンを注入することができるので、ドレイン電流等の電気的特性を低下させることなくソース/ドレイン領域のコンタクト抵抗を低減することができる薄膜トランジスタの製造方法を提供することができる。
【0040】
また、本発明によれば、イメージリバーサルレジスト膜を用いたので、異なる導電型の薄膜トランジスタが形成される領域をイメージリバーサルレジスト膜で覆うと共に、同じイメージリバーサルレジスト膜によりイオン注入をすべき薄膜トランジスタのゲート電極上にレジストマスクを形成することができる。このため、従来の製造方法に対する製造工程の増加を抑制しつつ薄膜トランジスタを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による薄膜トランジスタの製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図2】本発明の第1実施形態による薄膜トランジスタの製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図3】本発明の第1実施形態による薄膜トランジスタの製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図4】本発明の第2実施形態による薄膜トランジスタの製造方法を示す工程断面図(その1)である。
【図5】本発明の第2実施形態による薄膜トランジスタの製造方法を示す工程断面図(その2)である。
【図6】本発明の第2実施形態による薄膜トランジスタの製造方法を示す工程断面図(その3)である。
【図7】本発明の第2実施形態による薄膜トランジスタの製造方法を示す工程断面図(その4)である。
【図8】本発明の第2実施形態による薄膜トランジスタの製造方法を示す工程断面図(その5)である。
【図9】本発明の第2実施形態による薄膜トランジスタのドレイン電流−ゲート電圧特性を示すグラフである。
【図10】従来の薄膜トランジスタを示す断面図である。
【符号の説明】
10…ガラス基板
12…シリコン酸化膜
14…アモルファスシリコン膜
16…ポリシリコン膜
18…チャネル層
18a、18d…オーミック領域
18b、18e…LDD領域
18c…チャネル領域
20…シリコン酸化膜
22…Al膜
24…ゲート絶縁膜
26…ゲート電極
28、28a…ポジ型レジスト膜
28b…レジストマスク
30…ソース/ドレイン領域
32…シリコン酸化膜
34…コンタクトホール
36a…ゲート配線
36b…ソース/ドレイン配線
38、38a…イメージリバーサルレジスト膜
38b…レジストマスク
39a…n形の薄膜トランジスタが形成される領域
39b…p形の薄膜トランジスタが形成される領域
40…フォトマスク
42、42a…イメージリバーサルレジスト膜
42b…レジストマスク
44…フォトマスク
110…ガラス基板
112…シリコン酸化膜
118…チャネル層
118a…オーミック領域
118b…LDD領域
118c…チャネル領域
124…ゲート絶縁膜
126…ゲート電極
130…ソース/ドレイン領域
132…シリコン酸化膜
134…コンタクトホール
136a…ゲート配線
136b…ソース/ドレイン配線
Claims (6)
- 下地基板の一方の面にチャネル層を形成するチャネル層形成工程と、
前記一方の面側の全面にゲート絶縁膜を形成するゲート絶縁膜形成工程と、
前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、
前記ゲート絶縁膜を所定の形状にパターニングする工程と、
前記一方の面側の全面にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
前記レジスト膜を前記ゲート電極に自己整合でパターニングし、前記ゲート電極上に前記レジスト膜より成るレジストマスクを形成するレジストマスク形成工程と、
前記レジストマスク形成工程の後に、前記ゲート絶縁膜をマスクとして不純物イオンを注入し、前記ゲート絶縁膜の両側の前記チャネル層にオーミック領域を形成する第1のイオン注入工程と、
前記レジストマスクをマスクとして非質量分離型のイオン注入装置により不純物イオンを注入し、前記ゲート電極の両側の前記チャネル層に前記オーミック領域より不純物濃度の低い低濃度領域を形成する第2のイオン注入工程と
を有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。 - 下地基板の一方の面の第1の領域にチャネル層を形成するチャネル層形成工程と、
前記チャネル層上方にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、
前記一方の面側の全面にレジスト膜を形成するレジスト膜形成工程と、
前記第1の領域と異なる第2の領域の前記レジスト膜を選択的に露光する第2領域露光工程と、
前記レジスト膜を加熱して前記第2の領域の前記レジスト膜を現像液に対して不溶性にする熱処理工程と、
前記ゲート電極上の領域を除く領域の前記レジスト膜を露光し、前記レジスト膜を現像して前記第1の領域の前記レジスト膜を前記ゲート電極に自己整合でパターニングし、前記ゲート電極上及び前記第2の領域上に前記レジスト膜より成るレジストマスクを形成するレジストマスク形成工程と、
前記レジストマスクをマスクとして非質量分離型のイオン注入装置により第1導電型の不純物イオンを注入し、前記チャネル層に第1導電型の薄膜トランジスタのソース/ドレイン領域を形成する第1導電型イオン注入工程と
を有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。 - 請求項2記載の薄膜トランジスタの製造方法において、
前記第2の領域に前記第1導電型と異なる第2導電型の薄膜トランジスタを形成する工程を有することを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方法において、
前記レジストマスク形成工程では、前記下地基板の他方の面側から前記ゲート電極をマスクとして前記レジスト膜を露光し、前記レジスト膜を前記ゲート電極に自己整合でパターニングすることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。 - 請求項1記載の薄膜トランジスタの製造方法において、
前記第2のイオン注入工程では、水素で希釈した不純物ガスを用いることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。 - 請求項2又は3記載の薄膜トランジスタの製造方法において、
前記第1導電型イオン注入工程では、水素で希釈した不純物ガスを用いることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。
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